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貧血の症状とは|疲れやめまいは貧血のサイン?原因と対策を医師が解説

anemia symptoms
公開日: 2025.04.30 更新日: 2025.09.30

「最近なんだか疲れやすい」「立ちくらみが増えた」といった不調を感じているなら、それは貧血のサインかもしれません。

貧血は女性や子どもに多いとされますが、年代や性別を問わず、誰にでも起こり得る身近な症状です。

放置すると、心不全や感染症など深刻な病気につながる場合もあります。

本記事では、貧血の症状や原因、対策などについてわかりやすく解説します。

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貧血の症状チェックリスト

もしかして貧血かも?と感じたときに役立つ、セルフチェックリストを用意しました。

貧血の症状は「なんとなく体調が悪い」「いつもより疲れやすい」程度に感じることも多く、見過ごされがちです。

以下の項目をチェックして、ご自身の体調と照らし合わせてみてください。

  • 少し動いただけで疲れやすく、だるさが続いている
  • 階段を上ると息切れする・朝起きるのがつらい
  • 動悸や脈の速さを感じる
  • 胸が苦しくなる・深呼吸したくなることが増えた
  • めまいや立ちくらみを感じる
  • 集中力が続かず、ぼーっとすることが多い
  • 頭痛が増えたように感じる
  • 顔色や唇の色が薄く、顔色が悪いと言われた
  • 爪が白っぽい・割れやすくなった・薄くなった
  • まぶたの裏が白っぽく見える
  • 肌がくすんで見える・髪が抜けやすくなった
  • 手足が冷えやすく、食欲がない日が多い
  • イライラしやすくなった・情緒が不安定になりがち
  • 氷を無性に食べたくなることがある
  • 月経過多・偏食・胃腸の不調・薬の服用などの生活習慣に心当たりがある

上記のチェックリストの症状に複数該当する場合は、貧血の可能性が考えられます。

ただし、このチェックリストはあくまで目安であり、医学的な診断に代わるものではありません。

症状が気になる場合や、該当する項目が少なくても体調に不安を感じる場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。

貧血の症状【重症度別】

貧血の症状は、重症度によってさまざまです。

ここでは、初期・中程度・重度に分けて主な症状を解説します。

初期の貧血症状

症状 説明
疲れやすい 酸素を運ぶヘモグロビンが不足し、筋肉や臓器に十分な酸素が届かないため、少しの動作でも疲労を感じるようになる。
集中力の低下 脳への酸素供給が不足することで、注意力や思考力が鈍りやすくなる。
顔色が悪くなる(青白くなる) 血液の赤みが減るため、肌の色が青白く見えるようになる。
まぶたの裏が白くなっている 血液中の赤血球の減少により、通常は赤いはずの結膜が白っぽくなる。

初期の貧血では、体が酸素不足に適応しようとするため、症状は比較的軽微です。

しかし、この段階で適切な対処を行うことで、症状の悪化を防ぐことができます。十分な休息を取り、栄養バランスの改善を試みましょう。

症状が改善しない、悪化する場合は疾患の可能性があるため、軽視せずに医療機関を受診してください。

中程度の貧血症状

症状 説明
動悸や息切れ 酸素不足を補うために心臓が過剰に働き、心拍数が増加。軽い動作でも息切れしやすくなる。
めまい、立ちくらみ 脳への酸素供給が不足するため、姿勢を変えると一時的に脳が酸欠状態になり、ふらつきが起きる。
頭痛 酸素不足が脳の血管を刺激することで、締めつけられるような頭痛が起きることがある。
爪の変化 鉄不足により、爪が反り返る(スプーン状爪)・割れやすくなる・白くなるなどの変化が起こる。
吐き気 胃腸の働きが低下し、消化不良や胃もたれ、軽い吐き気を感じるようになることがある。

