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男性更年期障害にバナナは効く?効果的な栄養素とおすすめ食材

男性更年期障害に関連してうつ症状に悩む方の中には、「バナナが気分の安定に効果がある」と耳にしたことがあるかもしれません。
バナナには、セロトニンの生成に関与するトリプトファンやビタミンB6などの栄養素が含まれており、心のバランスを整えると考えられています。
ただし、バナナだけで症状が改善するわけではなく、食事などの生活習慣全体の見直しが欠かせません。
本記事では、バナナがもたらす栄養的効果の詳細をはじめ、男性更年期障害の症状緩和におすすめの食材や生活改善のポイントまでわかりやすく解説します。
毎日の食事を見直すきっかけとして、ぜひ参考にしてみてください。
目次
バナナが男性更年期障害のうつ症状に効果的?
バナナが男性更年期障害によるうつ症状に効果的とする明確な科学的根拠は、現在のところ報告されていません。
バナナ自体にテストステロンの分泌を促進する作用はなく、更年期障害の治療手段としては不十分です。
ただし、バナナには「幸せホルモン」(文献1)と呼ばれるセロトニンの生成に関わるトリプトファンやビタミンB6が含まれています。
セロトニンはうつ症状の緩和に寄与すると考えられており、男性更年期の方の気分を安定させる可能性があるのです。
うつ症状の改善に直接的な効果があるとはいえませんが、食生活の一部としてバナナを取り入れることは、間接的なサポートになるかもしれません。
とはいえ、現実的な症状の改善・緩和には、医師による診断と適切な治療が不可欠である点に留意しておきましょう。
バナナに含まれている栄養素
バナナは甘くて食べやすい果物として知られていますが、男性の心身の健康維持に役立つ栄養素が豊富に含まれています。
男性更年期障害による精神的な不調に対して、栄養面からサポートする可能性がある栄養素を見ていきましょう。
トリプトファン
バナナには「トリプトファン」という必須アミノ酸が含まれており、脳内でセロトニンの材料になります。
セロトニンは感情を穏やかに保つ作用があり、うつ症状の緩和に役立つ可能性がある栄養素です。
ビタミンB6
ビタミンB6は、トリプトファンをセロトニンに変えるときに必要な栄養素です。
また、神経伝達物質のバランスを整える働きがあり、精神的な健康を支える役割があります。
マグネシウムやカリウム
マグネシウムはストレス反応の調整に関与し、カリウムは血圧の安定化を助けるミネラルです。
いずれも自律神経の安定に寄与し、精神的な不調の軽減に貢献します。
炭水化物
炭水化物はエネルギー源として重要であり、トリプトファンの脳内移行を促進します。
セロトニン合成の効率を高める栄養素です。
バナナを食べるなら1日1本が目安
バナナはセロトニンの材料となるトリプトファンやビタミンB6を含む食品ですが、糖質量が高いため摂取量には注意が必要です。
バナナ1本あたり、約21gの糖質が含まれています。(文献2)
過剰に摂取すると血糖値の急上昇や肥満リスクにつながる可能性があるため、セロトニン生成を目的に取り入れる場合でも、1日1本が適量の目安です。
医師に制限されている場合を除いて継続的に食べても問題ありませんが、食べすぎには十分注意してください。
更年期障害におすすめのバナナ以外の食べもの
男性更年期障害の改善には、ホルモン合成に関わる栄養素をしっかり摂る食生活が重要です。
ここでは、日々のメニューに取り入れると、体と心のバランスを支える効果が期待できる食材を紹介します。
牡蠣・レバー
牡蠣とレバーには、テストステロンの生成に必要不可欠な亜鉛が豊富に含まれています。
亜鉛は精巣の機能維持に関与してホルモンバランスの正常化を助け、レバーは鉄分やビタミンA・B群が豊富です。
貧血や疲労感の軽減にも寄与します。
とくに、亜鉛不足と男性ホルモンの減少は密接に関係しているため、定期的に摂取するのがおすすめです。
肉・魚・卵
動物性たんぱく質は、テストステロンの合成に必要な栄養素です。
赤身肉には鉄分やビタミンB12、魚はオメガ3脂肪酸、卵には良質なたんぱく質やビタミンDが豊富に含まれています。
とくに、ビタミンDは血中テストステロン濃度の維持に役立つとされており、過剰な摂取は避けつつバランス良く取り入れると更年期症状の軽減につながります。
山芋・里芋
山芋や里芋には、エネルギー代謝をサポートするビタミンB群と、消化を助ける食物繊維が含まれています。
また、山芋に含まれるジオスゲニンという成分は、ホルモンの前段階の物質になるとされ、体調維持や疲労回復に役立つとされている点にも注目です。
粘り気のある成分には胃腸の保護作用もあり、栄養の吸収を助けます。
きのこ
きのこ類は低カロリーながらビタミンDや食物繊維、β-グルカンといった免疫調整成分が豊富です。
ビタミンDは男性ホルモンの合成に関与し、とくに干し椎茸やまいたけに多く含まれます。
きのこに含まれる多糖類は腸内環境の改善にも役立つため、免疫機能と精神面の安定に貢献する見逃せない食材の一つです。
海藻・納豆
海藻にはヨウ素やマグネシウム、カルシウムなどのミネラルが豊富に含まれ、甲状腺機能を整える効果が期待できます。
納豆は発酵食品として腸内環境を整えるとともに、大豆イソフラボンによるホルモンバランスの調整作用を発揮するのが特徴です。
ブロッコリー
ブロッコリーには、スルフォラファンという成分が含まれ、体内の余分なエストロゲンの代謝を促進する働きが知られています。
