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「突然の腹痛で困っている」 「何日も腹痛に悩んでいる」 突然の腹痛は、食べ過ぎや体の冷え、ストレスなど、身近な原因で起こることもあります。しかし腹痛のなかには、消化管の病気が関係していたり、早急な受診が必要だったりするケースもあるため注意が必要です。 とくに、痛みが数日以上続く場合や、発熱・嘔吐を伴う場合は、重い病気が隠れている可能性があります。自己判断せず、早めに医療機関を受診しましょう。 本記事では、現役医師が腹痛について詳しく解説します。 腹痛の原因 【腹部別】腹痛で考えられる病気 受診すべき腹痛の症状 腹痛の対処法 腹痛の予防法 記事の最後には、よくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 腹痛について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 腹痛とは 腹痛とは、お腹に痛み・不快感・違和感を覚える症状の総称です。原因は胃腸だけでなく、肝臓・胆嚢・膵臓、腎臓、婦人科臓器など多岐にわたります。 食べ過ぎや冷え、生活リズムの乱れなど日常的な要因でも起こりますが、臓器の伸展、運動変化、炎症などにより刺激が神経を介して脳に伝わることで生じます。 腸はストレスや自律神経の影響で検査異常がなくても痛むことがありますが、痛みが続く・強まる・繰り返す場合や、発熱・嘔吐・下痢を伴う場合は医療機関を受診しましょう。 腹痛の原因 原因 詳細 日常的な生活習慣によるもの 食べ過ぎ・飲み過ぎ、冷え、ストレス、睡眠不足、生活リズムの乱れなどによる一時的な腹部不調 消化管に関連する病気によるもの 胃炎・胃潰瘍、感染性胃腸炎、便秘、過敏性腸症候群(IBS)などに伴う胃腸の炎症や機能低下 急性で注意が必要な病気によるもの 虫垂炎(盲腸)、腸閉塞、消化管穿孔、急性膵炎などによる強い腹痛や重症化リスク 消化器以外の病気によるもの 尿路結石、腎盂腎炎、婦人科疾患(卵巣嚢腫・子宮外妊娠など)など腹部以外の臓器由来の痛み 腹痛の原因は主に、食べ過ぎや冷え、ストレス、睡眠不足など日常的な生活習慣による一時的な不調です。 一方で、胃炎・胃潰瘍、感染性胃腸炎、便秘、過敏性腸症候群など消化管の病気が関与する場合もあります。 さらに虫垂炎や腸閉塞、急性膵炎など急性で重症化しうる病気、尿路結石や婦人科疾患といった消化器以外の病気が原因となることもあります。 日常的な生活習慣によるもの 日常的な生活習慣が関係する腹痛は、病気ほど深刻ではないものの、胃腸への負担や腸の動きの変化によって起こります。 たとえば、食べ過ぎや早食いで消化が追いつかないと、胃もたれや膨満感、ガスによる不快感が生じます。 また、水分不足や運動不足、食事内容の偏りも腹痛を引き起こす要因です。それらは、腸のぜん動運動を乱し、便秘・下痢を引き起こし腹痛につながります。 さらにストレスや不規則な生活で自律神経が乱れると、腸の働きが過敏または低下し、腹部の不調や便通異常が出やすくなります。 このような腹痛は生活習慣の見直しで改善することも多いですが、症状が続く場合は医療機関を受診しましょう。 消化管に関連する病気によるもの 病名 症状の特徴 急性胃炎・慢性胃炎 みぞおちの不快感や痛み、食後・空腹時の症状、ストレス・薬剤・飲酒の関与 胃・十二指腸潰瘍 みぞおち〜上腹部の痛み、胸やけ、食後に増悪する不快感 機能性ディスペプシア 検査で異常が乏しいのに続くみぞおちの不快感、食後のもたれ、慢性的な軽い痛み 感染性胃腸炎 腹部全体の痛みや不快感、下痢・嘔吐・発熱の併発、ウイルス・細菌の関与 腸閉塞(イレウス) 強い張り感と痛み、嘔吐、便やガスが出ない状態 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病) 慢性的な腹痛、下痢、血便、腸の持続的炎症 憩室炎 左下腹部の痛み、発熱を伴うことのある大腸憩室の炎症 虫垂炎(盲腸炎) みぞおち付近の不快感から右下腹部へ移る痛み、発熱、食欲不振 腹痛の原因には、胃腸など消化管の病気が関与することがあります。胃炎や潰瘍ではみぞおちの症状が目立ち、感染性胃腸炎では下痢・嘔吐・発熱を伴いやすいです。 腸閉塞では強い張り感と嘔吐、便やガスが出ない状態が重要なサインとされています。痛みが強い場合や続く場合、発熱や血便を伴う場合は早めの受診が必要です。 急性で注意が必要な病気によるもの 病名 症状の特徴 急性虫垂炎(盲腸炎) へそ周りから右下腹部へ移る痛み、吐き気、食欲不振、発熱、腹膜炎リスク 急性胆嚢炎・胆石発作 右上腹部痛、発熱、背中や右肩甲骨への放散痛、入院・手術リスク 急性膵炎 みぞおち〜上腹部の強い持続痛、背部への放散痛、飲酒・胆石などの誘因 消化管穿孔・腹膜炎 腹部全体の激痛、腹部の硬直、発熱、生命危機を伴う緊急性 大腸憩室炎 左下腹部の痛み、発熱、排便異常、穿孔・膿瘍形成リスク 急性で注意が必要な腹痛には、短時間で悪化し、緊急治療が必要となる病気が含まれます。 右下腹部へ移る痛みは虫垂炎、便やガスが出ず嘔吐を伴う場合は腸閉塞、右上腹部の痛みは胆道系疾患、みぞおちの強い痛みは膵炎が疑われます。 腹部全体の激痛や硬直、発熱を伴う場合は穿孔や腹膜炎の可能性があるため速やかな受診が必要です。 消化器以外の病気によるもの 病名 症状の特徴 尿管結石 腰〜脇腹(側腹部)〜下腹部に及ぶ激痛、血尿、吐き気の併発 膀胱炎・尿路感染症 恥骨上の下腹部の痛みや不快感、排尿時痛、頻尿、残尿感、血尿 卵巣のトラブル(卵巣嚢腫・茎捻転・出血など) 下腹部の片側〜全体の痛み、突然の激痛、吐き気の併発 子宮関連疾患(子宮内膜症・子宮筋腫・月経痛など) 月経周期に関連する下腹部の痛み、鈍痛、違和感の持続 骨盤内感染・膿瘍 下腹部全体〜左右の痛み、発熱、悪臭を伴う分泌物 腹壁由来の痛み(神経絞扼・筋筋膜痛など) 狭い範囲に限局する痛み、体位や動作で増悪する痛み、消化管検査で異常が乏しい所見 血管系の異常(大動脈瘤・血管攣縮など) 激しい腹痛や背部痛、冷や汗、ショック症状を伴う緊急性 胸部や腹部以外の関連痛(心臓・肺疾患など) 腹痛として感じる痛み、胸痛や呼吸困難の併発 消化器以外の病気による腹痛には、泌尿器系・婦人科系・血管系・神経系などさまざまな原因があります。 尿管結石は激しい側腹部痛を、膀胱炎は排尿時の症状を伴うのが特徴です。女性の場合、卵巣や子宮の異常により下腹部の痛みが生じることがあり、月経周期との関連も重要な手がかりです。 また、大動脈瘤や心臓病など生命に関わる疾患が腹痛として現れることもあるため、激痛やショック症状がある場合は速やかな受診が必要です。 【腹部別】腹痛で考えられる病気 考えられる病気 詳細 右上腹部の痛み(胆石・胆嚢炎・肝疾患・膵炎) 胆石や胆嚢の炎症による右上腹部痛、肝臓障害による鈍痛、膵炎によるみぞおち〜右上腹部痛 左上腹部(胃炎・潰瘍・膵炎・脾臓の異常) 胃炎・潰瘍によるみぞおち〜左上腹部痛、膵炎による上腹部痛、脾臓の腫大や損傷による左上腹部痛 右下腹部(虫垂炎・憩室炎・尿路結石・婦人科疾患) 虫垂炎による右下腹部の痛み、憩室炎による下腹部の痛み、尿路結石による下腹部〜腰の痛み、卵巣疾患などによる片側下腹部の痛み 左下腹部(大腸憩室炎・過敏性腸症候群・尿路疾患・婦人科疾患) 大腸憩室炎による左下腹部の痛み、過敏性腸症候群による腹痛と便通異常、尿路感染症による下腹部不快感、婦人科疾患による下腹部の痛み 全腹部(腸炎・食中毒・便秘・ガスなど) 腸炎や食中毒による腹痛と下痢・嘔吐、便秘やガス貯留による腹部膨満と痛み 腹痛は痛む部位によって、疑われる病気の傾向が異なります。右上腹部では胆石・胆嚢炎や肝疾患、膵炎が関与し、左上腹部では胃炎・胃潰瘍、膵炎、脾臓の異常が原因となることがあります。 右下腹部は虫垂炎や尿路結石、婦人科疾患、左下腹部は大腸憩室炎や過敏性腸症候群、尿路・婦人科疾患が代表的です。腹部全体の痛みは腸炎や食中毒、便秘、ガスなどが考えられます。 右上腹部の痛み(胆石・胆嚢炎・肝疾患・膵炎) 病名 症状の特徴 胆石・胆石発作 脂っこい食後に出やすい右上腹部〜みぞおちの差し込み痛、数十分〜数時間の持続、吐き気・嘔吐の併発 急性胆嚢炎 右上腹部の持続痛、発熱・嘔吐の併発、深呼吸や体動で増悪する痛み、右肩・背部への放散痛 肝疾患(肝炎・脂肪肝など) 右上腹部の鈍い不快感、だるさ・食欲不振の併発、黄疸を伴うことのある慢性的経過 膵炎(膵臓の炎症) みぞおち〜右上腹部の強い持続痛、背部への放散痛、吐き気・嘔吐・発熱の併発、重症化リスク 右上腹部の痛みは胆嚢・肝臓・膵臓の病気で起こることがあり、脂っこい食事後の発作的な痛みは胆石、痛みが続いて発熱を伴う場合は胆嚢炎が疑われます。 鈍い不快感にだるさや黄疸を伴う場合は肝疾患、みぞおちの強い痛みが背中へ広がる場合は膵炎が考えられます。症状が強い場合や続く場合は早急に医療機関を受診しましょう。 以下の記事では、肝臓に関する症状について詳しく解説しています。 【関連記事】 肝硬変とは?原因・症状の特徴や主な治療法などを徹底解説! 脂肪肝の薬の種類や注意点を解説!処方薬と市販薬の違いも紹介 左上腹部(胃炎・潰瘍・膵炎・脾臓の異常) 病名 症状の特徴 胃炎(急性・慢性) 左上腹部〜みぞおちの不快感や鈍痛、食後・空腹時の増悪、胸やけ・むかつきの併発、ストレス・暴飲暴食・薬剤・ピロリ菌の関与 胃潰瘍 左上腹部〜みぞおちの焼けるような痛み、空腹時や夜間の増悪、黒色便を伴うことのある出血リスク、慢性化による貧血リスク 膵炎(膵臓の炎症) 左上腹部〜みぞおちの強い持続痛、背部への放散痛、吐き気・嘔吐・発熱の併発、重症化リスク、飲酒・高脂肪食・胆石の誘因 脾臓の異常(脾腫・脾梗塞など) 左上腹部の膨満感や鈍痛、背中や肩への関連痛、易疲労、感染症や血液疾患の関与 左上腹部の痛みは、胃・膵臓・脾臓の異常を示唆します。胃炎や胃潰瘍はみぞおち周辺の不快感が特徴で、食事との関連が見られます。膵炎は激しい痛みが背中に放散し、嘔吐や発熱を伴うため緊急性が高い場合があります。 脾臓の異常は比較的まれですが、膨満感や易疲労感がみられる場合は、血液疾患が関与している可能性もあります。症状が持続する場合や強い痛みがある場合は早めの受診が必要です。 以下の記事では、潰瘍性大腸炎について詳しく解説しています。 【関連記事】 【医師監修】潰瘍性大腸炎とは|症状・原因・治療法を解説 【医師監修】潰瘍性大腸炎じゃなかった場合に疑われる似た病気を一覧で解説 右下腹部(虫垂炎・憩室炎・尿路結石・婦人科疾患) 病名 症状の特徴 虫垂炎(盲腸炎) みぞおち・へそ周りから右下腹部へ移る持続痛、押すと増悪する痛み、吐き気・嘔吐・食欲不振・発熱の併発、腹膜炎リスク 憩室炎(右側型) 右下腹部の持続痛、発熱・下痢の併発、血便を伴うことのある炎症所見 尿路結石(尿管結石) 背部〜側腹から右下腹部へ放散する激痛、血尿・排尿時痛・吐き気の併発 婦人科疾患(女性のみ) 片側下腹部の痛み、突然の激痛や持続痛、嘔吐・発熱・不正出血を伴うことのある緊急性(卵巣出血・茎捻転・PID・子宮外妊娠など) 右下腹部の痛みは、虫垂炎・憩室炎・尿路結石・婦人科疾患などが原因となります。虫垂炎では、みぞおちやへそ周りの不快感から右下腹部へ痛みが移動し、発熱や吐き気を伴う点が特徴的です。 尿路結石は背中から下腹部へ放散する激痛と血尿が見られます。女性の場合、卵巣疾患や子宮外妊娠など緊急性の高い原因もあるため、強い痛みが続く場合は早急に医療機関を受診しましょう。 以下の記事では、左脇の腹の痛みについて詳しく解説しています。 左下腹部(大腸憩室炎・過敏性腸症候群・尿路疾患・婦人科疾患) 病名 症状の特徴 大腸憩室炎 左下腹部の局所的な鋭い痛み、発熱、下痢・便秘などの便通異常、血便を伴うことのある炎症所見 過敏性腸症候群(IBS) 左下腹部を含む腹部全体の断続的な腹痛・不快感、便秘・下痢・交互性などの便通異常、腹部膨満感、ストレスや生活習慣の関与 尿路疾患(尿路結石・尿管炎・膀胱炎) 側腹〜左下腹部へ放散する痛み、波のある疝痛(結石)、血尿、排尿時痛、頻尿、感染時の発熱 婦人科疾患(女性に特有の原因) 左下腹部の片側性疼痛、突然の激痛(卵巣茎捻転など)、持続する下腹部の痛み(子宮内膜症など)、月経異常・不正出血の併発 左下腹部の痛みは、大腸憩室炎・過敏性腸症候群(IBS)・尿路疾患・婦人科疾患などで見られます。 憩室炎では左下腹部の局所痛に加え、発熱や便通異常、血便を伴うケースがあります。IBSは検査で異常が見られなくても腹痛と便通異常を繰り返し、ストレスが誘因となることが多いです。 尿路結石や感染症では、側腹から下腹部へ放散する痛みや排尿症状が見られます。女性の場合、卵巣・子宮の病気も鑑別が必要となります。 全腹部(腸炎・食中毒・便秘・ガスなど) 病名 症状の特徴 腸炎・感染性胃腸炎(腸全体の炎症) 腹部全体のけいれん様の痛み、下痢・嘔吐・発熱の併発、脱水リスク 食中毒 腹部全体の不快感やけいれん様の痛み、下痢・吐き気・嘔吐、発熱や血便を伴うことのある急性症状 便秘 腹部全体の張り感や鈍痛、圧迫感、腹部膨満、排便困難、ガス貯留 ガス(おなら・ガス溜まり) 腹部全体の圧迫感や張り、腹部膨満、おならの増加、便通不良に伴う不快感 腹部全体の痛みは、腸の炎症や腸内ガス、便の滞留などで起こりやすい症状です。下痢・嘔吐・発熱を伴う場合、腸炎や食中毒が疑われるため、脱水には注意が必要です。 また、便秘やガスによる痛みでは張りや圧迫感が目立ち、排便状況との関連が見られます。血便・高熱・強い痛みがある場合や症状が持続する場合は、早急に医療機関を受診しましょう。 受診すべき腹痛の症状 受診すべき症状 詳細 強い・持続する腹痛や悪化 我慢できない強い痛み、数時間以上続く痛み、徐々に増悪する痛み、動くと悪化する痛み 発熱・嘔吐・持続する消化器症状がある 38℃以上の発熱、繰り返す嘔吐、水分摂取困難、下痢・便秘の長期化、強い吐き気、脱水兆候(口渇・尿量減少) 出血や異常な排泄物がある場合 血便・黒色便、吐血、コーヒー残渣様の嘔吐、血尿、膿や粘液を伴う便、便が極端に細い状態の持続 めまい・意識障害・特別な状況がある 立ちくらみ・冷や汗・顔面蒼白、意識がぼんやりする状態、ショック症状(脈が速い・息苦しさ)、妊娠中の腹痛、高齢者・小児の強い腹痛、腹部手術歴のある腹痛 腹痛の多くは一時的に軽快しますが、強い痛みが続く場合や時間とともに悪化する場合は、急性疾患が隠れている可能性があります。 発熱・嘔吐・下痢が止まらず水分が取れないときは脱水にも注意が必要です。血便や黒色便、吐血などの出血症状は緊急性が高い所見となります。 また、めまいや意識の低下、妊娠中の腹痛、小児・高齢者の強い腹痛の場合、早急に医療機関を受診する必要があります。 強い・持続する腹痛や悪化 強い腹痛が続く場合や時間とともに悪化する場合は、医療機関の受診が必要です。激しい痛みは虫垂炎・腸閉塞・消化管穿孔・膵炎・胆嚢炎など急性疾患の可能性があります。 また、数時間から数日以上痛みが続く場合は単なる消化不良や軽い胃腸炎ではなく、感染・血流障害・臓器の損傷や閉塞などが疑われます。 さらに発熱・嘔吐・血便・黒色便・食欲不振などを伴うと重症化のリスクが高まるため注意が必要です。 放置すると腹膜炎や敗血症など命に関わる合併症を招くおそれがあります。 発熱・嘔吐・持続する消化器症状がある 腹痛に発熱・嘔吐・下痢などの消化器症状が加わり、数日たっても改善しない場合は受診が必要です。 発熱を伴う腹痛は、感染性胃腸炎など消化管の炎症や感染が関与している可能性が高く、症状の経過や脱水リスクを含めた評価が重要になります。 また、虫垂炎のように初期は消化不良に似た症状でも、進行すると痛みが増し、重症化する場合もあります。 嘔吐が続くと水分と電解質が失われ、脱水や全身状態の悪化を招くおそれがあり、とくに小児や高齢者では注意が必要です。 出血や異常な排泄物がある場合 腹痛に血便・黒色便・粘液便などの排泄物の異常を伴う場合、消化管の出血や炎症が背景にあるため、受診が必要です。 鮮血は肛門や大腸下部からの出血が疑われます。黒色便(タール便)は胃・十二指腸など上部消化管出血のサインです。 痔など良性の原因もありますが、潰瘍性大腸炎・感染性腸炎・虚血性腸炎・大腸がん・憩室出血などの病気が隠れている場合もあります。 血の量が多い場合、繰り返す場合、血の塊が出る場合は緊急性が高く、発熱・下痢・体重減少・めまいを伴うときも医療機関での受診が必要です。 以下の記事では、腹痛を伴う下痢の症状について詳しく解説しています。 めまい・意識障害・特別な状況がある 腹痛にめまい・ふらつき・ぐったり感・意識がはっきりしない状態を伴う場合は、受診が必要です。嘔吐や下痢、発熱で水分が失われると脱水や血圧低下を起こしやすく、脳への血流が減少して立ちくらみが出ることがあります。 さらに反応が鈍い場合や意識障害が見られる場合は、ショック・重い感染症(敗血症)・内臓出血など重篤な病態の可能性があり、救急受診の目安となります。(文献1) とくに妊娠中の方や高齢者、基礎疾患のある方は重症化しやすいため、注意が必要です。 腹痛の対処法 対処法 詳細 基本的な応急対応(安静・姿勢・休息) 無理をせず安静保持、膝を曲げた楽な姿勢(横向き・仰向け)での休息、腹圧をかけない動作、症状の経過観察 水分補給と消化に優しい食事 少量頻回の水分補給(経口補水液・白湯など)、嘔吐がある場合の段階的摂取、消化に良い食事(おかゆ・うどんなど)、脂質や刺激物の回避 お腹を温める・身体を冷やさないようにする 腹部の保温(カイロ・腹巻など)、入浴や温かい飲み物による体温維持、冷たい飲食の回避、薄着や冷えの予防 腹痛がある場合は、まず無理をせず安静にし、膝を曲げた楽な姿勢で休むことが基本です。