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坐骨神経痛を和らげる寝方とは?妊娠中や寝れないときの対処法も解説!

普段から坐骨神経痛に悩まされていると、夜も痛みのせいで眠れないのではないのでしょうか。実は坐骨神経痛の痛みが和らいだ状態で眠れる寝方はいくつかあります。
本記事では、坐骨神経痛の痛みを和らげる寝方を、妊娠中の場合や眠れない時の対処法とともに徹底解説します。
坐骨神経痛の痛みをなるべく気にせずに眠る方法やポイントを理解して、今夜からでも実践してみてください。
目次
坐骨神経痛が和らぐ3つの寝方
腰の痛みに加えて、お尻から脚に至る範囲でしびれを伴う坐骨神経痛は、日常生活に様々な悪影響を及ぼします。
坐骨神経痛になると、痛みやしびれのあまり夜も熟睡できないことも多いです。
しかし、坐骨神経痛でも寝方を工夫するだけで、少しでも痛みを和らげながら眠れます。
坐骨神経痛の症状が和らぐ寝方を3つ紹介します。
仰向けで膝を立てて寝る
仰向けで寝るときは、膝を立てた状態での就寝をおすすめします。
坐骨神経痛の場合、普通に仰向けで眠るだけでは、腰が前の方に反るとともに敷布団から浮いた状態になる仕組みです。しかし、寝ている間に腰が敷布団から浮いた時、腰からお尻や脚に向かう神経を圧迫して痛みに襲われます。
そこで、仰向けで膝を立てて寝ることで、腰の反りによる神経の圧迫が緩んで痛みを抑えられます。ただ、意識的に膝を立てて寝ると熟睡できないため、立てた膝の裏側にクッションやタオルを置くのがおすすめです。
横向きで両膝の間にクッションを入れる
横向きで眠る際には、膝の間にクッションを入れた状態であれば熟睡が期待できます。
坐骨神経痛の方が横向きの睡眠で痛みが生じるのは、腰のほぼ中心を腰椎が通るのに対し、周辺には筋肉や内臓しかないためです。
横向きになった場合、腰回りの筋肉が一生懸命に体を支えようとします。その結果、骨盤内を通る坐骨神経が筋肉に圧迫されて痛みが強まる仕組みです。
横向きで寝る時、まず痛い部位を上に向けることで、筋肉による神経の圧迫で生じる痛みを抑えられます。加えて、両膝の間にクッションを挟むこともポイントです。挟んだクッションが腰を支えるとともに、足の筋肉が緩む分、痛みが軽減されます。
痛みを悪化させない寝返りの打ち方
寝ているときに寝返りを打つのはごく自然な現象ではあるものの、坐骨神経痛を抱えている方は寝返りの際に痛みに苦しみやすいです。
痛みを悪化させないように寝返りを打つには、まず仰向けの姿勢で両膝を立てます。この際に股関節も深く曲げるのがポイントです。
次に軽く腹筋に力を入れながら、上半身と下半身を同時に動かす形で寝返りを打ちます。
妊娠中の坐骨神経痛の寝方は?
妊娠中の方の場合は、横向きにして、痛みが出やすい側を上にするのが基本です。同時に膝を少しだけ曲げ、両膝の間にクッションなどを挟みます。
なお、寝る際にはお腹周りへの冷えを防ぐことで、坐骨神経痛の症状を緩和できます。また、これから横向きに寝る際には、胎児への影響を考えて一度主治医にもご相談ください。
坐骨神経痛の寝方の注意点
坐骨神経痛でも痛みを抑えながら眠れる方法やポイントを見てきましたが、寝方には注意すべき点もいくつかあります。
うつ伏せは避ける
坐骨神経痛の寝方では、うつ伏せは避けた方が良いのが一般的です。うつ伏せでは、寝る際に腰椎が反った状態になるため、強く痛みが出ます。
しかも、腰椎だけでなく首や背中にも負担がかかるため、坐骨神経痛が悪化するだけでなく首や肩にも痛みが出てくる場合もあります。
痛い方が下に来ないようにする
坐骨神経痛で痛みを感じる部位が下に来ないことも大切です。痛い方を下にした場合、坐骨神経が腰回りの筋肉と寝床とに挟まれるため、強い痛みが生じます。
このため、坐骨神経痛を抱えながらもゆっくり眠りたい方は、痛む部位が上に来るようにするのがおすすめです。
長時間同じ姿勢になるのを防ぐ
他にも長時間同じ姿勢で眠ることも避ける必要があります。寝返りを打たずに同じ姿勢で寝続けていると、特定の部位の筋肉に負荷がかかり続けるためです。
気付いたときに寝返りを打つなどして、極力同じ姿勢の寝方にならないようにします。もし、なかなか寝返りを打てないのであれば、筋トレやストレッチなどで筋肉の柔軟性を高めるのがおすすめです。
なお、坐骨神経痛では同じ寝方だけでなく、起きている間の座りっぱなしなどの同じ姿勢も避けなければなりません。座りっぱなしの場合は、30分に1度は席を離れて体を動かす癖をつけると良いでしょう。
