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側頭葉てんかんの手術後に起こりうる後遺症を医師が解説

側頭葉 てんかん手術 後遺症
公開日: 2025.05.30

「側頭葉てんかんの手術後の後遺症に強い不安を感じている」

「側頭葉てんかんの手術の内容が気になる」

側頭葉てんかんと診断され、手術を勧められているものの、術後の生活や後遺症に不安を抱えている方も多いでしょう。手術への不安を抱えたままでは、冷静な判断が難しくなります。

本記事では、側頭葉てんかん手術について解説します。

  • 側頭葉てんかん手術の内容
  • 側頭葉のてんかん手術で期待される効果
  • 側頭葉のてんかん手術で起こりうる後遺症
  • 側頭葉てんかん手術で起こりうる後遺症の対策

記事の最後には、側頭葉のてんかん手術と後遺症に関するよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。

側頭葉てんかん手術の内容

区分 項目 内容
手術の基本 手術の対象 側頭葉が原因のてんかん発作
適応の目安 薬で発作が抑えられない場合
手術の目的 発作の軽減・消失、生活の質の向上
主な術式 選択的海馬扁桃体摘出術 海馬と扁桃体の摘出による発作源の除去
海馬多切術 海馬に小さな切れ目を入れて異常信号を遮断
前側頭葉切除術 側頭葉前部と海馬・扁桃体の広範囲な切除
手術後の効果と注意点 得られる効果 発作の回数や強さの軽減、薬の減量、精神的負担の軽減
手術後の注意点 記憶障害・視野障害などの後遺症の可能性
術後の評価 発作の変化と機能障害の有無を定期的に観察

文献1

側頭葉てんかんは、脳の側頭葉から発作が始まるタイプのてんかんです。薬だけでは発作を十分に抑えられない場合は手術が検討されます。手術の目的は、発作の原因となる異常な脳組織を切除し、発作の頻度や強さを減らすことです。

代表的な術式には前側頭葉切除術や選択的扁桃体海馬切除術があり、いずれも発作の原因部位に直接アプローチする手術です。

手術によって発作の改善が期待できる一方で、記憶障害や視野障害などの後遺症が生じるリスクもあります。また、まれに術後てんかんと呼ばれる新たな発作が起こることもあり、手術を受けるかどうかは、リスクや効果、今後の生活への影響について医師とよく相談し、納得した上での判断が大切です。

側頭葉のてんかん手術で期待される効果

効果 内容
発作の消失・軽減 発作の制御による生活の自由度の向上、転倒やけがの予防、運転・就労・学業への支障の軽減
高い発作抑制率 発作の軽減や消失が期待される
薬の減量・中止の可能性 長期服薬からの解放、副作用(眠気・集中力低下など)の軽減、薬剤数の減少
生活の快適さの向上 薬への依存度の低下による自立度や活動範囲の拡大
精神的負担の軽減 発作への不安や孤立感の緩和、気分の落ち込みや不安感の改善
社会生活への前向きさの回復 自己肯定感の向上、人間関係や仕事・学業への意欲の回復
生活の質(QOL)の向上 安定した日常の獲得

側頭葉てんかんに対する外科的治療は、発作のコントロールを目的とした有効な選択肢です。

  • 発作の消失・大幅な軽減が期待できる
  • 抗てんかん薬の減量・服用から解放される可能性がある
  • 精神的・心理的負担の軽減が期待できる

手術にはリスクも伴いますが、てんかんの発作を根本から改善する手段として、期待できるため、医師と相談した上で実施されます。

発作の消失・大幅な軽減が期待できる

項目 内容
発作の完全消失 発作の原因となる脳組織の切除による根本的な発作の消失
発作頻度の減少 発作の回数や強さの大幅な軽減による生活の安定
社会生活への前進 就労・運転・学業などへの制限の緩和
QOLの改善 発作の心配が減ることで得られる日常生活への不安解消

