- 脊椎
- 脊椎、その他疾患
雪かきで腰痛になった時の対処法|予防法と症状別の見分け方も解説
冬になると避けて通れない雪かき作業。しかし、何気なく続けているうちに「腰がズキッと痛んだ」「翌日から腰が重だるい」と感じたことはありませんか?
雪かきは見た目以上に腰に負担のかかる重労働であり、ぎっくり腰や慢性腰痛の原因になるため注意しなければなりません。
本記事では、雪かきによる腰痛の原因から具体的な対処法、予防のためのストレッチや姿勢の工夫まで、実践的な内容をわかりやすく解説します。
つらい腰痛を防ぎ、安全に冬を乗り切るための参考にしてください。
なお、当院「リペアセルクリニック」では、雪かきで発症する可能性がある椎間板ヘルニアに対する治療法として、再生医療を提供しています。
再生医療について詳しくは、公式LINEにて情報提供および簡易オンライン診断を行っておりますので、ぜひご登録ください。
目次
雪かき後の腰痛|症状別の種類と見分け方
雪かきは、見た目以上に腰に負担がかかる作業です。全身運動と同時に力仕事の側面もあります。
ここでは、雪かき後に発症しやすい代表的な腰痛の種類と、それぞれの見分け方について解説します。
ぎっくり腰(急性腰痛)
ぎっくり腰は、医学的には「急性腰痛症」と呼ばれ、突然発症する激しい腰の痛みを指します。
以下のような症状が見られる場合は、ぎっくり腰の可能性を疑うべきです。
- 雪かき中や直後に突然、「ズキッ」と鋭い痛みが走った
- 重い雪を持ち上げたり、体をひねったりした際に強い痛みが出た
- 前屈や中腰から戻る動作で痛みが強まった
- 痛みで日常動作(起き上がりや歩行)が困難になった
多くの場合、前かがみで雪を持ち上げた瞬間や、腰をひねったときに発症します。
動くと痛みが増し、起き上がる・立ち上がる・中腰から戻るといった日常的な動作が著しく困難になるケースも少なくありません。
腰に強い違和感や緊張感があり、体をまっすぐに伸ばせない、寝返りが打てないなど、急性の運動制限を伴うのが特徴です。
以下の記事では、ぎっくり腰の治療法やストレッチについて解説しています。
筋肉疲労による腰痛(疲労性腰痛)
筋肉疲労による腰痛は、雪かきのような長時間の作業や繰り返し動作によって、腰や背中の筋肉に疲労や緊張がたまって起こります。
ぎっくり腰のように「瞬間的な激痛」が走るわけではなく、時間の経過とともにじわじわと痛みや重だるさが強くなっていくのが特徴です。
以下のような症状が見られる場合は、筋肉疲労による腰痛の可能性があります。
- 雪かきの翌日または数時間後、腰に重だるさや張りを感じる
- 作業を続けるうちに、腰の痛みや違和感が強くなる
- 体を動かすと痛みが出るが、安静にするとやや軽くなる
- 下肢のしびれや麻痺などの神経症状はない
多くの場合、雪かきを休まず長時間続けたり、姿勢を崩したまま作業したりが原因です。
腰に負担がかかり血流が悪くなると、筋肉を包む膜(筋膜)や筋肉の線維が緊張して硬くなり、痛みが生じます。
なお、筋肉疲労による腰痛は急性の損傷ではないため、以下のセルフケアで改善が可能です。
- 温めて血行を促す
- ストレッチで筋肉をゆるめる
- しっかり休息を取る
ただし、痛みが数日以上続く場合や広範囲にこわばりが残る場合は、他の疾患が隠れている可能性があります。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは、背骨の間にある「椎間板」というクッションの一部が外へ飛び出し、神経を圧迫することで発症します。
雪かきのように、重い雪を持ち上げたり、腰をひねる動作を繰り返すと椎間板に過剰な負荷がかかり、発症または悪化するケースも少なくありません。
以下のような症状が見られる場合は、椎間板ヘルニアの可能性があります。
- 腰の痛みに加えて、お尻から脚にかけて「しびれ」や「電気が走るような痛み」がある
- 足の力が入りにくい、または感覚が鈍い
- 安静にしていても痛みやしびれが続く
- 排尿や排便に異常がみられる
多くのケースでは、飛び出した椎間板が脊髄や神経根を圧迫し、神経の伝達を妨げられるのが原因で、腰痛だけでなく脚にまで症状が及びます。
椎間板ヘルニアは自然に軽快する場合もありますが、強い症状やしびれ・脱力が進行するなら、早急に整形外科を受診しましょう。
雪かきで腰痛になった場合の対処法・治し方
雪かきの後に腰に痛みを感じたときは、早めの適切な対処が回復の鍵となります。
ここでは、雪かきで腰痛になった場合の対処法と治し方を見ていきましょう。
