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頸椎椎間孔狭窄症とは|症状・原因・治療法を現役医師が解説

「肩から腕、指先にかけて、しびれやだるさを感じる」
「肩や腕に違和感があり、つらい」
その症状は頸椎椎間孔狭窄症と呼ばれる疾患の可能性があります。頸椎椎間孔狭窄症は、首の神経の通り道が狭くなることで腕や手に異常を引き起こす疾患です。症状が進行すると日常生活に影響が及ぶため、早期の対処が重要です。
本記事では、現役医師が、頸椎椎間孔狭窄症の原因や症状、治療法の全体像をわかりやすく解説します。また、記事の最後には、頸椎椎間孔狭窄症に関するよくある質問をまとめておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
頸椎椎間孔狭窄症とは
症状の分類 | 主な症状例 | 特徴や注意点 |
---|---|---|
首・肩・肩甲骨の違和感 | 首の付け根や肩、肩甲骨周辺の鈍痛や重だるさ | 姿勢や動作で悪化しやすい違和感。首の可動域制限や放散痛を伴うことも多い |
腕や手のしびれ | 指先まで広がる「ジンジン」「ピリピリ」「チクチク」などの感覚異常 | 神経根ごとに症状の出る場所が異なる。片側性が多く、麻痺感や焼けるような違和感もあり得る |
筋力低下・脱力 | 握力低下、物を落とす、細かい作業の困難 | 神経の圧迫が続くことで起こる。日常動作に支障が出ることもある |
感覚異常 | 触られても感覚が鈍い、熱さ冷たさがわかりにくい、アロディニア | しびれとは異なる、感覚の異常。異痛症を訴えるケースもある |
足の症状(稀) | 歩行障害、排尿・排便障害、体幹のしびれ | 脊髄圧迫を伴う重度例であり、早急な受診が必要 |
頸椎椎間孔狭窄症は、首の骨(頸椎)の間にある神経の通り道(椎間孔)が狭くなることで、神経が圧迫され、さまざまな症状が生じる疾患です。椎間孔は脊髄から分かれた神経が手や腕へ向かう重要な経路であり、そこが狭くなると、神経の流れが妨げられます。
頸椎椎間孔狭窄症は、加齢による骨や椎間板の変化が主な原因であり、長時間同じ姿勢を続ける習慣も悪化の要因です。足のしびれや排尿障害などがある場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。
頸椎椎間孔狭窄症の症状
症状 | 詳細 |
---|---|
首や肩の違和感 | 神経根の圧迫による神経刺激、周囲組織の炎症や緊張による不快感やこわばり、長時間同じ姿勢や首の動作で悪化 |
腕や手のしびれ・脱力感 | 神経根の圧迫によるしびれや感覚異常、筋力低下や脱力感、首の動作や同じ姿勢で悪化 |
足の症状(稀に発症) | 椎間孔や脊柱管の高度な狭窄による脊髄圧迫。足のしびれ、脱力、歩行障害、排尿・排便障害。重症例で発症 |
頸椎椎間孔狭窄症は、神経根の圧迫により首や肩の違和感や腕のしびれ、筋力低下が生じる疾患です。
まれに脊髄まで圧迫されると、足のしびれやふらつき、排尿・排便障害といった重い症状が出ることがあります。症状が悪化する前に、気になる症状があれば早めに医療機関を受診しましょう。
首や肩の違和感
原因 | 詳細 |
---|---|
神経根の圧迫による神経刺激 | 狭くなった椎間孔で神経根が圧迫され、局所的な違和感や不快感が生じる状態 |
周囲組織の炎症や緊張 | 筋肉や靭帯の炎症・緊張によるこわばりや違和感。長時間同じ姿勢や動作によって悪化する傾向 |
頸椎椎間孔狭窄症では、最初に首や肩に軽いこわばりや違和感を覚えることがあります。この症状は、神経が圧迫されはじめているサインであり、無理な姿勢や長時間の同一姿勢によって悪化しやすい傾向があります。