中程度の貧血になると、体の代償機能では酸素不足を完全に補えなくなり、より明確な症状が現れます。

階段の上り下りや少し早歩きしただけで息切れを感じるようになったら要注意です。

医療機関の受診を検討しましょう。

重度の貧血症状

症状 説明
失神 重度の酸素不足により、脳への血流が一時的に途絶え、意識を失うことがある。
胸の痛み 酸素不足で心筋への負担が増し、狭心症のような症状を引き起こすことがある。
異常な食欲(氷が食べたくなる、など) 鉄欠乏性貧血に特有の「異食症(ピカ症)」の一種。氷や土、紙など栄養にならないものを無性に食べたくなる。
赤色平滑舌(ハンター舌炎) 鉄分不足によって舌乳頭が萎縮し、舌の表面が平らでツルツルになる。味覚障害などを伴うこともある。

重度の貧血では、生命維持に必要な臓器への酸素供給が著しく不足し、緊急性の高い症状が現れます。

この段階では入院治療が必要になる場合も多く、放置すると生命に関わる危険があります。

上記の症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

貧血を放置するとどうなる?

貧血は「ただの疲れ」や「体調不良」として見過ごされがちですが、放置すると深刻な健康リスクにつながるため要注意です。

貧血は血液中の赤血球やヘモグロビンが減り、体内に十分な酸素が行き渡らない状態であり、酸素不足を補おうと体は無理に働き続けます。

たとえば、心臓は酸素を全身に送ろうと拍動を早め、心臓に大きな負担がかかりますが、その状態が続くと心不全などの重大な疾患を引き起こす恐れもあるのです。

また、酸素や栄養が十分に届かないと体の回復力や抵抗力も低下し、風邪をひきやすくなったり、感染症にかかりやすくなったりもします。

さらに、頭痛・めまい・息切れ・集中力の低下といった症状が慢性化し、日常生活に支障が出るようになる点も見逃せません。

このように、貧血は放置すると症状の悪化や生活の質の低下にくわえ、命に関わる合併症につながる危険があります。

貧血の症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

貧血の原因

貧血は、単に鉄分が足りないだけではなく、さまざまな要因によって起こる症状です。

以下の表に、主な原因とそれぞれの概要をまとめました。

原因 概要
鉄分不足 食事の偏りや吸収障害により、赤血球をつくる材料である鉄分が不足して起こる。最も多い原因。
体内での出血 月経過多、消化管出血、けがなどによる持続的な出血により、血液が失われて貧血になる。
慢性疾患 がん、腎臓病、炎症性疾患などの慢性疾患があると、赤血球の産生が抑制されて貧血が起こりやすくなる。
造血機能の低下 骨髄の病気やビタミンB12不足などにより、赤血球をつくる働きそのものが弱まり、貧血を引き起こす。

原因は単独で起こる場合もあれば、複数が重なっているケースもあります。

症状が続く場合は原因を特定し、適切な治療や生活改善を行うことが重要です。

貧血の原因や対処法については、以下の記事でも詳しく解説しているのでご覧ください。

貧血症状をすぐに治す方法

まず大切なのは、無理に動かず安静にすることです。

立っている状態では血液が下半身にたまりやすく、脳への酸素供給が不足して、めまいやふらつきが悪化する恐れがあります。

症状を感じたらすぐにしゃがむか座り、できるだけ動かないようにしましょう。

服装にも注意が必要です。ベルトや襟元、締めつけのある衣服は、血流や呼吸を妨げる可能性があります。

できるだけゆるめて、呼吸しやすい状態を保ちましょう。

また、横になれる場所があれば、仰向けに寝て足を心臓よりも高く、15〜30cmほど上げる体勢をとるのが理想です。

下半身にたまった血液が心臓や脳に戻りやすくなり、酸素の循環が促されて、症状が落ち着く場合があります。

ただし、上記の方法はいずれも一時的な対処であり、貧血そのものを治すものではありません。

同じような症状を繰り返している場合や改善が見られない場合は、早めに医療機関を受診し、血液検査を受けることが大切です。

年代・性別で異なる貧血の特徴

貧血の症状は、年代や性別でも異なります。

ここでは、男女や子ども、高齢者に分けて貧血の特徴を見ていきましょう。

女性の貧血

女性は月経や妊娠など特有の体の変化により、貧血リスクが高いのが特徴です。

一般財団法人 女性労働協会によると日本人女性の約40%、とくに月経のある20〜40代では65%が「鉄欠乏性貧血」または「かくれ貧血」としています。(文献1)

