- 足部、その他疾患
- 足部
モートン病に似た症状・病気とは?モートン病の知識とともに徹底解説!

足に異常を感じたことで、自身でネット検索したところ、「モートン病なのではないのか」と不安を抱く方もいるかと思います。モートン病は足の付け根部分の神経が圧迫されて痛みやしびれが生じる病気ではあるものの、似た症状の疾患は意外と種類が豊富です。
モートン病と似た症状や疾患を理解すれば、モートン病自体への知識もさらに深められます。
本記事では、モートン病に似た症状・疾患を、モートン病の知識とともに徹底解説します。
目次
モートン病に似た症状・疾患を紹介
足先が痛んだりしびれたりするのを理由に、いろいろと調べてみてモートン病を疑う方もいるのではないのでしょうか。しかし、モートン病に似た症状や疾患は他にもいろいろとあるため、自己診断は危険です。
モートン病に似た症状や疾患に、以下のものがあります。
疾患名 | 症状 | モートン病との違い |
---|---|---|
足の関節炎 | 足の各所で痛みや腫れなど | 足指だけでなく足の各所で発生 |
足底筋膜炎 | 足裏に痛みや張りなど | かかとや土踏まず付近で発生 |
足根管症候群 | 足裏に痛みやしびれ | 足の甲や足首から上で症状はなし |
中足骨疲労骨折 | 足の甲に痛みやしびれ | 動いている時に症状痛みを感じる |
中足骨骨頭痛(中足骨頭痛) | 動いている時に足裏に痛みやしびれ(症状が進むとじっとしていても痛みなど) | 中足骨そのものへの圧迫が原因 |
糖尿病性神経障害 | 末梢神経の障害によるしびれや冷え、痛み | 糖尿病の進行が原因 |
坐骨神経痛 | お尻から足先に及ぶ痛みやしびれ | 症状が出る範囲が腰やお尻にまで及ぶ |
それぞれの症状について解説します。
足の関節炎
足の関節炎は、足部分の関節に痛みや腫れ、動作の制限などが生じる疾患です。原因は日常での足の使いすぎやケガ、細菌・ウイルスによる感染など多岐にわたります。
足指の付け根部分に症状が現れるモートン病と異なり、足の関節炎は足の各所の関節で症状が見られるのが特徴です。
治療は安静を心掛けつつ、症状が落ち着いた頃合いに少しずつ運動を開始します。加えて、痛みの程度によっては湿布やクリームなどを用いるのも1つの方法です。
足底筋膜炎
足底筋膜炎は、かかとや土踏まずに広がる足底筋膜に炎症が発生する疾患です。足底筋膜にかかる過度な負荷が原因で発症します。主に足先で症状が現れるモートン病とは、場所が異なります。
足底筋膜炎は、長時間のウォーキングやランニングのような足をよく使うスポーツをする方に多く発症する疾患です。加えて、長い時間立ち仕事に従事する方にも見られます。
治療は、かかとにサポーターなどの装具を身に着けつつ、消炎鎮痛剤などで痛みを抑えるのが一般的です。加えて、足の指や足首のストレッチで柔軟性を高めることで、足底筋膜への負担を和らげます。
足根管症候群
足根管症候群は、足首下の内くるぶし付近から足裏に向かう神経で生じる炎症です。神経が物理的に圧迫されることにより、足裏に痛みやしびれが生じます。
なお、モートン病では足の甲や足首から上の部分で痛みやしびれが見られますが、足根管症候群ではそれらの部位で症状は発生しません。
治療の際には、靴底に専用のパッドを入れたりビタミンB製剤などの薬物を投与したりして症状を緩和します。ただし、あまりにも症状が強い場合は、ステロイド注射や手術を選ぶ場合もあります。
中足骨疲労骨折
中足骨疲労骨折は、足の甲を通る中足骨にひびが入り、痛みやしびれが生じる症状です。とくに走り込みやジャンプ動作の多いスポーツを行う人に多く見られます。
モートン病と同じく足指から足の甲にかけて症状が発生するのが特徴です。しかし、モートン病は症状が進んだときにはじっとしていても痛む場合があるのに対し、中足骨疲労骨折は主に運動中に痛みが生じます。
治療は1ヵ月半から2ヵ月程度、患部に大きな負荷のかかる活動は自粛し、安静にするのが一般的です。
中足骨骨頭痛(中足骨頭痛)
