くも膜下出血の前兆?首の後ろの痛みを伴う激しい頭痛は危険!
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くも膜下出血の前兆?首の後ろの痛みを伴う激しい頭痛は危険!
「首の後ろの痛みを伴う頭痛がある場合は、くも膜下出血の可能性がある!?」
くも膜下出血は脳を覆う薄い組織との間の領域で起こる出血です。この領域はくも膜下腔と呼ばれます。くも膜下出血は緊急を要する病気であり、発症後の迅速な診察と治療が必要です。
突然の激しい頭痛で気づくことが多いですが、首の痛みを伴う頭痛など、くも膜下出血の危険なサインもあります。
そこで今回は、くも膜下出血の前兆や、頭痛が起こる場所のなかでも首の痛みを伴う場合の対処について説明しますので、ぜひご参考にされてください。
くも膜下出血の前兆は?
くも膜下出血は、くも膜下腔(くも膜と脳を取り囲む軟膜との間の領域) への出血です。症状としては、急速に発症する重度の頭痛、嘔吐、意識レベルの低下、また発熱のあるときに発作が含まれる場合があります。
前兆から発症までどのような症状を伴うのか、詳しくみていきましょう。
前兆から発症まで
くも膜下出血の典型的な症状は、頭を蹴られたような、今までに経験したことのないような激しい頭痛で、数秒から数分かけて発症します。この頭痛は、しばしば後頭部に向かって起こり、吐き気や嘔吐が伴う場合もあります。
首の凝りや首の痛みを伴う頭痛も比較的一般的であり、首の痛みやこりはくも膜下出血の前兆として現れます。
首の痛みを伴う頭痛がある時は、くも膜下出血を疑う
首のこりや首の痛みを伴う頭痛はくも膜下出血に比較的一般的な症状ではありますが、鑑別すべき病気もあります。
例えば、くも膜下出血で起こる頭痛や肩こりは髄膜炎の症状に似ており、区別する必要があります。また、約 3 分の 1 の人は特徴的な頭痛以外の症状がない場合もあります。
通常、髄膜炎にはある発熱や発疹はくも膜下出血には見られません。錯乱、意識レベル低下または昏睡などの重篤な症状も首のこわばりやその他の髄膜炎の兆候と同様に、存在する可能性があります。
髄膜炎との区別にはMRI検査が重要
症状だけでは区別が難しい場合もあり、その場合は、病院で詳しく調べる必要があります。
MRI検査では、脳内の出血を検出でき、血管に染料を注入して、動脈と静脈をより詳細に表示し (造影MRI検査)、血流を強調して調べることもできます。 CT検査でもわからない時にくも膜下出血の徴候を見つけることができます。
首の痛みを伴う頭痛がある時の対処法は?
首の痛みを伴う頭痛がある場合は、くも膜下出血の前兆である可能性が高いため、急に頭を動かしたり、以下のような行動は避けましょう。
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これらの行動はくも膜下出血を誘発する恐れがあります。
病院へ行くべき危険な兆候は?
くも膜下出血の症状は状況によって緊急度は異なる場合もあります。
雷鳴のような頭痛がある他に、特に以下のような症状がある場合は大変危険です。すぐに最寄りの病院に行きましょう。
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頸部硬直は、くも膜下出血の最初の発症から 6 時間後に現れます。瞳孔の散大と対光反射の消失は、頭蓋内圧の上昇による脳ヘルニアを反映している可能性があります。
眼が下方および外側を向いており、同じ側のまぶたを持ち上げることができない場合は、動眼神経の異常があり、後交通動脈からの出血を示している可能性があります。発作がある場合、脳動静脈奇形などの病気が隠れている可能性もあります。
入院して安静にすることも大切
時には、入院して安静にして、リスクとなる血圧などの管理を徹底しましょう。自然に首の痛みを伴う頭痛は良くなるケースもありますが、血圧が高いとくも膜下出血のリスクとなり得るため、血圧管理を徹底します。
くも膜下出血のよくあるQ&A
最後に、首の痛みを伴う場合のくも膜下出血に関するよくある質問についてQ&Aでまとめました。
Q,くも膜下出血で首が痛くなるのはなぜ?
A,頭の中に出血があることで、頭の中の圧力が上がり、これによって脳が圧迫されて痛みが出ます。
Q,首の痛みがある場合、どのように他の病気と区別しますか?
A,他に原因がないのに、首の凝りと激しい頭痛を経験した場合、くも膜下出血の兆候である可能性があります。
CT検査は、脳の周りの血液とそれに続く可能性のある問題を検出できます。さらに、出血の原因を明らかにするために造影剤を用いてより詳しく検査できます。
さらに、MRI検査は、頭の内部の詳細な画像をとることができ、出血やその他の血管の問題を特定するのに役立ちます。
まとめ・激しい頭痛!くも膜下出血の前兆?首の後ろの痛みを伴う頭痛は危険!
くも膜下出血は非常に危険であり、長期的な回復は発生する可能性のある合併症に依存します。
特に、突然の首の痛みを伴う頭痛はくも膜下出血を発症する前兆とも捉えられます。
単なる肩こりや首の痛みなら自然に治るケースもありますが、治らない場合はくも膜下出血の可能性もあります。
また、他の病気と間違えないように適切な検査が必要です。
今回の記事を参考にして、改めて前兆や対策に関して学んでおきましょう。ご参考になれば幸いです。
No.097
監修:医師 坂本貞範