- 健康・美容
【医師監修】EMSの効果とは?目的別の使い方や効果が出るまでの期間を解説
「筋肉をつけたいけれど運動は苦手なのでEMSを使ってみたい」
「EMSで顔のケアをしたい」
「EMSは本当に効果があるの?」
EMSの使用を検討している方は、効果の有無や危険性について気になるところでしょう。
EMSは正しく使うことで一定の効果は得られますが、効果には個人差があります。
本記事では、EMSの効果や目的別の使い方、効果が出るまでの期間などについて解説します。
効果的にEMSを使うためにも、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
EMSとは
EMS(Electrical Muscle Stimulation)とは、電気刺激によって筋肉を収縮させる技術です。パッドを装着して筋肉に電気刺激を与えるトレーニング機械もEMSと呼ばれます。EMSは自発的に体を動かせない方や運動が制限されている方も、短時間かつ低負荷で筋肉を鍛えられるツールです。(文献1)
EMSは低周波治療器と混同されがちですが、両者には明確な違いがあります。EMSは美容やボディメイク、筋力強化などの目的で使われます。これに対して低周波治療器は、厚生労働省から正式に医療機器としての認可を受けており、疼痛(とうつう)の緩和や治療を目的とするものです。
低周波治療器に関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
EMSの効果
EMSの主な効果は、皮膚に近い浅い筋肉への刺激です。例としては、表情筋を鍛えることによる顔のケアや、腹筋や二の腕など気になる部分の引き締めなどがあげられます。
EMSトレーニングで血管内皮機能の向上が見られたとの研究結果も示されています。(文献2)
EMSの課題は、体幹や骨盤周囲にある深い筋肉(腹横筋や腸腰筋など)への刺激でした。
2025年には、金沢大学の研究により、干渉低周波と呼ばれる独自の電気刺激が深い筋肉への有効な刺激になる可能性があると示されました。(文献3)(文献4)
この研究で得られた知見は、EMSの効果がさらに拡大される可能性を示しています。例としては、高齢者の転倒予防や体幹機能改善などがあります。
EMSで効果が出やすい人と出にくい人の違い
EMSの効果発現は、使用者の体質に深く関与します。中でも主な要因の1つが、皮下脂肪の厚みです。
脂肪は筋肉に比べて電気抵抗が極めて高く、絶縁体に似た機能があります。皮下脂肪が厚い方の場合、家庭用EMSでは電流が筋肉まで十分に届かず、筋収縮が起きにくいケースも少なくありません。(文献5)
脂肪が薄い方や一定の筋肉量がある方は、電気刺激が筋肉に伝わりやすいため、効果が出やすい傾向にあります。
肌の水分量も、EMSの効果に関する重要な因子です。乾燥した肌は電気を通しにくく、刺激が表面に集中して痛みを感じやすい特徴があります。(文献6)
また、適切に保湿された肌は深部まで電流が浸透するため、効果が出やすい傾向にあります。
EMSで効果が出るまでの期間
EMSで効果が出るまでの期間には個人差があります。早ければ2週間程度で効果が出る場合もありますが、1カ月〜2カ月程度かかる場合もあります。
数回の使用で「効果が出ない」と判断するのは好ましくありません。
取扱説明書をよく読み、正しい方法で一定期間継続して使用しましょう。
また、ウォーキングやストレッチ、筋力トレーニングなど、適度な運動を取り入れると効果が出やすいとされています。
ただし、医師から運動を禁止されている方は、指示に従ってください。
【目的別】EMSの使い方
EMSの使い方は目的により異なります。この章では、以下の2つに関して解説します。
- 筋力アップ
- 顔のたるみや小じわなどのケア
筋力アップ
筋力アップを目的にEMSを使用するときのコツは、筋肉が力強く収縮し、少しきついと感じる強さまで出力を上げることです。
腹部や太ももなどの大きな筋肉を鍛えたい場合は、筋肉の端から端までを挟むようにパッドを装着しましょう。
スクワットや腕立て伏せ、腹筋などの自重トレーニングと併用すると、筋力アップ効果が高まります。
顔のたるみや小じわなどのケア
顔のたるみや小じわなどをケアするときは、必ず顔専用モードを使いましょう。顔の筋肉(表情筋)は非常に薄いため、EMSによる刺激が肌トラブルを引き起こす可能性があるためです。
EMS使用前には、摩擦を防ぐために必ず顔を保湿しましょう。EMS用の保湿剤がある場合は、取扱説明書に従って使用してください。
顔のケアでEMSを使うときは、滑らせるようにやさしく密着させて動かしましょう。目の周りやのどぼとけ(甲状腺付近)など、使用してはいけない部位を事前に把握しておくことも必要です。
EMSの効果を感じにくい5つの原因
筋肉を刺激し、筋力アップや顔のケアなどに使われるEMSですが、使用する方や使用方法によっては効果を感じにくい場合があります。
主な原因としてあげられるのは、以下の5点です。
- 出力や周波数が合っていない
- パッドの装着位置や方法に誤りがある
- 使用頻度が不適切である
- 過度に効果を期待している
- 生活習慣改善が伴っていない
1:出力や周波数が合っていない
出力が不十分だったり周波数が低すぎたりする場合は、筋肉への刺激・効果を感じにくくなります。
ただし、「刺激を強くすれば良い」と考えて、自己判断で調整するのは逆効果です。取扱説明書をよく読んで、必要な出力レベルや周波数を設定した上で使用してください。
2:パッドの装着位置や方法に誤りがある
筋肉には、モーターポイントと呼ばれる電気刺激に反応しやすい部位が存在します。(文献7)
EMSのパッドをモーターポイントから離れた場所に装着した場合は、効果を実感しにくくなります。電気刺激に反応する場所に届いていない可能性が高いためです。
また、パッド装着部位の皮膚が乾燥している場合も電気が通りにくく、効果が出にくい傾向にあります。
3:使用頻度が不適切である
