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視神経脊髄炎の治療方法を目的別に解説!治療薬の種類も紹介

視神経脊髄炎 治療
公開日: 2026.02.27

視神経脊髄炎は自己免疫の異常により視神経や脊髄、脳が攻撃される指定難病です。発症すると視力の低下や眼痛、手足の感覚障害、排便・排尿障害などさまざまな症状を引き起こします。

成人の有病率は10万人当たりおよそ0.34人〜10人とそれほど高くありませんが、詳しい発症メカニズムはわかっていません。(文献1

現時点では完治が難しい指定難病ですが、適切な治療により急性期の症状を抑えたり、再発を予防したりするのは可能です。

本記事では視神経脊髄炎の治療方法や用いられる医薬品の種類、治療を先延ばしにするリスクなどを解説します。

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視神経脊髄炎の症状が出たときの治療方法(急性期治療)

視神経脊髄炎の急性期は視力低下や歩行障害が数時間〜数日で急激に進行します。

後遺症のリスクを減らすため、急性期には速やかに以下の治療を実施する必要があります。

それぞれについて解説します。

ステロイドパルス療法

視神経脊髄炎の急性期に実施される治療の一つがステロイドパルス療法です。

発症から3日が経過すると網膜の菲薄化が急激に進行するため、速やかにステロイドパルス療法を実施する必要があります。

ステロイドパルス療法では、メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム(ステロイド薬)を3日〜5日にわたり、大量に(通常1日1,000mg)点滴投与します。

ステロイド薬の作用により、視神経脊髄炎の急性期に見られる炎症を強力に抑制するのが目的です。

通常は1クール(3日〜5日)のステロイドパルス療法を実施しますが、効果が不十分な場合はさらに1クール、もしくは2クールを追加するケースがあります。

ステロイドパルス療法を実施する時期が早ければ早いほど、網膜神経線維層の厚みが保たれると報告されています。(文献2

血液浄化療法(PE/PP)

ステロイドパルス療法では十分な炎症抑制効果が得られない場合や、体質が原因でステロイド薬が使用できない場合は、血液浄化療法(PE/PP)を実施します。

血液浄化療法(PE/PP)には、単純血漿交換療法や血漿免疫吸着療法、二重濾過血漿分離交換療法などの種類があります。

いずれも血液を一度体外に取り出して視神経脊髄炎の原因(抗アクアポリン4抗体や炎症物質)を取り除き、体内に戻すのが特徴です。

血液浄化療法(PE/PP)は1週間につき2回〜3回、4週〜7週にわたり実施します。

治療開始時期が早いほど高い効果が得られると考えられており、ステロイドパルス療法と同時に実施するケースも少なくありません。

免疫グロブリン大量静注療法

視神経脊髄炎の急性期の治療法としては、免疫グロブリン大量静注療法も挙げられます。

免疫グロブリン大量静注療法が検討されるのは以下のケースです。

  • ステロイドパルス療法が無効、もしくは十分な効果が得られない難治性の症例
  • 合併症などが原因で2回目のステロイドパルス療法、もしくは血液浄化療法(PE/PP)が実施できない症例

免疫グロブリン大量静注療法では、スルホ化人免疫グロブリン製剤(健康な人の血液から作られた抗体製剤)を体重に合わせた量で5日間にわたって点滴投与するのが基本です。

主に、血液検査で『抗アクアポリン4抗体(AQP4抗体)』が検出された方に対して実施します。

ステロイドパルス療法や血液浄化療法(PE/PP)と同様に、治療開始時期が早いほど視機能予後を改善する可能性が示唆されています。

視神経脊髄炎の治療薬一覧

視神経脊髄炎の急性期に用いられる主な治療薬は以下のとおりです。

医薬品名 有効成分 投薬方法 用量 頻度
ソル・メドロール メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム 点滴 1日あたり500mg~1,000mg 1クール3日~5日(症状により2・3クール)

献血ベニロンーI

スルホ化人免疫グロブリン

点滴静注

体重1キログラムにつき8ミリリットル

5日連続投与

献血ベニロンーIはステロイド剤の使用で十分な効果が得られない、抗アクアポリン4抗体(AQP4抗体)陽性患者が適用対象です。

抗アクアポリン4抗体(AQP4抗体)が陰性患者に関しては、他の治療での改善が困難な場合にのみ用いられます。(文献3

視神経脊髄炎の症状は治療を先延ばしするほど加速度的に悪化しやすい

視神経脊髄炎の症状は、治療を先延ばしにするほど加速度的に悪化しやすいのが特徴です。

発症から3日を経過すると網膜神経線維層の著しく薄くなる変化が見られるケースが多く、3日以内の治療開始が推奨されています。

再発を繰り返すほど網膜神経線維層は薄くなる傾向があり、早期の治療開始および厳格な再発予防が視機能予後に強く影響すると示唆されています。

また、症状が安定している際に予防目的の治療を怠ると、1年〜1年半の頻度で視神経脊髄炎を再発し、そのたびに障害が蓄積するため注意が必要です。(文献4

視神経脊髄炎はとくに最初の発症で重い症状があらわれ、数時間〜数日間で急速に進行します。

視神経脊髄炎の疑いや心配がある方は、可能な限り早めに専門医の診察・検査を受けるのがおすすめです。

視神経脊髄炎は発症後の再発予防に向けた治療も大切

視神経脊髄炎の再発リスクを下げるためには、症状が落ち着いている時期(寛解期)に以下の医薬品を用いて予防治療を継続する必要があります。

視神経脊髄炎と同様に自己免疫の異常が原因で起こる病気が多発性硬化症です。

多発性硬化症が若い女性に多く見られゆっくりと進行するのに対して、視神経脊髄炎は中高年の女性に多く急激に進行する点が違いです。

多発性硬化症の治療に用いられるインターフェロンベータを視神経脊髄炎に用いると、かえって症状が悪化する恐れがあるため、正確な診断と区別が不可欠です。

ここでは、視神経脊髄炎の再発予防目的で用いられる医薬品について解説します。

分子標的薬(生物学的製剤)