とくに、振り返る動作や上を向く姿勢で違和感が強まる場合は、神経への負担が強くなっている可能性があるため注意が必要です。気になる症状がある場合は、できるだけ早く医師に相談しましょう。
以下の記事では、右肩(左肩)がズキズキする症状について詳しく解説しています。
腕や手のしびれ・脱力感
症状 | 詳細 |
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しびれや感覚異常 | 神経根の圧迫による腕や手のしびれ、チクチク感。感覚の鈍さや違和感の出現 |
筋力低下や脱力感 | 圧迫が進行すると腕や手の筋力低下、物を持つ力の低下。細かい作業や動作の困難 |
違和感の悪化 | 首を後ろに反らせる、長時間同じ姿勢で症状が悪化 |
神経の圧迫が進行すると、腕や手にしびれや力の入りにくさが現れます。しびれは片側に出ることが多く、親指から中指、または薬指にかけて広がることもあるのが特徴です。
物を落としやすくなるなど日常動作に支障をきたす場合は、神経の損傷が進行している可能性があるため、症状が続くようであれば、医療機関への受診が必要です。
以下の記事では、手足のしびれについて詳しく解説しています。
足の症状(稀に発症)
特別なケース | 詳細 |
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椎間孔・脊柱管の高度狭窄 | 神経根だけでなく脊髄自体も圧迫。頸椎脊髄症の合併。足のしびれ、脱力、歩行障害、排尿・排便障害の出現 |
骨変形や椎間板膨隆の合併 | 骨棘や椎間板の膨隆で脊髄の通り道(脊柱管)が狭くなり、脊髄自体が圧迫。足の運動・感覚異常、巧緻運動 |
頸椎椎間孔狭窄症では、神経根の圧迫によって主に腕や手に症状が現れます。しかし、狭窄が高度になり、脊髄を通る脊柱管全体が狭くなると、脊髄そのものが圧迫される、頸椎脊髄症を合併するケースがあります。
このような場合、足のしびれやふらつき、小走りしにくいといった歩行障害に加え、尿が出にくい、頻尿、尿失禁、便秘などの排尿・排便障害が生じることがあります。これらは重症のサインであり、早急な医療機関での受診と精密検査が必要です。
頸椎椎間孔狭窄症の原因
原因 | 内容 |
加齢と身体の変性 | 年齢とともに椎間板の変性や骨の変形、靭帯の肥厚が進行し椎間孔が狭くなる。自然な老化現象で個人差あり |
椎間板ヘルニア | 椎間板の髄核が外へ飛び出し神経を圧迫。急な首の違和感やしびれ。若年層にも発症しやすい |
生活習慣や外的要因 | 長時間の前傾姿勢、運動不足、重い荷物、交通事故や転倒などによる頸椎への慢性的な負担や外傷 |
先天的な要因 | 生まれつき椎間孔が狭い体質。若年でのしびれや脱力の原因。家族歴も考慮し総合的な評価が必要 |
頸椎椎間孔狭窄症は、加齢による椎間板や骨、靭帯の変性が主な原因です。椎間板ヘルニアや長時間の前傾姿勢、重い荷物の持ち運び、事故などの外傷も発症の一因となります。
また、生まれつき椎間孔が狭い体質の方もおり、若い方でも症状が現れることがあります。どの原因でも、早期発見と適切な治療が重要です。
加齢と身体の変性によるもの
主な要因 | 内容 |
---|---|
椎間板の変性 | 加齢により椎間板の水分が減少し弾力性が低下。椎間板が潰れて椎間孔が狭くなり、神経根の圧迫を招く |
骨棘(こつきょく)の形成 | 椎間板や関節の摩耗で椎体の縁に骨棘ができ、椎間孔を狭くし神経根を圧迫。違和感やしびれの原因となる |
黄色靭帯の肥厚 | 加齢やストレスで黄色靭帯が厚くなり、椎間孔内に突出。神経根を圧迫し症状を引き起こす |
頸椎椎間孔狭窄症は、加齢により椎間板の変性や骨棘の形成、靭帯の肥厚が進むことで神経の通り道が狭くなり、首や腕に違和感やしびれが生じる疾患です。
