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肘の外側に痛みを感じ、日常のちょっとした動作がつらくなっていませんか? ドアノブを回す、タオルを絞る、パソコン作業や荷物を持つなど、手首を使うたびに肘が痛むなら「テニス肘」かもしれません。 テニス肘は、スポーツをしない人にも発症する一般的な疾患で、初期には軽い違和感から始まります。 しかし、放置して悪化すると慢性的な痛みに悩まされ、手術が必要となるケースもあるため注意しなければなりません。 本記事では、テニス肘を放置するとどうなるのかを解説し、セルフチェック方法や治療法をご紹介します。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、テニス肘の治療も行われている再生医療に関する情報提供と簡易オンライン診断を実施しています。 肘の痛みで気になることがあれば、ぜひご登録ください。 テニス肘を放置すると症状の悪化リスクあり 肘の外側に痛みが生じる「テニス肘」を放置すると、痛みが長引いて症状が慢性化するリスクがあります。 とくに、「難治性テニス肘」へと進行するケースでは保存療法が効かず、手術が必要になるケースもあるため要注意です。 初期段階では安静や湿布などで改善する場合もありますが、炎症や腱の変性が進行すると、日常生活に支障をきたすほどの痛みになる可能性があります。 悪化を防ぐためには、早期の診断と適切な治療が重要です。 痛みを感じた段階で整形外科などの専門医を受診し、原因や状態を把握することが回復への第一歩となります。 テニス肘の原因や症状、メカニズムについて詳しく知りたい方は、以下の解説記事もご覧ください。 軽度のテニス肘は放置で治るケースもあるが油断は禁物 軽度のテニス肘であれば、安静にしていれば自然に痛みが軽減するケースもあります。 ただし、痛みが和らいだからといって安心するのは危険です。 腱そのものは自然治癒しにくく、もろくなった組織が回復しないまま放置を続けると、再発や悪化を招く恐れがあります。 炎症が慢性化すれば治療期間が長引き、難治性に進行する可能性も否定できません。 軽度だからこそ、早期に治療を始めることで重症化を防げます。 痛みが続く、あるいは繰り返すようであれば、整形外科などの医療機関を早めに受診しましょう。 テニス肘を放置すると起こる合併症 テニス肘を放置すると痛みが慢性化し、日常生活に大きな支障をきたすリスクが高まるため注意しなければなりません。 とくに、手首を動かすたびに肘へ響くような痛みが続くと、仕事や家事はもちろん、趣味やスポーツの継続も難しくなるでしょう。 さらに、無理に動かし続けると肘周辺の腱や筋肉に過度な負担がかかり、関節機能の低下などの合併症を引き起こす場合もあります。 合併症を引き起こすと治療が長期化するだけでなく、完治までに時間を要するケースも少なくありません。 軽症でも決して放置せず、早期の受診と治療が合併症の予防につながります。 テニス肘の症状をチェック!該当したら放置せず受診しよう テニス肘は、肘の外側にある骨の突起(上腕骨外側上顆)周辺に痛みが生じます。 初期段階では軽い違和感や圧痛にとどまることが多いものの、徐々に日常動作で強く痛むようになるのが特徴です。 とくに、以下のような動作で痛みを感じる場合、テニス肘の可能性があります。 ドアノブをひねる タオルを絞る フライパンやヤカンを持つ パソコン操作や筆記作業 上記の動作で痛みが出る場合、腱に負荷がかかって炎症を起こしている可能性が考えられます。 早期に整形外科を受診し、進行を防ぐために対処していくことが大切です。 テニス肘の重症度セルフチェック・テスト方法 テニス肘を疑う気になる症状があれば、セルフチェックしてみましょう。 以下の表では、テニス肘の症状を段階的にまとめたのでチェックしてみてください。 段階 主な特徴 受診のタイミング 軽症 動作の開始時だけ痛むが休めば改善する 早期受診を検討 中等症 日常動作で痛みが出て長く続く 速やかに専門家へ相談 重症 安静時にも痛み、可動域が制限されて力が入らない 早急な受診・専門治療が必要 上記の中等症や重症に当てはまるなら、医療機関の受診を推奨します。 ただし、セルフチェックはあくまで目安である点に留意しておきましょう。 以下では、テニス肘の一般的なテスト方法をご紹介します。 Chair(チェア)テスト Chair(チェア)テストとは、テニス肘の診断に用いられる理学検査のひとつです。 以下のように、椅子を持ち上げる動作で肘の外側に痛みが生じるかを確認します。 1.肘をまっすぐ伸ばした状態で座る 2.椅子(または類似の重さのある物体)を片手で持ち上げる動作を行う 持ち上げるときに肘の外側に痛みを感じたら、テニス肘になっている可能性があります。 Thomsen(トムセン)テスト Thomsen(トムセン)テストとは、肘を伸ばした状態で手首を反らす動作に抵抗を加え、痛みが出るかでテニス肘の可能性を判断するテスト方法です。 1.肘をまっすぐ伸ばした状態で保持する 2.手をグー(握りこぶし)にして、手首を上方向に曲げるよう動かす 3.自分で手首を上に曲げようとする力に対して、もう一方の手で抵抗をかける 肘の外側に痛みが出たり、抵抗に対して背屈運動しにくい感覚があったりするなら、テニス肘の可能性が疑われます。 中指伸展テスト 中指伸展テストとは、肘を伸ばした状態で中指を上に伸ばそうとする力に医師が抵抗を加え、肘の外側に痛みが生じるかをチェックするテスト方法です。 1.肘をまっすぐ伸ばした状態で保持 2.検者が中指を上から押さえつけ、中指を上方向に持ち上げようとする 中指を伸ばそうとした際に肘外側に痛みが出る、もしくは中指に力を入れにくい感じがある場合は、テニス肘の可能性があります。 なお、上記3つのテストすべてが陽性の場合、「中等症〜重症」段階に到達していると判断される可能性があります。 テニス肘の治療法 テニス肘になったら、早めの適切な処置が大切です。 ここでは、テニス肘の主な治療法を解説します。 保存療法 テニス肘の多くは、手術を伴わない「保存療法」で改善を目指すのが一般的です。 まずは、以下の対策を組み合わせながら実践してみましょう。 安静・活動制限とアイシング 重いものを持つ、手首を強く使う作業といった痛みを引き起こす動作を極力控え、腱にかかる負荷を軽減します。 炎症が強いときは1回15分程度、1日に数回アイスパックなどで冷やすと効果的です。 補助具の使用 前腕の伸筋群(手首や指を伸ばす筋肉)への張力を軽減するため、肘外側あるいは前腕部に装着するテニス肘バンドやサポーターを用いる方法があります。 テニス肘バンドは、肘の外側や内側周辺を保護する目的で開発された商品で、腱への負荷を部分的に逃がす設計になっているのが特徴です。 消炎鎮痛薬(NSAIDs等) 痛みや腫れが強いときには、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を短期間用いる場合があります。 ただし、長期連用は消化器障害などのリスクがあるため、医師の判断のもとで適切に処方してもらう必要があります。 ストレッチと筋力トレーニング 保存療法では、腱・筋肉のストレッチや筋力トレーニングが有効な方法のひとつです。 痛みに耐えられる範囲で、段階的に取り入れていきましょう。 【ストレッチの方法】 ・肘を伸ばしたまま手首をゆっくり下に曲げ、前腕の外側を伸ばす ・痛みが強くなければ、1回20~30秒程度を数回繰り返す 【筋力トレーニングの方法】 ・腕を支えた状態で軽めのダンベルやペットボトルを持ち、手首を上下させる ダンベルを下ろす際など、筋肉が伸びながら力を発揮する動作を「エキセントリック運動」と呼び、テニス肘の症状改善に効果的とされています。 手術療法 保存療法で改善が見られない中等症〜重症例では、手術療法が検討されます。 6〜12カ月以上保存療法を行っても痛みが持続する場合に、手術が適応とされるのが一般的です。 手術の方法としては以下のようなものがあります。 開放手術:皮膚を横切開して、病変腱組織を切除・修復 関節鏡視下手術:小さい穴から関節鏡を使って治療 経皮的手術・超音波支援手術:超音波振動を使って病変部を除去、または壊れた組織を吸引する方法 また、手術後はリハビリが必須です。リハビリでは筋力回復・可動域改善を目的とした運動療法を段階的に行い、日常生活やスポーツへの復帰を目指します。 再生医療 近年、スポーツによる腱や筋肉の損傷では、保存療法・手術に加えて「再生医療」という治療法が行われています。 再生医療とは、体が本来もつ傷の修復プロセスに関わる細胞を活かし、腱や筋の炎症・損傷に対応する治療法です。 代表的な再生医療のひとつ「PRP療法」では、患者様自身の血液から濃縮した血小板を抽出し、損傷した部位に注入します。 血小板には炎症を抑える成長因子が多く含まれています。 早期回復を目指す方や手術を避けたい方、アスリートでも導入が進んでいます。 スポーツ外傷に対する再生医療について詳細は、以下のページをご覧ください。 まとめ|テニス肘は早期の対処が大切 テニス肘は、腕の使いすぎにより腱に炎症や損傷が起こる疾患です。 放置すれば症状が悪化し、慢性化や難治性へ進行するリスクがあります。 軽度のうちは自然に痛みが和らぐこともありますが、腱の損傷が治癒するわけではありません。 痛みが続く場合は、症状に応じた適切な対処が必要です。 重症化して手術が必要な状態になる前に、医療機関を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、テニス肘の治療でも行われている再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しています。 気になる症状がある方は、ぜひご登録ください。 テニス肘に関するよくある質問 テニス肘は一生治らないのですか? テニス肘は、適切に対処すれば予後が良好な疾患です。 自然治癒や症状の軽減が認められるケースが多く、80~90%が1~2年以内に自然治癒すると報告されています。(文献1) ただし、放置や自己判断による対応では慢性化や再発リスクがあるため、早期に医療機関を受診し、専門医の適切な処置を受けることが回復への近道です。 テニス肘が重症化すると手術が必要ですか? テニス肘の多くは保存療法で改善しますが、日常生活に深刻な支障がある場合は手術が検討されるケースがあります。 ただし、手術を選択する前にまずは、ストレッチやリハビリ、薬物療法など複数の保存的治療を行うのが一般的です。 ゴルフ肘を放置するのと違いはありますか? テニス肘とゴルフ肘は、いずれも肘関節周囲の腱に炎症や損傷が起こるスポーツ障害ですが、発生部位が異なります。 テニス肘は肘の外側、ゴルフ肘は内側に痛みが出るのが特徴です。 いずれも放置すると炎症が進行する点では同じであり、日常生活や仕事に支障をきたす恐れがあるため、早期に医療機関を受診しましょう。 ゴルフ肘の原因や治療法に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。 参考文献 (文献1) Lateral Epicondylitis (Tennis Elbow) - StatPearls - NCBI Bookshelf|NCBI Bookshelf(National Center for Biotechnology Information)
2026.02.02 -
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肘の外側に痛みを感じ、物を持ったりタオルを絞ったりする動作がつらくなっていませんか。 テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、適切なストレッチを行うことで症状の軽減が期待できる疾患です。しかし、誤ったタイミング・方法でストレッチを行うと、かえって症状を悪化させてしまう可能性があります。 本記事では、テニス肘に対するストレッチのやり方や、やってはいけないタイミング、正しいやり方、予防のためのトレーニングまで、わかりやすく紹介いたします。また、記事の後半ではストレッチに関するよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、テニス肘の治療法の一つである再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 テニス肘について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEご登録ください。 テニス肘のストレッチをやってはいけないタイミング テニス肘のストレッチは、タイミングを誤ると症状を悪化させる危険があります。とくに発症直後の急性期には、ストレッチを避けてください。 急性期とは、炎症が強く出ている時期のことです。一般的に発症から2〜3日程度を指します。急性期にストレッチを行うと、炎症を助長し、痛みや腫れがひどくなる可能性があります。 以下のサインがある場合は、ストレッチを控えてください。 肘に熱感や腫れがある 安静にしていても痛みを感じる ストレッチをすると痛みが強まる 患部を軽く押すだけで激しい痛みがある これらの症状がある場合は、ストレッチを避け、安静とアイシングを優先してください。負担のかかる動作を避けつつ患部を冷やして、炎症の拡大を防ぎましょう。アイシングは1回15〜20分程度、1日数回が目安です。 また、痛みが強い場合や、急性期と慢性期の判断がつかない場合は、自己判断せず医療機関の受診をおすすめします。 テニス肘を改善するストレッチ テニス肘は、手首や指を動かすときに使う前腕の筋肉が、肘の外側につながっている部分に負担をかけることで発症します。前腕の筋肉が硬くなったり、繰り返し使われたりすることで炎症が起き、肘の外側に痛みを感じるのです。 ただ、前腕の筋肉をストレッチすると、筋肉の柔軟性が高められ、症状の軽減が期待できます。 自分でできるテニス肘のストレッチは、以下のとおりです。 手首のストレッチ 前腕の甲側のストレッチ 前腕手のひら側のストレッチ ただし、ストレッチを行う際は、痛みを感じない範囲でゆっくりと行うことが大切です。無理に伸ばすと、筋肉や腱を痛める可能性があります。 以下の記事では、テニス肘の症状や原因について詳しく解説しています。ぜひ、参考にしてください。 手首のストレッチ 手首のストレッチは、前腕の伸筋群の柔軟性を高め、肘への負担を軽くします。 具体的な方法は以下のとおりです。 肘を伸ばした状態で、腕を肩の高さで前に出す 手のひらを下に向け、手首を上(背屈)に反らす 反対の手で押さえながら15秒間キープ 次に手首を下(掌屈)に倒し、同じく15秒間キープ この動作を1日4回、週5回行います 上記のストレッチにより、伸筋群の柔軟性が向上し、肘への負担が軽減されます。ただし、痛みを感じる場合には無理をせず、心地よく感じる範囲でストレッチしてください。 前腕甲側のストレッチ 前腕の甲側には、指を伸ばしたり手首を上げたりする筋肉が集まっています。前腕の甲側をストレッチすると、テニス肘の痛みを和らげる効果が期待できます。 具体的な方法は以下のとおりです。 片方の腕を、手のひらを下にして前へ伸ばす 伸ばした腕の手首を下に曲げる もう一方の手で、曲げた手首を下へゆっくりと引っ張る 肘の外側が伸びているのを感じながら、10秒間キープ 上記ストレッチを1日に5回程度行う 日常的に続けることで、前腕の筋肉の柔軟性を保ち、肘への負担を減らせます。なお、痛みを感じる場合は無理をしないようにしてください。 前腕手のひら側のストレッチ 前腕の筋肉は、手の甲側だけでなく手のひら側にもあります。甲側だけを伸ばしても、十分な効果は得られません。甲側をストレッチしたあとは、手のひら側もあわせて伸ばしましょう。 具体的な方法は以下のとおりです。 片方の腕を、手のひらが上を向くように前へ伸ばす 伸ばした腕の指先を、床を向くように曲げる もう一方の手で、伸ばした手のひら側をゆっくりと下へ押す 肘の内側が伸びているのを感じながら、10秒間キープ 上記の動きを1日に5回ほど繰り返します 前腕の両側をバランスよくストレッチすると、筋肉全体の柔軟性が高まり、肘への負担を軽減できます。痛みを感じる場合はストレッチを中止し、安静にしておきましょう。 テニス肘を予防するストレッチ・トレーニング テニス肘は再発しやすい疾患です。痛みが治まった後も、ストレッチと筋力トレーニングの習慣化が重要です。 また、「なぜ肘が痛くなるのか」という根本的な原因にも目を向けましょう。テニスやゴルフなど、身体を回転させる動作が入るスポーツでは、体幹をうまく使えないと腕や肘に負担が集中し、痛みを引き起こしやすくなります。 そのため、肘周辺だけでなく、全身の柔軟性を高めるストレッチも推奨されます。 予防に有効なストレッチとトレーニングは、以下のとおりです。 肩・太もも内側のストレッチ 股関節のストレッチ 肘周辺のマッサージ 輪ゴムを使った筋力トレーニング それぞれ詳しく解説します。 肩・太もも内側のストレッチ 肩・太もも内側のストレッチは、上半身と下半身を同時に刺激し、身体全体の連動性を高めます。日常的に行うと柔軟性が増し、スポーツによる肘への負担が軽減されます。 具体的なストレッチ方法は以下のとおりです。 両足を広げて膝を曲げ、膝の上に手を置く 太ももと床が平行になるように腰を落とす 手を動かさないようにして、上体を右にひねる 顔は後方やや上を見るようにし、左肩と内ももが伸びるのを感じながら体勢をキープ 次に、同じように上体を左にひねり、右肩と内ももを伸ばす 左右各10秒ずつ行う 上記のストレッチにより、上半身と下半身の可動域が広がり、スポーツ時の負担を軽減できます。 股関節のストレッチ 股関節のストレッチは、股関節とおしりの大殿筋(だいでんきん)を連動させ、可動域を高めます。スポーツ時のスイング動作などで身体を大きく使えるようになり、腕や肘への負担を減らせます。 具体的な方法は以下のとおりです。 膝立ち状態で四つんばいになり、背筋はまっすぐに保つ 片方の足を持ち上げ、後方に伸ばす つま先をできるだけ遠くに置くように意識する 持ち上げた足の股関節を開くように動かす(自然と膝は曲がった形になる) 膝で円を描くようにして左足を元に戻す 一連の動きをスムーズに行う 逆の足でも同様に行い、左右各5回ずつ行う 股関節の柔軟性が高まると、身体を回転させる動作時に腕への力の伝達がスムーズになり、肘への負担を減らします。 肘周辺のマッサージ 前腕の筋肉をやさしくほぐすと、血行が促進され、筋肉のこりが和らぎます。固くなった筋肉がゆるむと、肘にかかる負担を減らせるため、テニス肘の再発防止が期待できます。 具体的には、肘から手首にかけて、指の腹で円を描くようにゆっくり揉みほぐします。筋肉の流れに沿って、軽く圧をかけるのがポイントです。 また、テニスボールを使ったマッサージも効果的です。以下の手順を参考にしてください。 テニスボールを机の上に置く 手のひらを上に向け、ボールを転がすようにしながら前腕の筋肉をほぐす ただし、マッサージの際は、強く押しすぎないよう注意してください。過度な刺激は炎症を悪化させるおそれがあるため、「痛気持ちいい」と感じる程度の力加減を意識しましょう。 輪ゴムを使った筋力トレーニング 輪ゴムを使った筋力トレーニングは、肘まわりの筋肉を鍛え、テニス肘の予防に有効です。 具体的な方法は以下のとおりです。 輪ゴムを5本の指全体に引っかける 指を広げるように動す 指を広げた状態で2~3秒キープ ゆっくりと元に戻す 上記の動作を10回程度繰り返す 1日2~3セット行う 上記トレーニングを継続的に行うと、前腕の筋肉がまんべんなく鍛えられ、肘の腱にかかる負担を軽減できます。結果として、テニス肘の再発を防ぐ効果が期待できます。 ストレッチで改善しないテニス肘の治療法 ストレッチなどのセルフケアを2~4週間続けても症状が改善しない場合は、医療機関での治療を検討してください。 医療機関では、症状の程度に応じてさまざまな治療法が用意されています。 治療法 特徴 保存療法 ・リハビリテーション ・薬物療法(内服、湿布、注射) ・装具療法(サポーター) ・体外衝撃波療法 手術療法 ・保存療法で改善しない重症時に実施 ・炎症部位の切除や腱の修復(文献1) ・術後のリハビリが重要 再生医療 ・PRP療法や幹細胞治療を実施 ・自己由来の細胞や血液成分を利用する療法 ・手術を避けたい人の選択肢として検討可能 詳しい治療法については、以下の記事をご覧ください。 まとめ|テニス肘は適切なストレッチで改善しよう テニス肘は、適切なストレッチなどのセルフケアで症状の軽減が期待できる疾患です。 ただし、発症直後の急性期にはストレッチを避け、痛みが落ち着いた慢性期に開始しましょう。熱感や腫れ、安静時痛がある場合は、安静とアイシングを優先してください。 また、ストレッチは痛みを感じない範囲で、ゆっくりと丁寧に行います。手首のストレッチ、前腕の甲側のストレッチ、前腕手のひら側のストレッチを、毎日継続しながら筋肉の柔軟性を高めましょう。 なお、2~4週間ストレッチを続けても改善しない場合は、医療機関を受診してください。保存療法や手術療法、再生医療など、症状に応じた治療法が用意されています。 「手術は避けたい」とお悩みの方は、再生医療も選択肢としてご検討ください。 以下のページでは、再生医療の症例や治療内容の詳細が確認できます。 テニス肘のストレッチに関する疑問 ストレッチは1日何回行えばいい? 基本は1日3セット行うことが推奨されています。朝・昼・夜など、時間を分けて実施すると効果的です。 痛みが軽い場合は、5セット程度まで増やしても問題ありません。ただし、やりすぎると筋肉を痛める可能性があるため注意が必要です。 ストレッチはいつから始めればいい? 発症直後の急性期には、ストレッチを避けてください。炎症が強い時期にストレッチを行うと、症状が悪化する可能性があります。 ストレッチは、痛みが落ち着いた慢性期に入ってから開始しましょう。目安としては、安静時の痛みがなくなり、熱感や腫れが引いてからです。 判断が難しい場合や不安がある場合は、自己判断せず医師に相談しましょう。 ストレッチで症状が悪化することはある? 急性期にストレッチを行うと、症状が悪化する可能性があります。炎症が強い時期に筋肉を伸ばすと、炎症を助長し、痛みや腫れがひどくなります。 また、無理に強く伸ばすと、筋肉や腱を痛めるおそれがあります。ストレッチは、正しいやり方で、痛みを感じない範囲で行いましょう。 参考文献 (文献1) Arthroscopic tennis elbow release|PubMed Central