湿布で痛みを軽減する
雪かきの後に腰痛が出た場合、湿布を貼って痛みを一時的に和らげることが可能です。
腰痛に使われる湿布には、冷却タイプと温感タイプがあります。
痛みが出た直後で熱っぽさや腫れがある場合は冷湿布、急性期を過ぎて慢性的な痛みや筋肉のこわばりがある場合は温湿布を使いましょう。
また、湿布を貼るときは肌を清潔にし、かぶれなどに注意しながら使用してください。
腰に負担の少ない寝具を使う
腰痛を発症したら、寝ている間も腰にかかる負担を軽減する工夫が大切です。
マットレスが硬すぎたり柔らかすぎたりすると、腰への負担が大きくなる場合があります。
腰にフィットし、適度な反発力のある寝具を選ぶのがポイントです。
また、寝る姿勢にも配慮しましょう。
仰向けで寝る場合は、膝の下にクッションを入れると腰への負担を軽減できます。
適度に運動する
痛みが軽い場合や回復期には、軽めの運動を取り入れると症状の改善が見込めます。
痛みがあるからといって、長時間動かない状態が続くと筋力が低下し、かえって腰痛が悪化するケースもあるため注意が必要です。
無理のない範囲で、散歩やストレッチなどの軽い運動を行うと血流が良くなり、筋肉のこわばりも和らぎます。
マッサージをする
お風呂でゆっくりお湯に浸かる、身体を揉む、家族にマッサージしてもらうといった方法は、筋肉の緊張をほぐし、血行を促進する効果が期待できます。
揉む場合は無理に強く押すのではなく、やさしくさする程度にマッサージするのがポイントです。
ただし、痛みが強いときや炎症がある場合には、安静を優先しましょう。
病院で治療する|再生医療も選択肢
2週間以上経っても症状が回復しない、もしくは腰痛を繰り返すなら整形外科を受診しましょう。
足のしびれなどがある場合は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の疑いも考えられます。
保存療法で改善がみられないケースでは、再生医療も選択肢のひとつです。
再生医療とは、本来の機能を失った組織や細胞に対し、自分自身の幹細胞や血液成分を利用する治療法です。
身体への負担が少ないため、手術を避けたい方や、日常生活への影響をできるだけ抑えたい方に適しています。
代表的な治療法が、「幹細胞治療」と「PRP療法」です。
幹細胞治療は、患者様自身の脂肪などから採取した幹細胞を用いて、損傷部位に投与する治療法です。幹細胞が持つ、他の細胞に変化する能力を活用します。
PRP療法は、血液中の血小板を濃縮して患部に投与する治療法です。血小板には組織の修復過程に関与する成長因子が含まれており、この働きを利用します。
再生医療について詳しくは、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症に対する以下の症例をご覧ください。
雪かきでの腰痛予防法
雪かきが原因の腰痛は、事前の対策によって十分に予防が可能です。
ここでは、雪かきによる腰痛を防ぐための具体的な方法をご紹介します。
ストレッチで準備運動を行う
雪かきをはじめる際は、ストレッチして体をほぐしておくのが有効です。
まずは、以下2つのストレッチ方法を行ってみましょう。
ハムストリングス(大腿二頭筋)のストレッチ方法
1.椅子に座って片脚を前に伸ばして、かかとを床につける
2.上体を前に倒しかかとに向けて手を伸ばす(可能ならかかとに手を添える)
3.20秒キープし、左右それぞれ行う
ハムストリングスのストレッチにより、大腿裏の柔軟性を高められます。
雪をすくったり、持ち上げたりする動作では腰だけに頼らず、脚の力も活用しましょう。
大腰筋(だいようきん)のストレッチ方法
1.立った状態で、バランスを崩さないようにテーブルや椅子に手をかける
2.片足を前に出し、もう片方を後ろに引く姿勢をとる
3.前の膝を軽く曲げ、胸を張ったまま腰を前方へ押し出すように意識する
4.この状態を20秒間キープし、左右交互に行う
大腰筋のストレッチを行うと、腰から骨盤前面にかけての筋肉をほぐせます。
雪かき作業中の腰の前反りやひねりに有効なので、しっかり行っていきましょう。
カイロで腰を温める
寒冷地での雪かきでは、気温の低さで筋肉の硬直を招きやすく、そのまま作業を始めると腰を痛めるリスクが高まるため注意しなければなりません。
腰部をカイロ等で温めておくと筋肉が柔らかくなり、負担を軽減できます。
とくに、雪かき開始直前や途中で冷えてきたと感じたときには、腰回りを温めて、筋肉・腱への負荷を減らしましょう。
