- 頭部
- 脳梗塞
- 脳卒中
【医師監修】脳梗塞の後遺症一覧|性格の変化と治る見込みを解説
「脳梗塞の後遺症で性格が変わってしまった家族に、どう接すればよいのか」
「麻痺やしびれはどこまで回復するのか」
脳梗塞を経験されたご本人やご家族から、このようなご相談をいただくことが多くあります。
脳梗塞の後遺症は、手足の麻痺や感覚の障害、言葉の障害、飲み込みの障害、そして外見からは分かりにくい高次脳機能障害の5つに大きく分かれます。性格の変化は、このうち高次脳機能障害の一つです。
症状の重さや回復の見込みは、脳のどこがどれだけ傷ついたかによって変わります。発症からおよそ6カ月で生活期に入り、リハビリの場は病院から自宅や地域へ移ります(文献1)。ただし、そこで改善が止まるわけではありません。
本記事では、脳梗塞の後遺症について以下を解説します。
- 後遺症の種類と生活への影響
- 後遺症が残るかどうかと回復の見込み
- 性格が変化する5つのパターンと家族の接し方
- リハビリ・薬物療法・再生医療という治療の選択肢
- 再発を防ぐために気をつけること
- 使える公的支援制度
\脳梗塞の後遺症に対する再生医療という選択肢/
再生医療は、患者様ご自身の細胞や血液を用いる治療法です。症状や状態によって適応は異なり、効果には個人差があります。適応があるかどうかを含めて、医師とご相談のうえ検討することが大切です。
【こんな方は再生医療をご検討ください】
- 脳梗塞の後遺症による性格の変化に悩んでいる
- 怒りっぽくなった・感情のコントロールが難しくなった
- 記憶障害や言葉が出にくいなど高次脳機能障害が続いている
- リハビリを続けても症状の改善が感じられない
- 発症から時間が経ち、これ以上の回復を諦めかけている
「リハビリを続けても性格変化や記憶障害が改善しない」「家族の性格変化に戸惑い、何かできることを探している」など、脳梗塞による後遺症にお悩みの方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
後遺症改善を目指すなら、まずは無料相談!

目次
脳梗塞の後遺症の種類一覧
脳梗塞の後遺症は、傷ついた脳の場所によって現れ方が決まります。代表的なものは以下の5つです。
| 項目 | 主な症状 | 日常生活への影響 |
|---|---|---|
| 運動麻痺 | 傷ついた脳と反対側の手足が動かしにくくなる、手足がつっぱる | 歩行や立ち座り、着替えや入浴が難しくなる |
| 感覚障害 | 触れた感覚や痛み、温度が分かりにくくなる、しびれや痛みが出る | やけどやけがに気づきにくく、立位のバランスが崩れる |
| 言語障害 | 言葉が出てこない、相手の言葉が理解しにくい、ろれつが回らない | 会話や電話が難しくなり、仕事や人づきあいに影響する |
| 嚥下障害 | 飲み込みにくい、食事中にむせる | 誤嚥性肺炎のリスクが高まり、食事の形態を変える必要が出る |
| 高次脳機能障害 | 記憶・注意・段取りの力が落ちる、性格が変わる | 外見では分かりにくく、家庭や職場で誤解されやすい |
脳梗塞そのものの症状や原因については「脳梗塞とは|症状・原因・治療法を現役医師が解説」をご覧ください。
手足が動かしにくくなる運動麻痺
運動麻痺は、脳梗塞で最も多く見られる後遺症です。脳から手足へ動けという指令を送る神経の通り道が途切れるために起こり、傷ついた脳と反対側の半身に現れます。
発症してしばらくすると、麻痺した手足の筋肉が突っ張って硬くなる「痙縮(けいしゅく)」が生じることがあります。肘や手指が曲がったまま伸びにくくなる、足首が下を向いて踵が床につかないといった変化が代表的です。
痙縮を放置すると関節が固まり、着替えや入浴の介助が難しくなるほか、歩行中の転倒につながります。詳しくは「脳梗塞の痙縮・麻痺に対するボトックスの効果」もあわせてご覧ください。
しびれや痛みが残る感覚障害
感覚障害では、触れた感覚や痛み、温度の感じ方が鈍くなったり、しびれや痛みが出たりします。感覚の情報が集まる視床や頭頂葉が傷つくことで起こります。
自分の手足がどこにあるかを感じ取る深部感覚が障害されると、目で見て確認しないと足が地面についているか分からず、立つ・歩く動作が不安定になります。温度が分かりにくい場合は、入浴時のやけどにも注意が必要です。
