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寝違えが治らないのはなぜ?対処法や避けるべきことも徹底解説!

数日前に発症した寝違えがなかなか治らず、不安を抱いている方もいるのではないのでしょうか。
寝違えは対処法が不適切だったり、発症後も姿勢などが悪かったりすると治りにくいケースがあります。また、寝違えが長期化している場合、何らかの病気が隠れていることもあるため、注意が必要です。
本記事では、寝違えがなかなか治らない原因や対処法を解説します。
目次
寝違えがなかなか治らない原因
眠りから目が覚めると首や肩が痛い、そんな寝違えがなかなか治らない原因としては、主に以下の5つが考えられます。
寝違えは通常、2日から3日程度で収まるものですが、症状によっては何日も続くケースがあります。
寝違えがなかなか治らず悩んでいる方は、これらの原因に当てはまるかをご確認ください。
筋肉の炎症が長期化している
寝違えが治りにくい原因として、筋肉の炎症の長期化が挙げられます。
寝違えは首や肩などの関節や筋肉に発症する炎症で、通常であれば3日目に症状のピークを迎えるのが特徴です。
しかし、3日目を過ぎても強く痛む状態が続くときは、炎症が起きてからもなお、患部を無理に動かすなどしていることが原因と考えられます。このような場合、痛みが引くどころかさらに症状が悪化します。
もし、筋肉の炎症の長期化を防ぎたいのであれば、極力安静にしながら適切な処置をおこなうことが大切です。
不適切な対処法で症状を悪化させている
対処法が不適切であるために、寝違えの症状を悪化させている可能性もあります。
寝違えの対処法として、温冷処置や適度なマッサージ・ストレッチなどがありますが、やり方を間違えると逆効果になりかねません。
温冷処置については、症状が発生した直後の急性期(発症から2〜3日間)には冷たい湿布などで処置するのが適切です。急性期に温湿布を使用するのは適切ではありません。
血行が良くなることで、かえって炎症がひどくなります。強く痛むときのストレッチやマッサージも、患部への刺激による血行の改善で、同じく症状を悪化させるやり方です。
睡眠環境と姿勢習慣が回復を妨げている
寝違えがなかなか治らないときは、睡眠環境や姿勢習慣に原因が隠れていることがあります。
体型に合っていない枕やマットレス、首や足を十分に伸ばせないソファなどでの睡眠は、体に負担がかかります。また、デスクワークやパソコン・スマホ使用による不良姿勢も回復を妨げる原因です。
どちらも猫背で下側を向いてばかりの状態で首や肩に負担がかかり続けるため、寝違えをより悪化させます。寝違えの症状が3日過ぎても続くときは、睡眠環境の見直しも欠かせません。
慢性的な首・肩のコリが影響している
すでに慢性的な首や肩のコリが、寝違えの長期化をもたらすこともあります。この点もデスクワークなどでの姿勢の悪さが関わっていて、悪い姿勢で重い頭を支える首や肩に過大な負担がかかっている状態です。
このような状態では首や肩の筋肉も常に緊張する分、血行が悪化したり筋肉が硬くなったりして、寝違えに対する回復力が下がります。
寝違えではないヘルニアなど疾患の可能性
寝違えではなく、頚椎椎間板ヘルニアのような疾患で痛みが長引いているケースも考えられます。首や肩の痛みが治らないときに疑われる病気や症状は、以下のとおりです。
病名 | 主な症状 |
---|---|
頚椎椎間板ヘルニア | 首の骨の間にある椎間板による神経圧迫で痛みやしびれが発生 |
頚椎症性神経根症 | 見上げる姿勢の際に、肩から腕にかけて痛みやしびれの症状 |
頚椎症性脊髄症 | 手による細かい動きや歩行に支障をきたす・手足のしびれ |
転移性脊椎腫瘍 | がん細胞による脊椎の損傷や骨折、麻痺 |
脊髄腫瘍 | 腫瘍による脊髄の圧迫でしびれや感覚障害、筋力低下 |
強直性脊髄炎 | 脊椎や骨盤の関節の痛み(若年者に多い) |
関節リウマチ | 関節の慢性炎症(貧血や倦怠感、微熱の症状が起こることも) |
むちうち症 | 自動車事故時の首への強い衝撃による、首や背中の痛み |
なかなか寝違えが改善されないときは、上記の病気の疑いもあるため、医療機関の受診をおすすめします。
寝違えが治らないときの対処法
寝違えがなかなか治らないときの対処法に、以下の方法があります。
発症後は安静・アイシング
寝違えを発症して強い痛みが続くようであれば、安静とアイシングがポイントです。首や肩の患部は極力動かさずに、保冷材や冷たい湿布を使って炎症を抑えます。安静にしてアイシングを行うことで、それ以上の炎症の悪化を防げます。
ただし、長時間のアイシングは逆に血行不良などになるため、注意が必要です。冷やす時間は長くても1回15分程度までにして、様子を見ましょう。
湿布・薬剤による痛み軽減
湿布や薬剤を使って痛みを軽減する方法も、寝違えが治らないときの対処法の一つです。湿布は冷やす必要があるときはフェルビナクを配合したものを、温める必要があるときはカプサイシンを配合したものが向いています。
薬剤については、症状がひどくないときは、炎症を和らげる非ステロイド性抗炎症薬のような市販薬がおすすめです。しかし症状が強いときには、医療機関を受診したうえで、医師が処方する強い症状に効果が見込める薬剤を使う必要があります。
血行促進のための温熱療法
血行促進のための温熱療法も、なかなか治らない寝違えの症状を落ち着かせるうえでよく使われる方法です。
発症直後は冷たい湿布などでのアイシングを使いますが、炎症が落ち着いてきたら逆に患部を温めるのが有効とされます。患部を温めると、血行改善や筋肉の緊張緩和のほか、寝違えの再発の防止も期待できるためです。
