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脊髄を損傷してもできるスポーツ|始め方3ステップ・クラス分け

脊髄損傷 スポーツ
公開日: 2022.03.25 更新日: 2025.12.08

脊髄損傷を負っても、適切なリハビリやサポートを受ければ、スポーツを再び楽しむことは十分に可能です。

実際、多くの方がレクリエーションから競技スポーツまで幅広く取り組み、社会参加や自己実現の手段として活用しています。

本記事では、脊髄損傷を経験された方やそのご家族、支援者の方にとって、スポーツが前向きな人生を築くきっかけとなるよう、役立つ内容をまとめました。

脊髄損傷後にスポーツを始めるための参考になれば幸いです。

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脊髄を損傷しても可能なスポーツ

脊髄を損傷しても、身体の状況に応じて参加可能なスポーツは数多くあります。

ここでは、パラリンピック正式競技・国内のスポーツ・国内外のスポーツにわけて、それぞれ情報を表にまとめました。

パラリンピック正式競技

以下は、障害のあるアスリート(脊髄損傷を含む身体障害者)が参加できるパラリンピック正式競技です。

競技名 連盟・協会 対象者 競技概要
陸上 日本障害者陸上競技連盟 神経機能残存レベルC6前後から可能な例あり。障害の種類・程度で細かくクラス分け。 一般の規則に準じつつ、障害に応じたルール・用具を適用。専用の三輪車(レーサー)を用いて行う。大分国際車いすマラソンが有名。
水泳 日本身体障害者水泳連盟 障害の原因を問わず、運動機能によって10クラスに分類。 一般の規則に準じて実施。下肢障害がある選手は水中スタートが可能。障害の程度により競技内容が調整される。

車いすテニス

日本車いすテニス協会

下肢または上下肢に恒久的障害がある者。

一般のルールに準じ、ツーバウンドルールを追加。車いす操作も技術の一部。専用車いすを使用。
ボッチャ

日本ボッチャ協会

四肢・体幹に重度障害のある者。

ジャックボールにどれだけ近づけられるかを競う。アシスタントによる補助具使用も可能。個人・ペア・チーム戦がある。

卓球

日本肢体不自由者卓球協会

車いす使用者など、障害に応じた5クラス。 サービスやトスのルールが障害に応じて調整される。個人戦・団体戦あり。

アーチェリー

日本身体障害者アーチェリー連盟

五つのクラスに分類され、重度では車いす使用の四肢麻痺者も含む。

一般のルールを基に、用具や補助具(リリーサーなど)の使用が認められる。リカーブ・コンパウンドの種目がある。

車いすフェンシング

日本車いすフェンシング協会

A級、B級にクラス分け。 腕の長さに応じて車いすを固定。フルーレ・エペ・サーブル種目あり。上半身の技術とスピードが求められる。

パワーリフティング

日本パラ・パワーリフティング連盟

障害の程度でなく、体重別に10階級で分類。

ベンチプレス種目を行う。バーベルを胸に下ろし、再度押し上げる試技。

射撃

日本障害者スポーツ射撃連盟

上肢に障害がある者、スタンド使用が必要な者等で2分類。

ライフル・ピストルで射撃し、精密さを競う。精神的集中力も必要。

ウィルチェアーラグビー

日本ウィルチェアーラグビー連盟

頸髄損傷など四肢障害のある者。

前方パスや車いすでのタックルが認められるラグビー。持ち点制度あり。

車いすバスケットボール

日本車椅子バスケットボール連盟

持ち点制度で障害の程度に応じた選手構成。

一般のルールに準じつつ、車いす操作に関する特別ルールあり。

ボート

日本アダプティブローイング協会

使用できる部位によって4分類。

シングル・ダブル・フォアの種目を1000m直線コースで競う。

ハンドサイクル 日本ハンドサイクル協会

肢体不自由者

手で回す自転車型の競技。年齢・性別問わず楽しめる。
スキー

日本チェアスキー協会

座位・立位・視覚障害に分類。係数で公平性を調整。

アルペンスキー4種目に加え、スーパーコンビなどもあり。用具に工夫。

バイアスロン

日本障害者クロスカントリースキー協会

クロスカントリーと射撃の複合競技。

呼吸・精神力のコントロールが必要な耐久系競技。

クロスカントリー

日本障害者クロスカントリースキー協会

専用スキーとストックで雪原を滑走しタイムを競う。

「雪原のマラソン」とも呼ばれる耐久レース。

アイススレッジホッケー

日本アイススレッジホッケー協会

両足麻痺などの障害者

スレッジと短スティックを用いて行う激しい接触競技。

車いすカーリング

日本車椅子カーリング協会

車いす使用者(男女混合)