2026.02.02 -
- テニス肘
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肘の外側に痛みを感じ、手や腕を使う動作がつらくなっていませんか。 テニス肘は、日常生活やスポーツ、仕事に大きな支障をきたす疾患です。放置すると慢性化し、痛みが長期間続く可能性があります。 しかし、適切な治し方を実践すれば、多くの場合で改善を目指せます。 本記事では、自宅でできるセルフケアの方法から、医療機関での専門的な治療法まで、テニス肘の治し方を詳しく解説します。 また、記事の後半ではテニス肘に関するよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、テニス肘の治療法の一つである再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 テニス肘について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 自分でできるテニス肘の治し方はある? 軽度のテニス肘であれば、セルフケアで改善できる可能性があります。日常生活で肘にかかる負担を減らして適切なケアを継続すると、炎症を抑えられ、組織の回復を促せます。 自分でできるテニス肘の治し方は、以下のとおりです。 安静・アイシング ストレッチ マッサージ サポーター・テーピング ただし、ストレッチやマッサージの際に強い痛みを感じる場合や、実施しても症状が改善しない場合は、無理をせず医療機関を受診してください。自己判断で誤ったケアを続けると、かえって症状が悪化するおそれがあります。 以下、詳しく解説します。 安静・アイシング 発症直後の急性期には、安静とアイシング(冷却)が基本です。痛みを感じる動作を避け、患部をアイシングしながら休ませると、炎症の拡大を防げます。 アイシングは、保冷剤や氷をタオルで包み、患部に15~20分程度あてる方法が有効です。アイシングを1日に数回繰り返すと、炎症や腫れを軽減できます。 ただし、過度に冷やすと血行が悪くなるため、長時間のアイシングは避けてください。 ストレッチ 前腕の伸筋群を伸ばすストレッチは、筋肉の柔軟性を高め、テニス肘の症状緩和に役立ちます。 具体的な方法は、以下のとおりです。 腕を肩の高さで前に伸ばし、手のひらを下に向ける 反対の手で、伸ばした手の指先を持ち、手首をゆっくりと下方向に曲げる 前腕の外側が伸びているのを感じながら、15秒間キープ 上記ストレッチを1日3~4回行う 痛みが強い場合は無理をせず、心地よく感じる範囲で実施してください。継続的に行うと、筋肉の緊張がほぐれ、痛みの軽減につながります。 以下の記事では、詳しいストレッチ方法を解説しています。ぜひ参考にしてください。 マッサージ 前腕の筋肉を優しくほぐすマッサージは、血行を促進し、組織の回復をサポートします。 肘から手首にかけて、円を描くように揉みほぐしてください。指の腹を使い、筋肉の流れに沿ってゆっくりと圧をかけます。 また、テニスボールを使った簡単なマッサージ法も有効です。手順は以下のとおりです。 テニスボールを机の上に置く 手のひらを上方向に向け、ボールを転がすようにしながら、前腕の筋肉をほぐす ただし、マッサージをする際は、強く押しすぎないように注意してください。過度な刺激は、かえって炎症を悪化させるおそれがあるため、「痛気持ちいい」程度の強さで行いましょう。 サポーター・テーピング テニス肘専用のサポーターは、筋肉や腱への負担を軽減し、痛みを和らげます。サポーターの正しい装着位置は、以下を参考にしてください。 局所的な圧迫に適している「バンドタイプ」:肘の少し下 肘全体につける「スリーブタイプ」:肘から前腕にかけて装着 また、テーピングで前腕を固定する方法も有効です。伸縮性のあるテープを使い、肘から手首にかけて適度な圧迫を加えることで、筋肉の動きをサポートします。 ただし、長時間の連続使用は避けてください。締めつけすぎると血行が悪くなるため、適度に外して血流を促すことが大切です。 以下の記事では、テニス肘のサポーターの付け方や注意点について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。 医療機関でのテニス肘の治し方 セルフケアで改善しない場合は、医療機関での治療が必要です。症状の程度や経過に応じて、適切な治療法を選択しましょう。 医療機関でのテニス肘の治し方は、以下のとおりです。 リハビリテーション 薬物療法 装具療法 体外衝撃波療法 手術療法 再生医療 以下、詳しく解説します。 リハビリテーション セルフケアで改善が見られない場合、理学療法士による専門的なリハビリテーションが有効です。ストレッチや筋力トレーニングを通じて、患部の血流を改善し、組織が持つ治癒力向上を目指します。 また、理学療法士の指導により、正しい動作やフォームを身につけると、再発のリスクを減らせます。 薬物療法 テニス肘による痛みに対しては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服や外用(貼付薬・ゲル)で鎮痛を図ることがあります。 症状が強い場合はステロイドの局所注射が選ばれることもあります。ただし、効果は短期的です。また、繰り返し注射すると腱が弱くなり断裂する危険性があるため、慎重な判断が必要です。いずれも医師の指示に従い、用量や頻度は自己判断で変更しないでください。 装具療法 装具療法とは、専用の装具(肘サポーター)で動作制限を行い、安静を保つ治療法です。 装具は、痛みの原因となる筋肉への負荷を軽減します。日常生活での無意識な動作を制限すると、患部の安静を保てるため、炎症の悪化を防げます。 装着期間は症状により異なりますが、通常は数週間から数カ月です。リハビリテーションと併用することで、より高い治療成果が期待できます。 体外衝撃波療法 体外衝撃波療法は、痛みのある部位に衝撃波をあてて血流改善を図り、組織の自然治癒を促す治療法です。 慢性期のテニス肘に有効とされており、複数回の通院で症状の改善が見込めるケースもあります。 体外衝撃波療法は比較的新しい治療法ですが、リハビリや薬物療法などで改善しない場合の選択肢として注目されています。 手術療法 十分な期間にわたって保存療法(リハビリテーションや薬物療法など)を行っても改善が見られず、日常生活に支障を来す重症・慢性化例に対して、手術療法が検討されます。 手術では、主に変性・病変腱組織の切除や腱付着部の修復を行い、痛みの原因部位を除去、または改善を目的とします。(文献1)ただし、術後にも完全な正常化を保証するものではありません。 術後は、段階的なリハビリテーションを計画的に進めることが不可欠です。適切なリハビリテーションを行うことで、可動域・筋力の回復を促し、再発リスク低減を目指します。 再生医療 保存療法による改善が見られない場合、テニス肘の治療法として再生医療の選択肢もあります。 再生医療には、主に幹細胞治療とPRP療法があります。 幹細胞治療:幹細胞を採取・培養して患部に投与する治療法 PRP療法:血液から抽出したPRP(多血小板血漿)を患部に投与する治療法 どちらも患者様自身から採取した幹細胞・血液を用いるため、拒絶反応のリスクが低いのが特徴です。 手術を避けたい方や、長引く慢性痛に対する選択肢としてご検討ください。 以下のページでは、テニス肘を含む「スポーツ外傷に対する再生医療」について、特徴や症例を紹介しています。再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。 テニス肘の再発を防ぐ方法 テニス肘は再発しやすい疾患です。一度改善しても、同じ動作を繰り返すと再び痛みが出るケースは少なくありません。 以下の日常的なストレッチと筋力トレーニングで、再発リスクを軽減できます。 ストレッチ 輪ゴムを使った筋力トレーニング それぞれ詳しく解説します。 ストレッチ テニス肘は、日々の軽いストレッチで再発リスクを軽減できます。 具体的な方法は、以下のとおりです。 腕を肩の高さで前に伸ばし、手のひらを下に向ける 反対の手で、伸ばした手の指先を持ち、手首をゆっくりと下方向に曲げる 前腕の外側が伸びているのを感じながら、15秒間キープ 朝起きたときや仕事の休憩時間など、日常生活の中に取り入れて無理なく継続しましょう。数十秒程度の短いストレッチでも、毎日の積み重ねで大きな予防効果が見込めます。 以下の記事では、テニス肘を改善・予防するストレッチ方法を紹介しています。ぜひ、参考にしてください。 輪ゴムを使った筋力トレーニング テニス肘の症状緩和に有効な輪ゴムを使った筋力トレーニングを紹介します。 輪ゴムを5本の指全体に引っかける 指を広げるように動かす 指を広げた状態で2~3秒キープする ゆっくりと元に戻す動作を10回程度繰り返す これは前腕の筋力を鍛えるトレーニングです。結果的に前腕の筋力バランスが整い、再発予防につながります。 まとめ|適切な処置でテニス肘は改善できる テニス肘は、早めのケアと正しい治療で回復が見込める疾患です。 軽度の症状であれば、安静やストレッチ、マッサージなどのセルフケアで改善できる可能性があります。ただし、セルフケアで改善しない場合は、医療機関を受診してください。 慢性的な痛みが続く場合には、手術療法や再生医療など、より専門的な治療が必要になることもあります。 「手術は避けたい」とお悩みの方は、再生医療も選択肢としてご検討ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報発信や簡易オンライン診断を提供しています。再生医療について詳しく知りたい方は、お気軽にご登録ください。 テニス肘の治し方に関するよくある質問 テニス肘は放置しても治る? 軽度のテニス肘であれば、安静にすると自然に改善するケースもあります。 しかし、痛みを我慢しながら同じ動作を続けると、炎症が慢性化し、治りにくくなるおそれがあります。放置すると、日常生活や仕事に長期間支障をきたす可能性も否定できません。 早めにセルフケアを始め、改善しない場合は医療機関の受診をおすすめします。適切な治療を受けると、回復までの期間を短縮できます。 テニス肘の湿布はどこに貼ればいい? 湿布は、肘の外側の痛みを感じる部位に貼ります。 具体的には、上腕骨外側上顆(肘の外側の骨の出っ張り)とその周辺です。痛みの中心となる場所を探し、そこに湿布の中央部分がくるように貼ってください。 湿布には、炎症を抑える働きがある成分が含まれています。ただし、皮膚のかぶれや刺激を感じた場合は、使用を中止し、医師に相談してください。 テニス肘の人がしてはいけないことは? 痛みを我慢しながら、テニスや重い物を持つなどの「負荷の高い動作」を続けることは避けてください。炎症が悪化し、治療期間が長引く原因となります。 また、急激な動作や無理なストレッチも、患部に過度な負担をかけるため控えましょう。 日常生活では、手首や肘をひねる動作、雑巾を絞る動作、ドアノブを回す動作などにも注意が必要です。可能な範囲で動作を工夫し、患部への負担を減らすと、症状が回復しやすくなります。 参考文献 (文献1) Arthroscopic tennis elbow release|PubMed Central
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肘の外側に痛みを感じ、物を持ったり手首を動かしたりする動作がつらくなっていませんか。 テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、手首を伸ばす筋肉を繰り返し使うことで、肘の外側に負担がかかり痛みが起きる疾患です。痛みを放置すると慢性化し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。 しかし、適切なサポーターの使用で、痛みの軽減が期待できます。 本記事では、テニス肘サポーターの選び方から正しい付け方、使用上の注意点まで、詳しく解説します。 また、記事の後半ではサポーターに関するよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、テニス肘の治療法の一つである再生医療の情報の提供と簡易オンライン診断を実施しております。 テニス肘について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 テニス肘の改善にサポーターは有効 テニス肘は、手首を伸ばす筋肉の過度な使用で、肘の外側に炎症が起きる疾患です。正式名称は「上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)」といいます。 また、「テニス肘」と呼ばれていますが、スポーツ時だけでなく、パソコン作業や家事でも発症するケースもあります。 日常生活に支障をきたすこともあるテニス肘ですが、症状を軽減する手段としてサポーターの着用が効果的です。適切に使用すれば、痛みを和らげながら症状の改善を目指せます。 ここでは以下3点を中心に、テニス肘のサポーターについて解説します。 サポーターが痛みを軽減する理由と仕組み 医療用サポーターと市販サポーターの違い サポーターで改善できるケースと専門治療が必要なケース また、以下の記事では「テニス肘の原因や症状」を詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。 サポーターが痛みを軽減する理由と仕組み テニス肘は、肘の外側にある「短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)」という筋肉の腱に過度な負担がかかることで発症する疾患です。 テニス肘用のサポーターは、前腕の筋肉を適度に圧迫して負荷を分散し、肘への負担を和らげます。圧迫によって筋肉や腱の動きをサポートし、衝撃を吸収する効果もあるため、日常動作や運動時の痛みを和らげてくれます。 医療用サポーターと市販サポーターの違い サポーターには、「一般医療機器」として届出されているものと、医療機器に該当しないもの「雑品(市販品)」があります。 両者の特徴は、以下の表を参考にしてください。 項目 一般医療機器(医療用サポーター) 雑品(市販サポーター) 分類 医療機器として国に届け出済み 医療機器に該当しない一般製品 効能・効果 関節痛の緩和、血行促進などを表示できる 明確な治療効果の表示はできない 表示項目 「一般医療機器」または「製造販売届出番号」などの記載あり(文献1) 医療機器関連の表示や番号はない 安全性・信頼性 国の基準を満たし、一定の審査を受けている 効能審査はないが、品質の良い製品も多い 主な用途 医師の指導下での装具療法や、痛みの強い場合に適する 軽度な痛みの緩和や日常的な予防に適する どちらのサポーターを選ぶべきかは、症状の重さや目的に応じて判断しましょう。痛みが強い場合や、医師から装具療法を勧められた場合は、医療機器認証品の使用をおすすめします。 軽度の痛みや予防目的であれば、市販のサポーターでも十分な場合が多いです。 サポーターで改善できるケースと専門治療が必要なケース テニス肘を発症したときは、症状の程度によって対応方法が異なります。多くの場合、テニス肘の治療はまず保存療法から開始されます。実際に、約90%の患者は手術をしない保存療法によって症状が改善すると報告されています。(文献2) 軽症であればサポーターの着用やセルフケアを含む保存療法で改善が見込めますが、痛みが強い場合や長引く場合は、医療機関での専門的な治療を検討してください。 以下の表を参考に、自分の症状に合った対応を判断しましょう。 判断基準 サポーターが有効なケース 専門治療が必要なケース 痛みの程度 動作時に痛みがあるが、安静時は軽度の痛み 安静時にも強い痛みがある 症状の期間 発症から数週間〜3カ月以内 3カ月以上痛みが続いている 改善の状況 サポーターやセルフケアで症状が軽くなっている サポーターを使っても改善が見られない 症状の変化 痛みが徐々に落ち着いてきている 痛みが悪化している、または範囲が広がっている なお、テニス肘の治療には、手術を伴わない再生医療という選択肢があります。手術を避けたい方や、長引く慢性痛に対する選択肢としてご検討ください。 以下のページでは、テニス肘を含む「スポーツ外傷に対する再生医療」について、特徴や症例を紹介しています。再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。 テニス肘サポーターの種類と特徴 テニス肘サポーターには、主に2つのタイプがあります。 バンドタイプ スリーブタイプ それぞれの特徴を理解し、自分の症状や用途に合ったものを選びましょう。 バンドタイプ バンドタイプは、肘の少し下(前腕部分)にバンドを巻き付けて使うタイプです。 痛みの原因となる筋肉の動きをサポートし、腱への負担を軽減します。コンパクトで装着がしやすく、スポーツ時にも邪魔になりにくいのが特徴です。 バンドタイプのメリットは、装着が簡単で、患部をピンポイントに圧迫できる点です。価格帯が比較的手頃な製品が多く、手軽に導入しやすいタイプといえます。 一方で、長時間の使用では圧迫部分に痛みを感じることがあり、動作中にずれやすい場合もあります。また、肘全体を広く支える効果は限定的です。 バンドタイプは、以下のような場面での使用に適しています。 