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「腕が上がらない」 「服を脱いだり、洗髪したりするのがつらい」 その症状、四十肩と呼ばれる肩の疾患かも知れません。しかし、この症状を四十肩と呼ぶ人もいれば、五十肩という人も一定数います。 本記事では、現役医師が四十肩と五十肩の違いを紹介し、原因や治療法についても詳しく解説します。記事の最後には、よくある質問をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 肩の違和感に悩みのある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 四十肩と五十肩の違い 「四十肩」「五十肩」は発症年齢による呼び分けに過ぎず、医学的には同一の疾患です。正式には肩関節周囲炎と呼ばれ、肩関節周囲の靭帯や腱などに炎症や拘縮が生じ、痛みや可動域制限を起こします。 40代で発症すれば四十肩、50代なら五十肩と呼ばれますが、実際は30代や60代でも起こります。 ただし、肩の痛みが必ずしも肩関節周囲炎とは限りません。腱板断裂、石灰沈着性腱板炎、頸椎疾患など類似症状の疾患もあるため、自己判断せず医療機関で診断を受けることが大切です。 四十肩・五十肩の症状 症状 詳細 肩の可動域が制限され日常動作が困難になる 腕が上がらない状態、服の着脱・洗髪・背中に手を回す動作の困難 夜間や安静時にも症状が強く出る 夜間痛による睡眠障害、安静時にも続くズキズキした痛み 症状は数カ月から1年以上続くこともある 回復まで長期化する経過、痛み期から拘縮期へ移行する可能性 四十肩・五十肩は、肩関節周囲の炎症や拘縮により、腕が上がらない、背中に手が回らないなど可動域が制限され、日常動作に支障をきたします。 夜間や安静時にも痛みが強く出やすく、睡眠の質が低下することもあります。経過は長引きやすく、症状が数カ月から1年以上続く場合もあるため、早めの評価と治療が不可欠です。 以下の記事では、ズキズキと痛い肩の症状について詳しく解説しています。 肩の可動域が制限され日常動作が困難になる 項目 内容 動きが狭くなる理由 炎症による関節のこわばり、関節包の硬化や癒着 制限されやすい動作 腕を上げる動作、腕を後ろに回す動作、肩を外に開く動作 困りやすい場面 洗髪や整髪の不自由、着替えの困難、高所作業の困難、運転や持ち上げ動作の負担増 特徴的なポイント 自分で動かす動作の制限、自動可動域だけでなく、受動可動域も制限されることがある (文献1) 四十肩・五十肩では、肩関節周囲の炎症により関節が固くなり、腕を上げる、後ろに回す、外へ開く動きが制限されます。進行すると関節包が癒着し、可動域の低下が強まることがあります。 自分で動かせる範囲だけでなく、他人に動かされても動きに制限が出る点が特徴です。日常生活では洗髪や着替え、運転などで支障が出やすくなります。 夜間や安静時にも症状が強く出る 四十肩・五十肩では、肩関節周囲の炎症により、夜間や安静時に痛みや不快感が目立つことがあります。寝つきにくい、夜中に目が覚めるなど睡眠が妨げられ、痛みをかばう姿勢により睡眠の質が低下しやすいのが特徴です。 腕を動かしていない状態でも違和感が続き、座っているだけでもつらいことがあります。寝返りの際に肩へ負担がかかり、痛む側を下にすると圧迫が加わって症状が強まる場合もあります。 ただし、夜間痛は腱板断裂や石灰沈着性腱板炎でも起こり得るため、急に痛みが強くなった場合やきっかけが明確な場合は、医療機関で評価を受けましょう。 症状は数カ月から1年以上続くこともある 四十肩・五十肩は、肩関節まわりの炎症や関節包の硬さが関与するため、短期間で治りきる疾患ではありません。 症状は段階的に変化し、痛みが強い時期から動きの制限が中心となる時期を経て、ゆっくり回復していくことが一般的です。 個人差はあるものの、回復までに数カ月から1年以上かかることもあり、海外の医療機関の患者向け情報では、全体として1〜3年程度で軽快すると説明されることがあります。(文献2) また、公的医療情報でも回復まで年単位になる可能性が示されています。症状が落ち着いてきても、医師の指示に沿ったリハビリの継続が重要です。(文献3) 四十肩・五十肩の原因 原因 詳細 加齢による肩関節の変化 腱や靱帯など軟部組織の変性、関節周囲組織の柔軟性低下 炎症と拘縮の進行 関節周囲炎症による痛み、関節包の肥厚と癒着による可動域低下 肩の使い過ぎや固定が引き金になる 反復動作による負担蓄積、痛み回避による不動化と硬さの進行 糖尿病などの基礎疾患や外傷後に発症 糖尿病に伴う発症リスク増加、転倒や骨折後の二次的な拘縮 四十肩・五十肩は、医学的には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、肩関節の周囲に炎症が起こり、痛みや動きの制限が生じる状態です。 肩関節周囲炎は、肩関節を包む関節包と呼ばれる組織が炎症を起こし、厚く縮んでしまうことが原因で起こります。 風船がしぼんで硬くなるように、関節包が硬く縮むことで肩関節の動きが制限されます。 炎症がさらに進むと、関節包や周囲の組織が癒着を起こし、食品ラップ同士がくっつくような状態になるため、注意が必要です。 加齢による肩関節の変化 四十肩・五十肩は40代以降に多く、加齢による骨・軟骨・靱帯・腱の変性で肩周囲の柔軟性が低下し、日常動作でも微細損傷が起こりやすくなることが発症に関与します。 その結果、肩関節周囲に炎症が生じて痛みや動かしにくさが現れ、炎症が関節包に及ぶと肥厚・硬化により可動域制限が強まり、癒着が進めば拘縮(凍結肩)となって回復が長引くことがあります。 加齢変化は誰にでも起こるため、明確なきっかけがないまま発症するケースも少なくありません。 以下の記事では、更年期の肩こりについて詳しく解説しています。 炎症と拘縮の進行 四十肩・五十肩は肩関節周囲の炎症で発症し、炎症が強い時期は動作時だけでなく夜間や安静時にも痛みが出やすく生活に支障を来すことがある疾患です。 炎症が長引くと関節包が硬くなりやすく、肩関節を包む関節包の組織が肥厚・硬化して、徐々に肩の可動域が狭くなります。 海外の整形外科情報でも、炎症が主体の時期から硬さが目立つ時期へ移行する経過が示されています。(文献4) 拘縮が進むと、痛みが落ち着いても肩の硬さが残って腕を上げる・後ろに回す動作が困難となり回復に時間がかかるため、異変を感じた場合は早めに医療機関を受診しましょう。 肩の使い過ぎや固定が引き金になる 肩関節は可動域が大きく、仕事や家事など日常動作で頻繁に使われるため、同じ動作の繰り返しで肩関節周囲に負担が蓄積し、炎症が起こりやすくなります。四十肩・五十肩は加齢変化が背景にあるため、こうした使い過ぎがきっかけとなり症状が表面化することがあります。 炎症が起きると腕を上げる動作などで痛みが出やすくなり、かばうことで肩を動かさない時間が増えやすい点にも注意が必要です。さらに、骨折や手術後などで肩を固定し動かさない期間が続くと、発症リスクが高まります。 海外の整形外科情報でも、骨折や手術などで肩を一定期間動かさない状態が続くと凍結肩を発症することがあると示されています。(文献4) 糖尿病などの基礎疾患や外傷後に発症 起こりやすい背景 四十肩・五十肩に関係するポイント 糖尿病 発症リスク上昇、炎症と硬さの長期化 甲状腺機能の異常 発症との関連性 外傷(けが・骨折) 動かせない期間による関節包の硬化 手術後 固定と安静による拘縮進行 固定期間が長い状態 関節包の癒着と線維化、可動域低下 四十肩・五十肩は誰にでも起こり得ますが、基礎疾患や外傷後では発症しやすいことがあります。 糖尿病は凍結肩の代表的なリスク因子とされ、肩関節周囲の炎症や硬さが長引きやすい背景となり得るほか、甲状腺機能の異常も四十肩・五十肩との関連が示されています。(文献5) さらに、肩のけがや骨折、手術後は痛みや固定により肩を動かせない期間が生じやすく、この状態が長いほど関節包が硬くなり、拘縮が進みます。これが発症の引き金となり得ます。 基礎疾患がある方ほど症状が長引くこともあるため、自己判断で放置せず整形外科で評価を受けましょう。 以下の記事では、糖尿病について詳しく解説しています。 四十肩・五十肩と似た疾患 四十肩・五十肩と似た疾患 詳細 腱板の病気(腱板断裂・石灰沈着性腱板炎) 腕を上げる動作痛、夜間痛、筋力低下 腱や滑液包の炎症(インピンジメント症候群・上腕二頭筋腱炎・肩峰下滑液包炎) 特定の角度で増悪する痛み、動作時痛、圧痛 首の疾患(頸椎症性神経根症) 首の動きで増悪、腕への放散痛、しびれ 関節の障害(脱臼・変形性肩関節症) 外傷後の強い痛み、関節変形、ゴリゴリ音 四十肩・五十肩は肩の痛みと動かしにくさが代表的ですが、似た症状を示す別の疾患もあります。腱板断裂や石灰沈着性腱板炎では夜間痛や筋力低下が目立ち、インピンジメント症候群や上腕二頭筋腱炎では、特定の角度で痛みが強くなります。 頸椎症性神経根症では首の動きで痛みが増し、腕のしびれを伴うことがあります。外傷後の脱臼や変形性肩関節症など関節の障害も原因となるため、自己判断せず医療機関で鑑別することが大切です。 以下の記事では、四十肩・五十肩と似た疾患である腱板断裂と石灰沈着性腱板炎について詳しく解説しています。 【関連記事】 腱板断裂と五十肩(四十肩)の違い|主な症状や治療法を解説 石灰沈着性腱板炎の原因はストレスや食べ物?肩の痛みへの対処や治療法を解説 腱板の病気(腱板断裂・石灰沈着性腱板炎) 腱板断裂や石灰沈着性腱板炎は、四十肩・五十肩と痛みや動かしにくさが重なりやすく、鑑別が重要です。 腱板は肩関節の安定に関わる筋腱の集まりで、損傷や炎症が起こると腕を上げる動作で痛みが出たり、可動域が制限されたりします。石灰沈着性腱板炎では症状が急に強くなることもあり、見分けにくい点が特徴です。 夜間痛は四十肩・五十肩に限らず腱板の病気でも起こり得るため、「夜に痛いから四十肩」とは断定できません。 日本整形外科学会も、四十肩・五十肩の診断では石灰沈着性腱板炎や肩腱板断裂などと区別する必要があると説明しています。(文献1) 以下の記事では、腱板の病気について詳しく解説しています。 【関連記事】 インピンジメント症候群と五十肩の違いを解説!セルフチェック方法も紹介 石灰沈着性腱板炎の原因はストレスや食べ物?肩の痛みへの対処や治療法を解説 腱や滑液包の炎症(インピンジメント症候群・上腕二頭筋腱炎・肩峰下滑液包炎) 上腕二頭筋腱炎や肩峰下滑液包炎、インピンジメント症候群は、四十肩・五十肩と同様に肩周囲の炎症が関与するため、症状が紛らわしい疾患です。 インピンジメント症候群では、腕を上げる際に腱板や滑液包がこすれたり挟まったりして炎症が起こり、洗髪や服の着脱などで痛みが出やすくなります。 腕を持ち上げたり手を伸ばしたりする動作で症状が出ることや、肩前面から腕外側へ広がる症状がみられることが示されています。(文献6) これらは四十肩・五十肩でもよくある訴えのため自己判断での区別は困難です。上腕二頭筋腱炎は肩の前側の症状、肩峰下滑液包炎は挙上動作での増悪が特徴である一方、四十肩・五十肩では受動可動域まで制限されることがあるため、診察と画像検査による鑑別が必要です。 首の疾患(頸椎症性神経根症) 頸椎症性神経根症は、首の骨や椎間板の加齢変化により神経根が圧迫され、首だけでなく肩から腕にかけて症状が広がる疾患です。 そのため「肩のズキズキ」や違和感として自覚されやすく、四十肩・五十肩と紛らわしくなります。肩から腕の痛みに加えて、腕や手指のしびれを伴いやすい点が特徴です。 日本整形外科学会でも、肩から腕の症状と手指のしびれが多いこと、さらに筋力低下や感覚障害が出ることがあると説明されています。(文献7) 関節の障害(脱臼・変形性肩関節症) 脱臼や変形性肩関節症など関節そのものの障害でも、腕が動かしにくい、日常動作が困難といった症状が出るため、四十肩・五十肩と紛らわしいことがあります。 肩関節脱臼は転倒やスポーツなど外傷を契機に突然発症しやすく四十肩・五十肩とは発症背景が異なる一方、脱臼後に痛みで肩を動かさない期間が続くと拘縮が進み四十肩様の状態になることもあります。 変形性肩関節症は、関節軟骨の変性や摩耗が背景にあり、肩に生じると可動域の制限や痛みが目立つのが特徴です。 日本整形外科学会は関節症について、機械的刺激などにより軟骨が変性、摩耗し、滑膜炎が併発して変性が加速することがあると説明しています。(文献8) 症状だけでの判断は難しいため、診察とX線などの画像検査で鑑別し、適切な治療につなげることが大切です。 以下の記事では、肩関節亜脱臼について詳しく解説しています。 四十肩・五十肩の治療法 治療法 詳細 薬物療法 痛みと炎症の軽減、夜間痛の緩和 理学療法 可動域の改善、拘縮予防、肩機能の回復 手術療法 保存療法で改善しない例での選択肢、関節の動きの改善 再生医療 症状や原因に応じた組織修復の補助、治療選択肢のひとつ 四十肩・五十肩の治療は、痛みと炎症を抑える薬物療法を中心に、肩の動きを取り戻す理学療法を組み合わせて進めます。薬物療法や理学療法で改善が乏しい場合は、関節の動きの改善を目的に手術療法を検討します。 また、症状や原因によっては再生医療が選択肢となる場合もありますが、再生医療を取り扱う医療機関は限られており、すべての症状に適用できるわけではありません。 そのため、再生医療を検討する際は、事前に医師と相談しながら適応を判断する必要があります。 薬物療法 四十肩・五十肩の初期(急性期)は肩関節周囲の炎症が主体となるため、薬物療法が効果を発揮しやすい時期です。 日本整形外科学会でも、症状が強い急性期には消炎鎮痛薬の内服や注射が有効と説明されています。(文献1) とくにNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は炎症と腫れを抑えて痛みを和らげ、日常生活の負担軽減に役立ちます。国内でも、除痛目的にNSAIDsを用いることが一般的です。(文献9) 肩関節内へのステロイド注射は炎症を強く抑える手段で、海外のレビューでも治療選択肢として挙げられ、症状の軽減や可動域の改善に役立つ可能性が示されています。(文献4) 理学療法 四十肩・五十肩では、炎症が落ち着いた後に肩の硬さ(拘縮)が目立ちやすくなるため、回復には理学療法が欠かせません。 日本理学療法士協会の資料でも、炎症が落ち着いた後に硬さが目立ちやすいことと、理学療法士による運動療法やセルフエクササイズの指導が推奨されています。(文献10) エビデンスレビューでは、標準化した理学療法を含む保存療法で高い改善率が報告されており、無理に強く伸ばすより状態に合わせた穏やかな運動が良い可能性も示されています。(文献11) 海外の患者向け資料でも回復には時間がかかるため理学療法の継続が不可欠とされており、自己流は避けて段階に合った運動を続けることが大切です。(文献3) 手術療法 手術の種類 概要 特徴 麻酔下での関節モビライゼーション(マニプレーション) 全身麻酔下で肩関節を動かし、硬くなった関節包を伸ばして可動域を改善する方法 短時間で可動域改善が期待、術後のリハビリ継続が欠かせません。 関節鏡下関節包遊離術 関節鏡(カメラ)と器具を挿入し、癒着した関節包を切開して可動域を改善する方法 皮膚切開が小さい、術後回復が比較的早い傾向 保存療法で十分な改善が得られない場合や、肩関節の硬さ(拘縮)が強い場合は、手術療法を検討します。 代表的な方法として、全身麻酔下で肩関節を動かして硬くなった関節包を伸ばす麻酔下関節モビライゼーション(マニプレーション)や、関節鏡を用いて癒着した関節包を切開する関節鏡下関節包遊離術があります。 手術は保存療法より短期間で可動域の改善が期待できますが、骨折、神経障害、感染症などの合併症リスクもあるため、適応については医師と相談して慎重に判断しましょう。 再生医療 再生医療が選択肢となる理由 説明 炎症に関わる環境へのアプローチ可能性 血小板由来因子などを介した局所環境への作用の考え方 成長因子を含む治療の概念 PRPが成長因子などを含む血漿(けっしょう)である点 研究報告で検討が進む領域 可動域や評価尺度を用いた臨床研究や系統的レビューの蓄積 注射治療として実施される枠組み 入院や手術を前提としない注射手技としての位置づけ 細胞特性に基づく治療概念 自己由来幹細胞の分化能や体内環境に関わる働きを活用する考え方 (文献12) 四十肩・五十肩は、炎症に続いて関節包の拘縮が残りやすい疾患です。再生医療は、注射を用いて局所環境に働きかける考え方に基づいており、研究でも可動域などの指標で検討されています。 また、手術を前提としない治療として実施できるため、侵襲が比較的小さく、感染症や術後の合併症リスクを抑えやすいのが利点です。 さらに、患者自身の細胞を用いる治療では、薬物療法のような全身性の副作用が生じにくい可能性も期待されます。 ただし、標準治療の代替ではなく、適応や期待できる効果は状態により異なるため、医師と相談の上で判断が必要です。 当院「リペアセルクリニック」では、四十肩・五十肩に対する再生医療を用いた治療を行っております。 詳しくは、以下の四十肩・五十肩に対する再生医療の症例をご覧ください。 また、以下の動画では、当院で行っている肩関節の症状に対する再生医療について詳しく解説しています。 https://youtu.be/JtMLjwP174M 四十肩・五十肩の診断・検査方法 検査 説明 X線(レントゲン) 骨折や変形性関節症など、他疾患の除外目的 MRI検査 肩関節周囲組織の評価、炎症や癒着の程度確認 超音波検査 腱板や滑液包などの観察、画像ガイド下注射での活用 四十肩・五十肩の診断は、主に問診と診察で行います。痛みの程度や可動域を確認し、腕を前・横に上げる、後ろに回すなどの動作で制限の有無を評価します。 レントゲンは炎症や癒着自体は写らないため、骨折や変形性関節症など他疾患の除外目的で実施します。 必要に応じてMRIや超音波で炎症や癒着の程度を確認しますが、多くは診察で診断可能です。 四十肩・五十肩の予防法 予防法 詳細 肩を動かす習慣をつけ可動域低下を防ぐ 肩甲骨を意識した軽い運動習慣 肩を固定しすぎず日常で軽く動かす 安静のしすぎ回避とこまめな可動 基礎疾患を管理し発症リスクを下げる 糖尿病などの血糖管理と定期受診 四十肩・五十肩の予防は、「固めない」「偏らせない」「基礎疾患を整える」が基本です。肩は動かさない期間が続くほど可動域が落ちやすく、反対に偏った使い方が続くと炎症のきっかけになります。 日常的に肩甲骨と肩関節を軽く動かし、固定しすぎないことが大切です。デスクワークでは猫背や巻き肩が定着しやすいため、姿勢と作業環境の見直しも欠かせません。糖尿病などの基礎疾患がある場合は、内科的管理も含めた全身の調整が予防につながります。 肩を動かす習慣をつけ可動域低下を防ぐ 四十肩・五十肩は、肩関節周囲の炎症に続いて関節包が硬くなり、肩が固まって可動域が落ちることがある疾患です。そのため、動かさない期間が長いほど拘縮が進みやすく、外傷や手術後などで肩を固定した後に発症することがある点からも「動かさないこと」がリスクになり得ます。 日本整形外科学会では、急性期を過ぎたら運動療法(拘縮予防や筋力強化)を行うと明記されています。(文献13) 肩を動かすことは単なるセルフケアではなく、医学的にも「動きの低下を防ぐ」ための重要な手段として位置づけられています。 可動域を保つことは、洗髪や服の着脱など日常動作の維持にも直結するため、無理のない範囲で穏やかに動かす意識が大切です。 肩を固定しすぎず日常で軽く動かす 肩を固定しすぎず日常で軽く動かすことが重要なのは、「動かさない期間」そのものが四十肩・五十肩の引き金になり得るためです。 AAOS(米国整形外科学会)では、手術や骨折などで肩を固定したあとに凍結肩(四十肩・五十肩)が起こり得ると説明されており、固定がリスク因子になることが示されています。(文献4) 肩を動かさない状態が続くと、肩関節周囲の組織が硬くなり、関節包の線維化や拘縮が進みやすく、可動域低下につながります。 とくに、けがや手術後は肩を動かせる範囲が限られやすいため、医師の指示に従いながら可能な範囲で早期から軽く動かすことが、拘縮予防と機能回復において大切です。 