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腰からお尻、脚全体にかけて痛みを感じる場合、坐骨神経痛の可能性が考えられます。坐骨神経痛は、その名のとおり、坐骨神経と呼ばれる末梢神経に痛みやしびれをきたす状態です。 痛みやしびれを放置すると、日常生活に支障をきたす可能性もあるため、違和感を覚えた際は早めに専門機関を受診しましょう。 本記事では、坐骨神経痛の概要や原因、症状について解説します。治療法や痛みを和らげる方法もまとめているので、坐骨神経痛の疑いがある方はぜひ参考にしてください。 また、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 坐骨神経痛に関する気になる症状が見られる方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 坐骨神経痛とは 坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)とは、腰からお尻、太ももから膝にかけて伸びている坐骨神経にあらわれる痛みの症状です。 坐骨神経は、腰椎と仙椎から出る神経根がいくつか集まってできる神経をいいます。 この神経が圧迫や炎症などの障害を受けると、お尻から脚にかけて痛みやしびれが生じます。坐骨神経痛は病名ではなく、こうした症状の総称です。 坐骨神経痛の原因 坐骨神経痛は好発年齢が幅広く、原因もさまざまです。主な原因には、以下の3つが考えられます。 腰部脊柱管狭窄症 腰椎椎間板ヘルニア 梨状筋症候群 ここでは、各症状の特徴を紹介するので、坐骨神経痛の原因が知りたい方はぜひ参考にしてください。 腰部脊柱管狭窄症 腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)とは、背中にある神経の通り道が狭くなり、神経を圧迫するときに生じる症状で、坐骨神経痛を発症する原因の1つです。原因はさまざまですが、主に加齢によって脊柱が変形し、神経を圧迫して発症するケースが多い傾向にあります。 腰部脊柱管狭窄症は、お尻から脚全体にかけて痛みやしびれなどの神経症状が生じます。悪化すると歩行が難しくなり、手術が必要になる可能性もあるため、気になる症状が見られた際は早めに医療機関に相談しましょう。 腰椎椎間板ヘルニア 坐骨神経痛は、腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアが原因で生じる可能性もあります。腰椎椎間板ヘルニアは、背骨と各骨の間に存在し、クッションの役割を持つ椎間板と呼ばれる部位が圧迫されて痛みやしびれを発症する疾患です。 腰椎とは背骨のことで、5つの骨から成り立っています。ヘルニアは椎間板の飛び出し方によって種類が異なり、以下3つに分類されます。 正中型(せいちゅうがた)ヘルニア 傍正中(ぼうせいちゅう)ヘルニア 外側(がいそく)ヘルニア また、腰椎椎間板ヘルニアの症状レベルは、軽度から重度までさまざまです。中等度レベル以降は、日常生活に支障をきたす場合があるため、軽度だからといって放置せず重症化する前に治療や改善を図る必要があります。 【関連記事】 腰椎椎間板ヘルニアの症状レベルと種類を医師が解説!手術するべき? 腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違いを解説|疼痛期間や治し方を紹介 梨状筋症候群 梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)とは、脊椎の下部にある仙骨や尾骨全面から、太ももの骨の最上部に伸びている筋肉が圧迫されて痛みを発症する神経障害です。腰椎椎間板ヘルニアと症状が似ているため混同されやすいですが、梨状筋症候群では仙腸関節炎や椎間関節障害が原因で発症する報告もあります。(文献1) 梨状筋症候群は、デスクワークや運転など、長時間座っているときやゴルフや草むしりといった中腰で梨状筋に負担がかかる場合に、起こりやすい疾患です。また、梨状筋症候群は腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアに比べると、稀な疾患になります。 MRIやレントゲンなどの検査で見つけることが難しいため、原因がはっきりしない坐骨神経痛の場合は梨状筋症候群が原因の可能性も考えられます。 筋肉の衰え 坐骨神経痛の原因には、下肢筋肉の衰えも考えられます。腰回りやお尻を中心とした足腰の筋肉が衰えると、背骨を支える力が弱まり、坐骨神経に負担をかけるためです。 筋肉は、20歳をピークに1年に1%ずつ減少するといわれています。(文献2)そのため、加齢に伴う筋力低下も、坐骨神経痛の原因の1つです。 なお、足腰の筋力低下はロコモティブシンドロームの原因にもつながります。ロコモティブシンドロームになると、要介護や寝たきりになるリスクが高まるため、日頃から予防を心がけましょう。 坐骨神経痛の症状 坐骨神経痛の症状は人によって異なりますが、主に腰からお尻、脚全体にかけて、痛みやしびれが生じます。主な症状は、以下の通りです。 お尻や脚が痛くて眠れない 長時間立っていられない お尻の痛みにより長時間座り続けていられない 腰を反らすと痛みやしびれが生じる 中腰やかがむと痛みが強くなる 坐骨神経痛は、片肢に症状が出るケースがほとんどです。しかし、なかには両肢に症状が見られる場合もあります。症状が悪化すると日常生活に影響を与えるため、疑いがある方は早めに受診しましょう。 坐骨神経痛でやってはいけないこと 坐骨神経痛の発症や疑いがある場合、下肢に負担をかける動作は避けましょう。無理に負担をかけてしまうと、症状を悪化させる可能性があるためです。 坐骨神経痛でやってはいけないことには、次の行動が挙げられます。 重いものを持ち上げる 激しい運動をする 長時間座る 前屈みや背骨をねじる 体重を増やす など ただし、過度な安静はかえって回復を遅らせることがあるため、痛みの程度に応じて日常生活を送ることが大切です。 症状が強い場合や、どの程度動いてよいかわからない場合は、医師に相談しましょう。 坐骨神経痛の治療法 坐骨神経痛の治療法は、保存療法が一般的です。しかし、症状レベルによって治療法は異なるため、専門医に相談の上、適切な治療を行う必要があります。 坐骨神経痛では、主に次の治療法を行います。 薬物療法 神経ブロック療法 理学療法 認知行動療法 装具療法 手術療法 症状が重度の場合、手術療法が検討される場合もあります。治療には手術療法だけでなく、薬物療法や神経ブロック療法などの選択肢もあるため、自分に合った治療法を検討しましょう。 また、坐骨神経痛に対しては、再生医療が治療法の選択肢となるケースがあります。坐骨神経痛に対する再生医療の治療例については、以下の症例記事をご覧ください。 【関連記事】 坐骨神経痛が死ぬほど痛いときはどうする?痛みの原因や治療法を医師が解説 坐骨神経痛の痛みを和らげるブロック注射とは?効果や費用など医師が解説 坐骨神経痛を和らげる方法 ここでは、坐骨神経痛を和らげる方法を6つ紹介します。 湿布を貼る 市販薬を服用する 温める ツボを押す ストレッチを行う 寝方を変える 痛みの緩和を図りたい方は、ぜひ参考にしてください。 湿布を貼る 坐骨神経痛は、湿布を貼ることで症状の緩和が期待できます。しかし、湿布の貼る場所を間違えると、十分な効果を得られない可能性があるため、適切な位置を理解しておくことが大切です。 坐骨神経痛の痛みを軽減するのに効果的な場所は、以下の位置になります。 腰の下部 梨状筋 太ももの裏側 ふくらはぎ 湿布は、痛みやしびれを感じる部位にあわせて適切な位置に貼りましょう。また、湿布の種類は症状にあったものを選ぶのがポイントです。 市販薬を服用する 坐骨神経痛の痛みを和らげるためには、市販薬を服用するのも専門機関へすぐに行けない場合の対処法になります。坐骨神経痛に用いられる痛み止めは複数あり、その1つにタリージェがあります。 タリージェとは、坐骨神経痛の痛みを和らげるために処方される医薬品の1つです。末梢神経障害や、脊髄疾患による痛みに対して効果が期待できます。 ただし、タリージェは痛みの緩和が目的のため、服用したからといって症状が改善されるわけではありません。また、副作用がある点に留意の上、服用を検討する必要があります。 温める 坐骨神経痛は、患部を温めると痛みの緩和が期待できます。患部を温めることで、血行促進や神経の圧迫緩和などの効果が期待できるためです。 坐骨神経痛の場合、以下の部位を温めましょう。 腰部 お尻 太ももの裏側 温める際は湯船に浸かったり、使い捨てカイロを使ったりして痛みの緩和を図る方法があります。ただし、温めるのが良いのは慢性症状の場合です。発症の初期段階となる急性炎症期には、炎症を抑えるために冷やす必要があります。 ツボを押す 坐骨神経痛の痛みを和らげる方法には、ツボ押しがあります。ツボ押しでは血流や神経、筋肉など、体の働きにアプローチできるためです。 坐骨神経痛に効果的なツボは、以下の8つです。 部位 ツボの位置 お尻 環跳(かんちょう):お尻のやや外側 承扶(しょうふ):お尻の下に位置する横じわ中央部 手部 腰腿点(ようたいてん):手の甲にある人差し指と中指の間、および薬指と小指の間 合谷(ごうこく):親指と人差し指の付け根・親指にぶつかる部分 下肢 委中(いちゅう):膝裏の中央部 陽陵泉(ようりょうせん):膝の外側にある大きな骨の下部分 殷門(いんもん):太もも裏側の中央寄り 金門(きんもん):外くるぶしの後ろ上方・アキレス腱の外側 痛みを感じる部位のツボを押すと、症状緩和が期待できます。 ストレッチを行う ストレッチでは硬くなった筋肉をほぐせるため、神経への圧迫を軽減できます。坐骨神経痛を悪化させないためにも、ストレッチで血流を促すのが重要です。 痛みを和らげる方法には、次のようなストレッチがあります。 ハムストリングのストレッチ 梨状筋のストレッチ お尻のストレッチ ストレッチは体が温まっているときにやると効果的なため、お風呂上りに取り入れるのもおすすめです。ただし、ストレッチ中に痛みやしびれを感じた場合は、すぐに中断しましょう。 寝方を変える 坐骨神経痛により眠れない場合は、寝方を工夫するのが対処法です。症状が和らぐ寝方には、次の3つが挙げられます。 仰向けで膝を立てる 横向きで両膝の間にクッションを入れる 痛みを感じる部位を上に向ける 寝返りを打つ際は、仰向けの姿勢で両膝を立て、股関節を深く曲げるのがポイントです。腹筋に軽く力を入れ、上半身と下半身を同時に動かすと、寝返りで痛みを感じにくくなります。 また、体を冷やすと血行不良により痛みを感じやすいため、体を温めて眠るのも坐骨神経痛の痛みを緩和する方法です。 再生医療は坐骨神経痛の回復が見込めない場合の選択肢 坐骨神経痛の痛みやしびれを放置すると、日常生活に支障を及ぼします。下肢の神経治療には、再生医療も選択肢の1つです。 再生医療では、脂肪由来の幹細胞を用いて治療を行います。幹細胞治療とは、自身の身体から採取した幹細胞を外部で増殖させ、所定の量に達したら再び身体に戻す治療法です。幹細胞を採取する際は、おへその横からごくわずかな脂肪を取るため、身体の負担を最小限に抑えられます。 また、入院・手術を必要とせず日帰りの手術が可能な点も、再生医療の特徴です。ただし、幹細胞治療は幹細胞の培養に1カ月ほどかかります。手術せず治療を受けたい場合に、再生医療はおすすめです。 https://youtu.be/zYow3yFsNgw?si=lKQHoW3B5dgCm2po 坐骨神経痛は放置せず専門機関への受診が重要 坐骨神経痛は、下肢に生じる症状の総称です。好発年齢は幅広く、原因も人によって異なります。症状にはお尻から脚全体にかけての痛みやしびれがあり、悪化すると日常生活に支障をおよぼすため注意が必要です。 坐骨神経痛の疑いがある場合は重いものを持ち上げたり、長時間立ちっぱなしになったりといった行動は避けましょう。また、症状によって適切な治療を受けることが重要なため、痛みを感じた場合は早めに専門機関へ受診するのがおすすめです。 保存療法でも回復が見られない場合は、再生医療を選択するのも手段の1つになります。自分にあった治療方法で、坐骨神経痛の症状回復を目指しましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。坐骨神経痛について気になる症状が見られる方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 坐骨神経痛に関するよくある質問 坐骨神経痛は何科を受診すれば良いですか? 下肢に痛みやしびれが生じる場合、整形外科もしくは神経内科を受診しましょう。整形外科では、MRIやX線などを使用して神経の状態を確認した上で、原因を診断します。 また、神経内科の場合は、神経伝導検査や節電図検査などの神経系の検査から坐骨神経の異常や原因を特定します。 坐骨神経痛のときは歩いた方が良いですか? 坐骨神経痛のときは、歩いた方が良い場合と、悪い場合があります。症状が比較的軽度のときや、医師・理学療法士から勧められたときは、歩くなど積極的に体を動かすのがおすすめです。 ただし、歩くだけで痛みが生じるときや、日常生活に支障が出ているときは歩かず適切な治療を検討する必要があります。 坐骨神経痛による足のしびれの治し方はありますか? 坐骨神経痛による足のしびれは、セルフケアで痛みを緩和できる場合があります。主なセルフケアは、以下の3つです。 適度に運動する 正しい姿勢をとる 体を温める 症状に適したセルフケアにより、痛みを緩和できる場合もあるため、足の痛みにお悩みの方はぜひ実践してみてください。 参考文献 (文献1) J-STAGE|梨状筋症候群における発症機転についての考察 (文献2) 労働者健康安全機構|⾻格筋量増やすポイント
2025.11.26 -
- 脊椎