一般ルールに準じる。戦略性が高く「氷上のチェス」とも呼ばれる。

国内のスポーツ

日本国内では、独自に発展してきた種目が多くあり、パラリンピック競技とは別に地域や全国規模の大会で活発に行われています。

以下は、脊髄損傷を含むさまざまな障害のある方に対して、運動機会や社会参加の一助として広く推奨されている競技です。

競技名 連盟・協会 対象者 競技概要
フライングディスク 日本障害者フライングディスク連盟 男女別・座位・立位による4区分。障害の程度や性別による分類はなし。 アキュラシー(10投中の通過数を競う)とディスタンス(飛距離を競う)の2種目。専用ゴールを使用し、全国障害者スポーツ大会の公式競技。
車いすツインバスケットボール 日本車椅子ツインバスケットボール連盟 四肢麻痺者。運動能力に応じて持ち点があり、コート上の合計は11.5点以内

車いすバスケットを基に開発。正規ゴールと1.2mの低い補助ゴールを使い分ける。障害の状態に応じてパスの工夫が求められる。

電動車いすサッカー 日本電動車椅子サッカー協会 自立歩行不可の重度障害者。上体保持が困難な選手も含む。男女の制限なし。

1チーム4人でプレー。ジョイスティックで操作する電動車いすにフットガードを装着し、バスケットコート上でプレー。スピード感と操作技術が魅力。

ハンドボール(車いす) 日本車椅子ハンドボール連盟 車いす使用者6名中、上肢障害を伴う選手が2名以上必要。 スポンジ製ボールを使用し、6人制でゴールを競う。バスケ未満の身体能力でも楽しめる競技として、リハビリ・レクリエーション要素も重視される。

国内外のスポーツ

以下は、競技性とレクリエーション性の両面を持ち、国内外での普及が進んでいるスポーツです。

なかには、健常者と同じ土俵で競える種目も多く、スポーツによる社会参加や自己実現の機会として注目されています。

競技名 連盟・協会 対象者 競技概要
車いすビリヤード 日本車椅子ビリヤード協会 車いす使用者。障害の程度によって2クラスに分かれる。 ナインボール中心のポケットビリヤード。健常者と混合でプレーできる国際大会もあり。規則は一般に準じつつ、車いす特有の制限がある。
車いすダンス 日本車いすダンススポーツ連盟 車いす使用者 デュオ(車いす同士)やコンビ(車いす+健常者)で踊るダンス競技。世界大会もあり、芸術性と競技性を兼ね備える
車いすゴルフ 日本障害者ゴルフ協会 車いす使用者 一般のコース・ルールを活用。専用カートや車いすでのプレーが可能で、全国のゴルフ場でも開催例あり。
スキューバダイビング 日本バリアフリーダイビング協会 誰でも(障害の種類を問わず) 浮力により身体への負担が軽減されるため、とくに肢体不自由者に人気。全国に障害者向けスクールがあり、国際的にも広がりを見せる。

脊髄損傷後のスポーツの始め方3ステップ

脊髄損傷後の身体は非常に繊細で、スポーツを再開するまでには段階的なリハビリが欠かせません。

無理のないプロセスを踏むことで、二次的な障害を防ぎつつ、日常生活への適応や社会参加を目指すことが可能です。

ここでは、リハビリからスポーツ参加までの流れを3つのステップにわけて解説します。

①全身状態を管理しながらリハビリ

損傷直後は、神経の損傷部位の安定を最優先に考え、ベッド上での安静や患部の固定が求められます。

リハビリは、心肺機能・筋力・関節可動域の低下を防ぐことが目的です。

理学療法士などが手足を動かす他動運動(受け身で動かしてもらう運動)や呼吸トレーニングから始め、状態によっては早期に座位練習を導入し、できるだけ早い段階での生活動作の獲得を目指します。

②退院後は自宅でリハビリ

医療機関での集中リハビリを終えた後は、自宅や地域のリハビリ施設で継続的に運動療法を行うことが推奨されます。

とくに、腰に近い部分の脊髄損傷で神経が完全には断たれていない場合は、、歩行可能となるケースもあり、日常生活動作の改善を中心に無理なく体を動かすことが回復につながります。