手術の主な目的は、発作の繰り返しを抑えることです。意識を失うような発作が続く場合は、運転や就労などに大きな支障が出るため、手術によって障壁を取り除ける可能性があります。

手術効果の程度には個人差があるものの、術前に発作の焦点が明確であるほど効果が期待できます。

抗てんかん薬の減量・服用から解放される可能性がある

項目 内容
薬の必要性の低下 発作の消失・軽減による服薬依存度の軽減
副作用からの解放 眠気・倦怠感・認知機能低下などからの回復
生活の質の向上 薬の影響を受けにくい、自由な日常生活の実現
活動範囲の拡大 集中力や意欲の改善による社会参加の促進
薬剤数の減少 多剤併用からの移行による身体への負担軽減

薬だけで発作を抑えきれない場合や副作用が日常生活に支障をきたす場合、手術は選択肢です。側頭葉てんかんの手術によって発作が十分に抑制されれば、薬の量を減らす、または中止できる可能性があります。

臨床報告でも、手術によって薬を減らせた実績が示されています。東京医科歯科大学のデータでは、発作が消失した患者の84%のうち、35%が抗てんかん薬の中止に成功しています。(参考:東京医科歯科大学脳神経機能外科

さらに、静岡てんかん・神経医療センターの調査では、術後2年で91%、15年以上経過しても85%の患者が発作のない、またはごく軽い状態を維持し、薬に頼らず安定した生活を送っていることが報告されています。(文献2

精神的・心理的負担の軽減が期待できる

項目 内容
発作間欠期の精神症状の改善 発作がない時に生じる不安や抑うつ、感情の不安定さの軽減
感情コントロールの安定 脳の電気的な不安定さの改善による情緒の安定化
自己効力感の向上 発作への不安の軽減による自信と行動範囲の拡大
社会参加の再開 就労・学業・趣味・交流の再開による生活満足度の向上
生活の質の向上 精神的な充実感と生活全体の質の向上
薬の副作用の軽減 抗てんかん薬の減量・中止による眠気や気分変化の改善
精神的負担の軽減 薬や発作によるストレスの緩和と心理的な安定

文献3

てんかん発作は、単なる身体症状にとどまらず、精神的なストレスや社会的な孤立感にもつながります。側頭葉てんかん手術によって発作が軽減されることで、精神的負担も軽減されます。

また、抗てんかん薬の副作用として見られる気分の落ち込みや集中力の低下も、服用量の減少によって改善する可能性があります。

手術の効果は、発作の抑制だけでなく、日常の不安解消や人間関係の改善といった心理的側面にも良い影響をもたらすことが期待されます。

側頭葉のてんかん手術で起こりうる後遺症

後遺症の種類 内容
認知機能の低下 記憶力・注意力・思考力の低下による日常動作の困難
視野障害 見える範囲が狭くなることによる歩行や運転時の支障
言語機能の低下 言葉の理解や表現の困難、会話時の不自由さ
感情の不安定さ 怒りや不安、落ち込みなど情緒の変動の起こりやすさ
運動麻痺・感覚障害 手足の動かしにくさや、しびれ・感覚の低下

側頭葉は、記憶や言語、感情などの重要な機能を担っています。そのため、手術によって発作が抑制される一方で、一定の後遺症が生じる可能性もあります。

手術の有効性だけでなく後遺症についても理解しておく必要があります。

認知機能の低下

障害の種類 症状 発症のメカニズム
記憶障害 新しい情報の記憶困難、過去の出来事の想起困難 新しい情報の記憶困難、過去の出来事の想起困難
側頭葉(とくに海馬)への影響による記銘力・想起力の低下。左右で記憶の種類に差異あり
言語機能の低下 単語が出てこない、話や文章の理解が難しくなる 左側頭葉の損傷による言語中枢への影響(ウェルニッケ野など)
注意・集中力の低下 情報処理速度の低下、同時処理の困難 側頭葉と前頭葉の連携低下による認知負荷の上昇
遂行機能の低下 計画性の低下、問題解決の困難、行動の抑制低下 前頭葉とのネットワーク機能の変化による高次認知機能の障害
感情・社会性の変化 感情の起伏の変化、他者理解の困難 扁桃体や前頭側頭ネットワークの影響による情動調整や社会的認知の変化