発症から数週間から数カ月たってから、衣服が触れる程度の刺激で焼けるような痛みが出ることもあります。一般的な痛み止めでは和らぎにくいことがあるため、痛みが続く場合は主治医にご相談ください。
言葉が出にくくなる言語障害
言語障害には、言葉そのものが扱えなくなる「失語症」と、発音がうまくできない「構音障害」の2つがあります。言語をつかさどる脳の領域は多くの方で左側にあるため、左脳の脳梗塞で失語症が出やすくなります(文献2)。
失語症には、相手の言葉は理解できるのに自分の言葉が出にくいタイプと、流暢に話せるのに言い間違いが多く相手の話も理解しにくいタイプがあります。いずれも知的な能力が落ちたわけではありません。
一方の構音障害は、口や舌の動きの麻痺により発音が不明瞭になる状態で、言葉の理解や読み書きは保たれます。それぞれの違いは「ウェルニッケ野とブローカ野の違い」「ウェルニッケ失語症(感覚性失語)とは」で詳しく解説しています。
飲み込みにくくなる嚥下障害
嚥下障害は、食べ物や飲み物を飲み込む動作がうまくいかなくなる後遺症です。国立循環器病研究センターによると、脳卒中の発症直後には30〜60%に嚥下障害が見られ、多くは早期に回復するとされています(文献3)。
注意が必要なのは、食べ物や唾液が気管に入ってもむせない「不顕性誤嚥」です。本人も周囲も気づかないまま、口の中の細菌が肺に入って誤嚥性肺炎を起こすことがあります。
食事中にむせる、食後に声がかすれる、食事に時間がかかるといった変化が見られたら、飲み込みの検査と食事形態の調整を受けてください。
外見からは分かりにくい高次脳機能障害
高次脳機能障害は、記憶・注意・段取り・感情のコントロールといった働きが低下する後遺症です。身体の見た目には障害がないため、家庭や職場で誤解されやすい「見えない障害」と呼ばれます。
国立障害者リハビリテーションセンターは、主な症状を以下のように整理しています(文献4)。
| 項目 | 具体的な現れ方 |
|---|---|
| 記憶障害 | 物の置き場所を忘れる。新しいできごとを覚えられない。同じことを繰り返し質問する |
| 注意障害 | ぼんやりしていてミスが多い。ふたつのことを同時に行うと混乱する |
| 遂行機能障害 | 自分で計画を立てて実行できない。指示がないと何もできない |
| 社会的行動障害 | 興奮する。暴力を振るう。大声を出す。自己中心的になる |
このうち社会的行動障害が、性格が変わったように見える原因です。「脳梗塞の後遺症によって変化する性格の主な具体例」の章で具体的に解説します。高次脳機能障害そのものについては「高次脳機能障害とは|種類・原因・治療法」もご覧ください。
脳梗塞の後遺症と回復の見込み
軽い脳梗塞であっても後遺症が残ることはあり、逆に大きな梗塞でも回復が進む方がいます。残るかどうかは、梗塞の大きさだけでなく、傷ついた場所と治療開始までの時間で決まります。
厚生労働省の2022年国民生活基礎調査では、介護が必要になった主な原因のうち脳血管疾患(脳卒中)は16.1%で、認知症(16.6%)に次ぐ第2位です。最も重度の要介護5に限ると26.3%で第1位となり、認知症(23.1%)を上回ります(文献5)。
脳梗塞の後遺症が、日常生活に大きく関わる問題であることを示す数字といえます。
発症から6カ月までの回復の経過
脳梗塞の経過は、発症からの時期によって3つの段階に分けられます。厚生労働省の資料では、それぞれの目安が次のように示されています(文献1)。
| 項目 | 期間の目安 | この時期の内容 |
|---|---|---|
| 急性期 | 発症からおよそ1〜2カ月以内 | 全身の状態を安定させる治療と、寝たきりを防ぐための早期リハビリ |
| 回復期 | 発症からおよそ3〜6カ月以内 | リハビリ専門の病棟で集中的に訓練し、在宅復帰を目指す |
| 生活期(維持期) | 発症からおよそ6カ月以降 | 自宅や施設で機能を維持し、社会生活に戻る |
回復期のリハビリ病棟に入院できる日数は、最大150〜180日と制度で決められています(文献1)。
6カ月を過ぎても改善を目指せる理由
