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熱中症になりやすい人とは|特徴と対策を現役医師が解説

熱中症になりやすい人
公開日: 2025.06.29

「熱中症になりやすい人は、どのような体質か」と疑問に思う方もいるでしょう。熱中症になりやすいのは、子どもや高齢者、持病がある方など、体温調整がうまく働きにくい体質や状態にある方たちです。

本記事では、熱中症になりやすい人の特徴や体質に加えて、具体的な予防・対策について解説します。熱中症になりにくい人の共通点や、よくある質問にも回答しているので、ぜひ参考にしてください。

熱中症になりやすい人の特徴

熱中症になりやすい人は、子どもや高齢者、肥満体質の方などです。ここでは、それぞれの特徴を解説するので、参考にしてください。

子ども

子どもは大人より、熱中症になりやすい傾向があります。基礎代謝が高く、体温が上がりやすい体質に加えて、発汗量を調整する汗腺がまだ未発達のため、体内に熱がこもりやすくなっています。

たとえば、夏の公園や校庭などで夢中になって遊んでいると、暑さや体温の変化に気づかず、突然ぐったりしてしまうケースも少なくありません。

また、照り返しによって地面に近いほど気温が高くなるため、外出時はベビーカーに載っている乳幼児にも注意が必要です。

このように、子どもは大人よりも体温調節が苦手なため、夏場や暑い環境ではとくに、熱中症リスクが高まります。

高齢者

高齢者は、熱中症になりやすい人の代表的な例です。加齢に伴い、発汗などの体温調整機能や体内の水分量が低下するためです。水分不足だと、汗をかく量が低下し、余分な体の熱が放出されにくくなります。また、暑さや喉の渇きを感じにくくなることも熱中症のリスクを高める要因です。

室内にいてもクーラーを付けずに過ごしていたり、喉が渇いていないと感じて水分を摂らなかったりする場合があります。こうした状態が続くと、気付かないうちに熱中症になっているケースもあります。

一人暮らしで体調の変化を周囲に伝えにくい場合は、対処が遅れて重症化する恐れもあるため注意が必要です。

肥満の人

肥満体型の方も熱中症になりやすい傾向にあります。皮下脂肪を多いため体内の熱を外へ逃がしにくく、体重が重い分、体を動かす際に多くのエネルギーを消費して熱として溜まりやすくなります。

くわえて、体温を下げるために大量の汗をかくことで、水分不足を起こしやすくなる点も一因です。

たとえば、暑い日に外を歩いているだけでも、体内に熱がこもりやすく、汗の量が増えて脱水症状に陥る可能性もあります。

暑い日は、通気性の良い服装を選んだり、日傘、帽子を使ったりして、体に熱がこもらないように工夫しましょう。

持病がある人

高血圧や糖尿病、腎不全などの持病は、熱中症リスクを高める要因の一つとされています。これらの疾患は、体温調整機能の乱れを起こしやすいリスクがあるためです。さらに、服用している薬によっては、発汗の抑制や利尿作用によって水分が失いやすくなり、熱中症リスクを高めます。

血圧の薬や利尿剤を服用している人は、汗が出にくくなったり、水分が過度に排出されたりして脱水症状を起こすケースもあります。

複数の薬を服用している高齢者の方はとくに注意が必要です。

運動不足や体調不良の人

運動習慣がないと、熱中症になりやすい傾向があります。運動不足によって筋肉量が減ると、心臓に血液を送る働きが低下し、熱が体に溜まりやすくなるためです。

日ごろあまり体を動かしていない人が暑い日に少し外出しただけで、ふらつきや軽い熱中症の症状を起こすケースも少なくありません。

また、寝不足や疲労が蓄積しているときも、熱中症になる可能性が高まります。体調が万全でないと、体温調整機能がいつも通り働かなくなるためです。

たとえば、二日酔いや下痢などで体内の水分が減っている場合には、脱水症状を引き起こしやすくなります。

熱中症になるリスクを下げるためには、運動習慣をつくり体調管理を意識することが大切です。

熱中症の主な原因とリスクを高める要因

熱中症の主な原因とリスクを高める要因には、そのときの環境や作業状況などが関わってきます。以下で、それぞれ見ていきましょう。

環境の要因

熱中症の原因となるのは、環境が大きく関わります。高温多湿や輻射熱、無風といった条件下での作業は体に熱がこもりやすく、発症リスクが高まります。

窓を閉め切った室内でエアコンを使わずに掃除や片づけなどの家事をしていたところ、気付かないうちに体が熱をため込み、めまいや吐き気を感じるケースも少なくありません。

熱中症は気温や湿度だけでなく、風通しの悪さや室内の状況などによっても引き起こされます。暑さを感じにくい場所でも油断をせず、室温や湿度を確認しながら、温度調整や休憩を取り入れることが大切です。

作業時の要因

長時間の屋外での作業や体力的に負担の大きい業務も熱中症リスクを高める要因です。休憩を十分にとれなかったり、水分補給ができない状態が続いたりすると体内に熱が溜まりやすくなります。

さらに、通気性の悪い制服や防護服の着用も注意が必要です。送風機能のある作業着や通気性の良い素材の服を着用するようにしましょう。

個人の要因

個人の体調や体質も、熱中症リスクを高める要因の一つです。屋外作業に慣れておらず、暑熱順化(体が暑さに慣れること)ができていなかったり、二日酔いで水分が不足していたりと原因はさまざまです。