側頭葉は記憶や理解力に関わる重要な領域です。そのため、側頭葉てんかんの手術後には、記憶力や集中力といった認知機能の低下がまれに起こることがあります。

記憶障害や注意力の低下といった認知面の変化が生活に支障をきたす可能性があるため、手術を検討する際は、このようなリスクもしっかり理解した上で、医師と相談しながら判断するのが大切です。

視野障害

障害の種類 原因 特徴や補足
上方視野欠損(上方同名性四分盲) 手術中の視放線下位線維の損傷 上1/4の視野が見えにくくなる。本の上部が読みづらい、標識に気づきにくいなど
半盲などの広範な視野欠損 広範囲の視覚経路の損傷 左右どちらかの視野が半分見えない可能性
一時的な視野障害 術後の脳浮腫や出血による圧迫 一時的に視覚情報の伝達が障害されることがある

文献4

後遺症として起こる視覚障害は、手術によって視覚情報を処理する神経の一部が影響を受けた場合に生じるものです。視覚障害の中でも上1/4の視野が見えにくくなる症状が報告されています。

1/4の視野が見えにくくなる症状は日常生活に支障をきたすこともありますが、失明ではないため、見えない範囲を他の視覚で補う動作が習慣化し、時間とともに生活の不便さは軽減されていく傾向があります。

言語機能の低下

障害の種類 特徴
聴覚性言語理解の低下(ウェルニッケ失語) 他人の話す内容の理解困難、返答の不自然さ、自身の発話の意味不明瞭化
語想起困難(健忘失語) 名前や言葉の思い出し困難、指示語の多用、会話中の言葉詰まり
構文理解の低下 複雑な文や受動表現の理解困難
発語の流暢性の低下(ブローカ失語) 単語の区切り話し、不自然な文法、話すスピードの低下
呼称の錯誤 物の名前の言い間違い(例:「りんご」を「みかん」と言う)
失読・失書 読む力・書く力の低下(失読・失書)
高次言語機能の障害 比喩や冗談、文脈の理解の困難、不適切な言葉の選択

文献5)(文献6

側頭葉の中でも、とくに左側にはウェルニッケ野や側頭回といった言語理解・記憶に関わる重要な領域が存在します。手術で影響を受けると、言語理解や発語の流暢性、記憶といった機能に障害(失語症)が生じる可能性があり、会話や業務に支障を及ぼしかねません。

対して、術後の言語リハビリで徐々に回復するケースも少なくありません。元の状態に戻るとは限りませんが、継続的なトレーニングで日常生活へ復帰は期待できます。

感情が不安定になる

側頭葉は感情のコントロールに関わる脳の重要な領域であり、内側には扁桃体や海馬など、感情処理を担う構造が含まれます。手術によってこれらの部位や、前頭葉との神経ネットワークに影響が及ぶことで、一時的に怒りっぽくなったり、涙もろくなったりするなど、感情の変化が生じることがあります。

感情の変化には個人差があるため、術後は医師やカウンセラー、家族と連携し、心のケアも含めたサポートを受けることが大切です。

運動麻痺や感覚障害

障害の種類 症状
片側の運動麻痺(不全麻痺を含む) 手足の力の入りにくさ、動作の鈍さ、細かい作業の困難
顔面神経麻痺(軽度なことが多い) 口角の下がり、まぶたの閉じにくさ
片側の感覚障害 手足のしびれ、ピリピリ感、鈍さ、ジンジンとした違和感
顔面の感覚障害 頬や唇などの感覚低下や違和感