テニス、ゴルフ、野球などのスポーツ時 パソコン作業やマウス操作が多いデスクワーク中 料理や家事など、手首を使う作業中 とくに、動作時だけ痛みがある「軽度から中等度の症状の方」や、「日中の特定の動作時のみサポートが必要な方」におすすめです。 スリーブタイプ スリーブタイプは、肘から前腕・上腕を筒状に包み込むタイプです。肘全体を均一に圧迫し、筋肉や関節の安定性を高めます。 スリーブタイプのメリットは、肘全体をバランスよくサポートできる点です。ずれにくく安定した装着感が得られるため、保温効果による血行促進も期待できます。 一方で、サイズが合わないと圧迫が不均一になるため、製品選定には注意が必要です。また、通気性が低いため夏場は蒸れやすく、価格はバンドタイプより高い傾向にあります。 スリーブタイプは、以下のような場面での使用に適しています。 軽作業や日常生活全般 肘全体に不安定感がある場合 冷えによる痛みの悪化を防ぎたい場合 長時間装着する必要がある場合 安静時にも肘の痛みを感じる場合や、肘周囲の保温を重視する場合におすすめです。 テニス肘サポーターの選び方 テニス肘サポーターは、選び方を間違えると十分な効果が得られない可能性があります。自分の症状や使用目的に合ったサポーターを選びましょう。 サポーター選びのポイントは、以下のとおりです。 自分の症状や使用目的に合わせて選ぶ サイズや素材を慎重に選ぶ それぞれ詳しく解説します。 自分の症状や使用目的に合わせて選ぶ サポーター選びの際は、まず自分の症状の程度と使用目的を明確にします。 以下の表を参考に、自分に合ったサポーターを選びましょう。 症状の程度 主な使用シーン おすすめのタイプ 軽度(日常生活で軽い痛み) デスクワーク、家事、育児 バンドタイプ 中等度(動作時に痛みがある) 手首を頻繁に使う作業 バンドタイプまたはスリーブタイプ 重度(しっかり固定したい) スポーツ時、手首の動きが多い作業 スリーブタイプ 痛みなし(予防目的) テニス、ゴルフなどのスポーツ バンドタイプ 冷えによる痛みがある 冷え性で肘周りの冷えが気になる スリーブタイプ(保温効果) サポーターを選ぶ際は、上記の表を参考にしながら、自分の症状や生活スタイルに最も合ったものを選択してください。自分で判断できない場合は、医療機関で医師に相談しましょう。 サイズや素材を慎重に選ぶ サポーターの効果を最大限引き出すためには、適切なサイズと素材の選定が欠かせません。 下記の表を参考に、自分の症状や使用環境に合うものを選びましょう。 項目 確認すべきポイント 選び方のポイント サイズ 前腕や上腕の太さに合っているか ・前腕の一番太い部分をメジャーで測定する ・製品のサイズ表を必ず確認する ・メーカーによってサイズが異なるため注意 通気性 長時間使用しても蒸れにくいか ・メッシュ素材や吸汗速乾性のある素材を選ぶ ・夏場や運動時はとくに通気性を重視する 素材の肌への優しさ アレルギーや肌トラブルの心配はないか ・綿混合素材や低刺激性の素材を選ぶ ・ゴムやラテックスアレルギーの方は成分を確認する 装着感 締めつけ感や動きやすさは適切か ・可能であれば購入前に試着する ・肘の曲げ伸ばしや手首の動きを確認する ・スポーツ用なら腕を振る動作も試す サポーター選びをする際は、上記すべての項目をバランスよく考慮しましょう。とくにサイズが合っていないと、十分な効果が得られないだけでなく、血行不良や痛みの原因になりかねません。 価格だけで選ぶのではなく、自分の症状や使用目的に合った製品を慎重に選びましょう。 テニス肘サポーターの付け方 サポーターは、正しい位置に適切な強さで装着してこそ、効果を最大限に引き出せます。もし装着方法を誤ると、かえって症状を悪化させる可能性もあるため注意が必要です。 それぞれ、適切なサポーターの付け方を解説します。 バンドタイプの付け方 肘の最も痛む箇所を確認する 痛む箇所から指2~3本分(約3~5cm)手首側の、前腕の一番太い部分に装着する マジックテープやベルトで締める 締め具合は「心地よいと感じる程度の圧迫感」が目安 手首を動かしてみて、痛みが軽減されていれば適切 ただし、締めすぎると血行不良や痺れの原因になるため注意してください。指先が軽く入る程度のゆとりを保ちましょう。 スリーブタイプの付け方 肘関節全体を覆うように装着する(引き上げるように装着すると、しわができにくい) 肘の曲げ伸ばしを妨げない適度なフィット感を確認する 肘の中心がサポーターの中心にくるように調整する スリーブタイプは、締め具合を調整しにくい製品も多いためサイズ選びが重要です。前腕や上腕の太さを測定し、サイズ表を確認してから購入しましょう。 テニス肘サポーターを使用する際の注意点 テニス肘サポーターは、痛みの軽減や再発防止に役立ちます。ただし、装着方法や使用タイミングを誤ると、かえって症状を悪化させるおそれがあります。 テニス肘サポーターを使用する際は、以下の注意点を理解しておきましょう。 装着位置や締め具合を適切に調整する 就寝中の使用は避ける それぞれ詳しく解説します。 装着位置や締め具合を適切に調整する テニス肘サポーターは、肘の動きを妨げない位置に装着し、痛みのある筋肉を適度に支えるように調整します。 締め具合は「心地良いと感じる程度の圧迫感」が目安です。強く締めすぎると血行不良やしびれの原因になり、緩すぎると効果が得られません。 サポーター装着後に、手首や肘を軽く動かして痛みが和らいでいれば、適切に装着できています。 就寝中の使用は避ける サポーターは日中の動作をサポートするためのものであり、就寝中の使用には適していません。 寝ている間は無意識に寝返りを打つため、サポーターがずれて意図しない部位を強く圧迫するおそれがあります。 また、長時間の圧迫は血行不良や神経麻痺(橈骨神経麻痺など)を引き起こす可能性があり、皮膚のかぶれや炎症の原因にもなります。 使用は日中の活動時に限定し、就寝前には必ず外すようにしましょう。 まとめ|テニス肘がサポーターでも改善しないときは医師に相談しよう テニス肘は、手首を伸ばす筋肉の使いすぎで、肘の外側に炎症が起きる疾患です。サポーターを使用すると、筋肉を適度に圧迫し、腱への負担を軽減してくれるため、痛みの軽減が期待できます。 テニス肘サポーターにはバンドタイプとスリーブタイプがあるため、症状や使用目的に合わせた選択をしましょう。 ただし、サポーターは補助的手段であり、根本治療ではありません。3カ月以上痛みが続く場合や症状が悪化する場合は、自己判断せず医師に相談してください。 テニス肘などスポーツによるケガの治療には、手術を伴わない再生医療という選択肢もあります。当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報発信や簡易オンライン診断を提供しています。お気軽にご登録ください。 テニス肘サポーターに関するよくある質問 テニス肘のサポーターはどこで売ってる? テニス肘のサポーターは、ドラッグストアやスポーツ用品店、インターネット通販などで購入可能です(医療機器認証品も含む)。 ドラッグストアでは、薬剤師や登録販売者に相談しながら選べるメリットがあります。また、スポーツ用品店では、スポーツ用に特化した製品が豊富に揃っています。 さらに、インターネット通販でも購入可能です。豊富な種類から選べ、口コミを参考にできます。ただし、サイズ選びが難しいため、事前に前腕の太さを測定してから購入しましょう。 テニス肘サポーターはつけっぱなしでもいい? テニス肘サポーターは、つけっぱなしにしないでください。 長時間連続で装着すると、血行不良や皮膚トラブルの原因になります。とくに就寝中の使用は避けてください。 基本的には、痛みを感じる動作を行う時間帯に装着し、休憩時や安静時には外すことをおすすめします。1日の装着時間は、数時間から長くても8時間程度を目安にしましょう。 適度に外して血流を促すことで、サポーターの効果を維持しながら、安全に使用できます。 参考文献 (文献1) 医療機器であるかどうかを見分けるには|独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 (文献2) Arthroscopic tennis elbow release|PubMed Central
2026.02.02 -
- 上肢(腕の障害)
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「肘に違和感や痛みを感じる」 「肘の痛みで日常生活に支障をきたしている」 物を持つ、ペットボトルのふたを開けるといった動作だけでもつらい場合はテニス肘かもしれません。テニスをしていなくても、パソコン作業や家事など日常動作の繰り返しで発症します。 放置すると悪化して家事や仕事、趣味のスポーツに支障をきたすため、早期に原因を見極め、適切に対処することが重要です。 本記事では、現役医師がテニス肘について詳しく解説します。 テニス肘の初期症状 テニス肘の原因 テニス肘の治療法 テニス肘の予防法 記事の最後にはテニス肘に関するよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 テニス肘について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください テニス肘とは 項目 内容 主な原因・仕組み 手首や肘の繰り返し動作による腱への負担。加齢による腱の弱化と炎症の発生。周囲組織の関与による痛みの増強。物を持つ・絞る・回す動作での肘外側の痛み。進行による握力低下と夜間痛 診断の考え方(整形外科) 問診で痛みが出る動作や経過を確認。トムゼンテストやチェアテストなどで痛みを誘発する検査。レントゲンやMRIで腱や関節内の状態を確認する評価 早めの対応が重要な理由 保存的治療で改善が期待できる早期介入の重要性。放置による慢性化や生活への支障のリスク。早期治療による回復促進と再発予防の可能性 (文献1)(文献2) テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、繰り返しの負荷により、肘の外側にある骨の出っ張り部分「外側上顆」に付着する伸筋腱に微小な損傷、変性が生じる疾患です。手首を反らす・指を伸ばす動作で使われる前腕の筋肉が酷使されることで発症します。 診断には、手首を反らした状態で抵抗をかけた際に肘の外側に症状が出るか確認するトムゼンテストや、椅子を持ち上げる動作で症状が再現されるか調べるチェアテストなどが用いられます。 テニスプレーヤーに多いことから名づけられましたが、実際にはパソコン作業や家事、重い荷物の運搬などの日常動作でも発症し、放置すると物を持つ、ドアノブを回すといった軽い動作にも支障をきたすため、早期の対処が不可欠です。 以下の記事では、テニスをしていないのにテニス肘を発症する理由を詳しく解説しています。 テニス肘の初期症状 初期症状 詳細 肘の外側の違和感 肘の外側に軽い張りや重だるさを感じる状態。動かすと違和感が出る初期段階 特定動作時の不快感 物を持ち上げる、タオルを絞る、ドアノブを回すなどの動作で生じる痛みや不快感 朝のこわばりと動作後の疲労感 起床時の肘周囲のこわばりや、作業後のだるさ・重さを感じる状態 肘の可動域の変化 肘を伸ばす・曲げる際の動きに制限や引っかかりを感じる状態 テニス肘の初期症状は軽微なため見過ごされやすく、早期発見が改善の鍵となります。多くの場合、肘の外側の軽い違和感から始まり、運動後や作業後のみ感じる程度です。 しかし、放置すると朝のこわばりや動作後の疲労感の増加、肘の可動域の制限といった症状が進行し、安静時にも痛みが現れるようになります。 特定の動作時に限定的な不快感を覚える段階であれば、組織の損傷が軽度であるため、適切な対処で早期改善が見込めます。日常動作に支障をきたす前に、早めの対応が重要です。 以下の記事では、突然発症するテニス肘について詳しく解説しています。 肘の外側の違和感 テニス肘の初期症状として、肘の外側に張りや違和感が現れます。これは手首を反らす筋肉(短橈側手根伸筋)の腱が、繰り返しの負担により炎症や微細な損傷を起こすためです。 初期段階では強い症状を伴わず、動かすと軽い引っかかりや重さを感じる程度です。ペットボトルを持つ、ドアノブを回す、物を持ち上げるといった動作で違和感が出やすくなります。 腱の炎症によって周囲の筋肉や神経が刺激され、不快な感覚が生じ、肘の外側を通る橈骨神経が圧迫されると違和感やしびれが現れることもあります。微小損傷が進行すると安静時にも違和感が持続するため、早期対応が不可欠です。 以下の記事では、肘の痛みについて詳しく解説しています。 【関連記事】 外側の肘が痛いときの治し方|痛みのレベル別で対処法を解説 朝起きたら肘の外側が痛い原因を医師が解説|治療方法や受診目安も紹介 特定動作時の不快感 テニス肘では、特定の動作時に肘の外側へ不快感が生じるのが特徴です。安静時には症状が現れず、動作によって誘発されます。 代表的な誘発動作は、物を持ち上げる動作です。買い物袋、フライパン、ペットボトルなどを持つ際、肘の外側にピリッとした感覚や重だるさが現れます。握力を使う動作は腱に大きな負担をかけるため、初期症状が出やすくなります。 手首を反らす動作(パソコン作業やテニスのバックハンドなど)で肘外側に不快感が生じるのは、手首を反らす筋肉の腱が肘外側に付着しているためです。さらに、握力の微妙な低下を自覚することもあります。力が入りにくい、しっかり握れないといった症状は、腱の損傷や炎症による機能低下のサインです。 初期段階では動作時のみ症状が現れ、安静時には気づかないこともあります。この段階で適切にケアすれば症状の進行や慢性化を防止できます。 朝のこわばりと動作後の疲労感 テニス肘では、朝のこわばりと動作後の疲労感が特徴的な症状として現れます。起床時に肘の外側が硬くこわばったように感じることがあります。 就寝中は関節や腱が長時間動かないため血流が低下し、炎症部位の代謝が滞ることが原因です。動かし始めると次第にこわばりは軽減しますが、症状進行のサインとして注意が必要です。 また、仕事やスポーツで腕を使った後、肘の外側に重だるさや疲労感が残るのも典型的な症状です。繰り返す動作により腱や筋肉に微小な損傷が蓄積し、炎症反応が一時的に強まるためです。動作中は気にならなくても、後からずっしりとした違和感が出ることがあり、進行すると長時間持続します。 朝のこわばりは休息後に硬くなるサイン、動作後の疲労感は使いすぎのサインであり、どちらも進行前に気づける重要な初期症状です。 以下の記事では、朝に起こる肘の痛みについて詳しく解説しています。 肘の可動域の変化 段階 特徴 初期段階 肘の曲げ伸ばしに大きな制限のない状態。手首背屈や物を持つ動作での違和感や動かしづらさ。使用時の抵抗感や不快感の出現 進行段階 肘伸展終末域での肘の外側の張り感。伸ばしきる際の引っかかりや重だるさ。前腕筋の硬化による柔軟性低下と動作の滑らかさ減少 慢性・重度 関節周囲組織の硬化による可動域狭小化。物を持ち上げながら肘を伸ばす・手首を使いながら動かす動作での制限自覚。日常生活動作への支障 ポイント 初期は違和感による動かしにくさ。進行期は肘伸展終末域での張りや制限。慢性期は関節可動域の実際の減少 テニス肘が進行すると、肘を伸ばす・曲げる・ひねる動作で違和感や引っかかりを感じるようになり、とくに肘を伸ばしきる動作や手のひらを上下に返す動作で症状が出やすくなります。それらは腱の炎症や変性によって周囲の組織が硬くなることが原因です。症状をかばうことで筋肉が緊張し、可動域がさらに狭まります。 その結果、高い場所の物を取る、服を着替える、洗髪するといった動作が困難になることもあります。左右の動きに差がある場合や日常動作に支障がある場合は、早めに医療機関で評価と治療が欠かせません。 テニス肘の原因 原因 詳細 繰り返し動作による過度な負荷 物を持つ、ドアノブを回す、パソコン作業、スポーツでのスイングなどによる手首や肘の反復使用による腱への負担蓄積 加齢による腱の変性 年齢に伴う腱の柔軟性低下と血流減少による構造の脆弱化および炎症が生じやすい状態 フォーム・道具・筋力の問題 不適切な動作姿勢や合わない道具の使用、前腕筋力不足による腱への過剰な負担 テニス肘は、肘の外側にある腱が繰り返しの負荷により損傷し、炎症や変性を起こすことで発症します。手首を反らす・物を握る・ひねるといった動作の反復により、前腕の伸筋群から続く腱に張力がかかることが主な原因です。 繰り返し動作による過度な負荷、加齢に伴う腱の変性、不適切なフォームや道具の使用、前腕の筋力不足など、複数の要因が組み合わさって引き起こされます。テニスやゴルフなどのスポーツ愛好家、パソコン作業が多い職種、調理や育児で手を頻繁に使う方などはリスクが高いため、原因を理解し生活習慣を見直すことが予防と改善の第一歩です。 繰り返し動作による過度な負荷 要因 詳細 使用回数が多すぎる 作業時間や練習量の急増による肘・前腕への負担蓄積 間隔が短すぎる 休憩不足による回復時間の欠如と腱への過労状態 負荷が強すぎる 重い物の持ち上げや強い握り込み、固いグリップによる過度な負荷 姿勢・フォームの問題 手首の過伸展や前腕のみで動作を行う不良フォームによる負担集中 道具の不適合 グリップサイズや重さ、ガットの硬さが身体に合わないことによるストレス増大 全身要因 肩や体幹の安定性低下、連動不足による前腕への負荷偏り テニス肘の最も一般的な原因は、手首や前腕を使う動作の繰り返しによる過度な負荷です。肘の外側には手首を反らす・指を伸ばす筋肉の腱が付着しており、物を握る、持ち上げる、手首を反らす動作を反復すると、腱に微小な損傷が蓄積されます。 損傷が回復する前に負荷をかけ続けると、腱が硬くなって違和感や張りが生じ、周囲の筋肉が緊張して同じ部位に負担が集中する悪循環が起こります。買い物袋やフライパンを持つ、ドアノブを回す、雑巾を絞るといった日常動作のほか、マウス操作やキーボード入力などの長時間作業、テニスのバックハンドやゴルフのスイングなどが代表的な原因動作です。 予防には、動作の量・間隔・強度の調整、手首を反らしすぎない姿勢の維持、体に合った道具の選択、前腕のストレッチと筋力強化が有効です。 以下の記事では、日常生活やスポーツで起こりうる肘の症状について詳しく解説しています。 【関連記事】 テニス肘|テニス未経験でテニス肘と診断されたのですが? パソコン腱鞘炎の症状とは?原因や治し方・予防法も徹底解説! 加齢による腱の変性 年齢を重ねると、筋肉と骨をつなぐ腱のコラーゲン線維が徐々に変性し、柔軟性や強度が低下します。その結果、若い頃と同じ負荷でも腱に損傷が入りやすくなり、修復にも時間がかかるようになります。 とくに40代以降でテニス肘の発症が増えるのは、加齢による腱の変性が進み、手首を反らす・物を持つ動作での肘外側への負担に耐えにくくなるためです。 また、加齢による腱の変性が問題となる理由は以下の通りです。 修復力の低下により若い頃なら自然に回復していた小さな損傷が治りにくくなる 柔軟性の低下により衝撃や負担を吸収しにくくなる 一度痛めると治りにくく同じ動作で繰り返し悪化しやすい 加齢による変性は避けられませんが、適度な運動やストレッチで腱の柔軟性を保つことが予防につながります。 フォーム・道具・筋力の問題 要因 詳細 フォームの問題 手首に頼りすぎた動作による肘外側への負担集中。身体全体を使わずに手首や前腕だけで行う動作による腱への過剰なストレス 道具の問題 合わないラケットや道具の使用による前腕への余分な負担。グリップサイズの不一致やガットの張りすぎ、道具の重さによる腱への負荷蓄積 筋力不足の問題 前腕・肩・体幹の筋力低下による衝撃分散の不十分。前腕伸筋群の弱化による腱の引っ張られやすい状態。筋力バランスの乱れによる疲労や違和感の出現 テニス肘は、不適切なフォームや道具の使用、前腕の筋力不足などが原因で起こります。これらの要因によって腱に過剰な負担がかかり、発症のリスクが高まります。スポーツでは、フォームの乱れが腱に大きなストレスを与えることがあります。 たとえば、テニスでバックハンドを手首だけで打つ場合や、ゴルフで肘を伸ばしたままスイングする場合、さらにラケットのグリップが細すぎたり太すぎたりする場合などです。