基礎疾患を管理し発症リスクを下げる 糖尿病や甲状腺疾患は四十肩・五十肩(凍結肩)の発症と関連するため、基礎疾患を管理し発症リスクを下げることが大切です。糖尿病や甲状腺疾患がある人は凍結肩のリスクが高く、炎症や組織変化が起こりやすくなる可能性があり、症状が長引く要因にもなり得ます。(文献4) 海外の医療情報では、糖尿病や甲状腺疾患の管理は、凍結肩のリスク低減につながる可能性が示されています。(文献4) これは「特別な運動だけで予防する」のではなく、全身状態の管理が肩の病気にも影響し得るという考え方です。 そのため、定期通院を継続し、血糖や甲状腺機能を安定させることが、発症予防と重症化回避の両面で欠かせません。 四十肩と五十肩の違いを理解して適切に対処しよう 四十肩と五十肩は呼び方が異なるだけで、いずれも肩関節周囲炎を指します。この違いを理解しておくと、肩の痛みに関する情報を整理しやすくなり、受診やセルフケアなど次に取るべき行動も明確になります。 一方で、肩の痛みや動かしづらさは、腱板断裂や石灰沈着性腱板炎、頸椎由来の神経症状などでも生じるため注意が必要です。痛みが長引く場合や、筋力低下が目立つ場合、急に症状が悪化した場合は自己判断せず、医療機関で検査を受けて原因を確認しましょう。 四十肩・五十肩の症状が改善せずお悩みの方は当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。四十肩・五十肩の痛みなどが長引きし、薬物療法やリハビリなどの保存療法だけでは十分な改善が得られない場合があります。 このような場合、症状や検査所見を踏まえて原因となる病態を評価した上で、再生医療を治療の選択肢のひとつとしてご提案しています。 再生医療は注射によって局所の環境に働きかける治療です。炎症や組織変化が関与する四十肩・五十肩に対して、症状の緩和や可動域の改善につながる可能性が検討されています。 ご質問やご相談は、「LINE」や「メール」、「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 四十肩・五十肩に関するよくある質問 四十肩・五十肩は自然治癒しますか? 四十肩・五十肩は自然に軽快することもあります。ただし、放置すると関節包の癒着が進み、肩の動かしにくさが残ることがあります。 「そのうち治る」と我慢せず、早めに整形外科で評価を受けましょう。 四十肩・五十肩は整体や鍼灸で改善しますか? 四十肩・五十肩は、整体や鍼灸で一時的に楽になる可能性はありますが、改善効果が明確に証明されているとは言い切れません。 とくに鍼灸は、役立つと感じる人がいる一方で根拠は決定的ではないとする整理が多く、治療の中心は整形外科で原因を評価した上で、薬物療法や理学療法を行うことになります。 四十肩・五十肩に対してやってはいけないことはありますか? 四十肩・五十肩で避けたいことは、無理に動かすことと、固定し続けることです。 症状が強い時期に無理をすると炎症が悪化しやすく、反対に動かさなさすぎると肩が固まって可動域が低下することがあります。 痛みの出ない範囲で動かすことを基本とし、症状が悪化する場合は整形外科で相談しましょう。 参考文献 (文献1) 「五十肩(肩関節周囲炎)」|公益社団法人 日本整形外科学会 (文献2) Frozen shoulder|MAYO CLINIC (文献3) Frozen Shoulder|AAOS (文献4) Frozen Shoulder|OrthoInfo (文献5) Frozen shoulder: MedlinePlus Medical Encyclopedia (文献6) Shoulder Impingement/Rotator Cuff Tendinitis|OrthoInfo (文献7) 「頚椎症性神経根症」|公益社団法人 日本整形外科学会 (文献8) 「変形性関節症」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる (文献9) わかりやすい 五十肩・肩の痛み|東北大学整形外科教室 (文献10) 理学療法ハンドブック シリーズ 13 肩関節周囲炎|肩にやさしい関わり方で快適な生活を (文献11) ADHESIVE CAPSULITIS: USE THE EVIDENCE TO INTEGRATE YOUR INTERVENTIONS|NIH National Library of Medicine National Center for Biotechnology Information (文献12) Platelet-Rich Plasma for Adhesive Capsulitis: A Systematic Review|NIH National Library of Medicine National Center for Biotechnology Information (文献13) パンフレット「整形外科シリーズ5 五十肩(肩関節周囲炎)」|社団法人日本整形外科学会
2025.02.09 -
- 腱板損傷・断裂
- 肩関節、その他疾患
- 肩関節
「右肩(左肩)がズキズキと痛い」 「肩の痛みが一向に改善しない」 右肩(左肩)が急にズキズキと痛むと重い疾患を心配する人も多いです。右肩(左肩)が痛む理由は主にデスクワークや長時間同じ姿勢でのスマホ視聴などですが、中には腱板損傷や五十肩、さらには内臓疾患などのサインが隠れている可能性もあります。 本記事では、現役医師がズキズキと痛む右肩(左肩)の症状の原因や対処法を詳しく解説します。記事の最後には、ズキズキと痛い右肩(左肩)に関するよくある質問をまとめていますので、ぜひご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 改善しない肩の痛みについて気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 右肩(左肩)がズキズキと痛む原因 ズキズキと痛む原因 詳細 肩腱板損傷(断裂) 腱板(肩の腱)の損傷による炎症・運動時痛、夜間痛、腕が上がりにくい状態 筋肉の炎症(腱板炎・石灰沈着性腱板炎など) 腱や周囲組織の炎症によるズキズキした痛み、石灰沈着による急激な強い痛み 関節の異常(肩関節周囲炎・変形性肩関節症など) 関節包の炎症や軟骨変性による痛み、可動域制限、動作時の痛み 神経の圧迫(胸郭出口症候群など) 神経・血管の圧迫による肩や腕の痛み、しびれ、だるさ、握力低下 頸椎椎間板ヘルニア 首の神経根圧迫による肩や腕の放散痛、しびれ、首の動きで増悪する痛み 内臓疾患(狭心症・胆石症など) 心臓・胆のうなど由来の関連痛(放散痛)、肩の動きと関係なく生じる痛み 帯状疱疹 神経の炎症によるピリピリ・ズキズキした痛み、遅れて発疹が出るケース 感染性関節炎 関節内感染による強い痛み、腫れ・熱感、発熱、動かせないほどの疼痛 胸部由来(肺尖部腫瘍・横隔膜刺激) 肺尖部病変や横隔膜刺激による関連痛、肩の動きと関係しにくい痛み その他(外傷・腫瘍など) 打撲・骨折・脱臼など外傷性疼痛、骨や軟部腫瘍による持続痛 右肩(左肩)がズキズキと痛む原因は、腱板損傷や腱板炎、肩関節周囲炎など肩そのものの疾患だけではありません。 胸郭出口症候群や頸椎椎間板ヘルニアなど神経の圧迫でも痛みが起こり、しびれを伴うことがあります。 痛みの中には、狭心症や胆石症といった内臓疾患、帯状疱疹、感染性関節炎、胸部由来の疾患が隠れているケースもあるため、注意が必要です。 痛みが強い場合や発熱がある場合、急に症状が悪化した場合は、早急に医療機関を受診しましょう。 肩腱板損傷(断裂) 肩腱板損傷(断裂)は、肩の周囲で腕の上げ下げや回旋を支える「腱板」がすり減ったり切れたりして痛みが出る疾患です。腕を上げた瞬間の痛み、夜間に増える違和感、力が入りにくい感覚が特徴です。 筋肉の中でも棘上筋が傷つきやすく、加齢変化に加えて使い過ぎや転倒などの外傷がきっかけで発症しやすいとされています。 軽度であれば保存療法で改善することもありますが、完全断裂の場合は筋力低下が目立ちます。放置すると腱が縮んで治療が難しくなるため、早めの対応が大切です。 急に腕が上がらなくなった、物を持てなくなった、夜間痛で眠れないといった症状がある場合は、整形外科で画像検査を含めた評価を受けましょう。 以下の記事では、肩腱板損傷について詳しく解説しています。 【関連記事】 【医師監修】腱板損傷とは|症状・原因・治療法を詳しく解説 腱板損傷と断裂の違いは?症状の進行や治療法について現役医師が解説 筋肉の炎症(腱板炎・石灰沈着性腱板炎など) 肩の関節を安定させて動かす重要な役割を担っているのが、回旋筋腱板(ローテーターカフ)と呼ばれる4つの筋肉の腱です。 この腱に炎症が起こると腱板炎と呼ばれ、肩にかなり強い痛みを生じます。 炎症の原因は、使いすぎや加齢による変化などさまざまです。たとえば、野球のピッチャーやテニスのサーブのように、腕を繰り返し同じ動作で動かすスポーツでは、回旋筋腱板に負担がかかりやすく、腱板炎のリスクが高まります。また、普段使わない筋肉を急に動かした場合にも炎症が起きやすくなるのが腱板炎の特徴です。 強い痛みが特徴で安静時にも出現し、圧痛点が明瞭な場合があり、石灰沈着例では炎症期に痛みが増強します。 石灰沈着性腱板炎は、40~50代の女性に多く見られます。カルシウムが腱板のところに沈着して炎症を起こす疾患です。 カルシウムが腱板のところに沈着する理由は現在の医学では判明していません。考えられる原因は主に血流の問題や、年齢などが起因しているといわれています。 石灰沈着性腱板炎は、安静時でも強い痛みが出やすく、指で肩を押すと圧痛点がはっきりして痛む場所も特定しやすい疾患です。 以下の記事では、石灰沈着性腱板炎の原因について詳しく解説しています。 関節の異常(肩関節周囲炎・変形性肩関節症など) 肩関節周囲炎(いわゆる四十肩・五十肩)は、肩の痛みと可動域制限を主症状とする疾患で、腕が上がりにくい、動かしづらい状態が続きます。40〜50代に多く見られますが、近年は長時間のデスクワークやスマホ使用により、若年層でも発症するケースが増えています。 まれに肩から腕にかけてしびれを伴うことがあり、その場合は頸椎椎間板ヘルニアなどとの鑑別が必要です。 一方、変形性肩関節症は軟骨の摩耗により痛みと炎症が生じる疾患です。進行すると痛みの増悪や可動域の低下、動かしたときの軋轢音が目立つようになります。X線(レントゲン)検査で骨棘の形成や関節裂隙の狭小化が確認できる点が特徴です。 以下の記事では、肩の痛みで疑われる疾患やがんの可能性について紹介しています。 神経の圧迫(胸郭出口症候群など) 肩の付け根の痛みは、筋肉や関節だけでなく、神経の圧迫が原因で起こることもあります。代表的な疾患が胸郭出口症候群で、首から腕へ向かう神経や血管が鎖骨周辺や肋骨付近で圧迫されることにより、肩から腕、手にかけて痛み、しびれ、だるさなどが生じます。 主な背景としては、首や肩の筋緊張、鎖骨や肋骨の形態変化、猫背などの不良姿勢です。なで肩の女性や、重い荷物を持つ機会が多い方に多い傾向があり、スマホ使用時の前かがみ姿勢も症状を悪化させる要因となるため注意が必要です。 以下の記事では、胸郭出口症候群について詳しく解説しています。 胸郭出口症候群の原因とは?主な症状や4つの治療法を医師が解説! 【胸郭出口症候群】症状のセルフチェックリストやテスト方法を医師が解説 頸椎椎間板ヘルニア 頸椎椎間板ヘルニアでは、首の椎間板が突出して神経根を刺激することで、右肩(左肩)にズキズキした痛みが現れることがあります。痛みは肩だけにとどまらず腕から手指へ放散し、しびれや感覚の鈍さを伴いやすいのが特徴です。 多くは安静や薬物療法、リハビリなどの保存療法で軽快しますが、握力低下や筋力低下、動作の障害がある場合は早期の評価が必要です。 以下の記事では、頸椎椎間板ヘルニアについて詳しく解説しています。 【関連記事】 頚椎椎間板ヘルニアの痛みを和らげる治療方法は?日常生活の注意点 頚椎椎間板ヘルニアの症状|発症しやすい部位も紹介 内臓疾患(狭心症・胆石症など) 肩の付け根の痛みは、整形外科の疾患だけでなく、内科領域の「関連痛」として現れることがあります。狭心症や心筋梗塞では、胸部の痛みが肩、背中、腕、あごなどへ放散することがあり、命に関わる状態の可能性があるため、注意が必要です。 また、胸部大動脈解離では、背部から肩にかけて強い痛みが出ることがあり、緊急対応が必要です。胆石症は、脂肪分の多い食事の後に上腹部の痛みとともに、右肩から右肩甲骨周囲へ痛みが放散し、吐き気、嘔吐、発熱を伴うことがあります。 肩の痛みに加えて胸痛、息苦しさ、冷汗、吐き気、発熱などを伴う場合は、自己判断せず早急に医療機関を受診しましょう。 帯状疱疹 帯状疱疹は、水ぼうそうの原因である水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化して起こる疾患です。ウイルスは神経に潜むため、発症初期には右肩(左肩)のどちらか片側に「ピリピリ」「ズキズキ」する痛みが出ることがあります。 数日以内に肩から腕、背中にかけて赤みや水ぶくれが現れ、皮膚が触れるだけで過敏になることもあります。放置すると帯状疱疹後神経痛として痛みが長引く場合があるため、片側の痛みが続くときは早めに医療機関を受診しましょう。 以下の記事では、帯状疱疹について詳しく解説しています。 【関連記事】 【最新版】帯状疱疹後神経痛の解消法|後遺症でピリピリする際の治療法を紹介 帯状疱疹後神経痛に効く薬は?5つの薬の効果・副作用を解説 感染性関節炎 確認ポイント 典型的な内容 発症の速さ 数時間〜数日での急な出現・悪化 見た目の変化 腫れ・赤み・熱感 伴う症状 発熱・悪寒・強いだるさ 起こりやすい関節 膝が多いが肩でも起こり得る 放置リスク 関節破壊・機能障害の進行 受診の目安 急激な悪化と熱感や発熱の併発 (文献1)(文献2) 感染性関節炎は、関節内に細菌などが入り急速に炎症が進む疾患です。関節液の増加で内圧が上がり、肩にズキズキした強い痛みが出ます。 腫れ、赤み、熱感、動かせないほどの痛み、発熱を伴う場合は、早急に医療機関を受診する必要があります。 胸部由来(肺尖部腫瘍・横隔膜刺激) 疑う状況 出やすい症状 肩を動かしていないのに続く 安静でも続く 肺の上の病気(肺尖部など) 肩から腕へ広がる、しびれ 目の症状を伴う まぶたが下がる、瞳孔の左右差 胸膜や胸水の刺激 咳や深呼吸で増える、息苦しさ 放置してはいけない危険サイン 発熱、体重減少、脱力感 (文献3)(文献4) 肩がズキズキするのは、炎症だけでなく、胸の疾患が原因で起こる関連症状の場合もあります。 肩を動かしていないのに痛みが続く、咳や深呼吸で痛みが増える、息苦しさや発熱がある、体重減少がある、腕のしびれや脱力感があるといった症状がみられるときは注意が必要です。 整形外科で異常が見つからない場合も、内科や呼吸器内科で早めに評価を受けましょう。 その他(外傷・腫瘍など) 肩の付け根の痛みは、関節や筋肉の炎症だけでなく、転倒や衝突などの外傷が原因で起こることもあります。 たとえば腱板断裂は、転倒時に肩へ強い衝撃が加わることで生じる場合があります。高齢者の場合、骨が脆くなっているため、軽い転倒でも上腕骨近位部骨折などを起こす恐れがあるため、注意が必要です。 また、スポーツ中に強い力が加わった場合には、肩関節脱臼や靱帯損傷を起こすことがあります。まれに腫瘍が痛みの原因となることもあり、その際は痛みに加えて、しびれ、腫れ、発熱などの症状を伴う場合があります。 右肩(左肩)がズキズキと痛いときの対処法 対処法 詳細 家庭でできるケアを実施する(ストレッチ・マッサージ・温罨法・冷罨法など) やさしい運動と冷温の使い分け 運動療法・ステロイド注射・手術療法などの治療 原因に応じた治療の検討 日常生活を整える(姿勢・運動・睡眠など) 姿勢と睡眠と軽い運動による再発予防 肩の痛みは原因や性質によって対処法が異なるため、適切に対応することで悪化の予防と回復の促進につながります。痛みが強い場合は、市販の鎮痛薬や湿布で一時的に症状を和らげます。 鎮痛薬には内服薬、貼付薬、外用薬などがあり、使いやすさや胃への負担を考慮して選びましょう。 湿布は、強い痛みが出た直後(急性期)は冷湿布、慢性的な痛みには温湿布の使用が一般的です。ただし、湿布の長時間貼付はかぶれの原因となるため注意が必要です。 市販薬を使用する際は用法・用量を守り、併用薬がある場合や妊娠・授乳中、持病がある場合は薬剤師や医師に相談しましょう。 以下の記事では、痛み止めについて詳しく解説しています。 家庭でできるケアを実施する(ストレッチ・マッサージ・温罨法・冷罨法など) ケア方法 目的・ポイント ストレッチ 可動域の改善とこわばりの軽減 マッサージ 筋緊張の緩和と血流促進 温罨法 慢性痛の緩和と回復促進 冷罨法 急性期の痛みと炎症の鎮静 家庭でできるケアとして、ストレッチ、マッサージ、温罨法、冷罨法があります。ストレッチは肩や首まわりの筋肉を柔らかくし、痛みの軽減や可動域の改善に役立ちますが、痛みが強いときに無理に行うのは避けましょう。 マッサージは筋緊張を和らげ、血流を促して回復を助けます。肩甲骨を意識して、無理のない範囲で動かすのがポイントです。温罨法は慢性的な痛みやこわばりが強いときに、冷罨法は痛みが強い急性期に適しています。 これらのケアで改善しない場合や、発熱・しびれを伴う場合は、早急に医療機関を受診しましょう。 運動療法・ステロイド注射・手術療法などの治療 問診、視診、触診に加えX線などの画像検査で原因を確認し、診断を行います。痛みが強い場合は、注射で炎症や痛みを抑える治療が選択されます。 ステロイド注射は即効性が期待できますが、効果は永続的ではなく、頻回投与は副作用のリスクがあるため、適切な頻度で行うことが大切です。 肩関節の拘縮があるときは、可動域を広げるリハビリ(運動療法)で機能改善を図ります。腱板断裂で痛みが強く日常生活に支障がある場合や、腕が上がらない場合は手術を検討します。 近年は関節鏡による低侵襲手術が主流です。 しかし、整形外科医の間では、肩の腱板手術はできるだけ避けたい治療のひとつです。 理由は、手術をしても痛みが十分に取れなかったり、かえって症状が悪化したりするケースが一定数あるためです。 さらに術後に肩が固まってしまう拘縮や、縫合した腱板の再断裂が起こることもあり、術後経過が思い通りにいかないこともあります。 こうした課題に対して、近年注目されているのが再生医療です。入院や手術を必要とせず、状態によっては手術に近い、あるいはそれ以上の改善が期待できる選択肢として検討されることがあります。 私自身、約10年にわたり再生医療に携わってきた中で、肩の治療には確かな希望があると感じています。詳しくは、ぜひこちらの動画をご覧ください。 <肩腱板損傷の症例動画> https://youtu.be/JtMLjwP174M 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「肩の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 日常生活を整える(姿勢・運動・睡眠など) 日常生活では、正しい姿勢を保つことが大切です。猫背になると肩まわりに負担がかかり、症状が悪化しやすくなります。 デスクワークやパソコン作業が多い方は、1時間に1回を目安に休憩を取り、腕の上げ下げや肩甲骨体操を、5分でも行いましょう。 適度な運動は肩周囲の筋力と柔軟性の維持に役立つため、ウォーキングや水泳など負担の少ない運動を継続することが大切です。ただし痛みがある場合は、無理をせず医師に相談してから行うようにしましょう。 また、睡眠不足は痛みや炎症を助長する可能性があるため、十分な睡眠を確保しましょう。就寝時は痛む側の肩を下にしないよう注意し、抱き枕などで楽な姿勢を作るのも有効です。 右肩(左肩)のズキズキ痛みに対する予防法 予防法 詳細 適度の運動習慣を取り入れる 筋力と柔軟性の維持 スマホ・PC作業の姿勢を見直す 猫背予防と肩負担の軽減 適切なストレッチやマッサージを取り入れる こわばり予防と血流改善 右肩(左肩)のズキズキした痛みを予防する基本は、肩に負担が集中する状況を減らし、肩甲骨まわりの柔軟性と筋力を保つことです。 