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「背中や腰がズキズキ痛む」「発熱が続いて体を動かすのもつらい」などの症状に悩んでいる方は、化膿性脊椎炎を患っている可能性があります。 化膿性脊椎炎とは、細菌の感染によって脊椎や椎間板が炎症を起こす疾患です。早期に治療をおこなえば回復が見込めますが、放置すると骨の破壊や神経障害などを伴い、長期的な治療が必要になるケースもあるため注意が必要です。 今回は、化膿性脊椎炎の症状や原因、治療法をわかりやすく解説します。完治期間の目安や再生医療の可能性についてもまとめているので、ぜひ参考にしてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 化膿性脊椎炎とは 化膿性脊椎炎とは、主に細菌感染によって脊椎やその周囲の組織に炎症が起こり、骨の破壊や膿の形成が進行する疾患です。発症部位は腰椎が最も多く、次いで胸椎、頚椎にもみられます。 化膿性脊椎炎は、高齢者や基礎疾患がある方、免疫が低下している方の発症リスクが高い傾向にあります。 化膿性脊椎炎の主な病型 化膿性脊椎炎の主な病型は、急性発症型、亜急性発症型、慢性発症型の3つです。痛みの程度や発熱の有無など、それぞれの病型の特徴を下表にまとめました。 病型 特徴 急性発症型 腰背部の激しい痛みと高熱を伴う 発症直後から腰背部痛や高熱によって動けなくなる 亜急性発症型 腰背部の痛みと微熱を伴う 原因不明または直近の病気が完治した後に微熱が続く 慢性発症型 腰背部の軽微な痛みと間欠的な発熱を伴う 腰背部痛が慢性的に続く 化膿性脊椎炎は、同じ疾患でも病型によって症状の現れ方が異なります。痛みが軽い場合でも炎症が広がっている可能性があるため、自己判断で放置せず、違和感を感じた時点で早めに医療機関を受診しましょう。 化膿性脊椎炎の症状 化膿性脊椎炎を発症すると、主に以下のような症状が現れます。 頚部痛、背部痛、腰痛などの痛み 発熱 倦怠感 背部の腫れや圧痛 神経症状(しびれ、筋力低下、歩行障害) 排尿・排便障害 前述のとおり、化膿性脊椎炎の代表的な症状は腰背部痛や高熱です。しかし、化膿性脊椎炎が進行すると、膿が形成されて神経を圧迫し、麻痺症状が現れる可能性もあります。また、重症化すると排尿や排便障害を引き起こすケースもあるため注意が必要です。 化膿性脊椎炎の原因 化膿性脊椎炎の主な原因は細菌感染です。多くの場合、血液の流れを介して細菌が脊椎に到達する「血行性感染」によって発症します。血液中に侵入した細菌が椎体や椎間板に感染すると、炎症して骨の破壊や膿の形成を引き起こします。 原因菌として最も多いのは黄色ブドウ球菌です。ほかにも、大腸菌や緑膿菌、肺炎球菌などが原因となる場合があります。これらの細菌は、皮膚の傷口や尿路、肺炎、手術や注射の際の感染など、体内のさまざまな部位から血液の流れに乗って脊椎に到達するケースが一般的です。 また、以下のような方は感染リスクが高くなるため注意が必要です。 高齢者 糖尿病や腎不全などの基礎疾患がある方 長期間ステロイドや免疫抑制剤を使用している方 免疫力が低下している方 人工関節やカテーテルなどの医療機器を使用している方 これらの要因が重なると、体内で細菌が繁殖しやすくなり、脊椎への感染リスクが高まります。とくに原因不明の背中の痛みや微熱が続く場合は、初期の化膿性脊椎炎が疑われるでしょう。 化膿性脊椎炎における完治期間の目安 化膿性脊椎炎の完治までの期間は、一般的に約6週間が目安とされています。(文献1)ただし、感染の進行度や病型、治療開始のタイミングや基礎疾患の有無によって回復までの期間には個人差があります。 発症から早期に適切な治療を開始できた場合は、6〜8週間程度の静養で回復するケースも珍しくありません。一方で、感染が広がって骨や椎間板の破壊が進行している場合には、長期の入院や手術が必要になる場合もあります。 化膿性脊椎炎は、早期発見と迅速な治療が予後を左右する疾患です。腰背部痛や発熱が長引く場合は放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。 化膿性脊椎炎の診断基準 化膿性脊椎炎は、問診と身体所見に加えて血液検査や画像検査、細菌学的検査を組み合わせて診断するケースが一般的です。(文献2) 血液検査 血液検査では、体内で感染や炎症が起きていないかを詳しく調べます。 化膿性脊椎炎が疑われる場合、CRP値(C反応性タンパク)が診断基準の一つになります。CRP値が上昇している場合は、体内で細菌感染や炎症が起きていると判断できるためです。 なお、血液データは化膿性脊椎炎の経過観察に活用し、治療効果の判定にも役立てられます。 細菌学的検査 細菌学的検査では、椎間板や椎体周囲の組織、あるいは血液から採取した検体を培養し、感染の原因となっている細菌を特定します。これにより、どの抗菌薬が最も効果的かを判断でき、治療の精度を高めることが可能です。 また、培養結果は感染の広がりや再発リスクの評価にも役立ちます。化膿性脊椎炎の治療では、細菌学的検査を基に抗生剤の種類や投与期間を決定し、より安全で効率的な回復を目指します。 画像診断 画像診断は、化膿性脊椎炎の早期発見と治療方針の決定に不可欠です。 とくに、MRI検査は椎間板や椎体の炎症、周囲組織への膿瘍形成の有無を詳細に把握でき、初期段階でも感染部位の変化を検出できる点が特徴です。一方、X線検査は骨の破壊や変形など進行した病変を確認するのに有効ですが、初期の炎症や微細な損傷は映りにくいため、早期診断にはMRIが推奨されます。 化膿性脊椎炎の診断後には、これらの検査結果を総合して治療計画が立てられます。 化膿性脊椎炎の治療法 化膿性脊椎炎の治療の目的は、主に感染の制御と脊椎の安定化です。以下で、化膿性脊椎炎の主な治療法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。 抗生剤の投与 化膿性脊椎炎の基本治療は、抗生剤を使った保存療法です。(文献2)抗生剤の投与によって原因菌を早期に抑制できると病変の進行を防げます。 投与方法 治療初期には点滴で集中治療をおこなう 症状が落ち着いたら内服薬に切り替える場合もある 投与期間 通常6週間以上にわたって投与する 症状や感染の広がりによって投与期間を延長する場合もある 抗生剤の選択 血液検査や細菌培養の結果を参考に抗生剤を選択する 治療の経過に応じて抗生剤を変更する場合もある 化膿性脊椎炎の治療では、発症初期に適切な抗生剤を使用して症状の改善を図ると、骨や神経へのダメージを最小限に抑えられます。ただし、抗生剤の投与はアレルギー反応や消化器症状といった副作用のリスクもあるため、定期的に治療効果を確認しながら治療を進める必要があります。 コルセット療法 コルセット療法は、化膿性脊椎炎の治療において脊椎への負担や痛みを軽減するための補助的手段です。装具を使って背中や腰を固定すると、炎症部位の安静を保てるほか、日常動作や歩行時の痛みを和らげられます。 ただし、コルセットを長期間使用すると体幹の筋肉を十分に使わずに姿勢を支えることになるため、関節の柔軟性や筋力の低下を招くリスクがある点に注意が必要です。 そのため、医師や理学療法士の指導のもとで使用期間やコルセットの締め付け具合を調整し、必要に応じてリハビリテーションを組み合わせる必要があります。 リハビリテーション 化膿性脊椎炎の治療では、理学療法士や作業療法士が介入してリハビリテーションをおこないます。とくに、回復期のリハビリテーションは日常生活への復帰に向けて欠かせません。炎症が落ち着いたあとも、筋力の低下や関節の硬さが残る場合があり、放置すると動作制限や再発のリスクが高まるためです。 急性期はまず安静を保ち、主にベッド上で手足の関節を軽く動かす運動から始めます。その後、関節可動域訓練や段階的な歩行訓練を実施し、筋力やバランス機能を回復させます。また、日常生活での安全な動作や姿勢の指導も実施し、自宅復帰を目指す流れが一般的です。 継続的なリハビリテーションにより、再発リスクを抑えつつ、早期の日常生活への復帰が期待できます。 手術療法 化膿性脊椎炎によって麻痺症状が現れたり骨破壊が進行したりしている場合は、手術療法も検討されます。抗生剤の投与で改善が難しい症例においては、手術によって脊椎の安定化や感染の進行防止を図る必要があるためです。 化膿性脊椎炎における手術療法には、主に2つの方法があります。 手術方法 内容 脊椎固定術 病変部の脊椎を金属などで固定する 脊椎の安定化や変形防止などを目的におこなう 経皮的病巣掻爬洗浄術(けいひてきびょうそうそうはせんじょうじゅつ) 感染部位の膿や壊死組織を除去する 感染の進行防止や炎症の軽減などを目的におこなう なお、手術後も抗生剤の投与を継続することで、化膿性脊椎炎の再発防止と回復促進につながります。 化膿性脊椎炎の治療における再生医療の可能性 近年、化膿性脊椎炎の治療においても再生医療が注目されています。再生医療には、幹細胞を採取・培養して注射する幹細胞治療や、血液から血小板を分離して作製した多血小板血漿(PRP)を利用するPRP療法があります。 再生医療は、手術せずに化膿性脊椎炎を治したい方や従来の治療法で期待した効果が得られない方の選択肢になるでしょう。 ただし、保険適用外の治療も多いため、専門医との十分な相談が必要です。なお、当院の幹細胞治療では、米粒2〜3粒ほどの脂肪から治療に必要な量の細胞を培養でき、身体への負担が少なくて済みます。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。化膿性脊椎炎の治療法についてお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 化膿性脊椎炎は早めに受診して重症化を防ごう 化膿性脊椎炎は、細菌感染により脊椎や周囲組織に炎症が起こる疾患で、腰痛や発熱、手足のしびれなどの神経症状が現れます。 化膿性脊椎炎が疑われる場合は、早期に検査し、適切な治療を受けることが重症化の予防につながります。化膿性脊椎炎の治療は、抗生剤の投与をはじめ、コルセット療法やリハビリテーションなどの保存療法が基本です。ただし、重症化した場合には、必要に応じて手術療法や再生医療などを検討しなければなりません。 症状の改善と日常生活へのスムーズな復帰を目指すためにも、化膿性脊椎炎は早めに受診して重症化を防ぎましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。化膿性脊椎炎の症状でお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 化膿性脊椎炎に関するよくある質問 化膿性脊椎炎になると後遺症が出ますか? 化膿性脊椎炎では、手足のしびれや痛み、運動能力や筋力の低下、排尿障害などの後遺症が出る場合があります。(文献3)とくに、膿の形成によって神経が圧迫されている場合は症状が長引く傾向にあります。 化膿性脊椎炎の後遺症を防ぐためには、早期に適切な抗生剤治療やリハビリをおこない、日常生活への影響を最小限にすることがポイントです。 化膿性脊椎炎で寝たきりになることがありますか? 化膿性脊椎炎は、治療が遅れると激しい腰背部の痛みや発熱に加え、神経障害が進行して歩行が困難になり、長期間寝たきりになるリスクがあります。とくに、高齢者や基礎疾患がある方は重症化しやすいため注意が必要です。 しかし、早期に適切な抗生剤治療やリハビリテーションをおこなうことで、症状の改善や回復が期待できます。 参考文献 (文献1) 化膿性脊椎炎の診断におけるMRIの有用性:3例報告|日臨救急医会誌 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsem/20/6/20_757/_pdf (文献2) 四肢麻痺を呈した頸部化膿性脊椎炎の1例|日救急医会誌 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjaam/18/9/18_9_671/_pdf (文献3) 化膿性脊椎炎と診断されて手術に至った30症例の検討|日本ペインクリニック学会誌 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspc/32/6/32_24-0044/_pdf/-char/ja
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側弯症(そくわんしょう)とは、背骨が左右に曲がり、ねじれが加わった状態を指します。 とくに、思春期の子どもに多く見られ、見た目に明らかな変化が出る一方で、痛みが少ないため見過ごされるケースも少なくありません。 進行して症状が重度になると、生活に支障が出る恐れもあり注意が必要です。 本記事では、側弯症の定義や種類、症状、診断方法、治療法、日常生活での注意点までを詳しく解説します。 正しい知識を身につけて、子どもの健やかな成長を支えてあげましょう。 なお、側弯症の進行に伴う神経症状や手術後の神経損傷に対しては、再生医療という治療の選択肢もあります。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しているので、ぜひご登録ください。 側弯症とは 背骨が本来のまっすぐな状態から左右に曲がり、ねじれも加わって骨格が変形する状態が「側弯症」です。 とくに、成長期の子どもに多く見られ、放置すると曲がりが進行し、姿勢の悪化や将来の健康に影響を及ぼす可能性があるため注意しなければなりません。 学校検診の前屈検査で発見されることが多く、早期発見が治療の鍵です。 側弯症には、大きくわけて以下のような種類があります。 種類 特徴 特発性側弯症 原因不明。全体の約6~7割を占め、思春期の女子に多く見られる(文献1) 先天性側弯症 背骨の形成異常により、生まれつき曲がっている 神経・筋原性側弯症 脳性麻痺や筋ジストロフィーなどに伴って起こる 側弯症の種類によって対応が異なるため、専門医による正確な診断が必須です。 側弯症の原因 側弯症の原因はひとつではなく、いくつかのタイプに分類されます。 種類によって発症の背景が異なるため、適切な治療を行うには原因の特定が欠かせません。 構築性脊柱側弯症 特発性側弯症 ・原因が明らかではない側弯症 ・10〜15歳の女子に多く、成長期に急速に進行する場合がある 症候性側弯症 ・先天的な背骨の奇形や、筋ジストロフィー・脳性麻痺などの病気に伴って起こる ・基礎疾患への対応も必要 機能性側弯症(構築性ではない側弯症) ・背骨自体に異常はなく、姿勢や脚長差、痛みなど一時的な要因で背骨が曲がって見える ・原因が解消されると、自然に改善する 上記のように、側弯症が構造的な問題によるものか、一時的な状態かを区別し、原因に応じた対処が大切です。 側弯症の原因については、以下の記事でも詳しく解説しています。 側弯症の症状 側弯症は、進行しても痛みを感じにくい特性があります。 本人や家族が気づかないまま、見過ごされるケースも少なくありません。 ただし、見た目に明らかな変化が現れる場合もあり、以下のような代表的な外見上の変化を見逃さないように注意しましょう。 肩の高さが左右で異なる 肋骨や肩甲骨の片側が突出して見える ウエストラインが左右で不均等になっている 骨盤の高さが左右非対称になっている 上記のような変化は、学校の前屈検査や保護者によるセルフチェックで気づくケースが多く、早期発見のきっかけになります。 なお、側弯症が進行して背骨の湾曲で胸郭が変形すると、以下のような健康上の問題が起こる可能性があるため注意が必要です。 肺が圧迫され呼吸が浅くなる、息切れしやすくなる 心臓や肺の機能が低下する また、胃や腸が圧迫されて消化不良や便秘を引き起こすなど、まれに消化器系に重度な影響が生じるケースもあります。 大人の側弯症の症状 大人の側弯症は、思春期に発症して成長後もゆっくりと進行するケースと、大人になってから新たに発症するケースに分けられます。 大人になってから発症するケースは、加齢に伴う骨や椎間板の変性、姿勢の崩れなどが原因です。 背骨のゆがみにより体のバランスが崩れ、以下のような症状が現れる場合があります。 腰や背中の慢性的な痛み 長時間の立位や歩行での疲労感 身体の左右差による服のずれ 神経圧迫による足のしびれや筋力低下 大人の側弯症は、見た目の変化よりも日常生活への影響が現れやすい点が特徴です。 痛みや不調を感じた場合は、早めに整形外科を受診しましょう。 側弯症の症状や治療法については、以下の記事でも詳しく解説しています。 側弯症の診断 側弯症の診断では、まず問診と身体検査を行い、X線で背骨の湾曲の程度を確認するレントゲン検査で確定診断されます。 身体検査は、背中の左右差や隆起の有無を観察する「前屈検査(前屈テスト)」が基本です。 レントゲン検査では背骨の曲がりの程度を示す「コブ角」という角度を測定し、湾曲の程度を数値化することで、治療方針を決定します。 なお、全国の中学校では2016年度から「運動器検診」が導入されており、検診をきっかけに医療機関を受診する児童生徒が増加しています。(文献2) とくに、成長期の子どもは側弯症が進行しやすいため、学校検診の結果を軽視せず、整形外科で正確な評価を受けましょう。 側弯症の治療法 側弯症の治療は、発症年齢や側弯の進行度によって異なります。 主に「思春期特発性側弯症」と「変性側弯症」に分けて治療方針が立てられ、次の治療法があります。 装具治療:進行を抑える目的で使用され、成長期の子どもに有効 運動療法:筋肉のバランスを整えるリハビリやストレッチ 手術:重度の湾曲や症状が進行した場合に検討 以下で、それぞれ詳しく解説します。 思春期特発性側弯症の治療法 思春期特発性側弯症は、成長期に突然現れる原因不明とされる側弯症です。 多くは痛みがなく、学校検診がきっかけで発見されるケースが少なくありません。 治療方針は主に、背骨の曲がりの角度「コブ角」によって決まります。 軽度(おおむね20度未満):定期的な経過観察 中等度(おおむね20〜40度):装具による治療 重度(おおむね40度以上):進行防止のため、進行状況で個別に手術を検討(文献3) とくに、成長期の子どもは軽度な状態で早期に治療を開始することで、進行を抑えられる可能性が高くなります。 中程度の場合は、装具を使用しながら日常生活を過ごせます。 ただし、重度になると手術が検討されるため、やはり早期発見と治療が欠かせません。 変性側弯症の治療法 変性側弯症は、加齢による椎間板や関節の変形が原因で、背骨が徐々に曲がっていく病気です。 中高年に多く見られ、慢性的な腰痛や神経症状を伴うケースがあり、状態に応じて以下のような対処法が検討されます。 