中足骨骨頭痛(中足骨頭痛)は、中足骨(足の甲)の先端部分に過度な負荷がかかって発症します。発症当初は歩行やランニングの最中に足裏の痛みを感じる程度ではあるものの、症状が進むと何もしていなくても痛みが生じるのが特徴です。
なお、モートン病は中足骨付近の神経への圧迫で症状に見舞われるのに対し、中足骨骨頭痛の場合は中足骨自体への圧迫が原因とされます。
治療は、靴底にインソールを敷いて足への負担を抑えたり、炎症や痛みを和らげる薬物を使ったりするのが基本です。痛みが強い場合はステロイド注射や手術も選ばれます。
糖尿病性神経障害
糖尿病性神経障害は、糖尿病による合併症の一種です。糖尿病によって血糖値が高い状態が長期間続くと、手足などに伸びる末梢神経が損傷や機能低下を起こします。
とくに足先の末梢神経は、人体の部位でも比較的長く、血流や栄養が届きにくいのも特徴です。糖尿病による末梢神経の障害でも足の指先から足裏にかけてしびれや冷え、無感覚などの症状が現れます。
糖尿病性神経障害は糖尿病が原因であるため、糖尿病の進行を抑えるのが基本的な治療方針です。生活習慣の改善や薬物を使って症状を抑えつつ、痛みがある場合はビタミン剤などで対応します。
坐骨神経痛
坐骨(ざこつ)神経痛は、お尻から太もも、足先に至る広い範囲で痛みやしびれが生じる症状です。とくに痛みの場合、電気が走るような痛みや長時間ジンジンとする痛みが特徴に挙げられます。
坐骨神経痛は足先以外の部位が痛む点がモートン病との大きな違いです。また原因としては、脊柱管狭窄症や腰部椎間板ヘルニアなどが考えられています。
坐骨神経痛は自然治癒するケースもあるものの、医療機関を受診した上で、適切な治療を受けることが大切です。 医療機関の治療では、消炎鎮痛剤の投与やステロイド剤注射、サポーターなどが用いられます。ただし、症状が強い場合は手術も1つの選択肢です。
モートン病の見分け方
「専門医の診察を受ける前に、自身でモートン病を見分けられないか」と考える方もいるのではないのでしょうか。モートン病はセルフチェックなどで、ある程度は自身で見分けられます。
以下にモートン病の見分け方をご紹介しますが、自己判断で満足するのではなく、必ず医療機関を受診してください。
モートン病の初期症状と比較
モートン病は初期段階とある程度進行した段階とで、症状が若干異なります。まず、初期症状の代表例が次のとおりです。
- 足の指に対する感じ方で違和感を覚える
- 歩いていたり靴を履いていたりするときに足指付近に痛みやしびれがある
- 靴を脱いだりじっとしていたりするときは痛みなどが落ち着く
- 足の指を握ったり押したりすると痛みが強まる
基本的に足の指に違和感を感じるとともに、足の指に何らかの負荷をかけている間だけ痛む特徴があります。
なお、症状が進行した場合、以下のように変化するのが特徴です。
- じっとしていても足指に痛みやしびれがある
- 強い痛みやしびれが長時間続く
- 足指だけでなく足の甲や足首にまで痛みが広がる
- 痛すぎて歩くのさえ苦痛になる
- つま先に力が入らない
以上の症状が見られるようであれば、モートン病の可能性があります。
モートン病のセルフチェック
続いて、モートン病のセルフチェック項目は以下のとおりです。
- 足の指や付け根に痛みやしびれがある
- 足の指を握ったり押したりした際に痛みやしびれがある
- 靴を脱いだり歩くのをやめたりすると痛みなどが落ち着く
- 運動時や立ち仕事の時に足先が痛む・しびれる
- つま先に力を入れるのが苦痛
- 足の指先や足の甲も痛い
以上の項目にあてはまるのであれば、医療機関の受診をおすすめします。
モートン病の予防法
足指の付け根に痛みやしびれを伴うモートン病の予防法を紹介します。
モートン病を予防するには、マッサージやストレッチによる足のケアや、適切な靴を選ぶことが重要です。それぞれの方法を詳しく解説します。
マッサージやストレッチによる足のケア
モートン病を予防するうえで、すぐにでもできる方法がマッサージやストレッチによる足のケアです。マッサージやストレッチで足の指や足裏を刺激すると、血行の促進により改善効果が期待できます。