スマホやPC作業、家事、育児などは姿勢が偏りやすく、同じ体勢が続くほど肩の緊張が残ります。強い運動を急に始めるより、短時間の運動やストレッチを毎日続けることが再発予防につながります。 適度の運動習慣を取り入れる 肩の痛み予防には、肩周りの筋肉を鍛え、柔軟性を高めることが重要です。とくに、肩甲骨を意識しましょう。肩甲骨は、肋骨の背面に位置する逆三角形の骨で、腕のさまざまな動きをサポートする重要な役割を担っています。 この肩甲骨、本来は肋骨に直接くっついているのではなく、筋肉によって支えられています。 周りの筋肉が弱ったり、硬くなったりすると、肩甲骨の位置がずれ、肩関節に負担がかかりやすくなります。 肩回し体操 肩回し体操です。腕を大きく回すことで、肩の動きを広げます。前方向と後ろ方向を10回ずつ行います。 やり方は以下の画像を参考にしてみてください。 痛みを感じる時は、無理せずに回せる範囲で行いましょう。 肩甲骨はがし 両手を前に伸ばし、手のひらを合わせます。そのまま両腕を左右にゆっくりと開き、肩甲骨を背骨から引き離すように意識します。 やり方は以下の画像を参考にしてみてください。 画像の動きを10回繰り返しましょう。この動きは、肩甲骨を支える筋肉を強化する効果があります。こちらの動きも無理のない範囲で行うことが大切です。 腕立て伏せ 腕立て伏せも肩と同時に、胸や腕の筋肉も鍛えられる効果的な運動です。 無理のない範囲で10回を目標に行いましょう。 これらの運動は、毎日続けることで効果を発揮します。できるだけ毎日、習慣づけるようにしましょう。 スマホ・PC作業の姿勢を見直す 長時間のパソコン作業やスマホの使用は猫背になりやすく、肩甲骨の動きを悪くする原因になります。 猫背の姿勢が続くと肩甲骨が外側に開いた状態で固定され、肩関節への負担が増えて痛みが出やすくなります。 日常では、以下の点を意識して姿勢を整えることが大切です。 意識するポイント 内容 背筋を伸ばし、顎を引く 顎を引いて背筋を伸ばす 肩の力を抜いてリラックスする 肩の緊張を抜く 目線は正面に向ける 目線を下げない 足の裏全体を床につける 座位の安定を保つ 肘は90度を維持する 肩への負担を減らす こまめに休憩をとる 1時間に1回の休憩と軽いストレッチ 姿勢や作業環境を整えることで、症状の軽減が期待できます。それでも肩の痛みが改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。 適切なストレッチやマッサージを取り入れる 予防目的のストレッチは、強く伸ばすのではなく「ゆっくり行い、呼吸を止めない」ことが基本です。肩だけでなく、胸の前(大胸筋)や首、肩甲骨周囲もほぐすと姿勢が整いやすくなります。 マッサージは短時間にとどめ、押して不快感が増す部位は避けましょう。運動前後や入浴後など身体が温まったタイミングに行うと継続しやすくなります。なお、しびれ・発疹・発熱を伴う場合は自己流のケアを優先せず、医療機関で原因を評価することが大切です。 肩回し 肩回しは前後の方向を10回ずつ行います。無理に大きく回す必要はありません。 負荷をかけないやり方は以下の画像を参考にしてみてください。 無理に早く回そうとしたり、大きく伸ばそうとしたりするとかえって肩の痛みを悪化させる可能性があります。大切なのは肩に負荷をかけることではなく、肩の痛みを軽減することを目的にすることです。 首のストレッチ 首のストレッチでは、ゆっくりと無理のない範囲で右と左に倒し、それぞれ10秒間キープします。 キープのやり方は以下の画像を参考にしてみてください。 肩のストレッチなどを行なっても、しびれや発疹、発熱がある場合は自己流のケアを優先せず、原因の評価を先に行うことが大切です。 腕のストレッチ 腕のストレッチは、片腕を胸の前にまっすぐ伸ばし、反対の手で肘のあたりを軽く押さえながら10秒ほどキープします。 以下の画像を参考に反対側も同様に行いましょう。肩まわりの筋肉の緊張を和らげ、柔軟性を高める効果が期待できます。 マッサージは、肩や首の筋肉を指で優しくもみほぐすことで、血行促進効果が期待できます。とくに肩甲骨周辺の筋肉を重点的にマッサージすると、痛みの予防につながります。 ズキズキと痛い右肩(左肩)の悩みは当院へご相談ください 肩の付け根がズキズキ痛むと、不安を感じる方も多いでしょう。肩の痛みは原因によって対処法が異なるため、適切に対応することが悪化の予防と早期回復につながります。 肩の痛みは市販薬やセルフケアで様子を見ることも可能ですが、痛みが長引く場合は自己判断せず医療機関を受診しましょう。 日常生活では正しい姿勢を意識し、適度な運動やストレッチ、マッサージを継続することが予防に有効です。 ズキズキとした肩の痛みが改善せずお悩みの方は当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。 当院では、症状や検査所見を踏まえた上で、肩の痛みの原因となる病態に対し、再生医療を含む治療法を選択肢のひとつとしてご提案する場合があります。 ご質問やご相談は、「LINE」や「メール」、「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 ズキズキと痛い右肩(左肩)に関するよくある質問 右肩(左肩)がズキズキするときは何科を受診すれば良いですか? 右肩(左肩)のズキズキした痛みは、原因により受診先が異なります。多くは整形外科領域のため、まず整形外科を受診するのがおすすめです。 整形外科で原因が特定できない場合や、整形外科以外の疾患が疑われる場合は、症状に応じて適切な診療科を受診しましょう。 以下の表では、症状別に受診を検討すべき診療科をまとめていますので、参考にしてください。 症状の特徴 受診する科 肩を動かすと痛い、腕が上がらない、五十肩や腱板損傷が疑わしい 整形外科 片側の肩がピリピリする、皮膚が過敏、数日以内に発疹や水ぶくれ 皮膚科(帯状疱疹の可能性) 胸の違和感、息苦しさ、冷汗、吐き気を伴う 救急外来(119)または循環器内科 みぞおちから右上腹部の不快感、吐き気、発熱を伴う 内科または消化器内科(強い症状は救急) 夜間や強い症状がある場合は、迷わず救急外来を利用することが大切です。 ズキズキと痛い右肩(左肩)は整体や鍼灸で改善しますか? 整体や鍼灸により、筋肉の緊張が和らいで一時的に症状が軽くなる可能性はありますが、痛みの原因そのものが改善するとは限りません。 とくに右肩(左肩)のズキズキした痛みが強い場合や急に出現した場合は、整形外科などの医療機関で原因を確認することが優先です。 鍼灸は、肩こりなどで短期的な軽減が示される報告もありますが、効果には個人差があります。(文献5) 以下の記事では、医学的観点から整体の効果について詳しく解説しています。 参考文献 (文献1) 感染性関節炎|MSDマニュアル家庭版 (文献2) Acute Infectious Arthritis|MUSCULOSKELETAL AND CONNECTIVE TISSUE DISORDERS MERCK MANUAL (文献3) 胸水|肺疾患|MSDマニュアル プロフェッショナル版 (文献4) Pancoast Tumors: Symptoms, Causes (文献5) 13. 筋骨格系および結合組織の疾患|日本鍼灸エビデンスレポート(Evidence Reports of Japanese Acupuncture and Moxibustion: EJAM) 日本鍼灸エビデンスレポート・タスクフォース
2025.02.04 -
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肩関節唇の損傷は、野球やテニスのような腕を上から振り下ろすオーバーヘッドスポーツで起こりやすい疾患です。 肩関節唇損傷から回復して競技が継続できるか、将来的に症状は改善するのか不安に思っている方はいるのではないでしょうか。適切な治療により症状は改善し、リハビリテーションにより肩関節の安定化を図ることで競技復帰も望めます。 この記事では、肩関節唇損傷のリハビリテーションや再発予防の方法について解説します。怪我から早く競技復帰したいと考えている方は、ぜひご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」では、肩関節への再生医療を行っています。肩関節唇損傷にも有効な場合がありますので、気になる方はお気軽に当院へご相談ください。 肩関節唇損傷とリハビリ方法 肩関節唇損傷とは、肩関節を安定させる機能をもつ関節唇の損傷です。原因となるのは、オーバーヘッドスポーツ、肩の過剰な使用、脱臼などです。とくに、野球やテニスなど投球動作を伴うスポーツをしている人は、上方の関節唇を損傷しやすい傾向があります。上方関節唇には上腕二頭筋につながる腱が付着しており、投球動作による負荷がかかりやすいのです。 肩関節唇損傷の主な症状は、肩の痛み、不安定感、可動域制限などです。安静により痛みは治まることが多いですが、肩の不安定感を軽減するにはリハビリテーションが欠かせません。具体的には関節可動域訓練や筋力トレーニング、肩に負担をかけない動作の習得などを行います。また、関節唇は再生しないため、重症例では手術が必要です。 肩関節唇損傷のタイプ 肩関節唇損傷は、大きく二つのタイプに分けられます。 一つめはBankert(バンカート)損傷です。前下方の関節唇を損傷するタイプで、肩関節の不安定さを感じやすいのが特徴です。肩関節の脱臼に伴って起きることも多く、繰り返す場合は手術が必要となります。(文献1) 二つめはSLAP(スラップ)損傷です。上方の関節唇を損傷するタイプで、オーバーヘッドスポーツで起きやすいです。Bankert損傷と比べ、リハビリテーションで症状が改善する場合も多い特徴があります。(文献2) SLAP損傷は、損傷の程度に応じてさらに4タイプに分類されます。(文献3) タイプⅠ 上方関節唇に毛羽立ちが見られるが、関節窩から剥がれてはいない タイプⅡ 上方関節唇および上腕二頭筋付着部が関節窩から剥がれている タイプⅢ 上方関節唇のバケツ柄断裂を認めるが、上腕二頭筋付着部は損傷していない タイプⅣ 上方関節唇のバケツ柄断裂が上腕二頭筋長頭腱にも及んでいる 肩関節唇損傷の検査方法 肩関節唇損傷の検査方法は、身体診察や画像検査です。身体診察では医師が患者様の肩を回したり、腕に力を入れてもらったりして、肩の痛みや引っかかり感が起きるかテストします。 画像検査はレントゲンやMRIを行います。レントゲン検査では、脱臼に伴う骨の欠けや、肩関節の不安定化による変形といった骨の異常を確認可能です。MRI検査では、レントゲンに写らない関節唇の剥離や断裂の状態、炎症の有無などをチェックします。 しかし、画像検査では診断が難しいケースも存在します。この場合は、関節鏡手術の際に関節唇を直接見て、初めて正確な診断が可能です。 肩関節唇損傷の治療方法 肩関節唇損傷の治療は、保存療法と手術療法に大別されます。 保存療法で最初に行うのは、痛みを抑えるための鎮痛薬の投与や安静の確保です。痛みが治まれば、肩関節の安定性を高めるためのリハビリテーションを行います。 手術療法では、主に関節鏡を用いて、関節唇の修復や再建を行います。術後は早期からのリハビリテーションが大切です。保存療法と手術療法のメリット・デメリットを以下にまとめました。 治療法 メリット デメリット 保存療法 身体への侵襲がない 通院での治療が可能 関節唇自体が治るわけではない 再発や脱臼の可能性がある 治療が長期間にわたる 手術療法 術後の回復が早(目安:約1カ月で日常生活に戻れる) 脱臼のリスクが低い 身体への侵襲がある 治療費が高額 (目安:約30万円) それぞれの具体的な治療内容を見ていきましょう。 保存療法 軽症例では保存療法を実施する場合が多いです。保存療法では、薬物療法やリハビリテーションを行います。具体的には以下で解説します。 薬物療法 発症直後で痛みが強い場合には、ロキソニンやボルタレンなどの消炎鎮痛薬の内服やヒアルロン酸の関節内注入を行い安静にします。それでも痛みが軽減しない場合はステロイドを注射します。そして、痛みや炎症が落ち着いてきたらリハビリテーションを開始する流れです。ただ、可動域訓練やリラクゼーションは拘縮予防のために多少痛みがあっても実施する場合があります。 リハビリテーション リハビリテーションでは、肩関節周囲のリラクゼーション・可動域の改善・筋力強化を行います。(文献4) 肩関節唇損傷では、肩後面の組織が硬い場合が多いため、後面の組織を中心にリラクゼーションを実施します。また、痛みにより筋肉が反射的に緊張しやすく、可動域制限になりやすいため可動域訓練が大切です。 さらに、肩関節の安定性を高めるために腱板筋群の筋力強化を行います。テニスや野球の投球動作では、腱板筋群に大きな負荷がかかるため、負荷に耐えられるように筋力強化が必要です。 手術療法 手術療法は、重症例や脱臼を繰り返してしまう方に適用されます。主流となっているのは全身麻酔下での関節鏡手術です。皮膚に小さな穴を3カ所ほど開け、関節鏡(カメラ)や手術器具を挿入して行います。 入院は数日〜10日間程度であり、術後2〜3週間はリハビリ以外では装具で肩関節を固定します。手術方法はさまざまですが、代表的な手術方法を2つ紹介します。 鏡視下デブリードマン 鏡視下デブリードマンは、関節唇の損傷部分を取り除く手術です。(文献5)関節鏡で確認しながら、関節唇の毛羽立った部分や、伸びたり剥がれたりして挟まれそうな部分を除去します。これにより、痛みや引っかかりといった症状の軽減が期待できます。 鏡視下関節唇修復術 鏡視下関節唇修復術は、アンカーと呼ばれる糸のついたビスを使って、関節唇を元の位置に縫い合わせる方法です。上腕骨頭への処置を同時に行うこともあり、以下の3つの術式が代表的です。(文献1)(文献6) 手術方法 内容 適応するケース バンカート法 アンカーを肩甲骨に打ち込み、関節唇を縫合 関節唇が剥がれている基本的なケース ブリストウ法 アンカーでの固定に加え、肩甲骨の一部を移植して縫合 より強い固定が必要なケース レンプリサージ法 上腕骨頭のへこみ部分にアンカーを打ち込み、関節包・腱板を縫い込む 脱臼により上腕骨頭にへこみができているケース(バンカート法と併用可能) 肩関節唇の損傷を治療した後の注意点 保存療法では、関節唇自体が治るわけではないため肩関節の緩さが少なからず残りやすいです。そのため、肩関節を過度に動かすと脱臼や再び症状を再発する可能性があり、肩のリハビリテーションをしっかり行うのが大切になります。 一方、手術療法では、範囲は狭いものの関節包など深部への侵襲があるため、組織が癒着して可動域が制限されないように術後早期からリハビリテーションが必要です。1カ月ほどリハビリを行うと通常の生活レベルに戻れますが、スポーツ復帰には3〜6カ月必要です。 肩関節唇損傷のリハビリ方法 肩関節唇損傷のリハビリテーションは、スポーツに復帰するために重要です。手術を受けた場合の復帰までの期間や、具体的なリハビリテーション内容を以下に紹介します。 1.術後~1カ月(炎症管理) 術後初期では、痛みや炎症が残存しているため、まずは安静や消炎鎮痛薬により改善を図ります。夜間に肩を動かさないように、術後2週間ほどは装具を着用します。ただ、癒着予防のためにリハビリは手術翌日から開始する場合が多いです。この時期にたくさん筋トレしてしまうとより悪化してしまうため運動量や負荷には注意です。 2.術後1カ月~2カ月(可動域向上・筋力強化) この時期では、とくにテニスや野球の投球動作で必要な肩関節外旋・外転可動域の向上を目指します。可動域が狭いと肩関節に負担がかかりやすいです。また、スポーツ復帰を目指す場合、全身の心肺機能を戻すのも大切なので、有酸素運動など持久力トレーニングも実施します。肩の筋力トレーニングは低負荷から実施し、段階的に難易度を上げていきましょう。 3.術後2カ月~3カ月(動作練習) 筋力トレーニングの負荷を上げつつ、スポーツに特化した動作練習を行っていきます。スポーツ中には、予測不能な外力が加わる場合や瞬発的な動作が多いため、素早い動作にも対応できる身体づくりが大切です。とくに、受傷のきっかけとなった動作を入念にチェックし、再発を防止しましょう。 肩関節唇損傷の再発を予防する方法 肩関節唇損傷の再発を予防するには、腱板筋群のトレーニングや肩後面のストレッチが大切です。(文献4) 以下に具体的な内容を解説します。 腱板筋群のトレーニング 腱板筋群は、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋で構成されており、肩関節の安定化に必須の筋群です。投球動作の繰り返しにより、腱板筋群は大きなストレスを受けるため、これらの筋群が弱化しやすくなります。そのため、練習時間の制限や投球動作の回数制限を設けて練習しましょう。具体的な腱板筋群のトレーニングを以下に記載します。 <やり方> イスに座り、わきをしめて肘を90度に曲げる わきをしめたまま腕を外に開く 負荷はチューブなどを用いて行い、低負荷・高回数で実施します。腱板筋は小さい筋肉であり、負荷が高いと間違った動作になってしまうため気をつけましょう。 肩後面のストレッチ テニスや野球などの投球動作を頻繁に行うスポーツでは、肩後面の棘下筋・大円筋・小円筋・三角筋が硬くなりやすいです。すると、上腕骨頭の動きがぎこちなくなり、腱板筋群が作用しづらくなります。結果、肩関節への負担が増加します。そのため、肩後面のストレッチにより肩の滑らかな動きを獲得するのが大切です。具体的なストレッチの方法を以下に記載します。 <やり方> 両手の甲を脇腹につけます 肘を前方に向けるように閉じていきます 肩の後面が伸びているのを意識します 肩をすくめたり体幹だけを回したりしないように、肩後面が伸張されているのを意識して実施しましょう。 肩関節唇を損傷した際の治療・リハビリ・再発防止に関するQ&A ここでは肩関節唇損傷に関するよくある質問に回答します。 肩関節唇を損傷した際に放置するのはNG? 痛みや違和感を自己判断で放置するのはやめましょう。痛いからと安静にしすぎると、肩関節がだんだん固まってしまうことがあります(拘縮)。安静が必要な場合もある一方、多少の痛みがあっても可動域訓練やリラクゼーションを行った方が良い場合もあるのです。 また、痛みが落ち着いたからといって以前と同じように肩を使えば、再び関節唇を損傷したり、肩関節を脱臼したりするかもしれません。必ず医師の判断のもとで治療を受けましょう。 肩関節唇損傷のリハビリ期間はどれくらい必要ですか? 手術を受けた場合のリハビリ期間は、日常生活レベルに戻るまでに1カ月、スポーツへの復帰までに3〜6カ月が目安です。 また手術をせずに保存療法を行う場合は、スポーツに復帰するまで短くて2〜3カ月、長くて6カ月ほどが目安です。ただし、保存療法でよくならない場合は、手術が必要になることもあります。 なお、実際のリハビリ期間には個人差があります。リハビリが不十分だと再発の可能性が高まるので、焦らず進めていきましょう。 肩関節の手術後に痛みが出た場合は再生医療を適用できますか? 手術の種類によって異なりますが、関節唇損傷や腱板断裂の手術であれば、術後に再生医療を適用可能です。また、腱板断裂で縫合術を受けた場合は、術後に幹細胞治療を受けることで再断裂を予防できます。 再生医療とは、患者様から採取した幹細胞や血小板を活用する治療法の一つです。 幹細胞には、さまざまな細胞に分化する性質があります。また、血小板には止血に関与するほか、成長因子を含んでいることが知られています。 競技を継続できるように肩関節のケアを行いましょう 肩関節唇損傷は、テニスや野球などオーバーヘッドスポーツで発症しやすい疾患です。関節唇は、肩の安定化に欠かせない組織であり、再生もしないためリハビリテーションによる訓練が大切になります。 また、投球フォームによっては肩後面の組織が硬くなりやすいことや腱板筋群が弱化しやすいため、入念にトレーニングやストレッチを行います。スポーツの実施前後で行うことで肩の柔軟性や筋力を保てるでしょう。 今回ご紹介したストレッチや筋力トレーニングにより、可動域向上・筋力向上を目指せるため、再発予防のためにも毎日ケアしましょう。 なお、肩関節唇損傷は再生医療で治療できる場合があります。再生医療は手術の必要がなく、患者様への負担が少ない治療方法です。気になる方は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。 参考文献 (文献1) 独立行政法人国立病院機構 霞ヶ浦医療センター「反復性肩関節脱臼(はんぷくせいかたかんせつだっきゅう)」霞ヶ浦医療センターホームページhttps://kasumigaura.hosp.go.jp/section/seikei_hanpukukatakansetudakyu.html(最終アクセス:2025年2月20日) (文献2) 独立行政法人国立病院機構 霞ヶ浦医療センター「投球障害肩(とうきゅうしょうがいかた)~主に思春期以降~」霞ヶ浦医療センターホームページhttps://kasumigaura.hosp.go.jp/section/seikei_toukyusyougaikata.html(最終アクセス:2025年2月20日) (文献3) Zahab S. Ahsan, et al. (2016). The Snyder Classification of Superior Labrum Anterior and Posterior (SLAP) Lesions. Clinical Orthopaedics and Related Research, 474(9), 2075–2078. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4965366/(最終アクセス:2025年2月20日) (文献4) 原正文.「投球障害肩のリハビリテーション治療」『日本リハビリテーション医学会誌』55(6), pp.495-501, 2018年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/55/6/55_55.495/_pdf(最終アクセス:2025年2月20日) (文献5) 保刈成ほか.「上方関節唇損傷に対する鏡視下デブリードマンの術後成績の検討」『肩関節』21(2), pp.321-325, 1997年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/katakansetsu1977/21/2/21_321/_pdf(最終アクセス:2025年2月20日) (文献6) 地方独立行政法人 芦屋中央病院「反復性肩関節脱臼に対する鏡視下手術」芦屋中央病院ホームページ https://www.ashiya-central-hospital.jp/wp-content/uploads/2019/03/6cfeb048e18c00d509db2dac9e315fba.pdf(最終アクセス:2025年2月20日)