発熱や風邪などの症状があるときは、もともと体温が上がっているため、気温の変化を受けやすくなります。

少しでも体調に違和感を覚えたら、こまめに水分補給をし、無理せず休憩をとることが重要です。

熱中症になりやすい人が講じるべき対策と予防

熱中症になりやすい人は、普段から暑さに負けない体づくりや工夫が求められます。ここでは、講じるべき対策と予防について解説するので、熱中症になりやすい人は、参考にしてください。

暑さに負けない体づくりをする

熱中症を予防するには、暑さに負けない体づくりが欠かせません。適度な運動やバランスのとれた食事、十分な睡眠など、日ごろの体調管理を意識すると、熱中症になりにくい体づくりにつながります。

また、喉が渇いていなくてもこまめに水分補給をしましょう。冷房や扇風機を上手に使い、寝苦しい夜も睡眠環境を整えると、夜間の熱中症予防にもつながります。さらに、質の良い睡眠は体力の回復を促すため、予防にも効果的です。

暑くなる前から無理のない範囲でウォーキングやストレッチなどの軽い運動を取り入れると、体力の維持や暑さへの順応にも効果が期待できます。

暑さに対する工夫をする

暮らしのなかに取り入れられる小さな工夫でも、暑さ対策としては有効です。適度な空調で室温を保ったり、衣服の素材を工夫したりすると熱中症リスクを軽減できます。

麻や綿といった通気性の良い服を選んだり、吸水性や速乾性に優れたインナーを身に付けたりすると汗をかいても快適に過ごせるのでおすすめです。また、外を歩くときはなるべく日傘や帽子を活用し、日陰を歩くようにしましょう。冷却グッズを取り入れるのも、暑さ対策として効果的です。

日々の小さな心がけが、熱中症予防につながります。

こまめな休憩と水分補給をする

こまめな休憩と水分補給は熱中症対策には不可欠です。炎天下での屋外作業や高温多湿な環境では、体温が上昇しやすく、大量の汗をかくと体内の水分や塩分が失われやすくなります。

また、暑さが厳しい日は、テレビや天気予報のWebサイトで公開されている「熱中症警戒アラート」や「暑さ指数(WBGT)」も参考にして、活動時間やタイミングを工夫すると効果的です。

こまめに休憩をとり、定期的に水分と塩分を補給しましょう。

熱中症になりにくい人の特徴

熱中症になりにくい人には、日ごろの生活習慣や体の状態に共通点があります。主な特徴は以下のとおりです。

  • 朝食をしっかり摂っている
  • 睡眠時間が安定している
  • 適度な運動を続けていて筋肉量がある

朝ごはんを食べないと、一日のエネルギーが不足し、体温調整機能がうまく働きません。朝食をしっかり摂ると、体内時計が整い外部の環境に順応しやすくなります。

また、睡眠時間が安定している人は、自律神経が整いやすく外気温の変化に適切に反応できます。さらに、筋肉量が多い人は体内の水分保有量が多く、発汗による脱水のリスクが低いため、熱中症を防ぎやすいでしょう。

食事では、夏野菜や果物、豚肉などを取り入れて汗で失われやすい栄養素を補うことも大切です。

熱中症になりやすい人はリスクを把握して備えよう

熱中症になりやすい人は、あらかじめリスクを把握しておきましょう。炎天下での長時間作業や締め切った部屋での家事などは、とくに注意が必要です。また、高血圧や糖尿病などの持病がある方も、体温調整が難しくなるためリスクが高まります。

日ごろから体調管理や適度な運動を心掛け、こまめに水分補給をとり、熱中症になりにくい体づくりを心掛けましょう。

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熱中症と「なりやすい」に関するよくある質問

女性は熱中症になりやすいですか?

女性は男性と比べて、熱中症になりやすい傾向があります。理由としては、水分を貯める役割を担う筋肉量が男性よりも少ないためです。

また、月経時には出血とともに水分も失われやすくなります。さらに、更年期による女性ホルモンの変化も一因です。自律神経が乱れやすくなり、体温調整機能がうまく働かず、熱中症のリスクが高まります。

一度熱中症を経験するとなりやすいのはなぜですか?

熱中症は一度経験したからといって、繰り返しなりやすくなるものではありません。しかし、「熱中症になりやすい」と感じている場合は、筋肉量の低下や暑熱順化ができていない可能性があります。

熱中症を防ぐためには、あらかじめ暑さに慣れておくことが大切です。とくに、冷房の効いた室内でデスクワークをしている方は注意してください。無理のない範囲でウォーキングを取り入れたり、一駅分歩いてみたりと、日常のなかで暑さに慣れる工夫をしてみましょう。

熱中症になりやすい時期はいつですか?

熱中症になりやすいのは、7月~8月の気温が高くなる時期です。とくに、真夏日(最高気温が30度以上)に患者数が増え始め、猛暑日(最高気温が35度以上)には急増する傾向があります。

また、梅雨の晴れ間や梅雨明けの蒸し暑い日にも注意が必要です。体が暑さに慣れていない時期は、気温や湿度の変化に対応しづらく、熱中症リスクが高まります。

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