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ウェルニッケマン肢位とは?日常生活へ影響や効果的な治療方法を解説
「ウェルニッケマン肢位の上肢や下肢の特徴は?」
「日常生活にどのような影響がある?」
「効果的な治療方法やリハビリの内容を知りたい」
ウェルニッケマン肢位とは、上肢と下肢が異常な姿勢になる症状のことです。脳梗塞や脳出血を発症したあとに後遺症として起きる場合があります。
本記事では、ウェルニッケマン肢位の特徴をはじめとして以下を解説します。
- 日常生活への影響
- 原因となる病気
- 治療方法
- リハビリテーション
ウェルニッケマン肢位は、早期に適切な治療やリハビリを進めることが大切です。関節が固まってしまい元に戻らなくなるおそれがあるためです。本記事を参考にして、適切な治療やリハビリの選択に役立ててください。
なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。
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目次
ウェルニッケマン肢位とは?上肢と下肢の特徴
ウェルニッケマン肢位(Wernicke-Mann肢位)とは、脳卒中などを発症したあとに起きる場合がある後遺症のことです。
ウェルニッケマン肢位を引き起こすと、体の片側の上肢と下肢が以下のような特徴的な状態になります。
| ウェルニッケマン肢位の特徴 | |
|---|---|
| 上肢 | ・肩関節や前腕が内側に入り込んだ状態になる ・肘関節と手首が曲がり胸の辺りにくる ・こぶしを握った状態になる |
| 下肢 |
・股関節が内側を向いた状態になる |
このような筋肉が緊張して硬くなる状態を痙縮(けいしゅく)といいます。ウェルニッケマン肢位は痙縮の中の1つです。
痙縮が進行すると関節の動きが固まってしまい、元に戻らなくなる拘縮(こうしゅく)という状態になるおそれがあります。脳卒中の患者様118万人のうち、41万人が痙縮の後遺症を引き起こしているとの報告があります。(文献1)
ウェルニッケマン肢位が引き起こす日常生活への影響
ウェルニッケマン肢位を引き起こすと、以下のように日常生活へ影響をきたします。
- 体の片側が緊張しているため衣服の脱ぎ着や体を洗うことが困難になる
- 手を握りこんでいるため物がつかみにくい
- 手を握りこんでいるため爪が切れず手も洗いにくい
- 足が突っ張っているため歩行が難しく転倒のリスクがある
- 筋肉の緊張により痛みが現れ動作の妨げや夜間不眠の原因になる
以上のような影響により、患者様の生活の質が低下してしまいます。また、本人だけでなく、介護者の心身の負担も増えてしまいます。
ウェルニッケマン肢位を引き起こす病気
ウェルニッケマン肢位を引き起こす病気には、以下のようなものがあります。
| 病名 | 特徴 |
|---|---|
| 脳卒中 | 脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳に障害が起きる病気 |
| 脊髄損傷 | 交通事故などの強い衝撃により脊髄が損傷した状態 |
| 重度頭部外傷 | 頭部に強い衝撃を受けて、脳に損傷が起きる外傷 |
| 脳性麻痺 | 胎児のときから生後4週間までに発生した脳の損傷による運動障害 |
| 多発性硬化症 | 神経を覆っている膜のようなものが、炎症などによってむき出しになってしまう病気 |
脳卒中の後遺症に対する再生医療
脳卒中の再発予防や後遺症、または脊髄損傷に対する治療法として再生医療という選択肢があります。再生医療とは、人が本来持っている「再生する力」を活用した治療方法です。
例えば、以下のような後遺症が治療の対象になります。
- 手足のしびれや麻痺
- 感覚障害
- 筋力低下
- 関節や筋肉の痛み
- 言語機能の低下
- 嚥下機能の低下
注射や点滴で治療が行われるため、手術が不要というメリットもあります。当院「リペアセルクリニック」では、ウェルニッケマン肢位の原因となる脳卒中や脊髄損傷に対して再生医療を行っています。
当院で行っている再生医療については、以下の症例を参考にしてください。
【症例記事】
運動機能、言語機能ともに改善! 脳梗塞・脳出血・硬膜下血腫 80代男性
投与直後から歩容改善 頚椎症性脊髄症 70代男性
ウェルニッケマン肢位の治療方法
ウェルニッケマン肢位などの痙縮に対する治療は、主に筋肉の緊張を和らげるために行います。
治療方法には以下のようなものがあります。
