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エクソソーム、幹細胞上清液での治療について!知っておくべき安全性や副作用、医師が解説!

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エクソソーム、幹細胞上清液での治療で知っておくべき安全性や副作用、医師が解説!

幹細胞をはじめとした種々の細胞から分泌されるエクソソーム。細胞同士の情報伝達に欠かせない存在であり、抗炎症効果などを示すこともわかっています。現在、がんの診断・多くの疾患の治療・化粧品や食品の研究開発など幅広い分野で注目を浴びています。再生医療においても、エクソソーム治療への期待が高まっています。

細胞を用いた治療の弱点である塞栓(細胞が血管に詰まること)や形質転換(望ましくない性質を持つこと)などを克服できるのではないかと期待されているためです。

再生医療や美容医療を検討されている方の中には、エクソソーム治療を受けたいと考えたことがある方も多いでしょう。

では、エクソソーム治療が安全性の面から全く問題がないのでしょうか。実は一概にそうとも言い切れません。

本記事では、エクソソーム治療の安全性・起こりうる副作用について解説をしていきます。

エクソソーム、幹細胞上清液での治療について!知っておくべき安全性や副作用、医師が解説!

エクソソーム治療とは

再生医療の代表である幹細胞治療では、万能細胞である幹細胞を培養し全身あるいは傷ついた組織に投与します。投与された幹細胞が損傷組織の構成細胞に変化するだけでなく、幹細胞由来の生理活性物質が組織の修復を促すことがわかっています。

生理活性物質は小さな袋に入った状態で分泌されます。小さな袋がすなわち「エクソソーム」です。エクソソームだけを精製して投与することで、幹細胞治療と同じような効果が見込めるのではないかと期待をされています。デリケートな幹細胞と異なり、管理が容易です。

エクソソームの安全性は不確実

しかし、エクソソームの医学への応用はまだごく初期の段階です。医薬品として承認されるために必要な臨床試験などをほとんど経ていません。

流通している「エクソソーム」製剤は医薬品医療機器等法の承認を得ていない試薬などという扱いです。試薬であっても、自由診療の場では医師の責任において投与することが可能です。幹細胞治療と同等の効果を発揮するためには、非常に高濃度のエクソソームを投与する必要があると考えられています。

しかし、実際に高濃度のエクソソームを投与したときにどのようなことが起こるのかはまだはっきりわかっていません。これまでのところ目立って「悪いこと」が起こったケースがほとんどないため、「安全だろう」ということで使われているのです。

エクソソームの材料とはなにか

エクソソームの安全性について論じる時に問題になるのはエクソソームそのものの安全性だけではありません。

多くの「エクソソーム」製品は細胞を培養してその培養液の上澄みを精製することで作られています。そのため、エクソソームをつくる「材料」の安全性もしっかりと考えていく必要があります。材料とは「エクソソームを分泌する細胞」と「細胞培養のための培地」のことです。

一般的に「エクソソーム治療」で使われるものは、様々な細胞に変化できる「間葉系幹細胞」と呼ばれる幹細胞を培養する際に分泌されるものです。では、この幹細胞はどこから来たものでしょうか。ご自身の細胞を手術などで採取していない限りは、誰か「他人」の間葉系幹細胞を使って作られたものです。幹細胞は骨髄・歯髄・脂肪・臍帯血などから得たものが中心になっています。

また、幹細胞を培養するためには最適な環境を整える必要があります。植物を育てる際には、植える時期を選んだり日当たりを気にしたりするでしょう。同様に、細胞を育てるにも細胞に合った「培地」が用いられます。そしてホルモンの供給や有害物質からの保護作用などの役割のため、培地には「血清」が添加されることがほとんどです。培地によく用いられる血清は牛の血清です。

エクソソームの材料による副作用

エクソソームを作る過程で「他人の細胞」「他の動物」由来の成分が含まれていると、心配しなければいけない副作用が2つあります。

ひとつはアレルギー反応、もうひとつは感染症です。

アレルギーは外界から何かを体に投与するときには切っても切り離せない問題です。特に、自分以外のもの由来の成分へのアレルギーは誰にでも起こり得ます。当然、「他人」「他の動物」由来の成分が含まれるエクソソーム療法も例外ではないのです。

そして、残念ながら誰にどんな反応が起こるかを予測する手立てはありません。

製剤として販売されるのですから、細胞も血清も基本的には危険な感染症のスクリーニングを受けたものが使用されているはずと思うかもしれません。しかし、感染が起こった直後のごく微量の微生物や、現時点でまだ知られていないウイルスなどがいる可能性はどうしても否定できないのです。

「エクソソーム」と謳われている製品でも、純粋なエクソソームだけを抽出したものではないのです。エクソソームの回収技術はまだ完全に確立されたものではありません。不純物が完全に除去されている保証はどこにもないのです。

そして一番怖いのは他人の遺伝子が含まれているということです。他人の遺伝子があるということで将来的にどのような疾患が出てくるのか予期できなくなるのです。
幹細胞による再生医療は、再生医療等安全確保法という法律があるのですが、上清液やエクソソームには法律がなく無法地帯なのが現状です。いつどこで、誰から作られたかもわからないでのす。

リペアセルクリニックの幹細胞治療は、「ご自身の細胞と血液を使用」して、国内では珍しい「冷凍せず培養」する方法にこだわっています。これにより、「高い生存率と高い活動率」を持った生き生きとした幹細胞を投与でき、良好な治療成績を実現しております。

エクソソームについて気になるQ & A

Q:エクソソーム含有の健康食品やサプリメントに病気の治療や予防効果はある?

サプリメントや健康食品は医薬品ではありません。基本的には病気を予防したり治療したりするものでないのです。したがって、エクソソーム含有されていることで、病気にならない・病気を良くするという効果については期待できません。

Q:エクソソーム治療は高額と聞きましたが保険はききませんか?

残念ながら、いかなるエクソソーム治療も現時点(2024/7)で公的な保険の適応外です。

なお、混合診療(自由診療と保険診療を同時に行うこと)は禁じられています。エクソソーム治療と同時に何らかの検査や処方をうけると、それらも自費扱いになることに注意が必要です。

まとめ・エクソソーム・幹細胞上清液での治療について、知っておくべき安全性や副作用、医師が解説!!

エクソソーム治療は美容や関節の痛み、神経の損傷の後遺症など幅広い分野で期待されています。しかし、安全性の面からはまだまだ検証の余地が多く残っています。

安全性について心配であれば、幹細胞治療も選択肢になるでしょう。当院では患者様ご本人の細胞・血液を使い、独自の技術で培養することで生き生きとした幹細胞を投与できる体制を整えています。ぜひ一度お問合せください。

■参考文献落合孝広. 生物資料分析 42(5): 217-221,2019.
花井洋人, 下村和範, 中村憲正. 臨床スポーツ医学. 37(5):599-603, 2020.
一般社団法人再生医療抗加齢学会幹細胞培養上清液に関する死亡事例の発生について
岩崎剣吾, 森田育男. 最新医学 73(9): 1243-1253, 2018.
厚生労働省|再生医療などのリスク分類・法の適用除外範囲の見直し 第二回ワーキンググループ(R3.1.18)における議論
株式会社ケー・エー・シー 細胞.jp|細胞基礎講座 細胞培養基礎講座 第7回「血清はなぜ必要?」
厚生労働省|再生医療等安全性確保法における再生医療等のリスク分類・法の適用除外範囲の見直しに資する研究報告書
日本再生医療学会|エクソソーム等に対する日本再生医療学会からの提言

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