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肋軟骨炎とは|原因や治療法・ストレスとの関係を現役医師が解説

costochondritis
公開日: 2025.07.31

「胸のあたりがチクチクする」

「鋭く突き刺さるような痛みがある」

胸のあたりに痛みを覚え、診察の結果肋軟骨炎と診断され、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。肋軟骨炎とは、胸骨と肋骨をつなぐ軟骨部分に炎症が起き、深呼吸や上半身の動きによって痛みが強くなる疾患です。症状が胸部に現れるため、心臓疾患や肺疾患との鑑別が難しいのも特徴です。

本記事では、現役医師が肋軟骨炎について詳しく解説します。

  • 肋軟骨炎の原因
  • 肋軟骨炎の治療法
  • 肋軟骨炎の予防法

本記事の最後には、肋軟骨炎に関するよくある質問についてまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。

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肋軟骨炎とは

症状の程度 治るまでにかかる期間の目安 備考
軽度〜中等度 2週間程度で自然回復するケースが多い 適切な安静や治療で自然に改善しやすい
重症または慢性化 数カ月続く場合があり、まれに半年〜1年以上かかることも 症状が長引く場合は医療機関での継続的な治療が必要

肋軟骨炎とは、肋骨と胸骨をつなぐ軟骨に炎症が起き、胸の一部にチクチクした感覚や圧痛が現れる疾患です。

主に片側の第2〜第5肋骨付近に見られ、前かがみや深呼吸などの動きで痛みが大きくなることがあります。心臓病と似た症状が出るため、正確な診断が大切です。内臓の異常がなく、局所に圧痛がある場合に診断されます。

そのため、日常生活の中で見逃されがちな疾患のひとつです。

肋軟骨炎の原因

原因 詳細
胸郭への繰り返しの負担や外力による影響 激しい運動や重い物の持ち上げ、腕や胸の繰り返し動作、咳やくしゃみ、胸部の打撲や外傷
姿勢やストレスなど日常生活の影響 長時間の猫背やストレートネック、デスクワークやスマートフォン操作、精神的ストレスや自律神経の乱れ
加齢や基礎疾患に伴う変化 加齢による軟骨の変性、関節リウマチや乾癬性関節炎などのリウマチ性疾患、感染症や腫瘍

肋軟骨炎の原因は、胸郭への負担や外力、姿勢の乱れやストレス、加齢や基礎疾患など多岐にわたります。

具体的には、激しい運動や重い物の持ち運び、咳やくしゃみ、胸部の打撲、猫背、ストレートネック、長時間のデスクワーク、精神的ストレス、自律神経の乱れなどが挙げられます。

また、加齢による軟骨の変性や、関節リウマチなどのリウマチ性疾患、感染症や腫瘍も関与します。こうした症状が見られた場合は、重症化を防ぐためにも早めに医療機関を受診しましょう。

胸郭への繰り返しの負担や外力による影響

肋軟骨炎は、胸の骨を支える軟骨に炎症が起きる病気で、胸の片側にチクチクした感覚や押さえたときの圧痛が現れます。原因のひとつに、胸郭に繰り返しかかる負担や外力があります。

スポーツや肉体労働など、上半身に負担のかかる仕事や活動をしている方によく見られる症状です。目立った怪我がない場合でも、日常の小さな負担が積み重なり炎症につながるケースもあります。

姿勢やストレスなど日常生活の影響

長時間の猫背や前かがみの姿勢は、胸郭まわりの筋肉や肋軟骨に負担をかけ、炎症を起こす原因となります。とくにデスクワークやスマートフォンの使用が多い方は注意が必要です。

また、ストレスにより筋緊張と血流低下が生じると、組織の回復が妨げられ、炎症が慢性化する可能性もあります。正しい姿勢を意識し、深呼吸や軽い運動などで心身の緊張をほぐすことが、予防と改善につながります。

加齢や基礎疾患に伴う変化

加齢により肋軟骨は硬くなり柔軟性が低下すると、わずかな刺激でも炎症が起こりやすくなります。また、関節リウマチや強直性脊椎炎などの持病がある方は、免疫異常により肋軟骨にも炎症が生じる可能性があるため注意が必要です。