| 治療方法 | 詳細 |
|---|---|
| 薬物療法 | 筋肉の緊張を和らげる筋弛緩剤(きんしかんざい)の服用 |
| ボツリヌス療法 | 筋肉の緊張を和らげるボツリヌス製剤の投与 |
| 装具療法 | 装具による患側(かんそく:症状が出ている側)への負荷の軽減 |
| 手術療法 | 足の突っ張りや足の指の変形に対する直接矯正 |
それぞれの治療方法を詳しく解説します。
薬物療法
薬物療法では、筋肉の緊張を和らげる筋弛緩剤を服用して治療を行います。初期治療として選択されることが多いです。症状に応じて、複数の薬を組み合わせることもあります。
筋弛緩剤の主な副作用は眠気や脱力感、飲み込みにくさなどです。副作用が出ないように少量から服用を始める必要があります。
ボツリヌス療法
ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌が作るたんぱく質を活用した治療方法です。痙縮が強い部位にボツリヌス菌が含まれた注射をすることで、筋肉の緊張を和らげることが可能です。
注射の効果は、投与してから約10日後に始まり、約1〜2カ月で効果が最も高まります。約3カ月経過すると効果が弱まります。主な副作用は脱力感です。
治療費が高額であるため、多くの部位に投与する場合は、医療費助成制度等を活用できるかの確認を推奨します。
装具療法
ウェルニッケマン肢位などの痙縮は、足底などの特定の部位に体重がかかると悪化するおそれがあります。装具を用いることで、特定の部位に体重がかからないようにして、痙縮の悪化を抑えます。
装具単体の治療では限界があるため、その他の療法と組み合わせて治療を進めることが一般的です。また、患側の筋肉を伸ばしたり、安定させたりすることで、余計な緊張が起きないようにする役割もあります。
手術療法
手術療法は、筋肉が固まってしまい既存の治療方法では効果が不十分な場合に検討します。足の突っ張りや足の指の変形を直接矯正する治療方法などがあります。
手術を検討するには、以下のような条件を満たさなければなりません。
- 拘縮等が起きていない
- 手術前に歩行訓練ができている
術後であっても症状は悪化する場合があります。装具療法の継続や定期的なボツリヌス療法なども必要です。
ウェルニッケマン肢位のリハビリテーション
リハビリテーションは、主に筋力増強や拘縮予防のために行います。痙縮に対するリハビリは、発生したその日からベッドサイドで関節を動かす訓練を始めることが大切です。
起立に耐えられる状態である場合は、以下のような器具を用いたリハビリの実施を検討します。
| リハビリ器具名 | 詳細 |
|---|---|
| ティルトテーブル | 寝たままの状態で徐々に立位姿勢にできる器具 |
| スタンディングテーブル | 立位姿勢をサポートする器具 |
これらの器具を用いたリハビリは、膝や股など各関節をゆっくりとストレッチできます。その結果、関節を動かせる範囲の維持・向上の効果を期待できます。
まとめ|ウェルニッケマン肢位の治療は医師と十分に相談しながら進めよう
ウェルニッケマン肢位の治療方法は多岐にわたります。筋肉の緊張から拘縮に移行させないためにも、早期に適切な治療やリハビリを始めることが重要です。
症状の程度によって治療方針が決定します。初期治療の多くは筋弛緩剤を服用する薬物療法です。既存の治療では効果が見られない場合は、足の突っ張りや足の指の変形に対する手術療法も検討します。
ボツリヌス療法も効果的ですが、高額な治療となるため、医療費助成制度等を利用できるかの確認をしましょう。ウェルニッケマン肢位の治療は、医師と本人、家族と十分に相談しながら進めてください。
脳卒中の後遺症や脊髄損傷の治療法として、再生医療という選択肢もあります。再生医療について詳しくは、当院「リペアセルクリニック」にお気軽にご相談ください。
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ウェルニッケマン肢位に関するよくある質問
歩行はできるようになる?
症状の程度によっては歩行可能です。ウェルニッケマン肢位のような痙縮が起きると、歩行は不安定になり転倒リスクがあります。歩行能力を維持・向上するには、早期から杖や装具を活用した歩行の訓練を取り入れることが重要です。
症状はリハビリなどで改善する?
リハビリを適切に取り入れれば、痙縮で行えなかった動作を獲得できる場合があります。また、リハビリは関節の動く範囲や、筋力の維持・向上のために重要な療法です。