③回復状況を見ながらスポーツを開始

いつからスポーツを再開できるかは、麻痺の程度や体幹の安定性、筋力の回復具合によって異なります。

初期段階ではストレッチや座位での軽運動から始め、医師や理学療法士の指導のもと、徐々に負荷を高めていくのが一般的です。たとえば、軽いウォーキングやプール内運動などは、比較的早期に取り入れられる場合があります。

一方で、腰部への負荷が高いゴルフや野球は、損傷部位や治療内容によって異なりますが、一般的にはコルセットが外せるようになるまで難しいでしょう。

障害者スポーツには、障害の種類や程度に応じた多彩な種目があり、競技志向だけでなく、レクリエーション型のスポーツも存在します。

まずは身体の状態に合った活動から始め、運動の楽しさや達成感を感じることが大切です。

脊髄損傷者のスポーツにおける「クラス分け」とは

障害の有無に関係なく公平に競技が行えるようにするために、パラスポーツでは「クラス分け(Classification)」という制度が導入されています。障害の種類や程度に応じて選手をグループに分け、競技上の優劣が生じないように調整する仕組みです。

脊髄損傷には、完全麻痺や不全麻痺といった種類があり、残っている運動機能も人によって異なります。同じ障害名でも実際の身体機能には差があるため、機能的な公平性を保つ必要があるのです。

クラス分けでは程度の差を考慮し、可能な限り同程度の身体機能を持つ選手同士が競えるよう調整されます。

クラス分けの種類

クラス分けの基準は、競技や大会の種類によって異なります。

たとえば、パラリンピック競技では「国際パラリンピック委員会(IPC)」が定める「IPCクラス分けコード」に従って分類されるのが特徴です。

一方、国内の障害者スポーツ大会やリハビリ施設のイベントでは、それぞれ独自の基準が設けられている場合があります。

また、同じ競技でも種目によってクラス分けの方法は異なりますが、いずれもクラス分けの目的は競技の公平性の確保です。

誰でも競技に参加できるのか

国際大会であるパラリンピックに参加するには、「最小障害基準(Minimum Disability Criteria/MDC)」を満たしていることが必要です。

競技に支障をきたす明確な障害が存在することを示す基準で、該当しない場合は出場資格が認められません。

一方、日本国内の大会や地域スポーツイベントでは、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳を持っていれば、一定の条件のもとで出場できる場合があります。

競技レベルや開催規模に応じて参加条件が異なるため、主催者への確認が必要です。

どんな人が参加しているのか

クラス分けの対象となる障害は、脊髄損傷による四肢麻痺や対麻痺のほか、脳性まひによるアテトーゼ(不随意運動)や、手足の切断、視覚障害など多岐にわたります。

たとえば、脊髄を損傷した方は、筋力低下により筋肉を意図的に動かすことが難しかったり、関節の可動域が制限されたりする場合があります。

こうした機能的な障害の程度を基準に、それぞれの競技で適切なクラスに分類され、公平な条件のもとで競技に参加することが可能になるのです。

クラス分けの流れ

パラスポーツの大会で正式な記録を残すには、事前に「クラス分け」を受けておくことが必須です。

クラスを持たずに出場した場合の成績は公認記録とならないため、競技参加前に正式な評価を受ける必要があります。

クラス分けは、身体機能評価・技術評価・競技観察」の3つのプロセスから構成され、障害の程度とスポーツパフォーマンスを総合的に判断して、最も適したクラスに分類されます。

① 身体機能評価(Physical Assessment)

医師や理学療法士などの専門スタッフによる問診をはじめ、筋力テスト、関節の可動域(どこまで動かせるか)、姿勢保持やバランス能力などを確認します。

スポーツ参加に必要な最低限の身体条件(最小障害基準)を満たしているかが判定されます。

② 技術評価(Technical Assessment)

競技に必要な動作(例:ラケットの振り、投球、スタート動作など)を事前に実演し、そのパフォーマンスやスキルの程度を評価します。

スポーツごとの特性に基づき、どのクラスに属するかは技術評価で仮決定されます。

③ 競技観察(Observation Assessment)

