- 頚椎椎間板ヘルニア
- 脊椎
【医師監修】椎間板ヘルニアの初期症状とは|頸椎・腰椎・胸椎別で解説
「椎間板ヘルニアの症状とはどのようなもの?」
「初期症状はどう見分ければ良い?」
「このまま様子を見ても大丈夫?」
このように不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
椎間板ヘルニアには、頸椎(首)・胸椎(背中)・腰椎(腰)と発症部位による違いがあり、それぞれ初期症状が異なります。
初期のサインを正しく理解しておくと、重症化を防ぎ、適切なタイミングで受診できます。
本記事では、椎間板ヘルニアの種類を整理しながら、頸椎・胸椎・腰椎それぞれの初期症状の特徴をわかりやすく解説します。また、初期症状を放置するリスクや、治療の選択肢についても紹介します。
なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。
椎間板ヘルニアについて気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。
目次
【前提知識】椎間板ヘルニアの種類
椎間板ヘルニアは、発生する部位によって主に3つのタイプに分けられます。
それぞれ症状の出方や部位が異なるため、部位ごとの特徴を理解しておきましょう。
頸椎椎間板ヘルニア:首の骨(頸椎)で起こり、首・肩・腕・手の痛みやしびれが中心
胸椎椎間板ヘルニア:背中(胸椎)で起こり、体幹や下半身の感覚異常が出ることがある
腰椎椎間板ヘルニア:腰の骨(腰椎)で起こり、腰痛やお尻・脚の痛みやしびれが特徴
椎間板ヘルニアの症状は主に腰に出ると思われがちですが、首や背中にも発症する病気で、初期症状は部位ごとに異なります。
頸椎椎間板ヘルニアの初期症状
頸椎椎間板ヘルニアでは、首まわりの違和感から始まり、進行すると腕や手の神経症状が現れます。
首の痛み
首の痛みは頸椎椎間板ヘルニアの最も初期に見られる症状です。
- 首の後ろ側が痛む(顕著な場合は肩甲骨あたりまで広がる)
- 左右に首を捻ったときだけ痛みが出る
- 寝違えたような痛みがある
このような症状が突発的に現れるのが、頸椎椎間板ヘルニアの特徴です。
片方の腕や手の痛み・しびれ
片方の肩から腕、手にかけての痛みやしびれは、神経根の圧迫により認められます。「神経根」とは脊髄から体の各部位に伸びる神経の付け根部分です。
椎間板組織がやや斜め後ろに飛び出し、神経根を圧迫すると、その神経が支配する領域を中心に症状が現れます。
頸椎から伸びる神経は主に肩から腕、手にかけて分布します。
そのため頸椎椎間板ヘルニアでは、「ビリッとした、電気が走るような」痛みやしびれが左右どちらか一方だけに現れるのが特徴です。
両手のしびれ・感覚障害
両手がしびれる場合は、脊髄が圧迫されている可能性があります。脊髄は背骨の真後ろを走っていますが椎間板が後方へ飛び出すことで、脊髄が圧迫されるメカニズムです。
脊髄の圧迫による症状の特徴は、次の通りです。
- 指先のしびれから始まり、徐々に範囲が広がる
- 感覚が鈍くなる
- 強い痛みはあまり感じない
「なんとなくしびれる」程度の症状が、実は脊髄圧迫のサインの場合もあります。
ALSなどの神経系疾患、糖尿病による末梢神経障害、手根管症候群、足根管症候群など、ほかの疾患との鑑別も必要です。
椎間板ヘルニアの前兆期には、以下のような症状が見られます。
- 軽微な首や肩の痛み・違和感
- 片手もしくは両手のしびれや感覚の鈍麻
- 下半身のわずかなしびれや感覚の鈍麻
いずれも軽微なため放置されがちですが、初期症状が見られたら、重篤化する前に医師の診察を受けるのが大切です。
胸椎椎間板ヘルニアの初期症状
胸椎椎間板ヘルニアは、頸椎や腰椎の椎間板ヘルニアに比べて発症頻度は低く、初期症状ははっきりしないことが多く見逃されやすい点が特徴です。
背中から胸にかけての上半身や下半身の違和感として始まることが多く、腰痛や内臓の不調と誤認されるケースもあります。
- わずかな下半身の痛み
- 感覚の鈍麻(触った感じが鈍い)
- 太ももの軽度のしびれ
- 原因のはっきりしない腰痛や背部痛
進行すると、歩きにくさや膀胱直腸障害といった排尿・排便の異常が出ることもあるため、早めの診断が重要です。
胸椎椎間板ヘルニアでお悩みの方は、以下記事もご参照ください。
腰椎椎間板ヘルニアの初期症状
腰椎椎間板ヘルニアは最も頻度が高く、腰から脚にかけての症状が特徴です。
多くの場合、最初は腰の違和感や動作時の軽い痛みから始まり、次第にお尻や脚の神経症状へと広がります。
ごく初期の段階での症状は、次の通りです。
- 腰に違和感がある
- 動いたときだけ痛む
しびれや筋力低下などの症状はほとんど見られず、一般的な腰痛と区別がつきにくい点が特徴です。
一方、初期~軽度の段階になると、次のような症状が現れることがあります。
- 腰の痛み
- 前かがみや中腰になると痛みが強くなる
- お尻から太ももの裏、ふくらはぎにかけての痛み・しびれ
- 咳やくしゃみで腰や脚に痛みが響く
- 足の感覚が鈍い、力が入りにくい
これらは、いわゆる坐骨神経痛として現れることが多く、初期症状でも日常生活に影響を及ぼす場合があります。
腰椎椎間板ヘルニアについては、以下記事もご参照ください。
【関連記事】
ヘルニアの初期症状は腰の痛みや足のしびれ!対処方法を医師が解説
腰椎椎間板ヘルニアの症状レベルと種類を医師が解説!手術するべき?