2024.10.09 -
- 腱板損傷・断裂
- 野球肘
- インピンジメント症候群
- 上肢(腕の障害)
- 肩関節、その他疾患
- 肩関節
- スポーツ外傷
- 再生治療
2024シーズンからメジャーリーグに挑戦している山本由伸投手は、右肩の怪我により離脱を余儀なくされています。ロサンゼルス・ドジャースとの大型契約で注目を集めた山本投手は、デビューシーズンから肩の怪我に直面することになりました。 本記事では、山本由伸選手が負った怪我である腱板損傷の詳細や怪我をした原因、怪我の治療法まで詳しく解説します。 山本由伸選手が負った怪我である腱板損傷とは? 腱板損傷とは、肩関節の安定性を保つために重要な4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)とその腱の総称「腱板」に損傷が生じる状態です。特にプロ野球のピッチャーは投球動作で肩に大きな負担がかかるため、この怪我のリスクが高まります。 山本由伸選手の場合、MLBデビューシーズンとなる2024年に右肩の腱板に損傷を負いました。これはオーバーユース(使いすぎ)や投球フォームの問題、あるいは急激な環境変化による負担増加などが複合的に影響した可能性があります。 腱板損傷は軽度の炎症から完全断裂まで症状の幅が広く、重症度によって治療法や復帰までの期間が大きく異なります。 山本由伸選手が怪我をした腱板損傷を含む野球肩の種類 プロ野球選手、特にピッチャーが抱える肩の怪我は多岐にわたります。ここでは山本由伸選手が負った腱板損傷を含む、野球選手に多い肩の怪我について説明します。 上腕骨骨端線離開(こったんせんりかい) 「リトルリーグショルダー」とも呼ばれ、成長期に起こる投球障害です。成長期における過度の投球により成長軟骨が損傷することで、投球時や投球後に痛みを生じます。 「動揺性肩関節症」は「ルーズショルダー」とも呼ばれています。上腕骨と肩甲骨の間にある靭帯などが先天的に緩い状態にあり、その状態で肩を酷使すると周囲の組織を損傷してしまい、肩の痛みや不安定感を覚えます。 肩甲上神経損傷 棘下筋を支配する肩甲上神経が投球動作により引っ張られる、あるいは圧迫されるなどによって損傷を起こし、肩の痛みや肩の疲労感を覚えます。 インピンジメント症候群 野球肩の中で最も多くみられる症状で、靭帯や肩峰に上腕骨頭が衝突することで腱板が挟まれ、炎症を起こすことで肩の痛みを生じます。 山本由伸選手が怪我をした原因 山本由伸選手の腱板損傷の原因については、複数の要因が複合的に影響していると考えられます。 まず第一に挙げられるのは、日本からメジャーリーグへの環境変化による影響です。MLBとNPBでは投球間隔やボールの違い、マウンドの状態など様々な差異があります。特にMLBのボールは表面が滑らかで縫い目が低く、日本のボールと比べてグリップ感が異なります。 また、投球フォームの問題も一因と見られています。山本選手の投球フォームは非常にパワフルですが、肩に過度な負担をかけるリリースポイントであったという指摘もあります。特に最大の武器である150km/hを超える直球を投げる際には、肩への負荷は相当なものとなります。 そして、投球数や登板間隔の管理の問題も指摘されています。メジャーリーグでは先発投手としての役割や期待が大きく、適切な休息をとれなかった可能性もあります。 山本由伸選手の怪我の治療法 山本由伸選手の腱板損傷に対する治療法には、いくつか種類があります。ここでは主な治療法について解説します。 保存療法 保存療法は、手術をせずに行う治療法の総称で、腱板損傷の初期段階でまず試みられるアプローチです。休息と投球制限が基本となります。 特に初期対応としては、炎症を抑えるためのRICE処置(Rest:休息、Ice:冷却、Compression:圧迫、Elevation:挙上)が重要です。また非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服や、場合によっては炎症部位への局所注射なども行われます。 急性期を過ぎたら、段階的なリハビリに移行します。肩関節周囲の柔軟性回復のためのストレッチングから始め、徐々に肩甲骨周囲筋や腱板自体の筋力強化エクササイズへと進めていきます。 手術療法 保存療法で症状が改善しない場合や、腱板の断裂が大きい場合には手術療法が検討されます。現代では低侵襲な関節鏡視下手術が主流となっています。 関節鏡視下手術では、小さな切開から内視鏡と専用器具を挿入し、腱板の修復を行います。断裂した腱板を元の位置に戻し、アンカーと呼ばれる特殊な縫合糸で上腕骨に固定します。 大きな切開を必要としないため、術後の痛みが少なく、回復も早いのが特徴です。手術後は肩を固定し、数週間の安静期間を経てから段階的なリハビリを開始します。 完全な競技復帰までは選手の状態や損傷の程度によって異なりますが、一般的には6〜9ヶ月程度を要します。 再生医療 最新の治療法として、再生医療のアプローチも注目されています。PRP(多血小板血漿)療法や幹細胞治療などが、従来の治療法を補完する形で用いられるようになっています。 PRP療法では、選手自身の血液から濃縮した血小板を損傷部位に注入します。血小板に含まれる成長因子が組織の修復を促進し、治癒を早める効果が期待されます。 また幹細胞治療では、骨髄や脂肪組織から採取した幹細胞を利用して損傷した組織の再生を促します。これらの治療は手術の必要性を減らしたり、手術後の回復を早めたりする可能性があります。 まとめ|山本由伸選手が負った怪我には再生医療も有効! 野球選手にとって肩の怪我は避けられないリスクの一つですが、その中でも「野球肩」は一般的に起こりえる問題です。 野球肩とは、投球動作やバッティングなど、腕を激しく使うことで肩関節周囲の筋や腱、骨が損傷や炎症を起こす状態を指します。この野球肩には、腱板損傷、リトルリーグショルダー(上腕骨骨端線離開)、ルーズショルダー(動揺性肩関節症)、肩甲上神経損傷、インピンジメント症候群など、さまざまな種類があります。 各症状は投球時や日常生活での痛み、肩の不安定感、疲労感などを引き起こし、生活の質を大きく損なう可能性があります。従来の治療法としては、痛みの軽減や肩の安静を目的としたリハビリテーション、または重症の場合は手術が行われてきました。しかし、これらの方法は長期の休養が必要な場合も多く、選手にとって大きな負担となることがあります。 そこで注目されているのが「再生医療」です。 再生医療は、体への負担が少なく、手術や入院を避けることができるため、治療期間が短縮されるというメリットがあります。この治療法は、多くの有名野球選手も実績があり、スポーツへの早期復帰を目指すための画期的な方法として今注目の最新の治療方法です。 メジャーリーグのドジャースに所属する山本由伸選手も、ぜひ再生医療を用いた治療を考えてほしいものです。なぜなら、選手生命を護ることができるからです。 肩の痛みや違和感を感じたら、早めの受診と適切な診断を受けることが重要です。肩の怪我を適切に治療し、スポーツを続けるためには最新の医療情報を活用し、専門医の指導を受けることが肝要です。 スポーツ選手は自分を護るためにも再生医療といった最新の治療法を知ることも大切です。 早期の回復を目指せる再生医療は、肩の怪我に悩む野球選手の救世主となり得ます。再生医療に興味があれば豊富な実績で症例数をリードする当院までお問い合わせください。 山本由伸選手が負った怪我についてのQ&A 検査はどのようにするの? 投手の肩の怪我を診断するための検査は複数回行われます。 まずは肩の可動域や痛みの位置を確認します。次にX線検査で骨の状態を確認し、さらに詳細な検査のためMRIを実施します。 MRIでは軟部組織の状態を可視化でき、筋肉や腱、靭帯の損傷を詳細に把握できます。山本選手の場合もこれらの検査に加え、必要に応じて超音波検査やCTスキャンなどの追加検査が行われているでしょう。 山本由伸選手と同様の怪我の復帰時期はいつくらいですか? 山本選手のような投手の肩の怪我からの復帰時期は、怪我の種類と程度によって大きく異なります。 一般的に投球肩の炎症や軽度の筋肉疲労であれば2〜4週間程度で復帰できるケースが多いですが、腱板の損傷や関節唇(ラブラム)の裂傷などの重度の損傷では3〜6ヶ月以上の長期リハビリが必要になることもあります。
2024.06.18 -
- 幹細胞治療
- 腱板損傷・断裂
- 野球肘
- インピンジメント症候群
- 上肢(腕の障害)
- 肩関節、その他疾患
- 肩関節
- スポーツ外傷
- 再生治療
メジャーリーグ(ドジャース)山本由伸選手が発症!肩腱板損傷とは? 負傷者リストに入ってしまったようで心配です。野球選手にも多い肩腱板の損傷についてその原因と治療法を詳しく説明いたします。 日常生活の中で何気なく動かしているように思う肩ですが、思わぬケガが原因で強い痛みが出たり、動かせなくなったりすることがあります。 スポーツ障害でも多い腱板損傷は、そのような状態を引き起こすもののひとつです。 今回は、その腱板損傷について詳しくご紹介します。 肩腱板損傷とは?その症状について 腱板は肩に存在する筋で、板のように広がっているので腱板といいます。 腱板を構成するのは「肩甲下筋腱」「棘上筋腱」「棘下筋腱」「小円筋腱」という4つの筋肉です。これらが肩の骨を囲み、肩関節の安定性に働きかける重要な存在です。 その腱板が部分的、または完全に断裂するのが腱板損傷です。主な症状は痛みですが、軽い場合もあれば、動かせないほどの激痛、夜間に起こる痛みなど程度に差があります。 部分的な断裂では、肩を動かせないということはあまりありません。損傷が激しい場合、腕が上がらなくなったり、肩が動かしにくいという症状が出ることもあります。 肩腱板損傷の原因とは? 腱板損傷の原因について見ていきましょう。腱板損傷の原因は大きく3つにわけられます。 外傷 腱板損傷の原因で多いのが外傷、つまりケガです。転んで肩を強く打つ、手をついたときに肩に衝撃が加わるというのが腱板を傷つけてしまうことがあるのです。 オーバーユース スポーツ医療でも注目される腱板損傷ですが、ケガというよりも肩の使い過ぎが原因のことが多いです。 その代表的なスポーツが野球です。何度も繰り返しボールを投げることで、肩関節や腱板に負荷がかかってしまうのです。 加齢によるもの 加齢によって腱板損傷が起こることもあります。年齢を重ねると腱や軟骨など、身体の組織も衰えてしまいます。そのため、自分でも気が付かないうちに腱板が傷ついていることもあるのです。 肩腱板損傷の治療法とは? 肩の腱板損傷の治療法をご紹介します。近年期待されている治療方法についても見ていきましょう。 保存療法 肩の腱板損傷の治療は基本的には保存療法です。急性期には三角巾で固定し、患部の安静を保ちます。痛みや腫れがある場合は痛み止めの注射やヒアルロン注射を行うこともあります。 また、腱板が損傷した状態で無理に動かすと再発したり、ひどくなったりすることがあるので、リハビリも大切です。 手術 保存療法で痛みが改善しない、損傷がひどく肩の動きが悪いという場合には手術を検討します。損傷した腱板を手術によって直接修復するというものです。 近年は関節鏡といって皮膚を大きく切らない手術が行われています。術後1~2週間ほどで痛みが落ち着くことが多いですが、正常な肩関節の状態に戻すにはリハビリ期間を含めて6か月程度かかることが多いです。 再生医療 これまで腱板損傷の治療は保存療法と手術がメインでした。しかし、手術となれば治療やリハビリを含めてスポーツ復帰までの期間が長くなります。 そんな中、近年、腱板損傷の治療法として再生医療が注目されています。 再生医療は、自身の脂肪から採取した幹細胞を肩腱板に注射します。そして幹細胞が傷ついた腱板や組織を修復するというものです。 外科的な手術をしないで治療できるため、治療期間の短縮も期待できます。 まとめ・メジャーリーグ(ドジャース)山本由伸が発症!肩腱板損傷について 今回は肩の腱板損傷についてご紹介しました。 今回の山本由伸選手をはじめとして、肩を酷使する野球などのスポーツで使い過ぎによって肩の腱板が傷つくことがありますし、加齢によって腱板損傷を起こすこともあります。 プロの選手のように日常からケアをしていても、発症することがあるため、注意が必要です。プロ野球選手のように選手生命という問題がある場合は無理もできません。 そこで近年、治療法として注目を集めているのが再生医療です。特に幹細胞治療は、自分の幹細胞を用いるので、副作用のリスクが少なく、治療期間も短くて済むというメリットがありスポーツをされている方に最適です。 もちろん、再生医療はスポーツ選手ではなくとも有効です。 肩の痛み、肩の腱板損傷でお悩みの方は、再生医療による治療を検討してみてはいかがでしょうか。お気軽にご相談ください。 ▼肩の腱板損傷の回復を目指す再生医療とは https://fuelcells.org/treatment/shoulder/ ▼スポーツ選手の選手生命を護る再生医療をご存知でしょうか https://fuelcells.org/treatment/sports/
2024.06.18 -
- 大腿骨骨頭壊死
- 肩関節、その他疾患
- ひざ関節
- 股関節
- 膝部、その他疾患
「大腿骨頭壊死にはどんなステージ分類がある?」 股関節周辺に痛みを抱えている方の中には、上記のような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。 結論、大腿骨頭壊死のステージ分類は、以下の通りです。 ステージ 目安となる状態 ステージ1 レントゲンで異常がなく、MRI検査などで壊死がわかる状態 ステージ2 レントゲンで異常があるものの、骨頭が潰れていない状態 ステージ3 骨頭が潰れているものの、関節軟骨があり関節の隙間が残っている状態 ステージ4 軟骨がすり減り、変形性股関節症となっている状態 大腿骨頭壊死のステージ分類の特徴は、大腿骨頭の壊死部分が進行し、軟骨がすり減っていくことです。 ステージ4になると関節同士の隙間がなくなってしまい、激しい痛みを伴います。 本記事では、壊死してしまった骨の根本治療にも期待できる再生医療の選択肢も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。 \骨壊死の改善が期待できる再生医療とは/ 再生医療は、壊死・損傷した骨に対してアプローチできる治療法で、手術せずに大腿骨頭壊死の改善が期待できます。 以下の動画では、骨壊死に対する再生医療の治療について詳細を解説しています。 https://www.youtube.com/watch?v=ic_6QaEU5NU 【こんな方は再生医療をご検討ください】 進行している大腿骨頭壊死でも手術せずに治したい 大腿骨頭壊死による痛みを早く治したい 現在受けている治療やリハビリで期待した効果が得られていない 再生医療は、早く治療を受けるほど治療成績が良いですが、進行している大腿骨頭壊死も治療できるケースがあります。 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは骨壊死の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 大腿骨頭壊死とは「骨頭壊死症」の一種 大腿骨頭壊死とは「骨頭壊死症」の一種です。 骨頭壊死症とは、骨に栄養を届けている血管が障害されて血液が供給されなくなり、骨の一部分が壊死する病気です。 ただし、原因は血液供給がなくなるだけでなく、以下のような原因も発症に関係していると考えられています。 怪我などの外傷による血管の障害 アルコール摂取 ステロイド使用者 また、骨壊死は全身のあらゆる骨に起こり得ます。 代表的な部位は、股関節の大腿骨頭に起きる「大腿骨頭壊死」、肩関節の上腕骨に起こる「上腕骨頭壊死」、「膝関節骨壊死」などがあります。 股関節と肩関節は、大腿骨頭・上腕骨頭と呼ばれる部位があるため、「骨頭壊死」と病名が付くのが特徴です。 一方で、膝関節は骨頭と呼ばれる部位がないため「骨壊死」が病名となります。 大腿骨頭壊死のステージ分類と原因 大腿骨頭壊死は、1〜4のステージに分類されます。ステージによって、進行度合いが異なり、ステージが上がる度に症状も顕著になっていくのが特徴です。 ここからは、大腿骨頭壊死のステージ分類と原因を詳しく解説していきます。 大腿骨頭壊死から進行・変形性股関節症へのステージの分類 大腿骨頭壊死のステージ分類は、以下の通りです。 ステージ 目安となる状態 ステージ1 レントゲンで異常がなく、MRI検査などで壊死がわかる状態 ステージ2 レントゲンで異常があるものの、骨頭が潰れていない状態 ステージ3 骨頭が潰れているものの、関節軟骨があり関節の隙間が残っている状態 ステージ4 軟骨がすり減り、変形性股関節症となっている状態 大腿骨頭壊死のステージ分類の特徴は、大腿骨頭の壊死部分が進行し、軟骨がすり減ると「変形性股関節症」を発症する可能性がある点です。 ステージ3までは関節軟骨があり、関節同士に隙間があるものの、さらに進行すると、関節同士の隙間がなくなってしまいます。 大腿骨頭壊死や症状が変形性股関節症まで進行した場合、従来の治療では根治が難しいため、ぜひ再生医療による治療をご検討ください。