嘔吐や下痢がある場合は脱水を防ぐため、白湯や経口補水液などを少量ずつこまめに摂取しましょう。 食事は症状が落ち着いてから、おかゆやうどんなど消化にやさしいものから再開します。また、脂っこいものや刺激物は避けましょう。 冷えが原因となる腹痛もあるため、腹部を温めることや身体を冷やさない工夫も大切です。 以下の記事では、腹痛の治し方について詳しく解説しています。 基本的な応急対応(安静・姿勢・休息) 腹痛が起きたときは、まず安静にして楽な姿勢で休むのが基本です。身体を動かし続けると腹部の筋肉が緊張し、胃腸の動きが刺激されて痛みが強くなることがあります。 横になる、仰向けで膝を曲げる、横向きになるなど負担の少ない体位をとることで、腹部の緊張が和らぎ痛みが落ち着く場合があります。 また、休息は消化不良やストレスなどで乱れた体の回復を助け、症状の改善につながります。安静にしても痛みが軽くならない場合や悪化する場合は、重症化する前に医療機関を受診しましょう。 水分補給と消化に優しい食事 腹痛があるときは、水分補給と消化にやさしい食事が回復を助けます。水分は消化・栄養吸収・便の通過に必要です。それらが不足すると消化が遅れたり便が硬くなったりして、便秘や腹部不快感が悪化することがあります。 とくに下痢や嘔吐を伴う場合は脱水や電解質異常を起こしやすいため、経口補水液などを少量ずつこまめに摂取することが重要です。 食事は脂っこいものや刺激物を避け、おかゆ・うどん・スープなど胃腸に負担の少ないものを少量から再開することで、腸への刺激を抑えた栄養補給が期待できます。 お腹を温める・身体を冷やさないようにする 腹痛があるときにお腹を温め、身体を冷やさないようにすることは、症状の緩和に役立つ場合があります。 温めることで血流が促され、腹部周囲の筋肉の緊張がほぐれやすくなるため、こわばりによる不快感の緩和が期待されます。 また、冷えは腸の動きを乱して腹痛や便通の不調につながることがあるため、腹部を保温し、湯たんぽや温熱パッド、温かい飲み物などで無理のない範囲で温めることが大切です。 ただし、強い痛みや発熱を伴う腹痛では炎症性疾患の可能性も示唆されます。自己判断で温め続けると症状が悪化するおそれがあるため、医療機関を受診しましょう。 腹痛の予防法 予防法 詳細 生活習慣を整える 規則正しい睡眠と休養、適度な運動習慣、ストレス管理、冷えの予防、暴飲暴食の回避 食事の工夫で腸内環境を整える 食物繊維・発酵食品の適量摂取、脂っこい食事や刺激物の控え、よく噛む習慣、腸に負担をかけにくい食事内容 水分補給と消化にやさしい生活を心がける こまめな水分摂取、アルコール・カフェインの過剰摂取回避、冷たい飲食の控え、腹部を冷やさない生活、便秘予防の習慣化 腹痛は、生活習慣や食事内容の乱れ、ストレス、冷えなどが引き金となって起こることがあります。予防には睡眠や運動を含めた生活リズムを整え、暴飲暴食を避けることが大切です。 食事は食物繊維や発酵食品を適量取り入れ、脂っこいものや刺激物を控えることで腸内環境の安定につながります。さらにこまめな水分補給や身体を冷やさない工夫を続けることで、便通の乱れや胃腸への負担を減らし、腹痛の再発予防に役立ちます。 生活習慣を整える 生活習慣を整えることは腹痛の予防に欠かせません。腸の働きは自律神経の影響を受けるため、規則正しい起床・就寝・食事のリズムを保つことで自律神経のバランスが整い、腸のぜん動運動がスムーズになります。 また、規則正しい生活は腸内環境や消化機能を安定させて腹痛や便通異常を起こしにくくする一方、ストレスや不規則な生活は腸の動きを乱し、腹痛・下痢・便秘などの症状を招くおそれがあるため注意が必要です。 研究では、規則正しい食生活・適度な運動・良好な睡眠といった生活習慣の改善が、過敏性腸症候群(IBS)など慢性的な腹部症状の発症リスクを減らす可能性が示唆されています。(文献2) 食事の工夫で腸内環境を整える 食事の工夫で腸内環境を整えることは、腹痛の予防において大切です。腸内細菌は消化・栄養吸収・免疫・炎症の調整に関わり、バランスが崩れると腹痛や便通異常を招きやすくなります。 野菜・果物・豆類・全粒穀物などに多い食物繊維は善玉菌のエサとなり、短鎖脂肪酸の産生を通じて腸のバリア機能や便通の改善に役立つほか、ヨーグルト・納豆・味噌などの発酵食品は善玉菌を補い、腹部膨満や不快感の予防につながります。 一方で高脂肪・高糖質の食事や加工食品に偏ると腸内環境が乱れやすいため、多様な食品をバランスよく摂ることが大切です。 水分補給と消化にやさしい生活を心がける 適切な水分補給は、消化と便通を支える大切な習慣です。水分は食べ物の分解や栄養吸収を助け、便を柔らかくして排出をスムーズにします。 不足すると便秘や腹部の張りなど不快感が出やすくなります。また、腸のぜん動運動(内容物を送る動き)にも関与しており、脱水状態では腸の動きが低下し、便通異常の原因となります。 さらに水分は栄養素が腸から血液へ吸収される過程にも必要です。水分が欠乏すると体調不良につながる可能性があります。 胃腸が弱っているときは冷たい飲み物を避け、白湯や麦茶など刺激の少ない飲み物をこまめに摂取することが大切です。 改善しない腹痛は当院へご相談ください 腹痛は一時的に落ち着くこともありますが、繰り返す、長引く、以前より強くなる場合は原因の確認が必要です。 腹痛の背景には胃腸の不調だけでなく、胆嚢・膵臓・尿路・婦人科など腹部のさまざまな臓器の異常が関与することがあります。 症状の経過や痛む部位、便の変化、発熱や吐き気の有無を整理しておくと、受診時に必要な検査や診療につながりやすくなります。 改善しない腹痛についてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、腹痛の症状や状態によっては、再生医療を用いた治療を提案しています。 再生医療は、患者さん自身の細胞(幹細胞など)を用いる治療法のひとつです。治療内容によっては手術のような侵襲や薬物療法に伴う副作用のリスクを抑えられる可能性があります。ただし、適応や有効性は疾患や治療法によって異なるため、医師と十分に相談した上で検討されます。 ご質問やご相談は、「LINE」や「メール」、「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 腹痛に関するよくある質問 腹痛に関する難病ってありますか? 病名(指定難病) 症状の特徴 潰瘍性大腸炎 大腸粘膜の慢性炎症・潰瘍、腹痛・下痢・粘血便が中心で原因不明 クローン病 小腸〜大腸の慢性炎症、腹痛・下痢・血便・体重減少、症状の長期化 (文献3)(文献4) 腹痛の原因となる難病として、代表例が潰瘍性大腸炎とクローン病です。いずれも厚生労働省の指定難病に含まれる炎症性腸疾患(IBD)です。 大腸や小腸に慢性的な炎症が起こり、腹痛に加えて下痢・粘血便(血便)・体重減少などが続くことがあります。症状が長引く場合は早めに消化器内科を受診しましょう。 以下の記事では、腹痛に関する難病について詳しく解説しています。 【関連記事】 【医師監修】クローン病とは|初期症状や原因まで詳しく解説 【医師監修】クローン病と潰瘍性大腸炎の違いは?覚え方と併発の可能性を解説 性行為をした後に下痢になるのはなぜですか? 性行為のあとに下痢や腹部不快感が出る場合、骨盤内への刺激や体勢による腹部圧迫で腸の動きが一時的に活発になることがあります。 もともと過敏性腸症候群(IBS)など腸が敏感な体質では、刺激で下痢が起こりやすい傾向があります。 また、肛門・直腸への接触がある場合は感染症(性感染症など)による腸症状の可能性も否定できません。症状が続く、発熱や血便を伴う場合は医療機関を受診しましょう。 腹痛に効くツボはありますか? 腹痛に対して「確実に有効」と結論づけられるツボは、現時点では十分な医学的根拠が限られています。ツボ押し(指圧・鍼灸)で一時的に不快感が軽くなる方もいますが、原因となる病気を治す根拠は十分ではなく、標準治療として位置づけられていません。 合谷(手の甲)・足三里(膝下)・中脘(みぞおちとへその中間)などが知られていますが、効果には個人差が大きく科学的エビデンスは限定的です。強い腹痛・発熱・出血・症状の持続がある場合は、ツボに頼らず医療機関を受診しましょう。 以下の記事では、腹痛とツボとの関係性について詳しく解説しています。 参考文献 (文献1) 緊急度判定プロトコルVer.1救急受診ガイド(家庭自己判断)|消防庁 (文献2) Lifestyle Factors Associated with Abdominal Pain in Quiescent Inflammatory Bowel Disease|PubMed Central® (文献3) 潰瘍性大腸炎(指定難病97)|難病情報センター (文献4) クローン病(指定難病96)|難病情報センター
2026.02.22 -
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「腹痛や下痢の症状が続く」 「発熱や倦怠感が頻繁に起こるようになった」 長引く腹痛や下痢、原因不明の体重減少などの症状は、クローン病と呼ばれる指定難病の可能性があります。クローン病は現在の医学では完治が困難とされています。 クローン病は消化管に慢性の炎症が起こり、寛解と再燃を繰り返す疾患です。適切な治療を継続することで、寛解期を維持し、日常生活や仕事を続けやすくなります。 本記事では、現役医師がクローン病について詳しく解説します。 クローン病の初期症状 クローン病の原因 クローン病の診断方法 クローン病の治療法 クローン病の注意点 記事の最後には、クローン病に関するよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 クローン病について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 クローン病とは クローン病は、口から肛門までの消化管全体に慢性的な炎症や潰瘍が生じる炎症性腸疾患です。 とくに小腸末端から大腸にかけての回盲部に好発しますが、消化管のあらゆる部位に発症する可能性があります。 一般に若年成人(15〜40代)で診断されることが多いと報告されています。(文献1) 原因は未だ解明されていません。しかし、遺伝的素因、免疫異常、腸内フローラの変化などが複合的に関与していると考えられています。 主な症状は腹痛、下痢、体重減少、発熱、血便などで、寛解と再燃を繰り返すことが特徴です。根治は困難ですが、適切な治療を継続することで症状をコントロールし、日常生活の質を保つことが可能です。 クローン病が寿命に与える影響 クローン病は慢性炎症を繰り返す疾患です。適切な治療を継続している場合、寿命は一般人口と大きく変わらないとする報告が多く、診断後10年の累積生存率は約96.9%とされ、生命予後は概ね良好です。(文献1) 一方、疾患そのものが直接死因となることは稀ですが、消化管がん(結腸がん・小腸がん)や敗血症などの合併症により重篤化するリスクがあります。 また一部の大規模研究では、重症例や合併症を有する場合には平均寿命がわずかに短い可能性も示されています。(文献2) 以下の記事では、クローン病と寿命との関係性について詳しく解説しています。 内部リンク:片桐作成KW(クローン病 寿命) クローン病と潰瘍性大腸炎の違い 比較項目 クローン病 潰瘍性大腸炎 炎症の箇所 口から肛門までの消化管(どこでも起こりうる) 大腸(結腸・直腸)に限られる 炎症の広がり方 飛び飛びに炎症(正常部が間にある) 連続して広がる炎症 腸壁の深さ 腸壁の深い層まで炎症(全層性) 粘膜中心の浅い炎症 主な症状 腹痛・下痢、発熱・体重減少、肛門病変(痔瘻など) 粘血便、腹痛・下痢 診断のポイント 小腸を含めて消化管全体を検査(内視鏡・画像検査など) 大腸内視鏡で連続する炎症を確認 クローン病と潰瘍性大腸炎はいずれも炎症性腸疾患ですが、炎症の起こる範囲と病態が異なります。 クローン病は口から肛門まで消化管全体に発症する可能性があり、炎症が非連続性に起こり、腸壁全層に及ぶ炎症を特徴とする疾患です。また、狭窄や瘻孔(痔瘻を含む)を合併することがあります。 一方、潰瘍性大腸炎は大腸に限局し、直腸から連続性に口側へ炎症が広がり、粘膜層を中心とした炎症のため粘血便が主症状となります。 以下の記事では、クローン病と潰瘍性大腸炎に関して詳しく解説しています。 【関連記事】 【医師監修】潰瘍性大腸炎とは|症状・原因・治療法を解説 【医師監修】クローン病と潰瘍性大腸炎の違いは?覚え方と併発の可能性を解説 クローン病の初期症状 初期症状 詳細 消化器の症状(下痢・腹部の不快感・血便) 慢性的な下痢、腹部の張り、食後の不快感、血の混じった便の出現、排便回数の増加 全身症状(発熱・体重減少・倦怠感) 微熱の持続、原因不明の体重減少、疲労感、集中力低下など全身の不調 肛門周囲の症状 肛門周囲の腫れ、違和感、膿の排出、痔瘻や膿瘍の形成 クローン病は、胃腸の調子が悪い日が続く程度の初期症状から始まる傾向にあります。下痢が長引く、便に血が混じる、食欲低下や体重減少など、日常的な不調として見過ごされやすい症状に注意が必要です。 また、微熱、倦怠感、口内炎、関節痛など、腸管外症状が先行する場合もあります。これらの症状が数日で改善せず繰り返す場合は、早めに消化器内科を受診しましょう。 消化器の症状(下痢・腹痛・血便) 症状 詳細 下痢(頻繁な軟便・水様便) 腸の炎症による吸収障害、便がゆるい・水っぽい、排便回数の増加、長期間続く軟便 腹痛(お腹の不快感・けいれん感) 炎症による腹部の違和感、けいれんのような痛み、下痢との同時発生、部位により痛みの位置が変化 血便(便に血が混じる) 腸粘膜の潰瘍やびらんによる出血、赤色や暗赤色の血の付着、炎症部位からの出血 クローン病の初期症状は、下痢、腹痛、血便などの消化器症状が中心となります。 とくに「軟便や水様便が数週間以上続く」「腹痛と下痢が同時に起こる」「便に血が混じる」といった症状は重要なサインです。 これらの症状が持続する場合は自己判断せず、消化器内科を受診し、内視鏡検査や画像検査による精査を受けることが大切です。 全身症状(発熱・体重減少・倦怠感) 症状 詳細 発熱(熱が出る) 腸の炎症による微熱の持続、感染症を伴わない発熱、病気の活動性を示す体温上昇 体重減少(無意識のやせ) 食欲低下、栄養吸収の低下、炎症による体重減少、摂取量に関係なく進むやせ 倦怠感(だるさ) 炎症による全身反応、慢性的な疲労感、栄養不足や炎症性物質の影響によるだるさ クローン病では腸管の慢性炎症により、消化器症状だけでなく全身症状も出現します。持続する微熱、意図しない体重減少、持続する倦怠感などは、疾患活動性の亢進や栄養状態の悪化を示唆する重要な所見です。 これらの症状が数週間以上持続する場合は、速やかに消化器内科を受診し、血液検査、便検査、画像検査などによる精査が必要です。 肛門周囲の症状 症状 詳細 痔瘻(じろう) 肛門周囲にできる瘻孔、膿や分泌物の排出、皮膚と腸をつなぐ異常な通路の形成 肛門周囲膿瘍(のうよう) 肛門周囲に膿がたまる状態、炎症や感染による腫れや熱感、放置による悪化の可能性 裂肛・潰瘍 肛門の粘膜の裂け目や潰瘍、排便時の不快感や出血、炎症による損傷 皮膚のふくらみ(スキンタッグ)・腫れ 慢性炎症による皮膚のふくらみ、肛門周囲の軽度の腫れや変形の出現 クローン病の症状として腸管の炎症が肛門周囲にも及び、痔瘻や肛門周囲膿瘍などの肛門病変が初期からみられることがあります。 肛門周囲の腫脹、疼痛、膿の排出、排便時出血などは痔核の症状と類似しており、見過ごされやすいため注意が必要です。 これらの症状が持続する、繰り返す、強い疼痛や発熱を伴う場合は、速やかに消化器内科または肛門外科を受診しましょう。 クローン病の原因 原因 詳細 免疫の異常 免疫が過剰に反応して腸に炎症が起こる状態、腸を攻撃するような免疫反応、慢性的な炎症の持続 体質的な要因 家族内発症がみられることがある体質、遺伝的素因の関与、特定の遺伝子が発症リスクに関連する可能性 腸内環境や生活要因 腸内フローラの乱れ、食生活の偏りやストレスによる影響、喫煙など生活習慣による腸への負担 クローン病の原因はひとつに特定できず、複数の要因が重なって発症すると考えられています。免疫の働きが過剰になることで腸に慢性的な炎症が起こり、そこに体質的な要因や腸内環境、生活要因などが関与するとされます。 また、感染症のように他人へうつる疾患ではありません。検査で病状を把握しながら、再燃の引き金になりやすい要素を日常生活の中で減らしていくことが大切です。 免疫の異常 理由・背景 詳細 免疫の異常が関係する理由 病原体から守るはずの免疫が腸内フローラを誤って攻撃、過剰な炎症反応の持続、腸粘膜の損傷 炎症が続く理由 炎症を終息させる仕組みの障害、免疫が腸の常在菌を敵と認識、慢性的な炎症と潰瘍の形成 免疫の異常が起きる背景 遺伝的体質による反応性の違い、腸内フローラとの不均衡、食事や生活環境など外的刺激による免疫の暴走 クローン病の原因のひとつとして、免疫システムの異常により腸内フローラなどに対して過剰な免疫応答が生じ、持続的な炎症が引き起こされることが挙げられます。 その結果、腸管粘膜の損傷と慢性炎症が持続します。遺伝的素因、腸内フローラの変化、環境要因などが複合的に作用し、免疫制御機構の破綻を引き起こすことが病態の背景です。 体質的な要因 体質的な要因とは、生まれ持った遺伝子の違いがクローン病の発症リスクを高める可能性があることを意味します。 クローン病患者の家族内での発症頻度が高いことから、遺伝的要因の関与が示唆されています。 