日常生活では、パソコンのマウスやキーボードの配置が悪い、包丁の持ち方が不適切、重い荷物を片手で持つといった習慣が問題となり、前腕の筋力不足により腱が筋肉の役割を代償し過剰な負荷がかかります。 テニス肘を予防・改善するためには、フォームの見直し、適切な道具の選択、筋力トレーニングを組み合わせることが効果的です。 テニス肘の治療法 治療法 詳細 保存療法 負荷軽減と休養、ストレッチ、温熱・冷却による組織回復環境の整備 薬物療法 消炎作用や血流改善を目的とした外用薬・内服薬・注射による症状緩和 装具療法 前腕特定部位への圧迫や支持による腱負担軽減のためのバンドやサポーター使用 手術療法 保存療法で改善が見られない場合の損傷部修復や変性組織除去 再生医療 自己細胞や血液成分を利用した損傷組織修復促進 テニス肘の治療は、症状の程度や発症からの期間により選択肢が異なります。軽症〜中等症では保存療法が第一選択です。保存療法で効果が得られない場合や、症状が重度の場合には、より専門的な治療法を検討します。 治療の基本は、腱への負担を減らしながら組織の修復を促すことです。安静、薬物療法、装具の使用、リハビリテーションなどを組み合わせて進めます。 近年では、保存療法や手術に加えて、再生医療も選択肢のひとつとして注目されています。ただし再生医療は提供されている医療機関が限られており、症状によっては適応できないケースもあるため、事前に医師と相談する必要があります。 以下の記事では、テニス肘の治し方について詳しく解説しています。 保存療法 療法 詳細 リハビリテーション(運動療法) 痛みの軽減後に理学療法士の指導のもと行う前腕のストレッチや筋力強化による肘への負担軽減と再発予防 ストレッチ 前腕の筋肉や腱を伸ばして柔軟性を高め、硬化した組織をほぐし炎症再発を防ぐ習慣 物理療法(電気治療・超音波治療など) 超音波・温熱・電気刺激による血流改善と炎症・痛みの軽減、組織修復の促進 安静と負担軽減の重要性 急性期における肘の安静とサポーター・テーピング使用による腱への負担軽減と炎症抑制 保存療法の意義 身体への負担が少なく、リハビリ・ストレッチ・物理療法の継続による回復促進と再発予防 保存療法は、手術を行わずに症状の改善を目指す治療法です。多くの場合、適切な保存療法により自然治癒が期待できます。 初期段階では患部への負荷を減らし安静を保ちながら炎症を抑え、温熱療法や物理療法により血流を改善して組織の回復を促し、医師の指導のもと段階的にストレッチや筋力回復訓練を取り入れることで、症状の慢性化を防げます。 薬物療法 治療内容 詳細 薬物療法が有効な理由 痛みや炎症の速やかな緩和による症状軽減。保存療法との併用によるリハビリや日常動作継続の支援、強い症状期での緩和の重要性 鎮痛薬・消炎薬 消炎鎮痛薬(NSAIDs)や湿布剤による炎症抑制と速効的な症状緩和。軽度から中等度症状への有効性、副作用予防のための長期使用制限 ステロイド注射 強い痛みや生活への支障時の局所注射による強力な炎症抑制と即効性。1〜2カ月程度の効果、腱断裂リスク回避のための使用回数・頻度制限 治療上の位置づけ 症状コントロールに有用だが、根本治療は保存療法やリハビリによる総合的計画の実施 薬物療法は、薬剤を用いて炎症や痛みを抑え、患者の苦痛を軽減するとともに、身体の自然治癒力が発揮しやすい状態を整える治療法です。テニス肘では、主に炎症のコントロールと痛みの緩和を目的として行われます。症状が落ち着くことで、日常生活の質が向上し、リハビリテーションにも取り組みやすくなります。 治療には、症状の程度に応じて内服薬や外用薬(湿布・塗り薬)などの消炎鎮痛薬(NSAIDs)が用いられ、炎症が強い場合にはステロイド注射で局所の炎症を抑えることもあります。薬物療法は、痛みを一時的に緩和する補助的な治療であり、根本的な改善にはリハビリや保存療法との併用が必要です。 以下の記事では、薬物療法で使用するステロイド注射について詳しく解説しています。 装具療法 項目 説明 サポーターの効果 肘外側上顆より手首側の前腕筋肉部分を圧迫し、筋肉の過度な緊張を抑えることで腱への負担を軽減 装着位置 肘の骨の出っ張り(外側上顆)から指2本分ほど手首側の筋肉部分に圧迫パッドを当てる位置。骨の出っ張りに直接当てると逆に症状を悪化させる可能性 装着時の注意点 きつすぎると血流を妨げ、緩すぎると効果が得られない適度な圧迫感の維持。動作時のみ装着し、安静時や就寝時は外すことの推奨 テーピングの役割 筋肉や腱の動きをサポートし、過度な伸縮や負荷を防ぐ効果。症状の軽減や炎症悪化の予防。医師による正しい方法の習得が重要 装具療法の限界 あくまで補助的な治療法であり、根本的な改善にはリハビリや薬物療法との併用が必要 サポーターの装着は、肘の腱にかかる負担を軽減し、日常生活やスポーツ時の再負担を防ぐのに有効です。装具の種類や装着位置は、症状や動作内容によって適切に使い分けることが大切です。 自己判断での使用は効果が不十分な場合や、誤った装着によってかえって負担を増やすおそれがあります。そのため、専門家の指導のもとで選択・装着することが望まれます。また、長時間や過度の使用は筋力低下を招くことがあるため、適切な使用時間と休息を心がけましょう。 手術療法 項目 説明 手術の利点 長引く症状の改善と肘の機能回復や再発予防への期待。保存療法で効果が不十分だった場合の有効な選択肢 手術のリスク 感染・神経損傷・可動域制限などがまれに起こる可能性。手術には一定のリスクを伴う点 術後の経過 リハビリテーションが必須で、回復には数カ月から半年程度の期間が必要 効果の個人差 すべての患者に確実な効果があるわけではなく、改善度には個人差がある テニス肘は通常、保存療法で改善が見込めますが、症状が1年以上続き、強い痛みが改善しない場合や日常生活に大きな支障を来す場合には手術が検討されます。手術が必要となるケースは全体の約5〜10%とされています。 手術は損傷した腱の修復や炎症部位の除去を目的とし、開放手術や関節鏡視下手術などの低侵襲な方法が選択されます。開放手術では、肘の外側を約3〜5cm切開し、損傷した腱の一部を切除・修復します。神経の圧迫がある場合には、神経剥離術を併用することもあります。 関節鏡視下手術は、数mmの小さな切開から内視鏡を挿入し、腱の修復や滑膜の切除を行う方法です。傷が小さく身体への負担が少ないことが利点で、入院や全身麻酔を要することがありますが、開放手術に比べて術後復帰は早い傾向にあります。(文献1) 術後はリハビリを通じて肘の可動域と筋力の回復を図り、長期的な予後を良好に保つためには、適切な術後管理と再発予防が欠かせません。 再生医療 再生医療は、損傷した腱や組織の修復をサポートし、身体の自然な治癒力を引き出すことを目的とした治療法です。テニス肘では、炎症や変性がみられる腱に対し、患者自身の血液や脂肪から採取した成分を用いて施術を行います。 PRP療法では血液中の血小板に含まれる成長因子の働きを利用し、幹細胞治療では脂肪由来の幹細胞を培養して使用します。いずれも入院や手術を必要とせず、日帰りでの施術が可能です。治療内容や適用は医師と十分に相談の上で決定します。 以下では、再生医療について詳しく解説しています。 テニス肘の予防法 予防法 詳細 ストレッチと筋力強化 前腕筋や腱の柔軟性維持と筋力向上による腱耐久性の強化、負荷吸収力の改善 フォームと道具の見直し 動作姿勢やテクニックの改善と適切な道具選択による肘への負担軽減 サポーターの活用 肘周囲の圧迫による負担分散と動作時の安定性向上、再発防止への補助 適度な休息 継続的負荷の回避と回復時間確保による腱修復促進 テニス肘の予防では、腱への負担を軽減し、前腕の筋力と柔軟性を保つことが重要です。発症してから治療するよりも、日常生活やスポーツの中で予防を実践する方が効果的です。 とくに、過去にテニス肘を経験した方や、肘に負担のかかる動作を繰り返す方は、積極的な予防が再発防止につながります。日々の小さな工夫や習慣の積み重ねが、肘の健康維持に役立ちます。 ストレッチと筋力強化 項目 詳細 ストレッチが有効な理由 前腕伸筋群を柔軟に保ち腱への負担を減らし、血流改善で修復を促進し炎症の長期化を防ぐ。柔軟性向上により動きが滑らかになり、余分な力みを軽減する 筋力強化が有効な理由 前腕・肩・体幹の筋力を整えて衝撃を分散し、疲れにくい身体にすることで腱の使い過ぎを防ぐ。筋力が十分になることで安定したフォームを維持し、肘を守る ストレッチと筋力強化は、テニス肘を防ぐための基本です。前腕の筋肉を柔軟で強く保つことで、腱への負担が分散され、発症のリスクを減らせます。 ストレッチは、手首を反らす伸筋と曲げる屈筋の両方を対象に、無理のない範囲で行うことが大切です。運動前後だけでなく日常的に続けることで、肘への負担を軽減し、予防効果を高めることができます。 フォームと道具の見直し フォームと道具の見直しは、テニス肘予防において欠かせません。誤ったフォームでスイングを続けると、肘の筋肉や腱に過剰な負担がかかり、炎症や損傷の原因となります。正しいフォームを身につけることで、肘にかかるストレスを減らし、症状や再発の予防につながります。 また、グリップのサイズやラケットの硬さが合っていない場合も、手首や肘に負担を与えやすいため、適切な道具選びが欠かせません。さらに、肩や体幹を含めた全身の動作バランスを整えることで、力を分散させ、肘への負荷を根本的に軽減できます。フォーム改善は予防だけでなく、症状の悪化防止にも有効です。 サポーターの活用 項目 説明 サポーターの役割と効果 肘の関節や筋肉・腱を物理的にサポートし、過度な負担や衝撃を軽減。前腕の筋肉や腱へのストレスを分散させ、炎症部位の症状や負担を和らげる 怪我の予防と再発防止 スポーツや日常生活で肘を頻繁に使う際、関節を安定化し筋肉や腱への負担を軽減。一度発症した方の怪我や症状の再発防止に有効 症状軽減と患部保護 肘の曲げ伸ばしや物を持つ動作での症状がある場合、患部の動きを制限し炎症の悪化や症状の増強を防ぐ効果。適度な圧迫・安定化による症状の緩和 正しい装着方法 肘の骨の出っ張りよりも手首側の筋肉部分に巻くことで筋肉の負担を軽減。適切な位置への装着が効果を最大化 他の治療法との併用 リハビリや薬物療法と組み合わせることで、症状のコントロールや機能回復を補助。医師の指示に従った使用の重要性 注意点 あくまで補助的手段であり、装着だけでは根本的な治療にならない点。長時間連続使用による血流低下や筋力低下のリスク。正しい位置・締め付け具合での使用の必要性 サポーターは、テニス肘の予防と症状の軽減に有効な補助具です。前腕に巻くエルボーバンドは、肘の少し下に装着して腱への張力を分散し、スポーツや日常動作時の負担を軽減します。手首用サポーターも有効で、手首の過度な動きを抑えて前腕の筋肉への負担を減らします。 ただし、常時使用は筋力低下を招く恐れがあるため、必要な時のみ装着します。ストレッチや筋力強化、フォーム改善と併用することが効果的です。 適度な休息 項目 詳細 損傷部位の回復を促す 腱の微小断裂が繰り返し起こることで悪化する状態。適度な休息により腱や周囲組織の修復時間を確保し、炎症や違和感の慢性化を防ぐ効果 オーバーユース(使いすぎ)を防ぐ 長時間の作業や練習を休みなく続けることで、腱の損傷が回復する前にさらに負荷がかかる状態。負荷→回復→強化のサイクルを守るための適切な休息の必要性 症状の悪化を防ぐ 違和感やこわばりを無視して使い続けることで、軽度の炎症が慢性の腱変性に移行する可能性。症状が軽いうちに休むことでの早期回復と長期的な治療の回避 精神的リフレッシュの効果 症状がある状態で無理をすることへの不安の軽減。適度な休息による心身のリセットと回復意欲の向上 注意点 休みすぎによる筋力低下のリスク。完全な安静ではなく症状が出ない範囲での軽いストレッチや運動の組み合わせの推奨 適度な休息は、腱の修復と健康維持に欠かせません。繰り返し動作で負担が蓄積すると、腱の回復が追いつかなくなります。作業や運動の合間に休息を取り、筋肉の疲労をためないことが大切です。 痛みや違和感を感じたら早めに動作を中止し、負荷を減らすことで悪化を防げます。身体のサインに気づき、無理をせず休むことが、テニス肘の予防と長期的な健康維持につながります。 改善しないテニス肘は医療機関を受診しよう テニス肘はテニスをしていない人にも起こりうる疾患です。放置すると悪化し最悪の場合、手術が必要になることもあります。セルフケアや保存的な対応を続けても症状が改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。 テニス肘の治療についてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、テニス肘に対して、損傷部位へのアプローチが期待できる再生医療を治療法のひとつとして提供しています。患者様の症状や状態に応じて適切な方法を提案いたします。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 テニス肘に関するよくある質問 テニス肘を放置するとどうなりますか? テニス肘を放置すると、炎症や腱の損傷が慢性化し症状が強くなります。日常生活の基本動作(物を持つ、ドアノブを回すなど)が困難になり、握力低下や肘の可動域制限も生じることがあります。 進行すると腱が断裂するおそれがあり、手術が必要になる場合もあるため、早期の治療と適切な対処が重要です。 テニス肘と似た症状はありますか? テニス肘と似た症状は以下が該当します。 疾患名 特徴・症状 ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎) 肘の内側に炎症や痛みが生じる疾患 野球肘 投球動作による肘関節の障害(靱帯損傷・骨や軟骨障害を含む) 肘部管症候群 肘の内側で尺骨神経が圧迫され、小指側のしびれや握力低下が出現 橈骨頭障害 肘外側の骨(橈骨頭)の損傷による痛みや可動域の制限 頸椎疾患(頸椎症性神経根症など) 首の神経圧迫による肘や前腕への放散痛やしびれの出現 これらは痛む部位や誘発動作が異なるため、自己判断せず医師の診察を受けることが重要です。 以下の記事では、テニス肘と似た症状について詳しく解説しています。 テニス肘は自分で治せますか? 軽度であっても、自分で治そうとするのはおすすめできません。無理を続けると慢性化や再発の恐れがあるため、整形外科を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。 テニス肘は治らないというのは本当ですか? テニス肘は適切な治療と生活習慣の改善により、多くの場合治癒が期待できます。回復期間は通常6〜12週間、長くても半年ほどです。 ただし、放置したり無理を続けたりすると慢性化や再発の原因となります。そのため、医師の指導のもとで治療を進めることが重要です。また、回復後もストレッチや筋力強化を継続することで、再発を防止できます。 参考文献 (文献1) Arthroscopic tennis elbow release|PubMed Central (文献2) 「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」|公益財団法人 日本整形外科学会
2026.02.02 -
- 野球肘
- 上肢(腕の障害)
- 下肢(足の障害)
- 肘関節
- スポーツ外傷
「肩や肘が痛いけれど、まだ投げられるから大丈夫」「チームに迷惑をかけられないから、少しくらい我慢しよう」 このような想いを抱きながら、痛みと向き合っている選手や保護者の方は決して少なくありません。 しかし、驚くべきことに高校球児の20人に1人が肩関節もしくは肘関節の手術や引退を余儀なくされるような重篤な怪我を経験しているのが現実です。(文献1) さらに、1シーズンで100イニング以上投げた選手は、投球回数が少ない選手に比べて約3.5倍の確率で重篤な怪我のリスクが高まるという研究結果も報告されています。(文献1) 野球での怪我は運や偶然で起こるものではありません。そこには必ず原因があり、正しい知識と早期対応によって多くの怪我は予防できるのです。 本記事では、野球で発症しやすい代表的な怪我の種類と症状、そして最も大切な予防法について詳しく解説します。 怪我と正しく向き合うための知識を身につけることで、長く野球を続けられる体づくりを目指しましょう。 野球で多い怪我と症状をチェック 野球は全身を使ってプレーする複雑なスポーツです。投球、打撃、守備、走塁のすべての動作で、さまざまな部位に負担がかかります。(文献2) 以下で詳しく解説する野球で多い怪我の症状や特徴を理解し、自分の症状がどのタイプに当てはまるかを把握しましょう。 野球肩 原因 投球動作の繰り返し、肩甲骨周囲筋の筋力低下、不適切な投球フォーム、体幹・股関節の柔軟性低下 症状 投球時の肩の痛み、腕を上げる際の引っかかり感、夜間痛(炎症が強い場合)、肩の可動域制限 治療法 投球中止と安静(2〜4週間)、消炎鎮痛薬、ステロイド注射、リハビリテーション、重症例では手術 野球肩は投球動作で引き起こされる肩関節周辺の障害の総称で、発症のピークは15~16歳とされており、投手と捕手に多く見られます。(文献3) 投球動作は5つのフェーズに分けられ、各フェーズで異なる負荷がかかるため、痛みの出るタイミングによって損傷部位や重症度を推測できます。 ワインドアップ期:投球動作開始からステップ脚を最も高く上げるまで アーリーコッキング期:ステップ脚が地面に着くまで レイトコッキング期:肩関節が最大外旋位に達するまで アクセラレーション期:ボールリリースまでの加速期 フォロースルー期:ボールリリース後の減速期野球肩は段階的に進行する特徴があります。 初期段階では投球後の軽い違和感程度で、数日休むと症状が改善できるため、この段階での適切な対応が最も重要ですが、無理をしてしまうと日常生活に支障をきたすようになってしまいます。 初期段階で食い止められるように、違和感がある際は無理をせず休みましょう。 野球肘 原因 投球による肘への外反・回内ストレス、成長期の骨端線への負荷、オーバーユース、不良な投球フォーム 症状 投球時・投球後の肘痛、肘の伸展・屈曲制限、急に動かせなくなる(ロッキング)、握力低下(文献4) 治療法 投球禁止と安静、内側型は保存療法中心、外側型は長期投球禁止または手術、後方型は炎症抑制治療 野球肘は投球動作の繰り返しによって肘関節に生じる疼痛性障害の総称で、発症の時期により「発育型野球肘」と「成人型野球肘」に分けられます。 年代別の特徴として、11-12歳が発生のピーク年齢とされており、成長期では骨端(骨にある軟骨や成長線)への影響が大きく、成人期では靱帯や筋腱付着部の障害が中心となります。 野球肘の診断で重要なポイントとして、野球肘は前兆となる自覚症状が乏しく、痛みを訴える時には重症化していることが少なくない特徴があります。 腰椎分離症・腰痛(バッティング・投球の負担) 原因 打撃練習での体幹回旋動作、投球時の腰部負担、中腰姿勢の維持、不適切なランニングフォーム 症状 体幹後屈時の痛み、長時間立位困難、慢性的な腰痛、進行すると下肢のしびれ 治療法 早期発見時は保存療法(コルセット装着)、安静、完全分離時は手術を検討 腰椎分離症は、腰の背骨にある椎弓(ついきゅう)と呼ばれる腰椎が分離している状態のことを指します。疲労骨折が原因と言われており、発育期の代表的なスポーツ障害の一つです。 野球ではピッチングやバッティングで身体を反ったり、腰をひねる動作を繰り返し行うため、発症しやすい疾患として知られています。 日本の成人も約6%が腰椎分離症を患っていますが、未成年では小学校高学年~大学進学時の成長期のスポーツ部活生に起きることが多いとされています。 日本臨床スポーツ医学誌の研究では、大阪府で全国大会出場レベルの高校野球部に入学予定の中学3年生男子を258名研究した実験によれば、258名中55名(21.3%)が腰椎分離症を疑う初見を有しており、年齢に関係なく野球の練習に熱心な子どもは腰椎分離症を患いやすいことが判明しました。