これらは中高年に多くみられる自然な変化ですが、姿勢不良や喫煙、首への過度な負担が進行を早めるため、早期の予防と対策が重要です。
椎間板ヘルニア
メカニズム・原因 | 内容 |
---|---|
椎間板ヘルニアの発生機序 | 椎間板の髄核が線維輪を破って飛び出し、神経根を直接圧迫。椎間孔内のスペースが狭くなり症状を誘発 |
炎症反応の関与 | 飛び出した髄核による炎症で神経周囲が腫れ、違和感やしびれを助長 |
よく見られる症状 | 腕や手のしびれ・違和感、指先の感覚異常や筋力低下、巧緻障害。首を後ろに反らすと症状悪化しやすい |
加齢変性との違い | 加齢変性は中高年に多く進行は緩徐。骨棘や靭帯肥厚が特徴。椎間板ヘルニアは若年~中年にも発症、急激な症状 |
椎間板ヘルニアは、椎間板の中心部(髄核)が外に飛び出し、神経根や脊髄を直接圧迫することで、頸椎椎間孔狭窄症と同じような腕や手のしびれ・違和感、筋力低下などの症状を引き起こします。
加齢による変性は進行がゆっくりで中高年に多いのに対し、椎間板ヘルニアは若い方にも起こりやすく、急に強い症状が出るのが特徴です。症状が続く場合は、早急に医療機関を受診する必要があります。
以下の記事では、椎間板ヘルニアの症状を詳しく解説しています。
生活習慣や外的要因
頸椎椎間孔狭窄症は、加齢による椎間板や骨、靭帯の変性だけでなく、日常生活や仕事、スポーツによる首への負担や外傷、喫煙習慣なども発症の大きな要因です。
交通事故や転倒などの強い衝撃、長時間の悪い姿勢、重い荷物の持ち運び、同じ動作の繰り返しなどは、頸椎にストレスを与え椎間孔の狭窄を進めます。喫煙も椎間板や骨、靭帯の栄養を低下させ、変性を促進します。
これらの生活習慣や外的要因を見直し、適切な姿勢や禁煙を心がけることが予防や進行抑制につながります。症状が続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。
先天的な要因
頸椎椎間孔狭窄症は、先天的な要因によっても発症するケースもあります。生まれつき椎間孔が狭い体質の方は、神経の通り道がもともと限られているため、わずかな骨の変形や椎間板の膨らみでも神経が圧迫されやすくなります。
椎骨の形態異常や脊柱の発育異常も、椎間孔の形や大きさに影響を与える要因です。このような先天的な特徴に加え、加齢や外傷、生活習慣の影響が重なることで症状が出やすくなります。とくに若い年代で原因不明のしびれや脱力がある場合は、先天的な狭小化が疑われるため、家族歴も含めた専門的な評価が必要です。
頸椎椎間孔狭窄症の治療法
治療法 | 詳細 |
---|---|
薬物療法 | 神経の炎症を抑え、違和感やしびれを軽減。消炎鎮痛薬、神経痛治療薬、筋弛緩薬、ビタミン剤などを使用 |
理学療法(リハビリ) | 筋力強化や柔軟性向上、姿勢改善、血流促進を目的にストレッチや運動、温熱療法を実施。症状の緩和と再発防止に有効 |
神経ブロック注射 | 神経の違和感や炎症を局所麻酔とステロイドで直接抑制ができ、即効性も見込める |
手術療法 | 保存療法で改善しない場合に検討。神経の圧迫を取り除くため、椎間孔拡大術や椎弓形成術などが行われる |
再生医療 | 幹細胞を用いて神経の修復を促す新しい治療法。手術に比べて身体への負担が少なく、保存療法が無効な場合の選択肢となりうる |
頸椎椎間孔狭窄症の治療は段階を追って進められます。まずは薬で炎症や違和感を抑え、リハビリによって筋力や姿勢を整えます。
症状が強い場合には、神経ブロック注射によって一時的に違和感やしびれを緩和できます。これらの保存療法で効果が不十分な場合は、神経の圧迫を取り除く手術の検討が必要です。また、近年では再生医療も、手術以外の新たな選択肢として注目されています。
