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腹痛を和らげるツボはどこ?手・足のツボの位置や押す時の注意点を医師が解説
急な腹痛で「今すぐ少しでも楽になりたい」と思い、手や足のツボを探してこの記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
ツボ押しは、軽い腹痛や違和感がある際のセルフケアとして役立つ可能性があります。
この記事では、腹痛に使われる代表的なツボとその押し方や生活習慣から胃腸の調子を整えるポイント、医療機関を受診する目安までをわかりやすく解説します。
なお、大腸がんやクローン病、胃腸障害などの後遺症による腹痛はリペアセルクリニックの公式LINEで相談することも可能です。再生医療の情報提供と簡易オンライン診断も実施しておりますので、ぜひご登録ください。
目次
腹痛を和らげる代表的な5つのツボ
腹痛や胃腸の不調を感じた際、セルフケアとして取り入れやすいのがツボ押しです。ここでは、消化器系への働きかけや、症状の緩和に役立つとされる代表的な5つのツボを紹介します。
- 中脘(ちゅうかん)
- 足三里(あしさんり)
- 天枢(てんすう)
- 梁丘(りょうきゅう)
- 合谷(ごうこく)
それぞれのツボは場所や期待できる役割が異なります。ご自身の症状や痛みの種類に合わせて、適切な場所を刺激してみましょう。
また、腹痛の治し方について全般的に知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。
中脘(ちゅうかん)|みぞおちとおへその中間にあるツボ

中脘は、体の中心線上でみぞおちとおへそのちょうど中間に位置しており、胃の疾患治療において重要なツボの一つと考えられています。
食べすぎによる不快感や胃痛、食欲不振など、胃に関わる症状全般に対して、消化活動を助ける効果が期待できます。(文献1)
ツボを押す際は、仰向けになって膝を立て、腹部の緊張を解いた状態で行うのが理想的です。人差し指と中指を揃えてツボに当て、息をゆっくり吐きながら優しく沈めるように押してください。(文献2)
強すぎる刺激は避け、心地よいと感じる強さで5〜10回程度繰り返しましょう。
足三里(あしさんり)|膝の下・すねの外側にあるツボ

足三里は、膝下の外側にあり、胃腸全体の調子を整える働きがあるツボです。胃痛や胃もたれ、食欲不振の改善など、胃腸の働きを整えるだけでなく、体力回復や倦怠感のケアにも有用とされています。
椅子に座った状態で親指をツボに当て、残りの指でふくらはぎを支えるようにすると力が入りやすくなります。「痛気持ち良い」と感じる強さで押し込み、5秒ほど止めてからゆっくり離す動作を数回繰り返してください。左右両足に対して行うことを推奨します。(文献2)
天枢(てんすう)|おへその左右・指3本分外側にあるツボ

天枢は、おへその中心から左右に指3本分ほど離れた場所に位置し、胃腸の働きのなかでも特に腸の機能調整に関わりが深いとされています。
便秘や下痢といった便通異常や、お腹の張り(膨満感)が気になるときに試したいツボの一つです。
刺激する際は仰向けの姿勢になり、人差し指・中指・薬指の3本を揃えてツボに当てます。(文献2)
腸の流れをイメージしながら、お腹を沈めるようにゆっくりと「の」の字を書くように円運動でマッサージしてください。強く押しすぎず、腹部が温まるような感覚で行うのがポイントです。(文献3)
梁丘(りょうきゅう)|膝の外側・やや上にあるツボ

梁丘は、太ももの前面にあるツボで、膝のお皿の外側上端から指3本分ほど上がった筋肉の溝に位置します。慢性的な症状よりも、急に襲ってくる腹痛や下痢の症状を一時的に抑えたい場合のツボとして知られているのが特徴です。
座った状態、もしくは仰向けの状態で、膝の外側のくぼみに親指を当てます。そこから指3本分太ももの方向に上がった場所が梁丘です。
急な痛みに対応する場合、少し強めの圧で5秒程度押し続け、パッと離す動作を数回繰り返しましょう。
深呼吸を忘れず、リラックスしながら行うことが大切です。(文献2)
合谷(ごうこく)|手の親指と人差し指の骨が合わさる付け根にあるツボ