初期〜中等度:痛みの緩和を目的とした薬物療法や運動療法 重度または神経症状あり:神経の圧迫を除去する手術を検討 治療は、症状の程度や日常生活への影響をもとに個別に判断されます。 定期的な整形外科の受診とあわせて、筋力を維持するための運動が進行予防に役立ちます。 側弯症でやってはいけないこと|腰痛に注意 側弯症は、軽度であれば日常生活に大きな制限はありませんが、日常の行動が腰痛を発症させる場合があります。 とくに、中高年の変性側弯症では、以下のような行動を避けてください。 避けるべき行動 理由 長時間の同じ姿勢 座りっぱなしや前かがみの姿勢は、背骨に負担をかける 過度な運動や重い荷物の持ち運び 左右非対称な負荷が、背骨をさらにゆがませる可能性がある 柔軟性の低いマットレスや寝具 体にフィットしない寝具は、腰や背中に悪影響を与えることがある 上記のような行動を避けるのとあわせて、痛みが出ている場合は無理せず整形外科で適切な指導を受けましょう。 側弯症でやってはいけないことについては、以下の記事も参考にしてみてください。 まとめ|側弯症が気になるから早めに受診しよう 側弯症は、正しく理解して適切に対処すれば、日常生活に大きな支障をきたさずに過ごせます。 とくに思春期特発性側弯症は、成長期に進行を抑えることが重要です。 学校検診やセルフチェックを通じて早期に気づいたら、整形外科を受診してください。 もし側弯症と診断されても、過度に不安になる必要はありません。 今回の記事を参考にしていただき、正しい知識と行動で改善を目指しましょう。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、側弯症の進行に伴う神経症状や手術後の神経損傷に対して再生医療による治療を行っています。 公式LINEでは、再生医療に関する情報や簡易オンライン診断をご利用いただけますので、 ぜひ登録してお試しください。 側弯症に関するよくある質問 側弯症に美人が多いという噂は本当ですか? 「側弯症の人は美人が多い」という説には、医学的な根拠は一切ありません。 思春期特発性側弯症は、やせ型の女子に多い傾向があるため、体型的な特徴からそのようなイメージが広まった可能性があります。 このような噂は一部の印象に過ぎず、科学的なデータに基づくものではない点を理解しておきましょう。 側弯症は老後に悪化することはありますか? 側弯症は、老後に悪化するケースがあります。 思春期に発症した側弯症が軽度でも、高齢期に入ると背骨や椎間板の変形により、少しずつ湾曲が進行する場合があるのです。 加齢による筋力の低下と、姿勢の悪さが主な要因となります。 定期的な整形外科でのチェックと適度な運動、正しい姿勢を保つ意識が大切です。 側弯症は寿命に影響しますか? 側弯症そのものが、直接寿命を縮めるという医学的根拠はありません。 しかし、進行して重度になると、肺や心臓の機能低下、慢性的な腰痛や姿勢の悪化による活動量の低下など、間接的に健康に影響を及ぼす可能性があります。 とくに、高齢期に入ってからの側弯症悪化は、転倒や骨折のリスクにもつながるため注意が必要です。 早期発見と適切な治療、日常生活での管理が健康寿命を延ばすことにつながります。 側弯症はスポーツ禁止ですか? 側弯症だからといって、スポーツが全面的に禁止されるわけではありません。 むしろ、適度な運動は筋力の維持や姿勢の安定に役立つとされています。 医師による個別の指示がある場合を除き、痛みがなければ問題ありません。 ただし、片手で行うスポーツや左右非対称な動きが多い競技(テニス、ゴルフ、野球の投球など)は、背骨に偏った負荷がかかる傾向があります。 運動を継続する際は整形外科医と相談しながら、体に無理のない範囲で行いましょう。 側弯症でクッションを活用できますか? 長時間の座位が続くと、背骨に負担がかかりやすくなります。 姿勢を安定させるための骨盤サポートクッションや低反発クッションを使用すると、腰や背中への負担を軽減できる場合があるので試してみましょう。 ただし、クッションは補助的なアイテムとして活用するものであり、根本的な治療には医師の診断と指導が欠かせません。 関東地方で側弯症の名医を教えてください。 側弯症に関する治療実績が豊富な医師は存在しますが、「名医」と断定することは難しいのが現状です。 信頼できる医療機関を探すには、日本側彎症学会の公式サイトが参考になります。(文献4) 専門医が所属する医療機関一覧が掲載されており、関東地方などの地域や病院名から検索が可能です。 参考文献 (文献1) 「側弯症」|日本整形外科学会 (文献2) 学校での運動器検診|運動器の健康・日本協会 (文献3) SRS|Surgery (文献4) 医療機関一覧|日本側彎症学会
2025.10.15 -
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「化膿性脊椎炎はどれくらいで完治する?」 化膿性脊椎炎と診断された方の中には、上記のような疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 結論、化膿性脊椎炎の完治期間は早いケースで6週間が目安です。 しかし、細菌感染によって炎症を起こす化膿性脊椎炎では、背骨に感染が広がる可能性があるため、早期に適切な治療を受けることが重要です。 治療が遅れると神経損傷などの後遺症リスクが高まるため、早期回復を目指しましょう。 化膿性脊椎炎を早く治したい方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させることで、化膿性脊椎炎による炎症を抑制し、早期改善が期待できます。 化膿性脊椎炎の痛みやしびれを早く治したい 手術せずに化膿性脊椎炎を治したい 現在受けている治療で期待した効果が得られていない 再生医療は、手術や入院不要で治療を受けられるため、体への負担が少ない治療法として多くの方に選ばれている治療法です。 具体的な治療法については、当院リペアセルクリニックで無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは化膿性脊椎炎の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 化膿性脊椎炎の完治期間は最低6週間が目安 アメリカのガイドラインによると、化膿性脊椎炎の治療期間は6週間としています。(文献1)そのため、完治期間も最低6週間は必要です。 しかし実際には、化膿性脊椎炎の完治期間は病状により異なります。 2008年から2012年までに化膿性脊椎炎と診断され、抗菌薬投与した患者41例を参考にすると以下の通りです。なお、1週目までの感染症の程度を示すCRP値の改善率が中央値以上の方を「良好群」、中央値以下の方を「不良群」と定義しています。 病状 症例数 治療期間の平均 良好群 20例 約38日 不良群 21例 約70日 (文献2) 以上のように不良群は、明らかに治療期間が延長しています。 化膿性脊椎炎の入院期間の目安 化膿性脊椎炎の入院期間について、2001年から2009年までの9年間における化膿性脊椎炎患者100例の調査内容を参考に、以下の表にまとめました。 症例数 入院期間の目安 27例 1カ月以内 33例 1〜2カ月 22例 2〜3カ月以内 9例 3カ月以上 (文献3) 発症から受診までの期間が短いほど入院期間は短い傾向であるため、完治するまでの時間も短くなると考えられます。 しかし、近年の治療では患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させる再生医療によって、化膿性脊椎炎の早期改善が期待できます。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 化膿性脊椎炎の痛みやしびれを早く治したい 手術や入院をせずに化膿性脊椎炎を治したい 再生医療は日帰りで治療を行えるため、手術や長期間の入院をせずに化膿性脊椎炎の改善を目指せます。 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼化膿性脊椎炎を早く治したい方は再生医療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 化膿性脊椎炎の発症部位別の治療期間 化膿性脊椎炎の発症部位別の治療期間について、2007年から2018年の11年間における入院加療をした化膿性脊椎炎患者117例の調査内容を参考に、以下の表にまとめました。 発症部位 症例数 治療期間の目安 頚椎 17例 約53日 胸椎 28例 約66日 腰椎 76例 約63日 (文献4) 発症部位別の治療期間に明らかな差はありません。 化膿性脊椎炎の原因菌別の治療期間 化膿性脊椎炎の原因菌別の治療期間について、2007年から2018年の11年間における入院加療をした化膿性脊椎炎患者117例の調査内容を参考に、以下の表にまとめました。 原因菌の種類 治療期間の目安 MRSA 約151日 MSSA 約48日 連鎖球菌 約48日 大腸菌 約64日 不明群 約44日 (文献4) 原因菌別で見ると、MRSAが他の菌と比較して明らかに治療期間が延長しています。 化膿性脊椎炎の病型別の治療期間 化膿性脊椎炎の多くは抗菌薬の投与により70〜90%で症状の改善が期待できますが、それぞれ治療期間の目安は異なります。(文献5) ここからは、病型別の治療期間の目安を解説します。 急性発症型 急性型の治療期間の目安は約72日です。(文献4)急性型は、高熱や激しい頚部痛、背部痛、腰痛などで発症するタイプです。 急性型の化膿性脊椎炎は、以下のような痛みが突然現れます。 夜も眠れないほどの痛み 座れないほどの痛み 歩けないほどの痛み 以上のような症状が現れたら急性型を疑い整形外科を受診してください。急性型は、亜急性型と慢性型と比較すると発症する割合は少ない傾向にあります。 亜急性発症型 亜急性型の治療期間の目安は約42日です。(文献4)亜急性型は37度台の微熱や頚部痛、背部痛、腰痛などで発症するタイプです。痛みや発熱が軽度であるからといって、放置すると重症化する恐れがあります。 以下のような症状がある場合は医療機関を受診してください。 体勢を変えても腰痛などが治まらない 背中をたたくと背部痛などが増す 長期間にわたり腰痛がある また、亜急性発症型は脊椎カリエスと間違えやすい傾向です。脊椎カリエスとは結核菌が原因で、発症する部位や症状が異なります。脊椎カリエスの場合は、微熱や食欲不振、倦怠感などの症状が現れますが、腰痛などが起きることは少ないです。 慢性発症型 慢性発症型の治療期間の目安は約55日です。(文献4) 慢性型は、発熱は見られず軽微な腰背部痛のみで発症するなど、気づきにくい特徴があります。 とくに糖尿病などの免疫機能が下がる病気を持っている方で、長期間の腰や背中の痛みに悩まされている方は、慢性型を疑い一度医師に相談しましょう。 なお、慢性型は亜急性型と同様に脊椎カリエスと間違えやすい傾向にあります。 化膿性脊椎炎は、糖尿病や慢性腎疾患を持っている方、高齢者などの免疫機能が低下している方は、悪化のリスクが高いです。疑われる症状が現れたら速やかに医療機関を受診してください。 化膿性脊椎炎の治療方法 化膿性脊椎炎の治療方法には保存療法と手術療法があります。それぞれの詳細を解説します。 保存療法 化膿性脊椎炎の治療は、保存療法が原則です。保存療法において重要な点は以下の通りです。 保存療法 詳細 適切な期間の抗菌薬の投与 適切な診断と適切な期間の抗菌薬の投与が重要。抗菌薬の投与が4週間未満であると再発率が25%に上るとの報告があるため。(文献1) 安静の保持 安静の保持は骨破壊防止と感染の鎮静化につながる。骨破壊とは細菌感染により脊椎が破壊されること。骨破壊が進むと後遺症を残す恐れもある。 手術療法 手術療法には以下のようなものがあります。 手術療法 詳細 脊椎固定術 感染部位をスクリューとロッドで固定して、骨の安定性を高めて骨破壊を防ぐ。感染を抑える働きもある。 経皮的病巣掻爬洗浄術 (けいひてきびょうそうそうはせんじょうじゅつ) 感染部位に溜まっている膿や炎症している組織を掻き出して洗浄する治療。 以下の状態となっている場合は、手術療法が検討されます。 2〜3週間実施した保存療法に効果が見られない 麻痺症状が現れている 骨破壊が進んでいる 麻痺症状や骨破壊の進行であれば手術の適応判断が容易です。しかし、保存療法の効果が見られない場合の手術の適応判断は難しいと言われています。 化膿性脊椎炎を早く完治させたい方は再生医療も選択肢の一つ 化膿性脊椎炎をいち早く治したい方は、先端医療である再生医療による治療を検討してみましょう。 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させることで、化膿性脊椎炎の早期改善が期待できます。 また、患者さまの細胞や血液のみを使うことで拒絶反応やアレルギーリスクが少ない治療法です。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 化膿性脊椎炎の痛みやしびれを早く治したい 手術せずに化膿性脊椎炎を治したい 現在受けている治療で期待した効果が得られていない 再生医療は「化膿性脊椎炎を手術せずに治したい」「現在の治療で期待した効果が得られていない」という方の新たな選択肢となる可能性があります。 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼化膿性脊椎炎を早く治したい方は再生医療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる まとめ|化膿性脊椎炎の完治期間は病状により変動する 化膿性脊椎炎の完治期間は、病状により治療期間は大きく変動し、早いケースで6週間が目安となります。 細菌感染によって炎症を起こす化膿性脊椎炎では、背骨に感染が広がる可能性があるため、適切な治療を継続することが重要です。 また、近年の治療では、化膿性脊椎炎を早く治せる可能性があるとして、再生医療が注目されています。 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させることで、化膿性脊椎炎の早期改善を目指せます。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 化膿性脊椎炎の痛みやしびれを早く治したい 手術せずに化膿性脊椎炎を治したい 現在受けている治療で期待した効果が得られていない 「化膿性脊椎炎を手術せずに治したい」「現在の治療で期待した効果が得られていない」という方の、新たな選択肢として再生医療を検討してみましょう。 具体的な治療法については、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。 ▼化膿性脊椎炎を早く治したい方は再生医療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 参考文献 (文献1) 化膿性脊椎炎の診断におけるMRIの有用性:3例報告|日臨救急医会誌 (文献2) 化膿性脊椎炎における治療開始初期のCRP値改善率と保存的治療期間との関係について|日本脊椎脊髄病学会 (文献3) 当院における化膿性脊椎炎100例の検討|昭和医会誌 (文献4) 当院における化膿性脊椎炎の集学的治療 ―11年間11 例の検討―|日本脊椎脊髄病学会 (文献5) 保存治療に抵抗する急性型化膿性脊椎炎の予後予測|日本脊椎脊髄病学会
2025.07.31 -
- 脊椎
- 脊椎、その他疾患
