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【辛い…。】坐骨神経痛が死ぬほど痛いときはどうする?痛みの原因や治療法を医師が解説
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「坐骨神経痛が死ぬほど痛くて辛い。」「坐骨神経痛を和らげる方法は?」
このように、坐骨神経痛の激痛に悩まされている方は多いのではないでしょうか。我慢できないほどの痛みに襲われると、座るのも寝るのもままならず辛いかもしれません。
坐骨神経痛は、薬物療法や理学療法を行うことで緩和できる可能性があります。ただし「死ぬほど痛い」と感じるほど重度で、保存療法の効果がみられない場合は、手術を検討するケースもあるでしょう。
そこで本記事では、坐骨神経痛の原因や改善方法を解説します。
少しでも痛みを軽減したい方や医師による適切な治療法を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
坐骨神経痛の辛い痛みを和らげる7つの治療法
坐骨神経痛の辛い痛みを和らげるための治療法は主に以下の7つです。
- 痛みを緩和する薬物療法
- 神経ブロック療法
- 筋肉をほぐす理学療法とリハビリ
- 認知行動療法
- 装具療法
- 重度の場合に行われる手術療法
自分にあった症状に合わせて、治療法も検討していきましょう。
痛みを緩和する薬物療法
坐骨神経痛の痛みに対して、まず試される治療法が薬物療法です。痛み止めや炎症を抑える薬を服用することで、辛い症状を和らげる効果が期待できます。
最初は市販の痛み止めから始め、症状が重い場合は医師が処方する鎮痛剤や抗炎症薬を使用するケースもあります。薬には副作用のリスクもあるため、自己判断での服用は避けて必ず医師に相談しましょう。
神経ブロック療法
痛みの原因となっている神経に直接アプローチするのが神経ブロック療法です。
局所麻酔薬を注射して、痛みを伝える神経の働きを一時的に抑制します。
神経ブロック療法は、比較的即効性があり重度の痛みにも効果を期待できるのが特徴です。
また、効果の持続時間には個人差があり、数時間から数カ月以上継続する方もいます。(文献1)
筋肉をほぐす理学療法とリハビリ
理学療法により、坐骨神経周辺の筋肉をほぐし血行を改善するのも、坐骨神経痛に効果が期待できます。
理学療法を受ける場合は、専門家の指導のもとストレッチや運動療法を行います。温熱療法やマッサージなども組み合わせることで、こわばった筋肉がリラックスし痛みの軽減につながるでしょう。
また、リハビリでは痛みの少ない範囲で軽い運動から始め、徐々に負荷を上げていく段階的なプログラムを実施します。
自宅でも医師や理学療法士の指導のもと、簡単なストレッチや運動を続けることで、より早い回復が期待できます。
認知行動療法
認知行動療法とは、物事の考え方・捉え方や行動に働きかけてストレスを軽減する治療法です。
専門家との定期的な面談を通じて、痛みと上手に付き合うコツを学びます。また、リラックス法や呼吸法なども取り入れるとより効果的です。
継続的な取り組みが必要ですが、痛みへの不安が軽減されることで生活の質の向上も期待できます。
装具療法
坐骨神経痛が辛いときは、腰椎を安定させて痛みを和らげるために、コルセットなどの装具を使用することがあります。
ただし、長期の装着は体力低下を引き起こす可能性があるため、医師に相談しながら、使用期間は1カ月程度を目安に調整しましょう。
装具の使用で痛みが改善したら、徐々に体を動かし筋力の回復を目指すのがおすすめです。
重度の場合に行われる手術療法
保存的治療で改善が見られない重症例では、神経を圧迫している椎間板や骨を取り除き、症状の改善を目指す手術療法が検討されます。
近年は、内視鏡手術など身体への負担が少ない手術方法も発達してきており、比較的早い段階で退院や日常生活への復帰ができる傾向があります。
ただし、手術にはリスクも伴うため慎重な判断が必要ですので、医師と十分に相談し手術の必要性を見極めましょう。
再生医療
再生医療とは、自己の細胞や成長因子を利用して損傷した組織の修復を促進する治療法です。
PRP療法や幹細胞治療など、さまざまな方法が研究されていますが、従来の治療法と比べて体への負担が少ないのが特徴です。
再生医療はまだ発展途上の分野ではありますが、将来的に一般的な治療法となる可能性があります。
当院リペアセルクリニックでは、再生医療による坐骨神経痛の治療について「メール」や「オンラインカウンセリング」でのご相談も受け付けております。お気軽にお問合せください。
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そもそも坐骨神経痛とは?辛い3つの症状
坐骨神経痛とは、体の中で最も太い神経である坐骨神経に沿って痛みが走る症状です。
主な症状としては以下3つが挙げられます。
- 腰から足先にかけての鋭い激痛やしびれ
- お尻から脚にかけての持続的な痛み
- 座位や歩行で悪化する下半身の違和感や麻痺感
人によって症状は異なりますが「死ぬほど痛い」と表現されるケースもあり、日常生活に支障をきたすほどの痛みもあります。
本章では、坐骨神経痛の主な症状を解説します。
腰から足先にかけての鋭い激痛やしびれ
坐骨神経に沿って走る電気が走るような鋭い痛みは、最も特徴的な症状の1つです。
突然襲ってくる激痛は、まるで雷に打たれたかのような衝撃を伴います。多くの方が「今まで経験したことのない痛さ」と表現するほどです。
さらに、痛みの強さは時間帯や動作によって変化し、夜間に悪化する場合もあります。
もしも我慢できないほどの痛みに襲われたら、すぐに医療機関での受診をおすすめします。
お尻から脚にかけての持続的な痛み
坐骨神経痛特有の「ズキズキ」「ジンジン」した痛みは長時間続くのが特徴です。
お尻から太ももの裏側、ふくらはぎにかけて痛みが持続し、座る姿勢がとくにつらくなります。
また、痛みで姿勢が崩れてさらに症状が悪化する可能性もあるため、早期の段階で適切な治療を受けて慢性化を防ぎましょう。
座位や歩行で悪化する下半身の違和感や麻痺感
座っているときや歩行時に増す「違和感や麻痺感」も見逃せない重要な症状です。
たとえば長時間の座位で痺れが強くなったり、歩行時にふらつきを感じたりする場合もあります。
また、日常生活での何気ない動作が困難になり、仕事や家事に支障も出てきます。そのため、症状の進行を防ぐためにも、早めの対策と生活習慣の見直しが重要です。
坐骨神経痛の主な原因3選!