家族歴を有する場合に発症リスクが高くなることや、免疫応答や腸内フローラとの相互作用に関連する遺伝子(NOD2遺伝子など)が発症リスクと関連することが研究で明らかです。 ただし、遺伝的素因を有していても必ずしも発症するわけではなく、環境要因などが複合的に作用して発症に至ると考えられています。 腸内環境や生活要因 要因 詳細 腸内フローラ(腸内環境)のバランスと炎症 腸内フローラの多様性低下、善玉菌と悪玉菌の不均衡、免疫反応の過剰化、慢性炎症の誘発 喫煙が腸に与える影響 腸内フローラ構成の変化、腸粘膜バリア機能の低下、再燃・病勢悪化リスクの上昇 食生活と腸のバランス 高脂肪・高糖質食の継続、腸内フローラの偏り、炎症を起こしやすい腸環境の形成 その他の生活要因の可能性 肥満・運動不足の影響、抗生物質使用による腸内環境変化、早期生活環境による免疫形成への影響 クローン病は、腸内フローラのバランス変化や生活習慣が免疫反応に影響し、炎症が起こりやすくなる可能性が指摘されています。とくに喫煙は発症や再燃、治療反応に関わる重要な要因です。 食生活の偏りも腸内環境を変えうるため、治療と並行して生活面の見直しが再燃予防に役立ちます。 クローン病の診断方法 検査項目 詳細 問診・身体診察 腹部症状の経過確認、下痢や体重変化の聴取、家族歴の確認、腹部・肛門の触診による所見の確認 血液・便検査 炎症反応(CRP・白血球)の確認、貧血や栄養状態の評価、感染症や血便の有無の確認 大腸内視鏡、小腸内視鏡(必要に応じて) 腸粘膜の直接観察、縦走潰瘍や敷石像の確認、生検による組織診断 画像検査(CT・MRI・バリウム) 腸壁の厚みや狭窄、瘻孔の存在の評価、小腸全体の立体的観察 クローン病の診断は、問診と診察で症状の経過や体重変化、腹部・肛門の所見を確認し、血液検査で炎症反応(CRPなど)や貧血、栄養状態を評価します。 便検査で感染症や腸の炎症の程度を推定し、確定には内視鏡検査が欠かせません。 必要に応じて生検を行い、CT・MRIなどで小腸病変や狭窄・瘻孔も把握して総合的に判断します。 クローン病の治療法 治療法 詳細 薬物療法 炎症を抑える薬(5-ASA製剤、ステロイド、免疫調整薬、生物学的製剤など)の使用、症状や再燃のコントロール、長期的な維持治療 栄養療法 栄養バランスの補正、腸への負担軽減を目的とした栄養補助(エレンタールなど)吸収障害や体重減少の改善 手術療法 狭窄・瘻孔・膿瘍など合併症への対応、病変部の切除による症状改善、再発部位を見据えた術後管理 再生医療 難治性肛門病変などへの幹細胞治療の応用、損傷組織の修復促進、今後の治療選択肢としての研究進展 クローン病治療の目的は、炎症を抑えて寛解を導入・維持し、再燃を防ぐことです。治療方針は症状の程度、病変の範囲、合併症の有無により決定されます。 薬物療法で炎症をコントロールし、必要に応じて栄養療法により腸管の負担を軽減します。 狭窄や瘻孔などの合併症を有する場合は外科的治療が検討されます。治療は活動期における寛解導入療法と、寛解期における寛解維持療法に分かれ、継続的な治療が長期予後を左右する大切な要素です。 薬物療法 治療(薬剤の種類) 詳細 薬物療法の目的 腸の炎症を抑える治療、症状の改善、寛解の維持、病状に合わせた薬の調整 生物学的製剤 免疫の働きを狙って炎症を抑える薬、中等症〜重症での選択肢、効果不十分な場合の追加治療、点滴または注射での投与 生物学的製剤の例 インフリキシマブ、アダリムマブ、ベドリズマブ、ウステキヌマブなど その他の薬(補助的役割) 5-ASA製剤の使用(軽症で用いることがある薬、効果が限定的な場合もある薬)、抗生物質の使用(感染や膿瘍が疑われる場合の一時的使用、合併症への補助的治療) 薬物療法は、腸の炎症を抑えて症状を軽くし、寛解をできるだけ長く保つことが目的です。病状に合わせて薬を調整し、必要に応じて複数を組み合わせます。 中等症〜重症では、生物学的製剤により炎症の原因となる免疫反応を狙って抑える治療が選択されます。感染や膿瘍が疑われる場合は抗生物質が補助的に用いられます。 以下の記事では、クローン病で使用される薬の種類と詳細について詳しく解説しています。 内部リンク:片桐作成KW(クローン病 薬) 栄養療法 項目 詳細 食事内容の調整(高カロリー 低脂肪 低残渣) エネルギー確保を重視する食事、高脂肪を控える工夫、食物繊維量を調整する低残渣の工夫 栄養補助食品・経腸栄養 腸に負担をかけにくい栄養剤の活用、飲用またはチューブによる補給、栄養不足の改善と寛解導入の補助 活動期と寛解期の管理 活動期での腸の負担軽減を目的とした調整、寛解期での通常食を基本とした栄養バランス管理、再燃予防を意識した食習慣 腸への負担を減らす工夫 食物繊維の種類と量の調整、脂肪の少ない調理法の選択、たんぱく質と必須栄養素の確保 クローン病では腸管の炎症により消化・吸収機能が低下し、栄養不良や体重減少を来すことがあります。 栄養療法は栄養状態の改善と腸管安静を目的として実施されます。活動期には低脂肪・低残渣食や経腸栄養剤の併用により腸管への負担軽減が欠かせません。 寛解期には通常食を基本としながら栄養バランスを維持し、再燃のリスクとなる食習慣を避けることが大切です。 以下の記事では、クローン病の食事について詳しく解説しています。 内部リンク:片桐作成KW(クローン病 食事) 手術療法 内容 詳細 腸切除術 狭くなった部位や炎症の強い部位の切除、通過障害や痛みの改善を目的とした手術 狭窄形成術(ストリクチュロプラスティ) 狭くなった腸を切らずに広げる手術、腸の長さを温存するための方法 膿瘍ドレナージ(膿の排出) たまった膿の排出処置、感染拡大の予防、痛みや発熱の軽減 瘻孔の手術 腸や肛門周囲にできた瘻孔への外科的対応、排膿や再発を減らすための治療 クローン病には根治的な手術治療が存在しませんが、狭窄、膿瘍、瘻孔などの合併症や内科的治療抵抗性の症状に対しては外科的治療が必要となります。 腸管狭窄に対しては腸切除術や狭窄形成術が、膿瘍形成時にはドレナージ術が選択されます。 手術は合併症への対処と症状改善を目的とした治療選択肢のひとつであり、最終手段ではありません。 患者の症状、検査所見、治療経過を総合的に評価し、適切な時期に実施されます。 術後も再燃予防のための薬物療法の継続と定期的な経過観察が不可欠です。 再生医療 期待される効果 詳細 炎症の軽減 幹細胞の免疫調整作用による炎症反応の抑制 組織の修復 損傷した腸組織の修復促進、治癒環境を整える作用の可能性 肛門周囲瘻の治癒 難治性肛門周囲瘻に対する瘻孔閉鎖率の改善、治癒維持率の向上の可能性 クローン病に対する再生医療は、主に幹細胞の働きを利用して炎症を抑え、損傷した組織の回復を促す治療として研究が進められています。 とくに、治りにくい肛門周囲瘻に対して有効性が示唆されており、瘻孔の閉鎖や再発抑制につながる可能性があります。ただし適応は限られ、現時点では標準治療を補う位置づけです。 以下の記事では、再生医療について詳しく解説しています。 クローン病の注意点 注意点 詳細 治療と受診を継続する 自己判断での休薬・中断の回避、寛解期も含めた定期受診・検査の継続、症状や副作用の早期申告 体調の変化を見逃さないようにする 腹痛・下痢・血便・発熱など再燃兆候の把握、便性状・回数、体重、食欲の変化の確認。肛門症状(痛み・腫れ等)の注意 生活習慣を整える 禁煙の徹底、症状に応じた食事内容の調整、十分な睡眠・休養の確保、ストレス管理、脱水予防の水分補給 クローン病は寛解と再燃を繰り返す疾患です。症状が軽快している時期の自己判断による治療中断は行わないようにしましょう。 再燃予防には、治療の継続、定期的な検査、生活管理の三つが不可欠です。症状が軽微でも腸管の炎症が持続していることがあり、放置すると合併症のリスクが高まります。 自身の再燃の兆候を把握し、早期に対処することが重要です。不安や疑問がある場合は、医師へ相談することを推奨します。 治療と受診を継続する 理由 詳細 完治しない慢性疾患 寛解期でも炎症が残存している可能性があり、継続的な治療により再燃を防止 治療中断による再燃リスク 自己判断での薬剤中断は再燃リスクを増加させ、炎症の再燃を招く可能性 合併症の予防 適切な炎症コントロールにより、狭窄、瘻孔、膿瘍などの合併症発生を抑制 早期の病態変化の把握 定期受診により炎症状態や治療効果を評価し、悪化前に治療方針を調整可能 クローン病は完治が困難な慢性疾患であり、症状が軽快している寛解期においても腸管の炎症が持続していることがあります。 治療の継続により炎症をコントロールすることで再燃を予防し、狭窄や瘻孔などの合併症のリスクを低減可能です。 定期的な受診では炎症の程度や治療効果を評価し、症状悪化前に適切な治療調整が期待できます。自己判断による治療中断は再燃リスクを高めるため、医師の指示に従った継続的な治療と定期受診が欠かせません。 体調の変化を見逃さないようにする クローン病は活動期と寛解期を繰り返す慢性疾患であり、症状が軽快していても腸管の炎症が持続している場合があります。 下痢の回数増加、腹痛の増強、発熱、体重減少などの変化は再燃の兆候です。そのため、早期発見と適切な治療調整、必要な検査の実施が大切です。 症状悪化後の受診では、狭窄や瘻孔などの合併症が進行していることがあるため、早期受診により合併症の発生や手術のリスクを低減できます。 クローン病の症状には個人差が大きいため、日常的な体調変化の記録や症状日誌の作成が、医師による病状評価と治療方針決定において重要な判断材料となります。 生活習慣を整える クローン病は慢性炎症性疾患であり、生活習慣が症状の再燃や病状の変動に影響を与える可能性があります。 とくに喫煙はクローン病の発症リスクを高めるだけでなく、症状の悪化、治療抵抗性、再燃率の増加、手術リスクの上昇との関連が複数の研究で示されており、禁煙が重要な生活習慣改善となります。 また、食生活については特定の食事療法の有効性は確立されていません。しかし、個々の患者において症状を誘発する食品を避け、バランスの良い食事を心がけることが腸内環境の維持や栄養状態の安定に寄与する可能性があります。 適度な運動とストレス管理は疾患自体を治療するものではありませんが、体力維持や心理的安定を通じて間接的に病状管理に貢献すると考えられています。 クローン病でお悩みの方は当院へご相談ください クローン病は指定難病のひとつで、完治させる治療法は確立されていません。しかし、適切な治療や対処法を身につけることで、症状を軽減し、日常生活を送ることは十分可能です。 長引く腹痛や下痢、体重減少などの症状が続いている方、またクローン病と診断されて治療方針に不安を感じている方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、クローン病に対して再生医療を用いた治療を行っています。 再生医療は治療薬と比べて全身的な副作用のリスクが比較的低いとされています。また手術を伴わないため、感染症や後遺症のリスク、強い痛みの心配も少ない点が特徴です。ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 クローン病に関するよくある質問 クローン病になったら人生終了ですか? クローン病は完治が難しい慢性疾患ですが、適切な治療と定期通院により、症状をコントロールしながら仕事や生活を続けられます。 治療を自己判断で中断せず、体調の変化や症状に関する悩みは早めに医師へ相談し、無理のない生活を心がけましょう。 クローン病を発症した有名人はいますか? 国内では、お笑い芸人のお侍ちゃんがクローン病であることを公表し、闘病経験や復帰までの経過を発信しています。 海外では、以下の著名人がクローン病と診断されていた(診断歴のある)方々が活動しています。 ピート・デヴィッドソン(俳優) シャノン・ドハーティ(女優) ラリー・ナンスJr.(NBAバスケットボール選手) キャスリーン・ベーカー(オリンピックメダリスト水泳選手) デヴィッド・ギャラード(元NFLクォーターバック) マイク・マクレディ(ミュージシャン) シンシア・マクファデン(ジャーナリストなど) クローン病は適切な治療と自己管理を続けることで、社会生活を維持しながら活動を続けている方も多いです。 クローン病は国の支援や補助金を受け取ることはできますか? クローン病は、一定の要件を満たす場合に公的支援(指定難病の医療費助成)の対象となることがあります。 支援・制度名 内容 対象 ポイント 指定難病の医療費助成(特定医療費) 自己負担に月額上限 重症度基準あり(軽症高額の特例あり) 自治体へ申請、年1回更新 医療受給者証(特定医療費受給者証) 助成適用の証明 認定者 指定医療機関で提示 申請手続き 申請の流れ - 診断書→提出→審査→受給者証 高額療養費制度 月の自己負担が上限超で払い戻し 健康保険加入者 年齢・所得で上限が異なる 自治体独自の支援(例:東京都) 国制度に上乗せ助成 自治体条件 都独自の難病助成あり 代表的な支援として、医療費の自己負担を軽減する制度があり、重症度などの基準に沿って申請します。 申請手続きは、お住まいの都道府県・指定都市(自治体)の窓口や保健所等で行い、難病指定医が作成する臨床調査個人票(診断書)などの書類提出が必要です。 なお、必要書類や運用は自治体により異なる場合があり、また受給者証は原則1年ごとの更新が必要です。 申請や更新をスムーズに進めるために、通院先(主治医・医事課等)へ相談しましょう。 参考文献 (文献1) クローン病(指定難病96)|難病情報センター (文献2) Comparison of life and healthy life expectancies between IBD patients and the general population | 2 Minute Medicine
2026.02.22 -
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「健康診断でコレステロールが高いと言われたけど、どうすればいいの?」 「脂質異常症って何?放っておくと危ないの?」 そんな疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか。 脂質異常症は、初期には症状がほとんど現れませんが、動脈硬化を進め、将来的に心筋梗塞や脳梗塞などのリスクにつながる病気です。 この記事では、脂質異常症の種類・原因・数値の見方から、改善方法、治療の選択肢までをやさしく解説します。 リペアセルクリニックの公式LINEでは、脂質異常症に関するご相談や診療予約も受け付けています。気になる症状がある方は、ぜひ気軽にご活用ください。 脂質異常症とは|血液中の脂質バランスが乱れた状態 脂質異常症は、血液中の脂質の数値が、正常の範囲から外れている状態です。 健康診断では、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)などがチェックされますが、どれか一つでも基準値を超える、あるいは低すぎる場合に「脂質異常症」と診断されます。(文献1) なお脂質異常症とよく似た言葉で「高脂血症」という表現を目にすることもあります。両者の違いについて詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。 脂質異常症の症状 脂質異常症は自覚症状がほとんどなく、静かに進行する特徴があります。 血管壁に脂質が徐々に蓄積し、気づかないうちに動脈硬化が進行するメカニズムです。動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を引き起こすリスクが高まります。(文献2) 何も感じないからと油断せず、健康診断で数値を指摘されたら、きちんと向き合うことが大切です。 脂質異常症によって引き起こされる脳梗塞に対しては、再生医療が治療法の選択肢となるケースがあります。脳梗塞に対する再生医療の治療例については、以下の症例記事をご参照ください。 また、脂質異常症と手足のしびれの関係については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。 脂質異常症の原因 脂質異常症にはいくつかタイプがあり、それぞれに特徴や原因があります。どのタイプが自分に当てはまるかを知っておくと、対処法を考える際に役立つでしょう。 高LDLコレステロール血症 LDLコレステロールは、体のすみずみにコレステロールを届ける役割があります。しかし、多すぎると血管の壁に脂質がたまりやすくなり、これが動脈硬化を引き起こします。 そのためLDLコレステロールは「悪玉コレステロール」と呼ばれているのです。(文献3) 健康診断ではLDLコレステロールの値が140mg/dL以上の場合「高LDLコレステロール血症」と診断されます。(文献1) 低HDLコレステロール血症 HDLコレステロールは、血管壁の余分なコレステロールを回収し、肝臓へ運ぶ役割のあるリポタンパク質です。 この働きから「善玉コレステロール」とも呼ばれています。 HDLコレステロールが少なくなると、コレステロールの回収が十分にできなくなり、動脈硬化が進むことになるため注意が必要です。(文献2) 血液検査で40mg/dL未満だった場合「低HDLコレステロール血症」と診断されます。(文献1) 高トリグリセライド血症 トリグリセライドは、体を動かすエネルギー源として大切な成分ですが、増えすぎると脂質異常症の原因となる物質です。(文献2) 空腹時150mg/dL以上、または随時(空腹であることが確認できない時)175mg/dL以上の場合、高トリグリセライド血症と診断されます。