合谷は手の甲側で親指と人差し指の骨が合わさるV字のくぼみ(やや親指寄り)にあるツボです。
万能のツボという別名を持つほど応用範囲が広く、ストレス性の胃腸不調のほか、頭痛や歯痛などの鎮痛目的でも頻繁に用いられます。
反対の手の親指をツボに当て、人差し指の骨の下に潜り込ませるようなイメージで強めに押してください。5秒ほど押して離す動作を数回繰り返すと、ズーンとした響きを感じられます。
なお、合谷のツボは子宮収縮を促す作用があるとも言われているため、妊娠中の方への強い刺激は推奨されません。(文献2)
腹痛を和らげるツボを押す時の注意点
ツボ押しは薬を使わず手軽にできるセルフケアですが、誤った方法で行うと、筋肉を傷めたり体調を崩したりする可能性があります。安全かつ効果的に実践するために、以下の3つのポイントを意識してください。
- 刺激は「痛気持ち良い程度」を目安にする
- 食事の直後や妊娠中は避ける
- ツボ押し後に体調が悪化したら医療機関に相談する
刺激は「痛気持ち良い程度」を目安にする
ツボの刺激は、痛みを我慢するほど強く押すのではなく「痛気持ち良い」程度の圧で行うことが基本です。
強すぎる刺激は筋肉の線維を傷つけたり、防御反応による緊張(揉み返し)を招いたりするおそれがあります。
ツボを刺激するときは呼吸を意識しましょう。息をゆっくり吐きながら沈めるように押し、息を吸うときに力を抜くのがポイントです。(文献4)
このリズムで行うことで余分な力が抜け、深部まで適切な刺激が届きやすくなります。決して無理はせず、心地よい範囲で行いましょう。
食事の直後や妊娠中は避ける
ツボ押しは血行を促進したり、内臓機能に働きかけたりするため、体の状態によっては負担となるケースがあります。以下のようなタイミングや体調のときは、無理に行わず休息を優先するか、医師の判断を仰ぐようにしましょう。(文献2)
- 食後すぐ・満腹時
- 妊娠中
- 発熱時や体力が著しく低下しているとき
- 飲酒後
- 重篤な疾患の治療を受けているとき
とくに食後の腹痛に対してツボ押しを行う場合は、消化活動が落ち着くまで30分〜1時間ほど時間を空けることが推奨されます。また、皮膚に傷や炎症がある場合も、患部への刺激は避けてください。
ツボ押し後に体調が悪化したら医療機関に相談する
万が一ツボ押しを試しても痛みが治まらない、あるいは実施後に吐き気やめまい、痛みの増強が見られる場合は、直ちに中断してください。
腹痛の背景には、虫垂炎や胃潰瘍、腸閉塞といった早急な治療が必要な疾患が隠れている可能性も否定できません。
セルフケアだけで対処しようとせず、自身の体調変化を冷静に観察することが重要です。いつもと違う痛みや冷や汗を伴う場合や、不安を感じる際は、速やかに内科や消化器科などの医療機関を受診しましょう。(文献2)
【ツボ以外】腹痛を改善するためのポイント
ツボ押しによるケアは一時的な痛みの緩和に役立ちますが、症状を繰り返さないためには、日々の生活習慣を見直すことが欠かせません。
胃腸の不調を招きにくい健やかな状態を保つために、まずは以下の3つのポイントを意識してみましょう。
- 体を冷やさない
- 腸にやさしい食事を心がける
- 質の高い睡眠や休息をとる
体を冷やさない
冷えは万病の元と言われるように、体の冷えは腹痛の誘因となることがあります。
体が冷えると血管が収縮して血流が悪くなり、胃腸の働きが低下してしまうためです。その結果、消化不良や腸の蠕動(ぜんどう)運動の乱れが生じ、痛みや不快感につながると考えられています。
体を冷やさないために、日頃から以下のような対策を取り入れてみましょう。
- 腹巻や使い捨てカイロを活用し、お腹周りを温める
- 冷たい飲料を避け、常温以上のものを飲む習慣をつける
- 首、手首、足首などの血管が集まる部位を冷やさない
また、入浴時はシャワーだけで済ませず、湯船に浸かって全身を温めると、血行が促進され胃腸の緊張もほぐれやすくなるでしょう。
腸にやさしい食事を心がける
慢性的な腹痛に悩んでいる場合、普段の食事が知らず知らずのうちに胃腸へ負担をかけている可能性があります。
特に不調を感じるときは、香辛料などの刺激物や脂っこい料理、消化に時間のかかる繊維質の多い食材は控えましょう。
消化を助けるためには、食材選びと食べ方の両面で工夫が必要です。
|
工夫の視点 |
具体的なポイント |
|---|---|
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食材選び |
うどん、白身魚、豆腐、お粥など、脂質が少なく柔らかいものを選ぶ |
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調理法 |
揚げる・炒めるよりも、煮る・蒸すといった調理法を優先する |
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食べ方 |
一度に大量に食べず、よく噛んで唾液と混ぜ合わせるようにする |