「化膿性脊椎炎に後遺症はある?」 「再発のリスクを下げる方法も知りたい」 化膿性脊椎炎は手足のしびれや痛み、運動能力の低下などの後遺症が発生する場合があります。これらの後遺症を発生させないためには、早期発見や適切な治療、リハビリテーションが重要です。 後遺症が発生してしまった際は、医師やリハビリスタッフの指示のもとで適切なリハビリテーションを進めることが大切です。本記事では、化膿性脊椎炎に関する以下のことを解説します。 後遺症について 後遺症に対するリハビリテーション 治療において安静が重要な理由 再発リスクを下げる方法 再発を早期発見するポイント 化膿性脊椎炎の後遺症や再発リスクの理解を深めるために本記事を役立ててください。 手足のしびれや痛みなど、化膿性脊椎炎の後遺症にお悩みの方へ。当院では再生医療という治療選択肢をご提案しています。 化膿性脊椎炎の後遺症のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 化膿性脊椎炎の後遺症は手足のしびれや痛み 化膿性脊椎炎の後遺症には以下のようなものがあります。 手足のしびれや痛み 運動能力の低下 筋力の低下 排尿障害 化膿性脊椎炎を発症した方の約1/3は、神経症状の後遺症に悩まされていると報告があります。(文献1) 後遺症を発生させないためには、早期発見と適切な治療が重要です。治療が遅れると脊椎に元に戻らない変化が起きてしまう恐れがあるためです。その場合、たとえ治療を行っても、神経症状などの後遺症は期待通りに回復しない恐れがあります。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報発信や簡易オンライン診断を実施しています。気になる症状がある方は、ぜひ一度お試しください。 化膿性脊椎炎の後遺症に対するリハビリテーション 化膿性脊椎炎の後遺症によるしびれや痛みに対するリハビリテーションでは、脊椎への負担を軽減しながら、日常生活動作を安全に行えるようにすることが重要です。 具体的には以下のようなアプローチがあります。 正しい姿勢の維持:背骨に負担のかからない姿勢を意識する 重いものを持つ動作の工夫:腰を曲げずに膝を使って持ち上げる 長時間同じ姿勢を避ける:定期的に姿勢を変え、休息をとる 体幹筋力の強化:医師の指導のもと、背骨を支える筋肉を鍛える 痛みが出たら無理をしない:症状悪化を防ぐため適切に休息する 以上のリハビリテーションはあくまで一例です。必要なリハビリテーションは人それぞれ異なるため、医師やリハビリスタッフに相談しながら進めましょう。 化膿性脊椎炎の治療において安静が重要な理由 化膿性脊椎炎の治療において安静が重要な理由は、骨破壊(細菌感染により骨が破壊されること)を防止するためです。また、脊椎を安定させることにより感染の鎮静化に役立つとされています。(文献3) 実際に、徹底した安静臥床と適切な抗菌薬の治療による保存療法で、良好な治療成績を得られると報告があります。(文献7)しかし、化膿性脊椎炎の治療において、多くの場合に感染部位の安静を保持できていないのが現状です。 安静を保つために、例えば脊椎の場合は体幹ギプスや硬いコルセットを着用することがあります。 化膿性脊椎炎の再発リスクを下げる方法 化膿性脊椎炎の再発リスクを下げる方法は、適切な期間治療を受けることです。化膿性脊椎炎は、医師の診察や画像による診断が難しく、原因不明の発熱として見過ごされやすいです。その結果、十分な期間の抗菌薬の投与ができず再発してしまうこともあります。 実際に抗菌薬の投与による治療が4週間未満である場合は、再発率25%に上ると報告があります。(文献4)適切な診断を受けて必要な期間の抗菌薬の投与をしてもらうために、脊椎等を専門とする医師に相談したほうが良いでしょう。 化膿性脊椎炎の再発を早期発見するポイント 化膿性脊椎炎の再発に気づかず治療が遅れてしまうと、後遺症が発生するリスクがあるため早期発見が重要です。早期発見するポイントは以下の通りです。 基本的な症状を理解する 症状の特徴を理解する それぞれの詳細を解説します。 基本的な症状を理解する 化膿性脊椎炎には3つの型があり、それぞれ発症の仕方が以下のように異なります。 症状の発症の仕方 急性発症型 激しい頚部痛、背部痛、腰痛などの痛みと高熱で発症する。 亜急性発症型 頚部痛、背部痛、腰痛などの痛みと微熱で発症する。 慢性発症型 軽微で治りにくい頚部痛、背部痛、腰痛などの痛みと間欠的な発熱(発熱したり解熱したりすること)で発症する。 痛みの部位は感染の場所により異なります。以上のような症状が現れたら再発を疑いましょう。なお、化膿性脊椎炎の好発部位は、腰椎が最も多く50%以上、胸椎が30%強、頚椎が10%ほどです。(文献5) 症状の特徴を理解する 化膿性脊椎炎の症状の特徴は、腰痛や背部痛などの痛みがいくら時間がたっても治まらないことです。ぎっくり腰などでは体勢を変えると痛みは軽減しますが、化膿性脊椎炎ではどんな体勢をとっても改善はしません。 退院後に以下のような症状が現れた場合は再発を疑ってください。 高熱や微熱、間欠的な発熱などのいずれかが現れている 頚部痛、背部痛、腰痛などの痛みが現れており、体勢を変えても改善しない このような症状が現れている場合は、再発を疑い整形外科を受診しましょう。 化膿性脊椎炎の予後 化膿性脊椎炎は、かつては感染の長期化や再発が多いことに加えて、敗血症(はいけつしょう:感染症が原因で全身の臓器に障害が及ぶ状態)などにより予後が不良な病気でした。 しかし、近年では適切な抗菌薬の投与や手術療法により、死亡率が5〜16%と予後の改善が見られています。(文献6)とはいえ、診断が診断が遅れて適切な治療を迅速に開始できなかった場合、重度の敗血症を合併することはあります。 化膿性脊椎炎は、早期発見と適切な治療により予後が大きく左右されます。前述した症状が現れた際は、化膿性脊椎炎を疑い速やかに整形外科を受診してください。 まとめ|適切な治療とリハビリで後遺症を最小限に抑えよう 化膿性脊椎炎の後遺症は、手足のしびれや痛み、運動能力の低下、筋力の低下などです。 化膿性脊椎炎の後遺症を発生させないためには、早期発見と適切な期間の抗菌薬の投与が重要です。 適切な期間の治療により、再発リスクを下げることもできます。治療中は悪化を防ぐために安静を保持しましょう。 発生してしまったしびれや痛みに対しては、リハビリテーションを通して悪化させない方法を身につけることも大切です。 医師やリハビリスタッフの指示のもと適切な治療やリハビリテーションを進めましょう。 参考文献 (文献1) 化膿性脊椎炎と診断されて手術に至った 30 症例の検討|日本ペインクリニック学会誌 (文献2) 神経のリハビリ|JCHO東京高輪病院リハビリテーション (文献3) 化膿性脊椎炎における治療開始初期のCRP値改善率と保存的治療期間との関係について|日本脊椎脊髄病学会 (文献4) 化膿性脊椎炎の診断におけるMRIの有用性:3例報告|日臨救急医会誌 (文献5) 化膿性脊椎炎|日本脊髄外科学会 (文献6) 化膿性脊椎炎を契機に診断された感染性心内膜炎の1例|信州医学会 (文献7) 当院における化膿性脊椎炎100例の検討|昭和医会誌
2025.07.31 -
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40代〜50代を過ぎて、手足のしびれや肩から腕にかけての痛みに悩まされているという人もいるかもしれません。 その症状は「頚椎症性神経根症」の可能性があります。 頚椎症性神経根症と聞き、一見なじみのない病名に「いつごろ治るのか?」「手術は必要?」といった不安を感じる人もいるでしょう。 この記事では、頚椎症性神経根症が治るまでの期間目安や治療法について解説します。 頚椎症性神経根症の予防法についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 頚椎症性神経根症について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 頚椎症性神経根症はどれくらいで治る?3カ月程度が目安 頚椎症性神経根症のほとんどは、3カ月程度で症状が改善されます。 装具の装着やリハビリなどの保存療法を実施した患者様のうち60~90%は、自然に症状が良くなっています。(文献1) 一方で、保存療法によって症状が改善されない、もしくは悪化した場合は手術が検討されます。 頚椎症性神経根症とは? 頚椎症性神経根症とは、頚椎の形状が変化してしまうことで神経根が圧迫されて起こる疾患です。 頚椎の形状変化の主な原因は加齢によるものです。年を取ると頚椎椎間板の水分が失われ、変形や潰れなどが起こります。そのため、発症する人の多くは40代〜50代の中高年層です。また、姿勢の悪化も頚椎の形を変えてしまう原因として挙げられます。 頚椎症性神経根症の主な症状 頚椎症性神経根症の主な症状は以下の通りです。 肩から腕にかけて痛みがある 腕や手指がしびれる 上半身の筋力低下や感覚障害 首を後ろに反らすと激しい痛みを感じる 痛みの程度は軽い場合もあれば、日常生活が困難になるほどの激しい痛みまでさまざまです。 頚椎症性神経根症の診断方法 診断では頚椎症性神経根症で見られる腕や手指のしびれ、肩から腕にかけての痛みなどの症状を確認後、レントゲンやMRI検査を行います。 レントゲン撮影では頚椎の骨の形や骨と骨の間隔を確認し、MRI検査ではレントゲンでは映らない椎間板の状態や神経根が圧迫されているかどうかを確認します。 頚椎症性神経根症の治療法 頚椎症性神経根症にかかった場合、ほとんどの人がはじめに「保存療法」を行います。 保存療法とは、手術を伴わない治療法です。 保存療法を実施した60%〜90%の人がそのまま症状が良くなっていますが、数カ月経っても症状が良くならない場合ほかの治療法を検討する必要があります。 それぞれの治療法について、具体的にどのような治療を行うのか紹介します。 保存療法 保存療法では、頚椎を固定して負担を軽減するため「頚椎カラー」を首に装着し、頚椎周辺の痛みを緩和します。 痛みが強い場合、湿布の使用やロキソニン(ロキソプロフェン)をはじめとする炎症を抑える薬を服用することもあります。 そのほか、リハビリを併用するケースも多いです。 リハビリには、首を引っ張り圧迫されている神経を緩和する「牽引療法」や患部を温める「温熱療法」、電気による刺激を加える「電気治療」などが該当します。 ブロック注射 薬やリハビリ治療で症状が改善されない場合、神経に直接注射する「ブロック注射」をする場合もあります。 ステロイドと局所麻酔薬を注入し、神経の炎症を抑えます。 ごくまれに脊髄損傷などの合併症を伴うことがあるため、実施前にはリスクがあることも十分理解しておきましょう。 手術療法 保存療法やブロック注射を行っても痛みが軽減されず日常生活に支障をきたしている場合、手術も検討されます。 手術方法は主に「前方除圧固定術」と「後方除圧固定術」の2つがあります。 入院期間はいずれの治療も10日〜14日ほどです。 前方除圧固定術 首の前方から手術を行い、神経を圧迫している骨や椎間板を除去します。 その後、除去した骨によってできた隙間に人工骨や金属器具を挟み、金属製のプレートとネジで抑え込むことで固定する手術です。 ごくまれに手術の後遺症として、食道や気管への損傷、嚥下障害などが見られることがあります。 後方除圧術 頚椎症性神経根症では、脊髄の通り道である脊柱管が狭くなることで神経根を圧迫し、症状の原因になっていることがあります。このような状況では、首の後ろ側から切開して手術を行う後方除圧固定術が選択されます。 後方除圧術では、脊柱管を広げることで神経根の圧迫を和らげます。 場合によっては前方除圧固定術同様、固定を行う場合もあります。 頚椎症性神経根症に対する再生医療 頚椎症性神経根症に対しては、再生医療という治療選択肢もあります。 再生医療では、患者様の幹細胞を採取・培養して患部に注射します。他の細胞に変化する幹細胞の能力を活用した治療法です。 患者様自身の幹細胞を採取して利用するため、拒絶反応のリスクが比較的少ないのが特徴です。また、再生医療では手術や入院を必要としません。 頚椎症性神経根症に対する再生医療について詳しくは、以下が参考になります。 頚椎症性神経根症の人がやってはいけないこと 頚椎症性神経根症の人は、首を上下にそらす姿勢を長く続けないよう気を付けましょう。 たとえば、スマートフォンを触ったり読書をする際は下を向きやすいため、目の高さに合わせることを心がけてください。テレビを見る際は長時間首を上向きにする姿勢になりやすいため、こまめに休憩を挟むことを忘れないようにしましょう。 また、治療中の運動は症状を悪化させる可能性があるため、できるかぎり避けたほうが良いです。 頚椎症性神経根症の再発を防ぐためにできること 頚椎症性神経根症の再発を防ぐには、頚椎に負担をかけないことが重要です。 就寝時、うつぶせ寝や腕を枕にして横向きに寝る姿勢は頸椎に負担がかかりやすいため、仰向けで寝るようにしましょう。 また、枕の高さも頚椎に影響を与えます。自分に合った高さの枕を選んでください。 普段デスクワークの多い人は、長時間首を下に向ける姿勢をとることが多いため、こまめなストレッチを心がけてください。 デスクワーク以外でも、定期的な首〜肩周辺のストレッチは大切です。 【首のストレッチ方法】 片手で同じ側の肩を軽く押さえる 肩を押さえた反対側の斜め後ろに首をゆっくりと反らす その姿勢を10~15秒間キープする 首の前側が気持ちよく伸びているのを感じる 反対側も同様に行う 注意点として、無理に伸ばさず心地よい範囲で、痛みを感じたらすぐに中止してください。 まとめ|頚椎症性神経根症は3カ月ほどで改善する場合が多い!改善が見られない場合は専門の医師に相談を 頚椎症性神経根症とは、頚椎の形状変化によって神経根が圧迫され、手指のしびれや肩から腕にかけて痛みが発生する病気です。40代、50代以降の中高年によく見られます。 頚椎症性神経根症はほとんどの場合、3カ月ほどで症状が改善されます。治療は保存療法がメインで、頚椎カラーの装着や、ロキソニンなどの痛み止めの服用、リハビリを実施します。 日常生活の中でも頚椎に負担をかけない工夫が必要です。ずっと下を向く、もしくは上を向くような姿勢は避けましょう。 寝る際の姿勢も重要です。うつぶせ寝や腕を枕にして横を向いて寝ると頚椎に負担がかかります。仰向けで寝苦しいと感じる場合は枕が合っていない可能性があるため、自身の高さに合った枕を選びましょう。 数カ月経っても症状が良くならない、痛みがひどくなる場合は手術療法も検討されます。 手術を避けたい方には、再生医療という選択肢もあります。再生医療について気になる点などございましたら、お気軽にご相談ください。 治療においては医師と十分に相談し、自分自身に合った治療法を選択しましょう。 参考文献 (文献1) 頚椎症性神経根症(椎間板ヘルニア含む)の 外科治療に関する指針│脊髄外科
2025.07.31 -