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 進行した大腿骨頭壊死の根治を目指したい 大腿骨頭壊死や変形性股関節症を早く治したい 現在受けている治療やリハビリで期待した効果が得られていない 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは骨壊死の治療について無料相談! >>今すぐ電話してみる 大腿骨頭壊死の重症度分類 原因不明である「特発性骨頭壊死」は、壊死の範囲によって重症度分類がありType A〜Cに分けられます。 重症になるほど、壊死範囲が大きくなり、大腿骨頭が潰れるリスクは高くなるのが特徴です。大腿骨頭壊死の重症度分類は以下のとおりです。 Type A:壊死範囲が体重のかかる領域の1/3未満 Type B:壊死範囲が体重のかかる領域の1/3〜2/3 Type C:壊死範囲が体重のかかる領域の2/3以上 Type C-1:壊死の範囲が骨盤の縁の「内側」にあるもの Type C-2:壊死の範囲が骨盤の縁の「外側」にあるもの Type Aが軽症でCになるとより重症となります。さらにTypeCは、より重症なC-1とC-2に分けられるのが特徴です。 大腿骨頭壊死の原因 大腿骨頭壊死の原因は、主に以下があげられます。 股関節を構成している大腿骨頭に流れている血管の障害 骨折や脱臼などの外傷 放射線治療 潜函病 股関節を形成している大腿骨頭に血液が供給されなくなると、大腿骨頭壊死を発症するケースが多い傾向にあります。 しかし、なかには、原因不明で突発的に大腿骨頭壊死を発症する可能性もあります。 上腕骨頭壊死のステージ分類と原因 上腕骨頭壊死とは、上腕部分にある「上腕骨頭」と呼ばれる部位が壊死してしまう病気です。大腿骨頭壊死のように、他の病気に進行するケースはありません。 ここからは、上腕骨頭壊死のステージ分類と原因を詳しく見ていきましょう。 上腕骨頭壊死の進行・ステージ分類 上腕骨頭壊死のステージ分類は、以下のとおりです。 ステージ1:レントゲンで異常がなく、CTやMRI検査で壊死がわかる状態 ステージ2:骨透亮像や骨硬化像、限局性の骨溶解像がみられる状態 ステージ3:軟骨下骨に骨折線を認める状態 ステージ4:上腕骨頭に加えて、肩甲骨の関節窩にも骨の変化を生じている状態 ステージが上がり末期になると、薬物療法や保存療法では治せない可能性が高まります。 末期ステージになると、骨切り術や人工関節を挿入する手術療法が行われるケースもあります。 ただし、治療方法はステージ分類だけでなく、症状や年齢などさまざまな要因によって決まるため、一概に治療方法は断言できません。 上腕骨頭壊死の原因 上腕骨頭壊死の原因は、主に以下があげられます。 肩関節を構成している上腕骨頭に流れている血管の障害 骨折や脱臼などの外傷 ステロイドの使用 アルコール 鎌状赤血球症・関節リウマチ・全身性エリテマトーデスなどの全身性疾患 骨折や脱臼などの原因は外傷性と呼ばれています。一方でステロイド使用や全身性疾患などは、非外傷性に分類されるのが特徴です。 膝関節骨壊死のステージ分類と原因 膝関節骨壊死は、名前の通り膝関節の骨が壊死してしまう病気です。 膝関節と呼ばれているものの、太ももの内側に壊死が起こる症例が多いため「大腿骨内顆骨壊死」と呼ばれるケースもあります。 また膝関節骨壊死は、60歳以上の女性に多く見られるのが特徴です。 ここからは、膝関節骨壊死のステージ分類と原因を紹介します。 膝関節骨壊死の進行|ステージ分類 膝関節骨壊死のステージ分類は、以下のとおりです。 ステージ1:レントゲンで異常がみられない状態 ステージ2:レントゲンで骨内に壊死領域がみられる状態 ステージ3:レントゲンで軟骨の下に骨折線があり、関節面が凹んでいる状態 ステージ4:関節の隙間が狭くなってしまっている状態 ステージが進むと、膝関節骨同士の隙間が狭くなるのが特徴です。膝関節同士が狭くなる病気として、膝関節骨壊死の他に、変形性膝関節症があげられます。 両病気とも、初期ステージの症状だけで判別するのは難しい傾向にあります。 レントゲン検査で、膝関節骨壊死か変形性膝関節症かを判別できるため、膝に痛みを抱いている方は、速やかに医療機関を受診するのがおすすめです。 膝関節骨壊死の原因 膝関節骨壊死の原因は、主に以下があげられます。 肩関節を構成している上腕骨頭に流れている血管の障害 軽微な骨折 肥満ステロイド薬の使用 大腿骨頭壊死や上腕骨頭壊死と同様に、明確な原因は判明していませんが、上記のような要因によって膝関節骨壊死が起こると考えられています。 肥満体型によって、膝関節に負担がかかるのも、膝関節骨壊死を発症させるリスクがあります。 肥満は、変形性膝関節症のリスクも高めるため、食事管理や運動習慣を身に着け、減量を目指しましょう。 大腿骨頭壊死のステージ分類の診断方法 大腿骨頭壊死のステージ分類の診断は、主にレントゲン検査やMRI検査で行われます。 基本的レントゲン検査だけで大腿骨頭壊死の患部は確認できますが、早期の骨壊死を確認するには、MRI検査が必要になります。 レントゲン検査やMRI検査では、骨が潰れていたり、壊死が進行していたりするかを確認可能です。変形性股関節症や変形性膝関節症の判断もできます。 また、血液凝固疾患をはじめとした基礎疾患を確認するために、血液検査を行うケースもあります。 大腿骨頭壊死の予防方法 大腿骨頭壊死の予防方法は、以下があげられます。 ステロイド薬の使用に注意する 過度な飲酒や喫煙は控える 股関節への負担を軽減する ステロイド薬を長期的に使用していると、大腿骨頭壊死のリスクが高まると考えられています。 ステロイド薬を使用する際は、自己判断で使用したり、量を調整したりするのは控えましょう。 他にも飲酒や喫煙も大腿骨頭壊死の発症にかかわっているとされているため、できるだけ避けてください。 また、肥満体型の方は、股関節への負担を軽減するため、体重減量を目指しましょう。 長時間の立ち仕事や、重い荷物を持つ仕事も、股関節の負担となるため、注意が必要です。 大腿骨頭壊死(骨壊死)治療法・保存療法 大腿骨頭壊死の治療は、保存療法や手術療法があげられます。 治療方法は、進行ステージやライフスタイル、年齢などを考慮して決められます。 ここからは、大腿骨頭壊死の治療法を4つ見ていきましょう。 保存療法 保存療法とは、リハビリテーションや薬物療法が代表的です。リハビリテーションでは、股関節にかかる負荷を抑えるため、体重管理が行われるケースもあります。 股関節の可動域を維持し、筋力を強化するために、ストレッチや筋力トレーニングも行われます。リハビリテーションの期間は一般的に、医療保険で対応できる150日が目安です。 なお、保存療法は、あくまでも症状を和らげる手段であり、骨壊死を治癒させるのは不可能である点に留意しておきましょう。 骨切り術 骨切り術は、大腿骨頭の壊死した部分へかかる負荷を抑えるため、骨の一部を切って角度を変える手術を指します。 病気の進行を遅らせ、股関節の機能を温存するのが目的であり、比較的若い方や病気の進行が初期から中期の方に適用されます。 ただし、骨切り術は難しい手術方法であり、医師の高いスキルや医療機関の充実した設備が必要です。 術後は、最長6カ月間松葉杖を使用したり、長期間リハビリテーションをしたりしなくてはならない点に留意しておきましょう。 人工関節 人工関節置換術は、壊死した大腿骨頭を人工関節に置き換える手術です。骨壊死により関節の多くが潰れてしまっているケースに適用されます。 人工関節置換術は、痛みを大幅に軽減し、股関節の機能の改善を期待できます。 リハビリテーションは必要ですが、入院期間は10日ほどと短いのが特徴です。ただし耐用年数の問題で、若い方に行うのは避けるべきとされている点に留意が必要です。 人工関節は脱臼リスクもあるため、メリットだけでなくリスクも理解して検討しましょう。 再生医療 大腿骨頭壊死を手術せずに根治を目指したい方は、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さま自身の細胞を採取・培養し、患部に投与することで損傷した組織の再生・修復を促す医療技術です。 患者さま自身の幹細胞や血液を用いるため、拒絶反応やアレルギー反応などの副作用リスクが少ないのが特徴です。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 大腿骨頭壊死でも手術せずに治したい 副作用リスクの少ない治療で根治を目指したい 現在受けている治療で期待した効果が得られていない 再生医療は、早く治療を受けるほど治療成績が良いですが、進行している大腿骨頭壊死も治療できるケースがあります。 当院(リペアセルクリニック)では、患者さま一人ひとりの症状やお悩みに合わせてご案内しておりますので、ぜひ無料カウンセリングにてご相談ください。 ▼まずは骨壊死の治療について無料相談! >>今すぐ電話してみる 大腿骨頭壊死でお悩みの方は、再生医療を視野に入れてみてはいかがでしょうか。 まとめ|大腿骨頭壊死のステージ分類とは?治療方法やよくある質問も紹介 大腿骨頭壊死では、1〜4のステージに分類され、それぞれ以下のような状態が目安となります。 ステージ 目安となる状態 ステージ1 レントゲンで異常がなく、MRI検査などで壊死がわかる状態 ステージ2 レントゲンで異常があるものの、骨頭が潰れていない状態 ステージ3 骨頭が潰れているものの、関節軟骨があり関節の隙間が残っている状態 ステージ4 軟骨がすり減り、変形性股関節症となっている状態 ステージが上がると関節軟骨がすり減ってしまう「変形性股関節症」や「変形性膝関節症」につながるため、早期治療が重要です。 悪化を防ぐためにも、痛みや違和感を抱いている方は、早めに医療機関を受診しましょう。 近年の治療では、従来の保存療法や手術療法に加え、患者様の細胞を用いて手術をせずに根治を目指す再生医療も選択肢の一つです。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 進行している大腿骨頭壊死でも手術せずに治したい 大腿骨頭壊死による痛みを早く治したい 現在受けている治療やリハビリで期待した効果が得られていない 再生医療は、早く治療を受けるほど治療成績が良いですが、進行している大腿骨頭壊死も治療できるケースがあります。 具体的な治療法については、患者様一人ひとりの症状やお悩みに合わせてご案内しておりますので、当院(リペアセルクリニック)の無料カウンセリングにて、ぜひご相談ください。 ▼まずは骨壊死の治療について無料相談! >>今すぐ電話してみる 大腿骨頭壊死に関するよくある質問 骨壊死にならないか心配ですが、気を付けることはありますか。 現代医学でも骨壊死の正確な原因はわかっていません。危険因子としてわかっているのは外傷、ステロイドの使用、アルコール多飲です。 ステロイドは、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなど全身性疾患の治療に必要なため、飲まないことはおすすめしませんが、外傷やアルコールはご自分で気を付けられます。無理な運動は行わず、規則正しい生活習慣を送るのが予防に必要と言えるでしょう。 レントゲンで問題ないと言われましたが、大丈夫でしょうか。 骨壊死は初期の段階ではレントゲンで異常がわからないケースがほとんどです。壊死した領域がレントゲンでわかるまでは時間がかかりますが、MRI検査では早期に病気を見つけられます。 痛みが強く心配な場合は、MRI検査や精密検査について担当の医師と相談するのがおすすめです。 大腿骨頭壊死と診断されたらスポーツはできませんか? 大腿骨頭壊死を発症後、スポーツができるかは、進行度合いによって異なります。 壊死の範囲が小さく、悪化リスクが低ければ、問題なくスポーツができるケースもあります。 しかし、壊死の範囲が広いと、股関節にかかる負担が大きくなるため、スポーツが制限される可能性がある点に注意が必要です。 体への負荷が少ないスポーツは許可されやすいですが、ジャンプをしたり、走ったりするスポーツは制限されやすい傾向にあります。 大腿骨頭壊死は医療費補助の対象になりますか? 明らかな原因がない「特発性大腿骨頭壊死」は、医療費補助の対象となります。特発性大腿骨頭壊死は、指定難病に分類されているためです。 特発性大腿骨頭壊死と診断された場合は、医療機関に医療費補助の手続き方法を相談しましょう。
2023.10.02 -
- 野球肘
- インピンジメント症候群
- 肩関節、その他疾患
- 肩関節
- スポーツ外傷
インピンジメント症候群による痛みを早く治したいと考え、効果的な「リハビリ」や「ストレッチ」を探している方も多いでしょう。 適切なリハビリテーションや生活習慣の改善を行うことで、基本的には手術をせずに症状改善が期待できます。 本記事では、インピンジメント症候群に有効なストレッチ方法やリハビリテーションについて解説します。 一方で、なかなか治らない肩の痛みの場合、リハビリだけでは治らない可能性があり、手術が検討されることがあります。 しかし、近年の治療では日常生活やスポーツに早く復帰したい方に、手術せずにインピンジメント症候群を治療できる再生医療が注目されています。 \インピンジメント症候群に有効な再生医療とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、炎症抑制や損傷した肩周辺の組織の再生・修復を促す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 なかなか治らないインピンジメント症候群を早く治したい リハビリやストレッチを継続しても効果が得られない 根本的に治療したいが、手術はできるだけ避けたい 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずはインピンジメント症候群の治療について無料相談! インピンジメント症候群のリハビリの目的と有効なストレッチ 野球やバトミントンなどオーバーヘッドスポーツで生じやすいインピンジメント症候群。 投球動作で肩に痛みが生じる、いわゆる「野球肩」の一種として知られています。 インピンジメントとは「衝突」の意味で、インピンジメント症候群は、肩の関節を構成する骨同士が衝突したり、骨の間に筋肉が挟まれたりして痛みが生じる状態です。 インピンジメントを引き起こす原因はさまざまで、原因に合わせたリハビリの実施が必要です。 今回は、インピンジメント症候群の具体的なリハビリ方法について解説します。 インピンジメント症候群のリハビリ目的 肩の関節は、背中にある肩甲骨と腕の骨である上腕骨、鎖骨によってできています。 上腕骨の先端にある球状の上腕骨頭(じょうわんこっとう)が肩甲骨のくぼみにはまるように作られる肩甲上腕関節(けんこうじょうわんかんせつ)が、一般的に肩関節と呼ばれる関節です。 インピンジメント症候群は、以下のような要因で、肩関節の正常な動きが妨げられるため生じます。 関節周辺の組織が固くなり上腕骨頭の位置がずれる 猫背になり肩甲骨の動きが悪くなる 筋力が低下して上腕骨頭が正常とは異なる動きをする これらの要因を改善して、インピンジメントを生じさせない動きを取り戻すのがリハビリの目的です。 リハビリでは、インピンジメント症候群により生じた炎症の回復を補助する目的も含まれます。 インピンジメント症候群のリハビリとストレッチ|炎症への対応 肩を動かさなくても痛みがでる場合や、夜間に痛みがでる場合は、インピンジメントにより肩周辺の組織に炎症が生じている可能性があります。 そのような状態では、積極的な運動よりも、炎症や痛みを和らげる対応が優先されます。 そのため、肩のアイシングや安静時のポジショニング(肩の位置の調整)をおこない、肩にかかるストレスを軽減させるのが大切です。 ポジショニングは、肩や肘の下にタオルなどを入れて痛みがないポジションを作ります。 振り子運動 また、運動では振り子運動により、自重を使った関節の運動を実施して、肩への負担をかけないようにします。 さらにリハビリ効果を高めたい方は、肩の痛みの根本的な改善が期待できる再生医療も併せてご検討ください。 >リハビリ効果を高め効果が期待できる「再生医療」とは インピンジメント症候群のリハビリとストレッチ|猫背を改善するリハビリ 猫背になると、肩甲骨の動きが妨げられるため、正常な肩関節の動きが生じずに、インピンジメントを引き起こしやすくなります。 肩の痛みがあり肩関節を動かしにくいときでも、猫背を改善するリハビリは、肩関節を動かさずに実施できるため、積極的に取り組みましょう。 具体的な方法は以下の通りです。 ストレッチポールでのストレッチ ストレッチポールの上に仰向けで寝て、胸を開いて背中をストレッチします。 cat & dogストレッチ 四つ這いで背中を丸めたり、反らしたりする「cat & dog」の運動もおすすめです。 インピンジメント症候群のリハビリとストレッチ|肩関節の動きを改善するリハビリ インピンジメントを起こす原因の1つが、肩の関節周辺にある組織の柔軟性低下です。 とくに肩の後ろの組織が固くなると、上腕骨頭が前方にずれてしまい、正常な肩関節の運動ができません。 その結果、インピンジメントが生じやすくなります。 そこで、肩の後ろで関節を覆っており、動きの制限になりやすい後方関節包(こうほうかんせつほう)のストレッチを紹介します。 クロスボディストレッチ 1つ目の方法は座った状態または立った状態でおこないます。 具体的な方法は以下の通りです。 1, 痛みのある方の腕を肩の高さまで上げる 2, 反対の手で肘を掴んで体の内側に引きよせる 3, 肩の後ろが伸ばされるのを確認しながら30秒キープする 痛みがある場合は無理をしないようにしましょう。 スリーパーストレッチ 2つ目の方法は横向きに寝て行うストレッチです。 具体的な方法を解説します。 スリーパーストレッチ 1, ストレッチする方の肩が下になるように横向きに寝る 2, 腕を肩の高さに合わせるように脇を開く 3, 肘を直角に曲げる(前ならえ) 4, 反対の手で立てた前腕をゆっくり内側に倒す 5, 限界まで倒した状態で30秒キープする 強く抑えるように倒すと痛みが出やすいので、ゆっくり力を入れずに倒しましょう。 インピンジメント症候群のリハビリとストレッチ|腱板機能を改善するトレーニンング 腱板(ローテーターカフ)は、肩甲骨と上腕骨をつなぐ以下の4つの筋肉をまとめた呼び方です。 腱板とは 棘上筋(きょくじょうきん) 棘下筋(きょくかきん) 肩甲下筋(けんこうかきん) 小円筋(しょうえんきん) 肩関節をおおうように位置しており、肩関節を安定させて、スムーズに動かせるようにする役割を持っています。 そのため、腱板をうまく使えないと、肩関節が不安定になり、正常な関節の運動ができず、インピンジメントを引き起こします。 そこで、腱板の機能を改善するリハビリを紹介します。 棘上筋トレーニング 腱板の1つである棘上筋のトレーニングを紹介します。 1, 腕を体の横につけて、親指が上になるようにする 2, 肘を伸ばしたままで、体から腕が離れるように上げる 3, バレーボール1個分程度まで上げた後で元に戻す 負荷をかける場合は、500mlのペットボトルやチューブを使用しましょう。 腱板は関節を安定させるインナーマッスルですので、負荷は軽めにして20〜30回を目安に3〜4セットおこないましょう。 チューブがあるなら、以下の棘上筋トレーニングも導入できます。 1, 鍛えたい方の手でチューブを握る 2, 鍛えたい方の手と逆の足でチューブを踏んで固定する 3, 3〜5秒かけて、肘を伸ばしたまま、チューブを持ち上げる 4, 3〜5秒かけて、元の場所に戻す 1セット15回として、3〜4セットほどおこないましょう。 スピードを上げると効果が落ちるので注意してください。また、腕を過度に挙上すると、別の筋肉を使ってしまい、棘上筋のトレーニングになりにくいことを覚えておきましょう。 棘下筋・肩甲下筋トレーニング 棘下筋と肩甲下筋は、お互い対照的な働きをする筋肉です。 そのため、棘下筋のトレーニングと反対の動きをすると肩甲下筋のトレーニングになります。 1, 腕を体の横につけて、親指が上になるようにする 2, 肘を伸ばしたままで、体から腕が離れるように上げる 3, バレーボール1個分程度まで上げた後で元に戻す 脇を開くと、ほかの筋肉が働いてしまうため、棘下筋、肩甲下筋のどちらのトレーニングでも、脇を開かないように注意しましょう。 