• 幹細胞治療
  • 脊椎
  • 脊椎、その他疾患
  • 再生治療

リゾトミー(Rhizotomy)とは?慢性腰痛に効果的な手術方法を詳しく解説

リゾトミー
公開日: 2024.03.25 更新日: 2025.11.17

リゾトミー(Rhizotomy)は、痛みに対して過敏に反応する知覚神経を、高周波のラジオ波で焼灼(しょうしゃく:焼き切ること)する治療法です。

腰には腰椎を動かすための椎間関節がありますが、加齢や疲労に伴い変形が生じると知覚神経が増殖します。

リゾトミーにより知覚神経を焼灼すると、慢性・難治性腰痛に伴う症状の改善に効果的です。

本記事ではリゾトミーの適応症状や治療の流れ、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。

当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。

慢性腰痛にお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。

\公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ リペアセルクリニック 公式LINE画像

LINE限定で無料オンライン診断を実施中!
>>簡単30秒で診断してみる

リゾトミーとは神経の一部を切断・焼灼する治療法

リゾトミーは痛みに過敏に反応する知覚神経を、高周波のラジオ波で焼灼する治療法です。

知覚神経を焼灼すると脳に痛みのサインが伝達されなくなります。

慢性的な痛みのなかでも、とくに椎間関節の変形が原因で生じる首や腰の痛みに対して効果的な治療法です。 

レントゲンやMRIなどの検査では原因が明確にわからない慢性腰痛(非特異的腰痛)に対しても効果を発揮します。

治療に用いられる専用の電極針はボールペンや鉛筆よりも細く、傷跡が小さくて済むため日帰りで治療を受けられる点がメリットの一つです。

どんな症状にリゾトミーが有効なのか?

リゾトミーは疼痛過敏症に対して有効な治療法です。

腰椎には腰を動かす際にはたらく椎間関節がありますが、加齢や疲労により変形すると知覚神経が増殖します。

知覚神経が増殖すると、以前に比べて痛みを感じやすく(疼痛過敏症)なります。

リゾトミーは、ラジオ波(高周波の熱)を用いて、過敏になった知覚神経の働きを抑える治療です。疼痛過敏症に伴って生じる腰痛に対して効果的とされています。

リゾトミーの主な適応症状は以下のとおりです。

  • 慢性難治性腰痛
  • 椎間関節の変形による腰痛
  • 知覚過敏による腰痛
  • 保存療法では改善しない腰痛
  • 椎間関節ブロックが一時的に有効な腰痛