側頭葉てんかんの手術は、通常、運動や感覚を司る領域からは離れていますが、まれに脳の深部にある神経経路(内包や視放線など)に近づくことで、影響が及ぶことがあります。その結果、手足の麻痺やしびれ、顔の感覚異常などが術後に現れる可能性があります。

万が一、術後に一時的な麻痺やしびれが現れた場合でも、早期からのリハビリによって改善が見込めるため、手や足の動き、顔や体の感覚に違和感を覚えた場合は、早急に医療機関を受診しましょう。

側頭葉てんかん手術で起こりうる後遺症の対策

対策 内容
手術前の準備を怠らない 精密検査によるリスクの把握と手術計画を立てる
手術後のリハビリテーション 運動・言語・感情面の機能回復を目指す継続的な訓練
メンタルケアを怠らない 感情の変化や不安への対応としてのカウンセリングや薬物療法
家族や職場への情報共有 周囲の理解とサポートを得るための適切な説明と連携

側頭葉てんかんの手術後に生じる後遺症に備えるには、事前の対策と周囲の協力が大切です。

術後は、運動や言語機能、感情面のリハビリを継続的に行うことで、回復が期待できます。

手術前の準備を怠らない

カテゴリー 項目 内容
術前評価と情報収集 神経学的検査 運動や感覚の異常の有無を確認
MRI・脳波検査 病巣や発作の場所の特定と切除範囲の計画
神経心理学的検査 記憶・言語・注意などの認知機能の評価
MEG・PET検査 脳の活動領域や血流の確認
医師とのコミュニケーション 手術内容・効果・リスクの十分な理解と納得
健康状態の管理 基礎疾患の管理 高血圧・糖尿病などの安定化
禁煙・禁酒 術後合併症リスクの低減
栄養改善・睡眠 体力と免疫力の維持、心身の安定
感染予防 手洗い・うがいの徹底
術後の生活準備 リハビリ計画 術後の身体・言語機能の回復支援
生活環境の整備 家の段差・手すり設置などへの対策
精神的サポート 家族・専門家との連携による心のケア

文献7

側頭葉てんかん手術に備えるには、術前の精密検査と体調管理が重要です。MRIや脳波、心理検査で脳の状態を把握し、医師と手術計画を立てます。

高血圧や糖尿病の管理、禁煙・禁酒、栄養や睡眠の改善、感染予防も大切です。術後に向けては、リハビリや生活環境の準備、家族との連携を整えることで、スムーズな回復と社会復帰が目指せます。

手術後のリハビリテーション

項目 内容
リハビリの目的 機能回復、日常生活の自立支援、社会復帰の促進
開始時期 容体安定後、医師の許可を得て開始
リハビリ内容 筋力や動作の訓練、感覚刺激、記憶や注意のトレーニング、言語や嚥下の練習
実施場所と期間 病院内または外来・訪問、数週間〜数カ月以上の継続もあり

文献8

側頭葉てんかんの手術後は、発作の軽減に加え、機能の回復を目的としたリハビリが大切です。術後に現れる可能性のある運動麻痺、感覚障害、言語障害、記憶や注意力の低下、感情の不安定さなどに対して、医師の指導のもと、リハビリが実施されます。

理学療法では筋力やバランスの回復を、作業療法では日常動作の改善を目指します。言語聴覚療法では、言葉の理解や発話、飲み込みの訓練を行い、心理的な不安にはカウンセリングが効果的です。リハビリは術後の安定を確認し、早期に始めるのが望ましく、脳の回復力を引き出す上でも重要です。