6カ月という区切りは、リハビリ病棟に入院できる期間の上限であって、機能の改善が止まる時期ではありません。生活期に入ってからも、訪問リハビリや通所リハビリ、自主トレーニングを続けることで、日常生活の動作が改善していく方は多くいます。
退院後にリハビリの量が減ると、使わない機能が低下してしまうことがあります。退院前にケアマネジャーや医療ソーシャルワーカーへ相談し、生活期のリハビリを切れ目なく続けられるよう準備しておくことが大切です。
リハビリの期間や進め方は「脳梗塞のリハビリ期間は?方法や注意点も解説」で詳しく解説しています。
脳梗塞の後遺症によって変化する性格の主な具体例
脳梗塞の後遺症によって変化する性格の主な具体例は以下のとおりです。
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 易怒性・攻撃性 | 些細なことでイライラし、怒声を発する。感情の抑制が効かない |
| 意欲低下・無関心(アパシー) | 何事にも関心を持てず、自分から動こうとしない |
| 感情の不安定さ(感情失禁) | 過剰に泣く、突然笑い出すなど感情の表出を抑えられない |
| 衝動性・自制の欠如 | 思いついた行動をそのまま取ってしまい、その場に合わせられない |
| 固執性・融通のなさ | 一つのことにこだわり続け、状況の変化に合わせられない |
厚生労働科学研究班の調査では、高次脳機能障害のある方86人のうち、感情コントロールの障害・易怒性が85%、意欲・発動性の低下(アパシー)が71%、対人技能の拙劣が72%、固執性が70%に見られたと報告されています(文献6)。
それぞれについて解説します。
脳梗塞の症状や原因については、以下の記事で詳しく解説しています。
易怒性・攻撃性
脳梗塞の後遺症として多く見られる性格変化の一つが易怒性(いどせい:怒りっぽくなること)・攻撃性です。
脳梗塞により感情のコントロールを司る脳の前頭前野が損傷されると、感情の抑制が困難となり易怒性・攻撃性が見られる傾向にあります(文献6)。発症前には気にならなかった些細な出来事が原因でイライラしたり、怒声を発したりするのが特徴です。
脳梗塞を発症した事実を知らない周囲の人からは「単に怒りっぽい人」と認識されて敬遠されるなど、社会生活が困難になるケースもあります。易怒性・攻撃性がどのような場面で見られるのか原因を特定し、家族やパートナーなどの協力を得て対処しなくてはいけません。
怒りやすさへの具体的な接し方は「高次脳機能障害で怒りやすくなる?家族への適切な対応」で解説しています。
意欲低下・無関心(アパシー)
意欲低下や無関心(アパシー)も、脳梗塞の後遺症として多く見られる性格の変化の一つです。
脳梗塞が原因で脳の前頭葉や大脳辺縁系の機能が低下すると、意欲の低下や無関心状態を引き起こすと考えられています(文献4)。高次脳機能障害のある方のおよそ71%に、意欲・発動性の低下・アパシーが見られるとの報告も見られます(文献6)。
意欲が低下して何事にも関心を持てなくなると、脳梗塞後のリハビリテーションにも非協力的になり、麻痺やADL(日常生活動作:食事、入浴、着替えなど基本的な生活行為)からの回復が遅延しがちです。
一日中横になっている状態が続く場合は「脳梗塞の後遺症で寝てばかりになるのはなぜ?」もあわせてご覧ください。
感情の不安定さ(感情失禁)
脳梗塞の後遺症として多く見られる性格の変化としては、感情の不安定さ(感情失禁)も挙げられます。
感情失禁は、感情の表出が適切にコントロールできない状態です。過剰に泣いたり突然笑いだしたりするケースも少なくありません。脳の前頭葉のなかでも眼窩面の障害により感情失禁を来すと、児戯性や多幸感により些細なことで泣いたり、面白くもないことで笑いだしたりします。
感情失禁は他者とのコミュニケーションを困難にさせるだけでなく、ご本人が周囲との関わりを避ける原因にもなるため、早めの対処が求められます。
衝動性・自制の欠如
脳梗塞の後遺症として多く見られる性格の変化としては、衝動性および自制の欠如もよく知られています。
衝動性・自制の欠如も感情のコントロールが困難になる高次脳機能障害の一種で、とくに前頭葉の障害により発症しやすい傾向にあります。もともと穏やかだった方が急に怒りっぽくなるなどの変化が見られる場合、脳梗塞の後遺症の高次脳機能障害を疑う必要があるでしょう。