(文献5) 治療で重要なのは早期発見です。まだ骨折が早期の状態で発見できれば、手術をしない保存療法で治療を進められます。コルセットの着用など安静が正しく守れれば、骨は自然と癒合していきます。 腰椎分離症の中でも、とくに発症頻度が高いのが「第五腰椎分離症」です。 初期段階では軽い違和感程度のことも多く、見逃されやすい一方で、放置すると競技継続に支障をきたす可能性があります。 第五腰椎分離症の初期症状や治療法については、以下の記事で詳しく解説しています。 足首捻挫・アキレス腱炎 原因 急激な方向転換、不整地でのプレー、ふくらはぎの筋肉の柔軟性低下、不適切なシューズ 症状 足首の痛み・腫れ、歩行困難、アキレス腱部の痛み・圧痛 治療法 RICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)、テーピング、リハビリテーション 野球では走塁時の急激な方向転換や、硬いグラウンドでのプレーにより足首の捻挫が頻繁に発生します。また、ダッシュやジャンプ動作の繰り返しによりアキレス腱炎も起こりやすい怪我の一つです。 アキレス腱炎は、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をつなぐアキレス腱に炎症が起こる状態です。野球では、ダッシュや方向転換の繰り返し、合わないシューズを着用することで発症しやすくなります。 野球で発症した怪我のリハビリについて 野球で発症した怪我のリハビリは、単に痛みを取り除くだけではなく、競技復帰に向けた段階的な機能回復と再発予防が重要な目的となります。 以下は野球肩と野球肘のリハビリにおいて、重要なポイントです。 野球肩のリハビリポイント 急性期:肩のアイシングと安静時のポジショニング 回復期:肩甲骨周囲筋の筋力強化、インナーマッスル強化 競技復帰期:投球動作の段階的練習、フォームチェック 野球肘のリハビリポイント 投球禁止と肘のアライメント改善 股関節・体幹の柔軟性向上 段階的な競技復帰プログラム リハビリの成功には、選手、指導者、医療スタッフの連携が不可欠です。焦らずに段階的なプログラムを遵守し、より強い状態での競技復帰を果たしましょう。 野球での怪我リスクを予防するためには 野球での怪我リスクを効果的に予防するためには、まず怪我につながる主要因への理解が重要です。 適切な投球数制限を守る まず、過度な投球数は怪我のリスクを引き上げてしまいます。 予防対策として、各年代の投球数制限のガイドラインに従って、以下の表を参考に球数制限をすると良いでしょう。 年代 投球数制限(1日) 投球数制限(1週間) 補足 小学生 4年生以下60球以内 5・6年生70球以内(文献6) - 2日間連続で投げる場合は合わせて100球以内 中学生 1日70球以内(文献7) 350球以内 週に1日全力投球しない日を設ける 連続する2日間で120球以内 高校生 - 500球以内(文献8) 投球フォームの改善 不適切な投球フォームは肩や肘に過度な負担をかける主要な原因です。 以下のようなフォームは、怪我のリスクを高め、選手生命を脅かしてしまうため改善を心がけましょう。 肘が下がったまま投げることで手投げになってしまい、肘に負担をかける 身体の開きが早く、肩関節に過度なストレスがかかってしまう 踏み出す足を投球方向に斜め、または横に踏み出すことで身体の回転を正しく使えずにフォームを崩す 癖になる前に指導者の指示に従い、修正しましょう。 股関節の柔軟性 また、股関節の柔軟性は野球での怪我予防の最重要ポイントです。股関節が固いと体を上手に使えず、その状態で野球特有のピッチングやバッティングを行うと怪我の危険性が高まります。 対策として、股関節の柔軟性向上のためのストレッチを日常的に行い、練習前には適切なウォーミングアップを実施することで、怪我のリスクを軽減しましょう。 そして、継続的な疲労の蓄積は怪我の大きな要因となるため、適切な休養により体の回復を図る必要があります。 十分な睡眠と栄養摂取により体調管理を徹底し、怪我をしにくい身体づくりを行ってください。 早期復帰が目指せる再生医療(PRP/幹細胞)について メジャーリーガーをはじめとする野球選手が取り入れている「再生医療」について紹介します。 再生医療の一つ「PRP療法」には、日帰り治療が可能で手術を回避できるというメリットがあります。 患者様自身の血液を活用する治療法のため、副作用のリスクが少ないのが特徴です。 もう一つの再生医療「幹細胞治療」では、患者様から採取・培養した幹細胞を患部に投与いたします。幹細胞には、他の細胞に変化する能力があり、患部にアプローチします。 PRP療法だけでなく幹細胞治療も入院を必要としないため、短期間での治療を目指せるのが特徴です。 再生医療は、野球選手の怪我治療における新たな選択肢として確立されつつある治療法です。 ただし、予防が最も重要であることに変わりはありません。怪我をする前の予防策の実施と、万が一怪我をした場合の適切な治療選択が、長い競技人生を支える両輪となります。 まとめ||再発ゼロを目指すなら専門医の伴走が近道 野球での怪我は予防が最も重要です。正しい投球フォームの習得や年代に応じた投球数制限を守り、柔軟性を保つことで多くの怪我を防げます。 万が一怪我をした場合でも、メジャーリーガーも取り入れているPRP療法や幹細胞治療などの再生医療により、野球への早期復帰が目指せます。 1週間以上続く痛み、投球時の違和感、可動域の制限といった初期症状に気づいたら、すぐに専門医に相談してください。 あなたの野球人生をより良いものにするためにも、違和感があれば一人で悩まず、専門医へ相談しましょう。長く充実した野球人生を送るため、私たちが全力でサポートいたします。 参考文献 (文献1) 古島弘三ほか「少年野球での"投げ過ぎ"が及ぼす影響 肩や肘の重篤な故障リスクは3.5倍」Full-Count, 2022年10月14日 https://full-count.jp/2022/10/14/post1294608/(最終アクセス:2025年5月24日) (文献2) 公益財団法人スポーツ安全協会「障害予防のためのセルフチェック|スポーツ外傷・障害予防-野球編」 https://www.sportsanzen.org/syogai_yobo/baseball/page2.html (最終アクセス:2025年5月25日) (文献3) 日本整形外科学会認定スポーツ医「野球肩」 https://jcoa.gr.jp/%E6%8A%95%E7%90%83%E8%82%A9/ (最終アクセス:2025年5月25日) (文献4) 日本整形外科学会認定スポーツ医「野球肘」 https://jcoa.gr.jp/%E6%8A%95%E7%90%83%E8%82%A9/ (最終アクセス:2025年5月25日) (文献5) 栗田剛寧ほか「発育期野球選手におけるポジション別の腰椎分離症と身体特性の関連」日本臨床スポーツ医学会誌 32(3), 446-453, 2024年 https://www.rinspo.jp/journal/2020/files/32-3/446-453.pdf (最終アクセス:2025年5月25日) (文献6) 日本少年野球連盟「投球数制限ガイドライン」2021年12月 https://www.boys-fukuoka.com/download/tokyusuu_seigen/20211212_tokyuguideline.pdf (最終アクセス:2025年5月27日) (文献7) 日本中学野球協議会「中学生投手の投球制限に関する統一ガイドライン」 https://littlesenior.jp/news/48.html (最終アクセス:2025年5月27日) (文献8) 日本高等学校野球連盟「高校野球特別規則(2024年版)」2024年 https://www.jhbf.or.jp/summary/rule/specialrule/specialrule_2024_1.pdf (最終アクセス:2025年5月27日)
2025.05.30 -
- 野球肘
- 上肢(腕の障害)
- 肘関節
- スポーツ外傷
「練習後にいつも肘の外側が痛む」 「思い切りボールを投げられない」 日々野球に打ち込む中で、肘の外側に違和感はありませんか。その症状は、野球肘かもしれません。 野球肘とは、投球動作によって引き起こされます。野球肘の主な原因は、オーバーユースや投球フォームの乱れにあります。本記事では、外側が痛む野球肘について解説します。 外側が痛む野球肘の原因 外側が痛む野球肘の治し方 外側が痛む野球肘を治す方法 外側が痛む野球肘を再発させないための予防法 野球肘は適切な治療と予防策をしっかり守れば、改善する症状です。外側が痛む野球肘の症状でお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。 外側が痛む野球肘の原因 野球肘(外側)は、投球動作の繰り返しによって肘の外側にストレスがかかることで発症します。 とくに成長期の段階は、骨や軟骨が未発達なため、損傷を起こしやすいのも特徴です。野球肘で外側が痛む原因は以下の3つです。 不適切な投球フォーム オーバーユース(使いすぎ) 成長期の骨・関節の未成熟 野球肘(外側)の原因を解説します。 また、野球肘が野球以外のスポーツでも発症する可能性ついて解説した参考記事もあわせてご覧ください。 不適切な投球フォーム フォームの種類 動作の特徴 肘への影響 肘下がりのフォーム 投球時に肘が肩よりも下がる 肘の外側に過度な外反ストレスが加わる 手投げのフォーム 下半身や体幹を使わず腕だけで投げる リリース時に肘関節へ瞬間的な高負荷 体の開きが早いフォーム 上半身が先に開くことでリリースが不安定になる 腕のしなりが失われ、肘が遅れて出てくる ステップ不足のフォーム ステップが小さい、動きが止まる、前足が早く着地する 上半身主導になり肘が遅れて出る (文献1) 肘に過度な負担をかける投球フォームは、野球肘(外側)を引き起こす原因です。手投げになる、肘が下がるフォームなどは、肘の外側の小さな骨や軟骨に繰り返し牽引力や圧迫力を生じさせます。フォームの歪みが長年積み重なることで、損傷が蓄積し、肘の違和感として現れます。 予防には、指導者による適切なフォーム指導や、自身のフォームを見直すことが大切です。 オーバーユース(使いすぎ) 試合や練習での投球過多は、肘関節に繰り返しダメージを与え、野球肘を引き起こします。疲労が蓄積すると組織が回復しきれず、炎症や損傷の負担を増加させます。 とくに、投球数や練習時間の管理が不十分な場合、野球肘を引き起こしやすくなるため、注意が必要です。オーバーユースを防止するには、投球数の制限(1日70球程度など)や、ウォーミングアップ・クールダウンの時間を設けることが大切です。 成長期の骨・関節の未成熟 項目 内容 原因部位の特徴 成長期の骨には骨端線(成長軟骨)があり、ストレスに弱い構造をしている 成長期のリスク 骨端軟骨は未成熟で、機械的ストレスに対して脆弱 野球肘(外側)との関連 投球による圧迫で上腕骨小頭に微小骨折や血流障害が起き、離断性骨軟骨炎を発症しやすい 成長期の段階では、骨や関節が完全にできあがっていないため、強い力が加わると損傷を起こしやすくなります。この時期に過度な負荷がかかると、骨端線と呼ばれる成長軟骨帯を損傷し、野球肘を発症する原因になります。 野球肘を引き起こさないためにも、年齢や発育に応じた投球管理が大切です。 外側が痛む野球肘の治療方法 治療法 内容 特徴・ポイント 適応されるケース 保存療法 安静、投球中止、装具の使用などで自然回復を目指す 体への負担が少なく、多くの初期症状に対応できる 軽症~中等症、骨に大きな損傷がない場合 薬剤療法 炎症や違和感を抑える薬(消炎鎮痛薬など)を使う 違和感を和らげ、回復をサポートする補助的な治療 違和感が強いとき、保存療法と併用されることが多い 手術療法 損傷した骨・軟骨を除去、骨片の固定、関節鏡手術など 根本的な修復が必要な場合に有効だが、リハビリが必要 保存療法で改善しない中等度〜重症の場合 再生医療 自己由来の幹細胞やPRPを用いて組織の再生を促す治療 身体への負担が少なく、回復力を高める治療法 手術を避けたいケースや、早期復帰を目指す場合 野球肘(外側)は、症状に合わせた適切な治療が求められます。野球肘の症状が重度の場合、手術を行うケースもあります。 外側が痛む野球肘の治し方は以下の4つです。 保存療法 薬剤療法 手術療法 再生医療 野球肘(外側)の治療法について解説します。 以下の記事では肘のクリーニング手術について詳しく解説しています。 保存療法 治療の目的 治療方法 内容・ポイント 炎症の抑制 安静 投球中止や日常生活での肘の使用制限。負担を避けることで炎症を抑える アイシング 1回15〜20分、1日数回の冷却で腫れ・違和感を軽減。投球後や違和感が強い時に有効 薬剤療法 NSAIDsなどの消炎鎮痛薬を医師の指示で服用する。炎症と違和感をコントロール 組織の修復 安静(継続) 靭帯や軟骨の自然回復を促す。違和感が取れるまでは無理な動作を避ける 機能回復 リハビリテーション 肘周囲の筋力・柔軟性を高め、再発予防。専門家の指導で段階的に進める 装具療法 サポーターやテーピングで肘を固定・安定化。運動中や回復期に使用する 初期の野球肘(外側)に対しては、保存療法で症状の改善を目指します。野球肘(外側)の治療は、安静、アイシング、リハビリ(ストレッチ・筋トレ)、投球フォーム修正などを、違和感の程度や状態に合わせて組み合わせて行います。 リハビリは自己判断せず、違和感が再発した場合は、すぐにリハビリを中止し、医師に相談してください。 薬剤療法 項目 内容 ポイント・補足 治療の目的 違和感の緩和 炎症や違和感を抑え、日常生活やリハビリをスムーズに進めるために使用 炎症の抑制 組織の回復を促進し、治癒までの時間を短縮する効果 薬剤の種類 NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬) 内服・塗り薬・湿布など(例:ロキソプロフェン、ジクロフェナク) ステロイド注射 炎症が強い場合に使用。効果は高いが副作用リスクあり(関節内注射など) ヒアルロン酸注射など 関節の滑らかさを保ち、痛みを和らげる補助的な治療法 注意点 根本的な治療ではない 薬だけでの完治は難しく、投球フォームの改善や休養が不可欠 副作用の可能性 胃腸障害やアレルギーなど。自己判断での使用は避ける 医師の指示が必須 症状に応じた薬の選択が重要。医療機関で診察を受けること 違和感が強く出る場合には、炎症を抑えるための外用薬や内服薬が用いられることがあります。 しかし、薬剤療法はあくまで症状を緩和するためのものであり、根本的な治療ではありません。副作用が出る可能性もあるため、医師の指導のもと、薬を服用しましょう。 手術療法 項目 内容 補足・ポイント 手術療法の位置づけ 原則は保存療法が優先される 症状が軽度~中等度なら、まずは安静・アイシング・リハビリで経過をみる 保存療法で改善が見られない場合に手術を検討 とくに骨軟骨が損傷している場合や関節内に遊離片がある場合 手術が必要となる原因 離断性骨軟骨炎の進行 剥がれた骨軟骨が関節内で動き、引っかかりや痛みを引き起こす 骨軟骨の損傷 投球による負荷で軟骨が損傷し、自然治癒が難しい状態になる 手術法 関節鏡手術 関節内を小さなカメラで確認しながら遊離片の除去や修復を行う。傷が小さく回復も早い 骨軟骨移植術 広範囲の損傷に対して、自身の骨軟骨を別部位から移植して再建する方法 保存療法で症状が改善しない場合は、手術療法が検討されます。野球肘(外側)の手術では、剥離した骨片や軟骨片の摘出、損傷した靭帯の修復といった処置が行われます。 手術療法は、後遺症や感染症のリスクを伴う可能性があるため、治療を選択する際には医師との十分な相談が不可欠です。(文献2) 再生医療 患者自身の血液や骨髄由来の成分を患部に注入し、組織の修復を促進します。再生医療は、従来の治療法と比較して、薬の副作用が少ない、あるいは手術に伴うリスクを軽減できる利点があります。 現時点では、再生医療を提供できる医療機関は限られているため、再生医療を検討している方は、再生医療を取り扱っている医療機関での受診が必要です。 以下では再生医療について詳しく解説しています。 外側が痛む野球肘を早く治す方法 医師の指導に従いながら、適切に肘のケアを行うことは、治療効果を高める上で大切です。 野球肘(外側)を治す方法は以下の4つです。 安静期間を守る アイシングを行う 適度なリハビリを行う 投球フォームを見直す 野球肘を治す方法について解説します。 安静期間を守る 効果 内容 補足・ポイント 炎症の悪化を防ぐ 肘の使いすぎで生じた炎症を悪化させないために安静が必要 炎症を悪化させないためには安静が必要。違和感が軽減しても内部の炎症は残っていることが多く、早期復帰は再発リスクを高める 組織の修復を促進 靭帯や軟骨、骨などの損傷した組織が自然に回復する時間を確保 動かし続けると修復が遅れ、治療期間が長引く可能性がある 慢性化を防ぐ 十分な休養を取ることで、症状の長期化や重症化を防げる 放置すると慢性痛や可動域制限に進行し、手術が必要になるケースも 違和感を無視して投げ続けると、炎症や損傷が悪化し回復が長引く可能性があります。安静期間を守ることで、炎症が悪化するのを防ぎ、組織の修復を促します。 違和感が治まるまでの間は、投球練習や肘に負担のかかる動作は避けるべきです。焦らず身体を休ませ、復帰時期は医師と相談し、指示に従うようにしましょう。 アイシングを行う アイシングの手順 内容 ポイント・注意点 手順1.用意するもの 氷または保冷剤、薄手のタオル、タイマー 保冷材は凍結しすぎないものが望ましい(冷却ジェルなども可) 手順2.氷を包む 氷や保冷剤をタオルで包む 凍傷を防ぐために直接肌に当てないようにする 手順3.肘の外側にあてる 違和感や腫れがある部分を中心に冷やす 肘の外側(外側上顆〜関節周囲)を広く覆うようにあてる 手順4.時間を計る 1回15〜20分を目安に冷却 長時間の冷却は避ける。間隔を空けて1日数回行う 手順5. 使用後のケア 肌の状態を確認し、赤みや感覚異常があれば中止 湿布など他の冷却法との併用は医師の指示に従う 患部の違和感や炎症を軽減するには、冷却処置であるアイシングが効果的です。練習後や入浴後など、肘に熱感があるときに行います。 冷やしすぎると凍傷の恐れがあるため、タオルを巻いた氷嚢などを使い、違和感のある部分を冷やします。 冷却は1回につき15〜20分を目安に行い、無理のない範囲で、やさしく冷やすことが大切です。 適度なリハビリを行う 効果の観点 内容 ポイント・補足 機能回復と柔軟性向上 関節や筋肉の硬さを防ぎ、肘の動きをスムーズに保つ 早期復帰を目指すために、安静だけでなく積極的な可動域訓練が必要 筋力低下の防止・再発予防 肘周りの筋力を維持・強化し、再発リスクを減らす 長期間の安静後は、段階的な筋トレが再発防止に重要 違和感のコントロールと回復促進 軽い運動で血流を促し、組織の修復を助ける ストレッチや軽負荷の運動で症状を悪化させずに進められる 投球フォームの改善 誤ったフォームを修正し、肘への負担を減らす 医師の指導のもと、再発防止につながる正しいフォームを習得 違和感がある程度改善した段階で、医師の指導のもと、段階的にリハビリを進めていきましょう。リハビリでは、肘周りの柔軟性を取り戻すストレッチや、違和感がでない範囲での軽い筋力トレーニングを実施します。 無理のない範囲で徐々に運動強度を上げていくことが大切です。リハビリは自己流ではなく、医師の指示に従いながら行いましょう。 投球フォームを見直す 期待できる効果 内容 ポイント・補足 肘への負担軽減 誤ったフォーム(肘下がり・手投げ)は外側に過度な負荷をかける 正しいフォームで全身の力を使うことで、肘の負担が大幅に軽くなる 早期回復と再発予防 症状が治っても誤ったフォームでは再発リスクが残る 原因そのものを見直すことで改善を目指す 全身のバランス改善 肘だけでなく肩・体幹・下半身の連動が大切 フォーム改善により全身の動きがスムーズになり、肘の負担を分散できる 投球パフォーマンス向上 肘の負担を減らしながら球速やコントロールが向上 怪我を防ぎつつ、より良い投球フォームが身につく 誤ったフォームでの投球は肘へ負荷をかけるだけでなく、症状を再発させる恐れがあります。