椎間板ヘルニアの初期症状を放置するリスク
椎間板ヘルニアの初期症状は比較的軽度なため、様子を見ていれば治るだろうと放置されがちです。しかし、症状のタイプによっては進行し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。
神経根症状の場合
神経根が圧迫された場合、痛みやしびれが主な症状として現れます。悪化すると、神経が支配する部位の感覚障害や筋力低下が起こることがあります。
一方で、神経根症状の場合は安静を心がけるだけでも経過が良好なケースもあり、約2カ月から3カ月で自然に軽快する方も多くいます。
ただし、症状が悪化したり長引いたりする場合は、自己判断せず医師の診察を受けましょう。
脊髄圧迫症状の場合
椎間板によって脊髄が圧迫されている場合は、注意が必要です。放置すると症状が段階的に進行します。
①手の巧緻(こうち)性運動障害
細かく指を使う動作が難しくなります。
- 箸が使いにくくなる
- ボタンがかけられない
- 文字がうまく書けなくなる
など、今まで当たり前にできていたことが、徐々に難しくなります。
②足の運動障害
症状の進行により、足に影響が及び歩行が難しくなります。
③排尿コントロール不良
さらに進行すると、排尿をコントロールする神経にも影響し、頻尿・残尿感・失禁などを認めることもあります。
初期段階で異変に気づき、早めに受診することが重要です。
椎間板ヘルニアの初期症状段階で行う治療方法
椎間板ヘルニアの初期の症状では、保存療法が基本です。
薬物治療は診療ガイドラインにおいて、腰椎椎間板ヘルニアにおける疼痛軽減、身体機能の改善に有効であるとされている一方で、弱い推奨として位置づけられています。(文献1)
保存療法
保存療法は、神経への刺激を抑え、回復を促すことを目的とし、主に以下の方法が組み合わされます。
安静
最も重要なのは、ヘルニアの部位に負担をかけないことです。
椎間板ヘルニアでは、首・背中・腰のいずれであっても、無理な姿勢や動作を続けると神経への圧迫が強まり、症状が悪化する可能性があります。
頸椎では首を強く反らす(顎を上げる)動作
胸椎では猫背や体幹をひねる動作
腰椎では前かがみや中腰姿勢、重い物を持ち上げる動作は症状悪化の原因になります。
症状や部位に応じて、頸椎カラーやコルセットなどの装具を用いて患部を安定させ、安静を保つことが勧められる場合もあります。
日常生活において、無理をせず安静にするのが初期段階では重要です。
薬物療法
痛みや炎症が強い場合には、主に消炎鎮痛薬が用いられます。
状況に応じて、神経の痛みを抑える薬や、ブロック注射が選択されることもあります。
物理療法・リハビリテーション
症状が落ち着いてくると、リハビリによって筋力や柔軟性を改善し、再発予防を図ります。
多くの場合、これらの保存療法によって症状は徐々に軽快します。
再生医療
初期症状の段階で手術が行われることは一般的ではありません。手術は症状が進行し、日常生活に大きな支障が出た場合の選択肢となります。
そのため、保存療法を一定期間行っても、痛みやしびれが数週間~数か月続いている場合や、薬やリハビリ・安静だけでは十分な改善が得られない場合には、再生医療が選択肢の一つとして検討されることがあります。
再生医療は、脂肪由来の幹細胞を培養し、炎症の軽減や組織の修復・改善を目指す治療法です。初期症状の段階であっても、できるだけ手術を避けたい、保存療法だけでは不安と考える方にとっての選択肢となります。
ヘルニアのお悩みに対する新しい治療法があります。
椎間板ヘルニアの再生医療について、詳しくは以下の記事をご参照ください。
椎間板ヘルニアの初期症状は早期対策が重要
椎間板ヘルニアは、初期段階であれば自然に症状が軽快するケースも少なくありません。軽度の痛みやしびれのみであれば、安静や保存療法によって改善することもあります。