衝動性や自制の欠如も他者とのコミュニケーションを阻害する原因の一つで、社会生活を営む上で重大な障壁となりかねません。本人は自分の性格が変わったことに気付いていないケースが多いため、専門家のアドバイスを得て柔軟に対処する必要があります。
固執性・融通のなさ
固執性や融通のなさも、脳梗塞後の後遺症として多く見られる性格変化の一つです。
脳梗塞の後遺症により固執性や融通のなさを発症すると、一つのものごとにこだわって容易に変えられず、いつまでも同じことを続けることがあります(文献7)。行動だけでなく考え方に関しても固執が見られるようになり、多様な選択肢から適切な解を導き出せなくなります。
環境や状況の変化に対して柔軟に対処できないため、初対面の方とのコミュニケーションもうまく取れません。固執性や融通のなさを改善していくためにはリハビリテーションはもちろん、安定した環境を整えることも重要です。
脳梗塞の後遺症における性格変化は損傷部位によって異なる
脳梗塞の後遺症によりあらわれる性格の変化や記憶・注意の障害などを総称して高次脳機能障害と呼びます。どのような変化があらわれるかは脳の損傷部位により異なります。
高次脳機能障害に伴う症状、および脳の損傷部位は以下のとおりです(文献2)。
| 項目 | 主な機能 | 具体的な症状 |
|---|---|---|
| 前頭葉 | 計画立案・行動・注意力など | 注意障害・失行・遂行機能障害・社会的行動障害など |
| 頭頂葉 | 空間認知・触覚など | 半側空間無視・失認など |
| 側頭葉 | 言語理解・聴覚・記憶など | 失語症・記憶障害など |
| 後頭葉 | 視覚 | 視野狭窄・視覚失認など |
右脳と左脳のどちらに障害を起こしたかによって、あらわれる症状も異なります。たとえば左脳に障害を起こすと失語症などの言語障害が見られ、右脳の障害を起こすと半側空間無視などの空間認知障害が見られます。
脳梗塞の後遺症に伴う高次脳機能障害において、性格の変化をもたらすのは主に前頭葉の障害です。
前頭葉のなかでも、内側の穹窿面(きゅうりゅうめん)を損傷すると無関心や無感情が見られやすく、下側の眼窩面(がんかめん)を損傷すると感情の不安定さが生じやすくなります。
脳梗塞の後遺症で家族の性格が変わったらどうすべき?
脳梗塞の後遺症で家族の性格が変わった場合、まずは原因を突き止める必要があります。性格の変化は主に以下2つの原因によりもたらされることを理解しておいてください。
- 前頭葉の損傷により感情がコントロールできなくなって起こる
- 注意障害や遂行機能障害に伴い二次的に起こる
感情がコントロールできない方に対しては、本人の意思を尊重し感情の変化が起こりにくい環境を整える必要があります。注意障害や遂行機能障害が見られる場合は、気が散る原因を取り除いたり、根気強くリハビリテーションに取り組んだりするのが大切なポイントです。
感情がコントロールできない社会的行動障害は、ご本人が自覚していないこともあるため、家族やパートナーの方は感情に任せず冷静に対処する必要があります(文献6)。
性格が変わったように見えるのは、ご本人の努力や人柄の問題ではなく、脳の損傷によって起きている症状です。ご家族が自分を責める必要はありません。抱え込まず、主治医やリハビリの担当者、病院の医療ソーシャルワーカーに相談してください。
脳梗塞の後遺症に対する治療法
脳梗塞の後遺症に対する主な治療法は以下のとおりです。
| 項目 | 目的 | 主な内容 |
|---|---|---|
| リハビリテーション | 残った機能を高め、日常生活の動作を取り戻す | 認知リハビリテーション、認知行動療法、社会技能訓練など |
| 薬物療法 | 感情や意欲、睡眠など生活を妨げる症状をやわらげる | 気分安定薬、抗うつ薬、睡眠薬など |
| 再生医療 | ご自身の細胞を用いて機能の改善を目指す | 幹細胞を培養して点滴で投与する |
それぞれ解説します。
高次脳機能障害に対するリハビリテーション
脳梗塞の後遺症として多く見られる高次脳機能障害に対しては、以下のリハビリテーションやカウンセリングが行われます。
- 認知リハビリテーション
- 認知行動療法(CBT)
- 行動変容療法
- 社会技能訓練
- 心理カウンセリング
