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腹痛が朝だけ起こるのはなぜ?考えられる原因や対処法を現役医師が解説
朝になると腹痛が起こるのに、日中はとくに問題がなく「病気なのか」「様子見で良いのか」と判断に迷ってしまうことはありませんか。
学校や仕事の前に毎日のように腹痛が起こると、不安やストレスを感じ、誰にも相談できずに悩んでいる人も多いでしょう。
朝だけ起こる腹痛には、過敏性腸症候群(IBS)をはじめ、自律神経の乱れや朝の食習慣など、いくつかの原因が考えられます。原因に適した対策をすることが大切です。
本記事では、朝だけ腹痛が起こる原因と対策、セルフケアの方法や早めに受診すべきサインを紹介します。
朝だけの腹痛に不安を感じている方は、自分の症状を見極めるための参考として、ぜひ本文を読み進めてください。
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目次
腹痛が朝だけ起こる主な原因
朝だけ腹痛が起こる背景には、いくつかの代表的な原因が考えられます。ここでは、朝の腹痛と関係が深い次の3つの原因を紹介します。
- 朝の食習慣
- 機能性ディスペプシア
- 過敏性腸症候群(IBS)
生活習慣によるものから、胃腸の機能に関わる疾患まで幅があり、人によって当てはまる理由はさまざまです。「自分の場合はどれに近いのか?」を意識しながら読み進めてみてください。
朝の食習慣
朝食が刺激となり、朝に腹痛が引き起こされるケースが挙げられます。
たとえば、以下のように冷たい飲み物や脂質が過剰な食事が朝の習慣となっている場合、胃腸に負担がかかりやすく腹痛を招くことがあるため、注意が必要です。
- 起きてすぐに冷たい牛乳やアイスコーヒーを飲む
- 菓子パン・揚げ物など高脂質なメニューの朝食をとる
食習慣が原因となっている場合、飲み物を常温にする・朝食のメニューを軽めにするなど、食事内容を見直すことで改善するケースもあります。
ただし、腹痛が繰り返し起こる場合や不安がある場合には、医療機関への相談も検討しましょう。
機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシアは、胃や上部消化管に内視鏡検査などで明らかな異常(器質的病変)が見つからないにも関わらず、上腹部の痛みや不快感が続く状態を指します。「食後の膨満感や早期満腹感・胸焼けなどの症状が、3か月以上続くこと」が診断の目安です。(文献1)
また、就寝中は胃の消化活動が低下する傾向にあるため、夕食の内容や時間帯によっては翌朝まで胃に負担が残ってしまうことがあります。その結果、起床時に胃酸の刺激による痛みや胸焼けを強く感じ、朝の不調として自覚されるケースも少なくありません。
過敏性腸症候群(IBS)
過敏性腸症候群(IBS)は、内視鏡検査や血液検査などで明らかな異常が見つからないものの、下痢や便秘といった便通トラブルと腹痛が繰り返し起こる状態です。
症状は毎日続く、良くなったり悪くなったりを繰り返すなどさまざまで、こうした状態が3か月以上続くと診断の目安とされます。(文献2)
これらの特徴に加え、朝の通勤・通学時など精神的な緊張が高まる場面で症状が悪化しやすい傾向があります。
排便によって一時的に腹痛が軽快することも多い一方で、トイレに行けない状況への不安がさらなるストレスとなり、症状を長引かせる要因になり得ます。
朝だけの腹痛の原因で多い「過敏性腸症候群(IBS)」とは
朝だけ腹痛が起こる原因として多いのが、過敏性腸症候群(IBS)です。IBSは症状が時間帯によって変わりやすく、朝や通学・出勤前などに腹痛が出やすい特徴があります。
本章では、その原因や分類についてより詳しく解説します。
過敏性腸症候群が起こる原因
過敏性腸症候群が起こる代表的な要因の一つがストレスです。
精神的な緊張や不安は自律神経を介して腸の運動や知覚に影響を与え、腹痛や便通異常が引き起こされやすくなります。過敏性腸症候群の人は、ストレスの影響で胃腸の調子が悪化しやすいことが知られています。
その他、過敏性腸症候群に関連すると報告されている原因の例は、以下の通りです。(文献2)
| 原因 | 補足 |
|---|---|
| 内臓の知覚過敏 | 腸の神経が敏感になり、わずかなガスや腸の刺激に対しても、脳が過剰に「痛み」として受け取ってしまう |
