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大腿骨頭壊死の治療法?従来の治療と再生医療の可能性

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大腿骨頭壊死の治療法?従来の治療と再生医療の可能性

大腿骨頭壊死は、骨盤と股関節を形成している大腿骨頭という部分への血流が何らかの原因で低下、流れなくなった結果、骨が壊死してしまう病気です。

治療としては、股関節への負担を減らすような生活をする「保存療法」や、のちぽど説明する「手術療法」があります。

その他にも新しい流れとして、大腿骨頭壊死に対して「再生医療」という手術をせず、入院もしない治療方法が可能となり、新たな選択肢として注目されるようになってきました。

今回の記事では、大腿骨頭壊死の従来の治療法、また最新の再生医療を用いた治療について解説してまいります。

大腿骨頭壊死
Hip joint cortisone injection

大腿骨頭壊死症と特発性大腿骨頭壊死? 

大腿骨頭壊死(だいたいこっとうえし)とは、大腿骨の股関節側、太ももの太い骨の先端である骨頭(こっとう)が、血流の低下によって壊死してしまう状態のことです。

また、大腿骨頭壊死の中でも、脱臼や骨折といった原因がはっきりしている場合以外のものを、「特発性大腿骨頭壊死」と呼びます。

  • 大腿骨頭壊死:脱臼や骨折など原因がはっきりしている
  • 特発性大腿骨頭壊死:上記以外、原因がはっきりしないもの

特発性大腿骨頭壊死は、骨頭が壊死しているだけでは症状がでませんが、壊死が進行して骨頭の破壊が進むと次第に症状が出現するようになります。症状としては、急に生じる股関節痛が特徴的とされています。

骨頭壊死症の病期(ステージ)分類は以下のようになっており「*骨頭の圧潰」が進むにつれてステージが上がっていきます。

  • *骨頭の圧潰(あっかい)とは
  • 大腿骨の骨頭が通常の球形が押しつぶされた状態をいい、

以下、特発性大腿骨頭壊死について説明してまいります。

 

特発性大腿骨頭壊死症ステージ

引用) 71 特発性大腿骨頭壊死症

 

特発性大腿骨頭壊死症の治療

特発性大腿骨頭壊死の治療法としては、早い段階、初期のステージであれば保存的治療も適応となります。具体的には、杖などでの免荷、つまり股関節にかかる体重を減らすことで負担を軽減し、痛みに対しては鎮痛剤を使用して対応します。

すでに症状があり、骨頭の圧潰が進行すると予想される場合には、手術が選択されます。

手術としては、若い方の場合、股関節を残す「骨切り術」が第一選択となります。一方、骨頭の壊死や圧潰が進んでいる方や、高齢者の場合には「人工骨頭置換術」が必要となることもあります。

保存療法の場合も、手術の場合にも、股関節の痛みを出さないような動作方法などを学ぶためのリハビリテーションが行われます。

特発性大腿骨頭壊死の治療方法

初期
  • ・保存的治療(杖などで股関節への荷重を減らし負担を軽減
  • ・痛みには鎮痛剤を使用
  • ・リハビリ
骨頭の圧潰が進行
  • ・若い方(股関節を残す「骨切り術」が第一選択)
  • ・壊死や圧潰が進んでいる場合(「人工骨頭置換術」を検討)
  • ・高齢者の場合(「人工骨頭置換術」を検討)
  • ・リハビリ

特発性大腿骨頭壊死は治る?再生医療の可能性 

特発性大腿骨頭壊死は、ステロイドの使用やアルコール多飲などの要因が考えられています。しかし、根本的な原因は未だ不明で、骨頭壊死の進行を防ぐことそのものは難しいとされてきました。

つまり、保存的治療や手術療法といった従来の治療では、骨壊死が完全に治るということは難しかったのです。

一方、最近では、骨頭の壊死した部分の骨再生を促すような、最新の治療法「再生医療」での臨床研究も行われています。

手術なし、入院も不要といった再生医療による治療とは

医療の進歩による再生医療という選択肢が従来の治療法に加わりました。その内容を簡単に説明してまいります。

当院では、患者さんの身体から取り出した幹細胞を体外で培養し、増殖させてから身体に戻す、という「自己脂肪由来幹細胞治療」を行っています。

保存の際に、幹細胞を冷凍しないために、幹細胞の生存率が高く、また採取する細胞の数が少ない(米粒2〜3粒分ほど)のため、身体への負担が少ない、といった特徴があります。

股関節の病気に対しては、特殊な針とエコー、特殊なレントゲン装置を利用し、股関節内の損傷している部位をよく調べ、ダイレクトに幹細胞を注入する当院独自の「関節内ピンポイント注射」という方法を用いています。

これによって、手術をしないにもかかわらず、股関節の痛みが軽減され、改善される効果を期待できる方法です。詳しくは、お気軽にお問い合わせ下さい

股関節の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。

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また、自己脂肪由来幹細胞治療の他にも、「PRP(多血小板血漿)療法」という、患者さん自身の血液から抽出した血小板の濃縮液を利用する治療法も行っています。

このPRP療法も、自己脂肪由来幹細胞治療と組み合わせることで、痛みの軽減、改善効果が期待できるのです。

特発性大腿骨頭壊死症についてよくある質問 

  • Q1. 特発性大腿骨頭壊死になってしまったら、必ず手術が必要?

  • A1. 従来は、特発性大腿骨頭壊死が判明した場合には、保存的な治療か手術かが選ばれてきました。
  • 保存的な治療を選択した場合も、骨頭壊死が進行すると手術を行わなければならないこともありました。
  • 一方、最近では再生医療を用いることで、手術なしでも股関節の再生や痛みの改善が期待できるようになってきました。
  • Q2. 特発性大腿骨頭壊死に対する再生医療にはどのようなものがありますか?

  • A2.特発性大腿骨頭壊死に対する再生医療には、自己脂肪由来の幹細胞による再生医療の他に、自分の血液の中にある血小板からでる成長因子(傷を修復させる効果がある)を利用した、
  • PRP治療法があります。このPRP療法は、ヒアルロン酸のように、関節の炎症を抑えるという効果があります。

まとめ・大腿骨頭壊死の治療法?従来の治療と再生医療の可能性

今回は、「特発性大腿骨頭壊死についての治療法」と「特発性大腿骨頭壊死に対する再生医療の可能性」について解説しました。

大腿骨頭壊死のために、「股関節の痛みがあり、手術を勧められている」。でも手術はしたくない、人工関節にも抵抗があり、手術をしない治療法を検討したいという方は、当クリニックの無料相談をご利用ください。当方は医療機関ですので無理に治療をおススメすることはございませんので安心してお問い合わせ下さい。

今回は、大腿骨頭壊死の治療法にいつて、従来の治療法と、新たな流れ、再生医療を用いた治療法を解説しました。参考にしていただければ幸いです。

 

No.153

監修:医師 坂本貞範

参考文献

特発性大腿骨頭壊死症(指定難病71)
71 特発性大腿骨頭壊死症 
p4特発性大腿骨頭壊死症(指定難病71)

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