こうした食事療法を行っても「空腹時の痛みが治まらない」「下痢や便秘を繰り返す」といった状態が続く場合は、十二指腸潰瘍や過敏性腸症候群などの疾患が隠れているケースも考えられます。(文献5)
質の高い睡眠や休息をとる
胃腸の運動や消化液の分泌は、自分の意思とは無関係に働く自律神経によってコントロールされています。
しかし、過度なストレスや慢性的な睡眠不足が続くと交感神経が優位になり続け、自律神経のバランスが崩れやすくなります。これにより、胃腸の機能低下や、胃酸過多による粘膜の荒れなどが引き起こされることがあるのです。
「検査では異常がないのに腹痛が続く」といったケースでは、自律神経の乱れが関与していることが少なくありません。
不調を感じるときは無理をせず、リラックスできる時間を確保して心身を休めましょう。十分な睡眠は副交感神経を優位にし、胃腸の修復機能を高めることにつながります。
ツボを押しても改善しない慢性的な腹痛は当院へご相談ください
ツボ押しは日々の体調管理に役立つ一方で、痛みの根本原因を解消する治療行為ではありません。セルフケアで改善しない場合や、以下のような症状が見られるときは、速やかに医療機関を受診してください。(文献6)
- 突然の激しい痛みや、長時間治まらない痛み
- 発熱、嘔吐、血便などを伴う場合
- 便が細い、貧血気味であるなどの身体的変化
腹痛の背景には、胃潰瘍や逆流性食道炎のほか、胃がんや大腸がんといった重大な疾患が隠れていることもあります。症状だけで原因を特定することは困難であり、適切な診断には内視鏡などの専門検査が必要です。(文献7)
長引く腹痛や少しでも不安な症状がある方は、自己判断で放置せず、医療機関に相談することをおすすめします。
大腸がんやクローン病、胃腸障害などの後遺症による腹痛は当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。公式LINEからもお問い合わせいただけます。
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また、大腸がんの症状については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
腹痛へのツボ刺激は日常ケアのひとつ!長引く症状は医療機関を受診しよう
腹痛に対するツボ刺激は、軽い不調や一時的な違和感に対するセルフケアのひとつです。無理のない強さで行い、体調の変化をみながら取り入れていくとよいでしょう。
一方で、腹痛が長く続く場合や、痛みが強い場合、血便や発熱などの症状を伴う場合は、ツボによるセルフケアだけで判断せず、医療機関で原因を確認することが大切です。
腹痛の背景に病気が隠れている可能性もあるため、早めの相談を検討してみてください。
当院リペアセルクリニックでは、後遺症による腹痛に関するご相談を受け付けています。公式LINEからもお問い合わせいただけますので、気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください。
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腹痛に効くツボに関するよくある質問
お腹のガス抜きに効くツボは?
お腹の張り(腹部膨満感)やガスがたまっている感覚があるときは、天枢(てんすう)や合谷(ごうこく)に加え、以下のツボも有効とされています。
- 腹結(ふっけつ):おへその斜め下あたりにあり、便秘やガスによる腹部膨満の軽減を目的に使われる
- 気海(きかい):おへそから指2本分下あたりにあり、ガスによる腹部の不快感やハリの軽減に使われる
これらのツボを刺激することで、滞ったお腹の巡りが整いやすくなると考えられています。
ただし、ガスがたまりやすい背景には、早食いによる空気の嚥下やストレス、便秘といった生活習慣が原因となっているケースも少なくありません。ツボ押しとあわせて、食事をよく噛んでゆっくり食べる、食物繊維が多い食品を控えるといった根本的な対策も意識してみましょう。
以下の記事もあわせてご覧ください。
腹痛を今すぐやわらげたいとき、即効性があるツボはありますか?
比較的即効性が期待できるとして知られているのが「梁丘(りょうきゅう)」です。膝の外側上部にあるこのツボは、胃腸の急激な動きや痛みを鎮めるためのツボとして、応急処置的に用いられています。(文献2)
一方で、ツボの効果には個人差があり、虫垂炎や腸閉塞といった緊急性の高い疾患が原因の場合は効果が見込めないこともあります。冷や汗が出るほどの激痛や、発熱、血便などを伴う場合は速やかに医療機関を受診してください。
参考文献
(文献1)
「“秋”のツボ」|四国医療専門学校
(文献2)
胃痛に効くツボ6選|詳しい場所の探し方・押し方・注意点|東洋医療専門学校
(文献3)
【症状別】胃腸の不調に効くツボを紹介|神戸医療福祉専門学校
(文献4)
「正しいツボの押し方」|四国医療専門学校
(文献5)
おなかが痛い、胃が痛い|愛知学院大学歯学部附属病院