期間には個人差がありますが、数週間から数カ月以上に及ぶこともあります。リハビリの継続や家族や医師のサポートが社会復帰への大きな助けとなります。

メンタルケアを怠らない

メンタルケアの工夫 内容
感情の変化を受け止めること 不安・落ち込み・イライラを否定せず、手術後の一時的な影響として受け入れる姿勢
誰かに悩みを話すこと 家族・友人・医療スタッフとの会話による気持ちの整理
リラックスできる時間を持つこと 趣味、音楽、散歩、入浴など、心地よく過ごせる時間の確保
質の高い睡眠と休息の確保 睡眠環境の整備と、日中の適切な休憩による心身の回復
適度な運動の継続 医師の指導のもとでの軽い運動による気分転換とストレス軽減
栄養バランスの取れた食事 規則正しい食生活による心身の安定
焦らず自分のペースで回復を目指すこと 比較を避け、少しずつの変化を前向きに捉える姿勢
サポートグループへの参加(可能な範囲で) 同じ経験を持つ人との交流による孤独感の緩和と情報共有

文献9)(文献10

側頭葉てんかんの手術後は、身体的な回復だけでなく、心のケアも欠かせません。一方で後遺症や再発、社会復帰などの不安を抱える方もいます。また、側頭葉は感情を司る脳領域と深く関係しているため、術後に気分の浮き沈みや情緒の不安定さが生じることもあります。

このような変化は一時的な場合もありますが、放置すれば生活や人間関係に悪影響を及ぼすことがあるため、早めの対処が大切です。

家族や職場への情報共有

共有のタイミング 内容
手術前 検査内容の説明や不安の共有を行う
手術直後

手術結果や一時的な症状の可能性を家族に伝えておku

 

入院中 リハビリの進み具合や接し方の注意点を家族に理解してもらう
退院時 自宅での注意点や服薬・体調管理について家族と連携する
職場・学校への伝達 復帰時期や配慮が必要な症状について職場や学校と相談する
長期的なサポート 院や体調変化への理解と協力を周囲に求めておく

文献9)(文献11

側頭葉てんかんの手術後の生活を円滑に進めるには、家族や職場との情報共有が欠かせません。術後は一時的に認知機能や感情面に変化が現れることがあり、周囲の理解があるかどうかで支援の質や生活のしやすさが大きく変わります。

家族には、手術内容や後遺症の可能性、リハビリの方針、日常生活での注意点をわかりやすく伝えることが大切です。職場にも復職に向けて、通院リハビリの調整や業務内容の見直しなどを相談しましょう。

不安を一人で抱え込まず、周囲と協力しながら環境を整えることが、回復に役立ちます。

側頭葉てんかん手術後の後遺症でお悩みの方はご相談ください

側頭葉てんかんの手術後に現れる後遺症は、生活の質に影響しやすく、人には相談しづらい悩みも多くあります。リペアセルクリニックでは、そうした小さな不安にも丁寧に耳を傾け、再生医療を用いた治療で回復をサポートしています。

ひとりで抱え込まず、「メール相談」や「オンラインカウンセリング」を通じて、お気軽にご相談ください。

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側頭葉のてんかん手術と後遺症に関するよくある質問

側頭葉てんかんの手術は誰でも受けられますか?

側頭葉てんかんの手術は、すべての方が受けられるわけではありません。薬で発作が十分に抑えられないことや、発作の原因となる部位が明確に特定できること、さらに手術による効果とリスクのバランスが取れていることなど、いくつかの条件を満たす必要があります。

手術を受けるタイミングはいつですか?

側頭葉てんかんの手術を受けるタイミングは一概に決まっておらず、病状や年齢、生活状況、治療への希望によって異なります。医療機関での診察結果に基づき、医師の指示に従いましょう。(文献12

手術の後遺症は元に戻すことはできますか?

側頭葉てんかんの手術後に生じる後遺症の回復には個人差があり、軽度なものは自然回復やリハビリによる改善が期待できます。

一方で、脳の損傷が大きい場合は、回復が難しいこともあります。根本的な治療法は限られますが、環境整備やリハビリによって機能の維持や生活の質の向上を図ることは可能です。(文献13

退院後すぐに元の生活に戻れますか?