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寝違えによる首や肩の痛みは、多くの人が経験する身近な症状です。朝起きたときの突然の痛みに困っているものの、すぐに医療機関を受診できない場合もあるでしょう。 そんなときに手軽にできる対処法の一つが湿布の使用です。 ただし、湿布を使う際は適切な使い方を理解し、やってはいけない行為を避ける必要があります。 本記事では、寝違えで湿布の使用が効果的なのかを、正しい使い方やNGな行為などとともに解説します。 ぜひ参考にして、つらい寝違えの症状を適切にケアしていきましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 長期化して治らない痛みやしびれなどお悩みの症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 寝違えに効果的な湿布の使い分け 起床した際に見舞われる首や肩の痛みである寝違えになった際、湿布は効果的な対処法の1つです。ただし、湿布を効果的に使うには、タイミングに応じて使い分ける必要があります。 急性期と慢性期の湿布の使い分けについて解説します。 【急性期】冷湿布などで患部を冷やす 強い痛みや炎症のような症状が出ている急性期の場合は、冷湿布などを使って患部を冷やすのがおすすめです。 寝違えの強い症状が出ている間は、患部付近の筋肉で痛みや炎症が起きています。このため、冷湿布を貼って症状を和らげる方法が一般的です。 冷湿布に消炎鎮痛成分が含まれている場合、成分が皮膚から吸収されることで症状の緩和が期待できます。ただし、冷やしすぎは逆に筋肉の緊張や血行の悪化をもたらすため、湿布の貼りっぱなしは避けましょう。 【慢性期】温湿布など患部を温める方法に切り替え 寝違えの症状が和らいだ後の慢性期に入ったら、温湿布などを活用して患部を温める方法に切り替えます。炎症が落ち着いた後は、逆に筋肉が固まるケースがあるためです。 症状が緩和した段階で温湿布を使えば、温熱によって血行が促進されるとともに筋肉の柔軟性が高められ、寝違えの再発を予防できます。 寝違えて湿布を使う際にやってはいけないNG行為 寝違えの対処法で湿布は効果が期待できるものの、いくつかやってはいけない行為があるため、注意が必要です。中でも以下のような行為は避けてください。 患部に多くの湿布を貼る 急性期に温湿布を使う 皮膚に異常がある場所に貼る 妊婦や子供の湿布使用 患部に多くの湿布を貼る できるだけ早く寝違えを治すために、患部に多くの湿布を貼るのは止めておきましょう。湿布には消炎鎮痛成分が含まれていて、貼るだけで薬剤のような効果を発揮するためです。 患部に多く貼った場合、多くの成分が皮膚を通じて浸透する分、体調に悪影響を及ぼす場合があります。種類にもよりますが、とくに大きいサイズであれば、多くても2、3枚程度の使用に留めるべきです。湿布は用法・用量を守って使いましょう。 急性期に温湿布を使う 温湿布は寝違え直後の急性期に使ってはいけません。急性期は寝違えの症状が強く出ているため、温湿布で温めると血行が促進されてかえって症状を悪化させるためです。 基本的には「急性期は冷湿布、慢性期は温湿布」と使い分ける必要があります。なお、冷湿布も長時間の使用は患部を冷やしすぎてしまうため、避けるべきです。長くても1時間程度ではがしましょう。 皮膚に異常がある場所に貼る 肌荒れやかぶれなど皮膚に異常がある場所に湿布を貼ることもNG行為です。肌荒れなどが見られる部分に直接湿布を貼った場合、湿布に含まれる成分の影響で皮膚の異常な状態がより悪化しかねません。 寝違えで痛む部位に肌荒れなどが見られるときは、少し離れた異常のないところに湿布を貼りましょう。 妊婦や子供の湿布使用 妊婦や子供の場合、寝違えがあっても湿布の使用は避けてください。 妊婦が湿布を使用すると、湿布に含まれる非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の成分が胎児に影響を与える可能性があります。また、子供に関しても、種類によって15歳未満であれば使用が禁止されている湿布もあります。 妊婦や子供の場合は湿布を慎重に使う必要があるため、どうしても使わなければいけないときは医師へ相談してください。 寝違えても湿布で治らないときの対処法 寝違えで湿布を使ってもなかなか治らないときは、湿布以外の対処法を試す必要があります。以下の方法と湿布を組み合わせた活用が大切です。 患部を安静にして過ごす 痛みが和らいだらストレッチ 患部を安静にして過ごす 患部が強く痛む状態が続いている場合は、患部を安静にして過ごします。症状が強く出ている時期は「急性期」に当たるため、あまり患部に刺激を与えることは避けるべきです。 この時期は冷たい湿布で患部を冷やすほか、楽な姿勢で患部を動かさないようにしましょう。「症状が強い状態が続くから」と、もみほぐしたりマッサージしたりすると、かえって症状が悪化します。 湿布を使いながら安静にしていても症状が続くようでしたら、無理せずに医療機関で専門医の診察を受けましょう。 痛みが和らいだらストレッチ 症状が落ち着いて慢性期に入ったら、温湿布のほかにストレッチを取り入れるのも一つの方法です。慢性期にはストレッチなどで患部を温めて血行の改善や筋肉の柔軟性の回復を図ることで、痛みの改善が期待できます。 痛みが和らいで間もないときは、首を無理のない範囲で動かすストレッチが向いています。以下のようなストレッチを試してみてください。 【胸の前のストレッチ】 両手を背中の後ろ側で組む 両肘を後ろに伸ばしながら、胸を前に突き出す 元に戻した後で、上記の動きを繰り返す 【広背筋のストレッチ】 両手を組んだ状態で両腕を上に伸ばす(座ったままでOK) 上の状態を維持しつつ左右どちらかに脇腹を伸ばすように傾ける 元に戻り1・2の方法を繰り返す(反対側に倒してもOK) 【首後面ストレッチ】 頭の後ろで両手を組む 両手で首をぐっと抑えながら、後面を伸ばしていく(呼吸は止めない) 元の姿勢に戻し、上記のやり方を繰り返す 寝違えが治らずお悩みの方には、以下の記事も参考になります。 寝違えを繰り返さないための予防法 辛い寝違えを繰り返さないようにするには、日頃から予防に取り組むことが大切です。以下の予防法があります。 予防法 概要 パソコンやスマホの長時間利用を避ける ・1時間に1度などとこまめに休憩を入れる ・休憩時間中にストレッチするのがおすすめ 入浴の見直し 冷やしすぎると筋肉の柔軟性が下がって、寝違えのリスクが高まる 体を冷やしすぎない ・できる限り湯船につかる ・就寝の2~3時間前までに入浴する お酒を飲みすぎない お酒は血流を悪くする分、寝違えのリスクを高める 睡眠環境を見直す ・枕は適度の高さや硬さのものを選ぶ ・ベッドマットや敷布団は硬さのあるものに ・ソファや椅子など布団以外の場所で寝ない 腕を使った運動・首や肩のストレッチ 血行の促進や筋肉の柔軟性の向上で寝違えのリスクを下げられる 上記の方法は、いずれも首や肩の筋肉の柔軟性を維持したり、血行を改善したりする点で寝違えの予防が期待できます。 まとめ|寝違えでは湿布を適切に使おう 寝違えに悩まされている場合、湿布は有効な対処法のひとつです。ただし、症状が強く出ているときは冷たい湿布を、症状が落ち着いた際には温湿布と、状況に合わせて適切に使う必要があります。 一方で湿布を使うときは、多く貼りすぎたり皮膚に異常のある部分に使用するなどのNG行為もある点にも注意しましょう。湿布だけで症状が改善しない場合は、安静にして症状が治まってきたらストレッチをするなど、他の方法もあります。 適切に湿布を使用して、寝違えの改善にお役立てください。 寝違えと湿布に関してよくある質問 湿布で寝違えが治らないときはどうする? 湿布で寝違えがなかなか治らないときは、症状が強ければ安静にしながら様子を見ましょう。それでも改善が見られない場合は医療機関の受診が必要です。 寝違えたときにおすすめの市販の湿布は? 寝違えて間もなく、強く痛むときにおすすめの市販の冷湿布に、「ロキソニンSテープ」や「ボルタレンEXテープ」などが挙げられます。両方とも1日1枚で効果が持続するとともに、肌にも優しいことで定評がある市販薬です。 症状が落ち着いてきた際に役に立つ温湿布の場合は、「フェイタスシップ温感」や「サロンパスEX」がおすすめできます。両方とも血行の促進が期待できるとともに、「サロンパスEX」は匂いが強くない点も魅力です。 首の寝違えで湿布を貼ってはいけない場所は? 首でも肌荒れやかぶれなど肌に異常が見られる部分には、湿布を貼ってはいけません。寝違えに使う湿布には薬剤が含まれているため、肌に異常が見られる部分に貼ると、肌荒れなどが治りにくくなります。 「首に湿布は危険」というのは本当? 基本的に首に湿布を貼る行為は危険ではありません。ただし、肌に異常がある部分に貼ったり、何枚も貼ったりするやり方は体調の悪化をもたらすことがあるため、避けましょう。
2025.07.31 -
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寝違えといえば、朝起きたときに首や肩が痛むイメージがあるものの、背中が痛むケースもあります。寝違えによる背中の痛みを感じると、首や肩の寝違えと同様に生活にも支障をきたすため、原因や対処法を知っていると便利です。 一方でやってはいけない対処法や予防法も理解しておくと、今後寝違えによる背中の痛みに備える意味でも役に立ちます。 本記事では、寝違えによる背中の痛みについて、ぎっくり背中との違いや治し方・予防法とともに解説します。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 突然の背中の痛みやしびれなどの症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 寝違えらしき背中の痛みは「ぎっくり背中」? 日常生活の中で、急に背中が寝違えのように痛むことがあります。この突然背中を襲う寝違えのような痛みは、「ぎっくり背中」の可能性があるため、注意が必要です。 ぎっくり背中は、ぎっくり腰と同様に急性の筋肉や筋膜の損傷で、正式には「筋・筋膜性疼痛症候群」と呼ばれます。 背中を巻き込む急な動きや姿勢の悪さ、ストレスの蓄積などが原因で背中の筋肉や筋膜に損傷や炎症をもたらすのが特徴です。睡眠不足が原因で生じることもあるため、背中の寝違えと混同される場合もあります。 「寝違え」と「ぎっくり背中」の違い 寝違えとぎっくり背中はよく似ているため、正確な違いの理解が大切です。両者には以下のような違いがあります。 寝違え ぎっくり背中 発生部位 首や肩が中心 背中 原因 睡眠中の不自然な姿勢 背中に強い負荷をかける急な動きや自律神経の乱れ(ストレス)、姿勢の悪さ 症状 目覚めたときの首や肩の痛み 背中の筋肉の緊張や炎症による痛み 発症する部位は首や肩であるか、背中であるかで明確に異なります。加えて、原因も寝違えが睡眠中の不自然な姿勢である一方、ぎっくり背中は急な動きや自律神経の乱れなどが主なものです。 寝違えで背中が痛む原因 寝違えによる背中の痛みの主な原因とされているものは、以下のとおりです。 急な動作による筋肉への過度な負担 不適切な姿勢による筋肉の緊張 水分不足や睡眠不足 自律神経の乱れ 内臓疾患の可能性 急な動作による筋肉への過度な負担 寝違えによる背中の痛みは、いきなり重い物を持つなどの急な動作をきっかけに生じることがあります。急な動作で背中の筋肉や筋膜に負担がかかり、それが解消されない状態で睡眠環境の悪さをきっかけに寝違えで背中が痛む流れです。 前日などに慣れない肉体労働やスポーツで急に体を動かすなどして、筋肉の緊張や微細な損傷、関節周辺の炎症が生じることが原因と考えられます。急な動作で違和感を感じたら、なるべく早めに医療機関で適切な処置を受けることが大切です。 不適切な姿勢による筋肉の緊張 長時間に及ぶ不適切な姿勢による筋肉の緊張も、寝違えによる背中の痛みを引き起こすことがあります。猫背のような不適切な姿勢が長時間続くと、重い頭を支える首や背中の筋肉に負担がかかるためです。とくに、パソコンでの作業やスマホでのコミュニケーション・ゲームが日常的な方は要注意です。 首や背中の筋肉に負担がかかると筋肉は常に緊張し、血流の悪化や筋肉の柔軟性の低下を招きます。柔軟性の低下によって筋肉の緊張が続く分、寝違えが起こるリスクが高まり、背中まで痛むケースも増えます。 水分不足や睡眠不足 水分や睡眠が足りていない場合も、寝違えで背中が痛む原因です。水分を十分にとっていないと、血管中の血液の粘度が上がり、血流が悪くなります。血流の悪化で首や背中の筋肉に十分な血液がいきわたらないと、筋肉が硬くなって緊張し、不自然な寝方を機に寝違えを引き起こす流れです。 睡眠不足も自律神経が乱れて、交感神経が活発に動いている状態であるため、神経や筋肉にも緊張を強います。緊張が続いた結果、首や背中の筋肉が硬くなり、寝違えを起こしやすくなる仕組みです。 自律神経の乱れ|息苦しい症状も ストレスなどによる自律神経の乱れも、寝違えで背中が痛む要因になります。仕事や人間関係などで継続的にストレスにさらされると、自律神経が乱れて緊張状態になるためです。しかも自律神経が大きく乱れると、呼吸が浅くなって息苦しさまで感じます。 この緊張状態は筋肉の柔軟性が低下する原因でもあり、朝起きたときに寝違えによって背中まで痛むような症状を引き起こすことがあります。 背中右側の寝違えによる痛みは内臓疾患の可能性も 背中の右側の寝違えによる痛みは、単なる背中の筋肉の痛みだけではなく、内臓疾患の可能性もあります。 背中の右側に生じる痛みは、寝違えなどによる筋肉の炎症や緊張が原因であることが多い一方で、胆のうや腎臓などの内臓疾患による関連痛の可能性もあります。 これは内臓体性反射と呼ばれるメカニズムにより、内臓の異常が神経を介して背中の筋肉や皮膚に痛みとして現れる現象です。 背中右側の筋肉に違和感を覚えるときは、整形外科だけでなく消化器科の受診をおすすめします。 寝違えによる背中の痛みの治し方 寝違えで背中が痛む場合、以下の治し方があります。 急性期は湿布や保冷材で冷やす 慢性期は温湿布や入浴などの温熱療法 痛みを和らげるストレッチ 痛みが長期化する時は医療機関を受診 症状の時期に応じて適切な対処法が異なるため、以下で見ていきましょう。 急性期は湿布や保冷材で冷やす 寝違えの症状が強く出ている急性期であれば、患部をなるべく動かさず安静にします。その際になるべく楽な姿勢で過ごすのがおすすめです。 加えて、湿布や保冷剤を使って患部を冷やします。寝違えの急性期は筋肉で炎症が出ている時期であるため、一度につき15分から20分程度を目安に冷やしましょう。 ただし湿布などで患部を冷やしすぎると、さらに血流が悪くなって筋肉が硬まるケースがあります。冷やす時間には十分な注意が必要です。 慢性期は温湿布や入浴などの温熱療法 寝違えの症状が落ち着く慢性期に入ったら、温湿布や入浴などによる温熱療法で対応します。慢性期になって炎症が落ち着くと、患部付近を温めることで血行を改善し、筋肉の柔軟性を回復させられることが期待されるためです。 なお、温湿布がない場合は温めたタオルなどを代用する方法もあります。また入浴は、シャワーではなく湯船に浸かるとより効果的です。 痛みを和らげるストレッチ 寝違えによる背中の痛みは、ストレッチでも緩和が期待できます。ただしストレッチのタイミングは、ある程度痛みが和らいできた時期が適切です。 症状が落ち着いてきたころのストレッチは、首から背中にかけての筋肉をほぐし、血行を改善して柔軟性を高める効果があるとされます。具体的なストレッチ法は以下のとおりです。 【胸を開くストレッチ】 背中側で両手の指を組み、頭が後ろ側に倒す 口からゆっくりと息を吐きながら、両腕を後ろに引いていく 元に戻して1と2の動きを繰り返す 【僧帽筋のストレッチ】 両手を身体の前で組んだ状態で、肘はまっすぐ前に伸ばす 1の状態から背中を少しずつ曲げ、背中の筋肉を伸ばす(伸びきるところまで) 体を元に戻した後、1と2の動きを繰り返す 痛みが長期化する時は医療機関を受診 上記で紹介した対処法を試しても痛みが持続する場合は、無理せずに医療機関を受診してください。寝違えによる背中の痛みは、通常であれば2〜3日程度で落ち着き、1週間経つころまでには症状が改善されるケースが多く見られます。 しかし、3日以上過ぎて強い痛みが続くときや、頭痛などの別の症状まであるときは、専門医の診察が欠かせません。他の疾患の可能性も考えられるため、早いうちに病院に行きましょう。 寝違えで背中が痛いときにやってはいけないこと 寝違えで背中が痛いときの対処法には、やってはいけないこともいくつかあります。以下の対処法はNGとされているため、寝違えで痛むときは避けましょう。 無理に背中を動かすこと 急性期に体を温める 無理に背中を動かすこと 寝違えで背中が痛む時期には、無理に背中を動かさないようにします。寝違えの急性期は、患部の安静に努めることが推奨されるためです。 強く痛むにもかかわらず、仕事やスポーツで無理に背中を動かすと、炎症が発生している部分が拡大し、さらに症状を悪化させます。このため、症状が落ち着くまでは極力背中を動かさずに安静に過ごすことが大切です。 なお、症状を少しでも何とかするための背中のもみほぐしや伸ばしもおすすめできません。もみほぐしや伸ばしも無理に動かす場合と同じく、炎症の部位を広げる恐れがあります。 急性期に体を温める 急性期の場合、体を温める行為もNGです。急性期は炎症が起きている状態であるため、この時期に患部を温めると血行が良くなる分、炎症の部位がさらに広がり、痛みもより増幅されます。 強く痛む状態が続いている間は、温めるのではなく湿布などで冷やすのが適切とされる方法です。入浴も湯船につかるのではなく、シャワーで軽く済ませる程度に留めましょう。 背中の寝違えを予防する方法 背中の寝違えの予防のために、日常生活でできることはいろいろとあります。代表的な予防法は次のとおりです。 適切な姿勢を心掛ける 運動やストレッチの習慣を取り入れる 寝具の見直しなど睡眠環境の改善 十分な水分補給 日頃からこれらの予防法を心掛けて、背中の寝違えが起きないようにしましょう。 適切な姿勢を心掛ける 日常生活や仕事のなかで適切な姿勢を心掛けることは、背中の寝違えを防ぐ大切な一歩です。顎を引いて背中をしっかり伸ばす姿勢を意識すると、猫背のような首から背中の筋肉に緊張を強いる状態を緩和できます。 