食べすぎや飲酒、糖質の摂りすぎも大きく影響します。(文献1) 脂質異常症の検査方法 脂質異常症の検査方法は、血液検査です。 LDL・HDLコレステロール、中性脂肪(トリグリセライド)の値を測り、基準から外れていないか確認します。 とくに自覚症状がないため、定期的な検査による早期発見がとても大切です。(文献2) 脂質異常症の診断基準や詳しい数値の見方については、以下の記事も参考にしてください。 脂質異常症になりやすい生活習慣 脂質異常症は、生活習慣と関係が深い病気です。普段の生活の中に、脂質異常症を招きやすい原因が潜んでいることがあるため、ひとつずつみていきましょう。 食生活の乱れ・脂質の摂りすぎ 甘いものや脂っこい食事を摂りすぎると、脂質異常症のリスクが高まります。 とくに、バターや肉の脂身、生クリーム、インスタントラーメン、菓子パンなどの加工食品には「飽和脂肪酸」が多く含まれています。この飽和脂肪酸が、LDLコレステロールを上げる原因になるのです。 また、糖質や脂質の過剰摂取は中性脂肪の増加につながるため注意が必要です。(文献1)(文献2) 運動不足・喫煙・飲酒 運動不足や喫煙習慣があると、HDLコレステロールが減ってしまい、脂質バランスが乱れやすくなります。(文献2) また、お酒の飲みすぎにも気をつけたいところです。適量の飲酒はHDLコレステロールを上昇させますが、アルコールは血圧の上昇や肝臓への負担といったデメリットもあるため、なるべく控えめにしましょう。(文献1) 遺伝・病気 生活習慣だけでなく、体質や遺伝も脂質異常症に深く関係しています。 なかでも遺伝が強く関係するのが、「家族性高コレステロール血症」という病気です。LDLコレステロールの処理にかかわる遺伝子の異常で、食事や運動に気をつけていても脂質異常が起こります。(文献4) また、糖尿病や腎臓病、ホルモンバランスの乱れといった持病も、脂質異常症のリスクを高めます。家族に脂質異常症の人がいる方や、これらの病気を指摘されたことがある方は、より意識して検査や健康管理を心がけると良いでしょう。(文献5) 脂質異常症の治療方法 脂質異常症の治療では、まず生活習慣の見直しが基本です。食事や運動の工夫からはじめ、必要に応じて薬を使いながらコントロールしていきます。 食事療法|脂質・糖質の摂りすぎを防ぐ バランスの良い食事を心がけることが大切です。 肉や揚げ物などの脂質が多い食材を控え、魚や大豆製品、野菜をしっかり摂るように意識しましょう。食物繊維はコレステロールの吸収を抑制する働きもあります。糖質やアルコールの過剰摂取も控えましょう。(文献6) 脂質異常症で食べてはいけないもの・食べたほうが良いものについては、以下の記事で詳しく解説しているためぜひご覧ください。 運動療法|有酸素運動をする ウォーキングや軽いジョギング、水泳などの有酸素運動は、HDLコレステロールを増やし、脂質バランスを整えるのに役立ちます。 1日30分程度、週3回以上を目安に、無理のない範囲で続けてみてください。(文献6) 運動が苦手な方や忙しい方は、エレベーターの代わりに階段を使う、通勤時ひと駅手前で降りて歩いてみるなど、小さなことから始めるのも効果的です。(文献5) 運動療法について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。 薬物療法|LDLコレステロールや中性脂肪を下げる 生活習慣を見直しても脂質の数値がなかなか改善しない場合は、薬の力を借りてコントロールする方法も選択肢になります。 脂質異常症の治療薬には、LDLコレステロールや中性脂肪の値を下げるだけでなく、動脈硬化そのものを改善し、脳梗塞や心筋梗塞の再発リスクを減らせる薬もあります。 ただし、薬を飲んでいればそれで十分なわけではありません。薬の力を上手に活用しながら、日々の生活習慣も合わせて見直していきましょう。(文献5) 脂質異常症の薬について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。 脂質異常は放置せず早期改善に努めよう 脂質異常症は、何も症状がなくても油断できない、治療の必要な病気です。 放置すると知らないうちに動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まります。健康診断で数値を指摘されたときは、自分の生活を見直すことから始めてみてください。早めの対策が、将来の大きな病気を防ぐことにつながります。 「どう改善したら良いのかわからない」と一人で悩んでいるのであれば、専門家に相談するのも一つの方法です。 当院の公式LINEでは、脂質異常症に関するご相談や再生医療の情報提供、簡単なオンライン診断も行っています。気になる症状がある方や、今後の健康が不安な方は、ぜひお気軽にご利用ください。 脂質異常症に関するよくある質問 脂質異常症は痩せている人でもなりますか? 痩せていても脂質異常症になることはあります。 脂質異常症は、体型だけでなく、体質や遺伝、喫煙や飲酒、ホルモンバランスの乱れなどさまざまな要因が関係しているためです。 そのため、体型にかかわらず、定期的な健康診断や血液検査が大切です。 脂質異常症の人はコーヒーやバナナは控えたほうがいいですか? コーヒー自体は基本的に問題ありませんが、砂糖やコーヒーフレッシュを多く入れると脂質や糖分が増えるので、できるだけブラックで飲むのが良いでしょう。 バナナは、ビタミンや食物繊維が豊富で、適量であれば脂質異常の改善にも役立ちます。ただし、糖質が多いので食べ過ぎには注意し、1日1~2本程度が目安量です。(文献7) なお、1日2本のバナナは果物全体の摂取目安量(1日200g程度)にあたるため、バナナを食べる日は他の果物は控えめにしましょう。 参考文献 (文献1) 脂質異常症|健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~厚生労働省 (文献2) 脂質異常( コレステロールなど)|健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~厚生労働省 (文献3) コレステロール(これすてろーる)|健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~厚生労働省 (文献4) 脂質異常症|国立研究開発法人国立循環器病研究センター (文献5) 「脂質異常症」といわれたらーコレステロールと動脈硬化ー|財団法人循環器病研究振興財団 (文献6) 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版|一般社団法人日本動脈硬化学会 (文献7) 脂質異常症の食事|健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~厚生労働省
2026.02.15 -
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「健康診断で血圧が高いと言われたけど、体調に問題もないし大丈夫かな?」と、放置してしまいがちな高血圧。 しかし、血圧が高い状態が続くと脳や心臓などの臓器がダメージを受け、脳卒中や心筋梗塞といった命にかかわる病気を発症しやすくなります。 そのため、「血圧が高い」と言われた段階で状態を悪化させない対策を講じることが、将来の健康を守ることにつながるのです。 この記事では、高血圧の基準や原因・予防策・治療などを解説します。 「受診すべきか迷っている」「できるだけ自然に改善したい」と感じる方は、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 血圧が高く不安を感じている方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 高血圧とは 高血圧とは、血液の量が増えたり、血液の通り道が狭くなったりすることで、血液が血管の壁に強く圧力をかけ続けている状態を指します。(文献1) 水道のホースに強い水圧がかかっているようなイメージです。 この状態が長く続くと、常に強い圧力にさらされた血管は次第に硬くもろくなっていき、「動脈硬化」と呼ばれる状態につながります。 動脈硬化が進むと、心臓や脳など全身の重要な臓器に深刻なダメージを与えかねません。 そのため「血圧が高い」と指摘された段階から、予防策を講じることが大切です。 2019年の「国民健康・栄養調査」によると、20歳以上の方のうち47.7%が高血圧に該当するといわれています。 特定の方に起こるものではなく、私たちに身近な病気のひとつといえるでしょう。(文献2) 高血圧の症状 高血圧は、自覚症状がほとんどないまま進行するのが特徴です。(文献1) 血圧が高すぎると、頭痛やめまい、肩こりなどが出ることもありますが、日常的に実感しやすい現象であるため、高血圧が原因だと考える方は少ないでしょう。(文献1) しかし、血圧が高い状態が続くと血管は少しずつダメージを受けます。その結果、脳や心臓、腎臓への負担が大きくなり、以下のような症状があらわれることがあります。(文献1) 突然の手足のしびれや麻痺 話のしづらさ(呂律が回らない) 胸が締め付けられるような痛みや圧迫感 息苦しさ むくみやだるさ 夜間の頻尿 血圧が高めといわれても「何も症状がないから大丈夫」と軽く考えがちですが、気づかないうちに病状は進行しています。 何も感じないうちにこそ生活習慣を見直したり、医師の診断を受けたりして、将来の健康を守りましょう。 高血圧の種類と原因 高血圧には主に以下の2つのタイプがあり、それぞれ原因が異なります。 高血圧のタイプ 原因 本態性高血圧 多くが原因不明である 二次性高血圧 血圧が上がる明らかな要因がある 詳しく見ていきましょう。 本態性高血圧 原因が特定できない高血圧を「本態性高血圧」と呼び、高血圧の約90%がこのタイプです。(文献3) 遺伝や加齢などの要因に加えて、以下の生活習慣が合わさって発症すると考えられています。(文献1) 塩分の摂りすぎ 運動不足 睡眠不足 過度の飲酒・喫煙 ストレスの蓄積 なかでも日本人は、塩分の過剰摂取とメタボリックシンドロームの増加が高血圧患者の増加に関係しているといわれています。(文献4) 詳しいメカニズムを知りたい方は、以下の記事をご参照ください。 【関連記事】 喫煙は血圧にマイナスな影響を与える?高血圧の原因や対策について現役医師が解説 【医師監修】ストレスで血圧が上がるメカニズムと予防法を解説! 女性が高血圧になる原因は?更年期との関連性・対策を医師が解説! 二次性高血圧 血圧を上昇させている原因が明らかな高血圧を「二次性高血圧」と呼び、主に以下が要因となります。(文献3) (文献5) 腎臓に関する病気 クッシング症候群 原発性アルドステロン症 褐色細胞腫 薬やサプリメント 本態性高血圧との違いは、原因となっている病気を治療すれば血圧の改善が期待できることです。 すでに病気を抱えている方は、それが血圧に影響している可能性もあるため、かかりつけ医に相談してみましょう。 高血圧の診断基準 日本高血圧学会の基準によると、以下の値以上になったときに「高血圧」と診断されます。(文献4) 診察時血圧(医療機関での測定):140/90mmHg 家庭血圧(自己測定):135/85mmHg 家庭血圧のほうが基準値が低いのは、診察室では緊張して血圧が一時的に上がる「白衣高血圧」と呼ばれる現象があるためです。 高血圧の診断には、診察室での測定だけでなく、家庭での血圧測定も重要となります。 高血圧の放置により起こりうる健康リスク 高血圧は、症状がないまま進行してしまうことが多いため「サイレントキラー(沈黙の暗殺者)」とも呼ばれます。 放置すれば確実に血管にダメージを与え、以下のような病気を引き起こすリスクが高まります。(文献4) 脳卒中(脳出血・脳梗塞) 心筋梗塞・心肥大 慢性腎臓病 大動脈瘤・大動脈解離 認知症発症のリスク増加 こうした合併症を防ぐためには、早期発見と継続的な血圧管理が欠かせません。 「血圧が高い」と指摘された段階で予防策を講じることが、将来的な健康を守ります。 脳卒中の後遺症改善や再発予防を目的とした治療法として、再生医療という選択肢があります。脳卒中に対する再生医療の治療例については、以下の症例をご覧ください。 【家庭でできる】高血圧の治療法と悪化予防 高血圧の治療は、まず生活習慣の改善から始めます。 高血圧治療ガイドラインでは以下のような生活習慣が推奨されており、治療だけでなく予防にも効果的です。(文献4) 減塩を中心とした食事 適度な運動 アルコールの制限 肥満の改善 生活習慣の改善だけで血圧が下がらない場合や、心血管系疾患のリスクが高い場合には、薬物療法が検討されます。 治療開始後も薬に頼るだけでなく、見直した生活習慣を続けることが長期的な健康維持につながります。 高血圧の予防策を詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。 高血圧は症状がなくても要注意!早期対策が重要 高血圧は、多くの方が自覚症状のないまま進行するため、気づかないうちに身体にダメージを与えている可能性があります。 放置すれば、脳卒中、心筋梗塞、腎不全などの命にかかわる病気を引き起こすリスクもあるため、早期発見・早期対応が何より重要です。 まずは血圧を意識し、生活習慣の見直しから始めることが高血圧の予防と改善につながります。 症状がなくても血圧に不安を感じたら、当院リペアセルクリニックの公式LINEを活用してみてはいかがでしょうか。 再生医療に関する情報発信や、簡易診断のご相談も承っています。ご興味のある方は、お気軽にご登録ください。 高血圧に関するよくある質問 高血圧は何科を受診すれば良いですか? 高血圧に不安を感じたら、まずは一般内科を受診しましょう。 初診では、主に以下のようなことがおこなわれます。(文献4) 自宅と受診時の血圧値の確認 問診による生活習慣や家族歴の把握 必要に応じて、血液検査・尿検査・心電図などの追加検査 高血圧の原因に腎臓やホルモンの異常が疑われる場合には、専門の循環器内科や内分泌内科へ紹介されることもあります。 放置すれば、将来的に心臓や脳、腎臓などに大きなダメージを与える可能性があるため、「症状がないから大丈夫」と自己判断せず、医師の診断を受けることが重要です。 医療機関の受診を迷うなら、当院リペアセルクリニックの公式LINEをご活用いただけます。 公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しておりますので、高血圧について不安がある方は、ぜひ一度ご登録ください。 高血圧の薬は一生飲み続けなければなりませんか? 高血圧の治療では、一度薬を始めると服用し続けるのが基本です。 ただし、生活習慣の改善によって血圧が安定し、医師の判断で減薬・中止が可能になる方もいます。 「血圧が落ち着いているから」と自己判断で中止してしまうと、再び血圧が上昇してしまう可能性があるため、薬の減量・中止は医師の指示のもとにおこないましょう。 高血圧で頭痛を感じることはありますか? 高血圧そのものでは多くの場合、明らかな自覚症状はあらわれません。 ただし、急激に血圧が上昇した場合や重度の高血圧では、血管や心臓への急激な負荷により、頭痛やめまい、動悸などを発症する恐れがあります。 こうした症状が頻繁に見られる場合は、臓器への負担が大きくなっている可能性があるため、早めに医療機関を受診してください。 高血圧が高くなる時間帯はありますか? 血圧は日中の活動時にやや高くなり、睡眠中は日中よりも10〜20%ほど低くなります。(文献4) 高血圧の既往がない方でもこの変動はありますが、その数値が高い場合は「早朝高血圧」や「夜間高血圧」である可能性が高いです。 1日の変化を把握するために、家庭での血圧測定は朝と夜の決まったタイミングでおこなうと良いでしょう。 高血圧は完治しますか? 高血圧は「完治」よりも「コントロール」する病気と捉えましょう。 日本人の高血圧の約90%を占める「本態性高血圧」は、塩分の摂りすぎ、運動不足、ストレスといった生活習慣や、遺伝的な体質が複雑に絡み合って発症します。 これらの要因を根本からすべて取り除くのは難しく、一度高くなった血圧は元の正常な状態に戻りにくいのです。 そのため高血圧の治療目的は「完治」ではなく、生活習慣の改善や薬物療法により血圧を適切にコントロールし、脳卒中や心疾患などの合併症を予防することです。(文献3) 参考文献 文献1 高血圧|日本臨床内科医会 文献2 国民健康・栄養調査|政府統計の総合窓口 文献3 高血圧|国立循環器病研究センター病院 文献4 高血圧治療ガイドライン2019|日本高血圧学会 文献5 二次性高血圧症(腎血管性高血圧を含む)|日本内分泌学会
2026.02.15 -