認知リハビリテーションは、脳梗塞に伴う高次脳機能障害を改善する目的で行われます。記憶力や判断力、注意力などの認知機能を向上させる目的で行われ、ADL(日常生活動作)の向上を目指すのが特徴です。
認知行動療法(CBT)は考え方や行動パターンを変化させる心理療法の一種で、感情のコントロールに役立ちます。行動変容療法も心理療法の一種で、問題行動の原因となる行動を抑制し、より適切な行動を習得するのが目的です。
社会技能訓練ではコミュニケーション能力を高め、自信をもって生活を送るためのサポートを行います。心理カウンセリングは高次脳機能障害患者を支援するだけでなく、家族へのサポートも行う点が特徴です。
リハビリの内容や効果については「高次脳機能障害のリハビリ方法とは?効果や期間」もあわせてご覧ください。
薬物療法
脳梗塞の後遺症を治療する際に行われる治療の一つが薬物療法です。
高次脳機能障害に伴う感情のコントロールや、うつ病・不安症などの精神症状を軽減し、日常生活の質を向上させる目的で行われます。
用いられる主な医薬品および期待できる効果は以下のとおりです(文献8)。
| 項目 | 期待できる効果 |
|---|---|
| メチルフェニデート・アマンタジン | 注意障害・意欲低下を改善する |
| リスペリドン・ハロペリドール | 不安や興奮を抑制する |
| ミルナシプラン・トラゾドン | 意欲を向上させる |
| ブロマゼパム・ロラゼパム | 不安や緊張、抑うつ状態を緩和する |
| ゾピクロン・ニトラゼパム | 睡眠障害を改善する |
| カルバマゼピン・バルプロ酸 | 易怒性・攻撃性を緩和する |
高次脳機能障害に伴う症状を抑制する医薬品だけでなく、脳の神経伝達物質のバランスを整えるために抗うつ薬や抗精神病薬なども用いられます。
なお、脳卒中を起こした方の約30%に脳卒中後うつが見られるとされています(文献3)。意欲の低下が続く場合は、性格の変化と決めつけず、主治医にご相談ください。
脳梗塞の後遺症に整体やマッサージを利用するときの注意点
麻痺やこわばりをやわらげたいという理由で整体やマッサージを利用する場合は、事前に主治医へ相談してください。
国民生活センターには、整体・カイロプラクティック・マッサージなどの手技による危害の相談が、2007年度以降の約5年間で825件寄せられています。危害の内容は神経・脊髄の損傷、骨折、擦過傷・挫傷・打撲傷の順に多く、危害の程度が回答された640件のうち498件(77.8%)が医療機関を受診していました(文献9)。
脳梗塞の後遺症がある方では、とくに以下の点に注意が必要です。
| 項目 | 注意が必要な理由 |
|---|---|
| 麻痺側の肩や腕 | 麻痺した側の肩は関節が抜けやすい状態にあり、強く引く動作で傷めることがあります |
| 首まわりの強い施術 | 首を強くひねる手技は、血管や神経を傷めるおそれが指摘されています |
| 感覚が鈍い部位 | 痛みを感じにくいため、力の入れすぎに気づけないことがあります |
| 血圧の変動 | 再発予防のために血圧を管理している方は、体位の変化による変動に注意が必要です |
整体やマッサージは、医療機関で行うリハビリテーションの代わりにはなりません。利用する場合も、主治医やリハビリの担当者に伝えたうえで、施術者にも脳梗塞の既往と麻痺の部位を必ず申告してください。
麻痺側の肩で避けたい動作は「片麻痺の亜脱臼における禁忌とは?避けるべき行為やNGの体勢」で解説しています。
再生医療
脳梗塞の後遺症に対する治療選択肢として、再生医療があります。再生医療とは、患者様ご自身の脂肪組織から採取した幹細胞を培養し、点滴によって体内へ投与する治療法です。
ご自身の細胞を用いるため、拒絶反応が起こりにくいとされています。
実際に当院(リペアセルクリニック)では、脳出血後の右上肢麻痺に長年悩まれていた50代男性の患者様が、継続的な幹細胞治療により、壁に寄りかからなければ難しかった右片脚立ちを5秒間維持できるまでになりました。
ご友人から「表情が良くなった」「話し方がスムーズになった」と声をかけられるなど、ご本人だけでなく周囲の方も気づく変化が現れています。
再生医療は、患者様ご自身の細胞や血液を用いる治療法です。症状や状態によって適応は異なり、効果には個人差があるため、医師とご相談のうえ検討することが大切です。