側頭葉てんかんの手術後の生活復帰には個人差があり、回復状況や生活の内容によって大きく異なります。

一般的にはすぐに元の生活に戻るのは難しく、術後は安静を保ちながら段階的に復帰を目指します。復帰までには数週間から数カ月かかることが一般的です。

 

参考資料

(文献1)

奥村 修三.「頭蓋内手術後の突発性脳波異常の出現とてんかん性痙攣発作の危険性及び抗痙攣剤の使用について」35(6), pp.1-4,

https://www.jstage.jst.go.jp/article/iryo1946/35/6/35_6_527/_pdf(最終アクセス:2025年5月12日)

(文献2)

国立保険医療科学院「側頭葉てんかん外科手術後の記憶障害機構の解明」厚生労働科学研究成果データベース , 2015年5月21日

https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/21416(最終アクセス:2025年5月12日)

(文献3)

原 広一郎ほか.「てんかんとメンタルヘルスについて」『千葉県循環器病センター/てんかんセンター医療法人静和会 浅井病院』, pp.1-20, 2024年

https://www.pref.chiba.lg.jp/junkan/shinryoka/shinkate/documents/mentaruherusu.pdf(最終アクセス:2025年5月12日)

(文献4)

岩崎 真樹.「てんかんの外科治療」『国立精神・神経医療研究センター病院 脳神経外科』, pp.1-21, 2020年

https://epilepsy-center.ncnp.go.jp/pdf/200808_document_03.pdf(最終アクセス:2025年5月12日)

(文献5)

益子沙緒里.「てんかんと高次脳機能障害」『令和4年度千葉県てんかん支援拠点病院Web研修会』, pp.1-18,2022年

https://www.pref.chiba.lg.jp/junkan/documents/05.pdf(最終アクセス:2025年5月12日)

(文献6)

曽根大地ほか.「世界で初めて側頭葉てんかんの根治治療に最適な脳の切除範囲を同定〜術後の言語記憶障害のリスクを従来の 8 分の1に〜」『東京慈恵会医科大学』, pp.1-4, 2021年

https://www.jikei.ac.jp/news/pdf/press_release_20211126.pdf(最終アクセス:2025年5月12日)

(文献7)

三嶋健司.「てんかん外科に必要な看護」『国立精神・神経研究センター病看護部3階南病棟』, pp.1-15,

https://epilepsy-center.ncnp.go.jp/pdf/201219_document_07.pdf(最終アクセス:2025年5月12日)

(文献8)

藤川真由.「てんかんリハビリテーションと社会制度の今」, pp.1-5, 2021年

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/38/4/38_569/_pdf/-char/ja(最終アクセス:2025年5月12日)

(文献9)

「てんかんとともに働き暮らすために」『社団法人日本てんかん協会』, pp.1-128

https://www.jea-net.jp/wp-content/uploads/2018/11/useful_pdf_08.pdf(最終アクセス:2025年5月12日)

(文献10)

田中優.「てんかん患者さんの社会復帰支援・精神科デイケアについて」『NCNP病医院 国立精神・神経医療研究センター』, pp.1-12

https://epilepsy-center.ncnp.go.jp/pdf/240721_document1_08.pdf(最終アクセス:2025年5月12日)

(文献11)

福智 寿彦.「てんかん患者の自立と社会参加支援」, pp.1-7,2014年

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjghp/26/1/26_21/_pdf(最終アクセス:2025年5月12日)

(文献12)

石下 洋平,川合 謙介.「てんかん外科治療の適切なタイミング」『脳と発達』, pp.1-7, 2020年

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ojjscn/52/4/52_223/_pdf/-char/en(最終アクセス:2025年5月12日)

(文献13)

向野 隆彦.「側頭葉てんかんにおける記憶障害」『臨床神経学』34(7), pp.1-7, 2024年

https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/064070453.pdf(最終アクセス:2025年5月12日)

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