腰を痛めないようにスコップを正しい姿勢で使う
雪かきは、動作・姿勢の少しの工夫で腰への負担を減らせます。
とくに、スコップを使用する際は、以下のように腰を痛めない正しい姿勢で使用してください。
- 膝を曲げ、腰を落とした状態で雪を集める
- 背中を丸めず、可能な限り脚・股関節の力を使う
- 腰だけで行わず、体全体を使う
- 自分の身長に合った長さのスコップを使い、胸より上まで雪を持ち上げない
- 重い雪を一度に抱え込まず、少量ずつ作業する
- 休憩をこまめにとり、筋疲労を溜めない
雪かきの正しい姿勢や動作を意識し、腰椎や腰回りの筋肉への負荷を抑えましょう。
雪かきで腰痛になる原因
雪かきは腰にかかる負担が大きく、腰痛を引き起こすきっかけになりかねません。
ここでは、雪かきが腰痛を招く主な原因を解説します。
重い雪が腰に負担をかける
雪には多くの水分が含まれており、重い雪を繰り返し持ち上げる動作が腰に大きな負荷をかけます。
無理をすると、腰椎や背部の筋肉・靭帯へ直接的なストレスがかかり、疲労や損傷を招くケースも少なくありません。
さらに、雪を運ぶ・投げるときに、腰だけで持ち上げようとすると負荷が増加し、腰痛を誘発します。
たとえば、一度に持ち上げる雪の量を減らす、こまめに作業を区切るなど、負荷を分散する工夫が大切です。
また、自分の体格に合ったスコップを選ぶと、腰への負担を軽減できます。
前かがみの姿勢で腰や背中の緊張が続く
雪かき作業では、しゃがむ・前かがみ・中腰といった姿勢が長時間続きます。
背中や腰の筋肉に休む間がなく負荷が蓄積すると、血流も滞りやすくなり、結果として筋肉が硬くなって腰痛を引き起こします。
腰を曲げるのではなく、膝を使って作業する、定期的に姿勢をリセットするなどを意識しましょう。
また、作業の合間にストレッチを取り入れるのも有効です。
寒さで血流が悪くなる
雪かきでは、低気温による腰への影響も見逃せません。
寒さで筋肉が収縮し血流が低下すると、筋肉や筋膜がこわばりやすくなるため注意が必要です。
血流が悪くなると、筋肉内に疲労物質がたまって回復が遅れ、少しの負荷でも腰を痛めてしまうリスクが上昇します。
したがって、雪かき前後のウォーミングアップや冷え対策が重要です。
カイロや重ね着で腰まわりを冷やさないように工夫するほか、作業前には軽い体操やストレッチを行って腰痛を防ぎましょう。
まとめ|雪かきでは腰痛に注意しよう
雪かきは、腰に大きな負担がかかる重労働です。
重い雪を繰り返し運んだり、前かがみの姿勢を長時間続けたりなどで筋肉や関節に無理が生じると、腰痛を引き起こします。
腰痛を防ぐには、作業前のストレッチや防寒対策、正しい姿勢の維持が重要です。
痛みが出た場合も、状態に応じて冷却・温熱ケアを行い、症状が長引く場合は早めに医療機関を受診しましょう。
腰痛の治療でお悩みであれば、再生医療も選択肢のひとつです。
当院「リペアセルクリニック」では、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などに対して、再生医療の「自己脂肪由来の幹細胞治療」を提供しています。
公式LINEにて、再生医療に関する情報発信や簡易オンライン診断を行っておりますので、ぜひご利用ください。
\無料オンライン診断実施中!/
雪かきでの腰痛に関するよくある質問
雪かきが原因の腰痛が治らない原因は?
雪かきをきっかけに発症した腰痛がなかなか改善しないなら、単なる筋疲労ではなく、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、変形性腰椎症、骨粗しょう症といった疾患が隠れている可能性があります。
こうした疾患は、長期間にわたって痛みやしびれを伴うケースが多いほか、自己判断では腰痛と見分けがつきません。
早めに整形外科を受診し、画像検査などで正確な診断を受けることが適切な治療への第一歩です。
雪かきで腰痛になったら温める?冷やす?
雪かき後に腰痛が出たときに温めるか、冷やすかは、痛みの種類によって判断しましょう。
ぎっくり腰のような急性の強い痛みが出た直後は、炎症を抑えるために冷やすことが推奨されています。
ただし、冷やしすぎは血流を妨げるため、1回15〜20分を目安にしてください。
一方で、数日以上が経過して痛みが慢性化してきた場合は、筋肉のこわばりや血行不良が原因なので、温めて血流を促すのが効果的です。
痛みの性質や経過に応じて、適切な冷・温の使い分けを意識しましょう。