自覚がなくても進行している場合があるため、以下の注意点を意識しておきましょう。

月経

毎月の月経による出血で鉄分が失われると、慢性的な鉄欠乏につながります。出血の量が多い人ほど注意が必要です。

妊娠

妊娠中は血液量が増える一方で、胎児の成長に多くの鉄を使うため貧血になりやすい時期です。

放置すると、低体重児や死産のリスクが高まると報告されています。

婦人科系疾患

子宮筋腫や子宮内膜症などによる過多月経が、慢性的な出血を引き起こし貧血の原因となる場合があります。

成長期の子どもの貧血

成長期の子どもは、骨や筋肉が急速に発達するため血液量が増えるのにあわせて、多くの鉄分が必要となります。

食事から十分な鉄分を摂取できないと、赤血球がうまく作れず貧血を起こすケースがあるため注意が必要です。

さらに、部活動やスポーツで大量の汗をかくと鉄分が失われ、尿からも排出されやすくなります。

加えて、激しい運動により足裏に繰り返し強い衝撃が加わると、赤血球が壊れる「運動性溶血」が起こるケースにも要注意です。

高齢者の貧血

高齢者の貧血は、栄養不足だけでなく慢性疾患や薬の副作用など多様な要因が関わってきます。

鉄やビタミン不足に加え、腎臓病や炎症性疾患などの持病があると、造血機能が低下しやすくなるため注意しなければなりません。

さらに、高齢者の典型的な「顔色の悪さ」や「めまい」ではなく、基礎疾患の悪化として症状が現れるケースもあります。

また、意識障害や呼吸困難、歩行障害、食欲不振などが見られる場合もあり、加齢のせいと自己判断して放置するのは大変危険です。

男性の貧血

男性は女性に比べると貧血の発症率は低いとされていますが、発症した際には注意が必要です。

男性の貧血の背景には、胃や十二指腸潰瘍、胃がん、大腸ポリープ、大腸がんなど、消化管からの出血が隠れているケースがあります。

とくに、便の色が黒っぽい、赤褐色が混じるといった変化がある場合は、消化管出血の可能性を疑うべきです。

放置すると深刻な疾患に進展する恐れがあるため、貧血の症状があれば医療機関で原因を特定しましょう。

病院を受診するべき貧血の症状・タイミング

貧血は軽く見られがちですが、症状が続いたり健診で指摘されたりした場合は、病院で血液検査を受けることが重要です。

放置すると生活の質を下げるほか、別の病気が隠れている可能性もあります。

とくに、次のような症状が出ている場合は、貧血だけでなく重い疾患のサインかもしれないため、早急に医療機関を受診してください。

  • 意識が朦朧とする
  • 白目が黄色くなる「黄疸」がある
  • 便の色が黒っぽい
  • 月経がいつもより長い、または出血量が多い
  • 鼻血が30分以上止まらない、歯磨きで頻繁に出血する

診断には、血液検査で測るヘモグロビン濃度(血色素量)が用いられます。

「日本臨床検査医学会」によると、成人男性13.0g/dl未満、成人女性と小児は12.0g/dl未満、高齢者は11.0g/dl未満が貧血とされています。(文献2)