更年期などホルモンバランスの変化も影響する場合があります。慢性疾患をお持ちの方は再発しやすいため、症状が続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。

肋軟骨炎の治療法

治療法 詳細
保存療法 安静保持、胸部への負担軽減、日常動作の見直し
薬物療法 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や湿布の使用、症状に応じた神経障害性疼痛治療薬の併用
物理療法・リハビリテーション 温熱療法、電気治療、ストレッチや姿勢改善指導、胸郭周囲筋の緊張緩和

肋軟骨炎の治療は主に保存療法、薬物療法、物理療法・リハビリテーションにわかれます。まず安静を保ち、胸部に負担がかかる動作を避けることが大切です。

薬物療法では、疼痛や炎症を抑えるためにNSAIDsや湿布を使用し、症状に応じて、神経障害性疼痛に対応した薬剤を併用する場合もあります。

物理療法では、温熱や電気治療、ストレッチなどを通じて筋肉の緊張をほぐし、姿勢を整えることで再発を防ぐことにもつながります。

保存療法

理由・ケア方法 詳細
自然経過で治る疾患 多くは数週間~数カ月で自然に回復
安静と休息 無理な動作や咳・くしゃみなどの刺激を避けて炎症を抑える
温熱・冷湿布の活用 温冷療法を活用し血流改善や炎症抑制、緊張緩和
ストレッチやリハビリ 胸や肩、背中の柔軟性を高め、自然治癒をサポート

肋軟骨炎は、自然に回復することが多い病気です。無理な動作や咳・くしゃみを控え、安静に過ごすことで炎症は軽減しやすくなります。

また、温冷療法は、血流の促進や炎症・筋緊張の緩和に効果があります。これは、自宅で行える保存療法のなかでも有効な方法です。さらに、胸や肩、背中のストレッチを取り入れることで柔軟性が高まり、自然治癒と早期の生活復帰が期待できます。

薬物療法

肋軟骨炎の薬物療法では、主に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェンが使われ、炎症や疼痛を和らげます。症状が軽度であっても、日常生活に支障がある場合は、短期間の服用が推奨されることが一般的です。

また、腫れや熱感がある場合は湿布や塗り薬などの外用薬を併用することもあります。慢性的な症状には、筋弛緩薬や抗不安薬が処方されることもあり、ストレスや筋緊張の緩和を目指します。薬物療法はあくまで一時的な症状緩和が目的です。

根本的な治療には安静や生活習慣の見直しが重要であり、軽症の場合、薬の服用だけでも症状が改善し、日常生活が楽になることがあります。

物理療法・リハビリテーション

肋軟骨炎の回復には、薬物療法に加えて物理療法やリハビリが効果的です。たとえば、痛みのある箇所を温めることで血流が良くなり、緊張が和らぎやすくなります。

ストレッチや姿勢改善を行うと胸の動きが楽になり、再発予防にもつながります。さらに、軽い筋トレは身体を支える力を高め、負担を減らすため効果的です。

日常生活での身体の使い方や、作業姿勢のクセを見直すことも重要であり、リハビリによる指導が症状の再発予防にもつながります。

肋軟骨炎の予防法

予防法 詳細
胸部に負担をかけない日常動作と体調管理を意識する 正しい姿勢の維持、長時間同じ姿勢を避ける、重い物を持ち上げる際は腰や足を活用、胸部周囲の急激な動作や無理な負荷の回避
ストレスと運動習慣のバランスを整える 適度な有酸素運動やストレッチによる筋肉の柔軟性維持、過度な運動の回避、深呼吸や趣味・十分な睡眠でのストレス軽減
基礎疾患がある場合は継続的に治療を受ける 関節リウマチや自己免疫疾患などの持病は継続的な診療と服薬、体調や症状の変化時は医療機関を受診する

肋軟骨炎の予防には、日常動作や体調管理の工夫が大切です。正しい姿勢を保ち、長時間同じ姿勢を避け、重い物は腰や足を使って持ち上げるようにしましょう。胸部に急激な動作や無理な負荷をかけることも控えます。