「今からでも改善できるのか」「自分の症状でも可能性はあるのか」「発症から何年も経っているけれど大丈夫なのか」といったお悩みを抱えている方は、ぜひ一度当院にご相談ください。
\無料相談受付中/
脳梗塞の後遺症を悪化させない再発予防
後遺症を重くしないために最も大切なのは、脳梗塞を再発させないことです。国立循環器病研究センターも、再発はさらなる悪化を起こすため、脳卒中のリスクを管理することが重要としています(文献3)。
国立循環器病研究センターは、血圧を下げる治療によって脳卒中の発症率が30〜40%減少すると示しています。そのほか、糖尿病や脂質異常症の管理、心房細動がある場合の抗凝固療法が再発予防の柱です(文献3)。
| 項目 | 具体的に気をつけること |
|---|---|
| 血圧の管理 | 毎日決まった時間に測り、処方された降圧薬を自己判断でやめない |
| 血液を固まりにくくする薬 | 症状が落ち着いても自己判断で中止しない |
| 生活習慣 | 減塩、禁煙、節酒、適度な運動を続ける |
| 水分補給 | 起床時や入浴前後、就寝前など脱水になりやすい場面でこまめに水分をとる |
| 前兆への対応 | 顔のゆがみ、片側の手足の脱力、ろれつが回らない症状が出たらすぐ救急車を呼ぶ |
症状が数分から数十分で消えても、油断はできません。一時的に脳の血管が詰まる一過性脳虚血発作は、その後に本格的な脳梗塞を起こすことがあるため、消えた場合も必ず受診してください。
再発予防の詳細は「脳梗塞の再発率|繰り返す原因・予防」「脳梗塞の予防・再発防止のために食べてはいけないもの」でも解説しています。前兆の見分け方は「脳梗塞の前兆とは|テスト方法や予防法」をご覧ください。
脳梗塞の後遺症で利用できる公的支援制度
脳梗塞の後遺症は、40歳以上であれば介護保険のサービスを利用できます。介護保険は原則65歳以上が対象ですが、脳血管疾患は国が定める16の特定疾病に含まれるため、40歳から64歳の方でも要介護・要支援の認定を受ければ利用できます(文献10)。
| 項目 | 内容 | 相談先 |
|---|---|---|
| 介護保険 | 訪問リハビリ、通所リハビリ、福祉用具の貸与など。40歳以上が対象 | 市区町村の窓口、ケアマネジャー |
| 身体障害者手帳 | 医療費の助成、補装具の支給、税の控除、公共交通機関の割引など | 市区町村の障害福祉窓口 |
| 障害年金 | 現役世代の生活を支える給付。症状が固定したと認められる場合は1年6カ月を待たずに請求できることがある | 年金事務所 |
| 医療ソーシャルワーカー | 退院後の生活、制度の申請、仕事の両立などの相談に無料で応じる | 入院先または通院先の相談室 |
いずれの制度も、申請しなければ利用できません。要介護認定は申請から結果が出るまで日数がかかるため、退院が決まる前に病院の相談室へ声をかけておくと、自宅に戻ってからの空白を減らせます。
脳梗塞の後遺症が気になる方は当院へご相談ください
脳梗塞の後遺症によるご家族やパートナーの変化が気になる方は、当院「リペアセルクリニック」までお気軽にご相談ください。
脳梗塞の発症に伴い前頭葉が損傷されると、以下のような社会的行動障害が現れることがあります。
- 怒りっぽくなる(易怒性)
- 攻撃的になる
- 意欲が低下する
- 感情のコントロールが難しくなる
これらの症状は、患者様ご本人だけでなく、日常的に支えるご家族やパートナーにとっても大きな負担となり、社会復帰や人間関係にも影響を及ぼす場合があります。
このような脳梗塞の後遺症に対する治療法の一つが再生医療です。
再生医療は、患者様ご自身の細胞や血液を用いる治療法です。症状や状態によって適応は異なり、効果には個人差があります。適応があるかどうかを含めて、医師とご相談のうえ検討することが大切です。
「以前と性格が変わってしまった」「感情の起伏が激しく、接し方に悩んでいる」「少しでも改善の可能性を知りたい」という方は、一人で抱え込まず、まずは当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。
\無料相談受付中/
脳梗塞の後遺症に関してよくある質問
軽い脳梗塞でも後遺症は残りますか?