フォームは自分だけでは改善しにくい部分が多く、医師や指導者のアドバイスが不可欠です。 正しいフォームを身につけることで、改善後の再発を防ぐだけでなく、投球パフォーマンスの向上が期待できます。 外側が痛む野球肘を再発させないための予防法 再発防止には、日頃の投球環境や身体の状態を整えることが欠かせません。野球肘(外側)の症状を再発させないための予防法は以下の7つです。 正しい投球フォームの習得 投球数の制限と適切な休息 ウォーミングアップとクールダウンの徹底 筋力トレーニングとストレッチを怠らない 栄養と休養をしっかり取る 定期的なメディカルチェックを受ける 投球後のアイシングを怠らない 以下では、外側が痛む野球肘を再発させない方法をくわしく解説します。 正しい投球フォームの習得 項目 内容 期待できる効果 肘の位置が肩と同じ高さ以上 投球時、肘が肩より下がらないようにする 肘下がりを防ぎ、外側へのストレスを軽減 体幹の回旋を使う 腕だけで投げず、体幹をひねって投げる 肘の負担を分散し、全身の力で投げられる 下半身主導のフォーム 踏み出し足で地面を蹴り、腰を先行させて投げる 手投げを防ぎ、肘の過負荷を防止 ステップの幅を確保 ステップが小さすぎないようにする 軸足のパワーを十分に使えて肘に負担がかかりにくい リリース時の肩・肘・手の連動 肩→肘→手の順に、自然な連動意識が大切 肘に不自然なねじれが加わらず、損傷リスクを低減 柔軟性の確保 肩・股関節・胸郭の柔軟性を高める スムーズなフォームの維持と筋肉疲労の予防 (文献1)(文献3) 野球肘を再発させないためには、正しい投球フォームの習得が不可欠です。重要なのは、肘を肩より下げない、肘下がりの防止です。肘下がりは肘の外側に大きなストレスがかかり、再発リスクが高まります。 ステップの幅やリリース時の肩・肘・手のスムーズな連動も大切な要素であり、肩や股関節、胸郭の柔軟性を高めることでスムーズな動作ができるようになります。体の軸を意識し、下半身の力を十分に伝えるフォームを習得すれば、肘への負担を軽減できます。 投球数の制限と適切な休息 過度な投球は肘へのストレスを与える原因になります。肘へストレスを与えないためにも投球制限と適切な休息を取ることが大切です。 とくに成長期の連投や過度な練習は、未発達な肘に大きな負担をかけます。連日の投球は避け、身体のサインを見逃さないことも再発防止につながります。 ウォーミングアップとクールダウンの徹底 分類 目的 内容 期待できる効果 ウォーミングアップ 筋肉・関節の準備 軽い運動で身体を温め、関節の可動域を広げる 肘や肩を動かしやすくし、怪我を防ぐ 血流の促進 全身の血行をよくする 酸素や栄養が筋肉・腱に行き渡り、負担を軽減 神経系の活性化 動作の反応や協調性を高める 投球フォームの安定につながり、再発予防になる クールダウン 疲労物質の除去 軽い運動やストレッチで血流を促す 疲労回復を早め、筋肉痛や炎症を防ぐ 筋肉の柔軟性維持 運動後のストレッチ 筋肉の硬化を防ぎ、次回の投球もスムーズに行える 炎症の抑制 アイシングなどで局所を冷却 肘関節の炎症を抑え、損傷の進行を防ぐ (文献4)(文献5) 練習前には、全身の筋肉を温め、関節の可動域を広げるウォーミングアップを丁寧に行いましょう。また、練習後には、クールダウンとしてストレッチや軽い運動を実施し、筋肉の疲労回復を促すことで、野球肘の防止につながります。 ウォーミングアップとクールダウンは、毎回忘れずに徹底しましょう。 筋力トレーニングとストレッチを怠らない 分類 目的 内容 期待できる効果 筋力トレーニング 肘や肩周りの安定性強化 チューブを使った肩のインナーマッスル強化(ローテーターカフ)前腕の回外・回内筋の筋トレ 投球時に関節を安定させ、肘への過剰な負荷を防ぐ 体幹の強化 プランク、ヒップリフトなどの体幹トレーニング 下半身~上半身の力の伝達をスムーズにし、手投げフォームの防止 下半身の強化 スクワット、ランジ、カーフレイズ 投球のパワー源を腕に頼らず、下半身から生み出すことで肘の負担を軽減 ストレッチ 柔軟性の向上 肩関節・胸郭・前腕・手首の静的ストレッチ 可動域を広げ、無理のないスムーズな投球動作を促す 疲労回復と再発予防 投球後のリカバリーストレッチ(上腕三頭筋、前腕伸筋群) 投球による慢性負荷の蓄積を防ぐ (文献6) 肘周りだけでなく、肩や体幹の筋力強化は、投球動作の安定性を高め、肘への負担を軽減します。筋肉や腱の柔軟性が低下すると、投球時に肘にかかる負担が増大し、野球肘を引き起こす原因になります。 筋力低下を防ぐため、医師の指示に従い、筋トレやストレッチを継続的に行いましょう。 以下の記事では、野球肘におすすめのストレッチ方法を解説しております。 栄養と休養をしっかり取る 項目 内容 具体例・補足 バランスの取れた食事 組織修復と体づくりに必要な栄養を摂る タンパク質(鶏むね肉・卵)炭水化物(ごはん・バナナ、脂質(ナッツ・アボカド)ビタミン類(緑黄色野菜・牛乳) 十分な睡眠 成長と回復を促すホルモンの分泌を助ける 7〜8時間睡眠、就寝前のスマホは控える、入浴・ストレッチでリラックス 水分補給 血流・代謝を保ち、炎症を防ぐ 運動前後に水やスポーツドリンクをこまめに飲む、のどが渇く前に補給 バランスの取れた食事と十分な睡眠は、骨や筋肉の成長、疲労回復に不可欠です。偏った食事や睡眠不足は、身体の回復力を低下させるだけでなく、怪我のリスクを高める原因になります。 とくに成長期は骨や筋肉が発達する重要な時期であるため、たんぱく質やカルシウムなどの栄養素をしっかり摂り、睡眠時間の確保が大切です。 定期的なメディカルチェックを受ける メディカルチェックを受ける目的 期待できるメリット 補足 早期発見・早期治療 自覚症状が出る前に、異常を見つけられる 画像検査(レントゲン・エコー)や触診で、関節の異常や初期炎症を早期発見が可能 重症化を防ぎ、早期の競技復帰が期待できる 状態に応じた保存療法・リハビリを早期に開始できる 再発リスクの軽減 肘の状態だけでなく、柔軟性・筋力・フォームの問題もチェックできる 肘に負担がかかるフォームや体の使い方の改善指導が受けられる 投球動作全体を見直す機会になり、再発を予防できる フォーム改善はパフォーマンス向上にも直結する (文献6) 無症状でも関節や軟骨に損傷が起きていることがあります。また、野球肘と診断された後も定期的にメディカルチェックを受けることで、症状の悪化や再発リスクを軽減できます。 また、成長期の段階は、骨や軟骨が未発達なため、野球肘(外側)を発症しやすいため、メディカルチェックで適切な投球制限やトレーニング指導を受けることが大切です。 症状改善後も、メディカルチェックで肘、柔軟性、筋力、投球フォームを定期的に確認し、再発予防に努めましょう。 投球後のアイシングを怠らない アイシングの目的 期待できる効果 補足 炎症の抑制と違和感の軽減 血管を収縮させて炎症を抑え、違和感を軽減 投球による微細な損傷の広がりを防ぎ、回復を早める 疲労回復の促進 筋肉や腱の緊張を緩和し、疲労をリセット 肘の柔軟性を保ち、翌日の投球への負担を軽減 組織修復の促進 損傷した組織の修復を助ける 回復力を高め、再発予防につながる アイシングは、血管を収縮させて炎症を抑え、違和感を抑え、回復を助けます。筋肉や腱の緊張を緩和し、疲労回復を促します。 投球後のアイシングは、野球肘の予防・治療において欠かせないケアです。アイシングを行う際は、凍傷に注意し、長時間の冷却や強い冷却は避けましょう。 外側が痛む野球肘は放置せずに専門医にご相談ください 投球時の肘の違和感は、野球肘(外側)の可能性があります。放置すれば、症状は進行し、プレーを続けるのが困難になるだけでなく、日常生活に支障をきたす恐れがあります。症状が悪化する前に早めに医療機関を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、野球肘の症状に対して、幹細胞を活用した再生医療を提供しています。改善しない野球肘の症状でお悩みの方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にて、当院へお気軽にご相談ください。 参考文献 (文献1) 「野球肘」『手外科シリーズ』, pp.1-2 https://www.jssh.or.jp/ippan/sikkan/pdf/18yakyu.pdf(最終アクセス:2025年4月12日) (文献2) 公益財団法人 日本整形外科学会「症状・病気をしらべる「術後感染症」」公益財団法人 日本整形外科学会 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/postoperative_infection.html(最終アクセス:2025年4月12日) (文献3) 富田一誠,渡邊幹彦「成長期投球障害予防に関する日本野球協議会の取り組み」『第30回日本臨床スポーツ医学会学術集会』, pp.1-3,2020 https://www.rinspo.jp/journal/2020/files/28-3/420-422.pdf(最終アクセス:2025年4月12日) (文献4) 荒井秀典ほか.「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023(案)」『健康づくりのための身体活動基準・ 指針の改訂に関する検討会』, pp.1-46, 2023年 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001171393.pdf(最終アクセス:2025年4月12日) (文献5) 「5章 部活動中における健康面での留意事項」, pp.1-19, https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kyoiku/guideline_06(最終アクセス:2025年4月12日) (文献6) 山根将弘ほか.「スポーツにおけるけがの予防野球肘検診の取り組み」『特集 輪・和・話』, pp.1-4, 2020年 https://www.town.tobetsu.hokkaido.jp/uploaded/attachment/14974.pdf(最終アクセス:2025年4月12日)
2025.04.30 -
- 肘関節、その他疾患
- 肘関節
肘外側側副靭帯損傷とは、肘関節の外側にある靱帯が傷つき、痛みや不安定感が現れる状態を指します。原因や治療法がわからず、不安に感じている方もいるのではないでしょうか。 本記事では肘外側側副靭帯損傷の症状や原因、治療法についてわかりやすく解説します。簡単にできるセルフチェック方法も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。 肘外側側副靭帯とは 肘外側側副靭帯(ひじがいそくそくふくじんたい)は、肘関節の外側に位置し、輪状靱帯とともに橈骨(とうこつ)を包み込むように支えている靱帯の総称です。 重いものを片手で持ち上げたり、腕をひねったりすると、肘には多方向からの負荷がかかります。肘外側側副靭帯の役割は多方向からのストレスに抵抗して肘関節を安定させることです。 なかでも、外側尺側側副靱帯(がいそくしゃくそくそくふくじんたい)は重要な部分で、肘の外側から後ろ側を支える位置にあります。外側尺側側副靱帯が損傷すると、関節が不安定になるリスクも少なくありません。 なお、靭帯損傷の原因や治療法については、以下の記事が参考になります。 肘外側側副靭帯損傷の症状 肘外側側副靭帯を損傷すると、肘だけでなく肩や腕にも痛みが広がる場合があります。とくに、肩の前側から二の腕に症状が出るケースがほとんどです。 以下で、軽度から重度までの症状を解説します。 軽度から重度までの症状 肘外側側副靭帯損傷には、靱帯が少し伸びている程度のものから、完全に断裂してしまう重度のものまでさまざまな段階があります。 以下に、主な症状の例を重症度ごとにまとめたので、参考にしてください。 損傷の程度 症状 軽度(靱帯が軽く伸びた状態) 肘を伸ばしたまま荷物を持ち上げたときに痛む 手を後ろに回す動作で痛む ボールを投げるときに痛む 動いていなくても肩の前側がジンジンする 中度(靱帯が部分的に断裂している状態) 肘を動かすと関節がぐらつく感覚がする 肘に強い痛みがある 重度(靱帯が断裂している状態) 力こぶの位置が肘の近くに寄っている 反対の腕と比べて力こぶの位置がずれている 肘に激しい痛みがある 痛みの感じ方や肘の不調は人によってそれぞれ異なります。軽度の症状に見えても、自己判断せず早めに医師に相談しましょう。 自分でできる症状チェックの方法 肘の痛みや違和感が気になる方は、以下の項目をチェックしてみてください。複数当てはまる場合は、肘外側側副靭帯の損傷が起きている可能性があります。 症状の種類 具体的なチェック項目 動かしたときの痛み 肘を伸ばしたまま力を入れると痛む 手を背中側に持っていくと痛む 腕を振る動作で肘が痛む 押したときの痛み、腫れ 肘の外側を押すと痛む 肘の外側が腫れている 安静時の痛み 肩の前側から二の腕にかけてうずくように痛む 動いていなくても肩の前側に鈍い痛みがある 不安定感、筋肉の異常 肘の関節にぐらつくような不安定感がある 力こぶの位置が左右で異なっている 気になる症状が続くときや、普段の生活で不便を感じる場合は、早めに病院に行きましょう。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。肘の痛みが気になるときはお気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 肘外側側副靭帯損傷の原因 肘外側側副靭帯損傷の原因には主に以下の2つがあります。 転倒や外傷によるダメージ 肘への過度な負担 以下で、それぞれ見ていきましょう。 転倒や外傷によるダメージ 転倒した際に手をついてしまい肘に力が加わり、肘外側側副靭帯を損傷してしまうケースがあります。または、肘を直接ぶつけてしまったり、交通事故で肘に怪我を負ってしまったりして損傷するのも一例です。 事故や転倒によって靱帯が引き伸ばされ、無理なひねりが加わると損傷が生じる可能性があります。 肘に強いストレスが加わると、意図せず靱帯に大きな負担がかかるため注意が必要です。 肘への過度な負担 肘外側側副靭帯損傷の原因のもう一つは、野球やテニスなどのスポーツによる肘への過度な負担です。肘の一部分に慢性的に強い力やひねりなどの負担がかかると、靱帯を損傷してしまうケースも少なくありません。 無理なフォームでプレイを続けたり、肘を使いすぎる状態が続くと肘外側側副靭帯に負担をかけ、損傷につながる恐れがあります。 靱帯への負担を減らすために、適度な休養やセルフケアを心がけることが大切です。 肘外側側副靭帯損傷のリハビリ・治療方法 肘外側側副靭帯の損傷を治療するには主に、リハビリやギプスによる固定などの保存療法や手術療法、再生医療があります。 以下でそれぞれ詳しく解説しますので、治療法に悩んでいる方は参考にしてください。 保存療法 軽度の靱帯が軽く伸びた状態の症状があるときには、まずは保存療法で治療を行います。保存療法には冷湿布や包帯による圧迫処置、リハビリなどの方法があります。 軽度の靱帯損傷では、保存療法が選ばれることがほとんどです。 以下に、代表的な保存療法の内容をまとめました。 保存療法の種類 内容・目的 冷湿布 炎症や痛みを抑える 包帯による圧迫処置 腫れを抑え、肘を安定させる ギプス固定 関節の動きを制限し、靱帯の回復を促す リハビリ 可動域や筋力を回復させる いずれの方法も、医師の判断のもとで正しく治療することが大切です。 手術療法 靱帯の損傷が重度で肘関節が安定しない場合には、手術が選択されるケースがあります。保存療法では改善が難しいケースや、自然な回復が見込めない状態だと、外科的な処置が選ばれる場合も少なくありません。 手術では、切れた靱帯を縫い合わせたり、剥がれた部位を固定したりします。術後は一定期間固定して、そのあと肘の可動域、筋力を回復するためにリハビリを行うことが一般的です。 再生医療 肘外側側副靭帯の損傷では、保存療法や手術以外に再生医療と呼ばれる新しい治療法も選択肢の一つです。再生医療には、自分の脂肪から取り出した幹細胞を使って損傷した組織の回復を促す幹細胞治療や、血液を使ったPRP療法などがあります。 薬やリハビリでも効果が出にくいときに検討される治療で、手術のように体への負担が大きくない点も特徴です。 再生医療の具体的な治療法や症例については、以下のページで詳しく解説しています。 また、本院ではメール相談やオンラインカウンセリングを行っております。お気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 肘外側側副靭帯損傷の診断方法 ここでは、肘外側側副靭帯損傷の診断方法について解説します。診断方法は大きく分けて下記の2つです。 ストレステストによる診断 画像による診断 それぞれ、診断方法の特徴を確認しましょう。 ストレステストによる診断 損傷の診断方法の一つにストレステストがあります。ストレステストとは、肘に負荷をかけながら、靱帯がしっかり働いているか、関節が安定しているかを確認する検査です。 関節にぐらつきや不安定性が認められた場合は、靱帯損傷の可能性があると診断されます。 無理に動かすと症状を悪化させるおそれがあるため、専門医の診察を受けることが大切です。 画像による診断 肘外側側副靭帯の損傷を診断するために、主にレントゲンやストレスレントゲン、MRIの3つの画像検査が用いられます。 検査名 特徴・目的 レントゲン 骨折や脱臼の有無を確認する ストレスレントゲン 力を加えた状態で撮影し、靱帯損傷による関節の不安定性を評価する MRI 靱帯や筋肉などの損傷を詳しく確認できる レントゲンでは靱帯の損傷がわかりづらく、正確に診断するのが困難なケースもあります。肘の痛みやぐらつきなどの自覚症状がある場合は、MRI検査も視野に入れて医師に相談するとよいでしょう。 肘外側側副靭帯損傷の症状や治療法を理解し適切に対応しよう 肘外側側副靭帯損傷の症状は軽度から重度まであります。痛みの度合いによって治療法も異なるため、自身の症状を正しく理解することが重要です。 症状が軽い場合は湿布や圧迫包帯の処置で緩和されるケースもありますが、自己判断せずに必要に応じて医師に相談してみてください。 肘に痛みや違和感を感じたら、無理をせず安静にし、日ごろから肘に負担をかけないように心がけましょう。
2025.04.30 -