薬物療法
薬の種類 | 内容 |
---|---|
消炎鎮痛薬(NSAIDs) | 違和感や炎症の緩和。ロキソプロフェンやセレコキシブなどの飲み薬や湿布を使用 |
神経障害性疼痛治療薬 | 神経痛やしびれの軽減。プレガバリン、デュロキセチンなどを少量から段階的に服用 |
筋弛緩薬 | 筋肉の緊張緩和と血流促進。エペリゾンやチザニジンなどを使用 |
ビタミンB群製剤 | 神経機能の維持や修復。メコバラミンなどを使用。神経回復をサポート |
ステロイド薬(内服・注射) | 強力な抗炎症作用。急性期の違和感や炎症に短期間使用されることが多い |
薬物療法は、頸椎椎間孔狭窄症による違和感やしびれ、筋肉の緊張を和らげるのに有効です。違和感やしびれを緩和するために、消炎鎮痛薬や筋弛緩薬が処方されます。症状の程度によっては神経の炎症を鎮める治療が行われることもあります。
薬物療法はあくまで一時的な対処であり、根本的な改善にはほかの治療と併用するのが一般的です。副作用や効果の持続性を考慮しながら、医師の指導のもと行われます。
理学療法(リハビリテーション)
目的 | 内容 |
---|---|
筋力の強化・柔軟性向上 | 首や肩、背中の筋肉を鍛え、柔軟性を高めることで頸椎への負担を軽減。再発予防にも有効 |
姿勢の改善 | 正しい姿勢を維持することで椎間孔への圧迫を減らし、神経への負担を軽減 |
血流の促進 | 適切な運動や温熱療法で血流を改善し、組織の修復や炎症の軽減を促進 |
具体的な施策 | ストレッチや筋力トレーニング、姿勢指導、温熱療法などを理学療法士が個別にプログラムし指導 |
(文献1)
首や肩の筋肉を柔軟に保ち、神経への圧迫を軽減するために行われます。ストレッチや軽い運動療法、温熱療法などが組み合わされることが多く、継続することで徐々に症状の緩和が期待できます。
また、正しいリハビリの継続は頸椎椎間孔狭窄症の再発防止にも有効です。個々の症状に応じてプログラムが組まれるため、医師の指導のもとで実施されます。
神経ブロック注射
種類 | 内容 |
---|---|
神経根ブロック | 圧迫された神経根の周囲に麻酔薬とステロイドを注射。腕や手の強い違和感やしびれに有効 |
硬膜外ブロック | 脊髄周囲の空間に薬剤を注入。広範囲に作用し、首・肩・腕の広い範囲の症状に対応可能 |
トリガーポイント注射 | 筋肉の硬結部に麻酔薬を注射。筋緊張や血行不良による首・肩の違和感を改善するのに有効 |
神経ブロック注射は、頸椎椎間孔狭窄症による強い違和感やしびれを一時的に緩和する有効な方法です。比較的即効性があり、症状が強い場合に短期的な緩和を目的として実施されます。
ただし、神経ブロック注射は根本的な治療ではないため、繰り返しの使用には限度があり、通常は他の治療と併用して行われます。また、血圧の低下やめまいなどの副作用が起こる可能性もあるため、実施にあたっては医師と十分に相談した上での判断が大切です。
手術療法
手術法 | 詳細 |
---|---|
内視鏡下頚椎椎間孔拡大術(MECF) | 小さな切開から内視鏡を用いて椎間孔を拡大し、神経の圧迫を解除。筋肉や骨への負担が少なく、回復が早い |
頚椎前方除圧固定術(ACDF) | 首の前方から椎間板や骨棘を除去し、神経の圧迫を解除して椎体を固定。神経圧迫の解除と症状改善が期待できる場合に適応 |
頚椎椎弓形成術 | 首の後方から椎弓を形成し、脊柱管を拡大して神経の圧迫を解除。脊髄症状がある場合に適応 |
頸椎椎間孔狭窄症の手術療法は、保存的治療で効果が得られない場合や、症状が重く日常生活に支障がある場合に検討されます。手術は神経の圧迫を直接解除し、症状の改善や進行防止が期待できます。