貧血の治し方

貧血の治療法は、主に以下の3つです。

  • 食事療法
  • 薬物療法
  • 原因疾患の治療

食事療法

食事療法で大切な点は、効率よく鉄分を摂ることです。

鉄分の多い食材に加えて、鉄の吸収を助けるビタミンCや、造血作用があるビタミンB12も摂取しましょう。

鉄分やビタミンC、ビタミンB12を豊富に含む食品は、以下のとおりです。

  • 鉄分:レバーや魚介類、大豆製品、野菜・海藻類など
  • ビタミンC:果物や野菜・海藻類など
  • ビタミンB12:肉や卵など

良質なたんぱく質もあわせて摂りましょう。

たんぱく質は、赤血球やヘモグロビンの材料として大切な栄養素です。

肉や魚介類、大豆製品、卵などに多く含まれています。

貧血に良い食べ物をもっと知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

薬物療法(内服・注射・点滴)

鉄欠乏性貧血の治療には、主に以下の3つがあります。

  • 鉄剤の内服
  • 静脈注射
  • 点滴

内服薬には、フェロミア錠、リオナ錠、インクレミンシロップなどがあります。

吐き気や食欲不振といった消化器症状の副作用が出た場合には内服を中止し、注射や点滴に切り替えることもあります。

静脈注射ではフェジン、モノヴァーといった製剤が用いられ、必要に応じて鉄分を直接体内に補充するのが特徴です。

点滴治療は一定時間をかけて薬剤を体内に入れるため、血中濃度を安定させながら吸収を促すことができ、重度の鉄欠乏や内服が困難な場合に選択されます。

また、腎機能の低下による腎性貧血では、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)を用いた治療が行われるケースもあります。

貧血の点滴については、以下の記事も参考にしてください。

原因疾患の治療

貧血は単独で起きているように見えても、背後には消化器系や婦人科系の病気による出血が隠れている恐れがあります。

胃潰瘍や大腸ポリープ、子宮筋腫、子宮内膜症などが代表的な疾患で、いずれも早期の治療が欠かせません。

また、リウマチや慢性腎臓病などの慢性疾患が関与するケースも多く見られ、鉄分の補充だけでなく基礎疾患そのものの治療が必要です。

貧血を繰り返す背景には他の病気が潜んでいる可能性もあると考え、自己判断せず医療機関で原因を特定しましょう。

貧血の原因疾患については、以下の記事でも詳しく解説しています。

まとめ|貧血の症状がある場合は放置せずに医療機関を受診しよう

貧血は「疲れやすい」「めまいがする」といった身近な症状から始まりますが、放置すると心不全や感染症を引き起こすほか、重い病気が隠れている可能性も否定できません。

応急的な対処で一時的に症状を和らげることはできても、根本的な改善には原因の特定と適切な治療が不可欠です。

症状が気になる場合や健康診断で指摘を受けた際には、早めに医療機関で検査を受けましょう。

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貧血の症状に関するよくある質問

貧血が続くとどうなるのでしょうか

貧血が続くと、心筋梗塞や記憶力の低下を引き起こす可能性があります。

また、病気が原因の場合は、その病気自体が進行している危険性もあります。

これは貧血によって全身の酸素が不足し、体が少ない酸素量で身体機能を維持しようとするためです。

心臓は酸素不足を補うために通常よりも激しく働き、全身に血液を送る負担が大幅に増加します。

同時に脳に運ばれる酸素量も減少するため、記憶力や集中力の低下といった認知機能への悪影響も現れます。

病気が原因の貧血では「貧血が続く=病気が進行している」可能性があるため、速やかに医療機関を受診しましょう。

貧血になりやすい人の特徴は何ですか

貧血になりやすい人の特徴としては、女性・過度なダイエットをしている方・偏食の方が挙げられます。

女性は月経や妊娠・出産、授乳など、鉄分を失う機会が多いため、鉄欠乏性貧血になりやすいといえます。

また、過度なダイエットをしている方や偏食の方も、栄養バランスが乱れると必要な栄養素が不足し、結果として貧血を起こす可能性が高くなります。

一方、慢性疾患や造血機能低下が原因の貧血の場合は、年齢や性別に関係なく発症するため、目立った特徴は見られません。

参考文献

(文献1)
働く女性の心とからだの応援サイト|一般財団法人女性労働協会

(文献2)
貧血(診療群別臨床検査のガイドライン 2003)|日本臨床検査医学会