くも膜下出血の前兆?首の後ろの痛みを伴う激しい頭痛は危険!
公開日: 2022.11.21更新日: 2024.10.17
くも膜下出血は、脳を覆う薄い組織との間の領域で起こる出血です。突然起こる激しい頭痛で気づくことの多い病気ですが、首の痛みを伴う頭痛としても知られています。
「最近首の後ろが痛いけど原因がわからない」「痛みが引かなくて不安だ」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事は、くも膜下出血の前兆として引き起こす首の痛みについて紹介します。
- ・くも膜下出血の症状
- ・首の痛みを伴う頭痛があるときの対処法
- ・首の痛み発症時の受診先
目次
【くも膜下出血の前兆】首の痛みを伴う頭痛は要注意!
頭痛を伴う首の痛みは、くも膜下出血の代表的な前兆症状のひとつです。
ただし、首の痛みが必ずしも膜下出血につながるわけではなく、髄膜炎と呼ばれる病気を発症した際も似たような症状が現れます。
くも膜下出血の主な前兆 | 髄膜炎の主な前兆 |
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上記の特徴をもとに区別する必要がありますが、いずれにせよ頭痛を伴う首の痛みは要注意であることは確かです。少しでも不安な方は最寄りの医療機関にご相談ください。
髄膜炎との区別にはMRI検査が重要
前兆(症状)だけでは自己判断が難しいため、精密な検査を実施し病院で詳しく調べてもらう必要があります。
精密検査の代表格であるMRI検査では、脳内の出血を検出できます。また、血管に造影剤を注入して動脈と静脈の流れを詳細に表示 (造影MRI検査)し、血流に注力した検査も可能です。
CT検査では見抜きにくい「くも膜下出血の徴候」をいち早く見つけることができます。
くも膜下出血とは?
そもそもくも膜下出血とは、くも膜下腔(くも膜と脳を取り囲む軟膜間の領域) への出血です。
主な前兆としては、急速に発症する重度の頭痛・嘔吐・意識レベルの低下・発熱時の発作が挙げられます。
くも膜下出血の症状
くも膜下出血の典型的な症状は、頭を蹴られたような激しい頭痛で、数秒から数分かけて発症します。後頭部付近に発症する特徴をもち、吐き気や嘔吐を伴う場合もあります。
首の凝りや首の痛みを伴う頭痛も代表的な前兆症状であることから、早めの行動が重要です。
- ・急に起こる重度の頭痛
- ・吐き気、嘔吐
- ・意識レベル低下
- ・発作(発熱時)
- ・首の痛みや、肩こりなどの違和感
首の痛みを伴う頭痛があるときの行動と対処法
首の痛みとくも膜下出血の関係性について解説したところで、この項目では発症後の行動と対策について紹介します。
くも膜下出血の悪化や早期発見につながるため、発症後は以下の事項を厳守しましょう。
誘発の恐れのある行動は避ける
首の痛みを伴う頭痛がある場合はくも膜下出血を常に疑い、出血を誘発するような行動は避けましょう。
以下の行動は、くも膜下出血を誘発する恐れがあります。
- ・くしゃみ
- ・強い咳
- ・運動(首まわしなど)
速やかに病院を受診する
くも膜下出血の症状は状況によって緊急度は異なる場合もあります。
雷鳴のような頭痛があるなど、以下のような症状が発症した場合は大変危険です。すぐに最寄りの病院に行きましょう。
- ・意識と注意力の低下
- ・吐き気と嘔吐
- ・混乱や過敏性
- ・めまい
- ・明るい光で目が過敏になる
- ・首と肩の筋肉痛
- ・体の一部のしびれ
- ・発作
- ・複視、盲点、片目の一時的な視力低下など、視力の変化
その他、くも膜下出血の発症から 6 時間後に現れる頸部硬直や、瞳孔の散大などの症状発症は緊急を要します。
身近にいる方は速やかに119番通報を心がけましょう。
まとめ|くも膜下出血の前兆をいち早く察知しよう
くも膜下出血は非常に危険であり、突然発生した首の痛みを伴う頭痛は前兆とされているため注意が必要です。。
また、緊急を要する病気であるため、発症後の迅速な診察と治療が必要となります。前兆を含む典型的な症状、くわえて対処法を知っておくことが重要です。
首の痛みを伴う慢性的な頭痛にあっては、当クリニックにご相談いただくことも可能です。お気軽にお問い合わせください。
膜下出血と首の痛みに関するQ&A
最後に、首の痛みを伴う場合のくも膜下出血に関するよくある質問についてQ&Aでまとめました。首の痛みにお悩みの方や不安を抱く方は、ぜひ参考にしてみてください。
くも膜下出血で首が痛くなるのはなぜ?
頭の中に出血が発生することで、頭の中の圧力が上がり、これによって脳が圧迫されて痛みが出ます。
首の痛みがある場合はどのように他の病気と区別する?
他の原因に心当たりがなく、首の凝りと激しい頭痛を経験した場合、くも膜下出血の兆候である可能性があります。
また、病院受診時のCT検査やMRI検査により他の病気と区別します。
CT検査は、脳をめぐる周りの血管の検出と、付随する脳の異常を特定します。さらに、出血の原因を明らかにするために造影剤を用いることにより、詳しく検査が可能です。
さらにMRI検査は頭の内部の詳細な画像として出力し、出血やその他の血管の異常問題を特定します。
くも膜下出血の前兆を感じたときは何科を受診すべき?
くも膜下出血を疑う際は、脳神経外科や脳神経内科を受診しましょう。
緊急度の高い病気であるため前兆の段階であっても、予約なしでもすぐに受診ができる救急外来に対応した病院を探すべきです。
また、受診先がすぐに見つからない場合は救急車を呼ぶのも手段のひとつです。