実際の大会で初めて競技に出場する際(First Appearance)には、事前評価で仮決定されたクラスが適切かどうかを審判や専門スタッフが観察し、最終的にクラスが確定されます。

不適切なクラス配置による、競技上の不公平を防ぐのが目的です。

クラス分けを実施する人

正式なクラス分けは、専門の資格を持つ「クラシファイヤー(Classifier)」によって行われます。

クラシファイヤーとは、障害の評価と競技特性に関する専門知識・技術を習得し、認定を受けた評価者です。

パラリンピックや公認の国内競技大会では、クラシファイヤーによるクラス分けが前提となっており、非公認の判定では公式記録として認められません

クラス分けは1名で判断されるのではなく、2〜3名のクラシファイヤーが「パネル」としてチームを組み、ひとりの選手の評価を協議の上で決定します。

この体制により、個人の主観に偏らない公平な評価が保たれているわけです。

なお、クラシファイヤーには次の2種類があります。

国際クラシファイヤー(International Classifier)

国際パラ陸上競技連盟(World Para Athletics)など、世界の競技団体によって認定され、パラリンピックや国際大会でのクラス分けを担当する資格です。

国内クラシファイヤー(National Classifier)

日本パラ陸上競技連盟など国内の競技団体が認定し、日本国内の大会でクラス分けを実施する資格です。

脊髄損傷のスポーツにおけるクラス分け記号の見方

パラスポーツでは、公平な競技を実現するために、クラス分けごとに「記号(クラスコード)」が付与されます。選手がどの競技種目に、どのような障害の状態で、どのクラスに属するのかを明確に示すための記号です。

たとえば、「T33N」のように表示され、左から競技種目・障害の種類・障害の程度・クラス・ステータスの順に配置されます。

以下では、それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

1.競技種目

クラス記号の最初の1文字目は、選手が参加する競技の種別を表しています。

  • T(Track):陸上の走る・跳ぶ種目に該当(例:100m走、走り幅跳びなど)
  • F(Field):陸上の投げる種目に該当(例:砲丸投げ、やり投げなど)

2.障害の種類

クラス記号の2桁目と3桁目は、障害の種類を示しています。脊髄損傷もここに含まれる分類があります。(文献1)

  • 10番台:視覚障害のある競技者
  • 20番台:知的障害のある競技者
  • 30番台:脳性の麻痺がある立位競技者と車いすや投てき台を使用する競技者
  • 40番台:低身長・脚長差・切断(義足不使用)・関節可動域制限・筋力低下のある競技者
  • 50番台:脚長差・切断・関節可動域制限・筋力低下があり車いすや投てき台を使用する競技者
  • 60番台:足の切断から義足を装着する競技者

3.障害の程度

次に続く1桁の数字は、障害の重さを示します。

0〜9の数字が割り当てられ、数字が小さいほど障害の程度が重く、大きくなるほど機能がより多く残っていることを意味します。

4.クラス・ステータス

最後のアルファベットは、その選手のクラス分けの状態を表しています。

  • N(New):これまでクラス分けをされたことがなく、新たにクラス分けをされる者
  • R(Review):クラス分けをされたが、再びクラス分けを必要とする者
  • C(Confirmed):クラスが確定された者

脊髄損傷後にスポーツをはじめる際の注意点

脊髄損傷後の身体には多様な変化が起こるため、スポーツを再開・開始する際には慎重な配慮が求められます。

筋力や感覚だけでなく、自律神経や姿勢制御といった内部機能も影響を受けているため、適切な知識と準備が欠かせません。

ここでは、脊髄損傷者が安全にスポーツに取り組むために留意すべき3つのポイントを紹介します。

体温コントロールと熱中症

脊髄損傷によって自律神経が障害されると、体温調節機能が低下し、発汗が困難になる場合があります。

その結果、暑い環境では体温が上昇しやすく、熱中症のリスクが高まるため、屋外での活動時や運動前後には以下の点に注意が必要です。

  • こまめな水分補給(可能であればスポーツドリンクなど電解質を含む飲料を選ぶ)
  • 通気性の良い服装の着用
  • 頻繁な休憩と日陰でのクールダウン
  • 扇風機や冷却グッズの活用