なお、リゾトミー手術のメリット・デメリットについては、以下の記事が参考になります。

リゾトミーの詳しい治療方法と流れ

リゾトミーの治療は以下の流れで行われます。

それぞれについて解説します。

1:局所麻酔をして痛みを感じにくい状態にする

リゾトミーの治療前に、レントゲンやMRIなどの画像検査で痛みの原因となる関節および神経を特定します。

治療する場所が特定できたら、皮膚の洗浄および滅菌処置を施し、局所麻酔を注射して痛みを感じにくい状態にします。

リゾトミーの治療は基本的に狭い範囲が対象で治療時間も短いため、身体に大きな負担がかかる全身麻酔は必要はありません

局所麻酔の効果があらわれ、痛みを感じにくい状態になったらリゾトミーの治療に移ります。

2:専用の細い電極針を皮膚から神経の近くに挿入する

局所麻酔の効果があらわれたら、専用の細い電極針を皮膚から痛みの原因となる神経の近くに挿入します。

治療する部位によっては、電極針の挿入口を複数個あける必要があります。

挿入口には筒形の傷口ができますが、針の太さはボールペンや鉛筆より細いため、傷口の大きさは3ミリメートルから5ミリメートル程度です。

皮膚を切開する必要がなく傷口が小さいため、回復に要する時間が短い点がリゾトミーの特徴の一つです。

3:レントゲン透視で針の位置を正確に確認する

電極針を対象となる関節や神経の近くに挿入したら、レントゲン透視下でより正確な位置に電極針を移動します。

一部の施設では内視鏡下でリゾトミーの治療を実施するケースもありますが、日本国内で実施できる施設はまだ少ないです。

内視鏡下で治療を進めるとより確実に痛みの原因となる神経にアプローチできるため、今後、実施できる病院やクリニックが増えていくかもしれません。

腰椎椎間板ヘルニアに伴う経皮的内視鏡下椎間板切除術(PELD)では、内視鏡を用いるのが一般的です。

4:ラジオ波(高周波)を照射して過敏になった神経を焼灼する

レントゲン透視で痛みの原因となる関節や神経の位置が特定出来たら、ラジオ波(高周波)を照射して、疼痛過敏症を引き起こす知覚神経を焼灼します。

治療に際しては局所麻酔剤を注入するため、強い痛みが生じるケースは多くありません

痛みが強い場合や不快感が生じるケースでは、鎮痛剤を追加で投入して対処します。

ラジオ波の治療に伴う痛みは個人により差があるため、心配な方はカウンセリングの際に担当医に相談するのがおすすめです。

5:処置が終わったら短時間安静にする

ラジオ波で痛みの原因となる神経を照射し終えたら、短時間の安静が必要です。

リゾトミーの治療は傷口が3ミリメートルから5ミリメートルと小さく、施術に要する時間も15分から30分と短いのが特徴です。

しかし、皮膚に傷口が生じることには変わりないため、手術後は1時間ほどの安静が求められます。

1時間ほど経過したら担当の医師により傷口の状態や症状の確認が行われ、問題がないと判断されれば歩いて帰宅できます。

リゾトミーの術後回復とリハビリ

リゾトミーの治療後は1時間程度の安静が求められます。

手術自体は15分から30分と短く、電極針を挿入する際に生じる傷口も3ミリメートルから5ミリメートルと小さいため、入院する必要はありません。

1時間程度の安静の後に症状や身体の状態に問題がないと判断されれば、その日のうちに歩いて帰宅できます。

手術後、麻酔の効果が消失した際に症状が改善していれば、特別なリハビリテーションは必要ありません

ただし、椎間関節の変形が腰への過度の負荷や不良姿勢に起因する場合は、身体の正しい使い方に関するリハビリテーションが求められるケースもあります。

リゾトミーのメリット・デメリット

リゾトミーの主なメリットとデメリットは以下のとおりです。

次項でさらに詳しく解説します。

メリット|痛み・こわばりの緩和が見込める

リゾトミーのメリットとしては、以下の4点が挙げられます。

  • 難治性の慢性腰痛への効果が期待できる
  • 体への負担が少ない
  • 回復が早い
  • 複数部位の同時治療が可能

リゾトミーのメリットの一つが、難治性の慢性腰痛への効果が期待できる点です。

椎間関節が変形すると疼痛過敏症の原因となる知覚神経の増加が起きますが、リゾトミーの治療で神経を焼灼すると痛みの緩和につながります。

保存療法では改善が見られない難治性の腰痛に対しても効果を発揮するため、どのような治療を受けても症状が良くならなかった方にもおすすめです。

手術に要する時間は15分から30分程度と短く、傷口も3ミリメートルから5ミリメートルと小さいため、体にかかる負担が少なく、切開しての手術に比べて回復が早い点もメリットの一つです。

椎間関節の変形が複数ある場合でも、局所麻酔で一度に治療できます。

デメリット|後遺症・合併症のリスクあり

リゾトミーのデメリットとしては、以下の5点が挙げられます。

  • 費用が高額
  • 実施している医療機関が限られている
  • 後遺症が出る可能性がある
  • 神経が再生すると痛みが再発する可能性がある
  • 患者の状況によっては適応できない