棘下筋トレーニングと同様、チューブなどを使い、軽めの負荷で、頻度を多くおこないましょう。 1〜2kgのダンベルがあれば、以下のトレーニングも実施できます。 1, 体の側部を床につける形で寝転がり、膝と背中を曲げる 2, 鍛えたい方の腕の肘をつけて、下腕を地面に対して垂直の角度で曲げる 3, ダンベルを持ち、胸の近くまで持ち上げる 4, ダンベルが床につく手前まで下げる 3と4を15回繰り返すのを1セットとし、3〜4セットおこないます。 とくに肩甲下筋を鍛えたいときは上記のトレーニングがおすすめです。 まとめ:インピンジメント症候群の改善には地道なリハビリとストレッチが重要 インピンジメント症候群は、肩の柔軟性低下や腱板機能の低下、悪い姿勢によって、正常な関節の運動ができないことで生じます。 そのため、継続的なリハビリとストレッチによって原因となっている部分を改善することが重要です。 しかし、ストレッチは柔軟性を高めるために大切ですが、肩の状態によっては根本的に治らない可能性があるため、手術療法や再生医療による積極な治療を検討しましょう。 インピンジメント症候群を早く治したい方は、ぜひ再生医療による治療をご検討ください。 \インピンジメント症候群に有効な再生医療とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いる先端医療で、炎症抑制や損傷した肩周辺の組織の再生・修復を促す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 インピンジメント症候群を早く治したい リハビリやストレッチを継続しても効果が実感できない 根本的に治療したいが、手術はできるだけ避けたい 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずはインピンジメント症候群の治療について無料相談! ▶治療方法の選択肢のひとつとして、こちらの動画も是非ご覧ください。 https://youtu.be/B4Vx0of7CsE?si=ypxnq2LyGBRckfpx ▼肩のスポーツ障害、ゴルフ肩に関して解説しています ゴルフ肩(スイングショルダー)とは?その原因と治療法 ▼インピンジメント症候群の原因や症状を解説 野球肩|インピンジメント症候群とは、その原因、症状と治療法 インピンジメント症候群に関するQA 本記事ではインピンジメント症候群に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。 インピンジメント症候群はどれくらいで治るか 再発を防止するにはどうすれば良いか インピンジメント症候群に効くツボはどこか それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。 インピンジメント症候群はどれくらいで治るか リハビリと保存療法をおこなう限り、十分に改善されるまで2カ月ほどかかります。 ただし症状が重篤な場合、さらに時間がかかるかもしれません。 また3カ月以上経っても十分な改善が見られない場合、手術などを検討します。 いずれにせよインピンジメント症候群の治療には時間がかかるため、焦らず着実にリハビリを進めるのが重要です。 再発を防止するにはどうすれば良いか インピンジメント症候群を予防するには、以下のポイントをおさえます 医師の指示のもと、投球、送球のフォームを見直す アイシングや休息を十分におこなう 入念なウォームアップやクールダウンを習慣づける 肩周りの筋肉を鍛え、剛性を保つ ストレッチを習慣づけて、柔軟性をつける 医師の指示のもと、上記の実施を目指しましょう。 また再発防止にはチームやトレーナーの協力も欠かせません。 状態を共有し、再発の要因となるトレーニングは避けるなどの配慮をおこないましょう。 インピンジメント症候群に効くツボはどこか インピンジメント症候群に効くツボとして以下が挙げられます。 肩髃(けんぐう)/肩甲骨の端、肩峰のやや前下方 肩井(けんせい)/首のつけ根と肩先の中間 肩髃や肩井を指圧すれば症状が改善する可能性があります。 しかしツボを刺激してインピンジメント症候群を治す試みは一般的ではなく、効果の程度も明確ではありません。 ツボの指圧よりも、一般的なリハビリや保存療法に集中するのを推奨します。
2023.03.24 -
- 腱板損傷・断裂
- インピンジメント症候群
- 肩関節、その他疾患
- 肩関節
- スポーツ外傷
競技や趣味にかかわらず、ゴルフをプレイしていれば「ゴルフ肩(スイングショルダー)」という症状を一度は耳にしたことがあるでしょう。また、既にゴルフ肩に悩まされている方も多いことと存じます。 そこで本記事では、ゴルフ肩(スイングショルダー)の症状や原因・治療法について当クリニックの医師が解説いたします。すでに悩まれている方、もしくは疑いのある方は、ぜひ最後までご覧ください。 また、個別の症状などについては各自で判断することなく医療機関にてご相談されることをおすすめします。 【左肩が痛む?】ゴルフ肩(スイングショルダー)とは ゴルフ肩(スイングショルダー)とは特定の病名ではなく、日常的にゴルフを行うことにより引き起こされる「肩関節周囲組織の損傷」による症状全般を指します。症状は傷害される部位によって異なりますが、肩関節から肩甲骨周囲の痛みや腕にかけての痺れなどが一般的です。 多くの場合スイングの際に前方に位置する肩に傷害が起きやすく、とく特に右利きのゴルファーの左肩が怪我をしやすいと言われています。 ゴルフ肩(スイングショルダー)に含まれる具体的な疾患名(または症候名)は以下のとおりです。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の原因 ゴルフは、クラブをスイングする際の非常に特殊な肩の動きを必要とするスポーツです。左右の肩がまった全く逆の動作をしなければならず、前方の肩はバックスイングの頂点で極端な内転姿勢になり、後方の肩は外転姿勢になるように伸ばされます。 この特殊な動作に加え、非常に重量のあるクラブを振り回し、地面の抵抗なども加わり、肩の障害を引き起こしかねません。 さらにゴルフでは、スイングを行う際にしばしば90°以上の水平および垂直の肩関節の運動を必要とします。 このような複数の動きが組み合わさることにより、肩の傷害の原因となることが指摘されています。頻繁にゴルフを行うことや長時間プレーすることも肩関節の障害のリスクと考えられています。 いずれの肩においても、「肩峰下インピンジメント」と呼ばれる病態が多くのゴルフ肩の原因となります。 ゴルフ肩の検査 ゴルフ肩(スイングショルダー)は病名ではなく一連の状況が起こす症状の総称であるため、その診断は主に症状が発生するに至った経緯と症状の部位によりなされることが一般的です。 しかし、肩関節には骨や筋肉だけでなく神経や靭帯などさまざまな組織が存在するため、これらの傷害を詳細に検討するために関節のMRIを施行するケースもあります。 より高齢のゴルファーの場合には、インピンジメントなどの徴候や関節内組織の傷害だけでなく、肩甲骨と鎖骨のつなぎ目である肩鎖関節の位置関係や形態の変化を調べるためのレントゲン検査を施行します。 また、関節超音波(エコー)検査はさまざまな体勢で施行することができるだけでなく、関節注射などの処置のガイドにもなるため施行されることがあります。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治療法 https://www.youtube.com/watch?v=kyCLmM6YdvI ゴルフ肩(スイングショルダー)は一般的に専門家によるリハビリテーションが主な治療となることが多く、提供されるリハビリプログラムは専門家によって違います。 肩関節に負担をかけない肩甲骨の運動矯正、肩関節の内外転・内外旋のバランス調整、およびスイングの矯正などゴルフに特化したリハビリテーションが含まれます。 とくにゴルフでは体幹を安定させることとスイング動作における全身運動の改善が不可欠です。一方で、関節唇損傷など、手術による治療などの特殊な治療を要する場合もありますので、まずは専門家に相談しましょう。 なお、当院でも再生医療に注目した診療を実施しているため、まずはお気軽にご相談ください。 【プロセス】ゴルフ肩の完治期間 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治療から競技への復帰は一般的に以下のようなプロセスを必要とします。 STEP1.症状の改善 運動負荷を減らし、状況に応じて消炎・鎮痛を行うなどして症状の改善に努めます。 症状が強いと協調運動に制限が出たり、リハビリテーションがうまく進まなかったりする可能性があるためまずは運動負荷を減らして症状の改善に努めます。 STEP2.筋力と柔軟性の強化 肩関節周囲の筋力と柔軟性を強化し、症状の改善だけでなく再発の予防や競技能力の向上を目指します。 競技前にウォームアップの習慣をつけることが効果的です。 STEP3.軽負荷による競技再開 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治療と並行してゴルフの動作に特化(ゴルフ復帰)したリハビリを行います。 手術などの体の負担の大きな治療を要した場合でも、3~4週間以内には患部の腕を使った片手のパッティングを開始できて、ゴルフに特化したリハビリを進められます。 また、症状やリハビリの進行状況に応じてスイングを模した簡単な体のひねり運動を行うことも可能です。 経過後は体幹と全身の協調運動の強化を徐々に再開します。 専門家の指導のもと段階的に競技負荷を強くし、2~3ヶ月目には徐々に競技への復帰を目指します。 まとめ|症状が改善しないゴルフ肩は再生医療も検討してみよう ゴルフ肩(スイングショルダー)の原因や治療について解説しました。ゴルフのスイングによる肩関節周囲組織の傷害は競技特有のものです。 リハビリテーションを含む治療には医師や理学療法士などのさまざまな職種の連携が不可欠となりますので、治療にあたっては、早期に整形外科・専門診療科に相談するようにしましょう。 また、手術を避けるための再生医療も注目されています。 注射だけの幹細胞治療を採用しており、手術や入院なしで当日帰宅が可能です。日常生活に支障をきたすことなく治療に取り組めますので、気になる方は下記のバナーより詳細をご覧ください。
2022.08.15 -
- 腱板損傷・断裂
- 肩関節、その他疾患
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肩の痛みや可動域の制限が続くと、「腱板断裂なのか、それとも五十肩なのか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。 腱板断裂と五十肩(四十肩)の違いは、肩の腱(筋肉と骨をつなぐ繊維状の組織)が損傷しているかどうかにあります。しかし、いずれも肩の痛みや可動域の制限といった共通の症状を伴うため、見た目だけでは判別できず自己判断は難しいのが現実です。適切に対処するためには、それぞれの原因や治療法の正しい理解が必要です。 この記事では、腱板断裂と五十肩(四十肩)の特徴や診断方法、治療の選択肢についてわかりやすく解説します。長引く肩の痛みにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 肩の痛みでお悩みの方や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 腱板断裂と五十肩(四十肩)の違いを原因・症状等の観点で解説 腱板断裂は肩の筋肉(腱板)が損傷・断裂する疾患であるのに対し、五十肩(四十肩)は肩関節周囲の炎症によって関節が硬くなる疾患です。 それぞれの違いを簡潔にまとめると以下です。 項目 腱板断裂 五十肩(四十肩) 名称 腱板断裂 肩関節周囲炎 原因 加齢による腱の変性、外傷、反復動作による負荷 肩関節周囲の組織の炎症 原因 肩の動作時の痛み、夜間痛、運動痛 肩の動作時の痛み、可動域の制限 可動域の制限 ある程度腕は上がる 全方向で制限される 筋力の低下 あり 二次的にあり 自然治癒 難しい 可能 腱板断裂とは 名称 腱板断裂 原因 加齢による腱の変性、外傷、反復動作による負荷 主な症状 肩の動作時の痛み、夜間痛、運動痛 可動域の制限 ある程度腕は上がるが、特定の角度で引っかかりや痛みが強くなる 筋力の低下 断裂した腱の機能が失われるため、腕を上げるなどの動作で明らかに筋力が低下する 自然治癒 自然治癒は困難で、放置すると悪化するリスクがある 腱板断裂は、肩の腱板の損傷により発症します。主な原因は加齢による腱の脆弱化に加え、転倒やスポーツによる外傷などです。腱が損傷することで肩の筋力が低下し、腕が上がりにくくなるといった可動域の制限が見られます。 腱板が完全に断裂した場合、自然治癒は非常に難しく、放置すると断裂部が拡大したり、肩関節の機能がさらに悪化したりする可能性があります。(文献1) 五十肩(四十肩)とは(肩関節周囲炎) 項目 五十肩(四十肩) 名称 肩関節周囲炎 原因 滑液包や関節包など肩関節周囲の組織の炎症 主な症状 肩の動作時の痛み、可動域の制限 可動域の制限 痛みと拘縮により肩の可動域が全方向で著しく制限される 筋力の低下 肩を動かせない結果として筋力の低下が起こる 自然治癒 時間がかかるが自然に改善していく傾向がある 五十肩(四十肩)は、肩関節周辺の組織に炎症が起こることで、肩の痛みや可動域制限が生じる疾患です。「四十肩・五十肩」は通称であり、正式な診断名は「肩関節周囲炎」です。 関節包が全体的に硬くなることで、腕を上に上げる・ひねる・背中に回すといったあらゆる方向への動作が困難になります。 自然に改善する傾向がありますが、個人差が大きく数カ月で軽快する方もいれば、2年以上症状が続くこともあります。(文献2) 【関連記事】 腕を上げると肩が痛いのは五十肩(四十肩)?原因や治し方を解説 四十肩・五十肩とは?違いは?医師が徹底解説 腱板断裂と五十肩(四十肩)の疑いがあるときにやってはいけないこと 腱板断裂と五十肩(四十肩)の疑いがあるときは、以下の動作は避けましょう。 高い位置にある荷物を持ち上げたり降ろしたりする動作 首の後ろ側で腕を動かすような姿勢 上半身の筋力を使って重い物を持ち上げる動き 肩を後ろに引いた状態で行う腕の上方向への運動 とくに注意したいのが、肩を大きく動かしたり、無理な体勢で力を入れたりする動きです。たとえば腕を頭より高く上げる動作や、後方にねじるような姿勢は、肩の可動域を超える力が加わり、損傷の悪化を招く恐れがあります。 日常生活では悪化を招く動作を無意識に行うことがあるため、肩に痛みを感じているときは、動作全体を丁寧に見直すことが重要です。 腱板断裂と五十肩(四十肩)のどちらか診断する方法 腱板断裂と五十肩(四十肩)は、いずれも肩に痛みや動かしにくさが出る疾患ですが、原因や治療法は異なります。以下では主な診断方法について解説します。 身体診察 画像診察(X線・MRI・超音波検査) 身体診察 肩の痛みや動かしにくさを感じる際、まず行われるのが身体診察です。身体診察とは、肩の可動域や、腕を上げる際の筋力、痛みの種類などを詳しく確認する診察方法です。 自力で腕を上げようとすると痛くて上がらないものの、他人が支えるとある程度腕が上がる場合は五十肩(四十肩)の可能性が考えられます。 一方で特定の方向へ腕を上げる際に明らかに筋力が低下し、腕を保持できない症状が見られると腱板断裂が疑われます。 画像診察(X線・MRI・超音波検査) 身体診察で疾患が疑われた場合、より確定的な診断のために画像診察が行われます。主な検査方法は以下の通りです。 検査項目 特徴・診断できること X線(レントゲン)検査 骨の状態を確認するのに有効。腱板断裂では、断裂が進行すると骨の変形や骨棘が見られることがあるが、五十肩では骨に異常はない場合が多い。 MRI検査 腱や筋肉など軟部組織の状態を詳細に映し出す。腱板断裂の有無、大きさ、損傷度を正確に診断し、五十肩と鑑別するのに最も有効。 超音波(エコー)検査 リアルタイムで腱の動きや断裂を簡便に確認可能。腱の炎症や水腫も把握でき、初期診断や経過観察に適している。 これらの画像検査結果を総合的に判断して腱板断裂か五十肩(四十肩)かを診断し、適切な治療方針を決定します。 腱板断裂と五十肩(四十肩)の治療方法 腱板断裂と五十肩(四十肩)は、原因や重症度によって治療法が異なります。ここでは、代表的な保存療法と手術療法について詳しく解説します。 保存療法 手術療法 保存療法 腱板断裂や五十肩(四十肩)の治療は、症状が軽度な場合や日常生活に大きな支障がない場合には、保存療法が第一選択となります。炎症の抑制や可動域の改善を目的として、以下のような療法が用いられます。 消炎鎮痛薬の内服・湿布 注射治療(ヒアルロン酸、ステロイド) 温熱療法や電気治療 リハビリテーション(可動域訓練・筋力強化) 保存療法は五十肩の自然治癒が見込まれるケースや、腱板断裂が小さく筋力の低下が軽微な場合に有効です。 手術療法 保存療法で十分な効果が得られない場合や、症状が重度で日常生活に著しい支障をきたす場合には、手術療法が検討されます。 とくに腱板断裂では、断裂の大きさや筋肉の変性の有無などにより手術適応が判断されます。 術式名 特徴・内容 鏡視下腱板修復術 小さな切開を伴う内視鏡手術。断裂した腱板をもとの位置に縫い付ける。回復が早く、合併症のリスクが少ない。 腱板移植術 広範囲の腱板断裂で縫合が難しい場合に、他部位の筋膜を移植して補強する手術。 リバース型人工関節置換術 重度の腱板断裂によって肩の安定性が失われている場合に、人工関節で可動性と機能を回復する手術。 五十肩(四十肩)では、強い癒着や拘縮が残り保存療法で改善が見られない場合に限り、関節包を切り離す手術が行われることもありますが、そのケースは非常に稀です。 腱板断裂と五十肩(四十肩)の予後と回復期間 腱板断裂と五十肩(四十肩)は、予後や回復期間にも違いがあります。 五十肩は自然治癒が期待でき、保存療法で数カ月〜1年程度で改善するケースが多いのに対し、腱板断裂は損傷の程度や治療内容によって回復期間が大きく異なります。 以下の表で主な違いをまとめました。 項目 腱板断裂 五十肩(四十肩) 予後 断裂が残ると筋力低下や痛みが残る場合がある 多くは自然に治癒する 回復期間 保存療法:数カ月〜(断裂は残存) 手術療法:数カ月〜1年程度 保存療法:数カ月〜1年程度 五十肩(四十肩)では、最終的に症状が改善するケースが多く見られます。一方腱板断裂の場合、断裂の度合いに応じた治療選択が、その後の肩の状態を左右する重要なポイントとなります。 腱板断裂や五十肩の症状や後遺症にお悩みなら再生医療もご検討ください 腱板断裂や五十肩の症状が長引いている、または回復に不安を感じている方は、新たな選択肢として再生医療も検討してみてください。 再生医療は、患者様自身の脂肪から取り出した幹細胞や血液を利用する治療法で、手術や入院を必要としないのが特徴です。 当院「リペアセルクリニック」では再生医療に精通した医師が、患者様の状態に応じて個別に治療方針をご提案いたします。再生医療について詳しくは、以下をご覧ください。 腱板断裂と五十肩(四十肩)の違いを理解して適切に対処しましょう 腱板断裂と五十肩(四十肩)は、似たような肩の痛みを伴いますが、原因や症状、治療法が大きく異なるため、正確な診断と適切な対処が重要です。安易に自己判断せず、専門医による身体診察や画像診断を通じて自身の症状の正しい把握から始めましょう。 症状が長引いたり、改善が見られなかったりする場合には、再生医療の選択肢もあります。当院「リペアセルクリニック」では、再生医療に関する専門的な知識と経験をもとに、患者様の状態に応じた個別の治療プランをご提案いたします。 長引く肩の痛みや機能の低下でお悩みの方は、お気軽にリペアセルクリニックへご相談ください。 (文献1) 腱板断裂(けんばんだんれつ)|独立行政法人国立病院機構 霞ヶ浦医療センター (文献2) 五十肩(ごじゅうかた)|独立行政法人国立病院機構 霞ヶ浦医療センター
2022.06.10 -