加えて、すでにモートン病の症状がある方も、マッサージやストレッチによって痛みやしびれを緩和できる可能性があります。ただし、あまりにも痛みやしびれが強すぎる方は、症状悪化のリスクを避けるために控えてください。
マッサージの方法
足をケアするマッサージ方法として、青竹踏みマッサージと足指のマッサージの2つを紹介します。
青竹踏みマッサージは、縦半分に切った青竹を使う方法です。
青竹踏みマッサージの手順
- 100円ショップなどで青竹を用意
- はだしの状態で青竹の上に乗る
- 青竹の上で足踏みする(数分程度が目安)
なお、青竹踏みマッサージと同じく足裏を刺激するものとして、テニスボールなどを使う方法もおすすめです。
テニスボールなどを使う方j法の手順
- 座った状態でテニスボールなどの上に足裏を乗せる
- 痛みやしびれが強い部分にボールを移動させる
- つま先からかかとまで一通り丁寧にマッサージする
続いて足指のマッサージは、足指の甲側と足裏側を手の指で挟みこんだうえで揉むやり方です。
甲側と足裏側に分けて30回から50回ずつ心地よさを感じる圧でマッサージしていきます。
すでに症状が出ているのであれば、痛みやしびれが出ている足指を優先的にやります。
適切なサイズの靴を選ぶ
モートン病の予防では、適切なサイズの靴を選ぶことも大切です。
サイズの合う靴を選ぶ際には、足の長さだけでなく、靴の幅もチェックするのがポイントです。幅が狭いと両側から足をきつく圧迫し、逆に幅が広すぎると足に余計な力がかかります。なお足先に余裕のある靴も、つま先への負担を軽くする意味で重要です。
モートン病に似た症状は再生医療も選択肢のひとつ
モートン病やモートン病と似た症状の疾患を治療する際は、再生医療もひとつの選択肢です。
再生医療では、患者様自身から採取した幹細胞や血液を利用します。ご自身の幹細胞・血液を用いるため、副作用のリスクが少ないのが特徴です。
当院「リペアセルクリニック」では、脂肪由来の幹細胞治療やPRP療法といった再生医療を提供しています。 モートン病などの症状にお悩みの方は、一度ご相談ください。
\まずは当院にお問い合わせください/
まとめ|モートン病に似た症状をきちんと理解しよう
モートン病に似た症状や疾患は種類が多いため、足先の痛みやしびれだけではなかなか判断できません。
症状を見分ける方法はあるものの、正確な診断には専門医の力が不可欠です。
モートン病の疑いを持っているのであれば、似た症状の疾患があることもしっかり理解したうえで、医療機関を受診することが大切です。
モートン病と似た症状に関するよくある質問
モートン病と痛風の違いは?
足指の付け根に痛みを感じる病気には痛風も考えられます。しかし痛風は、足指の付け根だけでなく足の甲や膝、手の関節などの各所で起こる場合があるのが特徴です。
加えて痛風の原因として、生活習慣の乱れやストレスなどによる尿酸値の上昇が挙げられます。とくにレバーや魚の干物のようなプリン体を多く含むものや、アルコール類のように尿酸値の高いものの摂取で発症することも多いです。
モートン病の原因は何ですか?
モートン病の原因として、足のつま先への強い負荷が知られています。とくにハイヒールのような足先を強く圧迫する履物の使用や長時間の立ち仕事、長時間のランニングで発症するケースが多いです。
加えて、外反母趾や偏平足のような足が変形する病気も、モートン病を引き起こす場合があります。
モートン病になったらやってはいけないことは?
モートン病になったらやってはいけないことは次のとおりです。
- ハイヒールなど足先の幅が狭い履物の使用
- 長時間にわたって中腰など同じ姿勢を維持すること
- 患部への無理なマッサージやストレッチ
- 長時間にわたる運動
基本的に足先に過度な負荷をかけることなく、安静にしていることが大切です。
モートン病を放置するとどうなりますか?
モートン病を放置するとさらに症状が進んで、何もしていなくても足指の付け根を中心に痛みやしびれが出てきます。しかも、症状が起こる部位も足指付近だけでなく、足の甲やかかと付近にまで広がるのも特徴です。
強い痛みやしびれによって、歩行が難しくなる場合もあります。