坐骨神経痛の方におすすめの寝具の選び方
坐骨神経痛の症状を和らげるには、寝具の選び方も重要です。
まず、理想的なマットレスを選ぶポイントとして、以下の点が挙げられます。
- 適度な反発性のある
- 体圧が分散されやすい
- 厚みが十分あり、寝返りを打ちやすい
適度な反発性のあるマットレスは、寝ている時も立っている時と同じ姿勢を保つのが特徴です。立っている時の姿勢では、背骨も本来のS字カーブのような形になるため、背骨や腰に負担がかかりません。そのため、坐骨神経痛の方も痛みが軽減された状態で眠れます。
また「体圧が分散されやすい」点も、背中や腰など特定の部位に圧力が集中しにくい分、坐骨神経痛の痛みを感じにくいです。体圧が分散されやすいマットレスは均等に圧力が分散されるため、腰への負担が和らぎます。
さらにマットレスに十分な厚みがあれば、表面が床より高い位置にある分、寝返りを打っても腰にあまり負荷がかかりません。加えて、幅が十分に広ければ安心して寝返りを打てるため、さらに腰への負担を軽減できます。
マットレス以外に、枕も適切なものを選ぶことが大切です。枕も適切な高さで、頭が沈まない程度の硬さがあるものが向いています。高さについては、仰向けで寝たときに目線がやや下を向くものや、横向きになった際に背骨が頭の延長線上に来る程度のものがおすすめです。
坐骨神経痛で寝れないときの対処法
坐骨神経痛を抱えている場合、夜に熟睡できずに困る方もいるかと思います。
もし坐骨神経痛の痛みで眠れないときは、以下の方法をお試しください。
横向き姿勢を試す
横向きで寝る姿勢は、仰向けよりも腰や足への負担を軽くするとされています。なお、この際に痛みを感じる部位を上に向けるのがポイントです。
なお、寝るときに抱き枕やタオルなどを抱えた状態にすると、横向き姿勢を維持するのに役立ちます。
寝る前に水分を取る
坐骨神経痛で寝れないときは、寝る前に十分な水分を取ることも有効な対処法です。実は人は寝ている間に汗をかくため、睡眠中は水分が不足しがちです。
寝ている間に水分が流出すると、筋肉や神経が硬くなります。結果として筋肉が緊張したり、神経が興奮状態になったりするため、痛みやしびれを感じやすくなる仕組みです。
寝る前に水や白湯を飲むことで、夜中の急激な痛みやしびれを抑えられることが期待できます。
体が冷えないようにする
夜間に体を冷やさない工夫も、坐骨神経痛で眠れない対策として重要です。坐骨神経痛を抱えている場合、空調や冬の寒さなどで体が冷えると、血行不良になります。
坐骨神経は周りに多くの血管が張り巡らされているため、冷えの影響で血行不良が起きると、筋肉が硬くなったり緊張したりして痛みを感じやすいです。夏場に部屋を冷やしすぎないようにしたり、冬場はしっかり布団をかけたりする工夫が求められます。
まとめ|坐骨神経痛が和らぐ寝方でしっかり眠ろう
坐骨神経痛の方は、膝を立てた状態の仰向けや、膝の間にクッションを挟みながらの横向きがおすすめの寝方です。両方の寝方は坐骨神経の通る足腰への負担を軽減するため、痛みが和らいだ状態での睡眠が期待できます。
加えて、適切な反発性や厚みのある寝具を選ぶことも、坐骨神経痛の痛みを緩和させながらの睡眠に効果的です。他にも寝る前の水分補給のように、眠れない時の対処法も活かすと良いでしょう。
坐骨神経痛で眠れない方は、本記事で触れた方法で痛みが和らぐ寝方をお試しください。ただし、激しい痛みが続く場合や日常生活に大きな支障がある場合は、医療機関を受診することをおすすめします。
坐骨神経痛の寝方でよくある質問
坐骨神経痛で寝るときにクッションを足に挟むのはなぜ?
坐骨神経痛で寝るときにクッションを足に挟むと、腰への負担を軽減できるとともに、骨盤のゆがみを防げます。加えて、痛む側の足の筋肉が緩む分、より痛みを気にせずに眠りやすいです。
坐骨神経痛が悪化する寝方は?
坐骨神経痛が悪化する寝方の代表例がうつぶせ寝です。うつ伏せの状態で寝ると、腰が反る上に負担がかかってしまいます。
また、長時間同じ姿勢で寝返りを打たない寝方も、腰が圧迫を受けやすいために坐骨神経痛を悪化させやすいです。
坐骨神経痛で夜中に激痛が来るのはなぜ?
坐骨神経痛で夜中に激痛が来るのは、寝ている間に坐骨神経に大きな負担がかかっているためです。特にうつ伏せや寝返りの少ない寝方であれば、坐骨神経や腰回りに負担が集中しやすい分、激痛に悩まされることがあります。
ほかにも夜間の水分不足や冷えによる血行不良でも、激痛に襲われるケースがあるため、注意が必要です。