日常生活で適切な姿勢を維持するには、パソコンやスマホの使い方を工夫するのもおすすめです。パソコンを使ったデスクワークの際に机や椅子の高さを調節したり、スマホの操作中に休憩を取り入れたりするなどの方法があります。 適切な姿勢を意識すれば、首や背中の筋肉への負担を減らせるため、寝違えのリスクも下げられます。 運動やストレッチの習慣を取り入れる 背中の寝違えを防ぐには、運動やストレッチの習慣も有効な手段です。運動やストレッチで背中を動かすクセを付けておくと、背中付近の血行を維持し筋肉の柔軟性を高められる効果が期待できます。 とくに運動の習慣がない方や仕事がデスクワークの方は、同じ姿勢で固定されるケースが多いため、なおさらストレッチなどを心掛けることが大切です。こまめに休憩を挟んだ上で、休憩時間中に背中を伸ばしたり腕を回したりするだけでも、筋肉の柔軟性を高められます。 寝具の見直しなど睡眠環境の改善 寝違えは寝る姿勢や睡眠環境の悪さがきっかけで発生するため、睡眠環境の改善は寝違えの予防に欠かせません。 睡眠環境の改善には、寝具や寝る姿勢の見直しがおすすめです。寝具の場合、とくに適切な枕を選ぶ必要があります。枕の高さや硬さが体に合っていないと、寝違えを繰り返し発症する可能性があるためです。 頭が沈みすぎず寝返りが楽に打てる適度な硬さで背骨が緩やかなS字カーブになるくらいの高さの枕が理想とされています。加えてマットレスも、自分の体が沈み込むことなく、しっかり支えられる程度の硬さが選ぶポイントです。 寝具のほか、寝る姿勢も重要な要素です。寝る際には、必ず布団に入って仰向けの姿勢で寝ます。ソファなど布団以外の場所で寝ると、首や背中の筋肉に負担がかかるため、避けるべきです。 十分な水分補給 水分を十分にとることも寝違えの予防に役立ちます。水分が不足すると、ドロドロした血液が流れる分、血流が悪化するためです。血流の悪化は筋肉の柔軟性の低下をもたらす分、寝違えの原因になります。 このため、十分な水分補給は、筋肉の柔軟性や血流の維持に欠かせません。就寝の1時間から30分前にはコップ1~2杯程度の水を飲む習慣をつけると良いでしょう。 背中の痛みは脊髄梗塞の可能性も!注意したい症状 背中の痛みだけではなく、しびれまで感じる場合は脊髄梗塞の可能性もあります。 脊髄梗塞は脊髄に達する血管がなんらかの理由で詰まることで発症する疾患です。突然の背中の痛み・しびれや両手足に力が入らなくなる状況、排便障害が主な症状で、重篤な場合は歩行が困難になることもあります。 脊髄梗塞の主な原因は、脊髄動脈の疾患や血管の損傷です。しかし、長時間同じ姿勢でいる生活習慣や水分不足によって血栓ができ、脊髄動脈を塞いで発症するケースもあります。とくに長時間のデスクワークに携わる方は、注意が必要です。 脊髄梗塞の治療法の選択肢として、リハビリや手術、再生医療などが挙げられます。再生医療には、患者様ご自身の幹細胞を採取・培養した細胞を脊髄に直接投与する「幹細胞治療」があります。 当院「リペアセルクリニック」では、脊髄梗塞に対する再生医療を行っています。脊髄梗塞でお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。 まとめ|寝違えで背中が痛いときは無理に動かさずに適切な対処をしよう! 首や肩で症状が見られるイメージの強い寝違えは、背中の痛みまで発症するケースもあります。日頃の不適切な姿勢や自律神経の乱れなどが原因で睡眠中に寝違えることもあるため、注意が必要です。 寝違えで背中を痛めたときは、安静にしながらで対応しましょう。そして、症状が落ち着いたところでストレッチや入浴などで体を温めるのがポイントです。ただし、背中が強く痛む状態が長く続くときは、医療機関の受診をおすすめします。 なお、突然の背中の痛みやしびれの場合、脊髄梗塞が疑われます。脊髄梗塞では再生医療による治療の選択肢もあるため、詳しく知りたい方は当院「リペアセルクリニック」の公式LINEにご登録ください。再生医療に関する情報発信や簡易オンライン診断を実施しています。 寝違えによる背中の痛みに関してよくある質問 通常の背中の寝違えの治し方は?何日で治る? 通常の背中の寝違えは、数日から1週間程度で治るのが一般的とされます。寝違えを治すには、症状が強く出ている間は安静に過ごしつつ、冷たい湿布やアイスパックなどで患部を冷やすことが大切です。 症状が落ち着いたら、今度は温湿布の活用や入浴、軽めのストレッチなどで患部を温めます。患部を温めれば、血行が促進されて筋肉も柔軟性を取り戻し、症状も消えていきます。 背中の寝違えが治らない原因は? 背中の寝違えが治らない原因は、主に以下のものです。 背中付近の関節が固まっている 元から背中にこりがある 寝違えがあるにもかかわらず放置している 頚椎椎間板ヘルニアなど別の病気の疑いがある 寝違えは適切に対処すれば、長くても1週間程度で治るケースが多く見られます。症状が改善されない場合は、整形外科で専門医の診察を受けることが大切です。 背中の寝違えで激痛は来ますか? 背中の寝違えで激痛に見舞われた場合、「ぎっくり背中」の疑いがあります。ぎっくり背中は仕事やスポーツなどでの急な動きで背中の筋肉や筋膜が損傷し、強い痛みに襲われます。 ぎっくり背中になったときの対処法は、基本的に背中の寝違えと同じです。強く痛む間は安静にしながら患部を冷やし、痛みが和らいだら患部を温めて回復を図ります。もし、痛みが持続する場合は医療機関を受診しましょう。 ぎっくり背中は何日で治る? ぎっくり背中は通常5日から2週間程度で治るケースが多く見られます。症状の強い炎症期は、寝違えと同じく3日程度です。 ただ、辛い症状が長引く場合は、無理せず医療機関を受診しましょう。
2025.07.31 -
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数日前に発症した寝違えがなかなか治らず、不安を抱いている方もいるのではないのでしょうか。 寝違えは対処法が不適切だったり、発症後も姿勢などが悪かったりすると治りにくいケースがあります。また、寝違えが長期化している場合、何らかの病気が隠れていることもあるため、注意が必要です。 本記事では、寝違えがなかなか治らない原因や対処法を解説します。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 長期化する痛みなど気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 寝違えがなかなか治らない原因 眠りから目が覚めると首や肩が痛い、そんな寝違えがなかなか治らない原因としては、主に以下の5つが考えられます。 筋肉の炎症が長期化している 不適切な対処法で症状を悪化させている 睡眠環境と姿勢習慣が回復を妨げている 慢性的な首・肩のコリが影響している 寝違えではないヘルニアなど疾患の可能性 寝違えは通常、2日から3日程度で収まるものですが、症状によっては何日も続くケースがあります。 寝違えがなかなか治らず悩んでいる方は、これらの原因に当てはまるかをご確認ください。 筋肉の炎症が長期化している 寝違えが治りにくい原因として、筋肉の炎症の長期化が挙げられます。 寝違えは首や肩などの関節や筋肉に発症する炎症で、通常であれば3日目に症状のピークを迎えるのが特徴です。 しかし、3日目を過ぎても強く痛む状態が続くときは、炎症が起きてからもなお、患部を無理に動かすなどしていることが原因と考えられます。このような場合、痛みが引くどころかさらに症状が悪化します。 もし、筋肉の炎症の長期化を防ぎたいのであれば、極力安静にしながら適切な処置をおこなうことが大切です。 不適切な対処法で症状を悪化させている 対処法が不適切であるために、寝違えの症状を悪化させている可能性もあります。 寝違えの対処法として、温冷処置や適度なマッサージ・ストレッチなどがありますが、やり方を間違えると逆効果になりかねません。 温冷処置については、症状が発生した直後の急性期(発症から2〜3日間)には冷たい湿布などで処置するのが適切です。急性期に温湿布を使用するのは適切ではありません。 血行が良くなることで、かえって炎症がひどくなります。強く痛むときのストレッチやマッサージも、患部への刺激による血行の改善で、同じく症状を悪化させるやり方です。 睡眠環境と姿勢習慣が回復を妨げている 寝違えがなかなか治らないときは、睡眠環境や姿勢習慣に原因が隠れていることがあります。 体型に合っていない枕やマットレス、首や足を十分に伸ばせないソファなどでの睡眠は、体に負担がかかります。また、デスクワークやパソコン・スマホ使用による不良姿勢も回復を妨げる原因です。 どちらも猫背で下側を向いてばかりの状態で首や肩に負担がかかり続けるため、寝違えをより悪化させます。寝違えの症状が3日過ぎても続くときは、睡眠環境の見直しも欠かせません。 慢性的な首・肩のコリが影響している すでに慢性的な首や肩のコリが、寝違えの長期化をもたらすこともあります。この点もデスクワークなどでの姿勢の悪さが関わっていて、悪い姿勢で重い頭を支える首や肩に過大な負担がかかっている状態です。 このような状態では首や肩の筋肉も常に緊張する分、血行が悪化したり筋肉が硬くなったりして、寝違えに対する回復力が下がります。 寝違えではないヘルニアなど疾患の可能性 寝違えではなく、頚椎椎間板ヘルニアのような疾患で痛みが長引いているケースも考えられます。首や肩の痛みが治らないときに疑われる病気や症状は、以下のとおりです。 病名 主な症状 頚椎椎間板ヘルニア 首の骨の間にある椎間板による神経圧迫で痛みやしびれが発生 頚椎症性神経根症 見上げる姿勢の際に、肩から腕にかけて痛みやしびれの症状 頚椎症性脊髄症 手による細かい動きや歩行に支障をきたす・手足のしびれ 転移性脊椎腫瘍 がん細胞による脊椎の損傷や骨折、麻痺 脊髄腫瘍 腫瘍による脊髄の圧迫でしびれや感覚障害、筋力低下 強直性脊髄炎 脊椎や骨盤の関節の痛み(若年者に多い) 関節リウマチ 関節の慢性炎症(貧血や倦怠感、微熱の症状が起こることも) むちうち症 自動車事故時の首への強い衝撃による、首や背中の痛み なかなか寝違えが改善されないときは、上記の病気の疑いもあるため、医療機関の受診をおすすめします。 寝違えが治らないときの対処法 寝違えがなかなか治らないときの対処法に、以下の方法があります。 発症後の安静・アイシング 湿布・薬剤による痛み軽減 血行促進のための温熱療法 薬剤の服用・注射 痛みが引かないときは医療機関へ 発症後は安静・アイシング 寝違えを発症して強い痛みが続くようであれば、安静とアイシングがポイントです。首や肩の患部は極力動かさずに、保冷材や冷たい湿布を使って炎症を抑えます。安静にしてアイシングを行うことで、それ以上の炎症の悪化を防げます。 ただし、長時間のアイシングは逆に血行不良などになるため、注意が必要です。冷やす時間は長くても1回15分程度までにして、様子を見ましょう。 湿布・薬剤による痛み軽減 湿布や薬剤を使って痛みを軽減する方法も、寝違えが治らないときの対処法の一つです。湿布は冷やす必要があるときはフェルビナクを配合したものを、温める必要があるときはカプサイシンを配合したものが向いています。 薬剤については、症状がひどくないときは、炎症を和らげる非ステロイド性抗炎症薬のような市販薬がおすすめです。しかし症状が強いときには、医療機関を受診したうえで、医師が処方する強い症状に効果が見込める薬剤を使う必要があります。 血行促進のための温熱療法 血行促進のための温熱療法も、なかなか治らない寝違えの症状を落ち着かせるうえでよく使われる方法です。 発症直後は冷たい湿布などでのアイシングを使いますが、炎症が落ち着いてきたら逆に患部を温めるのが有効とされます。患部を温めると、血行改善や筋肉の緊張緩和のほか、寝違えの再発の防止も期待できるためです。 温熱療法の主な方法として、温湿布の活用や入浴が挙げられます。とくに入浴は、38度から40度程度のぬるいお湯に20分から30分程度浸かるのがおすすめです。 薬剤の服用・注射 医療機関での治療法としては、薬剤の服用や注射を用いる場合もあります。内服薬(飲み薬)であれば、鎮痛消炎薬や筋弛緩薬のほか、筋肉のけいれんを和らげるのによく使われる漢方薬を活用するのが一般的です。 もし寝違えで強く痛むときは、患部付近の筋肉や筋膜に局所麻酔を注射して、症状を和らげる方法もあります。 痛みが引かないときは医療機関へ アイシングや湿布などで症状が改善されないときは、早めに医療機関を受診しましょう。数日たっても症状が改善しない場合、寝違えにしては深刻な事態が発生しているか、上記で触れた疾患の疑いがあります。 そのため、専門医による診察を受けたうえで、根本的な治療に取り組むことがおすすめです。 寝違えが治らない・長引かせるNG行動 寝違えがなかなか治らない場合でも、してはいけないNG行動がいくつかあります。 以下のような対処法は、寝違えが治らないだけでなく、かえって症状を長引かせてしまうリスクがあるため控えましょう。 痛む部位を無理に動かす 患部のマッサージ 炎症期に温める 痛みを我慢して活動を続ける 痛む部位を無理に動かす 寝違えになった際には、痛む部位を無理に動かすことは禁物です。無理やり動かすと炎症ができている部位が広がるだけでなく、寝違えを克服するまでに余計時間がかかります。 とくに強く痛む急性期は、なるべく患部に負担をかけるような動きは避け、じっとしていることがおすすめです。 患部のマッサージ 寝違えの症状を少しでも落ち着かせるための患部のマッサージも避ける必要があります。無理に動かす場合と同じく、損傷している部分が広がって回復が遅れる原因になるためです。 ただし、手や手首には寝違えに効果があるとされるツボがあるため、これらのツボを押すマッサージは対処法として問題はありません。 炎症期に温める 発症直後の炎症期に患部を温めることも、寝違えが治らない場合にやってはいけないことです。炎症期は患部で強く痛む状態にあるため、患部を温めると炎症がさらに悪化します。 痛みが強い間は、冷たい湿布や氷嚢を使って患部を冷やすのがおすすめです。加えて入浴も、短時間のシャワーに留めます。 痛みを我慢して活動を続ける 痛みを我慢しながらの仕事やスポーツなどの活動もNG行動の一つです。強い症状が現れている状態を放置した場合、日常的な活動を通じて症状がさらに悪化します。 仕事であればパソコン操作や作業中の悪い姿勢で、スポーツであれば急激な動きで炎症が悪化する場合もあるため、注意が必要です。強い痛みを感じるときは、無理せずなるべく安静にしながら患部を冷やすなどして対処しましょう。 寝違えを繰り返さない予防法 寝違えが治った後は再発を防ぐことが大切です。寝違えを予防するには、以下の方法があります。 適度な高さの枕を使う 就寝2~3時間前の入浴 日常生活で実践しやすいこれらの予防法について、それぞれ詳しく紹介します。 適度な高さの枕を使う 寝違えを予防するには、適度な高さや硬さの枕を選ぶことがポイントです。具体的には、寝ている間に寝返りを打った際に、頭が横に反れない程度の高さや硬さの枕が理想とされています。 就寝中に寝返りが打てないと、身体が沈み込んで首を動かせないため、特定の部位に圧力が集中します。その結果、朝起きたときに首などに寝違えが生じる仕組みです。このため、寝違えを防ぐには枕を体に合ったものに変えることが大切です。 就寝2~3時間前の入浴 入浴は寝違えの予防や再発防止に効果的ですが、入るタイミングは就寝の2~3時間前がおすすめです。 質の良い睡眠を得るためには、就寝時に深部体温(臓器部分の体温)が下がっている状態が理想的です。入浴には深部体温を上げてリラックス効果をもたらすメリットがあるため、就寝の2~3時間前に入浴することで、寝る頃には上がった深部体温が自然に下がり、スムーズな入眠につながります。 このようなリラックスした状態での睡眠は、寝違えの防止効果も期待できます。 まとめ|寝違えが治らないときは無理のない対処法で 寝違えがなかなか治らない場合、不適切な対処法や生活習慣の悪さなど、さまざまな方法が原因として考えられます。このため寝違えの症状が長引くときは、なるべく患部を安静にしながら、タイミングに応じた温冷療法など正しい対処法を活用するのが適切です。 ただし、正しい対処法を試しても症状が続くようであれば、深刻な疾患が関係している場合もあるため、医療機関を受診する必要があります。いずれにしても寝違えがなかなか治らないときは、無理せず早めに対処しましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報の提供や簡易オンライン診断を実施しております。気になる症状がある方は、公式LINEに登録してご確認ください。 寝違えが治らないときのよくある質問 寝違えをすぐ治すには? 寝違えを早く治すには、症状が強く出ているときは安静にしながら患部を湿布などで冷やし、症状が落ち着いてきたところで温湿布やマッサージなどで温めることがおすすめです。 寝違えが痛すぎて動けないときの対処法は? 寝違えで痛すぎて動けないときも、通常の寝違えへの対処法と同じく、基本的に安静にしつつ冷たい湿布などで患部を冷やすことが大切です。加えて痛みが強すぎる場合は、整形外科で専門医の診察を受ける必要もあります。 寝違えは何日程度で治る? 寝違えは3日から1週間程度で治るケースが多く見られます。なお、2〜3日目が症状のピークです。 痛みが長引く場合は、医療機関の受診をおすすめします。