| 微細な粘膜の炎症 | 軽微な炎症により、腸の神経が過敏となり痛みが出る可能性がある |
| 遺伝 | 特定の遺伝子多型を持っていると、内臓の知覚過敏やストレスに反応しやすくなる可能性が指摘されている |
過敏性腸症候群は、単一の要因に限らず、これら複数の要因が重なって発症・悪化すると考えられています。
過敏性腸症候群の分類
過敏性腸症候群は、便の状態や症状のあらわれ方によって、主に以下のタイプに分類されます。(文献2)
| 分類 | 主な症状 |
|---|---|
| 下痢型 | 軟便や水のような便が多い |
| 便秘型 | 硬い便が多い |
| 混合型 | 硬い便も軟らかい便も、どちらも一定以上ある |
| 分類不能型 | 上のどれにも当てはまらない |
腹痛の有無だけでなく「下痢が多いのか」「便秘が続いているのか」といった便通の状態を日頃から意識して観察することが大切です。
症状のタイプによって、生活上の工夫や治療の考え方が異なるため、自分の傾向を把握することが適切な対処につながります。
「過敏性腸症候群かも?」と感じた方は、毎日便の状態を確認・記録するようにしましょう。
腹痛が朝だけ起こる「過敏性腸症候群(IBS)」の対処法
過敏性腸症候群の対処では、悪化のきっかけを減らして日常生活への影響を小さくしていくことが大切です。具体的な対処法は以下の3つが挙げられます。
- 症状の原因食品の摂取を控える
- 学校や職場に相談する
- 消化器内科に受診する
過敏性腸症候群の症状が気になる方は、できることから一つずつ試してみてください。
症状の原因食品の摂取を控える
過敏性腸症候群では、特定の食品が腹痛や便通異常を引き起こしやすいことがあります。牛乳やミルクなどの乳製品・カフェイン飲料などが代表的なものです。これらは腸の動きを刺激し、症状を悪化させる場合があります。
朝の腹痛が気になる場合はこのような食品を控え、症状に変化があるかを観察してみるのも一つの方法です。
近年では、こうした食品を控える「低FODMAP食」を意識した食事が、IBS症状の緩和に役立つ可能性が示されています。(文献2)
低FODMAP食への置き換え例は、以下の通りです。
| 食品の分類 | 高FODMAP食品(NG例) | 低FODMAP食品(OK例) |
|---|---|---|
| 乳製品 | 牛乳やヨーグルト | アーモンドミルク |
| 果物 | りんごや梨 | バナナやミカン |
ただし、低FODMAP食がすべての人に有効とは限りません。無理に制限せず、自分の体調や症状に合うかどうかを確認しながら取り入れていきましょう。
学校や職場に相談する
過敏性腸症候群では、急な便意により頻繁にトイレへ駆け込むケースが多いものです。その影響で遅刻したり、授業や仕事の途中で席を外したりしてしまうケースも少なくありません。こうした状況が続くと、周囲に気を遣い、人間関係に不安を感じてしまうこともあるでしょう。
しかし、無理に我慢したり周囲に気を遣いすぎたりするのは、症状を悪化させる一因となりえます。
信頼できる相手に症状の特性を伝え、理解や配慮を得ると心理的な負担が軽くなることがあります。
過敏性腸症候群は外見からわかりにくい症状だからこそ、一人で抱え込みすぎず、周囲の理解を得ておくことも大切です。
消化器内科に受診する
過敏性腸症候群は、消化器内科が専門分野です。症状について詳しい検査や受診をしたい場合、まずは消化器内科の受診を検討すると良いでしょう。
近隣に専門医がいない場合は、まずはかかりつけの内科に相談してみましょう。必要に応じて専門医を紹介されるケースもあります。
過敏性腸症候群は自己判断が難しい疾患の一つです。医療機関を受診することで、症状や経過に応じた検査や治療方針について相談できるほか、生活上の注意点について助言を受けることもできます。腹痛が朝だけであっても、繰り返し続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。
また腹痛の治療やケア方法については以下の記事にて詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
【今すぐできる】朝だけの腹痛を和らげるセルフケア
朝だけ起こる腹痛は、日常生活の工夫によって和らぐこともあります。ここでは、今日から無理なく取り入れやすいセルフケアを紹介します。
生活リズムを整える