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「もしかして痛風?」「痛風って治るの?」「病院に行った方がいい?」そんな不安を感じていませんか。 痛風は、血液中の尿酸が増え、関節にたまって炎症を起こす病気です。 生活習慣と深い関わりがあり、放置すると何度も発作をくり返すおそれもあります。 この記事では、痛風の症状・原因・治療・予防法まで、初めての方にもわかりやすく解説していきます。痛風について正しく理解し、日々の生活習慣を見直すきっかけになれば幸いです。 リペアセルクリニックの公式LINEでは、気になる症状があるときに気軽に相談や予約ができる窓口を用意しています。 「痛風かも」と不安があり、タイミングを見て相談したい方はぜひご登録ください。 痛風とは「尿酸が結晶化して起こる強い炎症」 痛風は、体内にたまった「尿酸」という物質が関節で結晶となり、強い炎症を引き起こすことで発症します。(文献1) 痛風の発作が起こるメカニズム 尿酸の結晶は、体にとって異物のような存在です。 関節にたまった尿酸結晶を免疫細胞が攻撃することで、激しい炎症反応が起こります。(文献2) 炎症により激しい疼痛が生じ、「風が吹いても痛い」と表現されるほどの痛みとなります。 尿酸が結晶化する仕組み 尿酸は水に溶けにくい性質をもっており、血液中の尿酸値が7mg/dLを超えて高い状態が続くと、結晶化しやすくなります。 なかでも足の親指の付け根など、体の末端や体温の低い場所は尿酸が結晶化しやすいため、発作が起こりやすい部位となります。(文献3) 痛風が起こりやすい部位や部位別の対策については、以下の記事も参考にしてください。 痛風の症状 痛風はどんな症状が現れるのか、代表的な例を紹介します。 足の指の激痛・腫れ・熱感・皮膚の赤みが特徴 痛風でもっとも多い症状は、足の親指の付け根に突然起こる激しい痛みです。 夜間に起こることも多く、痛みとともに関節の腫れ、熱感、皮膚の赤みなどを伴います。(文献4) 初めての発作では予兆がないことが多いですが、再発をくり返す人の中には、発作の前に軽い違和感を覚える人もいます。(文献2) 痛風の初期症状については、以下の記事で詳しく解説しているため併せてご覧ください。 手首や膝などに症状が出る場合もある 初めは足の指に出ることが多いですが、痛風発作を繰り返すうちにほかの関節にも炎症が広がるケースもあります。 膝や手首、足首、足の甲、アキレス腱の付け根など、さまざまな関節が痛風の影響を受けるようになるのです。(文献2) また、慢性化してくると、関節や耳などに「痛風結節(つうふうけっせつ)」と呼ばれるしこりのようなものができることもあります。 これは尿酸の結晶がかたまりとなって皮膚の下に沈着したもので、進行すると関節の変形を招く可能性もあります。(文献4) 痛風の症状については、こちらの記事も参考にしてください。 炎症による発熱やだるさ、倦怠感を伴うこともある 痛風発作は激しい関節の痛みや腫れに加えて、以下のような全身の不調が出るケースもあります。 発熱 寒気 頻脈 全身のだるさなど これらの症状は感染症や他の病気との区別がつかない場合もあるため、早急に医療機関を受診しましょう。(文献4) 痛風の原因 痛風の原因は、体内の「尿酸値」が高くなることです。 尿酸値が上がる原因は以下の3つが考えられます。 腎臓の機能低下 プリン体を多く含む食品やアルコールの摂取 肥満・ストレス・激しい運動 ひとつずつ詳しくみていきましょう。 尿酸値と痛風の関係について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。 腎臓の機能低下 尿酸の大部分は腎臓を通じて尿として排出されます。 しかし、腎機能が低下していると尿酸の排出がうまくいかず、体内にたまりやすくなるのです。さらに、高尿酸状態が続くと、腎臓に悪影響を与える悪循環も生まれます。(文献5) プリン体を多く含む食品やアルコールの摂取 尿酸は「プリン体」と呼ばれる物質が分解されるときに生じます。 とくにレバーや魚卵、ビールなどはプリン体が多く、過剰に摂取すると尿酸値が上がりやすくなるのです。 また、アルコールは腎臓の働きに悪影響を及ぼしたり、体内で尿酸を作るはたらきを強めたりする作用があり、痛風のリスクを高めます。(文献5) そのため「ビールではないから大丈夫」と安心して他のお酒をたくさん飲んでいると、知らないうちに尿酸値が上がってしまうおそれがあります。日本酒や焼酎、ワインなども含め、飲みすぎには注意が必要です。(文献4) こちらの記事では、痛風の人がコーヒーを飲むことの影響や注意点について解説しているため併せてご覧ください。 肥満・ストレス・激しい運動 肥満の人は、尿酸が体内でつくられる量が増えるだけでなく、腎臓からの排泄もスムーズにいかなくなるため、尿酸値が高くなりやすい傾向があります。(文献6) また、ストレスや睡眠不足はホルモンバランスや自律神経の働きに影響を与え、尿酸の代謝や排泄に悪影響を及ぼすと考えられています。 さらに、激しい運動で大量の汗をかいたときは、一時的に尿酸値が急上昇することがあるため注意が必要です。(文献7) 体重管理とともに、生活全体をととのえることが、痛風予防では大切です。 痛風の合併症 痛風をそのまま放っておくと、関節の痛みだけでなく、ほかの病気につながることもあります。 高尿酸状態が続くと、腎臓に結晶がたまりやすくなり「尿路結石」や「腎機能の低下」などのリスクが高まります。(文献2) 尿酸値が高い状態が続くと、脳卒中や心臓の疾患などのリスクを高める可能性もあるのです。 また、関節が炎症を繰り返すと、変形性関節症のリスクを高める可能性も否定できません。(文献4) つまり痛風は、単なる「関節の病気」ではなく、全身に関わる生活習慣病の一種と考えられるでしょう。 変形性関節症へと進行した場合、根本的な治療法は限られますが、「再生治療」という方法が新たな治療の選択肢として登場しています。 変形性膝関節症の治療について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 痛風の治療 痛風の治療は「発作時の対応」と「再発を防ぐための体質改善・尿酸値の管理」の2つに分けられます。 急性期の治療|患部の冷却と鎮痛薬 発作が起きている間は、痛みと炎症をおさえる治療が中心です。 消炎鎮痛剤を使用し、医師の判断で関節にステロイドを注射するケースもあります。痛む関節はなるべく動かさず、冷やして安静を保つことが基本です。(文献8) ただし、市販薬の使用や冷却の方法は症状によって異なるため、必ず医師に相談してください。 痛風発作時の適切な対処法についてさらに知りたい方は、以下の記事も役立ちます。 長期的な治療|薬物療法 痛風発作を何度も繰り返していたり、関節に痛風結節と呼ばれるしこりができていたりする場合は、尿酸値をしっかりと下げる治療が必要です。 尿酸産生を抑制する(アロプリノール、フェブキソスタット)や、尿酸の排泄を促進させる薬(ベンズブロマロン、ドヌラチドなど)が用いられます。自己判断で中断せず、医師の指示にしたがって継続することが大切です。(文献1) 治療法については、こちらの記事で詳しく解説しているため、併せてご覧ください。 痛風の予防・再発防止方法 痛風の発作をくり返さないためには、日頃の生活習慣を見直すことがポイントです。具体的には、以下の3つを心がけると良いでしょう。 プリン体を多く含む食品やアルコールを控える 十分な量の水分を摂る 適度な運動とストレスマネジメントをする 順番に解説します。 以下の記事でも予防法を詳しく紹介しています。 プリン体を多く含む食品やアルコールを控える プリン体を多く含む食品の過剰摂取は痛風の原因のひとつです。そのため、プリン体が含まれる食品は控えましょう。 とくにレバーや魚卵、ビールなどはプリン体が多く含まれており、摂りすぎに注意が必要です。 ただし、プリン体は肉や魚にも含まれているため、「プリン体ゼロ」にこだわりすぎる必要はありません。食事のバランスをととのえ、アルコールは控えめにすることが痛風予防につながります。(文献10) 食事の工夫については以下の記事も参考にしてください。 【関連記事】 痛風の食事療法とは?食べてはいけないもの一覧やストレスをためない食生活改善のポイント 【何パック?】納豆は痛風でも食べていい?おすすめの食べ方を医師が解説 十分な量の水分を摂る 十分な量の水分を摂ることも、痛風対策には大切です。 水分をしっかり摂ることで、尿として尿酸がスムーズに排出されやすくなります。 目安は1日あたり2L程度です。 ただし、アルコールや甘い飲み物を飲みすぎてはいけません。水やお茶、白湯などを飲むよう心がけましょう。(文献7)(文献9) 適度な運動とストレスマネジメントをする ウォーキングなどの軽い有酸素運動は、尿酸値のコントロールに効果的です。 ただし、激しい筋トレのような無酸素運動は逆に尿酸値を上げてしまう可能性があるため、適度な運動にしましょう。また、ストレスや睡眠不足もホルモンの影響で尿酸代謝に関わるため、日々のリラックスも大切です。(文献1) たとえば、通勤で一駅分歩く、休日に軽くサイクリングする、寝る前にストレッチでリラックスするといったことを意識すると良いでしょう。 痛風とウォーキングの関係性について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。 痛風をくり返さないためにも医療機関で適切な治療を受けよう 痛風は、一度発作を経験すると再発をくり返しやすい病気です。症状が落ち着いているときでも、尿酸値が高い状態を放置すると新たな発作につながるリスクがあります。 再発を防ぐには、食生活の工夫や適度な運動、水分摂取など、日常生活の見直しが欠かせません。あわせて、必要に応じて医療機関での検査や薬による治療を受けることも重要です。 とくに尿酸値が高めに続いている方や、すでに複数回発作を経験している方は、早めに受診を検討しましょう。痛風は「生活習慣病」のひとつでもあり、早期に対応することで合併症のリスクを下げ、健康を守ることにつながります。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。痛風について気になる症状がある方は、ぜひ一度ご登録ください。 痛風に関するよくある質問 痛風は市販薬で治せますか? 痛風発作が出た場合、ロキソプロフェンをはじめとする市販薬で、一時的に痛みを和らげることは可能です。 ただし、根本的な原因である「高尿酸血症」を改善しない限り、再発をくり返す可能性があります。 痛風治療は症状を抑えるだけでなく、食事や運動など生活習慣を見直し、医療機関で適切な治療を受けることが大切です。(文献4) 薬の選び方や副作用については、こちらの記事も参考にしてください。 痛風に良い食べ物はありますか? 低脂肪の乳製品(牛乳・ヨーグルトなど)は、痛風のリスクを下げるといわれています。 また、プリン体が少ない野菜や果物、海藻などを意識的に摂り、プリン体の多い食品を控えると良いでしょう。(文献1) 尿酸値を下げる食べ物・飲み物については、こちらで詳しく解説しているため併せてご覧ください。 女性に多い痛風の原因はなんですか? 女性に多い痛風の原因は、「生活習慣」と「閉経による女性ホルモンの変化」です。 痛風は男性に起こりやすい傾向がありますが、女性にも痛風は起こります。 女性に少ないのは、女性ホルモンが尿酸の排泄に関わっているからと考えられています。 そのため、閉経後は女性ホルモンが減ることで尿酸の排泄が低下し、尿酸値が上がりやすくなるので女性でも注意が必要です。(文献3) 女性の痛風については、以下の記事で詳しく紹介しています。 参考文献 (文献1) 2019年改訂高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版2022年追補版|日本痛風・尿酸核酸学会 (文献2) 「痛風」|公益社団法人日本整形外科学会 (文献3) 17.痛風(高尿酸血症)|一般社団法人愛知県薬剤師会 (文献4) 痛風|MSDマニュアル家庭版 (文献5) アルコールと高尿酸血症・痛風|健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~厚生労働省 (文献6) 肥満と痛風・高尿酸血症|一般社団法人日本肥満症予防協会 (文献7) 【痛風】ある日突然、激痛におそわれます|全国健康保険協会 (文献8) 高尿酸血症・痛風の診断と治療|第 112 回日本内科学会講演会 (文献9) 高尿酸血症と食事|独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所 (文献10) 高尿酸血症|健康日本21アクション支援システム Webサイト
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「潰瘍性大腸炎が再燃するきっかけは何なのか」「日常生活において注意する点はあるのか」と、不安を感じている方もいるでしょう。 潰瘍性大腸炎の再燃には、ストレスや過労、感染症などが関与するケースがある一方で、明確な原因がわからない場合もあります。再燃のきっかけになりやすい要因を知っておくと、日常生活の中での備えとなるでしょう。 本記事では、潰瘍性大腸炎が再燃するきっかけを解説します。再燃のきっかけを減らすポイントや受診の目安もまとめているので、ぜひ参考にしてください。 また、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。潰瘍性大腸炎について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 【再燃する?】潰瘍性大腸炎のメカニズム 潰瘍性大腸炎は、症状が一度落ち着いても炎症が再び活性化しやすく、再燃を繰り返しやすい病気です。明確な原因は解明されていませんが、複数の要因が関与していると考えられています。 考えられている要因は、以下のとおりです。 体質 遺伝的な要素 免疫反応の異常 食生活の変化 環境の変化 など 免疫の働きが過剰になることで腸に炎症が起こり、完全に治まりきらない状態が続くケースがあります。治療によって症状が改善しても、免疫バランスの変化や体調の影響を受けて腸の炎症が再び強まり、下痢や血便などが再発する場合もあります。 このように、寛解と再燃を繰り返しやすい点が潰瘍性大腸炎の特徴です。根治が難しい病気であることから、症状が落ち着いたあとも治療を継続し、経過観察が重要とされています。 潰瘍性大腸炎における再燃のきっかけ 潰瘍性大腸炎における再燃のきっかけには、ストレスや慢性的な疲れなどがあります。以下でそれぞれ見ていきましょう。 ストレス 潰瘍性大腸炎における再燃のきっかけの一つとして考えられているのが、ストレスです。強いストレスがかかると自律神経のバランスが乱れ、免疫の働きにも影響を与えると考えられています。その結果、腸の働きに負担がかかり炎症が悪化しやすくなる可能性があります。 また、精神的なストレスが続くと食欲の低下や睡眠不足につながる場合もあるでしょう。生活習慣の乱れが重なると、体の回復力が低下し、症状が再燃するケースも見られます。 日常生活のなかで、ストレスを溜め込みすぎないようにし、自分に合った方法でうまく向き合っていくことが再燃リスクを抑えるうえで大切です。 慢性的な疲れ 忙しさや無理が続いたあとに、潰瘍性大腸炎の症状が再燃する人も少なくありません。疲労が蓄積すると、体の回復力が十分に働かなくなり、炎症を抑える力が弱まりやすくなるためです。その結果、腸の状態が安定しにくくなり、症状が再燃する可能性があります。 睡眠不足や過労が続いたあとに、腹痛や下痢などの症状が再び現れるケースも見られます。日頃から無理をせず、疲れを溜め込まない生活リズムを意識しましょう。 感染症 感染症は、潰瘍性大腸炎における再燃のきっかけの一つです。風邪やインフルエンザなどの感染症にかかると、体に負担がかかり、免疫バランスが変化します。その影響で腸の炎症が再び活性化し、再燃につながる可能性があります。 過去の報告では、潰瘍性大腸炎の再燃時には、風邪などの感染症(上気道感染)が誘因として認められました。(文献1)感染症が流行する時期には、体調管理や予防を意識し、違和感を感じたら早めに対処することが大切です。 特発性の再燃(原因不明) 潰瘍性大腸炎は、ストレスや疲労など明らかなきっかけがなくても再燃する場合があります。潰瘍性大腸炎は発症の原因や再燃のきっかけが完全には解明されておらず、体質や免疫バランスの変動など、目に見えない要因が影響していると考えられるためです。 とくに思い当たる出来事がないにもかかわらず、下痢や血便、腹痛などの症状が現れるケースも珍しくありません。また、潰瘍性大腸炎は長期間にわたり炎症が続くと、大腸がんリスクが高まる可能性があるとされており、適切なフォローが必要です。 原因がはっきりしない再燃も起こり得るため、違和感を覚えた際は早めに医療機関を受診しましょう。 潰瘍性大腸炎における再燃のきっかけを減らすポイント 潰瘍性大腸炎における再燃のきっかけを減らすポイントは以下のとおりです。 規則正しい生活を心がける ストレスを溜め込みすぎない 症状が良くなっても服薬を続ける 以下で詳しく見ていきましょう。 規則正しい生活を心がける 規則正しい生活を意識することは、再燃のきっかけを減らすポイントの一つです。不規則な生活や睡眠不足が続くと、自律神経のバランスが乱れやすくなります。その影響で腸の働きや体の回復力が低下し、症状が改善しにくくなる場合があります。 脂っこい食べ物やアルコールなどの刺激物を控え、栄養バランスを意識した食事を心がけることが大切です。また、寝不足などの生活リズムの乱れが続くと、再燃のきっかけになる可能性があるため、十分な睡眠を確保することが予防につながります。 日々の食事や睡眠、生活バランスを整えて腸の負担を減らし、再燃のきっかけを減らしていきましょう。 ストレスを溜め込みすぎない ストレスを上手にコントロールするのは、潰瘍性大腸炎における再燃のきっかけを減らすうえで意識しておきたいポイントです。強いストレスや緊張が続くと、自律神経や免疫機能のバランスに影響を与え、腸の働きが乱れやすくなると考えられているためです。 精神的な負担が続くと、睡眠の質が低下したり、食欲が落ちたりする場合もあります。こうした状態が重なると、体の回復力が低下して症状が再燃するケースも見られます。 日常生活の中でストレスを抱え込みすぎないように意識し、適度にリフレッシュする時間を取り入れて、再燃のきっかけを減らしましょう。 