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「肘が痛い、とくに外側がズキっとする......」そんなときの治し方がわからず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。 たとえば、手首をひねる動作で痛みを感じる場合、軽度であれば安静にすると回復する場合がほとんどです。 今回は、外側の肘が痛いときの治し方を痛みのレベル別にわかりやすく解説します。痛みを緩和するストレッチ方法や、よくある質問への回答も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。 外側の肘が痛い原因 日常生活においてふとした瞬間に外側の肘が痛む理由には、主に以下の原因が考えられます。 テニス肘の可能性 テニス肘以外の疾患や原因がある可能性 以下で、それぞれ詳しく見ていきましょう。 テニス肘の可能性 外側の肘が痛いと感じたら、一番に疑われる原因は「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」です。テニスラケットを振る動作で、肘の外側を痛める人が多い理由から「テニス肘」と名付けられたといわれています。 テニス肘と呼ばれていますが、テニス経験がない方にも起こる可能性がある症状です。日々の動作のなかで、腕や肘に負荷がかかる状態が続くと、痛みを引き起こすおそれがあります。 テニス肘の症状や原因については、以下の通りです。 主な症状 手首を反らせたりひねったりする動作で、肘の外側から前腕まで痛みが出る パソコンのマウス操作を長時間続けると、手首や肘に痛みが生じる 症状が進行すると、動かさなくても肘が痛む 主な原因 腕を酷使すると肘の付け根部分(外側上顆)に負担がかかり、腱が傷つき炎症や痛みが生じると考えられている 加齢により筋力が低下し、肘の腱の強度も弱くなり発症しやすくなる 発症しやすい年齢 30~50代以降に多くみられる 肘は日ごろからよく使う部位なので安静が難しく、一度発症すると慢性化する例も珍しくありません。 肘の外側に痛みや違和感を感じた場合は、原因を見極めることが大切です。 テニス肘について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。 それ以外の疾患が原因の可能性 テニス肘だけでなく、他の疾患によって肘の外側に痛みが生じている、以下のケースもあります。 病名 症状 原因 変形性肘関節症 肘を動かすと痛む 肘の可動域が狭くなる 加齢や長年の肘の酷使による軟骨の摩擦 野球や建設作業による肘の酷使 骨折や転倒による外傷 橈骨近位端骨折(とうこつきんいたんこっせつ) 肘の痛みや腫れ 肘や前腕の筋力低下 スポーツや転倒、事故による外傷 橈骨神経症候群 肘の外側や前腕に鋭い痛み 手や指のしびれ 前腕の手首や腕を伸ばす筋肉による橈骨神経の圧迫 過度な前腕の使用 変形性肘関節症とは、関節への長年の負担によって肘の軟骨がすり減り、骨が変形する病気です。進行すると、肘の内側を走行する神経が圧迫され指のしびれが起こるケースも少なくありません。 また、橈骨神経症候群は、テニス肘と症状が似ており自己判断でテニス肘と誤解されるケースがあるため注意が必要です。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。外側の肘の痛みでお困りの方は、お気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 【レベル別】外側の肘が痛いときの治し方 外側の肘に痛みがある場合、主に以下のような治療・ケアが行われます。 過度な肘の使用を避け安静にする サポーターの活用やストレッチをする 日常生活に影響が及ぶようであれば、手術療法や再生医療を視野に入れる ここでは、痛みの強さに応じて軽度・中度・重度の症状をそれぞれ解説します。 【軽度】肘に違和感がある|安静にする 肘の外側に軽い違和感やハリ感、手を動かすとわずかな痛みを感じるときは無理をせずに腕を休めます。軽度の痛みだと、日ごろから腕の使い過ぎは控え、安静にすると痛みが和らぐケースがほとんどです。 安静にしても、痛みがひかないときは氷で10~15分ほど冷やします。アイシングは炎症や腫れを軽減させる効果が期待できます。 仕事中や何かの作業中に、肘に痛みや違和感が出始めたらこまめに休憩をとり腕を休ませましょう。 【中度】肘の痛みが続く|ストレッチやサポーターをつける 肘の痛みがなかなかおさまらない場合、ストレッチやサポーターを活用してみましょう。必要に応じて痛み止めの内服薬を併用すると、痛みの緩和が期待できます。 動いていないときでも違和感がある場合や、痛みが引かないときは中度の症状が疑われます。重たい荷物を持ったときに鋭い痛みが走ったり、握力が弱くなって物が持ちにくくなったりするのは、中度の症状の一例です。 ストレッチをすると前腕伸筋群を伸ばせるため、腕の痛みの緩和が期待できます。以下にストレッチ方法を紹介しますので、参考に行ってみてください。 右腕を伸ばして、左手で右腕を持つ 左手で右手首を手のひら側に曲げる 手首を曲げたままで、指も曲げる 反対側の腕も同じようにストレッチする それぞれ30秒を3セットずつ行う ストレッチは、痛みを感じたら無理に伸ばさないようにしましょう。 また、サポーターの装着もおすすめです。肘専用のサポーターを使うと、肘にかかるストレスを減らし痛みの軽減にもつながります。サポーターはきつく締めれば、より効果があるわけではないので締めすぎには注意が必要です。 【重度】日常生活に支障が出る|手術療法や再生医療を検討する 外側の肘の痛みが重症化した場合は、専門的なリハビリや、必要に応じて手術や再生医療の治療も選択肢として考えましょう。薬の服用やセルフケアを続けても改善がみられず、日常生活にも支障が出てきている場合は、治療の選択肢を広げる必要があります。 症状が悪化すると、肘の外側が腫れたり肘の可動域が狭くなったり、物を持つことが困難になります。さらに、痛みを放置すると腱が断裂するおそれがあり、手術を要する可能性も否定できません。 手術療法を選択される場合には、「関節鏡視下手術」か「腱切離手術」があります。「関節鏡視下手術」は肘の関節内にカメラを入れて痛みの原因になっている組織を取り除く手術です。 「腱切離手術」は炎症を起こしている腱を手術で切除する方法です。ただし、手術後に残存痛が生じるリスクがあるため、最終手段として選択されます。 また、近年注目されている再生医療は、手術以外の選択肢として有効な手段の一つです。幹細胞治療やPRP療法などによって、肘の痛みの根本にアプローチできます。 肘の痛みの治療に関しては下記の記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。 外側の肘の痛みが続く場合は医療機関を受診しよう セルフケアを行っても症状の改善がみられない場合は、医師の診察を受けましょう。 外側の肘に違和感や痛みがあっても、自然におさまる場合はありますが、放置すれば慢性化して治りにくくなるおそれがあります。炎症が広がると手や肩にまで痛みが及ぶおそれがあり、最悪の場合、腱が損傷して手術になる例も珍しくありません。また、長期間腕を酷使して負担をかけていると骨や関節にも影響が出てしまいます 医療機関では、痛みや炎症を抑える保存療法が行われており、テニス肘と診断された方の80~95%は保存療法で回復するともいわれています。 痛みが長引くようであれば、早めに医師の判断を仰ぐことが大切です。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。肘の痛みが続いている場合は、お気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 外側の肘が痛いときの治し方まとめ 外側の肘が痛いとき、腕の酷使を控え安静にすることが基本です。それでも、痛みが続くようであればストレッチやサポーターを試してみましょう。 荷物を持ったときに激しい痛みがあったり、握力が弱くなったりしたときは、無理をせず医療機関を受診するようにしてください。 痛みを放置すると症状が慢性化し、治りにくくなることもあるため早めの対処が大切です。 外側の肘が痛いときによくある質問 肘の外側の痛みに湿布は効きますか? 肘の外側が痛いときに、湿布を使うと痛みの緩和が期待できます。炎症が原因と考えられる痛みに対して、消炎鎮痛成分が配合された湿布が症状の緩和に役立つ可能性があるので、一度使ってみるのもよいでしょう。 湿布を貼る場所は、痛みを感じる肘の外側にある骨の出っ張りあたりを目安に貼ります。 また、湿布は長時間貼り続けると、肌がかぶれることがあるため注意してください。 肘の骨を押すと痛い原因はなんですか? 肘の骨を押すと痛みを感じる場合、テニス肘が疑われます。肘の関節は目立った腫れや赤みが現れにくいため、症状があっても気づきにくいことが特徴です。 とくに、肘の外側にある骨の出っ張り(外側上顆)が痛い場合はテニス肘の症状といえるでしょう。 肘の外側が痛いのは「50肘」の可能性もありますか? 外側の肘に出る痛みの一因として「50肘」の可能性も考えられます。「50肘」とは正式名称ではなく、俗称です。正式には「上腕骨外側上顆炎(テニス肘)」と呼ばれています。50代前後の中高年に発症することから、50肘と呼び名がついています。 テニス経験の有無に関わらず、腕を酷使する仕事や重労働をしていると発症につながるおそれがあります。痛みが継続するようであれば、早めに医師に相談してみてください。
2025.04.30 -
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「肘の外側がかゆい」「肘の外側がかゆくてボコボコする原因は?」 上記のように、肘の外側がかゆいと悩んでいる方もいるでしょう。肘の外側がボコボコする原因は、湿疹や蕁麻疹、汗疱などさまざまな原因が考えられます。 本記事では、肘の外側がボコボコしてかゆい原因を詳しく解説します。肘の外側がかゆくてボコボコする際に、やってはいけないことや、対処法も紹介しているので、肘のかゆみに悩んでいる方は、ぜひご覧ください。 肘の外側がかゆくてボコボコする場合に考えられる原因一覧 肘の外側がかゆくてボコボコする場合に考えられる原因は、以下があげられます。 湿疹(しっしん) 接触性皮膚炎 蕁麻疹(じんましん) アトピー性皮膚炎 汗疱(かんぽう) 皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん) 毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん) 原因を1つずつ詳しく見ていきましょう。 湿疹(しっしん) 湿疹(しっしん)とは、皮膚にかゆみが生じる炎症を指します。皮膚炎とも呼ばれており、皮膚が赤くなったり、ブツブツや水ぶくれが出たりするのが特徴です。湿疹にはさまざまな症状がありますが、強いかゆみが生じる点は共通しています。 原因としては、内的要因と外的要因の2つが重なり合い発症するのが特徴です。内的要因は、皮膚のバリア機能が低下していたり、皮脂や汗による影響だったりが考えられます。一方で外的要因は、薬剤や化学物質との接触、気候変化などがあげられます。 湿疹を予防するには、思い当たる内的要因と外的要因を取り除き、適切な治療を受けなくてはなりません。 接触性皮膚炎 接触性皮膚炎とは、皮膚に何らかの刺激物が触れ、アレルギー反応を起こす炎症です。かぶれとも呼ばれており、赤みやブツブツ、湿疹などさまざまな症状が生じます。水ぶくれや腫れなどが生じるケースもありますが、刺激物に触れた部位のみ、炎症を起こすのが特徴です。 また、接触性皮膚炎の原因は、刺激性接触皮膚炎・アレルギー性皮膚炎・光接触皮膚炎の3つがあげられ、特徴は以下の通りです。 刺激性接触皮膚炎 バリア機能の許容範囲を超えた刺激物が肌に触れることで発症する アレルギー性皮膚炎 肌に触れた物質に対して体の免疫システムが、アレルギー反応を起こすことで発症する 光接触皮膚炎 光や紫外線が当たることで、アレルギー反応を起こして発症する 接触性皮膚炎を予防するには、炎症を起こす原因となる物質を特定し、触れないようにしましょう。 蕁麻疹(じんましん) 蕁麻疹(じんましん)とは、皮膚に円形または地図状の膨疹(ぼうしん)が生じ、かゆみが伴う炎症です。蕁麻疹の原因は明確になっていませんが、何らかの要因によってかゆみ物質である「ヒスタミン」が放出されると、蕁麻疹を発症するとされています。 基本的に蕁麻疹は、数時間~24時間で消失します。かけばかくほど、かゆみが広がったり、湿疹化したりする恐れがあるため、かかずに安静に過ごしましょう。 ごくまれに、蕁麻疹と共にめまいや吐き気などのアナフィラキシーショックを起こす可能性があります。アナフィラキシーショックの症状が生じた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。 アトピー性皮膚炎 アトピー性皮膚炎とは、乾燥した赤い湿疹が生じる炎症です。良くなったり悪くなったりするのが特徴的で、患部をかいてしまうと、ジュクジュクした状態になり、最終的には皮膚がゴワゴワになってしまいます。首や肘などに症状が現れやすく、左右対称に症状が生じます。 アトピー性皮膚炎は、もともと皮膚のバリア機能が弱い方が、汗やアレルゲンなどの刺激物に触れることで、過剰反応を起こすのが原因です。アレルゲンや高温多湿を避けることで、アトピー性皮膚炎を予防できます。 汗疱(かんぽう) 汗疱(かんぽう)とは、小さな水ぶくれが一部に集中して生じる皮膚の病気です。水ぶくれは1〜2mm程度と小さく、中が透き通っているのが特徴です。基本的には、時間経過とともに体内に吸収され、古い角質として剥がれ落ちます。 小さな水ぶくれ以外に、赤みが生じたり、強いかゆみを伴ったりする場合は「異汗性湿疹」である可能性が考えられるため、注意が必要です。なお、汗疱の原因は、解明されていません。 多くの場合は、自然に完治するため、かかずに安静にしていましょう。かきむしってしまうと、湿疹化してしまう恐れもあるため、できるだけ触れないことが大切です。 皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん) 皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)とは、肌表面の皮脂が不足し、皮膚が乾燥する病気です。乾燥が悪化すると、かゆみが生じたり、湿疹化したりする恐れもあるため、「乾燥湿疹」と呼ばれるケースもあります。 主な原因は、皮膚の乾燥のため、皮脂欠乏湿疹を防ぐには、こまめに保湿をするのがおすすめです。とくに秋や冬は乾燥しやすいため、お風呂上がりには保湿剤を塗りましょう。 毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん) 毛孔性苔癬とは、毛穴に発疹ができる皮膚の炎症です。発疹は、ザラザラした触り心地で痛みを伴うことはありません。肩や背中、太ももなどに生じやすい傾向にあります。 毛孔性苔癬の原因は、毛穴にある毛孔が毛包(もうほう)の細胞が、異常な早さで角化するとブツブツが生じます。通常、毛包細胞が角化したとしても、垢として剥がれ落ちますが、毛孔性苔癬は、異常な早さで角化するため、毛穴に詰まってしまうのが特徴です。 基本的には、自然治癒するため、特別な治療はありません。医療機関によっては、サリチル酸や尿素を使用したピーリングを提案されるケースもあります。 肘の外側がかゆくてボコボコする際にやってはいけないこと 肘の外側がかゆくてボコボコする際に、かきむしったり、乾燥を放置したりすると、悪化する恐れがあります。かゆみが悪化すると、化膿したり傷跡が残ったりするリスクもあるため、安静に過ごすよう意識しましょう。 ここからは、肘の外側がかゆくてボコボコする際にやってはいけない行動を3つ紹介します。 かきむしる 肘の外側がかゆくてボコボコする際、患部をかきむしるのは控えましょう。かゆみが気になり、つい掻いてしまいがちですが、爪で皮膚を傷つけると、皮膚のバリア機能が破壊され、さらなる炎症を起こすリスクが高まります。 また、かきむしる刺激によって、皮膚は防御反応としてより厚く・硬くなるケースもあり、ボコボコとした状態を悪化させる原因にもなりかねません。 かゆみを感じた場合は、かくのではなく、冷やしたり、優しく押さえたりするのがおすすめです。 乾燥を放置する 肘の外側がボコボコしてかゆい部分の乾燥を放置するのも控えましょう。乾燥した皮膚はバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなるため、かゆみを引き起こしやすくなります。乾燥を放置すると、症状を悪化させるだけでなく、慢性化させる原因にもつながります。 空気が乾燥する季節や、入浴後などは皮膚の水分が失われやすいため注意が必要です。かゆみやボコボコが見られる場合は、保湿剤をこまめに塗り、皮膚のうるおいを保ちましょう。 汗や皮脂などを放置する 汗や皮脂、汚れなどが皮膚に付着したまま放置すると、かゆみを悪化させる可能性があります。汗や皮脂は、皮膚の刺激となる可能性があり、とくにアレルギー体質の方や敏感肌の方は注意が必要です。 また、汚れが付着したままで過ごしていると、皮膚の細菌が繁殖しやすくなり、炎症や感染を引き起こすリスクが高まります。 運動後や汗をかいた後や、長時間同じ衣類を着用している場合は、速やかにシャワーを浴びるか、清潔なタオルで汗を優しく拭き取るようにしましょう。 肘の外側がボコボコしてかゆい場合の対処法 肘の外側がボコボコしてかゆい場合は、患部を冷やしたり、乾燥を防ぐために保湿したりするのが効果的です。放置していると、かゆみが悪化したり、化膿したりする恐れもあるため、できるだけ早い段階で対処しましょう。 ここからは、肘の外側がボコボコしてかゆい場合の対処法を4つ紹介します。 患部を冷やす 肘の外側がボコボコしてかゆい場合、まずは患部を冷やしましょう。患部を冷やすと、皮膚の炎症を抑え、かゆみを鎮める効果が期待できます。 冷たいタオルや保冷剤をガーゼなどで包み、患部に優しく当てて冷やすのがおすすめです。 ただし、冷やしすぎると凍傷などのトラブルを引き起こす恐れがあるため、長時間冷やすのは控え、保冷剤と患部の間にタオルやガーゼを挟むのがポイントです。 保湿をする 皮膚の乾燥が原因となり、肘の外側がボコボコしてかゆくなっている場合は、保湿しましょう。保湿ケアは、皮膚のバリア機能を回復させ、外部からの刺激を受けにくくさせる効果を期待できます。 保湿剤は、セラミドやヒアルロン酸などが配合されているアイテムがおすすめです。 入浴後は、とくに肌が乾燥しやすいため、積極的に保湿しましょう。入浴後以外にも、肌が乾燥していると感じたタイミングで、こまめに保湿してください。かゆみの軽減やボコボコの改善につながる可能性があります。 市販薬でケアをする 肘の外側がボコボコしてかゆい場合、症状によっては市販薬で対処する方法もあります。ドラッグストアには、かゆみを抑える成分(抗ヒスタミン成分)や、炎症を鎮める成分(ステロイド成分)が配合された塗り薬などが販売されています。用法・用量を守って正しく使用しましょう。 なお、市販薬を一定期間使用しても、症状が改善しない場合や悪化する場合は、自己判断で使用を続けずに医療機関を受診してください。 原因と思われるものを避ける 肘の外側がかゆい場合は、原因となっている可能性のあるものを特定し、できる限り避けるのも大切です。たとえば、特定の化粧品や洗剤、衣類などに触れることで症状が悪化する場合は、化粧品などの使用を中止するのがおすすめです。 汗をかいたり、紫外線にさらされたりすると、かゆみを引き起こすケースもあるため、日常生活や生活習慣を振り返り、原因を探しましょう。 原因が特定できない場合は、皮膚科を受診してアレルギー検査などを受けると、より早く原因を突き止められます。 肘の外側がボコボコしてかゆい際の受診目安と診療科 肘の外側がボコボコしてかゆい際の受診目安は、以下の通りです。 日常の動作に支障がでるほど、かゆみがある 症状が悪化している 症状の範囲が広がっている 安静にしていても、症状が改善されない場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。医療機関を受診する際は、皮膚科がおすすめです。 「市販薬を塗り続ければ治るのでは?」と考える方もいますが、なかには市販薬がきっかけでかゆみが悪化するケースもあります。かゆみが悪化すると、かきむしってしまい傷跡が残るリスクもあるため、改善が見られなかったり、悪化したりしている場合は、速やかに皮膚科を受診しましょう。 肘の外側がボコボコしてかゆい際は再生医療もご検討ください 肘の外側がボコボコしてかゆいと悩んでいる方は、再生医療もご検討ください。リペアセルクリニックでは、脂肪由来幹細胞を用いた肌の再生医療を提供しています。 従来の治療では、肘のかゆみが収まらなかったり、再発に悩んでいたりする方は、ぜひ一度リペアセルクリニックにご相談ください。 また、リペアセルクリニックでは、オンラインカウンセリングやメールにてご相談を受け付けています。遠方にお住いの方でも、ご相談いただけるため、再生医療に興味がある方は、以下ページをご覧ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 肘の外側がボコボコでかゆい原因はさまざま!専門医に相談しよう 肘の外側がボコボコでかゆい原因は、湿疹や接触性皮膚炎、蕁麻疹などが原因として考えられます。患部をかきむしってしまうと、症状が悪化する恐れがあるため、かきむしらず、患部を冷やしたり、保湿したりして対処しましょう。 また、肌に触れる日焼け止めや洗剤などが原因で、肘にかゆみが生じているケースもあります。かゆみが生じた際は、日常生活を振り返り、かゆみの原因がないかも見直してみましょう。 リペアセルクリニックでは、肌に対する再生医療を提供しています。「従来の治療では治らなかった」「何度もかゆみを繰り返している」と悩んでいる方は、ぜひ一度オンラインカウンセリングやメールにてご相談ください。 【関連記事】 肘頭滑液包炎とは?肘が腫れてブヨブヨ痛い症状・治療法について現役医師が解説 外側の肘が痛いときの治し方|痛みのレベル別で対処法を解説
