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脳梗塞といびきは関係がある!危険ないびきの見分け方

脳梗塞いびき
公開日: 2025.05.27

「最近、いびきがひどいと家族に言われて気になっている」「朝起きるとのどが渇いている」

そんな悩みを持っていませんか?

実はいびきが命の危険を訴えるサインになっているかもしれません。

厚生労働省が発表している「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でもいびきの危険性は指摘されています。

いびきは睡眠時無呼吸のサインであり、放っておくと脳梗塞にもつながる危険な症状のひとつです。

この記事ではいびきと脳梗塞の関係性や、いびきの予防法について解説しています。

いびきに関して不安を抱えている人、家族のいびきに異変を感じている人はぜひ参考にしてみてください。

いびきと脳梗塞の関係性

脳梗塞といびきは大きく関係しています。

脳梗塞によっていびきをしてしまっている場合もあれば、いびきが脳梗塞の原因となっていることもあります。

この項目ではいびきと脳梗塞の関連性について解説します。

いびきが脳梗塞のサインになっている可能性

今まで静かに寝ていたのに急に大きないびきをかくようになった人や、いびきの音が不規則な人は注意が必要です。脳梗塞を発症していびきが出ているのかもしれません。

脳梗塞とは、脳の血管が詰まったり、細くなってしまうことで血流が滞り、酸素やエネルギーが十分に行き渡らず脳細胞が破壊されてしまう病気です。

脳梗塞を発症すると意識障害や麻痺を起こすことがあります。麻痺による運動機能の低下で喉周辺の筋肉が緩んで舌が気道を塞ぎ、いびきが大きくなってしまうのです。

脳梗塞が原因の場合、以下の症状も同時に見受けられます。

  • 揺すっても起きない。
  • 手足の動きが鈍い。もしくは麻痺している。
  • 呼吸が不規則だったり、息が止まることがある。

揺すっても起きなかったり、意識が朦朧としている状態の場合は特に危険です。一刻を争う場合もあるため、すぐに病院にかかりましょう。

いびきが脳梗塞の原因になることもある

いびきによっては、脳梗塞を引き起こす原因になっている可能性もあります。

いびきの原因は、気道が狭くなったり、塞がってしまうことで空気の通りが悪くなってしまうことです。

空気の通りが悪くなると十分な酸素が血液中に行き届かず、酸素を補おうと心臓に大きな負荷が掛かります。

その結果血圧が上昇し血管に負荷がかかることで、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まってしまうのです。

さらに危険なのは、睡眠時無呼吸症候群を患っている場合です。

睡眠時無呼吸症候群は睡眠中息が止まってしまう病気で、無呼吸の時間が長ければ長いほど身体的な負担は大きく、脳梗塞のリスクはさらに上昇します。

海外で行われた研究では、脳卒中を発症もしくは亡くなった対象者1022名のうち、697名が閉塞性睡眠時無呼吸症候群を患っていたという報告も上がっています。(文献1

脳梗塞を含む脳卒中の再発予防や後遺症の治療としては、再生医療という選択肢もあります。再生医療について詳細は、以下のページをご覧ください。

手術しなくても治療できる時代です。

脳卒中のお悩みに対する新しい治療法があります。

危険ないびきの特徴・見分け方

いびきが出るからといってすべてが病気の前兆とは限りません。疲労やお酒の飲みすぎ、風邪などによって一時的にいびきが出る場合もあります。

しかし、慢性的にいびきをかいている人は注意が必要です。この項目ではいびきの特徴を危険度ごとに分けて紹介しています。

危険性が低いいびき|単純性いびき症

単純性いびき症とは、日中の疲労や風邪症状などによって引き起こされる一時的なものです。危険性は低く、原因を解消することで治まる場合がほとんどです。

主な原因は以下の通りです。

  • 心身的な疲労
  • 飲酒
  • 鼻づまりなどの風邪

単純性いびき症の場合でも、体型などによっては大きないびきが出ることもあります。いびき用のマウスピースなどを使うことで軽減されることもあるため、慢性的ないびきではない場合は検討してもいいかもしれません。

上気道抵抗症候群

上気道抵抗症候群とは、睡眠中に喉や鼻といった上気道の空気の流れが滞ってしまい、呼吸がスムーズにできなくなってしまう睡眠障害のひとつです。

いびきのほかに睡眠時の呼吸が浅い、日中に眠気があるなどの症状が見受けられます。

睡眠時無呼吸症候群と症状は似通っていますが、上気道抵抗症候群のほうが睡眠時無呼吸症候群と比べ症状は軽いです。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中呼吸が頻繁に止まってしまう病気です。ガイドラインでは睡眠中10秒以上呼吸が止まっている状態を「睡眠時無呼吸」と定義しており、睡眠時無呼吸が1時間で5回以上見られた場合睡眠時無呼吸症候群と診断されます。(文献2