視神経脊髄炎の治療に用いられる主な分子標的薬(生物学的製剤)は以下のとおりです。

医薬品名 有効成分 投薬方法 頻度
ユルトミリス ラブリズマブ 点滴 8週につき1回
ユプリズナ イネビリズマブ 点滴 半年につき1回
リツキサン リツキシマブ 点滴 半年ごとに2週間隔で2回
ソリリス エクリズマブ 点滴 2週につき1回
エンスプリング サトラリズマブ 皮下注射 4週につき1回

上記の治療薬はいずれも厚生労働省によって視神経脊髄炎の治療薬として認可されています。(文献5

分子標的薬(生物学的製剤)は抗アクアポリン4抗体(AQP4抗体)陽性の場合に使用を推奨されており、再発を予防する高い効果が期待できます。

経口免疫抑制剤

視神経脊髄炎の治療に用いられる主な経口免疫抑制剤は以下のとおりです。

医薬品名 有効成分 用量 効果・働き
イムラン アザチオプリン 1日あたり50mg~100mg 免疫細胞の増殖を抑える再発予防の基本薬
プログラフ タクロリムス水和物 1日あたり1mg~3mg 免疫反応のシグナルを遮断し炎症を抑える
セルセプト ミコフェノール酸モフェチル 1日あたり750mg~3,000mg 免疫に関わるリンパ球の増殖を抑える

副腎皮質ステロイド薬(内服)

視神経脊髄炎の予防目的で、副腎皮質ステロイド内服薬(合成副腎皮質ホルモン剤 )が用いられるケースもあります。

代表的な医薬品の一つがタケダやVTRSをはじめとするプレドニゾロン錠です。

プレドニゾロンには血中のTリンパ球数を低下させて細胞性免疫を障害したり、好中球の遊走能・貪食能を障害したりする作用により免疫を抑制します。

また、炎症の原因となるサイトカインの発現に関わる細胞内転写因子の機能を抑制する作用や、血管を収縮させる作用により抗炎症効果を示します。

視神経脊髄炎の後遺症の治療には再生医療も選択肢の一つとなる

視神経脊髄炎の後遺症を治療する際に、再生医療も選択肢の一つとなります。

再生医療では患者様自身の脂肪細胞から抽出した幹細胞を分離して培養し、増殖させた上で点滴を用いて静脈内に注入します。患者様自身の細胞を用いる治療法のため副作用のリスクが低く、拒絶反応を起こしにくいのがメリットです。

日帰りでも治療を受けられ、所要時間も最短30分程度と短いのが特徴です。再生医療とリハビリを並行して実施すると、後遺症のリスクを下げ神経機能を回復させるのに役立ちます。

再生医療について詳しくは、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEをご確認ください。再生医療に関する情報提供のほか、無料相談も受け付けています。

視神経脊髄炎の治療と並行してリハビリテーションを受けるのも効果的

視神経脊髄炎の治療と並行して、リハビリテーションを受けるのも症状の回復に効果的です。

ステロイドパルス療法など急性期の治療を終えた後に、体力や筋力を回復したり、運動機能や感覚機能を維持したりする目的でリハビリテーションを行います。

視神経脊髄炎の主なリハビリテーション内容や方法、目的は以下のとおりです。

内容 方法 目的
有酸素運動 ウォーキングなど 体力や筋力の低下を防止する
身体機能訓練 筋トレやストレッチ 筋肉のつっぱりや痙攣を緩和する
日常生活動作訓練 歩行訓練、着替え・食事動作の練習 Q・O・L(生活の質)を維持・改善する

リハビリテーションは原則として視神経脊髄炎の寛解期に実施します。

体温の上昇とともに症状の増悪を招く恐れがあるため、専門家の指導下でリハビリテーションに取り組むことが大切です。

視神経脊髄炎は早期発見と適切な治療で症状は緩和できる

視神経脊髄炎は現在のところ詳しい発症メカニズムがわかっておらず、いったん発症すると完治する可能性はありません。

しかし、急性期の適切な処置や寛解期の継続的な薬物療法により、寿命には大きく影響しないと報告されています。

現在ではソリリスやユルトミリスなど、再発防止に役立つ医薬品が開発されており、症状を長期的にコントロール可能です。

早期発見と適切な治療により目の機能の長期的な回復が期待できます。突然の視力低下や眼痛などの異常が見られる際は、ただちに脳神経内科を受診するよう心がけましょう。

なお、視神経脊髄炎の後遺症に対しては、治療法として再生医療も選択肢の一つです。

当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。視神経脊髄炎について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。

参考文献

(文献1)
多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン|日本神経学会

(文献2)
視神経脊髄炎|臨床神経学雑誌第52巻第11号

(文献3)
献血ベニロンーI|一般財団法人日本医薬情報センター

(文献4)
視神経脊髄炎スペクトラム障害|日本神経免疫学会

(文献5)
視神経脊髄炎(NMOSD)の治療薬|特定非営利活動法人MSキャビン