「思い出したときだけEMS機器を使う」「数回で使用をやめてしまう」といった不適切な使用頻度では効果が出にくいです。
逆に、早く結果を出そうと「毎日・長時間」使いすぎるのも好ましくありません。筋力アップのためには、筋肉を使用したあとに一定の回復期間が必要であるためです。
効果を実感するためにも、取扱説明書をよく読み、メーカーが推奨する使用頻度とスケジュールを守りましょう。
4:過度に効果を期待している
EMSの主な役割は、筋肉に刺激を与えることによる収縮運動のサポートです。
「EMSは痩せる」といった過度な期待は好ましくありません。筋肉を動かして鍛えるサポートできますが、使用するだけで体重が劇的に減少するものではないことを理解しておきましょう。
EMSを使って体重を減少させたい場合は、生活習慣改善も必要です。
5:生活習慣改善が伴っていない
EMSで筋肉を動かすだけで生活習慣改善が伴わない場合は、十分な効果を得にくいです。
EMSを使いつつも、高カロリーな食事や運動不足が続くと、体型改善の可能性は低いといえます。
EMSを「運動のきっかけ」と捉え、バランスの良い食事やウォーキングおよびストレッチといった運動を組み合わせることで、効果が出やすくなります。
【逆効果?】EMSの使用におけるリスク
さまざまな効果があるとされるEMSですが、副作用や不快感、皮膚トラブルといったリスクも少なくありません。
この章で詳しく解説します。
副作用・不快感のリスク
首に当てるタイプのEMS美顔器を使用していたときに、めまいや吐き気、失神といった症状が発生した事例がありました。失神により転倒し、けがをするリスクも少なくありません。(文献8)
首には副交感神経の一部である、迷走神経が存在します。迷走神経が電気刺激を受けると自律神経に影響し、めまいや吐き気が生じる可能性があります。
皮膚トラブルのリスク
EMS使用後に皮膚トラブルが生じるリスクも少なくありません。
主な事例としては、「顔にあざができた」「パッド装着部位にやけどを負った」などがあげられます。(文献9)(文献10)
腹部に水ぶくれができたケースもありました。このケースは、EMSに微細な損傷があり、その影響で通常よりも強い電気刺激が加わったことが原因と考えられています。(文献11)
EMSの使用を避けるべきケース
EMSの使用を避けるべき方は主に以下のとおりです。
- ペースメーカーや心電計を体内に埋め込んでいる方
- 医師に運動を禁じられている方
- 子どもおよび乳幼児
以下の状況にあてはまる方は、使用前に医師へ相談しましょう。
- 悪性腫瘍や心疾患、糖尿病性神経障害がある方
- 妊娠中の方
- 血圧に異常がある方
- 体温が38度以上の方
EMSの効果やリスクを理解して正しく活用しよう
本記事ではEMSの効果を中心に、目的別の使い方やリスクなどを紹介しました。
EMSの効果は、電気刺激による筋力アップや顔のケアなどです。運動が制限されている方も、正しく使うことで筋力アップが期待できます。しかし、装着するだけで効果が出るものではありません。正しい方法で継続して使うことにより効果が期待できるものです。
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EMSの効果に関するよくある質問
EMSは効果なしと消費者庁が表明しているのは本当ですか?
消費者庁はEMSの効果には言及していません。しかし、2020年12月に1社、2021年6月に1社、景品表示法に基づく措置命令を出しています。内容は、課徴金納付や再発防止策を講じる命令などです。(文献12)(文献13)
措置命令が出された理由は、EMSの電気刺激によって食事制限や運動をせずにお腹痩せが可能であると表示していたことです。
EMSで筋肉が溶けるとの噂は本当ですか?
EMS使用により筋肉が溶けるといった医学的根拠および事例は示されていません。
使用後に筋肉痛や体のだるさなどが生じる場合もありますが、これらは通常の筋肉疲労であることがほとんどです。不適切な使用方法により筋肉痛や筋肉疲労が強くなる場合も考えられますが、筋肉が溶けるといった医学的リスクはかなり低いと考えて良いです。
家庭用EMSと医療用EMSの効果の違いは?
家庭用EMSとは、文字通り家庭での使用を目的とするEMSです。詳細は、安全性に関する自主基準によって定められています。(文献14)
医療用EMSは、家庭用EMSよりも高周波・高出力であり、インナーマッスルと呼ばれる体の深部にある筋肉までアプローチ可能です。
また、医療用EMSは医療機器の1つです。医療機器に関する定義は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」第2条第4項に示されています。(文献15)
医療機器はクラスⅠからクラスⅣまでの分類があり、医療用EMSはクラスⅡ(管理医療機器)に該当します。クラスⅡとは、不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが比較的低いと考えられるものです。(文献16)
参考文献
EMS(神経筋電気刺激)による目元の加齢変化改善効果|診療と新薬
骨格筋への電気刺激はどこまで運動の代替となるか 応用可能性の検証|デサントスポーツ科学
家庭用EMS美顔器に係る事故に関する情報提供 |消費者安全調査委員会
家庭用EMS美顔器の使用には注意が必要です~あざや体調不良になることも~|東京くらしWEB
EMSベルトを使用するにあたって(注意喚起)|独立行政法人製品評価技術基盤機構
腹部に水膨れができたEMS機器|独立行政法人国民生活センター
株式会社TBSグロウディアに対する景品表示法に基づく措置命令について|消費者庁
株式会社DINOS CORPORATIONに対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について|消費者庁
家庭用EMS機器の安全性に関する自主基準|日本ホームヘルス協会
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