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ある日突然起こった、肩の激痛に悩んでいませんか。また、「なぜ自分がこのような痛みに襲われたのか」「この辛さはいつまで続くのか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。 突発的な肩の痛みは、「石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)」の可能性があります。 石灰沈着性腱板炎は、肩の腱板にカルシウムが沈着することで激しい痛みを引き起こす疾患です。40〜50代の女性に多く見られ、夜間の激痛や肩の動かしにくさに悩まされる方も少なくありません。 本記事では、石灰沈着性腱板炎の原因やメカニズム、症状について詳しく解説します。また、石灰沈着性腱板炎の治療法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 肩の痛みについて気になることがある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 石灰沈着性腱板炎とは 石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)は、肩の腱板内にリン酸カルシウム結晶が沈着し、炎症を引き起こすことで激痛が生じる疾患です。(文献1) 石灰沈着性腱板炎は40〜50代の女性に多く見られる傾向があります。 「五十肩(肩関節周囲炎)」と症状が似ていますが、別の病気です。石灰沈着性腱板炎はより激しい痛みを特徴とし、突発的に発症するケースが多いです。 石灰の沈着は体のさまざまな部位で起こることがありますが、肩の腱板に生じた場合は「石灰沈着性腱板炎」と呼ばれます。 石灰沈着性腱板炎の原因|石灰ができる理由とメカニズム 石灰沈着性腱板炎の原因は単一ではなく、複合的な要因が関係していると考えられています。 ここでは、石灰沈着性腱板炎の原因やメカニズムについて、以下の順序で体系的に解説します。 石灰沈着性腱板炎の原因は「不明」とされている 加齢による腱の変性が関係している可能性 肩の酷使や血行不良との関連性 体質・遺伝・代謝異常の影響 石灰沈着から痛みが起こるメカニズム 石灰沈着性腱板炎の原因は「不明」とされている 現状の医学的見解として、石灰沈着性腱板炎の原因ははっきりと解明されていません。なぜ特定の人にだけ石灰が沈着するのか、明確な答えは出ていないのが現状です。(文献2) 疫学的な傾向としては、40〜50代の女性に多いことや、糖尿病との関連性が指摘されていますが、いずれも現時点ではっきりとした裏付けはありません。 ただし、一般的には「加齢」や「肩の酷使」など、いくつかの要因が関係していると考えられています。 次項からは、一般的に言及されている「主な要因」を解説します。 加齢による腱の変性が関係している可能性 石灰沈着性腱板炎の発症には、加齢に伴う腱板の変化が関与している可能性があると考えられています。 加齢とともに腱板周囲の血流が低下すると、酸素や栄養が届きにくくなり、古くなった組織の入れ替えや、日常動作で生じる小さなダメージの修復が進みにくくなります。 このような変化が起こると、石灰が沈着しやすい環境が生じる可能性があるのです。 また、石灰沈着性腱板炎は40〜50代の女性に多いことが疫学的に報告されており、閉経に伴うエストロゲンなどの女性ホルモンバランスの変化が、腱の代謝や修復過程に影響を与えている可能性も示唆されています。 女性ホルモンの分泌量が低下すると、組織の柔軟性や修復力に変化が生じることが知られており、こうした変化が「石灰沈着の起こりやすさに関与しているのではないか」と考えられています。 肩の酷使や血行不良との関連性 石灰沈着性腱板炎の発症には、肩の酷使や腱板周囲の血行不良が関与している可能性が指摘されています。 腱板は血流が比較的乏しい組織です。長時間の同じ姿勢や、肩に負担のかかる動作の繰り返しで、組織への酸素や栄養の供給が不足しやすくなります。 血流が低下すると、腱板組織の代謝や修復機能が十分に働かず、低酸素状態から石灰が沈着しやすい環境が生まれると考えられています。 また、デスクワークによる猫背姿勢や、腕を高く上げる動作(オーバーヘッド動作)を繰り返すと、腱板に対する負担となります。 こうした慢性的な負荷が組織の微細な損傷を引き起こし、結果として石灰沈着が起こりやすくなる可能性が示唆されています。 体質・遺伝・代謝異常の影響 石灰沈着性腱板炎は、体質や遺伝的な要因、体内の代謝の違いが関係している可能性も指摘されています。 とくに、糖尿病や甲状腺の病気などの内分泌疾患がある方は、石灰沈着がみられる割合が高いとする報告があります。(文献2) また、とくに思い当たる原因がないのに発症した場合、生まれつきの体質や遺伝的な素因が関与している可能性も否定できません。 ある研究では、糖尿病のある人は、糖尿病のない人と比べて、肩に石灰沈着がみられる割合が高いことが報告されています。(文献3) ただし、これらはいずれも発症に関わる可能性が示唆されている要因であり、遺伝や代謝異常だけで発症が決まるわけではありません。 石灰沈着から痛みが起こるメカニズム 石灰沈着性腱板炎の痛みは、石灰が沈着・変化していく過程と深く関係しています。 石灰沈着は一般的に、以下の段階を経て進行すると考えられています。 段階 石灰の状態 主な特徴 痛みの出やすさ 形成期 ミルク状〜やや硬い状態 腱板内に石灰が沈着し始める ほとんどないことが多い 静止期 練り歯磨き状〜石膏状 石灰の大きさが安定し、変化が少ない 軽い痛み、または無症状 吸収期 柔らかく崩れやすい状態 体が石灰を異物として認識し、吸収が始まる 強い痛みが出やすい 修復期 石灰が消失・減少 炎症が落ち着き、腱の修復が進む 痛みは徐々に軽減 (文献2) なお、石灰沈着性腱板炎の特徴として、強い痛みが生じやすいのは「吸収期」です。 吸収期には、体が沈着した石灰を異物として認識し、免疫反応によって石灰を分解・吸収しようとします。この過程で炎症反応が強く起こり、炎症性物質が放出されるため、突然の激しい肩の痛みや夜間痛が生じると考えられています。 石灰沈着性腱板炎の原因になり得る食べ物はある? 現時点の医学的知見では、特定の食べ物が石灰沈着性腱板炎の直接的な原因になるという証拠はありません。 よくある誤解として、「カルシウムを多く摂ると肩に石灰が沈着するのではないか」という心配がありますが、食事から摂取したカルシウムはそのまま腱板に沈着するわけではありません。 一方で、間接的な影響として注意すべき点もあります。 糖尿病や脂質異常症などの代謝性疾患がある場合、石灰沈着性腱板炎の発症リスクが高まる可能性が示唆されています。そのため、高カロリー・高糖質な食事を過剰に続けると、結果的にリスクにつながる可能性も否定できません。 また、水分不足にも注意が必要です。適切な水分補給は血流や代謝を保つ上で欠かせず、脱水状態が続くと、腱板への栄養供給に影響を及ぼす可能性があります。 石灰沈着性腱板炎の予防や全身の健康維持のためにも、バランスの取れた食事と十分な水分摂取を心がけましょう。 石灰沈着性腱板炎の症状|痛みはいつまで続く? 石灰沈着性腱板炎の主な症状は、突然起こる肩の強い痛みです。とくに夜間や安静時に痛みが出やすく、痛みで眠れなくなることもあります。 痛みの強さや続く期間は、発症からの時期によって異なります。 時期 目安となる期間 症状・痛みの特徴 急性期 数日〜数週間 ・突然の激しい痛み ・安静にしていても痛む 亜急性期 数週間〜数カ月 ・痛みが徐々に軽減 ・動かしたときに違和感が残る 慢性期 6カ月以降 ・動作時の鈍い痛み ・腕を上げる、後ろに回す動作がつらい 多くの場合、強い痛みは数週間で落ち着き、その後は動作時の痛みや違和感が続く傾向があります。 ただし、痛みの持続期間や程度には個人差があるため、強い痛みが続く場合は医療機関を受診しましょう。 石灰沈着性腱板炎の治療法 石灰沈着性腱板炎は多くの場合、主に以下4つの治療法が用いられます。 薬物療法 理学療法(リハビリ) 注射療法 手術療法 ここからは、石灰沈着性腱板炎の治療法について解説していきます。 薬物療法 石灰沈着性腱板炎の薬物療法では、炎症や痛みの緩和を目的に、以下の薬を処方します。 薬ごとの種類や特徴は以下のとおりです。 薬の種類 詳細 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) ・薬物療法の第一選択肢 ・炎症を抑え痛みを和らげる効果が期待できる ・ロキソニンやボルタレン、湿布などが該当する ・痛みが軽度なら内服薬、重い場合は外用薬が適用されるケースが多い 鎮痛剤 非ステロイド性抗炎症薬は、痛みがある場合に処方される ステロイド薬 ・炎症を抑える強めの薬 ・肩への局所麻酔するケースもある ・長期使用は腱を弱める可能性があるため要注意 理学療法(リハビリ) 薬物療法で痛みに十分対処した後、中等度または重度の症例では、可動域を回復させるために理学療法(リハビリ)を行います。 リハビリの種類 詳細 ストレッチ ・肩の可動をスムーズにするため実施 ・実施しないと肩の動きの制限や痛みが発生しやすい 筋肉トレーニング ・肩周辺の関節や筋肉強化が目的 ・関節の安定につながり再発予防が期待できる 運動療法 ・ボールやタオル、ゴムバンドなどを使った運動 ・日常生活の動作をスムーズにさせるために実施 手術をしない場合は、肩の動きを回復するための穏やかなリハビリを行います。具体的には、振り子のように腕をわずかに振るリハビリがよく行われます。 石灰沈着性腱板炎のリハビリについては、以下の記事で具体的な方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。 注射療法 石灰沈着性腱板炎の注射療法は、薬物療法や理学療法で改善されなかった場合に検討される治療法です。直接肩へ注射する治療法のため、高い効果が期待できる反面、長期的な使用には注意が必要です。 注射の種類 詳細 ステロイド注射 ・痛みに対する強めの薬 ・即効性はあるがステロイド薬同様、長期使用する上で注意が必要 ヒアルロン酸注射 ・肩の関節の可動域をスムーズにしたいケースで行う なお、局所への注射だけでなく、急性期にミルク状のリン酸カルシウムを吸引するケースもあります。肩に局所麻酔を施した後に腱板まで針を刺し、固まる前のリン酸カルシウムを手動で吸引し、除去できます。 針を正しい位置に誘導するために、超音波で確認しながら行うケースもある治療法です。 手術療法 薬物療法や理学療法などで石灰沈着性腱板炎の改善が見られない場合は、手術療法が検討されます。とくに、慢性期で日常生活に支障をきたすほどの痛みが続いている方は、手術が必要です。 石灰沈着性腱板炎の手術では、関節鏡手術(小さなカメラを関節内に入れて行う手術)を実施します。身体への負担が比較的少なく、術後1週間程度で日常生活の基本動作が可能になるケースが多いです。 ただし、完全な回復にはリハビリが必要であり、痛みの程度や回復力には個人差があるため、3カ月以上かかる場合もあります。 手術も再発も避けたい方へ「再生医療」という選択肢 再生医療は、手術を伴わない治療法として選択する患者様もいます。 保存療法や薬物療法で改善が見られない場合は手術が必要になることもあり、手術跡や身体への負担を気にされる方も少なくありません。 一方、石灰沈着性腱板炎の再生医療においては、患者様自身の脂肪由来の幹細胞を用いて、組織の修復を促す治療を行います。手術のように大きな切開を必要としないため、体への負担が比較的少ない点が特徴です。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 肩の痛みについて気になることがある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 まとめ|石灰沈着性腱板炎の原因を把握して適切な治療を受けよう 本記事では、石灰沈着性腱板炎の症状や原因、治療法などを解説しました。 石灰沈着性腱板炎は腱板断裂や五十肩とも症状が似ているため、十分に認識されていない方もいます。 「肩の痛みがなかなか治らない」「肩の痛みの原因を知りたい」など、肩の痛みにお悩みの方は、無理をせず医療機関を受診しましょう。 治療法としては、薬物療法や手術の他に再生医療という選択肢もあります。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報の提供や簡易オンライン診断を行っております。肩の痛みでお悩みの方は、ぜひご登録ください。 石灰沈着性腱板炎に関するよくある質問 石灰沈着性腱板炎がコーヒーと関係するのは本当? 石灰沈着性腱板炎とコーヒーは、直接的な因果関係について証明されているわけではありません。 しかし、不規則な食生活が間接的に石灰沈着性腱板炎の原因になり得る可能性も示唆されています。 過剰摂取は避けましょう。 石灰沈着性腱板炎になった場合は仕事を休むべき? 石灰沈着性腱板炎になった場合に、激しい痛みが伴うのであれば仕事を休むのがおすすめです。 とくに、肩を使う動きの多い肉体労働をしている方は、症状を悪化させてしまう可能性があるため注意してください。 また、治療法や個人の回復力にもよりますが、2〜3カ月の休業が伴うケースがあります。 長期休業になるため、医師の診断書をもとに休業補償を受けられるか、会社に確認しておきましょう。 石灰沈着性腱板炎はどのくらいで治る? 石灰沈着性腱板炎は多くの場合、薬物療法で改善します。 ただし、薬物療法や注射療法を実施して、約3カ月で改善する方もいれば、4年経過しても痛みが残ったケースもあります。(文献4) なかには、痛み止めの内服により2週間程度で改善される方もいるため、治療期間は人によって異なると把握しておきましょう。 参考文献 (文献1) 「石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎)」|日本整形外科学会 (文献2) Calcific Tendinitis of the Rotator Cuff: A Review|J Clin Diagn Res. (文献3) Increased risk of shoulder calcific tendinopathy in diabetes mellitus: A nationwide, population-based, matched cohort study|Int J Clin Pract (文献4) Calcifying subacromial syndrome--clinical and ultrasound outcome of non-surgical therapy|Z Orthop Ihre Grenzgeb
2022.06.06 -
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腕を上げたときに肩が痛む原因は、五十肩(四十肩)だけではありません。 肩腱板損傷やインピンジメント症候群など、さまざまな疾患が関係している可能性があります。 しかし、その中でも特に中高年層に多く見られ、日常生活に影響を与えるのが五十肩(四十肩)です。 本記事では、腕を上げると肩が痛くなる原因のうち、特に五十肩に焦点を当て、症状の進行段階や治療方法について詳しく解説していきます。 適切なケアを知り、症状の改善を目指しましょう。 腕を上げると肩が痛い原因 腕を上げたときに肩が痛む原因には、大きく3つの疾患が考えられます。 「肩腱板損傷」「インピンジメント症候群」「五十肩(四十肩)」の3つです。 いずれも肩関節の構造や使い方に関連しており、特に加齢や繰り返しの動作によって発症しやすい特徴があります。 肩腱板損傷 肩腱板とは、肩のインナーマッスルである「棘上筋」「棘下筋」「小円筋」「肩甲下筋」の4つの筋肉で構成される組織のことです。 これらの筋肉が肩関節を安定させ、スムーズな動きを可能にしています。 しかし、加齢やスポーツ、重いものを持つ動作の繰り返しによって肩腱板が損傷すると、腕を上げる際に痛みを感じるようになります。 特に、「腕を上げようとすると肩の奥にズキッとした痛みが走る」「腕を動かすときに引っかかる感じがする」といった症状が特徴的です。 初期段階では痛みが軽度でも、進行すると夜寝ている間に肩が痛んだり腕が上がらなくなることもあります。 肩腱板損傷について詳しくは、以下の記事もご覧ください。 インピンジメント症候群 インピンジメント症候群は、肩を上げる動作を繰り返すことで、肩の骨(肩峰)と腱板・滑液包が衝突し、炎症を起こす疾患です。 スポーツや仕事で頻繁に腕を使う人に多く発症しますが、加齢によって肩関節周囲の筋肉や腱が弱くなったり、摩耗したりすることで発症するケースもあります。 特に、40代以降では肩のクッションの役割を果たす滑液包がすり減りやすくなるため、インピンジメント症候群を引き起こすリスクが高まります。 「肩を上げると痛みが出る」「肩がゴリゴリ鳴る」「ある角度で痛みが強くなる」といった症状がある場合は、早めに対処することが重要です。 放置すると肩の可動域が狭くなり、五十肩と同じように動かしづらくなることもあります。 インピンジメント症候群について詳しくは、以下の記事もご覧ください。 五十肩(四十肩) 五十肩(四十肩)は、肩関節の周りに炎症が起こり、腕を上げる動作や後ろに回す動作が痛みで制限される疾患です。 主に40代〜50代以降の人に発症しやすいことから、このように呼ばれています。 「腕を上げると肩が痛い」「一定の角度以上に腕が上がらない」「夜間痛がひどく、眠れないことがある」といった症状が特徴的です。 発症の原因は明確には分かっていませんが、加齢に伴う関節や腱の変性、炎症が関与していると考えられています。 次の章では、五十肩がなぜ痛みを引き起こすのか、詳しく解説していきます。 五十肩(四十肩)の正式名称である「肩関節周囲炎」は腕を上げるとなぜ痛い? 五十肩(四十肩)は、正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、肩の関節を構成する組織(腱板、関節包、靭帯など)に炎症が起こることで発症します。 腕を上げたときに痛みを感じるのは、関節の可動域が制限されたり、炎症によって肩の動きがスムーズにいかなくなったりするためです。 一般的に五十肩(四十肩)は、「肩関節周囲炎」と言われることが多いのですが、詳細には以下も含まれます。 五十肩(四十肩)の正式な病名 病名 影響を受ける部位 症状 肩関節周囲炎 肩関節の周囲全体 肩関節周囲の炎症により痛みや可動域制限が起こる 腱板炎 腱板(肩のインナーマッスル) 腱板が炎症を起こし、腕を上げると痛みを感じる 上腕二頭筋長頭腱炎 上腕二頭筋の腱 腕を前に上げたり、ものを持ち上げると痛みが走る 腱板疎部炎 肩前方の腱板疎部 肩を回す動きで痛みが強くなる 五十肩(四十肩)の原因|加齢による変化と炎症の関係 五十肩(四十肩)の主な原因は、加齢による肩関節周囲の組織の変性(劣化)と考えられています。 年齢を重ねるにつれて、関節を構成する腱板や靭帯、関節包が硬くなり、炎症を起こしやすくなるためです。 具体的には、以下のような変化が五十肩の発症に影響しています。 関節包の硬化:肩関節を包む関節包が加齢とともに弾力を失い、動かすと痛みを感じるようになる。 血流の低下:加齢により肩周囲の血流が悪くなり、修復能力が低下し、炎症が長引きやすい。 腱板の変性:腱板のコラーゲン繊維がもろくなり、小さな負荷でも炎症が起こりやすくなる。 また、普段から肩を動かす機会が少ないと、関節の柔軟性が低下しやすく、五十肩のリスクが高まることも分かっています。 そのため、肩を適度に動かし、柔軟性を維持することが予防にもつながります。 以下の記事も参考にしてください。 五十肩(四十肩)の症状を3段階のステップごとに解説 五十肩(四十肩)は「炎症期」「拘縮期」「回復期」の3段階で症状が変動していくと考えられており、最初は強い炎症に伴う痛み症状を認めたのちに肩関節の拘縮症状が引き起こされ、次第にその拘縮具合も軽快していくとされています。 それぞれの段階で症状が異なり、適切な対処法を知ることが早期回復のポイントになります。 