症状が良くなっても服薬を続ける 症状が落ち着いてからも服薬を続けるのは、潰瘍性大腸炎における再燃のきっかけを防ぐために欠かせません。潰瘍性大腸炎では、症状が落ち着いている状態でも、腸の炎症が完全に治っていない場合があるためです。 治療薬は、症状を抑えるだけでなく、炎症をコントロールし再燃を防ぐ目的で処方されています。このため、症状が軽くなったと感じた場合でも、医師の指示に従って服用を続けることが重要です。薬の変更や中断を検討したいときは、自己判断せず、必ず医師に相談しましょう。 潰瘍性大腸炎の再燃が疑われるときの受診タイミング 潰瘍性大腸炎の再燃が疑われる症状がみられる場合は、早めに医療機関を受診してください。下痢や腹痛、血便などの症状が以前より強くなっているケースや、体調の変化が数日続いているときは、腸の炎症が再び悪化している可能性があります。 たとえば、排便回数が増えた、腹痛が続く、少量でも血便が出るといった変化があるときは、再燃の前兆の場合もあります。早い段階で医療機関を受診し、必要に応じて治療を受けると、重症化を防ぎやすくなるでしょう。 潰瘍性大腸炎における再燃のきっかけを知り早めに医療機関を受診しよう 潰瘍性大腸炎は、ストレスや慢性的な疲れ、感染症などがきっかけで再燃する恐れがある一方で、明確な原因がわからないまま、再燃するケースも見られます。 日常生活において、規則正しい生活を心がけたり、ストレスを溜め込みすぎたりしない工夫をすることも大切です。また、症状が落ち着いていても、医師の指示に従って服用を続けましょう。 腹痛や下痢、血便などの体調の変化が数日続く場合は、再燃のサインの可能性があります。症状が軽いと感じても、自己判断せずに早めに医療機関を受診しましょう。 一方で、薬物療法を継続していても再燃を繰り返し、寛解維持が難しいという方に対して、治療法の選択肢の一つとして、再生医療があります。 再生医療は、患者さまご自身の幹細胞を活用し、炎症によって傷ついた組織の修復環境を整えることが期待される治療法です。 実際に当院(リペアセルクリニック)では、薬物療法やG-CAP療法を継続しても寛解維持が難しかった難治性潰瘍性大腸炎の患者さまに対して再生医療を実施し、その後の経過観察において担当医が内視鏡所見の変化を確認した症例もございます。 ▶ 難治性潰瘍性大腸炎の症例はこちら 潰瘍性大腸炎の再燃を繰り返している方や、現在の治療だけでは不安を感じている方は、まずは当院(リペアセルクリニック)へお気軽にご相談ください。 潰瘍性大腸炎の再燃に関するよくある質問 潰瘍性大腸炎が再燃する前兆はありますか? 潰瘍性大腸炎が再燃する前兆には、下痢や血便、腹痛などの症状が現れる場合があります。排便回数の増加や少量の出血、腹痛が続くなど、いつもと違う小さな変化が前触れとなるケースもあるため、違和感を覚えたら早めに医師に相談しましょう。 潰瘍性大腸炎が再燃したときの食事は何に気を付けたらよいですか? 潰瘍性大腸炎が再燃した際は、腸への負担を抑えた食事を意識することが大切です。脂っこい食べ物や香辛料、アルコールなどの刺激物は控え、消化のよい食事を選びましょう。 冷たい飲み物を避けたり、一度にたくさん食べ過ぎたりしないよう、注意することも大切です。食事内容に不安がある場合は、自己判断せず医師に相談しながら調整するとよいでしょう。 参考文献 (文献1) 潰瘍性大腸炎における緩解維持療法と再燃の誘因の分析|日本消化器内視鏡学会雑誌
2026.02.15 -
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「潰瘍性大腸炎と診断された芸能人を知りたい」 「潰瘍性大腸炎と診断された芸能人はどのようにして活動を継続しているのか?」 潰瘍性大腸炎と診断され、この先どうしていくべきか漠然とした不安を抱えている方は少なくありません。潰瘍性大腸炎は難病に指定されているため、現在の医学では症状の改善は期待できるものの、完治は困難とされています。 2023年の調査によると、日本における潰瘍性大腸炎の患者数は146,702人と報告されています。(文献1) 患者の中には芸能人も含まれており、どのように芸能活動を継続しているのか気になる方も多いでしょう。 本記事では、現役医師が潰瘍性大腸炎と診断された芸能人を一覧で紹介し、実例からわかる症状の特徴や予後を詳しく解説します。 記事の最後には潰瘍性大腸炎の芸能人に関するよくある質問をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 潰瘍性大腸炎の症状にお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 潰瘍性大腸炎を公表している芸能人一覧 芸能人一覧 詳細 井澤こへ蔵(俳優) 大学在学中に血便を契機として潰瘍性大腸炎と診断、再燃と寛解を繰り返しながら治療と俳優活動を両立している経験 若槻千夏(女優・モデル) 若年時に潰瘍性大腸炎を発症し、体調悪化による休養と治療を経て芸能活動に復帰した体験 高橋メアリージュン(女優・モデル) 多忙な生活の中で潰瘍性大腸炎を発症し、食事管理や治療を続けながら仕事を継続している実例 岸明日香(グラビアアイドル) 潰瘍性大腸炎による体調不良を公表し、治療と並行して芸能活動に取り組む姿勢 天羽希純(グラビアアイドル) 潰瘍性大腸炎による入退院や活動制限を経験しつつ、病状と向き合いながら復帰を目指す経過 MACO(シンガー・ソングライター) 潰瘍性大腸炎の診断後、体調管理を優先しながら音楽活動を継続している経験 IKE(ミュージシャン) 潰瘍性大腸炎による長期療養と手術を乗り越え、ステージ復帰を果たした闘病経験 もこう(ゲーム実況者) 潰瘍性大腸炎による症状や治療経過を発信しながら活動を続けている体験談 潰瘍性大腸炎は、再燃と寛解を繰り返す慢性炎症性腸疾患であり、治療の継続と生活調整が重要です。 芸能人の実例からもわかるように、発症時期や症状の重さ、治療経過は個人差があります。一方で多くの患者が休養や治療を経て社会・芸能活動に復帰されています。 潰瘍性大腸炎において、適切な薬物療法を継続し、自己判断で治療を中断せずに通院の継続が大切です。体調に応じた働き方の工夫が、長期的な病状安定と生活の質の維持において欠かせません。 井澤こへ蔵(俳優) 井澤こへ蔵さんは、大学3年の12月に血便をきっかけに受診し、内視鏡検査により潰瘍性大腸炎と診断されたことをブログで公表しています。 5-ASA製剤(アサコール)による治療を開始しましたが、自己判断で服薬を中断した時期もありました。 その後、再燃と寛解を繰り返し、2022年11月には下痢・血便を伴う再燃を経験して療養に専念しました。 現在は病気と向き合いながら俳優活動や社会発信を続けており、慢性疾患との共存を体現されています。 若槻千夏(女優・モデル) 若槻千夏さんは、過去に神経性胃炎および潰瘍性大腸炎と診断されました。そのため、体調不良により入院・療養が必要となり、出演予定の番組をキャンセルして一時的に芸能活動を休止したことが公表されています。 治療と休養を経て活動に復帰されており、長期にわたり病気と向き合ってこられた経過がうかがえます。 著名人による公表は、潰瘍性大腸炎という慢性疾患への理解促進や、患者が治療と社会生活を両立する重要性を社会に伝える一助といえるでしょう。 高橋メアリージュン(女優・モデル) 高橋メアリージュンさんは、2013年に自身のSNSで潰瘍性大腸炎の治療中であることを公表され、2014年には難病指定疾患であることを改めて明らかにされました。 頻回の排便や外出時のトイレへの不安など、日常生活への大きな支障を発信されています。 その後、治療により症状が改善し、2019年には長期間寛解状態にあると報告されました。 一方で再燃の可能性にも言及され、病気と向き合いながら治療を継続する姿勢を示されています。 岸明日香(グラビアアイドル) 岸明日香さんは、2020年に自身のSNSで高校時代から潰瘍性大腸炎を患っていることを公表されました。 潰瘍性大腸炎は完治が難しく再燃を繰り返す疾患である点に触れ、理解と認知の重要性を発信されています。 発症は若年期とみられますが、詳細な治療経過は公表されていません。ご本人は現在の体調について「良好」と述べられる一方、ストレスにより悪化しやすい疾患特性を踏まえ、再燃への注意を払いながら活動を続けられています。 天羽希純(グラビアアイドル) 天羽希純さんは、2023年に自身のSNSで潰瘍性大腸炎を患っていることを公表されました。 腹痛や体調の波があり「症状が重い時には日常生活が困難になることもある」と症状について率直に明かしました。 一方で、薬物治療を継続すれば通常の生活が可能である点にも触れ、疾患の特性を丁寧に説明されています。 体調により一時的な活動制限を行う可能性はあるものの、療養と両立しながらアイドル活動を続ける意思を示されています。 MACO(シンガー・ソングライター) MACOさんは、2021年に自身のYouTubeチャンネルで潰瘍性大腸炎を患っていることを公表されました。 19歳頃から原因不明の腹痛を繰り返し、重症化した時期にはツアー中に入院を余儀なくされるなど、身体的・精神的に大きな負担を経験されています。 その後は治療と生活習慣の調整を行い、体調と相談しながら音楽活動を継続されています。 IKE(ミュージシャン) IKEさんは、SPYAIRのボーカルとして活動する中で潰瘍性大腸炎が再燃し、療養を優先するため2022年にバンドを脱退されたことを公表されました。 2019年に発症し一時は寛解したものの、その後再燃し活動継続が困難と判断された経緯があります。 治療と休養を経て体調の安定を図り、2023年以降はご自身のペースで音楽活動を再開されています。 もこう(ゲーム実況者) もこうさんは、中学生時代に潰瘍性大腸炎を発症し、腹痛や血便をきっかけに長期入院治療を受けた経験を公表されています。 発症当時は頻回の排便や便意の制御困難など、典型的な症状に苦しんでいたそうです。その後も再燃の可能性を含め疾患の実情を発信し続けられています。 現在はゲーム実況者として活動される一方、講演や配信を通じて潰瘍性大腸炎への理解促進に取り組まれています。 芸能人の事例からわかる潰瘍性大腸炎の特徴 特徴 詳細 再燃・寛解を繰り返す慢性疾患 症状が落ち着く時期(寛解)と症状が悪化する時期(再燃)を繰り返し、長期的な疾患管理を要する疾患の経過 血便・下痢・腹痛などの腸症状に加えて全身症状を伴うこともある 血便、下痢、腹痛などの消化管症状に加え、倦怠感、体重減少、発熱などが出現することのある病態 継続的な治療と定期検査が重要 症状が安定している時期においても、服薬継続および定期的な内視鏡検査や血液検査が必要となる点 潰瘍性大腸炎は、症状が落ち着く寛解期と悪化する再燃期を繰り返す慢性疾患であり、長期的な視点での管理が必要です。 血便や下痢、腹痛といった腸症状に加え、倦怠感や体重減少など全身に影響が及ぶこともあります。 症状が軽快していても自己判断で治療を中断せず、服薬の継続と定期的な検査を行うことが、再燃予防と生活の質維持につながります。 再燃・寛解を繰り返す慢性疾患 潰瘍性大腸炎は、生涯にわたって活動期(症状が強く出る時期)と寛解期(症状が落ち着いた時期)を繰り返すことが多い慢性疾患です。 活動期には腸粘膜の炎症や潰瘍により血便、下痢、腹痛が出現します。一方、寛解期では症状が軽快し、薬物療法や生活習慣管理により安定した日常生活が可能です。 ただし現時点で完治は難しく、寛解と再燃のサイクルが続く可能性があります。 再燃の頻度や重症度には個人差が大きく、寛解後1年以内に再燃する例も報告されています。(文献2) 血便・下痢・腹痛などの腸症状に加えて全身症状を伴うこともある 潰瘍性大腸炎は、大腸粘膜の炎症により血便、下痢、腹痛などの腸管症状を引き起こす疾患ですが、腸以外の全身や他臓器に影響することもあります。(文献1) 発熱、倦怠感、体重減少、貧血などの全身症状に加え、関節炎、皮膚病変、眼の炎症、肝・胆道系病変などの腸管外合併症が報告されています。(文献3) 潰瘍性大腸炎は免疫異常や全身性炎症を伴うため、これらの症状は活動期に限らず腸症状が安定している時期にも出現することがあり、腸管のみならず全身を視野に入れた継続的な管理が重要です。 継続的な治療と定期検査が重要 潰瘍性大腸炎は慢性疾患であり、症状が落ち着いている寛解期でも腸粘膜の炎症が残存していることがあります。 そのため、再燃予防と長期予後の改善には治療の継続と定期的な評価が欠かせません。 炎症の有無や粘膜の回復状況を把握するため、血液検査や便検査に加え、定期的な大腸内視鏡検査が推奨されます。 診断から一定期間を経た患者では、症状がなくても1〜2年に1回の内視鏡検査が勧められることがあります。(文献4) さらに長期炎症に伴う大腸がんリスクや治療薬の副作用を早期に把握するためにも、継続的な医療管理が欠かせません。 芸能人の事例からわかる潰瘍性大腸炎の予後 予後 詳細 寛解維持により通常の生活・キャリア継続・妊娠出産が可能 寛解を保つことで、仕事や家庭生活、ライフイベントを通常どおり送れる可能性 適切な治療で社会復帰できる可能性がある 治療と休養により症状が安定し、活動再開が可能となる経過 長期罹患による大腸がんリスクがあり定期検査が不可欠 罹患期間の長期化に伴う大腸がんリスクに対し、内視鏡検査による定期的な確認が必要 潰瘍性大腸炎は慢性疾患ですが、適切な治療により寛解を維持できれば、仕事や学業、家庭生活を含む通常の生活を続けることができます。 再燃時には一時的な休養や治療調整が必要となる場合もありますが、症状が安定すれば社会復帰や活動再開が期待できます。 一方、罹患期間が長くなると大腸がんのリスクが高まるため、症状の有無にかかわらず定期的な内視鏡検査を受け、長期的な健康管理を行うことが重要です。 寛解維持により通常の生活・キャリア継続・妊娠出産が可能 適切な治療で寛解を維持できれば、血便や下痢などの症状が落ち着き、日常生活や仕事・趣味を普段どおり続けられます。実際に、通院や薬物療法を継続しながら活動を続けている方もいます。 また、病状が安定していれば妊娠・出産も可能です。治療薬については医師と相談しながら調整します。 一方で、自己判断による治療中断は再燃のリスクを高めるため、寛解期であっても継続的な診療と治療が欠かせません。 適切な治療で社会復帰できる可能性がある 潰瘍性大腸炎は再燃や悪化の可能性がありますが、適切な治療と継続的な管理により社会生活や仕事への復帰が可能です。(文献5) 軽症から中等症では5-ASA製剤(5-アミノサリチル酸製剤)による維持療法が基本となり、寛解の維持を目指します。 重症発作を経験した場合や病勢のコントロールが難しい場合には、免疫抑制薬や生物学的製剤といった治療選択肢があり、症状改善と生活の質の回復が報告されています。(文献6) 潰瘍性大腸炎は慢性疾患ですが、就労不能を意味するものではありません。医療管理と職場の理解・配慮があれば、就労や社会生活の継続が期待できます。 長期罹患による大腸がんリスクがあり定期検査が不可欠 潰瘍性大腸炎は大腸粘膜に慢性的な炎症が続く疾患であり、長期間の炎症により異形成を経て大腸がんへ進展する可能性が報告されています。(文献7) 罹患期間が長い場合や炎症が大腸全体に及ぶ患者では、大腸がんのリスクが高まることが知られています。 そのため症状が落ち着いている寛解期でも、定期的な大腸内視鏡検査により粘膜の状態を直接確認することが大切です。 検査頻度は病変の範囲や炎症の程度、過去の内視鏡所見などにより異なりますが、一般的には1〜3年ごとの実施が目安とされています。(文献8) 以下の記事では、潰瘍性大腸炎における再発について詳しく解説しています。 潰瘍性大腸炎の治療法 治療法 詳細 薬物療法 炎症を抑える5-ASA製剤(5-アミノサリチル酸製剤)、ステロイド、免疫調節薬、生物学的製剤などを用いた病状コントロール 栄養療法・食事管理 腸への負担軽減を目的とした食事調整、栄養状態の維持・改善を図る管理方法 手術療法 薬物療法で制御困難な場合や合併症発生時に行われる大腸切除を中心とした治療選択 再生医療 既存治療で効果不十分な症例を対象に研究・臨床応用が進められている新たな治療法 潰瘍性大腸炎の治療は、病状や重症度に応じて段階的に選択されます。基本となるのは薬物療法で、炎症を抑え寛解の導入と維持を目指します。 また、栄養療法や食事管理は腸への負担を軽減し、全身状態を安定させる上で重要です。 薬物療法で十分な効果が得られない場合や重篤な合併症がある場合には手術療法が検討されます。 近年は、難治例を対象に再生医療など新たな治療法の研究も進められており、治療の選択肢は広がっています。 ただし、再生医療を提供している医療機関は限られており、すべての症例に適用できるわけではないため、事前に医師と十分に相談することが必要です。 以下の記事では、潰瘍性大腸炎の治療法について詳しく解説しています。 薬物療法 潰瘍性大腸炎は大腸粘膜に慢性的な炎症が生じる疾患であり、炎症を抑えて症状を改善し、再燃を防ぐことが治療の基本です。 薬物療法はこの病態に直接作用するため、治療の中心的役割を担います。5-ASA製剤(5-アミノサリチル酸製剤)は抗炎症作用により血便や下痢などの症状を軽減し、急性期の生活への影響を抑えます。 また症状が落ち着いた後も服薬を継続することで寛解を維持し、再燃リスクを低下させます。 中等症から重症例では、ステロイドや免疫調節薬、生物学的製剤などを用いることで、より強力な炎症制御が可能です。 栄養療法・食事管理 潰瘍性大腸炎では、粘膜の炎症や下痢により栄養吸収が低下しやすく、食事内容や栄養状態が病状に影響します。 