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肋骨骨折の原因と安静期間中の注意事項、仕事復帰の目安について

肋骨骨折の原因と安静期間中の注意事項、仕事復帰の目安について

肋骨(ろっこつ)骨折について、以下のような疑問やお悩みがある方はいませんか?尚、正確な復帰の判断は整形外科の専門的な知識が必要ですので医療機関の受診をおすすめします。

  • 「肋骨骨折は、いつまで安静にすればいいの?」
  • 「肋骨骨折は、どのくらいで仕事復帰ができるか知りたい」

今回は肋骨骨折と、その安静期間や仕事復帰までの目安をご紹介します。本記事を参考にしていただき整形外科の受診時、医師に確認するための参考にして頂ければと思います。

肋骨骨折

肋骨骨折とは?症状や原因について解説

肋骨骨折とは、胸を囲っている肋骨にひびが入ったり、折れたりする怪我です。一部が骨折する場合もあれば、いくつかの骨折が同時に起こることもあります。

骨折の原因はさまざまで、年齢問わず起こりうる骨折です。

まずは、肋骨とはどのような骨なのかを紹介し、肋骨骨折の原因や症状を解説します。

肋骨とは?

肋骨は胸を囲むようについている骨で、左右 12 対の合計 24 本あります。

胸の正面にある胸骨と、背中にある背骨をつなぐようについていて、心臓や肺などを覆っています。肋骨の役割は、これらの重要な臓器を守ることです。

また、呼吸のときには肺が膨らんだり、縮んだりするのに合わせて肋骨も動きます。そのため、肋骨の動きが制限されると、呼吸がしづらくなってしまいます。

肋骨骨折の原因

肋骨骨折はすべての骨折の 10〜20 %を占めるとされています。肋骨に直接衝撃が加わり起こる骨折は、転倒や交通事故、転落などが原因です。

また、肋骨に直接衝撃が加わらなくても、他の部位に大きな衝撃が加わり、肋骨がたわむことで骨折が生じることもあります。

交通事故や転落などで強い衝撃が加わると、肺の損傷を伴う場合があります。

スポーツ外傷としても肋骨骨折が生じ、外傷による骨折は、ラグビーや柔道といったコンタクトスポーツで胸を強打することが原因です。また、ゴルフや野球などで繰り返し同じ動作をすることで肋骨にかかる負担が蓄積して疲労骨折が生じる場合もあります。

高齢者で骨が脆くなっていると、くしゃみや体をひねる動作も肋骨骨折を引き起こす原因となります。

  • 肋骨骨折原因

  • ・転倒、転落
  • ・交通事故
  • ・スポーツ傷害(ラクビー、柔道などのコンタクトスポーツ)
  • ・スポーツ傷害:ゴルフ、野球の繰り返し動作での疲労骨折)
  • ・高齢者(くしゃみ、身体の動作)

肋骨骨折の症状

骨折部の痛みが主な症状で、特に呼吸や体を動かしたときに痛みが増えるのが特徴です。肋骨が動く、寝返りや体を反らす、肩を動かすという動作で痛みが強まります。

骨折してからしばらく経つと痛みがピークを迎えて、3 〜 4 週間で症状は和らぎます。

また、胸を圧迫したときの痛みや内出血、腫れがみられます。骨折による肋骨の動きの制限や痛みにより、息苦しさや呼吸がしづらいといった点も症状の 1 つです。

もし、肺などに損傷がある場合は、酸素が不足して皮膚が青っぽく変色する「チアノーゼ」がみられたり、意識がもうろうとしたりします。放置すると危険ですので、すぐに救急車を呼んだり、近くの病院を受診しましょう。

肋骨骨折の安静期間

肋骨骨折は、骨折の状態により安静期間が異なります。そのため、必ず整形外科に受診をして、医師の判断を仰ぎましょう。

肋骨に「ひび」が入っている程度だったり、骨折箇所が 1カ所だとすると、痛みは 1カ月以内に和らいでくることが多いです。

ただ、骨折の状態によってはそれ以上、痛みが続く場合があります。基本的に痛みがある間は、痛みが出る動作は極力行わないようにして、安静にしておくのが良いでしょう。

骨が癒合(※)するのは3週間〜6週間とされており、骨折の程度によって差があります。

(※癒合(ゆごう)・・・骨がくっつくこと)

その間は骨に負担がかかるような動作はしないようにしましょう。

ただし、骨折部に響かないように生活するのは問題ありません。むしろ、安静にしすぎて寝てばかりでは、体のほかの部分の機能が衰えてしまいかねません。

病院で骨折している肋骨が動かないように、バストバンドと呼ばれる装具(コルセット)を巻いて固定しますので、強い痛みが落ち着いてきたら、肋骨に負担のないように動くようにしましょう。

  • 骨折後の注意

  • 骨の癒合(ひっつく)機関の目安:3~6週間
  • 安静期間:痛みが治まったら、負担の無い範囲で活動すること、安心にし過ぎは他の機能が衰えるため、注意が必要

肋骨骨折で仕事復帰をする目安

肋骨骨折の場合、骨折の状態や復帰する職種によって復帰の目安が変わってきます。

肋骨骨折の程度がひどくなければ、バストバンドで固定し、痛み止めの内服薬を服用しながら自宅での生活を送ることになります。

そのため、骨折部に負担をかけないデスクワークなどは骨折の数日後からの復帰も可能です。しかし、重い荷物を抱えたり、体の捻りを繰り返したりといった肋骨に直接負担がかかるような仕事は、骨が癒合するまでは控えた方が良いでしょう。

例え痛みが和らいだとしても、肋骨が完全に元の状態にまで治癒しているとは限りません。骨が癒合していないのに無理をすると、骨折や痛みなどの症状が悪化する危険性があります。

仕事復帰を検討する場合は、整形外科で医師に診察してもらい、許可を得てからにしましょう。

  • 復帰の目安

  • ・デスクワークなど:骨折の数日後
  • ・身体に負担が掛かる仕事:医師の指示に従ってください
  • ※重い荷物や身体を動かす仕事は注意が必要です

肋骨骨折の安静期間は骨折の程度により違うため、正しい復帰時期は医師に確認しよう

肋骨骨折は骨折の程度により安静期間や仕事復帰の時期が異なります。

そのため、骨が不十分に癒合した状態で無理な動きをすると、症状が強まったり、骨がくっつきにくくなったりします。

必ず整形外科の医師に相談して、正しい復帰時期を教えてもらいましょう。

また、復帰時期は仕事の内容によっても差があります。

デスクワークなど動きの少ない仕事は早期に復帰しやすいですが、体を酷使するような仕事は骨折部に負担がかかるため、しっかり治癒してからになります。

痛みが和らいだからといって、無理に復帰を焦らないように注意しましょう。

 

No.113

監修:医師 坂本貞範

 

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肋骨骨折で放置は禁止!症状とその治療法を解説!

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