2025.07.31 -
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「梨状筋症候群に効くストレッチ方法を知りたい」 「梨状筋症候群の悪化を防止したい」 梨状筋症候群は、適切なストレッチによって症状の緩和が可能な疾患です。ただし、効果を得るには、正しい方法と注意点を理解した上での実施が不可欠です。 本記事では、現役医師が自宅でできるストレッチ方法と悪化防止策を解説します。記事の最後には、梨状筋症候群のストレッチに関するよくある質問をまとめておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 気になる症状や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 梨状筋症候群とストレッチの基礎知識 項目 内容 やり方 仰向けに寝て片足首を反対側の膝に乗せ、両手で太ももを抱えて体に引き寄せる キープ時間 お尻や太ももの筋肉が伸びていることを感じながら20~30秒保つ 回数・頻度 1日2回、30秒を3~5セットずつ両側で実施 ポイント 左右両方行い、バランスよくストレッチ 注意点 強いしびれや違和感が出たら中止し、呼吸を止めずリラックスして行う。症状が続く場合は医療機関へ 梨状筋症候群とは、お尻の奥にある梨状筋が硬くなることで、その下を通る坐骨神経を圧迫し、お尻から太もも、足にかけてしびれや違和感が出る症状です。 長時間のデスクワークや運転、運動不足が原因となりやすく、日常生活に支障をきたすこともあります。こうした症状の緩和には、梨状筋のストレッチが効果的です。筋肉の緊張をやさしくほぐすことで神経の圧迫を軽減しやすくなります。 ただし、無理な姿勢や過度な力で行うと逆に悪化する場合があるため、正しいやり方と注意点を知ることが重要です。 以下の記事では、梨状筋症候群の症状について詳しく解説しています。 梨状筋症候群を改善するためのストレッチ方法 ストレッチ方法 詳細 膝胸抱えストレッチ 仰向けで両膝を立て、片足を組んで太ももを胸へ引き寄せる動作 クロスボディ・ストレッチ(寝ながら膝を反対側に引く) 仰向けで片膝を立て、反対側の手で膝を体の反対側へ倒し、腰からお尻を伸ばす動作 プレッツェルストレッチ(ねじる動きを加えた仰向けストレッチ) 仰向けで片膝を立て、もう一方の足をその膝の上にクロスし、下の足を胸に引き寄せながら上半身をひねる動作 膝胸抱えストレッチは、仰向けで両膝を曲げた状態から、一方の足首を反対の膝に乗せ、両手で太ももを抱えて胸に引き寄せるストレッチです。クロスボディ・ストレッチは、仰向けで片膝を立て、反対側の手で膝を身体の反対側へ倒し、腰からお尻の筋肉を伸ばす方法です。 プレッツェルストレッチは、仰向けで片膝を立て、もう一方の足をその膝にかけ、下の足を胸に引き寄せながら上半身をひねって筋肉を伸ばすストレッチです。これらのストレッチは、いずれも無理をせず、負荷をかけすぎないように注意して行いましょう。 膝胸抱えストレッチ 手順 内容 1.仰向けで寝る マットやベッドなど硬すぎない平らな面に仰向けで寝て、両膝を軽く曲げて胸側にセット 2.ストレッチする脚の準備 片足首を反対側の膝の上に乗せ、「4」の形を作る 3.膝を胸に引き寄せる 両手でストレッチ対象脚の太ももを抱え、ゆっくり胸に引き寄せる(お尻から太もも外側が伸びていれば適切) 4.キープする そのまま30秒間維持。初めてや硬い場合は5秒から始め、慣れたら30秒まで延長 5.ゆっくり戻す 反動を使わず、ゆっくりと元の姿勢に戻す 6.反対側も同様に 同じ手順で反対の脚も行い、左右バランスを整える。各脚3回、1〜2セットが目安 膝胸抱えストレッチは、仰向けで片膝を胸に引き寄せることで、お尻の奥にある梨状筋をやさしく伸ばすストレッチです。梨状筋が硬くなると、すぐ下を通る坐骨神経を圧迫し、お尻や脚のしびれ・違和感の原因になります。 膝胸抱えストレッチは、筋肉の緊張がほぐれ、神経への圧迫がやわらぎやすくなります。仰向けで行うため身体への負担が少なく、自宅でも取り組めるのが特徴です。 毎日続けることで柔軟性が保たれ、再発予防にもつながります。呼吸を止めず、気持ちよく伸びている範囲で行いましょう。 クロスボディ・ストレッチ(寝ながら膝を反対側に引く) 手順 内容 1.仰向けに寝転ぶ 平らな床やマットの上に仰向けで寝て、両脚をまっすぐ伸ばし、背中を床につける 2.ストレッチする脚の準備 伸ばす側の膝を曲げ、足首を反対側の膝の外側に乗せ、「4」の形をつくる 3.膝を反対側に引き寄せ ストレッチする脚の膝を、反対側の肩または床方向にゆっくり引き寄せ、お尻〜股関節外側が伸びる位置まで 4.姿勢を安定させる 腰が浮かないようにし、肩・背中・足は床につけたまま安定させる 5.保持する 呼吸を止めずにゆっくりと30秒キープ。初めては15〜20秒からでもOK 6.ゆっくり戻す 無理なく脚を元の位置に戻し、仰向けの姿勢に戻る 7.反対側も同様に 反対側も同じ流れで実施。左右それぞれ1〜3セットが目安 クロスボディ・ストレッチは、仰向けで片膝を反対側の床へ倒し、腰から背中をねじる姿勢で行うストレッチです。梨状筋にやさしく伸張を与えることで、筋肉の緊張を緩和し、坐骨神経への圧迫を軽減します。 あわせて腰や股関節周辺の柔軟性も高まり、股関節の可動域改善にも効果があります。また、力任せに行わず、無理のない範囲で、じんわりと伸ばすことが重要です。30秒を目安に左右交互で行いましょう。動きがシンプルで継続しやすく、再発予防にもつながる実用的なストレッチです。 プレッツェルストレッチ(ねじる動きを加えた仰向けストレッチ) 手順 内容 1.仰向けに寝る 平らで少しクッション性のある床やマットに仰向けになり、両膝を軽く立てる 2.片足を交差する形にセット 伸ばす側の足首を反対側の膝上に乗せ、「4」の形を作る 3.両膝を胸に引き寄せる 両手で太ももまたはスネを支え、ゆっくり胸に引き寄せる。臀部〜股関節に伸びを感じる位置まで 4.ねじり動作を加える(オプション) 胸に引いたまま膝先を外側に軽く倒し、股関節側面をさらに伸ばす 5.そのまま保持 心地よい姿勢で30秒間キープ。初回は10〜15秒から始め、慣れたら30秒を目標に 6.ゆっくり戻す 無理せずゆっくり元に戻す 7.反対側も同様に実施 左右交互に、各脚2~3回ずつ実施 プレッツェルストレッチは、仰向けで足を組むように交差させ、両膝を胸に引き寄せながら股関節まわりをじっくり伸ばすストレッチです。このストレッチは、お尻から腰、背中まで広い範囲をじっくり伸ばし、梨状筋や股関節外旋筋(股関節を外側に回す筋肉)など深層筋の柔軟性を高めます。 筋肉の緊張をほぐすことで神経の圧迫が和らぎ、症状の改善や再発予防が期待できます。 【悪化を防ぐ】梨状筋症候群におけるストレッチの注意点 注意点 詳細 無理なくゆっくり伸ばして静かに実施する 強い力や反動を使わず、呼吸を止めずに心地よさを感じる範囲でストレッチ実施 しびれや違和感が出たら即中止し姿勢・頻度を見直す しびれや違和感が出た場合はすぐに中止し、無理のない姿勢や回数に調整 長時間の座位や負荷の高い運動を避けて日常生活でも神経圧迫に配慮する 長時間同じ姿勢や激しい運動を避け、こまめな体勢変更や適度な休憩で神経への負担軽減 梨状筋症候群のストレッチは、無理せずゆっくり行うことが大切です。強く引っ張ったり反動をつけず、呼吸を止めずに心地よく伸びる範囲で行いましょう。 ストレッチ中にしびれや違和感が出た場合はすぐに中止し、姿勢や回数を見直してください。また、長時間座り続けることや激しい運動を避けることも、神経への負担軽減に役立ちます。こまめに体勢を変え、日常生活でも神経への負担を軽減できるよう姿勢の調整が重要です。 梨状筋症候群とも関連が深い腰椎椎間板ヘルニアに対するストレッチ方法について詳しく解説しています。 無理なくゆっくり伸ばして静かに実施する 梨状筋症候群のストレッチは、無理せずゆっくり実施しましょう。強く引っ張ったり反動をつけず、呼吸を止めずに心地よく伸びる範囲で行います。 さらに、長時間同じ姿勢で座り続けることや激しい運動は避けましょう。神経への負担を減らすためには、こまめに体勢を変え、日常生活でも神経の圧迫に注意することが重要です。 しびれや違和感が出たら即中止し姿勢・頻度を見直す ストレッチ中にしびれや違和感が出た場合、即中止することが重要です。これは、梨状筋が過度に引っ張られることで坐骨神経が圧迫・刺激され、神経症状が悪化するリスクがあるためです。 無理に続けることで、神経炎や慢性化といった症状の悪化を招く可能性があります。また、同じ姿勢や片側ばかりに負荷をかけると筋バランスが崩れ、骨盤の傾き・左右差や姿勢不良の原因になります。異常を感じたら一度身体をリセットし、姿勢や頻度を見直すことが大切です。同じ症状が繰り返される場合は、自己判断せず医療機関を受診しましょう。 長時間の座位や負荷の高い運動を避けて日常生活でも神経圧迫に配慮する 項目 内容 長時間の座位 梨状筋と坐骨神経への持続的圧迫。筋肉の硬直、血流悪化、神経刺激増加 座り姿勢の悪さ 骨盤の歪みや片側への負担増加。足組みや猫背による筋バランスの乱れ 高負荷・高強度運動 梨状筋の過剰使用や筋肥大による神経圧迫。炎症や症状悪化のリスク 姿勢リセットの工夫 1時間ごとに立ち上がり歩く、軽いストレッチで筋の圧迫と血流障害を予防 環境改善 クッションや立ちデスク活用、柔らかい座面で圧迫軽減。骨盤安定と負担分散 長時間の座り姿勢や負荷の高い運動は、梨状筋や坐骨神経に負担をかけ、症状を悪化させる原因となります。ストレッチの効果を高めるためには、日常生活でも姿勢や動作に配慮することが大切です。 1時間ごとに立ち上がって歩く、クッションを使って骨盤を安定させるなどの工夫で神経への圧迫を軽減できます。また、重い物を持ち上げる動作や急な運動も避け、無理のない範囲で身体を動かすことが再発予防にもつながります。 梨状筋症候群のストレッチ効果を高める補助ケア ストレッチ効果を高める補助ケア 詳細 身体を温める 入浴やホットパックで筋肉の血流促進、ストレッチ前の柔軟性向上 日常生活での姿勢を意識する 座り方や立ち姿勢の見直し、骨盤と股関節の安定維持 適切な栄養と水分補給 バランスの良い食事と十分な水分摂取による筋肉と神経の健康維持 ストレス管理 睡眠やリラクゼーションで自律神経の安定、筋緊張の緩和 梨状筋症候群のストレッチ効果を高めるには、日常の補助ケアが重要です。まず、入浴やホットパックで身体を温めることで血流が促進され、筋肉がほぐれやすくなり、ストレッチ前の柔軟性が向上します。 また、座り方や立ち姿勢を見直すことで骨盤や股関節の安定性が保たれ、筋肉や神経への余分な負担を防げます。さらに、バランスの取れた食事と十分な水分補給は、筋肉と神経の健康維持に欠かせません。 加えて、ストレスを溜めすぎないことも大切です。良質な睡眠と適度なリラクゼーションは、自律神経を整え、筋緊張の緩和に役立ちます。ストレッチと併せてこれらのケアを習慣にすることで、より効果的な改善と再発予防が期待できます。 身体を温める ストレッチ前に身体を温めると血流が促進され、筋肉がほぐれて柔軟性が高まります。入浴やホットパック、軽い運動などが効果的です。 とくに慢性期では、温熱療法により筋の緊張が和らぎ、動かしやすくなります。ただし、炎症が強い急性期は悪化の恐れがあるため冷却が適しています。症状に応じた使い分けが大切です。 日常生活での姿勢を意識する 梨状筋症候群の改善には、ストレッチに加えて日常の姿勢を意識することが重要です。長時間座り続けると梨状筋が圧迫されやすく、神経への負担が増します。 定期的に立ち上がることで血流が良くなり、筋肉の緊張が緩和します。背すじを伸ばし、骨盤を正しい位置に保つことで筋バランスが整い、機能の回復が促されます。良い姿勢を保つことでストレッチの効果が持続し、症状の予防や緩和につながるため、姿勢を意識することが大切です。 適切な栄養と水分補給 梨状筋症候群の改善には、栄養と水分補給が重要です。水分不足は神経や筋肉への血流を妨げ、酸素や栄養の供給が不足しやすくなります。これにより筋肉が硬くなり、ストレッチの効果が十分に得られなくなる恐れがあります。 たんぱく質、マグネシウム、ビタミンB群、オメガ-3脂肪酸などの栄養素は、筋肉の修復や神経機能の維持に欠かせません。さらに、十分な水分補給は、可動域の向上や筋肉の柔軟性を保つのに役立ちます。栄養と水分を適切に補うことで、ストレッチ効果が高まり、神経や筋の回復力もサポートされます。 ストレス管理 ストレスは筋肉のこわばりを引き起こし、梨状筋の緊張を慢性化させる原因です。自律神経が乱れて交感神経が優位になると、筋肉が緩みにくくなり、ストレッチの効果も期待しにくくなります。 ストレスを軽減することで筋肉がリラックスし、ストレッチによる柔軟性や効果の持続が期待でき、深呼吸や瞑想などのリラクゼーションは心の緊張を和らげ、ストレッチへの不安や抵抗感を減らすのに役立ちます。セルフケアを継続するためにも、日常的なストレス管理が大切です。 ストレッチで改善しない梨状筋症候群は医療機関を受診しよう 梨状筋症候群の症状は、ストレッチによって改善が期待できます。ストレッチを行う際には無理な力を加えず、しびれや違和感が出た場合は中止し、医療機関を受診することが大切です。 ストレッチで改善しない梨状筋症候群の症状は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、梨状筋症候群と関連する腰椎椎間板ヘルニアなどに対して、腰椎の回復を目的とした再生医療を選択肢のひとつとしてご案内しています。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 梨状筋症候群のストレッチに関するよくある質問 フォームローラーやテニスボールは使っても良い? フォームローラーやテニスボールは、梨状筋をやさしくほぐすセルフケアの補助道具として有効です。お尻の下に当てて体重をかけ、ゆっくり転がすことで深部の筋肉をほぐせます。 片側につき5分程度を目安に、場所を少しずつ変えて行いましょう。同じ部位を長時間刺激すると筋や骨を傷める恐れがあるため避けてください。違和感や炎症がある時は使用を控え、無理のない範囲で行うことが大切です。不安があれば医師に相談しましょう。 医療機関を受診する目安はどのような場合ですか? お尻から太ももにかけての違和感やしびれが数日以上続く、強くなる、または日常生活に支障が出る場合は整形外科を受診しましょう。 とくにセルフケアや市販薬で改善しない場合や、足に力が入らない・感覚が鈍いなどの神経症状がある場合も早急な受診が必要です。自己判断せず、医師の診断を受けることが大切です。
2025.07.31 -