男性更年期障害の改善には、エストロゲンとテストステロンのバランスを整えることが大切です。ブロッコリーのスルフォラファンは、このホルモンバランスの調整をサポートしてくれます。
また、抗酸化作用も高く、細胞の老化を防ぐ効果も期待できます。
野菜ジュース・青汁
野菜類は直接食べるのが理想ですが、忙しい日常の中では野菜ジュースや青汁での補給も有効です。
ビタミン類やポリフェノール、食物繊維が含まれており、抗酸化作用や腸内環境の改善に寄与します。
たとえば、青汁にはクロロフィルやカルシウムなど、現代人に不足しがちな栄養素が含まれているのが特徴です。
プロテイン
筋肉量の減少はテストステロンの分泌低下を促進するため、適度な運動とともにたんぱく質の補給が重要です。
なかでもプロテインは、効率的にたんぱく質を摂取できます。
朝食時や運動後の摂取が推奨されており、筋力維持とホルモンバランスの改善を手軽に行えるのが魅力です。
発酵飲料
発酵飲料には、乳酸菌や酵母など腸内環境を整える微生物が含まれており、免疫機能の調整に加えて精神的なストレス軽減にも関与します。
甘酒や乳酸菌飲料などの継続的な摂取によってストレス耐性を高めると、更年期特有のイライラや不安感の軽減にもつながるのが特徴です。
男性更年期障害の改善に大切な生活習慣
男性更年期障害の症状を軽減するには、医療機関での治療や食事の見直しだけでなく、日常生活の質を高める意識も大切です。
生活習慣の改善ポイントを以下にまとめたので参考にしてください。
生活習慣 | 内容 |
---|---|
ストレス管理 | 瞑想・深呼吸・趣味の時間などを取り入れ、自律神経の安定を図る。 |
睡眠の質を向上 | 就寝前のスマホ利用を控えるほか、入浴やリラックス習慣で深い睡眠を確保する。 |
筋力トレーニング | スクワットや腕立て伏せなど、無理のない筋トレでテストステロン分泌を促す。 |
有酸素運動 | ウォーキングやサイクリングなど週に数回の継続的な運動によって、心身を活性化させる。 |
禁煙・禁酒 | 喫煙や過度な飲酒はホルモン低下や血流悪化を招くため控えるべき。 |
男性更年期障害の症状緩和には、上記の生活習慣の積み重ねが大切です。
無理のない範囲で実践し、継続していきましょう。
まとめ|バナナを含む食事・生活習慣を見直して男性更年期障害の改善を目指そう
男性更年期障害の改善には、バナナに含まれるトリプトファンやビタミンB6といった栄養素の摂取も一助となりますが、食生活全体の見直しも重要です。
亜鉛やビタミンD、良質なたんぱく質を含む多様な食品を取り入れながら、ホルモンバランスの維持を目指しましょう。
また、ストレス管理や適度な運動、良質な睡眠といった基本的な生活習慣も大切です。
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男性更年期障害に関連するよくある質問
男性更年期障害に効くサプリはある?
テストステロンを直接的に増やす効果が科学的に証明されたサプリメントは現在のところ存在しません。
ただし、バナナに含まれている亜鉛やビタミンD、マグネシウムなどの栄養素は、食事からの摂取が難しいならサプリメントでも補えます。
とはいえ、できるだけ食事から摂取し、サプリメントはあくまで補助的な手段として位置づけましょう。
男性更年期障害だけどアルコールはOK?
他の疾患で主治医に禁止されている場合を除き、適量のアルコールであれば問題はありません。
ただし、過度の飲酒はホルモンバランスを乱し、肝機能や精神面にも悪影響を及ぼすため、節度を持った摂取が求められます。
飲む量や頻度に注意しながら、たしなむ程度に留めましょう。
男性更年期障害に終わりのサインはありますか?
男性更年期障害は発症時期や症状の出方に個人差があり、明確な終わりのサインを把握するのは困難です。
症状が軽快し、日常生活に支障がなくなる状態が一つの目安となりますが、最終的な判断は医師による適切な評価を受けることが重要です。
男性更年期障害にお茶は効く?
お茶に男性更年期障害を改善する直接的な効果は、認められていません。
ただし、緑茶やハーブティーなどにはリラックス効果があり、イライラや不眠といった自律神経の乱れを和らげる手助けになる場合があります。
日常的に手軽に取り入れやすい工夫としてはおすすめです。
バナナが男性機能に効果ある?
バナナにはマグネシウムやカリウム、ビタミンB群が含まれているなど、筋肉や神経の働きを支える栄養素が豊富です。
ただし、男性機能を直接的に高める効果は確認されていません。
健康的な体作りには寄与しますが、過度な期待は禁物です。
男性更年期障害を疑う場合は何科に受診?
男性更年期障害が疑われる場合は、「泌尿器科」または「男性更年期外来(LOH症候群外来)」を受診するのが一般的です。
症状に応じてホルモン検査や心理的評価が行われ、必要な治療方針が決定されます。(文献3)
女性の更年期障害にバナナは効果ある?
男性と同様、女性にもバナナに直接的な更年期障害の改善効果は認められていません。
ただし、ビタミンB6をはじめとする栄養素が豊富に含まれているため、ホルモンバランスを整えるサポートとなる可能性があります。
あくまで補助的な役割と考えておきましょう。
参考文献
(文献1)
「幸せホルモン(幸福物質)4つ」ドーパミン・セロトニン・オキシトシン・βエンドルフィンとは?|国立消化器・内視鏡クリニック
(文献2)
バナナの栄養・栄養素|スミフル