一方で、症状の原因となっている神経の圧迫が進行すると、感覚障害や筋力低下、歩行障害などの重い神経症状が現れる場合があります。
首・背中・腰の違和感、腕や脚のしびれ、感覚の鈍さなどは、椎間板ヘルニアの初期サインの可能性があります。
一度重症化すると保存療法では十分な改善が得られず、治療の選択肢が限定されがちです。場合によっては、手術を行わなければならないこともあり、早期診断による適切な治療が望まれます。
なお、保存療法に不安を感じる、手術を避けたいと考える方には、再生医療という選択肢もあります。再生医療について、さらに詳しく知りたい方は、メール相談やオンラインカウンセリングも承っておりますのでご利用ください。
椎間板ヘルニアの初期症状についてよくある質問
椎間板ヘルニアでは何科を受診すれば良いですか?
椎間板ヘルニアの恐れがある場合は、整形外科または脳神経外科を受診するのが一般的です。
ただし、これらの診療科であっても、医師によって専門領域が異なります。
症状や部位によっては、他の病院や診療科に紹介となる可能性もあります。
迷うようでしたら、あらかじめ「椎間板ヘルニア」を診てもらえるか確認しておくと安心です。
椎間板ヘルニアはレントゲンで確認できますか?
レントゲン検査だけで椎間板ヘルニアの確定診断はできません。レントゲンでは骨の状態は確認できますが、椎間板や神経そのものの評価は難しいためです。
実際の診断では、症状や診察に加えてMRI検査を行い、椎間板の突出や神経の圧迫の有無を確認します。
レントゲンは、骨折や変形など他の病気を除外する目的で用いられます。
椎間板ヘルニア発症時にやってはいけないことはありますか?
椎間板ヘルニアの際は、以下のような活動や行動は避けましょう。
- 重いものを持ち上げる
- 首・背中・腰を無理にひねる、反らす
- 長時間同じ姿勢を取る
- 痛みがある状態でのスポーツ・運動
- 冷えや疲労
- 自己判断による温熱療法やマッサージ
- ストレスをためる
自己判断での行動により、神経症状が悪化する可能性があります。基本的には医師の指示にしたがい、患部に負担をかけないよう安静に過ごすのが重要です。
椎間板ヘルニアを発症した場合の仕事を休む期間は何日ですか?
仕事を休む期間は、症状の程度や仕事内容によって変わります。
軽度で手術を行わない場合は、数日から1〜3週間程度の休業が必要です。
痛みやしびれが強い場合や手術を行う場合は、1カ月以上の休養が必要になるケースもあります。
デスクワークか、体を動かす仕事かによっても判断は変わるため、主治医と相談しながら無理のない復帰時期を決めるのが大切です。
椎間板ヘルニアのセルフチェックはできますか?
自宅で椎間板ヘルニアを正確に診断できるセルフチェックはありません。症状だけで判断することは難しく、他の病気と区別がつかない場合も多いためです。
確定診断は医師が行いますが、簡易的な目安としては、次のような症状を判断基準にすると良いでしょう。
- 前屈み・スマホ姿勢で痛みが強くなる
- 咳・くしゃみで首や腰、背中に響く
- 寝返りや立ち上がり動作で電気が走るような痛みが出る
これらは診断ではありませんが、神経症状の初期サインとして注意が必要です。
首・背中・腰の痛みや、手足のしびれ、力が入りにくいといった症状が続く場合は、MRIによる診断が最も正確です。そのため、セルフチェックだけに頼らず、早めの医療機関の受診が大切です。
症状や進行度によって適した治療は異なります。診断の結果、初期~軽度の段階では、保存療法だけでなく再生医療という選択肢もあります。
\無料オンライン診断実施中!/
チェックリストについては、以下の記事をご覧ください。
参考文献