さらに、適度な有酸素運動やストレッチで筋肉の柔軟性を保ち、過度な運動は避けましょう。深呼吸や趣味、十分な睡眠などでストレスを軽減することも効果的です。また、関節リウマチなどの基礎疾患がある場合は、継続的に治療を受け、体調に変化があれば早めに医療機関を受診することが重要です。

胸部に負担をかけない日常動作と体調管理を意識する

肋軟骨炎の予防には、胸部に負担をかけない日常動作と体調管理がとても大切です。重い物を持つ、繰り返しの動作、激しい咳などは肋軟骨に負担をかけ、炎症を起こしやすくします。

姿勢をこまめに正し、深呼吸を取り入れる習慣も有効です。また、咳が続くときは早めの受診を心がけましょう。疲労や睡眠不足は回復を妨げるため、体調管理にも注意が必要です。日常の小さな意識が、発症や再発の予防につながります。

ストレスと運動習慣のバランスを整える

肋軟骨炎の再発や慢性化を防ぐには、ストレスと運動のバランスを整えることが大切です。強いストレスは無意識に胸や肩の筋肉を緊張させ、炎症を引き起こしやすくします。一方で、過度な運動も胸郭に負担をかけてしまいます。

おすすめは軽いウォーキングやストレッチ、深呼吸などを日常に取り入れることです。これらを取り入れることで筋肉の柔軟性が保たれ、自律神経も整いやすくなります。無理を避けて十分な休息を取ることで、自律神経のバランスが整い、発症予防につながります。

基礎疾患がある場合は継続的に治療を受ける

関節リウマチや自己免疫疾患などの基礎疾患がある方は、肋軟骨にも炎症が起こりやすく、症状が慢性化することがあります。そのため、肋軟骨炎だけに注目するのではなく、全身の病気を含めた総合的な管理が大切です。

定期的な診察を受けることで、病気の進行を抑えつつ、肋軟骨炎の再発を予防できます。また、糖尿病や腎臓病などの慢性疾患をお持ちの方も、身体の中で炎症が続きやすいため注意が必要です。

いつもと異なる違和感があるときは、早急に医療機関を受診することで、症状の悪化や合併症のリスクを防ぐことにつながります。

肋軟骨炎の症状に気づいたら早めに医療機関を受診しましょう

胸部の疼痛や突き上げるような違和感があるにも関わらず、心臓や胸部に異常がない場合は、肋軟骨炎である可能性を疑う必要があります。肋軟骨炎は他の疾患と症状が似ており、見過ごされるケースも少なくありません。

肋軟骨炎の症状でお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。肋軟骨炎の治療では、保存療法や生活習慣の改善に加え、近年は再生医療も有力な選択肢として注目されています。とくに症状が慢性化している場合には、組織の再生を促す再生医療が、根本的な改善が期待できます。

ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。

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肋軟骨炎に関するよくある質問

肋軟骨炎は何科を受診すれば良いですか?

肋軟骨炎が疑われる場合は、まず内科(一般内科・総合診療科)を受診し、心臓や肺など他の病気との鑑別を受けることが重要です。

圧痛のある部位がはっきりしている場合は整形外科が適しています。関節リウマチなどの基礎疾患があり、症状が長引いている場合はリウマチ科の受診が推奨されます。

肋軟骨炎と間違いやすい重大な疾患はありますか?

肋軟骨炎は胸の疼痛を伴うため、重大な病気と間違われやすいことがあります。とくに注意が必要なのは、狭心症や心筋梗塞、肺塞栓症、肺がん、乳がんなど命に関わる疾患です。

これらは胸の違和感のほか、息切れや咳、発熱、しこり、皮膚の変化などを伴うことがあります。また、帯状疱疹では違和感とともに皮膚に水ぶくれが現れることがあり、膵炎や膵がんでは背中やみぞおちに症状が出るケースもあります。

症状が似ていても治療は大きく異なるため、自己判断せず早めに医療機関を受診しましょう。

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