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介護のリスクを避ける!筋肉の衰えが心配な高齢者に必要な生活習慣とは

介護のリスクを避ける!筋肉の衰えが心配な高齢者に必要な生活習慣とは

加齢は筋肉が衰える大きな原因の一つです。加齢により筋肉が衰えることをサルコペニア、運動機能の低下で介護が必要な状態をフレイル、骨折や関節痛に繋がり日常生活に支障が出る状態をロコモ(ロコモティブシンドローム)といいます。

これらの症状は運動習慣をつけることで筋肉量を増加させ、筋力を上げることで予防することができます。下半身のトレーニングを中心に、身体を動かす時間を作ることが大切です。

また、高齢者は食事の内容が単調になり、必要な栄養素が不足しやすいといわれています。できるだけ多くの種類の食品を摂ることと、よく噛んで食べることを意識してみましょう。

高齢者の筋肉の衰え

筋肉の低下を「サルコベニア」と呼び、「ロコモ」や「フレイル」の原因に

加齢や栄養状態の低下によって筋肉量が減少し、筋力が低下している状態を「サルコペニア」と呼びます。サルコペニアは、フレイルやロコモ(ロコモティブシンドローム)の原因となり、日常生活に支障をきたす恐れがあるため注意が必要です。

フレイルとは、加齢に伴う運動機能や認知機能の低下によって健康障害や介護が必要な状態になることをいいます。筋肉の衰えだけでなく、食事量の低下による低栄養状態もフレイルに繋がる要素です。

ロコモ(ロコモティブシンドローム)とは、筋肉やバランス機能の衰えによって転倒・骨折しやすくなり自立した生活が送れなくなってしまう危険のある状態です。歩くスピードが遅くなった人や、片脚立ちで靴下を履けない人は知らず知らずのうちにロコモになっている可能性があり、介護リスクが高まる恐れがあります。

筋肉の衰えが嚥下(えんげ)機能の低下に繋がることも

食べ物や飲み物を飲み込むことを嚥下と呼びますが、嚥下の機能にも筋肉が関係します。

嚥下機能が低下すると誤嚥(ごえん)による肺炎(誤嚥性肺炎)のリスクが高くなるため注意が必要です。また、嚥下に使う筋肉が衰えることで食事量が低下、栄養状態の悪化を招きます。

※誤嚥とは、飲食物や唾液を飲み込んだときに通るべき食堂を通らずに、気道(気管)に入ってしまう状態をいいます。

嚥下機能の低下によって食べられるものが限られると、栄養状態が悪化し筋肉が衰え、更なる嚥下機能の低下を招くという悪循環が生まれるため注意が必要です。

筋肉の衰えを防ぐための食事とは

高齢者が筋肉の衰えを防ぐために特に重要な栄養素は「たんぱく質」です。

たんぱく質は、人間の3大エネルギー源のひとつで、筋肉や内臓など身体を構成する組織の主成分となります。たんぱく質が豊富に含まれている食品には、魚・肉・卵・大豆製品・乳製品などがあります。

ただ、高齢者は食事の内容が単調になり、必要な栄養素が不足しやすいといわれています。おにぎりや麺類など単品メニューだけ食べるのではなく、なるべく多くの種類の食品を取り入れて少量ずつでもバランスよく食べることが大切です。

また、高齢になると料理を作ること自体が難しい場合もあるでしょう。そんな時は、冷蔵庫の中に乳製品や豆腐など簡単に食べたり飲んだりできるものを入れておくと手軽にたんぱく質を摂ることができて安心です。

下半身のトレーニングがおすすめ

サルコペニアやフレイル、ロコモを予防するためには、身体を動かすことがとても重要になります。特に、高齢者は普段から足腰や下半身を動かす機会を作ることが自立した生活を送るために大切な要素になっています。

身体を動かす運動によって筋肉量の増加やの筋力をアップさせることができ、内臓の働きも活性化されて食欲にもつながります。また、外に出てウォーキングなどの運動をすることは気分転換にもなって精神状態を安定させることにも効果的です。

外に出て運動するのが難しいという人は、椅子を使う、あまり無理のない形でのスクワットに挑戦するなどでも自宅でもトレーニングができます。

具体的には、椅子に座った状態からゆっくり立ち上がり、またゆっくり座るという動きが椅子を使ったスクワットです。往復10回ほど繰り返すだけで十分なトレーニングになるといわれています。バランス機能に不安がある人は、転倒しないようにテーブルに手をついてやるようにしましょう。

また、壁やテーブルに手をついた状態で片足立ちをするトレーニングもおすすめです。筋力トレーニングをしながらバランス機能も鍛えられます。膝や腰に痛みがあって立ったり座ったりする動きがつらい人は、椅子に座って足を真っ直ぐ伸ばすだけでも大丈夫です。

運動するときの注意点

身体を動かすことが大事とはいっても、誤ったやり方で運動すると逆に筋肉や関節を痛めたり思わぬ事故に繋がったりする危険があります。また、激しい運動を一度に行おうとせず、運動の強度や時間は少しずつ増やすことが大切です。

暑いときや寒いとき、具合の悪いときは無理せずに体調管理を優先させましょう。特に関節や足腰に痛みのある方、高血圧などの持病がある方は、無理して行うのではなく、運動を始める前にかかりつけの医師に相談してからはじめてください。

まとめ・介護のリスクを避ける!筋肉の衰えが心配な高齢者に必要な生活習慣とは

高齢者は、筋肉や運動機能が衰えることで、介護の必要な状態になるリスクが高くなりがちです。さらに、筋肉が衰えることで活動量が減り、ますます身体が動かせなくなるという悪循環に陥る可能性が高くなります。

高齢者が介護のリスクを避けて元気な身体でいきいきと生活するには、食事と運動がとても重要なポイントです。少量でもバランスの良い食事で必要な栄養を摂り、日常生活の中で身体を動かす、運動する習慣を作ることを意識して筋肉を健康な状態にキープしていきましょう。

以上、筋肉の衰えが心配な高齢者が気を付けるべき生活習慣について記させて頂きました。参考にしていただければ幸いです。

 

No.S063

監修:医師 加藤 秀一

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