2025.04.30 -
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「朝起きたら肘が痛い」「肘の外側が痛い原因は?」 上記のように、朝起きたら肘の外側が痛いと悩んでいる方もいるでしょう。肘の痛みは、スポーツによる影響や、日常生活での負荷などさまざまな原因があげられます。 本記事では、朝起きたら肘の外側が痛い場合の原因を詳しく解説します。治療方法や予防方法、受診の目安なども紹介しているので、肘の痛みに悩んでいる方は、ぜひご覧ください。 朝起きたら肘の外側が痛い原因 「朝起きたら肘の外側が痛い」と感じる場合の原因は、さまざまな疾患や炎症の可能性が考えられます。最近では、長時間のスマートフォン使用による負担で、関節に痛みを抱えている方も少なくありません。 まずは、朝起きたら肘の外側が痛い際に考えられる原因を5つ紹介します。 テニス肘 朝起きた時に肘の外側に痛みを感じる場合の要因として考えられるのが上腕骨外側上顆炎、いわゆるテニス肘です。上腕骨外側上顆炎は、上腕骨外側上顆に付着する腱が炎症を起こすことで発生します。 テニス肘は、日常生活で手首を伸ばしたり、手のひらを上に向けたりする動作を頻繁に行う方に、発症しやすい傾向があります。 パソコン作業や家事、重い物の持ち運びなどの繰り返しにより、腱に微細な損傷が蓄積し、炎症と痛みを引き起こします。 症状は、肘の外側を中心とした痛みが代表的であり、患部の外側を押すと圧痛があり、進行すると、安静時や夜間にも痛みが現れるのが特徴です。 ゴルフ肘 朝起きた際、肘に痛みを感じる場合、上腕骨内側上顆炎、通称ゴルフ肘の可能性も考えられます。ゴルフ肘は、肘の内側にある骨の隆起部分、上腕骨内側上顆に付着する腱が炎症を起こす疾患です。 テニス肘との違いは、上腕骨の内側か外側の炎症を起こす部位にあります。手首を手のひら側に曲げたり、指を強く握ったりする動作を繰り返す方に、発症しやすい傾向です。 主な症状は、肘の内側を中心に痛みが生じますが、関節の外側や前腕にかけて広がるケースもあるため、関節の外側が痛い場合でもゴルフ肘の可能性が考えられます。 野球肘 野球肘は、肘の内側や外側、もしくは後方に痛みや違和感が生じる症状の総称です。投球動作を繰り返すことで関節にストレスがかかるため、野球選手によく見られます。関節にストレスがかかり、靱帯や軟骨が損傷を起こすのが野球肘の原因です。 また、野球肘は、ボールを投げる動作をする際に、痛みが生じるケースが多い傾向にあります。症状が進行すると、日常生活にも痛みや違和感が生じたり、関節を伸ばしきれないなどのトラブルが発生します。 野球をしていない方で、肘が痛い場合は、野球肘以外の要因が当てはまる可能性が高いでしょう。 変形性肘関節症 変形性肘関節症は、肘関節周辺に痛みが生じます。肘関節を動かしたり、ものを持ったりした際に、痛みが生じるのが特徴です。痛みだけでなく、肘を完全に曲げ伸ばしできなかったり、引っかかる感じがしたりなどの違和感も生じます。 変形性肘関節症の主な要因は、スポーツによる反復動作や重い荷物を持つ仕事などによって、肘関節の軟骨がすり減ることがあげられます。加齢により、軟骨細胞の再生力が衰えると、小さな負荷でも変形性肘関節症を引き起こすケースも少なくありません。 スマホ肘 朝起きたら肘が痛い場合は、スマホ肘の可能性も考えられます。スマホ肘とは、長い時間のスマートフォン使用による負担により、関節に痛みが生じる炎症です。スマートフォンを使っている時間が長ければ長いほど、スマホ肘を発症しやすくなります。 スマホ肘は、肘の外側や前腕にかけて、じんじんした痛みが生じるのが特徴です。長時間スマートフォンを利用しており、肘に痛みを抱えている方は、できるだけスマートフォンを使う時間を短くするよう心がけましょう。 肘の外側が痛む疾患の治療法 肘の痛みを放置していると、痛みが慢性化する恐れがあるため、保存療法や手術療法などで治療をする必要があります。軽症であれば、伸ばしたりもみほぐしたりすると、改善を期待できるケースもあるため、早めに医療機関を受診するのがおすすめです。 ここからは、肘の外側が痛む疾患の治療法を3つ紹介します。 保存療法 肘の痛みが軽度である場合は、保存療法が行われます。保存療法とは、手術をせずに症状を改善させる治療法であり、主に以下のような方法があげられます。 患部を冷やす テーピングやベルトで関節の負担を軽減させる 鎮痛剤で痛みや炎症を押さえる 患部を冷やしたり、テーピングで負担を軽減させたりする他に「NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)」を用いて、痛みや炎症を抑えるケースもあります。内服薬や注射などで症状が改善されなかった場合は、手術療法が検討されます。 手術療法 保存療法で関節の痛みが改善されない場合は、手術療法が検討されます。手術療法では、損傷した組織を修復したり、除去したりして改善を目指します。 手術療法には、主に「オープン法」と「関節鏡視下手術」の2種類があり、それぞれメリットやデメリットが異なります。オープン法は、炎症を起こしている部分を切開し、損傷した組織を取り除く手術方法です。一方で、関節鏡視下手術は、内視鏡を使って損傷した組織を取り除くため、傷跡が小さく済みます。 他にも、体外衝撃波や経皮的手術などさまざまな手術療法があるため、担当医とよく話し合った上で手術方法を決めましょう。 再生医療 肘の外側の痛みは、再生医療で改善を期待できるケースもあります。再生医療は、PRP療法(血小板豊富血漿療法)や幹細胞治療などがあげられます。肘に痛みを抱えており、治療を受けているけれど効果を実感できない方は、再生医療も視野に入れてみてはいかがでしょうか。 リペアセルクリニックでは、肘の痛みに対する再生医療を提供しています。再生医療に興味がある方は、ぜひ一度オンラインカウンセリングやメールにてご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 肘の外側が痛む疾患の予防方法 肘が痛む疾患を予防するには、こまめに手首や肘のストレッチをお行ったり、サポーターやテーピングで関節を保護したりするのが効果的です。運動をしている方は、運動時のフォームを見直すのもおすすめです。 ここからは、肘が痛む疾患の予防方法を3つ紹介します。 ストレッチで手首や肘を伸ばす 肘の外側に痛みが生じる疾患を予防するには、日頃から手首と肘の柔軟性を保つストレッチを行うのが効果的です。運動前後のウォーミングアップやクールダウンに加え、日常でもこまめに行いましょう。 手のひらを上に向け腕を伸ばし、反対の手で指先を体側に反らせるストレッチは、手首の伸筋群を伸ばし、肘外側の腱への負担を軽減できます。 痛みを感じない範囲で、ストレッチを毎日続けることで、肘の痛む疾患のリスクを低減できます。柔軟性を維持できると、繰り返しの動作による損傷を防げるため、意識的にストレッチを取り入れましょう。 サポーターやテーピングで関節を保護する サポーターやテーピングを活用するのも、肘の痛み対策に効果を期待できます。サポーターやテーピングをすると、肘関節や周囲の筋肉、腱にかかる負担を軽減し、運動時や作業時の衝撃を吸収できます。 肘のサポーターは、市販で販売されているものを使用しても問題ありませんが、自分に合ったサポーターが欲しい方は、医療機関に相談するのがおすすめです。サポーターやテーピングは、関節を補強して怪我や痛みを予防する効果もあるため、痛みに悩んでいる方は、積極的に装着しましょう。 運動時のフォームを見直す 肘に負担のかかるテニスや野球、ゴルフなどをしている方は、運動時のフォームを見直すことも重要です。不適切なフォームを続けていると、肘の一部分に過度なストレスを与え、腱や筋肉の損傷、炎症を起こす可能性が高まります。 たとえば、テニスでは全身を使ったフォーム、野球ではスムーズな投球フォーム、ゴルフでは体の回転を意識したスイングを身につけましょう。専門のコーチやトレーナーにフォームのアドバイスをもらい、正しいフォームを身につけるのがおすすめです。 朝起きたら外側の肘が痛い場合の受診目安 朝起きたら外側の肘が日常生活に支障が出るほど痛かったり、2,3日安静にしても痛みが改善されなかったりする場合は、医療機関を受診するのがおすすめです。 ここからは、朝起きたら外側の肘が痛い場合の受信目安を紹介します。 日常生活に支障が出るほど痛いケース 朝起きた際に肘の外側に強い痛みを感じ、日常生活に支障をきたすほどである場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。たとえば、物を持ち上げたり、着替えをしたりする際に、強い痛みを感じる、または痛みによって動作を行えない場合が該当します。 放置してしまうと、症状が悪化し、回復に時間がかかる恐れがあるため、医療機関を受診しましょう。 また、自己判断で無理に動かしたり、誤った対処法を行ったりすると、状態をさらに悪化させるリスクもあるため、注意が必要です。 2,3日安静にしていても痛みが改善しないケース 朝起きた肘の外側の痛みが、2〜3日程度安静にしていたにもかかわらず、まったく改善しない、またはむしろ悪化しているように感じる場合も、医療機関を受診する目安です。 軽度の筋肉痛や一時的な炎症であれば、数日の安静によって症状が軽減しますが、痛みが持続する場合や悪化している場合は、より深刻な要因が潜んでいる可能性があります。 痛みが長引く場合は、自己判断せずに専門医の診察を受けることで、慢性化を防ぎ、早期回復を目指せます。 起床時におこる肘外側の痛みの放置は要注意! 朝起きたら肘の外側が痛い原因は、テニス肘や野球肘、変形性肘関節症などが考えられます。なかには、長時間スマートフォンを使うことで発症する「スマホ肘」の可能性もあります。 肘の外側の痛みによって、日常生活に支障が生じたり、安静にしても改善されなかったりする際は、速やかに医療機関を受診するのがおすすめです。 症状に応じて治療法は異なりますが、保存療法や手術療法などがあげられます。症状が軽度であれば、鎮痛剤やサポーターなどを使用した保存療法で改善を期待できます。また、従来の治療で改善できない場合は、再生医療もおすすめです。 リペアセルクリニックでは、肘の外側の痛みに対する再生医療を提供しています。再生医療に興味がある方は、ぜひ一度オンラインカウンセリングやメールにてご相談ください。
2025.04.30 -
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「テニス中に肘の外側を痛めた」 「テーピングをしながら様子を見ているけれど、本当に効果があるのかを知りたい」 このようなお悩みを持たれている方もいらっしゃることでしょう。 テーピングには、ケガの防止や応急処置など、複数の目的や効果があります。 本記事では、テーピングの方法や目的、効果などについて解説します。 整形外科を受診するタイミングについても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。 肘の外側におけるテーピングの巻き方 ここでは、肘の外側が痛むときのテーピング方法を紹介します。第三者に巻いてもらう方法です。 本項目で紹介する方法では、キネシオロジーテープと呼ばれるテープを5本使用します。キネシオロジーテープとは、皮膚にしっかりと貼りつく伸縮性があるテープで、筋肉や筋膜の動きをサポートしたり循環を良くしたりする働きがあるものです。 また、以下で紹介しているものはあくまでも一例です。テーピングの方法は使用するテープによって異なります。購入したテープの取扱説明書や注意書きなどをよく読んでから行いましょう。 1本目の巻き方:短橈側手根伸筋の補助 1本目のテープを巻く前に、肘を90度に曲げて、手首を手のひら側に向けてください。その体勢で、肘から手首に向かってテープを貼ります。 テープは前腕の長さに合わせてカットしてください。 2本目の巻き方:総指伸筋の補助 1本目のテープと同じく、肘から手首に沿ってテープを貼ります。貼る場所は、1本目のテープよりも、やや小指側です。 1本目同様に、テープは前腕の長さに合わせてカットしてください。 3本目の巻き方:長橈側手根伸筋の補助 1本目、2本目のテープと同じように、肘から手首に沿ってテープを貼ります。貼る場所は、やや親指側です。 1本・2本目同様に、テープは前腕の長さに合わせてカットしてください。 4本目の巻き方:手首の補助 テーピング前に、手首の位置を元に戻します。それから手首の周りに沿って、テープを巻いていきましょう。 テープは手首を1周できる長さに合わせてカットしてください。 5本目の巻き方:前肘部の補助テープ 5本目のテープは、前肘部の内側を一周させるようにして巻きます。その際、テープが肘にかからないようにしてください。 テープは前肘部を1周できる長さに合わせてカットしてください。 肘の外側にテーピングを行う目的 肘の外側にテーピングを行う目的は、主に以下の3つです。 外傷予防 応急処置 再発予防 外傷予防 肘の外側にテーピングする目的の1つが、ねんざや打撲といった外傷の予防です。ケガをしていない部分をテーピングで固定し、関節の保護や可動域制限をはかります。 肘関節以外で外傷予防のテーピングが行われている部位は、足関節や手関節、指関節などです。(文献1) 応急処置 テーピングは、ねんざや打撲といった外傷に対する応急処置にも使われます。 以前、外傷の応急処置は、RICE(ライス)と呼ばれていました。 Rest:休ませる Ice:冷却する Compression:圧迫する Elevation:挙上する 現在は一部変更されて、PORICE(ポリス)と呼ばれています。 Protection:保護する Optimal Loading:適切な負荷をかける Ice:冷やす Compression:圧迫する Elevation:挙上させる テーピングは、圧迫の役割を担います。 PORICEをはじめとする捻挫の応急処置については、下記の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。 再発予防 テーピングの目的で最も多いとされるものが、外傷の再発予防です。(文献1) 一度損傷した関節は不安定さが残り、通常とは異なる方向に動くこともあります。関節の動揺性と呼ばれるものです。不安定な関節をテーピングで補強および安定させることにより、動揺性が軽減され、同じ場所での外傷を防げます。 肘の外側へのテーピング効果 肘の外側にテーピングする効果は、主に以下の2つです。 痛みを軽減する 精神的な負担を軽減する 痛みを軽減する テーピングは、関節の部分的な圧迫および可動域制限により、痛みを軽減する効果があります。 外国の研究論文では、テーピングはサポーターよりも肘の外側痛を軽減する効果があると示されました。(文献2) ただし、テーピングに直接の治療効果はありません。テーピングをしていても、無理な運動をした場合は、ケガが悪化する可能性があります。 精神的な負担を軽減する 肘や膝といった関節のケガは再発しやすいといわれています。再発への不安がストレスになることもあるでしょう。 痛みやケガの原因にあわせた正しいテーピングにより、再発への不安を軽減できます。ストレス軽減のためにも、テーピングは正確に行いましょう。 肘の外側にテーピングする際の注意点 肘の外側にテーピングする際の注意点は、主に以下の2つです。 長時間のテーピングは控える 必要以上に圧を強めない 長時間のテーピングは控える 再発予防のために行う運動時のテーピングは、3~4時間が限度です。応急処置目的で行う安静時のテーピングは、一般的に3日間程度を目安とすることが推奨されています。 同じテープを長時間貼り続けると、皮膚に汗や汚れが付着して、かぶれを引き起こす可能性があります。 必要以上に圧を強めない 必要以上に強い圧でテーピングを行うと、痛みやしびれなどの血行障害および、筋肉や腱の損傷を引き起こす可能性があります。テーピングの過度な圧迫により、末梢神経が圧迫され、しびれや感覚異常などの神経障害が生じる可能性もゼロではありません。 テーピング時は、テープが皮膚に食い込んでいないか、痛みやしびれがないかなどを確認しましょう。 テーピングで肘の外側痛が改善しない場合は医療機関を受診しよう テーピングの主な効果は痛みの軽減ですが、施術しても改善しないケースもあります。 強い痛みのため日常生活に支障をきたしている、腕を動かすことが難しいといったときには、速やかに医療機関を受診して診察や治療を受けましょう。 当院においても、肘関節痛の治療を行っております。メール相談やオンラインカウンセリングを実施していますので、お気軽にご相談ください。 肘の外側の痛みとテーピングに関するよくある質問 ここでは、肘の外側の痛みとテーピングに関するよくある質問を2つ紹介します。 寝るときはテーピングを外した方が良いですか? 基本的に寝るときはテーピングを外す方が良いでしょう。長時間のテーピングは、皮膚のかぶれや血行障害を起こす可能性があるためです。 またテーピングの効果は、関節可動域の制限による外傷および再発の予防です。寝ているときは関節を大きく動かすことが少ないため、テーピングの効果も少ないといえます。 肘の外側が痛いときの治し方を教えてください 肘の外側が痛むときの治療法は、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)の内服や湿布薬の利用、ステロイド注射、手術療法などです。 医療機関によっては、再生医療による治療も行っています。肘の痛みで手術を受けたくない方は、再生医療も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。 リペアセルクリニックでは、再生医療による肘関節痛の治療を受けられます。メール相談やオンラインカウンセリングを実施していますので、お気軽にご相談ください。 参考文献 (文献1) 日本スポーツ協会「テーピング 総論」日本スポーツ協会ホームページ https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/ikusei/doc/AT/text2018.06taping.pdf(最終アクセス:2025年3月19日) (文献2) Alireza Shamsoddini. (2019).The Immediate Effect of Taping and Counterforce Brace on Pain and Grip Strength in Patients with Tennis Elbow.Journal of Archives in Military Medicine, 7(1-2),pp.1-5. https://brieflands.com/articles/jamm-86314.pdf(最終アクセス:2025年3月19日)
2025.03.31