代表的な方法には、内視鏡下椎間孔拡大術、前方除圧固定術、後方椎弓形成術があり、症状や状態に応じて選択されるのが特徴です。ただし、手術には感染や出血、神経損傷などのリスクもあるため、十分な説明を受けた上で慎重な判断が求められます。
再生医療
有効性の理由 | 内容 |
---|---|
神経の再生と修復を促進 | 幹細胞を用いて損傷した神経組織の再生・修復を目指す。脊髄腔内ダイレクト注射療法で損傷部位へ直接作用 |
身体への負担が少ない | 注射や点滴が中心で手術に比べて身体への負担が少ない。自分の細胞を使うため拒絶反応のリスクも低減 |
新たな治療選択肢の提供 | 手術や保存療法で効果が得られない場合にも適応可能。慢性的な違和感やしびれの改善を目指す新しい選択肢 |
再生医療は、手術や保存療法で効果が不十分だった場合の選択肢のひとつです。注射や点滴で幹細胞を直接損傷部位に届け、神経の再生・修復を促すことで、症状の改善が期待できます。
低侵襲であり、自家細胞使用により拒絶反応のリスクも小さいのも利点です。ただし、効果には個人差があり、すべての方に同じ効果が得られるわけではありません。
再生医療は限られた医療機関でのみ実施されているため、検討する際は事前に対応可能な施設を確認し、治療を希望する場合は医師と十分に相談した上で進めることが大切です。
以下の記事では、再生医療について詳しく解説しています。
頸椎椎間孔狭窄症の再発防止策
再発防止 | 詳細 |
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日常姿勢の見直し | 首への負担を避ける姿勢の工夫と寝具の見直し |
過度な負荷を避ける | 重い荷物の回避と衝撃予防、柔軟性維持のための運動習慣化 |
体重管理・生活習慣の改善 | 適正体重の維持と生活習慣の改善による首への負担軽減 |
頸椎椎間孔狭窄症の再発を防ぐには、正しい姿勢の維持や無理のない動作、適度な運動、体重管理を含む生活習慣の改善が欠かせません。
これらの対策は、自己判断で行うのではなく、医師の指導のもとで実践することが再発防止において大切です。
日常姿勢の見直し
項目 | 詳細 |
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正しい立ち姿勢の維持 | 頭をまっすぐ引き上げ、あごを軽く引く。肩の力を抜き、腹部に力を入れて背筋を伸ばす姿勢の意識 |
正しい座り姿勢の実践 | 浅く座って背もたれに寄りかかる。膝は股関節よりやや高く、足組みは長時間継続しないこと |
長時間の同一姿勢を回避 | 1時間に1回の休憩とストレッチ。首を前に突き出す姿勢の回避と、適度な姿勢変化の実践 |
頸椎椎間孔狭窄症の再発を防ぐには、日常の姿勢を見直すことが重要です。前かがみや猫背などの悪い姿勢は、頸椎の自然なカーブを崩し、椎間孔を狭めて神経を圧迫しやすくなります。
正しい立ち方や座り方を意識し、長時間同じ姿勢を避けてストレッチを取り入れることで、首への負担を軽減できます。症状の再発を防ぐためにも、姿勢改善を継続し、異変を感じた際は早めに医師へ相談しましょう。
過度な負荷を避ける
頸椎椎間孔狭窄症の改善や再発予防には、首に過度な負荷をかけないことが重要です。椎間孔が狭くなると神経が圧迫され、首や肩、腕に違和感やしびれが生じやすくなります。長時間同じ姿勢を続けると頸椎に負担がかかり、症状の悪化や再発を招く原因となります。
重い物を持つ際は、腰を落として膝を曲げ、首に負担がかからない姿勢を意識しましょう。また、ストレッチや軽い運動を習慣づけることで筋肉や靭帯の柔軟性が保たれ、頸椎への負担軽減につながります。再発防止には、姿勢の見直しを継続し、症状が現れたときは医師に相談しましょう。