リゾトミーのデメリットの一つが費用が高額で、実施している医療機関が限られている点です。

健康保険が適用されず自由診療のため、手術費がおよそ60万円~70万円と高額な点もリゾトミーのデメリットといえるでしょう。

手術の際に誤って神経を傷つけると、後遺症を発症する可能性があります。

血栓症や術後血種、細菌感染など、合併症の可能性がある点もリゾトミーのデメリットです。

神経の再生により痛みが再発する可能性がある上、患者の状況によってはそもそもリゾトミーが適応できない可能性もあります。

リゾトミーの弱点とは?これからの可能性について解説

リゾトミーは神経を変性させるため、効果は永続的と考えるかもしれません。 実際は、しっかりと焼き切れていないと神経が再生して痛みが繰り返し てしまうため、長期に効果が続くわけではありません。

しかし、新たな手法により、この弱点をカバーできるかもしれません。それはPELD(Percutaneous Endoscopic Lumbar Discectomy :経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術)という最先端のヘルニア治療で使われる技術を応用した「内視鏡的リゾトミー」です。

PELDでは7mm程度のとても細い筒状の内視鏡を用いてヘルニアの手術を行います。この内視鏡を、リゾトミーで焼く神経を定めるのに使うのが、内視鏡的リゾトミーです。内視鏡で実際に神経を確かめるため、より確実な神経の焼灼ができます。

実際に海外の研究では、椎間関節の内視鏡的リゾトミーは、従来の透視下で実施する方法よりも効果がある期間が長かったという報告がされています。日本で内視鏡的リゾトミーを行なっている施設はまだ少ないのが現状ですが、今後普及すればより確実に腰痛を治療できるようになるでしょう。

リゾトミーの特徴を正しく理解して腰痛の治療法を選びましょう

リゾトミーは痛みに対して過敏に反応する知覚神経を、高周波のラジオ波で焼灼する治療法です。

痛みのサインを脳に伝える知覚神経を焼灼するため、知覚過敏による腰痛や慢性難治性腰痛など、保存療法では改善が難しい腰痛に対して効果を発揮します。

実際の治療には鉛筆やボールペンよりも細い電極針を用いる上、傷口が3ミリメートルから5ミリメートルと小さいため身体にかかる負担が小さく、日帰りで手術が受けられる点もメリットの一つです。

リゾトミーの後遺症で神経障害を発症した場合は、再生医療で対処できる可能性があります。

腰部脊柱管狭窄症の手術後に生じたしびれや残尿感に対する再生医療の治療例については、以下の症例記事をご参照ください。

当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。

慢性腰痛にお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。

\無料オンライン診断実施中!/

無料の再生医療ガイドブックはこちらから!>>

リゾトミーに関するよくある質問

リゾトミーを受ければ慢性腰痛は完治する?

リゾトミーで慢性腰痛が完治するかどうかは、症状の原因や生活習慣によります。

痛みの原因となる知覚神経を焼灼するリゾトミーは、痛みの症状を和らげることを目的とした対症療法に分類される治療法です。

慢性腰痛の原因が普段の姿勢や日常的な身体の使い方にある場合、リゾトミーの治療で一時的に痛みが消失しても、時間が経過すると再び腰痛を発症する可能性があります。

リゾトミーで腰の痛みが緩和したら、身体の使い方や姿勢を見直し、慢性腰痛を根本的な解消へ導くことが大切です。

リゾトミーは何科で受けられる?

多くはペインクリニック専門医という痛みの緩和を行う医師が治療を担当します。また、一部の整形外科でも受け付けていることがあります。

リゾトミーだけでなく、「高周波熱凝固法」や「ラジオ波焼灼脱神経化」などさまざまな呼び名で紹介されているため、お探しの際にはご注意ください。

リゾトミーの費用は?保険は適用される?

リゾトミーは健康保険が適用されず自由診療のため、費用は全額自己負担が原則です。

自由診療では病院やクリニックが価格を自由に設定できるため、医療機関により費用が異なります。

平均するとおよそ60万円〜70万円が相場ですが、詳細は各医療機関にお問い合わせください。

リゾトミーと似た治療法に、高周波熱凝固法があります。高周波熱凝固法のうち、高周波パルス法は保険適応の対象となる可能性があります。

ただし、パルス高周波で一カ月に治療できるのは一部位のみです。