坐骨神経痛の代表的な原因は以下の3つが挙げられます。
- 椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- 加齢や筋力低下
主な原因を理解してから適切な治療法を選択できます。
ここでは症状との関連性や予防法を含めて詳しく解説します。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアとは「加齢」や「日常的に腰部に負担をかける」ことにより、クッション役である椎間板が飛び出し神経を圧迫する症状です。
デスクワークが多い30〜50代の方が発症しやすく、座っているだけでも激痛に襲われるケースもあります。
早期発見・早期治療が重要であり、適切な治療を受ければ多くの方が症状改善を実感できます。
また、腰椎椎間板ヘルニアの詳しい症状や重症度が気になる方は以下の記事もチェックしてみてください。
脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症は、年齢とともに脊柱管が狭くなり、神経が圧迫される症状です。
とくに50代以降の方に多く見られ、立ち仕事や長時間の歩行で症状が悪化します。
また、前かがみで痛みが和らぎ、背筋を伸ばすと痛みが強くなるのが特徴です。
しかし、多くの場合が適切な治療と生活習慣の改善で症状をコントロールできます。
脊柱管狭窄症で注意すべきポイントや、症状と治療法については以下の記事も参考にしてみてください。
加齢や筋力低下
加齢による筋力低下も坐骨神経痛の原因の1つです。
腰回りの筋肉が衰えると、背骨を支える力が弱まり神経への負担が増加するため、日常生活での些細な動作で激痛が走ることもあります。
しかし、正しい運動習慣と筋力トレーニングの継続で症状の改善や予防が期待できます。
また、加齢や筋力低下で気になる症状があれば「メール」や「オンラインカウンセリング」でのご相談も受け付けておりますので、お気軽にお問合せください。
坐骨神経痛の予防法とセルフケア
坐骨神経痛の痛みは日々のケアで和らげることができます。
ここでは、痛みに悩まされている方にも効果的な3つの予防方法をご紹介します。
- 日常的にできる簡単なストレッチ
- 正しい姿勢を保つための意識づけ
- 適度な運動で筋力を強化する
継続的に行うと辛い症状の改善や予防に期待できるでしょう。
日常的にできる簡単なストレッチ
朝晩5分から始められるストレッチで、硬くなった筋肉をほぐしていきます。
とくに効果的なのが、仰向けで行う膝抱えストレッチです。
- 背中を床につけ、片膝を胸に向かってゆっくり引き寄せます
- 反対側の足はまっすぐ伸ばしたまま30秒キープ
左右2セットずつ行うのがおすすめです。
無理のない範囲で継続していると、徐々に筋肉の柔軟性が高まり痛みの予防につながります。
正しい姿勢を保つための意識づけ
猫背やストレートネックは坐骨神経痛の原因になりやすいため要注意です。
デスクワークが多い方は背筋を伸ばし、足裏を床につけた姿勢を心がけましょう。
長時間同じ姿勢も避けたいポイントですので、1時間に1回は立ち上がって軽く体を動かすことをおすすめします。
正しい姿勢を保っていれば、神経への負担が軽減され痛みの予防に効果的です。
適度な運動で筋力を強化する
急激な運動は逆効果ですが、適度な運動は予防にも効果的です。
ウォーキングや水中歩行から始めるのがおすすめで、とくに体幹を鍛えると腰への負担が軽減されます。
まずは1日10分からでもOKですので、徐々に時間を延ばして体を強化していきましょう。
まとめ|死ぬほど痛い坐骨神経痛は適切な治療法で改善しよう
坐骨神経痛の痛みは確かに辛いものですが、適切な治療とケアで改善に期待できます。まずは専門医に相談し、あなたに合った効果的な治療を検討してみてください。
治療には薬物療法や神経ブロック、リハビリなど症状に合わせて選択できます。本記事を参考に簡単なセルフケアも取り入れつつ、日常的に予防も意識してみてください。
坐骨神経痛でお悩みの方に向けて、当院では「メール」や「オンラインカウンセリング」でのご相談も受け付けておりますので、お気軽にお問合せください。
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坐骨神経痛が死ぬほど痛いときによくある質問
Q:坐骨神経痛と間違える病気はありますか?
坐骨神経痛に似た症状に「梨状筋症候群」や「変形性股関節症」があげられます。
しかし、正確な診断のためには整形外科での検査が欠かせません。
レントゲンやMRI検査で原因を特定し適切な治療を受けましょう。
Q:坐骨神経痛でやってはいけないことは何ですか?
坐骨神経痛の症状を悪化させないために、主に以下の動作が挙げられます。
- 長時間の同じ姿勢
- 無理な運動
- 重いものを持ち上げる
とくに急激な動きや、ねじる動作は症状を悪化させる原因となります。
また、坐骨神経痛でやってはいけないことについては、以下の記事でさらに詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
参考文献一覧
文献1
日本ペインクリニック学会_第Ⅰ章 ペインクリニックにおける神経ブロック