体重管理・生活習慣の改善
取り組み | 詳細 |
---|---|
頸椎への負担軽減 | 適正体重の維持により、首や肩への物理的な負担を軽減 |
血流の改善 | 運動とバランスの取れた食事で血流を促進し、神経や椎間板への栄養供給を改善 |
筋力の維持・強化 | 首・肩周辺の筋肉を鍛え、頸椎の安定性を向上させ、姿勢保持力の強化に寄与 |
姿勢の改善 | 正しい座り方と長時間同じ姿勢を避ける工夫で、頸椎への継続的な負荷を予防 |
適度な運動の習慣化 | ウォーキングや水中運動など、無理なく継続できる軽めの運動による全身の血流と筋力維持 |
ストレッチの導入 | 首や肩甲骨周辺のストレッチで柔軟性を高め、筋肉のこわばりを防止 |
頸椎椎間孔狭窄症の再発を防ぐには、体重管理と生活習慣の見直しが不可欠です。体重が増えると首への負担が増し、狭窄の進行を助長します。適正体重の維持と正しい姿勢の意識、定期的なストレッチや軽い運動は、頸椎への負担を減らし、血流や神経機能の改善にもつながります。
とくにウォーキングや水中運動は関節に優しく、継続しやすい方法です。無理のない範囲で取り組み、身体の違和感が強い場合は運動を中止し、医療機関を受診しましょう。
頸椎椎間孔狭窄症が疑われる場合は迷わず医療機関へ
腕や手のしびれが続く場合や、首を動かしたときに違和感がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
頸椎椎間孔狭窄症は、早期に発見すれば適切な治療を開始でき、症状の悪化を防止できます。放置すると悪化し、日常生活に支障をきたす恐れがあるため、注意が必要です。
当院「リペアセルクリニック」では、頸椎椎間孔狭窄症に対して幹細胞を用いた再生医療を提供しています。手術を行わずに症状の改善が期待でき、拒絶反応のリスクが低く、身体への負担が少ない点が特徴です。
頸椎椎間孔狭窄症が疑われる方は、どうぞお気軽にご相談ください。ちょっとしたお悩みや不安にも丁寧に耳を傾け、改善に向けた適切なアドバイスをさせていただきます。
ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。
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頸椎椎間孔狭窄症に関するよくある質問
頸椎椎間孔狭窄症は放置するとどうなりますか?
頸椎椎間孔狭窄症は放置すると、しびれが悪化し、腕の動かしにくさや筋力低下が進行する可能性があります。さらに進行すると、歩行困難や排尿障害などを引き起こすこともあり、日常生活に大きな支障が出ることがあります。重症化を防ぐには早期の対処が不可欠です。
頸椎椎間孔狭窄症は自然に治ることはありますか?
頸椎椎間孔狭窄症は、症状の原因や進行度によって適切な対応が異なります。しびれや違和感が長引く、または悪化している場合は、放置せず早めの受診が重要です。
頸椎椎間孔狭窄症の改善に手術は必須ですか?
頸椎椎間孔狭窄症は、多くの場合、薬やリハビリなどの保存療法で改善が見込まれます。手術が必要になるのは、これらの治療で効果が不十分な場合です。ただし、保存療法で十分な効果が得られず、違和感やしびれが続く場合や、筋力低下・歩行障害などの神経症状が進行している場合は、手術が検討されます。
参考資料
森山 知美.「腰部脊柱管狭窄症の椎間孔狭窄が起こる機械的要因を分析し 理学療法を行った1例」『理学療法の科学と研究 Vol. 3 No. 1 2012』, pp.1-4, 2012年
https://www.jstage.jst.go.jp/article/srpt/3/1/3_3_27/_pdf/-char/ja(最終アクセス:2025年06月11日)