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化膿性脊椎炎の完治期間は?入院期間や治療期間の目安も解説

化膿性脊椎炎 完治 期間
公開日: 2025.07.31

「化膿性脊椎炎はどれくらいで完治する?」
「入院期間や治療期間の目安は?」

化膿性脊椎炎の完治期間は最低6週間が目安です。本記事では、化膿性脊椎炎の完治期間をはじめとして、以下を解説します。

化膿性脊椎炎の回復までの見通しを知りたい方は参考にしてください。

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化膿性脊椎炎の完治期間は最低6週間が目安

アメリカのガイドラインによると、化膿性脊椎炎の治療期間は6週間としています。(文献1)そのため、完治期間も最低6週間は必要です。

しかし実際には、化膿性脊椎炎の完治期間は病状により異なります。

2008年から2012年までに化膿性脊椎炎と診断され、抗菌薬投与した患者41例を参考にすると以下の通りです。なお、1週目までの感染症の程度を示すCRP値の改善率が中央値以上の方を「良好群」、中央値以下の方を「不良群」と定義しています。

病状 症例数 治療期間の平均
良好群 20例 約38日
不良群 21例 約70日

文献2

以上のように不良群は、明らかに治療期間が延長しています。

化膿性脊椎炎の入院期間の目安

化膿性脊椎炎の入院期間について、2001年から2009年までの9年間における化膿性脊椎炎患者100例の調査内容を参考に、以下の表にまとめました。

症例数 入院期間の目安
27例 1カ月以内
33例 1〜2カ月
22例 2〜3カ月以内
9例 3カ月以上

文献3

発症から受診までの期間が短いほど入院期間は短い傾向であるため、完治するまでの時間も短くなると考えられます。

化膿性脊椎炎の発症部位別の治療期間

化膿性脊椎炎の発症部位別の治療期間について、2007年から2018年の11年間における入院加療をした化膿性脊椎炎患者117例の調査内容を参考に、以下の表にまとめました。

発症部位 症例数 治療期間の目安
頚椎 17例 約53日
胸椎 28例 約66日
腰椎 76例 約63日

文献4

発症部位別の治療期間に明らかな差はありません。

化膿性脊椎炎の原因菌別の治療期間

化膿性脊椎炎の原因菌別の治療期間について、2007年から2018年の11年間における入院加療をした化膿性脊椎炎患者117例の調査内容を参考に、以下の表にまとめました。

原因菌の種類 治療期間の目安
MRSA 約151日
MSSA 約48日
連鎖球菌 約48日
大腸菌 約64日
不明群 約44日

文献4

原因菌別で見ると、MRSAが他の菌と比較して明らかに治療期間が延長しています。

化膿性脊椎炎の病型別の治療期間

化膿性脊椎炎の多くは抗菌薬の投与により70〜90%で症状の改善が期待できますが、それぞれ治療期間の目安は異なります。(文献5

ここからは、病型別の治療期間の目安を解説します。

急性発症型

急性型の治療期間の目安は約72日です。文献4)急性型は、高熱や激しい頚部痛、背部痛、腰痛などで発症するタイプです。

急性型の化膿性脊椎炎は、以下のような痛みが突然現れます。

  • 夜も眠れないほどの痛み
  • 座れないほどの痛み
  • 歩けないほどの痛み

以上のような症状が現れたら急性型を疑い整形外科を受診してください。急性型は、亜急性型と慢性型と比較すると発症する割合は少ない傾向にあります。

亜急性発症型

亜急性型の治療期間の目安は約42日です。(文献4)亜急性型は37度台の微熱や頚部痛、背部痛、腰痛などで発症するタイプです。痛みや発熱が軽度であるからといって、放置すると重症化する恐れがあります。

以下のような症状がある場合は医療機関を受診してください。

  • 体勢を変えても腰痛などが治まらない
  • 背中をたたくと背部痛などが増す
  • 長期間にわたり腰痛がある

また、亜急性発症型は脊椎カリエスと間違えやすい傾向です。脊椎カリエスとは結核菌が原因で、発症する部位や症状が異なります。脊椎カリエスの場合は、微熱や食欲不振、倦怠感などの症状が現れますが、腰痛などが起きることは少ないです。

慢性発症型

慢性発症型の治療期間の目安は約55日です。文献4

慢性型は、発熱は見られず軽微な腰背部痛のみで発症するなど、気づきにくい特徴があります。

とくに糖尿病などの免疫機能が下がる病気を持っている方で、長期間の腰や背中の痛みに悩まされている方は、慢性型を疑い一度医師に相談しましょう。

なお、慢性型は亜急性型と同様に脊椎カリエスと間違えやすい傾向にあります。

化膿性脊椎炎は、糖尿病や慢性腎疾患を持っている方、高齢者などの免疫機能が低下している方は、悪化のリスクが高いです。疑われる症状が現れたら速やかに医療機関を受診してください。

化膿性脊椎炎の治療方法

化膿性脊椎炎の治療方法には保存療法と手術療法があります。それぞれの詳細を解説します。

保存療法

化膿性脊椎炎の治療は、保存療法が原則です。保存療法において重要な点は以下の通りです。

保存療法 詳細
適切な期間の抗菌薬の投与 適切な診断と適切な期間の抗菌薬の投与が重要。抗菌薬の投与が4週間未満であると再発率が25%に上るとの報告があるため。(文献1
安静の保持

安静の保持は骨破壊防止と感染の鎮静化につながる。骨破壊とは細菌感染により脊椎が破壊されること。骨破壊が進むと後遺症を残す恐れもある。

手術療法

手術療法には以下のようなものがあります。

手術療法 詳細
脊椎固定術 感染部位をスクリューとロッドで固定して、骨の安定性を高めて骨破壊を防ぐ。感染を抑える働きもある。
経皮的病巣掻爬洗浄術
(けいひてきびょうそうそうはせんじょうじゅつ)
感染部位に溜まっている膿や炎症している組織を掻き出して洗浄する治療。

以下の状態となっている場合は、手術療法が検討されます。

  • 2〜3週間実施した保存療法に効果が見られない
  • 麻痺症状が現れている
  • 骨破壊が進んでいる

麻痺症状や骨破壊の進行であれば手術の適応判断が容易です。しかし、保存療法の効果が見られない場合の手術の適応判断は難しいと言われています。

まとめ|化膿性脊椎炎の完治期間は病状により変動する

化膿性脊椎炎の完治期間は最低6週間が目安です。しかし、病状により治療期間は大きく変動し、良好群では約38日、不良群では約70日が目安になります。

発症部位別の治療期間に関しては大きな差はありません。

原因菌別では、MRSAで約151日、その他原因菌では40〜60日程度と治療期間に大きな差があります。発症型別では、急性型は約72日で亜急性型と慢性型は40〜50日程度です。

化膿性脊椎炎は適切な期間の抗菌薬の投与と安静が大切です。完治までの期間を延ばさないためにも、可能な限り安静を保ち治療を進めましょう。

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参考文献

(文献1)
化膿性脊椎炎の診断におけるMRIの有用性:3例報告|日臨救急医会誌

(文献2)
化膿性脊椎炎における治療開始初期のCRP値改善率と保存的治療期間との関係について|日本脊椎脊髄病学会

(文献3)
当院における化膿性脊椎炎100例の検討|昭和医会誌

(文献4)
当院における化膿性脊椎炎の集学的治療 ―11年間11 例の検討―|日本脊椎脊髄病学会

(文献5)
保存治療に抵抗する急性型化膿性脊椎炎の予後予測|日本脊椎脊髄病学会

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