軽い脳梗塞でも後遺症が残ることはあります。梗塞そのものが小さくても、運動や言語の神経が集まる場所に生じれば、麻痺や言葉の障害が残ることがあるためです。
逆に、比較的大きな梗塞でもリハビリによって日常生活の動作が戻る方もいます。大きさだけでは判断できないため、気になる症状が残る場合は主治医にご相談ください。
脳梗塞の後遺症はいつまで続きますか?
発症からおよそ6カ月で生活期に入り、リハビリの場は病院から自宅や地域へ移ります(文献1)。ただし6カ月は回復期のリハビリ病棟に入院できる期間の区切りであり、改善が止まる時期ではありません。
生活期に入ってからも、訪問リハビリや通所リハビリを続けることで日常生活の動作が改善していく方は多くいます。
脳梗塞になると顔つきは変わる?
脳梗塞を発症すると顔つきが変わることがあります。
たとえば写真を撮る際に笑顔を作ると片方の口角や頬しか上がらず、顔つきが左右でゆがんで見えるケースがあります。笑顔を作った際に顔つきが左右で違って見えるのは、脳梗塞を発症する前兆の可能性もあるため注意が必要です。
脳梗塞の後遺症で片麻痺を発症すると、左右いずれかの表情筋がはたらかず、表情を作った際に顔がゆがんで見えやすくなります。また、脳梗塞の後遺症で意欲低下や無関心(アパシー)状態に陥ると、表情の変化に乏しくなるケースがあります。
脳梗塞後の麻痺が左右どちらかで症状は変わる?
脳梗塞後の麻痺が左右いずれにあらわれるかによって、症状にも変化が見られます。
脳梗塞に伴う麻痺は、損傷した脳と反対側にあらわれます。たとえば脳梗塞に伴い左脳を損傷すれば、麻痺は右半身にあらわれやすいです。
右脳には運動だけでなく空間認知や感情を司る機能があるため、右脳を損傷すると運動機能障害や社会的行動障害(感情のコントロールが難しくなるなど)が見られます。
左脳には言語や論理的思考を司る機能があるため、左脳を損傷すると言語障害や思考能力の低下が起こります。
脳梗塞の後遺症で介護保険は使えますか?
使えます。脳血管疾患は国が定める16の特定疾病に含まれるため、40歳から64歳の方でも要介護・要支援の認定を受ければ介護保険のサービスを利用できます(文献10)。
申請から結果が出るまでには日数がかかります。退院が決まる前に、病院の相談室や市区町村の窓口へ相談しておくことをおすすめします。
脳梗塞の後遺症はもやもや病とどう違う?
脳梗塞の後遺症ともやもや病はいずれも脳の血管障害が原因で起こりますが、主に以下の違いがあります。
| 項目 | 原因 | 症状 | 治療法 |
|---|---|---|---|
| もやもや病 | 脳血管の狭窄 | 虚血症状 | バイパス手術など |
| 脳梗塞 | 脳血管の閉塞 | 言語障害・麻痺など | 血管拡張術・薬物療法など |
もやもや病はなんらかの原因により脳の血管が狭くなって(狭窄)血流不足を起こし、細い血管が煙のようなもやもやした見た目に発達する病気です(文献11)。
発症原因や症状、治療法は脳梗塞と異なりますが、脳梗塞の前兆のケースもあるため、頻繁に症状が見られる場合は速やかに医療機関を受診してください。
\無料相談受付中/
参考文献
事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン 参考資料 脳卒中に関する留意事項|厚生労働省
高次脳機能障害のリハビリテーション|慶應義塾大学病院 KOMPAS
高次脳機能障害を理解する|国立障害者リハビリテーションセンター
2022年 国民生活基礎調査の概況 IV 介護の状況|厚生労働省
社会的行動障害への対応と支援(厚生労働科学研究費補助金 障害者政策総合研究事業)|国立障害者リハビリテーションセンター
高次脳機能障害 よくある質問|国立障害者リハビリテーションセンター





