そのため薬物療法と並行した栄養療法・食事管理が、症状の安定や生活の質の維持に欠かせません。 適切な栄養補給は粘膜修復や体力維持を支え、下痢や腹部不快感を悪化させる食品を避けることで症状緩和が期待できます。 急性期には低脂肪・低残渣食が有効な場合があり、摂取困難時には経腸栄養が検討されます。 以下の記事では、潰瘍性大腸炎における食事管理について詳しく解説しています。 【関連記事】 【医師監修】潰瘍性大腸炎の食事で気をつけることは?食べて良いもの・いけないものを解説 【医師監修】潰瘍性大腸炎のおならが臭い・多い理由と対策を詳しく解説 手術療法 項目 内容 主な手術方法 大腸全摘術による病変部の除去 期待される効果 血便や腹痛からの解放、生活の質の改善 手術の適応 薬物療法が無効な重症例、重篤な合併症、がん化リスクが高い場合 ストーマの可能性 術式により一時的または永久的なストーマ造設が必要な場合あり 術後の管理 感染予防、栄養管理、排便コントロールなど継続的なフォローアップが必要 (文献9) 潰瘍性大腸炎の手術療法は、薬物療法で十分な効果が得られない重症例や、大腸穿孔・大量出血などの重篤な合併症、長期罹患による大腸がんリスクが高い場合に検討されます。 主に大腸全摘術が行われ、病変部を除去することで炎症の再燃を防ぎ、血便や腹痛を抑制できる点が利点です。 術式によっては人工肛門(ストーマ)の造設が必要となりますが、近年のストーマケア技術の進歩により社会復帰が期待できます。 また、手術後も感染予防や栄養管理、排便コントロールなど継続的なフォローアップが欠かせません。 再生医療 潰瘍性大腸炎の治療は現在も薬物療法や手術療法が中心です。 しかし近年では、炎症によって傷ついた腸粘膜の修復環境を整えることを目的とした再生医療が、新たな治療選択肢として注目されています。 再生医療は、患者さまご自身の幹細胞を活用し、免疫バランスの調整や組織の修復をサポートすることが期待される治療法です。 実際に、薬物療法やG-CAP療法を継続しても寛解維持が難しかった難治性潰瘍性大腸炎の患者さまにおいて、当院(リペアセルクリニック)の治療を受けられた後の内視鏡検査で担当医が腸粘膜の状態の変化を確認した症例もございます。 >>難治性潰瘍性大腸炎の症例はこちら 潰瘍性大腸炎の症状がなかなか安定しない方や、既存治療以外の選択肢について知りたい方は、まずは当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。 以下の記事では、再生医療について詳しく解説しています。 潰瘍性大腸炎を公表した芸能人の実例をもとに適切な治療を受けよう 芸能人の公表例は、潰瘍性大腸炎の病状や治療への理解を深める一助となりますが、症状の重さや治療経過は患者ごとに大きく異なり、あくまでもひとつの事例にすぎません。 実例を参考にしつつも、自身の症状や生活状況に合わせた治療方針を選択することが大切です。 体調の変化や不調を感じた場合は早めに医療機関へ相談し、継続的な診療と検査を通じて、長期的な病状の安定を目指しましょう。 潰瘍性大腸炎についてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、潰瘍性大腸炎に対して再生医療を用いた治療を行っています。 潰瘍性大腸炎では、幹細胞を用いて損傷した腸粘膜の修復を促す再生医療の研究が進められており、炎症による粘膜障害の改善が期待されています。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 潰瘍性大腸炎の芸能人に関するよくある質問 芸能人で潰瘍性大腸炎の手術を受けた人はいますか? 現時点において、潰瘍性大腸炎の手術を受けたと公に確認できる芸能人の事例は見当たりません。 手術の有無や内容は個人のプライバシーに深く関わるため、本人が詳細を公表するケースは極めて少ないのが実情です。 多くの報道では闘病や通院、治療中であることにとどまり、手術に関する具体的な言及は確認されていません。 また、医療文献や公的資料においても、著名人の手術歴が特定できる形で公開されることはなく、匿名化されているのが一般的です。 芸能人の潰瘍性大腸炎の事例は医学的根拠として捉えて問題ないでしょうか? 芸能人の公表事例は疾患への理解を深めるきっかけになりますが、医学的根拠そのものにはなりません。 公表されている内容はあくまで個人の体験に基づく情報であり、診断条件や治療経過が医学的に十分検証・公開されているわけではありません。 そのため、臨床研究や診療ガイドラインといったエビデンスとは性質が異なります。 特定の事例をもとに同じ治療効果を期待することはできず、自己判断は不適切な治療選択につながるおそれがあります。 症状がある場合は必ず医療機関を受診し、医師の診断と指導を受けることが大切です。 参考文献 (文献1) 潰瘍性大腸炎(指定難病97)|難病情報センター (文献2) Risk of Relapse in Patients With Ulcerative Colitis With Persistent Endoscopic Healing: A Durable Treatment Endpoint|PMC PubMed Central® (文献3) 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎,クローン病)|一般社団法人日本大腸肛門病学会 (文献4) 潰瘍性大腸炎(指定難病97)|難病情報センター (文献5) 潰瘍性大腸炎について|慶應義塾大学病院IBD(炎症性腸疾患)センター (文献6) 就労系福祉サービス事業所における 難病のある人への 合理的配慮マニュアル | 厚生労働省 (文献7) Colon Cancer Screening and Surveillance in Inflammatory Bowel Disease|PMC PubMed Central® (文献8) Colorectal Cancer Guideline | How Often to Have Screening|American Cancer Society (文献9) 潰瘍性大腸炎外科治療指針(2016年1月改訂)|出典:「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(鈴木班) 平成29年度総括・分担研究報告書 p61~p63 (文献10) 自家腸上皮オルガノイドを用いた潰瘍性大腸炎に対する粘膜再生治療の開発 | 研究支援部|NIBN
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潰瘍性大腸炎は指定難病の1つで、根治治療法が確立されていない疾患です。生活の質の回復には、継続的な治療が欠かせません。潰瘍性大腸炎と長く付き合っていくためには、治療法を理解しておくことが重要です。 本記事では、潰瘍性大腸炎の治療法について解説します。治療の目標や流れ、主な治療薬についてもまとめているので、潰瘍性大腸炎と診断された方は、ぜひ参考にしてください。 また、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 潰瘍性大腸炎に関する気になる症状が見られる方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 潰瘍性大腸炎の治療目標 潰瘍性大腸炎は完治が難しい難病のため、寛解(かんかい)の達成と維持が目標になります。寛解は、症状が一時的に落ち着いた状態です。 寛解期は行動に制限がなく、学校や仕事へ行くといった日常生活を送れます。つまり、生活の質の回復が潰瘍性大腸炎の治療目標です。生活の質の回復には、再び症状が現れないよう治療を続ける必要があります。 なお、現在は医療技術の進歩により、「粘膜治癒」も潰瘍性大腸炎の治療目標に加わりました。粘膜治癒の達成では、再び炎症が悪化する再燃率だけでなく、入院率や手術率、発がん率の低下が期待できます。 潰瘍性大腸炎の治療をしないリスク 潰瘍性大腸炎は、根治治療法が確立されていません。しかし、放置すると再燃しやすくなるのに加えて炎症の悪化や持続により、さまざまな合併症を併発する可能性があるため、継続的な治療が必要です。 また、発症からの期間が経過するほど、大腸がんのリスクは高くなります。アメリカの研究によると、潰瘍性大腸炎患者における大腸がんの有病率は、以下の通りです。(文献1) 潰瘍性大腸炎発症からの経過年数 大腸がんの有病率 10年 2% 20年 8% 30年 18% 寛解期であっても放置はせず、定期的に専門機関を受診しましょう。 潰瘍性大腸炎の治療の流れ 潰瘍性大腸炎は、重症度によって治療法が異なりますが、いずれも寛解を目指した治療を行います。治療法の一般的な流れは、以下の通りです。 発症 寛解導入療法 寛解維持療法 寛解導入療法とは、腸の炎症を抑え、寛解を目指す治療法です。炎症が治まってきたタイミングで、寛解維持療法に切り替わります。 寛解維持療法とは、再燃を防ぎ、日常生活を送る期間を延ばす治療法です。再燃した場合は、寛解導入療法を再開し、再び寛解を目指します。 日常生活を送る期間を延ばせるよう、症状をもとに継続的に治療を受け、潰瘍性大腸炎と付き合っていくことが大切です。 潰瘍性大腸炎の悪化のサイン|重症度の分類 潰瘍性大腸炎の重症度は、軽症・中等症・重症・劇症の4つに分類されます。分類方法は、以下の通りです。(文献2) 重症 中等症 軽症 条件 1および2のほか、全身症状となる3または4のいずれかの項目を満たすもの 軽症・重症の中間にあたるもの 6項目をすべて満たすもの 1.排便回数 6回以上 重症と軽症の中間の症状 4回以下 2.顕血便 (+++) (+)~(-) 3.発熱 37.5度以上 37.5度以上の発熱がない 4.頻脈 90/分以上 90/分以上の頻脈なし 5.貧血 ヘモグロビン10g/dl 以下 ヘモグロビン10g/dl 以下の貧血なし 6.赤沈(赤血球の沈む速度) 30mm/h以上 正常 劇症は重症のなかでとくに症状が激しい状態を指し、急性電撃型と再燃劇症型に分類されます。劇症の診断基準は、以下の通りです。 重症基準を満たしている 1日15回以上の血性下痢が続いている 38.5度以上の高熱が続いている 白血球数が10,000/㎣以上ある 強い腹痛がある 悪化のサインを見逃さないよう、潰瘍性大腸炎の評価基準を理解しておきましょう。 潰瘍性大腸炎の治療法 潰瘍性大腸炎の治療には薬物療法が一般的ですが、症状や回復状況に応じて別の治療法を行います。代表的な治療法は、以下の4つです。 薬物療法 血球成分除去療法 手術療法 再生医療 ここからは、各治療法の特徴を解説するので、ぜひ参考にしてください。 薬物療法 潰瘍性大腸炎では、薬物療法を行うのが一般的です。薬物療法では大腸粘膜の炎症を抑え、症状をコントロールするのが目的です。軽症や重症など、症状によって使用する薬は異なります。 また、寛解導入と寛解維持で使用する薬が異なる場合もあります。経口剤や注射剤、座薬など、薬物治療の進め方はさまざまです。軽症の寛解導入療法として、肛門から直接薬剤を投与する局所療法を行う場合もあります。 薬によっては発熱や体のだるさ、腹痛などの副作用が起こる可能性もあります。薬物療法で体調に異変を感じた際は、担当医に相談しましょう。 血球成分除去療法 血球成分除去治療とは、血液中の白血球などを取り除く治療法で、顆粒球除去療法(GCAP)とフィルターによる治療法(LCAP)の2種類があります。潰瘍性大腸炎は一般的に薬物療法を中心に治療を進めますが、症状の回復が見られない場合や副作用により薬を減量する場合に血球成分除去療法が行われます。 血球成分除去療法は、血液をカラムと呼ばれる特殊な筒に通し、活性化した白血球を取り除いて炎症を抑える治療法で、中等症〜重症が対象です。潰瘍性大腸炎の治療における血球成分除去療法は、1度の活動期につき10〜11回ほど実施します。 個人差はありますが、治療2〜3回目から効果が期待できる報告も見られます。(文献3) 手術療法 潰瘍性大腸炎は、以下のケースが見られた際に手術を行います。 内科治療で症状の回復が見られない場合 副作用で内科治療が行えない場合 大量の出血が見られた場合 大腸に穴があいた場合 がん、もしくは疑いがある場合 潰瘍性大腸炎の主な術式は、以下の通りです。(文献4) 術式 内容 大腸全摘、腸囊肛門吻合術(IAA) 大腸を取り除き、人工肛門を増設する 大腸全摘、腸囊肛門管吻合術(IACA) 大腸を取り除き、小腸の一部を使って人工的な直腸を作成し、肛門管につなぎ合わせ、自然排便を可能にする 潰瘍性大腸炎では、炎症やがんの再発、再手術になった際に人工肛門になる可能性を考慮し、原則大腸をすべて取り除く大腸全摘術を行います。 再生医療 再生医療は、潰瘍性大腸炎に対する治療選択肢の一つです。 潰瘍性大腸炎では、炎症によって傷ついた腸粘膜の修復や、炎症の鎮静化を目的として幹細胞治療が行われます。 当院(リペアセルクリニック)では、患者さまご自身の脂肪から採取・培養した幹細胞を点滴で投与する再生医療を行っており、脂肪採取はおへその横から少量行うため、身体への負担を抑えながら治療を受けていただくことが可能です。 実際に当院では、4年以上にわたり薬物療法やG-CAP療法を継続しても寛解維持が難しかった50代男性の難治性潰瘍性大腸炎患者さまに対し、自己脂肪由来幹細胞による再生医療を実施しました。 幹細胞を3回点滴投与した結果、約13か月後の内視鏡検査において、腸粘膜の発赤や浮腫に良好な変化が確認されました。 また、長年悩まれていた腹痛や血便、便意切迫感についても症状の負担が和らぎ、日常生活の質の向上につながる経過がみられました。 ▶ 難治性潰瘍性大腸炎の症例はこちら 【こんな方は再生医療をご検討ください】 薬を続けても症状を繰り返している 生物学的製剤やG-CAP療法でも十分な改善が得られなかった 血便や腹痛、便意切迫感に悩んでいる 手術以外の選択肢について知りたい 再生医療の適応があるか相談したい このようなお悩みをお持ちの方は、まずは当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。 潰瘍性大腸炎の治療薬 潰瘍性大腸炎の治療薬にはさまざまな種類があり、炎症の程度や症状に応じて使い分けられます。代表的な治療薬は、以下の通りです。 5-ASA製剤 ステロイド 免疫調節薬・免疫抑制剤 JAK阻害剤 生物学的製剤 潰瘍性大腸炎の治療薬は、医師の診断に基づいて処方されます。しかし、服用の仕方や自己判断による薬の中断・変更は症状悪化を招く可能性があるため、注意が必要です。処方される薬の効果や副作用について、理解を深めた上での服用が重要です。 潰瘍性大腸炎の治療費 潰瘍性大腸炎は完治が難しく、治療は長期にわたるため、治療費の負担も大きくなります。しかし、厚生労働省が定める指定難病となることから、医療費助成の対象です。 医療費助成制度では自己負担上限額と医療費2割を比較して、自己負担上限額が上回る場合、医療費の2割が窓口での負担になります。つまり、潰瘍性大腸炎における医療費の自己負担が軽減されます。 また、1カ月に支払う医療費が自己負担上限を超えた場合、高額療養費制度が適用可能です。高額療養費制度と指定難病による医療費助成は併用できるため、治療による自己負担の軽減が期待できます。 潰瘍性大腸炎の治療は継続的に行うことが重要 潰瘍性大腸炎の治療は完治が難しく、症状が一時的に落ち着いた状態となる寛解の維持が目標になります。寛解期では学校や仕事へ行くといった日常生活を送れるため、適切な治療を続けることが重要です。 治療法は主に薬物療法を行いますが、症状に応じて血球成分除去療法や手術を行います。放置すると合併症を併発するリスクがあるため、治療を継続し生活の質の回復を目指しましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。潰瘍性大腸炎について気になる症状が見られる方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 潰瘍性大腸炎の治療に関するよくある質問 ストレスを抱えているなど潰瘍性大腸炎になりやすい性格はありますか? 潰瘍性大腸炎の原因は解明されておらず、誰でも発症の可能性がある疾患です。しかし、発症しやすい人の性格には、以下の共通点があるといわれています。 ストレス感じやすい性格 些細なことでも気にしてしまいがちな性格 神経質 遺伝的な要因も、潰瘍性大腸炎の原因と考えられています。 潰瘍性大腸炎になったら食事制限がありますか? 炎症が治まっている寛解期の場合、食事制限はありません。アルコールの摂取も問題ありませんが、飲みすぎないよう適量を心がけましょう。 しかし、炎症がある活動期は大腸を刺激する香辛料や飲料、不溶性食物繊維の多い食べ物は控える必要があります。高タンパク質な食事を基本にするなど、症状に合わせた食事内容の調整がポイントです。 潰瘍性大腸炎じゃなかった場合に疑われる病気は? 潰瘍性大腸炎じゃなかった場合、クローン病や過敏性腸症候群の可能性があります。クローン病も指定難病の1つで、大腸および小腸の粘膜に炎症・潰瘍を引き起こす疾患です。 炎症部位が大腸のみの潰瘍性大腸炎と異なり、クローン病は口から肛門までの消化管全域になります。また、炎症の広がりや深さ、主な症状などが異なります。 過敏性腸症候群は、下痢や便秘など潰瘍性大腸炎と同様の症状がありますが、腸に炎症や潰瘍といった異常が見られない疾患です。 参考文献 (文献1) PubMed|The risk of colorectal cancer in ulcerative colitis: a meta-analysis (文献2) 厚生労働省|097 潰瘍性大腸炎 (文献3) 株式会社JIMRO|顆粒球吸着療法 ガイドブック (文献4) 株式会社JIMRO|潰瘍性大腸炎外科治療指針(2016年1月改訂)