炎症期(初期) 炎症期は、五十肩の最初の段階で、強い痛みが特徴です。 期間:約2週間〜数ヶ月(個人差あり) 主な症状 痛みが強くなる(特に夜間に激しくなる) 動かすと鋭い痛みが走る(特に腕を上げる・後ろに回す動作) 安静時にもズキズキ痛むことがある 対処法 肩の安静を保つ(無理に動かさない) 痛みを和らげるために消炎鎮痛剤を使用(湿布や飲み薬) アイシング(冷やす)や温めるケアを行う(炎症が強い場合は冷やす) 夜間痛がひどい場合は医師に相談し、痛み止めや注射を検討 拘縮期(中期) 炎症が落ち着くものの、肩の動きが極端に制限される時期です。 期間:約数ヶ月〜1年 主な症状 痛みは減るが、可動域が狭くなる 肩が固まり、動かしづらい 腕を上げたり、背中に手を回す動作が困難 日常生活に支障が出る(服の着脱、髪を結ぶなど) 対処法 無理のない範囲でストレッチ(可動域を広げるため) リハビリを始める(痛みが少ない範囲で軽い運動) 肩を温めることで血流を促進し、回復をサポート 回復期(後期) 肩の動きが少しずつ回復し、日常生活が楽になる時期です。 期間:約半年〜1年以上(症状の程度による) 主な症状 痛みはほとんどなくなる 可動域が広がり、肩の動きが回復 腕を上げたり、後ろに回す動作がスムーズになる 対処法 積極的にストレッチやリハビリを行う 日常生活の動作の中で肩を意識的に動かす 軽い筋力トレーニングで再発予防をする 五十肩(四十肩)おすすめの治療方法 五十肩(四十肩)は放置しても自然に回復することが多いですが、症状が長引いたり、生活に支障をきたすこともあります。 痛みや可動域の制限を改善し、スムーズな回復を促すためには、薬物療法・リハビリ・ストレッチ・手術など、症状に合わせた治療が重要です。 薬物療法|痛みを和らげるための鎮痛剤や注射治療 肩関節部の強い痛みによって夜も眠れない、ほとんど肩を動かせない状態と判断された場合には、その強い炎症を鎮めるために消炎鎮痛剤などの薬物を服用することをおすすめすることになります。 具体的には、炎症を抑える作用があるステロイドを主に肩関節内に関節注射として投与する、あるいは副作用がそれほど強くない非ステロイド系の消炎鎮痛剤を飲み薬として投薬することが多いです。 リハビリ・ストレッチ|肩の可動域を広げるトレーニング 肩の炎症がある程度治まり、痛みが和らいできた段階では、可動域の制限が残ることがあります。 このようなときには、硬くなった肩の動きを改善するために、ストレッチや運動療法(リハビリ)が必要です。 おすすめのリハビリ・ストレッチ 振り子運動 肩にかかる負担を最小限にしつつ、滑らかな動きを促す基本的な体操。 方法:痛みのない方の手で机などに体を支え、上半身を前に傾けます。痛む側の腕を自然に垂らし、前後・左右にゆっくりと揺らすように動かします。 テーブルスライド 肩を前方に伸ばす可動域を広げるストレッチ。 方法:椅子に座ってテーブルに両手を置き、腕を伸ばした状態で前に滑らせながら、上半身を倒します。肩の前面が伸びているのを意識しましょう。 クロスボディストレッチ 肩の後ろ側の柔軟性を高める運動。 方法:立ったまま、痛みのある腕を反対側の肩方向へ横に伸ばします。もう片方の手で肘を軽く押さえながら、胸に近づけるように引き寄せます。 手術|関節鏡手術の適応とは? リハビリや薬物療法を続けても、肩の動きが十分に回復せず、慢性的な痛みが解消しない場合には、「関節鏡下授動術」という手術が選択肢に入ります。 この手術では、関節内部をカメラで確認しながら、癒着して硬くなった関節包を電気メスなどで丁寧に剥離します。 肩の可動域が悪くなる原因のひとつは、炎症によって関節包が厚く固まることです。 この癒着を解除することで、術後には肩の動きが大きく改善することが期待できます。 まとめ|五十肩は適切な治療とリハビリで改善できる! 五十肩(四十肩)は、加齢や肩関節の組織に起こる炎症が原因となり、腕を動かす際に痛みが出たり、動かしづらくなることがあります。 とくに腕を上げる、肩を水平に保つといった動きが難しくなり、洗濯物を干す動作や、背中のファスナーを閉めるといった日常の動作に支障が出るケースも多いです。 ただし、早期に医療機関を受診し、炎症を抑える治療や可動域を広げるリハビリを続けることで、徐々に痛みが和らぎ、日常生活の動作が楽になる人も多くいます。 肩の動きに違和感や痛みを感じたときは、放置せず、悪化を防ぐためにも早めの対応が大切です。 五十肩(四十肩)の治療方法には、再生医療という選択肢もあります。 再生医療について詳しくは、以下をご覧ください。
2022.05.25 -
- 腱板損傷・断裂
- インピンジメント症候群
- 肩関節、その他疾患
- 肩関節
「肩こりだと思っていたのに、なかなか治らない」「これって何かの病気?」といった肩の悩みに不安を感じていませんか? 肩の痛みは、筋肉の疲労や姿勢のくずれ、加齢などが原因となることが多い一方で、内臓の病気やがんなど、見逃してはならない病気のサインとして現れる場合があります。 とくに、痛みが数週間続く、夜間や安静時に強まる、しびれや体重減少をともなう症状があるなら注意が必要です。 本記事では、肩の痛みに関係する病気や、見逃しやすい症状の特徴、受診の目安についてわかりやすく解説します。 肩の違和感に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。 \肩の痛みの根本改善を目指す「再生医療」とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を向上させることで、肩の痛みの原因となっている腱板・組織の再生・修復を促す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 肩の痛みを根本的に治療したい 薬物療法やリハビリを続けているが改善がみられない 手術は避けたいが、このまま放置するのも不安 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院(リペアセルクリニック)では、肩の痛みに対する再生医療について無料カウンセリングを実施しておりますので、痛みに悩まされている方は一度ご相談ください。 まずは肩の治療について無料相談! 肩の痛みは重大な病気のサインかも 肩の痛みは、単なる筋肉の疲労や姿勢の悪さが原因と思われがちですが、重大な病気のサインかもしれません。 ここでは、左右の肩に分けて注意すべき病気について解説します。 左肩だけ痛い場合の病気 左肩だけに痛みやこりが続くときは、単なる筋肉の疲れだけでなく、内臓や心臓の病気が関係している可能性があります。 とくに、心臓の異常による痛みは左肩や左腕にも広がることがあり、狭心症や心筋梗塞では胸の痛みと一緒に痛みを感じるケースがあるのです。 また、胃や膵臓などの病気でも、背中から左肩にかけて痛みが広がる関連痛として現れることがあります。 右肩だけ痛い場合の病気 右肩だけに痛みがある場合、肩や首まわりの筋肉や関節に原因がある可能性があります。 とくに、首の骨や椎間板が変化して神経を刺激すると、肩を動かすよりも首を動かしたときに痛みが強まることがあり、変形性頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなどが代表的な疾患です。 一方で、首や肩を動かしても痛みが変わらず、じっとしていても痛みが続くような場合は、内臓の病気が関係している可能性もあります。 たとえば、胆のう炎や胆石症などの胆のうの病気、肺炎・肺がん・気胸といった肺の病気では、右肩に関連痛として現れるケースがあるのです。 肩の痛みの原因として疑われる病気・ケガ 肩の痛みは、「単なる肩こり」として片付けられがちですが、実は深刻な病気が隠れている可能性もあります。 とくに、痛みが長引く、夜間痛がある、腕の動きに制限が出る場合は注意が必要です。 ここでは、肩の痛みの原因として疑われる病気やケガについて、原因・検査・治療の観点から詳しく解説します。 いわゆる五十肩の「肩関節周囲炎」 肩関節周囲炎は、一般に「四十肩」「五十肩」と呼ばれ、肩の関節やその周囲の組織に炎症が起こることで痛みや動きの制限が出る病気です。 とくに、40~50代以降に多く見られ、肩を動かすたびにズキッとした痛みが走ったり、腕を上げにくくなったりします。 原因 ・加齢による組織の変化 ・過度な肩の使用 ・長期間の不動 ・糖尿病などの基礎疾患 検査 ・問診・身体診察 ・X線 ・超音波検査 ・MRI検査 治療 ・消炎鎮痛剤やステロイド注射 ・ストレッチや運動療法 ・温熱療法や理学療法 肩関節周囲炎は、明確な原因を特定できないことも多いですが、加齢や肩の使いすぎ、糖尿病などが背景にあるケースが少なくありません。 治療は手術を伴わない保存療法が中心で、痛みをコントロールしつつ、可動域を回復させるリハビリが重要です。 五十肩(四十肩)の原因や治し方については、以下の記事も参考にしてみてください。 肩が上がらなくなる「肩峰下インピンジメント症候群」 肩峰下インピンジメント症候群は、肩を動かしたときに腱板(けんばん)や肩峰下滑液包(かつえきほう)が肩峰(けんぽう)とぶつかり、炎症や痛みが生じる病気です。 とくに、腕を横から持ち上げていく途中の角度で痛みが強くなりやすく、スポーツや家事・仕事など、日常生活の動作に支障をきたす恐れがあります。 原因 ・肩の使いすぎ ・筋力低下や肩関節の不安定性 ・加齢による腱板の弱化・肩峰の形状異常 検査 ・問診・視診 ・Neerテスト ・Hawkinsテスト ・X線検査 ・超音波・MRI検査 治療 ・安静と負担軽減・消炎鎮痛剤や外用薬 ・ストレッチと筋力強化のリハビリ ・ステロイド注射・関節鏡手術 治療は基本的に保存療法から始め、痛みの強さや回復状況に応じてリハビリや注射、さらには関節鏡手術が選択されるケースがあります。 適切な運動と肩のケアによって、症状の改善と再発予防を目指すことが重要です。 右肩に好発する「腱板断裂」 腱板断裂(けんばんだんれつ)は、肩関節を支えている筋肉の腱(腱板)が部分的、あるいは完全に切れてしまう病気です。 とくに中高年に多くみられ、肩の痛みや腕が上げにくくなる症状が現れます。 放置すると肩の機能が低下し、日常生活の動作に大きな支障をきたす場合もあるため注意が必要です。 原因 ・加齢による腱板の変性 ・肩の使いすぎによる摩耗 ・転倒や強い外力による損傷 ・重い物を持ち上げたときの過負荷 検査 ・ドロップアームテスト ・ペインフルアークサイン ・X線検査 ・超音波検査 ・MRI検査 治療 ・保存療法(安静と痛みの管理・リハビリなど) ・手術療法(腱板修復術・人工関節置換術など) 腱板断裂の主な原因は、加齢による腱板の劣化と、スポーツや事故による外傷です。 診断では、問診と視診に加え、断裂の有無や程度を正確に評価するための画像検査が欠かせません。 治療は断裂の状態や年齢、日常生活の負担を考慮して選択され、軽症では保存療法、重症では関節鏡手術などが検討されます。 腱板が再断裂する原因や治療方法については、以下の記事で詳しく解説しています。 40〜50歳代の女性に多い「石灰沈着性腱板炎」 石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)は、肩の腱板にリン酸カルシウム(石灰)が沈着し、炎症を起こして強い痛みを生じる病気です。 40〜50代の女性に多くみられ、夜間に突然、肩が動かせないほどの激しい痛みが出る場合があります。 原因 ・腱板の血流低下による石灰化 ・肩の使いすぎによる負担 ・体質 ・遺伝的要因 検査 ・問診・身体診察 ・X線検査 ・超音波検査 ・MRI 治療 ・保存療法(安静・ステロイド注射など) ・手術療法(超音波ガイド下洗浄療法・関節鏡視下手術) 画像検査で石灰の存在や位置を確認してから、まずは保存療法で炎症を抑制します。 改善が見られない重症例では、洗浄療法や関節鏡による石灰の除去が必要になるケースもあります。 肩甲骨の内側縁が浮き上がる「翼状肩甲骨(翼状肩甲)」 翼状肩甲骨(よくじょうけんこうこつ)は、肩甲骨が本来の位置にうまく固定されず、背中側へ浮き上がるように突出している状態です。 後ろから見ると、肩甲骨が翼のように浮き出て見えることから名づけられています。 肩や腕が動かしにくくなったり、痛みが出たり、力が入りにくくなったりするのが特徴です。 原因 ・長胸神経、副神経、肩甲背神経の麻痺 ・筋力低下や筋萎縮 ・手術や外傷後の影響 検査 ・視診・触診 ・壁押しテスト ・筋力評価、筋電図 ・MRI、超音波検査 治療 ・保存療法(リハビリ・電気刺激療法など) ・手術療法(神経移行術・肩甲骨固定術など) 翼状肩甲骨の原因は、主に神経の麻痺による筋力の低下です。 軽症の場合はリハビリ中心の保存療法が行われますが、重症では手術が検討されます。 肩関節に脱臼癖がついた「反復性肩関節脱臼」 反復性肩関節脱臼(はんぷくせいけんかんせつだっきゅう)は、一度肩関節が脱臼したあとに、軽い衝撃や日常の何気ない動作でも、繰り返し脱臼してしまう状態を指します。 とくに、若い世代のスポーツ選手に多く、肩の「外れそうな感じ」といった不安定感や痛みを伴うのが特徴です。 原因 ・初回脱臼による関節唇の損傷 ・スポーツや転倒による外傷 ・関節弛緩性や骨の形態異常 ・肩周囲の筋力不足 検査 ・問診・不安試験 ・X線検査 ・MRI ・CT 治療 ・保存療法(筋力強化のリハビリ・装具による関節保護など) ・手術療法(バンカート修復術・ラタジェ手術など) 反復性肩関節脱臼は、最初の脱臼で関節唇や靱帯が損傷することで、肩の安定性が損なわれて再発しやすくなります。 軽症の場合は保存療法を優先しますが、脱臼を繰り返す場合には、関節の安定性を回復させる手術が必要です。 肩の痛みとがんの関係性 肩の痛みは、肩関節や筋肉・腱のトラブルが主な原因ですが、「がん」が関わっているケースもあります。 がんは周囲の組織を壊しながら進行する性質があり、その過程で痛みが生じる場合があるのです。 肩に近い骨や脊髄にがんができた場合だけでなく、肺や肝臓、すい臓など横隔膜周囲の内臓にがんが生じたときにも、関連痛として肩の痛みが出る可能性があります。 では、以下で詳しく見ていきましょう。 肩や首にできるがん 肩や首のまわりにがんができると、肩の症状として直接痛みが現れる場合があります。 とくに、注意したいのが「骨腫瘍」と「脊髄腫瘍」です。 骨腫瘍は、上腕骨・肩甲骨・鎖骨などの肩の周辺や首の骨(頚椎)にがんができ、肩の痛みを引き起こすことがあります。 骨にできるがんの多くは、内臓に発生したがんが転移したものですが、骨腫瘍は痛みの原因になるだけでなく、骨折を招いたり、腫瘍が神経を圧迫してさらに強い痛みにつながったりするのです。 脊髄腫瘍は首の脊髄にがんができる病気で、神経そのものに発生するケースと内臓のがんが転移するケースがあります。 腫瘍が大きくなると、肩の痛みに加えて手足のしびれや筋力の低下などの神経症状が現れることもあるため、早めの受診が必要です。 内臓にできるがん 内臓にできる肺がん・肝臓がん・すい臓がんなどが原因で、肩に痛みが出る場合もあります。 胸膜や横隔膜まわりの内臓が傷つくと、刺激が関連痛として肩に伝わることがあるのです。 とくに、腹痛・吐き気・下痢といった内臓症状や急激な体重減少、食欲の低下、原因不明の発熱が続くときは要注意です。 肩の痛みに加えて、全身の異常も感じられる場合には、整形外科だけでなく内科の受診も検討しましょう。 肩の痛みで病院を受診すべきタイミングは? 肩の痛みが首や背中、腕に広がる場合や、激しい外傷を受けた後は早期受診が必須です。 肩の痛みが単なる筋肉疲労や肩こりではなく、神経や内臓、骨に関わる疾患が原因の可能性があります。 とくに、しびれ・筋力低下・発熱・体重減少などを伴う場合や、安静時や夜間に悪化するケースでは注意が必要です。 決して自己判断せず、早めに医療機関で適切な診断を受けましょう。 再生医療|肩の痛みに対する治療選択肢 肩の痛みには、「再生医療」という治療法も選択肢になります。 再生医療は、手術を避けたい方や、日常生活への影響をできるだけ抑えたい方に適した治療法です。 身体への負担が少なく、入院の必要がないため、治療後すぐに普段の生活に戻れます。 再生医療には、「幹細胞治療」と「PRP療法」の2つの代表的な方法があり、どちらも注射や点滴によって、肩関節や腱の損傷部位へ直接アプローチできるのが特徴です。 肩の治療で再生医療についてもっと知りたい方は、以下のページもご覧ください。 肩の痛みを改善・予防するセルフケア方法 肩の痛みは日常的な動作や姿勢が影響している場合が多いため、普段からのセルフケアがとても重要です。 ここでは、肩の痛みの改善・予防に役立つセルフケア方法をご紹介します。 ストレッチ 肩の筋肉を柔軟に保ち、肩の痛みを予防するにはストレッチが有効です。以下のストレッチを実践してみましょう。 背筋を伸ばすストレッチ 同じ姿勢が続いたときは、背筋を伸ばして姿勢を整えるストレッチをこまめに行うことが大切です。手順は次のとおりです。 1.立った状態で、背筋をまっすぐ伸ばす 2.両手のひらを天井に向けて持ち上げ、肘は軽く曲げて力を抜く 3.胸を大きく開くイメージで、肘をゆっくり後ろに引く 4.肩の力は抜いたまま、へそのあたりに軽く力を入れる 5.その姿勢を保ちながら、何度かゆっくり深呼吸を行う 背中から胸まわりが気持ちよく伸びている感覚を意識しながら、デスクワークや立ち仕事の合間に取り入れてみましょう。 肩を上げるストレッチ 普段あまり肩を大きく動かさない人は、肩を持ち上げる動きが不足しがちです。肩まわりをしっかり伸ばすストレッチは、次の手順で行います。 1.安定した壁に向かって立ち、両手を伸ばして、手のひらを壁につける(手の幅は肩幅、肘は伸ばす) 2.頭を前に倒し、両腕のあいだに頭を入れる 3.そのまま頭をゆっくり前方へ押し込む 4.肩から首にかけて伸びている感覚を意識しながら、深く呼吸を続ける 5.肩〜首がもっとも伸びていると感じる位置で、約30秒静止する 肩から首のラインが心地よく伸びる程度を目安に、無理のない範囲で毎日続けるのがポイントです。 肩を回すストレッチ 肩を外側に開くストレッチは、肩関節まわりの柔軟性を保つのに役立ちます。左右それぞれ、次のように行います。 1.安定した壁のそばで立ち、右肘を体の側面につけたまま90度に曲げる 2.右肘を体につけた状態のまま、右手のひらを壁につける 3.右肘と右手の位置を保ったまま、上半身をゆっくり左側にねじる 4.右肩が外側に開き、肩の前側が伸びている感覚を意識する 5.右肩が最も気持ちよく伸びている位置で、約30秒静止する 6.反対側も同じ手順で行い、左肩も同様に伸ばす 肩の前側〜胸のあたりが心地よく伸びる範囲で行い、肩を無理にひねらないよう注意してください。 入浴 肩の痛みを和らげる方法として、入浴は非常に効果的です。 とくに、38〜40℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かると、血行が促進され、緊張した筋肉がやわらぎやすくなります。 半身浴で肩までお湯に浸かれば、全身を温めつつ肩まわりの疲れもほぐせるでしょう。 長めに浸かることでリラックス効果も高まり、疲労回復にもつながります。 入浴後は、筋肉が柔らかくなっているタイミングを活かして、肩甲骨や腕をやさしく伸ばすストレッチを取り入れるとより効果的です。 温浴と軽い運動を組み合わせることで、肩の痛みの予防や改善が期待できます。 まとめ|肩の痛みから考えられる病気を理解して適切な治療や検査を受けよう 肩の痛みは、筋肉のこりや加齢による変化だけでなく、首・背骨・内臓の病気が隠れているケースもあり、原因によって対処法が大きく異なります。 肩の痛みに加えて、しびれ・発熱・体重減少など全身症状をともなう場合には、早めの受診が重要です。 また、手術を避けたい方や長期の通院が難しい方には、幹細胞治療やPRP療法といった再生医療という選択肢もあります。 肩の痛みの原因を正しく見極め、自分に合った方法で早期改善を目指しましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施していますので、ぜひご利用ください。
2022.03.16