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「交通事故が原因でむち打ちと診断され、湿布を処方された」 「湿布はどのように効くのだろうか?」 「早く治したいのだが、湿布で本当に治るのだろうか?」 むち打ちと診断された方の中には、このように感じている方もいると思います。 結論から申し上げますと、湿布は症状を和らげるものであり、根本的な回復のためには整形外科での治療が必要です。 本記事ではむち打ちに効く湿布や選び方、貼り方などについて解説します。 湿布を上手に活用しつつ、早い回復を目指すためにも、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 長期化する痛みなどお悩みの症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 むち打ちに効く湿布とは|成分と効果について むち打ちで処方される多くの湿布には、非ステロイド性抗炎症薬が含まれています。 非ステロイド系抗炎症薬には、体内で痛みを増強させる物質「プロスタグランジン」を生成する酵素を阻害する作用があります。この作用で、痛みを和らげたり炎症を鎮めたりします。(文献1) 非ステロイド系抗炎症薬としてあげられるのは、主に以下のとおりです。 ロキソニン ボルタレン モーラス インテバン MS温湿布 MS冷湿布 MS温湿布と冷湿布の違いは、含まれている成分です。温湿布にはトウガラシエキスが含まれており、冷湿布にはメントールが含まれています。 むち打ちにおける湿布の効果は痛みや炎症を和らげることであり、根本的な治療は難しいといえるでしょう。 むち打ち時の湿布の選び方 湿布は主に冷湿布と温湿布の2種類に分けられており、どちらを選ぶかは、患者の状況次第です。 冷湿布には、サリチル酸メチル、メントール、ハッカ油などの冷感成分が配合されており、事故や外傷の直後で腫れや熱が著しいときに使われます。 温湿布は、血行促進や温感作用を持つトウガラシエキスや、合成トウガラシのノニル酸ワニリルアミドなどが配合されています。そのため慢性的な痛みやこりがあるときに使われることが多いものです。 自分の症状に応じた湿布を処方してもらうためにも、医師の診察時には症状を正確に伝えましょう。 市販されている湿布を購入する場合は、薬剤師や登録販売者へ相談すると良いでしょう。 むち打ちに対する正しい湿布の貼り方 むち打ちで湿布を使用するときは、痛みや腫れ、こりといった症状が強い部位に直接貼りましょう。主な部位としては、首や肩、背中の上部などがあげられます。 正しい湿布の貼り方は、主に以下のとおりです。 貼る前に患部を清潔にして、汗や水分を拭きとる 傷や湿疹などがある部分を避けて貼る 湿布を皮膚に密着させるために、空気を抜きながら貼る 必要に応じて、テープや包帯などで固定する 湿布を貼る際の注意点 湿布を長時間貼る、もしくは同じ場所に貼り続けることは避けてください。皮膚のかぶれや赤みの原因になるためです。 決められた回数以上に湿布を貼らないことも大切です。必要以上に貼り過ぎると、湿布薬の成分が皮膚から吸収されて、内服薬同様の副作用が現れる可能性があります。 ロキソニン湿布の場合、お腹の痛みや不快感、吐き気といった消化器症状や皮膚のかゆみ、むくみなどの副作用が出現した事例があります。(文献2) 湿布を貼った部分を日光(紫外線)に当てることも避けてください。光線過敏症(日光に当たることで起こる皮膚炎)と呼ばれる副作用を起こす可能性があるためです。光線過敏症では、皮膚の赤みやかゆみ、水ぶくれなどの症状が現れます。予防するためには、長袖の服を着たり、サポーターを着用したりしましょう。 副作用と思われる症状が現れた場合は、すみやかに医師や薬剤師へ相談してください。 むち打ちにおける湿布以外の治療方法 むち打ちにおける湿布以外の治療方法は、急性期と慢性期で異なります。この章では、それぞれの時期に応じた治療法を紹介します。 急性期 外傷によりむち打ち症状が出てきたときは、まず整形外科を受診しましょう。正しい診断や治療のためにも、レントゲンやCT、MRIなどの検査が必要です。 また、交通事故で損害賠償を請求する場合は、医師の診断書が必要です。(文献3) 病院受診後は、できる限り首を安静にしてください。必要に応じて、頚椎カラーを使用する場合もあります。 痛みが強い場合は、医師から処方された鎮痛剤を内服しましょう。炎症が起きている可能性もあるため、首もしくは痛みのある部分を冷やして炎症を落ち着かせてください。 患部を冷やすときは、ビニール袋や氷のうに入れた氷、もしくは冷たいタオルを患部に当てると良いでしょう。 慢性期 慢性期にも痛みが続いている場合は、鎮痛剤の内服やブロック注射などで和らげます。 慢性期では、ストレッチや筋力トレーニングなどの理学療法にくわえ、物理療法が実施される場合もあります。 物理療法としてあげられるのは、主に以下のとおりです。 ホットパック 超音波療法 電気刺激療法 むち打ちの治療については、下記の記事でも紹介しています。あわせてご覧ください。 むち打ちは湿布と並行して医療機関での治療が必要 むち打ちで処方される湿布は、症状を和らげる対症療法の1つであり、湿布のみでは根本的な治療は難しいものです。 むち打ちは放置すると痛みが悪化したり、後遺症が残ったりする可能性もあります。そのため、医療機関で適切な治療を受けることが大切です。 痛みが長引く、痛みが強くなる、手足のしびれが出てきた、頭痛や吐き気が続くといった症状が続くときは、放置せずに再度病院を受診しましょう。 むち打ちでは、慢性的な経過をたどるケースも少なくありません。焦らず一歩ずつ回復を目指しましょう。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。湿布を貼り続けてもむち打ち症状が続くといったお悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。 むち打ちと湿布に関するよくある質問 むち打ちでやってはいけないことは何ですか? 主に以下の4点があげられます。 診察を受けずに放置する 外傷直後に首を温める 外傷直後に飲酒する 外傷直後にマッサージを受ける 外傷後、診察を受けずに放置すると、症状の悪化や慢性化を招く、後遺症が残るといったリスクがあります。必ず医療機関を受診しましょう。 外傷直後は炎症を起こしており、温めることで悪化し、痛みが強まる可能性があります。冷やして炎症をおさえる方が望ましい状況です。 アルコールは血液循環を良くする作用があります。その結果、炎症が促進され、痛みが強まる可能性があるため、外傷直後の飲酒は避けてください。 マッサージには炎症を促進する作用があります。また、傷ついた筋肉や靱帯にさらなるダメージを与える可能性もあるため、医療機関受診後は安静にしましょう。 寝るときに湿布を貼っていても問題はありませんか? 基本的には寝るときに貼っていても問題はありません。ただし、就寝中にかゆみやヒリヒリした感覚が生じた場合は、一度はがす方が望ましいでしょう。 湿布が入っている袋には、「1日2回」「〇時間おき」など、貼る回数や間隔が記載されています。湿布を貼るときは、その指示を守りましょう。はがし忘れると、皮膚トラブルが生じる可能性があります。 参考文献 (文献1) 非ステロイド性抗炎症薬 (外用薬)の解説|日経メディカル (文献2) ロキソプロフェンナトリウム水和物(外用剤)のリスク区分について|厚生労働省 (文献3) むち打ち症の治療方法~必ず整形外科を受診し治療の方向を相談すること~|交通事故弁護士相談広場
2025.07.31 -
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「数日前、車に追突された後、首や肩が痛むようになった」 「むちうちだと思っていたが、レントゲンでは異常なしだった」 「痛みやしびれが続いているのも辛いが、『気のせいでは?』『大げさではないか?』などと言われるのも辛い」 このようにお悩みの方もいらっしゃることでしょう。 むちうちは、交通事故を中心とした外傷のあと、少し時間が経ってから出現するさまざまな症状を指します。 この記事では、むちうちの痛みやそれ以外の症状、医療機関で症状を伝えるときの方法について解説します。 症状の原因がわかり、適切な治療を受けるための助けになりますので、ぜひ最後までご覧ください。 むちうちの痛みが長期化しているなど、お悩みを抱えている・再生医療について知りたい方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 【どんな痛み?】むちうちの疼痛について むちうちで痛む部分は、主に以下のとおりです。 首のうしろ 肩 後頭部 腕 背中 顔面 手首 体を動かすと痛む場合もあれば、安静にしていても痛む場合もあります。痛みの種類も人によって異なり、ズキズキとした痛みを感じる方もいれば、重苦しさを伴う痛みを訴える方もいます。 【痛み以外】むちうちの症状 痛み以外のむちうち症状は、主に以下のとおりです。 首や肩の動かしにくさ 肩こり めまい しびれ 倦怠感 耳鳴り 視力の低下 歩行障害 むちうちは、首に衝撃が加わったことによる筋肉や靱帯、神経の損傷が原因とされる症状の総称です。 むちうちには4つのタイプがあり、タイプごとに異なる症状が現れます。 むちうちの4タイプについては、以下の記事で詳しく説明しています。あわせてご覧ください。 むちうち症状が出るまでに時間がかかる理由 むちうちは、外傷を受けてから症状が出るまでに時間がかかることが多いとされていますが、はっきりとした理由は解明されていません。 一般的には、体への強い衝撃により交感神経が優位にはたらき、アドレナリンやベータエンドルフィンなどの脳内物質が多量に分泌されることが影響するといわれます。これらの脳内物質により、痛みを感じるセンサーが麻痺されたり鎮痛作用が生じたりします。 その結果、むちうちの原因になる事故や頭部外傷直後に症状が現れず、時間がかかることになるのです。外傷が発生してから1日、もしくは2日ほど経過してから症状が出る場合もあります。(文献1) むちうち以外で痛みが生じる原因と対処法 首や肩の痛み、頭痛などが生じる疾患はむちうちだけに限りません。この章では、むちうち以外で痛みが生じる原因と対処法について解説します。 別の疾患がある場合 ここではむちうちと似た症状を呈する2つの疾患を紹介します。症状は似ていますが、原因はそれぞれ異なるため、むちうちだと自己判断せず、医療機関での検査や診察が必要です。 頚椎椎間板ヘルニア 頚椎椎間板ヘルニアは、加齢やスポーツ、外傷などにより、骨と骨の間でクッションの役割をする椎間板の外側に亀裂が入り、髄核(椎間板の中心)を含む椎間板組織が外に飛び出す疾患です。椎間板とは、骨と骨の間でクッションの役割をする組織を指します。 頚椎椎間板ヘルニアの代表的な症状は、首や肩甲骨、腕の痛みやしびれなどであり、進行すると手足にもしびれが生じます。 このような症状が出現した場合は、整形外科を受診し、CTやMRIなどの検査、診察を受けましょう。治療方法としては、ブロック注射や薬物療法、手術などがあります。 頚椎椎間板ヘルニアについては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。 脳脊髄液減少症 文字どおり、脳脊髄液の漏れや脱水症状などが原因で、脳脊髄液の量が減少してしまう疾患です。 起立性頭痛と呼ばれる、立ったり座ったりすると悪化する頭痛や首の痛み、めまい、倦怠感などの症状が生じます。 脳脊髄液減少症は交通事故やスポーツ時の外傷で発症するケースも多く、むちうちと間違えられるケースも少なくありません。 起立性頭痛や首の痛みがある場合は、脳神経外科や整形外科など、診断・治療が可能な医療機関を受診しましょう。治療方法としては、点滴やブラッドパッチ療法などがあります。 脳脊髄液減少症については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。 異常なしと診断された場合 むちうちはレントゲン検査での特定が難しいため、異常なしと診断されるケースもあります。患者の訴えをむちうちの指標とする場合もあるため、具体的な症状を記録し、事故の経緯とあわせて医師に説明しましょう。 症状があるもののレントゲン検査で異常がない場合は、確定診断のためにCTやMRI検査を実施することもあります。 症状によっては、ジャクソンテストやスパークリングテスト、筋萎縮検査、知覚検査といった神経学的検査を実施するケースもあります。 医療機関でこれらの検査を指示された場合は、必ず受けましょう。 受診する際のむちうち症状の伝え方 むちうちは、さまざまな症状が現れますが、目に見える症状はあまり多くありません。正確な診断や治療を受けるためにも、現在の症状を正しく伝えましょう。 この章では、むちうち症状の伝え方に関するポイントを解説します。 伝えるために必要なポイント 医師に症状を伝えるときのポイントは、主に以下のとおりです。 症状出現の時期 症状がある部位および範囲 痛みが生じるタイミング 痛みの種類 これらのポイントをもとに、症状の伝え方の具体例を紹介します。 【具体例1】 「事故の4日後くらいから首の後ろがずっと張っている感じがあります。夜中に寝返りを打つとズキッと痛くて目が覚めることが増えました。朝はとくに首を動かしにくく、洗顔や着替えが大変な状況です」 【具体例2】 「交通事故にあったのは5日前です。最初の2日間はとくに症状はなかったのですが、3日目の朝から首の後ろに鈍い痛みが出てきました。とくに、首を回したときや長時間座っていたあとに痛みを感じます」 医師の前でうまく伝えられるか不安な場合は、症状を具体的に記載したメモの持参をおすすめします。医師にメモを見てもらうことで、症状をスムーズに伝えられるでしょう。 「異常なし」と診断されたときの伝え方 医師の問診やレントゲン検査などで異常なしと診断された場合も、伝え方の基本は同じです。 症状出現の時期 症状がある部位および範囲 痛みが生じるタイミング 痛みの種類 これらの状況を、具体的に医師へ伝えましょう。 異常なしと言われた場合でも、症状があるうちは病院を受診しましょう。通院実績が、むちうち治療の必要性を判断する大きな指標となるためです。 むちうちの痛みを改善させる方法 むちうちの痛みを改善させるためには、医療機関で検査を受けて、検査結果や症状に適した治療を受けることが必要です。加えて、メンタル面でのセルフケアも大切です。 この章では、両者について詳しく解説します。 医療機関での検査および治療 むちうち症状がある場合、医療機関では以下のような検査を実施します。 医師による問診 レントゲン検査 CT検査 MRI検査 神経学的検査 CTはレントゲンではわかりにくい骨折や脱臼を見つける検査であり、MRIは骨折および靭帯や神経などのダメージの有無を見つける検査です。神経学的検査は、痛みやしびれなどの症状を確認するために実施されるものです。 むちうち治療としては、患部の安静や消炎鎮痛剤の内服および湿布による対応、頚椎カラーの装着などがあげられます。症状が緩和されてきた段階では、ストレッチや筋力トレーニングなどのリハビリも行われます。 検査や治療、リハビリについては、医師および理学療法士の指示に従いましょう。 むちうち時における湿布の活用について、下記の記事で解説しています。あわせてご覧ください。 メンタルケア むちうちは自律神経にも関係する場所である首にダメージを受けるために、めまいや不眠、気分の落ち込みなど、身体の痛み以外の症状が現れる場合があります。 加えてむちうちは、目に見える外傷がほとんどなく、レントゲンで異常なしであることも多い状況です。そのため、周りの人になかなか症状を理解されにくい辛さもあります。 症状を理解してくれる人に悩みを打ち明ける、カウンセリングを受けるなどの方法によるメンタルケアも大切です。 むちうちの痛みを知り改善に向けて行動しよう むちうちは首に限らず、肩や腕、後頭部、顔など体のさまざまな部位が痛みます。 痛みが生じるタイミングは体を動かしているときだけとは限りません。ときには安静にしていても痛む場合があります。 むちうちの痛み改善のためには、適切な治療が必要です。そのためにも、痛みを含めた自分の症状を把握し、具体的かつ正確に医師へ伝えましょう。患者の訴えは、むちうち治療の指標の1つです。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。むちうち症状でお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。 参考文献 (文献1) むちうち症発生のメカニズムに関する生体力学的考察|名古屋大学
2025.07.31