睡眠時無呼吸症候群の診断は、睡眠ポリグラフ検査によって行われます。

睡眠時の呼吸状態を判断し、1時間での無呼吸、低呼吸を合わせた回数である無呼吸低呼吸指数(AHI)を測定します。無呼吸低呼吸指数(AHI)の数値が高ければ高いほど重症ということです。

無呼吸低呼吸指数(AHI)が5以下の場合、睡眠時無呼吸症候群の軽症型ともいえる「上気道抵抗症候群」と診断されます。

睡眠時無呼吸症候群にはいびき以外にもさまざまな症状が見られます。次の項目で詳しく解説しています。

いびきと脳梗塞リスクを高める睡眠時無呼吸症候群

家族からも心配されるほど慢性的にいびきが続いている人は、睡眠時無呼吸症候群を患っている可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群は脳梗塞や心不全といった死亡リスクの高い病気を併発してしまうこともある危険な病気です。

睡眠時無呼吸症候群の最大の特徴は睡眠時のいびき、呼吸が止まる無呼吸ですが、睡眠時の症状を自分で把握するのは難しいでしょう。

この項目では睡眠時以外にも現れる睡眠時無呼吸症候群の症状や前兆について紹介します。

起床時に現れる症状

睡眠時無呼吸症候群を患う人の特徴として、起床時に以下の症状が見られることがあります。

  • 口の中が渇いている。もしくはべとべとしている。
  • すっきりと目覚められない。寝た気がしない。
  • 身体が重く疲労感がある。
  • 起床時に頭痛がする。

睡眠時の酸素不足によって上記の症状が引き起こされていると考えられています。

また、起床時の症状とは若干異なりますが、夜中に尿意を催し起きてしまう夜間頻尿も特徴的な症状のひとつとして挙げられます。

日中に現れる症状

日中に現れる症状は以下の通りです。

  • 異常な眠気に襲われる
  • 集中力がもたない。ぼーっとしてしまう。
  • 気分が上がらない。うつっぽい。

日中の異常な眠気は睡眠時無呼吸症候群の最大の特徴です。

これらが発生する原因として、無呼吸による眠りの浅さや睡眠の分断が原因だと考えられています。

いびきを予防するには

生活習慣の乱れやストレスによって起きる「単純性いびき症」の場合を除き、いびきの主な原因は肥満であると言われています。

肥満を解消することによっていびきが軽減されることは多くの研究でも証明されており、すぐに実践できる予防法として適しているといえるでしょう。

睡眠時無呼吸症候群を患っている人の減量療法は、食生活の改善と適度な運動の2つの柱で構成されています。

また、運動は特に効果が高く、体重の増減にかかわらず無呼吸低呼吸指数(AHI)の数値に改善が見られたという報告もあります。

しかし、症状の進行度合いによっては減量だけでは十分な効果が得られない場合もあります。

生活習慣を改善しても効果が見えない場合はすぐ専門の医師に相談し、減量療法に加え別の治療も検討しましょう。

手術しなくても治療できる時代です。

脳卒中のお悩みに対する新しい治療法があります。

まとめ|脳梗塞といびきは深い関係がある!いびきを防いで脳梗塞発症リスクを下げよう

脳梗塞といびきは深い関係があるということがおわかりいただけたでしょうか。

いびきは喉や鼻といった空気の通り道である気道が塞がり、空気の通りが悪くなることで起こります。

心身の疲労や風邪による一時的ないびきもありますが、慢性的にいびきをかいている人は注意が必要です。空気の通りが悪いということは血液に十分な酸素が行き届いていないということなので、脳梗塞の発症の原因になってしまいます。

また、脳梗塞を発症しているサインとしていびきが出ていることもあります。揺すっても起きない、呼吸がおかしいなど、普段と異なった症状が出ていたらすぐ医療機関にかかるようにしましょう。

いびきが悪化すると睡眠時無呼吸症候群を発症するおそれもあります。睡眠時無呼吸症候群は脳梗塞のリスクをさらに高めるため注意が必要です。

日中異常な眠気に襲われる、夜中に目が覚めてしまうといった症状のある人は、病院にかかることをおすすめします。

いびきの主な原因は肥満であると言われています。病院に行かずにいびきを改善したいという人は、運動や食事指導によって生活習慣の改善を心がけましょう。

脳梗塞を含む脳卒中の再発予防や後遺症でお悩みの方は、再生医療という治療の選択肢もあります。再生医療について気になる方は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にお問い合わせください。

参考文献

(文献1)

H Klar Yaggi ,et al. (2005). Obstructive sleep apnea as a risk factor for stroke and death.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16282178/(最終アクセス:2025年5月21日)

(文献2)

日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」(2020年)
https://www.jrs.or.jp/publication/file/guidelines_sas2020.pdf (最終アクセス:2025年5月21日)

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