温熱療法の主な方法として、温湿布の活用や入浴が挙げられます。とくに入浴は、38度から40度程度のぬるいお湯に20分から30分程度浸かるのがおすすめです。
薬剤の服用・注射
医療機関での治療法としては、薬剤の服用や注射を用いる場合もあります。内服薬(飲み薬)であれば、鎮痛消炎薬や筋弛緩薬のほか、筋肉のけいれんを和らげるのによく使われる漢方薬を活用するのが一般的です。
もし寝違えで強く痛むときは、患部付近の筋肉や筋膜に局所麻酔を注射して、症状を和らげる方法もあります。
痛みが引かないときは医療機関へ
アイシングや湿布などで症状が改善されないときは、早めに医療機関を受診しましょう。数日たっても症状が改善しない場合、寝違えにしては深刻な事態が発生しているか、上記で触れた疾患の疑いがあります。
そのため、専門医による診察を受けたうえで、根本的な治療に取り組むことがおすすめです。
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寝違えが治らない・長引かせるNG行動
寝違えがなかなか治らない場合でも、してはいけないNG行動がいくつかあります。
以下のような対処法は、寝違えが治らないだけでなく、かえって症状を長引かせてしまうリスクがあるため控えましょう。
痛む部位を無理に動かす
寝違えになった際には、痛む部位を無理に動かすことは禁物です。無理やり動かすと炎症ができている部位が広がるだけでなく、寝違えを克服するまでに余計時間がかかります。
とくに強く痛む急性期は、なるべく患部に負担をかけるような動きは避け、じっとしていることがおすすめです。
患部のマッサージ
寝違えの症状を少しでも落ち着かせるための患部のマッサージも避ける必要があります。無理に動かす場合と同じく、損傷している部分が広がって回復が遅れる原因になるためです。
ただし、手や手首には寝違えに効果があるとされるツボがあるため、これらのツボを押すマッサージは対処法として問題はありません。
炎症期に温める
発症直後の炎症期に患部を温めることも、寝違えが治らない場合にやってはいけないことです。炎症期は患部で強く痛む状態にあるため、患部を温めると炎症がさらに悪化します。
痛みが強い間は、冷たい湿布や氷嚢を使って患部を冷やすのがおすすめです。加えて入浴も、短時間のシャワーに留めます。
痛みを我慢して活動を続ける
痛みを我慢しながらの仕事やスポーツなどの活動もNG行動の一つです。強い症状が現れている状態を放置した場合、日常的な活動を通じて症状がさらに悪化します。
仕事であればパソコン操作や作業中の悪い姿勢で、スポーツであれば急激な動きで炎症が悪化する場合もあるため、注意が必要です。強い痛みを感じるときは、無理せずなるべく安静にしながら患部を冷やすなどして対処しましょう。
寝違えを繰り返さない予防法
寝違えが治った後は再発を防ぐことが大切です。寝違えを予防するには、以下の方法があります。
日常生活で実践しやすいこれらの予防法について、それぞれ詳しく紹介します。
適度な高さの枕を使う
寝違えを予防するには、適度な高さや硬さの枕を選ぶことがポイントです。具体的には、寝ている間に寝返りを打った際に、頭が横に反れない程度の高さや硬さの枕が理想とされています。
就寝中に寝返りが打てないと、身体が沈み込んで首を動かせないため、特定の部位に圧力が集中します。その結果、朝起きたときに首などに寝違えが生じる仕組みです。このため、寝違えを防ぐには枕を体に合ったものに変えることが大切です。
就寝2~3時間前の入浴
入浴は寝違えの予防や再発防止に効果的ですが、入るタイミングは就寝の2~3時間前がおすすめです。
質の良い睡眠を得るためには、就寝時に深部体温(臓器部分の体温)が下がっている状態が理想的です。入浴には深部体温を上げてリラックス効果をもたらすメリットがあるため、就寝の2~3時間前に入浴することで、寝る頃には上がった深部体温が自然に下がり、スムーズな入眠につながります。
このようなリラックスした状態での睡眠は、寝違えの防止効果も期待できます。
まとめ|寝違えが治らないときは無理のない対処法で
寝違えがなかなか治らない場合、不適切な対処法や生活習慣の悪さなど、さまざまな方法が原因として考えられます。このため寝違えの症状が長引くときは、なるべく患部を安静にしながら、タイミングに応じた温冷療法など正しい対処法を活用するのが適切です。
ただし、正しい対処法を試しても症状が続くようであれば、深刻な疾患が関係している場合もあるため、医療機関を受診する必要があります。いずれにしても寝違えがなかなか治らないときは、無理せず早めに対処しましょう。
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寝違えが治らないときのよくある質問
寝違えをすぐ治すには?
寝違えを早く治すには、症状が強く出ているときは安静にしながら患部を湿布などで冷やし、症状が落ち着いてきたところで温湿布やマッサージなどで温めることがおすすめです。
寝違えが痛すぎて動けないときの対処法は?
寝違えで痛すぎて動けないときも、通常の寝違えへの対処法と同じく、基本的に安静にしつつ冷たい湿布などで患部を冷やすことが大切です。加えて痛みが強すぎる場合は、整形外科で専門医の診察を受ける必要もあります。
寝違えは何日程度で治る?
寝違えは3日から1週間程度で治るケースが多く見られます。なお、2〜3日目が症状のピークです。
痛みが長引く場合は、医療機関の受診をおすすめします。