起床時間や就寝時間が日によって大きく乱れると、体内時計がうまく働かなくなり、自律神経の切り替えがスムーズに行われにくくなります。
自律神経は腸の動きを調整する役割も担っているため、自律神経のバランスが崩れると腸が過剰に動いたり、逆に動きが鈍くなったりして、腹痛が起こりやすくなることがあるのです。
生活リズムを整えるためには「起きる時間や寝る時間を大きく変えない」ことがポイントです。次のような工夫を取り入れると、生活リズムが乱れにくくなります。
- 平日と休日で起床時間を大きくずらさない
- 朝の行動をある程度ルーティン化する
- 寝る1時間前にはスマートフォンの使用を控える
こうした工夫で生活リズムを整えることで、腸の動きが一定に保たれやすくなり、朝の腹痛を和らげる助けになることがあります。無理のない範囲で、できることから実践してみてください。
ストレスを和らげる習慣を始める
日常のストレスは腸の働きに影響を与え、腹痛などの症状を引き起こすことがあります。そのため、自分なりのストレス解消法を持っておくことが大切です。
普段の生活では、軽い運動やストレッチ・入浴・好きな音楽を聴くなど、リラックスできる習慣を取り入れると良いでしょう。
また、プレゼンや重要な予定がある朝など、緊張で症状が出やすい場合は深呼吸や気持ちを落ち着かせるルーティンを決めておくのも一つの方法です。
こうした工夫を続けることで、緊張やストレスが和らぎ、朝の腹痛の軽減につながることがあります。ストレスを感じやすいと自覚している方は、ぜひ日常に取り入れてみてください。
腹痛のストレスケアとして「ツボ押し」も効果が期待できる場合があります。詳しい方法は以下の記事をご覧ください。
朝だけの腹痛ですぐに受診すべきケース
朝だけ腹痛が起こる場合でも、次のような症状を伴う場合は、様子を見ずに早めに医療機関を受診することが重要です。
- 原因不明の体重減少や血便、発熱の症状がある
- 腹痛の程度が徐々に強くなっている
- 夜間にも下痢や腹痛が起こり、眠れない状態が続いている
- 1か月以上にわたり、下痢の症状が続いている
これらの症状がみられる場合は、過敏性腸症候群以外の疾患が隠れている可能性があります。場合によっては早急な治療が必要となることもあるため、できるだけ早く受診するようにしましょう。
腹痛が朝だけ起こる原因を見極めて適切な対処をしよう
朝だけ起こる腹痛には過敏性腸症候群をはじめ、生活習慣やストレスなど、さまざまな原因が関係している可能性があります。原因を一つに決めつけず、自分の症状の特徴や生活状況を振り返ることが大切です。
セルフケアで和らぐ場合もありますが、症状が続く場合や不安が強い場合は、医療機関に相談することをおすすめします。無理に我慢せず、本記事を参考に自分に合った対処法を選んでいきましょう。
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朝だけ起こる腹痛に関するよくある質問
過敏性腸症候群は子供にも起こることはありますか?
過敏性腸症候群は大人だけでなく、小学生の子供や思春期の年代でも起こることがあります。とくに学校生活での緊張や人間関係、環境の変化などがストレスとなり、腹痛や便通異常として現れるケースも少なくありません。
朝の登校前に腹痛を訴える場合、その背景に過敏性腸症候群が関係している可能性も考えられます。
腹痛が繰り返し続く場合や日常生活に支障が出ている場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
過敏性腸症候群かどうかを自分で確かめる方法はありますか?
次の項目に当てはまるものが多い場合は、過敏性腸症候群の可能性が考えられます。ご自身の症状と照らし合わせながら、確認してみましょう。
- 腹痛が繰り返し起こる
- 前触れなくトイレに行きたくなる
- 排便により腹痛が和らぐ
- 下痢や便秘を繰り返す
過敏性腸症候群かどうかを正確に判断するためには、医師による診察が必要です。こうした兆候が続いている場合は、一度医療機関で相談することをおすすめします。
参考文献
(文献1)
機能性消化管疾患診療ガイドライン 2021―機能性ディスペプシア(FD)改訂第2版|日本消化器病学会
(文献2)
機能性消化管疾患診療ガイドライン 2020―過敏性腸症候群(IBS)(改訂第2版)|日本消化器病学会