また、体温調節に不安がある場合は、室内での運動を選択するほか、運動前後に体温をチェックしておきましょう。

自律神経過反射と異常高血圧

損傷部位がみぞおちのあたり(T6)より上の方に起こりやすいのが「自律神経過反射」と呼ばれる症状です。

急激な高血圧を伴う発作で、以下のような症状が現れます。

  • 激しい頭痛
  • 顔面紅潮や発汗
    鼻づまり、吐き気
  • 損傷レベルより上の発汗や異常感覚

上記の症状が現れた場合は運動を直ちに中止し、衣類や装具の圧迫、排尿・排便のトラブル、座位バランスの崩れなどを確認します。

原因が特定できなければ、すぐに医療者に連絡してください。

車いす競技での二次障害

車いす使用者がスポーツに参加する際に注意すべきなのが、上肢の「オーバーユース(過使用)」による障害です。

とくに、肩関節の故障が頻発しやすく、車いす操作とスポーツ動作の両方で酷使されることが主な要因となります。

二次障害を防ぐためには、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 肩甲骨周囲筋のストレッチ
  • 上腕三頭筋・三角筋などの補強トレーニング
  • 理学療法士によるフォーム指導
  • 姿勢の見直しと座位保持バランスの強化
  • 定期的なメディカルチェック

肩だけでなく、褥瘡(じょくそう:床ずれ)や体幹筋の衰えも見逃さず、予防的な対策を取り入れることが理想です。

スポーツの可能性を広げる脊髄損傷の「再生医療」

脊髄損傷によって一度失われた運動・感覚機能は、回復が困難とされてきました。

しかし近年では、再生医療という新たな治療の選択肢が登場しています。

再生医療とは、体が本来備えている傷の修復プロセスに関わる細胞を活用する治療法です。

脊髄損傷に対しては「幹細胞治療」が用いられており、患者様自身から採取した幹細胞を培養し、損傷した部位に投与します。当院「リペアセルクリニック」では、損傷部位により近いところに幹細胞を届けるため、脊髄腔内への注射によって投与を行っています。

早期回復を目指す方や手術を避けたい方、アスリートでも導入が進んでおり、体への負担を抑えた治療法を検討している方の選択肢となっているのです。

当院で行っている脊髄損傷の再生医療について、以下の記事で症例を紹介しているので、参考にしてみてください。

まとめ|脊髄損傷後もさまざまなスポーツを行える

脊髄損傷があっても、障害の程度や体の状態に合ったスポーツを選べば、無理なく楽しむことが可能です。

競技スポーツからレクリエーションまでさまざまな種目から選択でき、自分に合ったスポーツを選ぶことで、体力を保ちながら社会に参加できます。

医師やリハビリ専門職と相談しながら、安全に取り組んでいきましょう。

また、再生医療などの新しい治療選択肢も広がっています。

当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、脊髄損傷の治療に用いられている再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施していますので、ぜひご登録ください。

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頚髄の中心部分の損傷による「中心性脊髄損傷」については、以下の記事で詳しく解説しています。

脊髄損傷とスポーツに関するよくある質問

脊髄を損傷して活躍しているスポーツ選手はいる?

はい、います。たとえば、車いすテニスの国枝慎吾選手は脊髄損傷を乗り越え世界で活躍しています。

脊髄損傷C6レベルの方の車いすからベッドへの移動方法は?

C6(頚髄の下部)損傷の方には、車いすをベッドに直角に寄せ、体幹を支えながら手の力で移乗する「直角アプローチ」という方法があります。

手首を反らせると指が自然に曲がる仕組みを利用した「テノデーシス動作」など、残された機能をうまく使う工夫が重要です。

キャスター上げが可能になる脊髄損傷レベル(部位)は?

C7〜C8レベル(首の付け根あたり)の損傷であればキャスター上げが可能となり、屋外移動の自由度が増します。

ツインバスケや車いすテニスなど、上肢機能を使うスポーツにも参加可能です。

脊髄損傷の方の車いすの選び方は?

車いすは、以下のポイントを押さえた上で選びましょう。

  • どれだけ体を動かせるか
  • 1日どれくらい使うか
  • どうやって乗り移るか
  • 屋内外どちらで使うか

上記をふまえて、予算とのバランスを考慮すると良いでしょう。

また、軽量で小回りの利くタイプや外出向けの頑丈なタイプなど、身体状態と生活スタイルに合った車いすを選ぶことも大切です。

(文献1)
TOKYO 2020 PARALYMPIC GAMES HANDBOOK|東京都オリンピック・パラリンピック準備局