2026.02.15 -
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「潰瘍性大腸炎のつもりで医療機関を受診したが違うと診断された」 「下痢や腹痛、血便が続いているが潰瘍性大腸炎じゃないといわれた」 潰瘍性大腸炎は慢性的な炎症性腸疾患であり、下痢や腹痛、血便の症状が多くみられます。ただし、症状があって受診しても「潰瘍性大腸炎ではなかった」と診断されるケースも珍しくありません。 実際に潰瘍性大腸炎と似た病気は多く存在し、専門知識がない状態で見分けるのは難しいといえるでしょう。 本記事では、診断結果が潰瘍性大腸炎じゃなかった方に向けて現役医師が似た病気や対処法を詳しく解説します。また、潰瘍性大腸炎じゃなかった方からよくある質問もまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 潰瘍性大腸炎と似た症状にお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 「潰瘍性大腸炎じゃなかった」場合に疑われる似た病気 似た病気 詳細 クローン病 口から肛門までの消化管に起こりうる慢性炎症、腹痛・下痢・体重減少や肛門周囲病変を伴うことがある疾患 過敏性腸症候群(IBS) 炎症や潰瘍などの器質的異常が見つからないのに腹痛と便通異常(下痢・便秘)を繰り返す機能性疾患 感染に関連する腸炎 細菌・ウイルス・寄生虫などの感染による急性の下痢や腹痛、発熱や血便を伴うことがある腸炎 血流障害や放射線による腸炎 腸の血流低下による虚血性変化や放射線治療後の粘膜障害に伴う腹痛・下痢・血便を起こす腸炎 薬剤性腸炎 抗菌薬・NSAIDsなどの薬剤による腸粘膜障害や腸内細菌叢変化に伴う下痢・腹痛・血便の発生 大腸ポリープ・大腸がん 便潜血陽性や血便、貧血、便通変化や体重減少を来しうる大腸病変、内視鏡での評価が重要な疾患 潰瘍性大腸炎と診断されなかった場合でも、症状が似た別の疾患が隠れている可能性があります。そのため、自己判断ではなく、医療機関で正しい診断を受けることが不可欠です。 潰瘍性大腸炎と似た病気の代表的なものとして、消化管全体に炎症が及ぶクローン病、炎症所見がみられない過敏性腸症候群、細菌やウイルス感染による腸炎が挙げられます。 このほか、血流障害や放射線、薬剤の影響による腸炎、大腸ポリープや大腸がんも血便や下痢の原因となります。 正確な診断には、症状だけでなく内視鏡検査などの専門的な評価が必要です。 以下の記事では、クローン病と潰瘍性大腸炎の違いについて詳しく解説しています。 クローン病 疑われる理由 詳細 下痢や血便など症状が類似 慢性的な下痢や血便を認めることがある点 腹痛や体重減少を伴いやすい 食欲低下、倦怠感、微熱など全身症状の出現 再燃と寛解を繰り返す経過 長期間にわたる悪化と改善の反復 小腸や肛門周囲病変の存在 消化管全体に病変が及ぶ可能性 内視鏡所見の特徴 非連続性潰瘍、縦走潰瘍、敷石状変化の所見 血液検査での炎症所見 CRP上昇、貧血、低アルブミン血症 他疾患除外後に疑われる 感染性腸炎など否定後の鑑別診断 (文献1) クローン病は、潰瘍性大腸炎と同様に下痢や血便を繰り返すため、初期には区別が難しい疾患です。腹痛や体重減少、倦怠感といった全身症状を伴いやすく、再燃と寛解を繰り返す慢性経過をたどります。 大腸に限局する潰瘍性大腸炎に対し、クローン病では小腸や肛門周囲にも病変がみられることが特徴です。内視鏡検査や血液検査により他疾患を除外し、総合的に診断されます。 過敏性腸症候群(IBS) 疑われる理由 詳細 慢性的な腹部不快感と便通異常 腹部の張りや違和感、下痢・便秘の持続 ストレスや食事による症状変動 精神的負荷や特定食品による症状悪化 検査で明確な異常が出にくい 内視鏡や血液検査で器質的異常を認めない所見 慢性経過で増悪と軽快を反復 改善と悪化を繰り返す長期的経過 複数の病型の存在 下痢型・便秘型・混合型など病型の多様性 感染後に発症する場合 感染性腸炎後の腸機能異常の残存 重篤な器質的障害を伴わない 生活の質低下を招くが命に関わらない病態 (文献2) 過敏性腸症候群(IBS)は、腹部の不快感や下痢・便秘といった便通異常が慢性的に続く疾患です。 内視鏡検査や血液検査で明確な異常がみられないことが特徴で、ストレスや食事内容の影響を受けやすい傾向があります。 症状は改善と悪化を繰り返し、潰瘍性大腸炎などの炎症性疾患と区別が難しい場合もあります。 下痢型や便秘型などの病型があり、詳しい問診をもとに総合的な診断と治療方針が検討される疾患です。 感染に関連する腸炎 疑われる理由 詳細 急性で強い症状の出現 短期間で起こる下痢・血便・発熱・腹痛 検査で感染や炎症所見を認める 便中病原体の検出、白血球増加、炎症マーカー上昇 比較的短期間での症状改善 対症療法や抗菌薬による自然軽快 感染後に症状が残る場合 感染後腸症候群による下痢や腹部不快感の持続 感染後腸症候群で検査異常が乏しい 内視鏡や血液検査で明確な異常を認めない状態 症状遷延時の鑑別必要性 過敏性腸症候群(IBS)や炎症性腸疾患との区別の必要性 生活環境による影響 食事内容や衛生環境による症状変動 (文献3)(文献4) 感染に関連する腸炎は、細菌やウイルスなどが原因で急な下痢や血便、発熱を伴うことが特徴です。 多くは治療や経過観察により短期間で改善しますが、感染後に腸の機能異常が残り、下痢や腹部不快感が続く感染後腸症候群を発症することがあります。 感染後腸症候群は検査で異常が見つかりにくく、潰瘍性大腸炎と症状が似ているため、注意が必要です。 血流障害や放射線による腸炎 疑われる理由 詳細 急性の腹部症状や血便の出現 血流低下による突然の腹痛や血便 発症が急で症状変化が速い 短期間での症状出現と変動 血流障害に関与する背景因子 高齢、動脈硬化、便秘傾向などの関与 再発する可能性 自然軽快後も繰り返す症状出現 放射線治療後の発症 腹部・骨盤への放射線治療歴 慢性的な症状の持続 下痢や血便の長期化 内視鏡所見の類似 潰瘍やびらんなど粘膜障害 背景情報の重要性 年齢、基礎疾患、治療歴の把握 (文献5)(文献6) 血流障害や放射線による腸炎は、潰瘍性大腸炎と症状や内視鏡所見が似ているため鑑別が必要な疾患です。 虚血性大腸炎は腸の血流障害により急な腹痛や血便が現れ、放射線性腸炎は放射線治療による組織障害が原因です。 血便や腹部症状の持続、体重減少、全身症状がみられる場合や生活に支障をきたす場合は、早期に医療機関を受診しましょう。 薬剤性腸炎 疑われる理由 詳細 腹部症状や下痢の慢性持続 腹部違和感や水様性下痢の長期化 薬剤服用と症状出現の関連 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や抗菌薬使用後の症状発現 服薬開始・中止との時間的関係 薬剤変更に伴う症状変動 治療により改善が期待できる 薬剤調整や対症療法による症状軽減 他疾患除外後の診断 感染症や炎症性腸疾患否定後の鑑別 生活習慣やストレスの関与 環境要因による症状悪化 (文献5)(文献7) 薬剤性腸炎は、特定の薬剤が腸粘膜に影響を及ぼすことで起こる腸の炎症です。腹部の違和感や水様性下痢が慢性的に続き、潰瘍性大腸炎と症状が似ることがあります。 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や抗菌薬などの服用歴が重要な手がかりとなり、薬剤の開始や中止と症状の経過を確認することが診断に役立ちます。 検査で異常が見つかりにくい場合もありますが、原因となる薬剤の調整により改善が期待できるため、適切な評価が必要です。 大腸ポリープ・大腸がん 疑われる理由 詳細 血便や便通異常の出現 血便、下痢、便秘、腹部不快感の出現 症状の持続と進行 慢性的な血便、体重減少、食欲低下の持続 自然改善しにくい経過 時間経過で軽快しない症状 ポリープによる出血 大きさや形状により出血を来す病変 がんの初期無症状 早期には自覚症状に乏しい病態 進行に伴う全身症状 貧血、体重減少、倦怠感の出現 検査による評価の重要性 便潜血検査や大腸内視鏡検査による診断 年齢や家族歴の影響 家族歴、喫煙歴による発症リスク上昇 (文献8)(文献9) 大腸ポリープや大腸がんは潰瘍性大腸炎とは異なる疾患ですが、血便や便通異常といった症状が似ているため、初期の鑑別が難しい場合があります。とくに症状が徐々に進行し、自然に改善しない場合は注意が必要です。 異常なしや炎症性疾患ではないと診断された後でも、血便の持続、貧血や体重減少がみられる場合、症状が改善せず生活に支障がある場合には再評価が必要です。 以下の記事では、大腸がんについて詳しく解説しています。 【関連記事】 【医師監修】大腸がんとは?|症状・原因・検査について詳しく解説 【医師監修】大腸がんの検査とは?主な種類・流れ・費用・受診の目安を解説 「潰瘍性大腸炎じゃなかった」と診断される原因 原因 詳細 検査で潰瘍性大腸炎の所見が確認されなかった 大腸内視鏡や生検で典型的な粘膜炎症や潰瘍を認めない結果 症状や経過が潰瘍性大腸炎と一致しなかった 急性発症や短期間での自然改善、再燃と寛解を示さない経過 他の原因が明確になった 感染性腸炎、過敏性腸症候群、薬剤性腸炎、腫瘍性疾患などの診断 潰瘍性大腸炎は、内視鏡検査や組織検査によって特徴的な炎症所見を確認することで診断されます。そのため、検査で所見が認められない場合や、症状の経過が典型例と一致しない場合には「潰瘍性大腸炎ではない」と判断されることがあります。 また、検査を進める中で感染性腸炎や過敏性腸症候群、薬剤性腸炎など別の原因が明確になるケースも少なくありません。これは段階的に原因を絞り込んだ結果であり、適切な治療につなげるために重要な診断過程です。 検査で潰瘍性大腸炎の所見が確認されなかった 原因 詳細 内視鏡所見が典型的でない 直腸から連続するびらん・潰瘍や粘膜発赤を認めない所見 炎症の分布が非典型 非連続性病変や限局性病変による診断根拠不足 生検で慢性炎症所見が乏しい 炎症細胞浸潤やクリプト破壊を認めない病理結果 血液検査で炎症反応が乏しい CRP(C反応性タンパク質)上昇や貧血を認めない炎症所見不足 他疾患を示唆する検査結果 感染性腸炎や機能性疾患を疑う所見 (文献8) 潰瘍性大腸炎は、内視鏡、生検、血液検査など複数の検査結果を総合して診断されます。直腸から連続する炎症や組織学的な慢性炎症所見が確認できない場合、診断根拠が不足します。 また、血液検査で炎症反応が乏しい場合も、活動性の炎症性疾患の可能性は低いと考えられるでしょう。このような場合は感染性腸炎や過敏性腸症候群など他疾患の可能性を考慮し、診断の見直しが必要です。 症状や経過が潰瘍性大腸炎と一致しなかった 潰瘍性大腸炎は、慢性的な炎症が持続し、寛解と再燃を繰り返す経過を特徴とする疾患です。症状が短期間で自然に消失した場合や、治療せずに軽快し再発がない場合は、潰瘍性大腸炎の経過に一致しません。 また、初回の症状出現後に再燃がみられず、寛解と再燃を繰り返す経過が確認できない場合は、潰瘍性大腸炎としての診断根拠が弱くなります。 このような経過の場合、慢性的な炎症が続く病気よりも、感染性腸炎や急性腸炎、過敏性腸症候群、虚血性腸炎など、一時的に起こる疾患の可能性を考えるのが自然です。 症状がどのように始まり、どのくらい続き、再び現れていないかを丁寧に振り返ることで、原因をより正確に見極めることが大切です。 他の原因が明確になった 原因 詳細 感染性腸炎 細菌・ウイルス・寄生虫感染による急性下痢や腹痛、血便の出現 機能性腸疾患(IBSなど) 内視鏡や血液検査で異常を認めない便通異常や腹部不快感 薬剤性腸炎 痛み止めや抗菌薬使用に伴う一過性の腸粘膜炎症 生活要因(ストレス・食事) 精神的負荷や食事内容に関連した腸症状の変動 潰瘍性大腸炎と似た症状があっても、検査や経過から別の原因がはっきりする場合「潰瘍性大腸炎じゃなかった」と判断されることがあります。 感染性腸炎では原因となる病原体が確認され、治療や自然経過で短期間に改善します。過敏性腸症候群などの機能性腸疾患では、炎症を示す検査所見がみられません。 また、薬剤の影響やストレス、食事内容による一時的な腸症状も原因となります。こうした明確な要因が確認された場合、慢性的な炎症性疾患である潰瘍性大腸炎に当てはめる必要はなくなります。 「潰瘍性大腸炎じゃなかった」と診断された場合の対処法 対処法 詳細 症状が続く場合は受診・精査を行う 血便や下痢、腹痛など症状持続時の再受診と追加検査の必要性 別の消化器疾患の可能性を考える 感染性腸炎、過敏性腸症候群、薬剤性腸炎、大腸ポリープなどの鑑別 他院相談を検討する 診断や治療方針確認を目的とした消化器専門医へのセカンドオピニオン 生活面の改善に取り組む 食事内容の見直し、ストレス管理、睡眠や生活リズムの調整 「潰瘍性大腸炎じゃなかった」と診断された後も、血便や下痢、腹痛といった症状が続く場合は、再度医療機関を受診し、必要に応じて詳しい検査を受けることが大切です。 症状の原因として、感染性腸炎や過敏性腸症候群、薬剤性腸炎、大腸ポリープなど別の消化器疾患が関与している可能性もあります。 診断や治療方針に不安がある場合は、消化器専門医への相談も選択肢のひとつです。また、食事内容の見直しやストレス管理、十分な睡眠など生活習慣の改善は、症状の安定に役立つことがあります。 症状が続く場合は受診・精査を行う 理由 詳細 初期検査で病変が確認できない可能性 軽度・限局的病変や炎症消退時の検査による所見不足 別の疾患が潜んでいる可能性 感染性腸炎、クローン病、虚血性腸炎、腫瘍性疾患などの初期段階 機能性疾患でも管理が必要 過敏性腸症候群(IBS)やSIBO(小腸内細菌異常増殖症)などによる慢性的症状と生活の質の低下 経過観察で所見が明確になる場合 時間経過による症状変化や特徴的所見の出現 (文献9) 「潰瘍性大腸炎じゃなかった」と診断されても、症状が続く場合には再評価が必要です。初期検査では病変が軽度で見つかりにくいことがあります。そのため、時間をおいて再検査することで新たな所見が得られる場合があります。 また、別の消化器疾患が原因となっている可能性も否定できません。さらに、過敏性腸症候群などの機能性疾患でも、症状が生活に大きく影響することがあります。 症状の変化を継続的に確認することが、適切な診断と対応につながります。 別の消化器疾患の可能性を考える 「潰瘍性大腸炎じゃなかった」と診断された場合でも、症状の原因が別の消化器疾患である可能性は否定できません。腹痛や下痢、血便といった症状は、感染性腸炎やクローン病、虚血性腸炎、大腸憩室炎、大腸腫瘍などでもみられ、症状だけでの判別は困難です。 疾患によって治療内容や緊急性は大きく異なるため、原因を見極めることが重要です。また、消化器疾患は初期段階では検査で異常が見つかりにくいこともあります。 そのため、症状の持続や変化を踏まえた再評価や経過観察が、正しい診断と適切な対応につながります。 他院相談を検討する 「潰瘍性大腸炎じゃなかった」と診断された後でも、症状が続く場合や診断・治療方針に納得できない場合には、他院への相談(セカンドオピニオン)を検討することが有用です。 腸疾患の診断は医師の判断が関与する場面も多く、別の医療機関で評価を受けることで診断の確認や新たな視点が得られることがあります。 とくに専門性の高い医療機関で複数の意見を確認することで、検査や治療の選択肢を理解しやすくなり、納得して治療や経過観察に取り組めます。 生活面の改善に取り組む 「潰瘍性大腸炎じゃなかった」と診断された場合でも、腸症状の背景に生活習慣が関与していることは少なくありません。 食事内容や食べ方は症状に影響しやすく、脂肪分や刺激物を控え、消化に負担の少ない食事に整えることで下痢や腹痛が軽減する場合があります。また、ストレスは腸の働きに影響するため、十分な睡眠や適度な運動を通じたストレス管理も重要です。 加えて症状の出方や食事、服薬状況を記録することで、原因の把握や治療方針の検討に役立ちます。一部の薬剤が腸症状を悪化させることもあるため、自己判断せず医療者と相談しながら調整することが症状の安定につながります。 以下の記事では、潰瘍性大腸炎における生活面での注意すべき点について詳しく解説しています。 【関連記事】 【医師監修】潰瘍性大腸炎の食事で気をつけることは?食べて良いもの・いけないものを解説 潰瘍性大腸炎は性行為でうつる?医学的根拠に基づいて現役医師が解説 潰瘍性大腸炎じゃなかった場合は似た病気を疑い適切な治療を受けよう 潰瘍性大腸炎と診断されなかった場合でも、以下のように似た症状を示す疾患は多くあります。 クローン病 過敏性腸症候群 感染性腸炎 虚血性腸炎 薬剤性腸炎 大腸ポリープ・大腸がんなど これらは治療法や経過がそれぞれ異なるため、原因に応じた診断と対応が重要です。 症状が続く場合は段階的に検査を進め、必要に応じて他院への相談(セカンドオピニオン)も検討しましょう。あわせて生活習慣を見直すことで、症状の改善につながる可能性があります。 一方で、潰瘍性大腸炎と確定診断された場合、寛解と再燃を繰り返す難治性の経過に「一生付き合っていくしかないのか」と不安を抱える方も少なくありません。 薬物療法やG-CAP療法を続けても十分な改善が得られない場合は、再生医療という新たな選択肢もあります。 再生医療とは、患者さまご自身の幹細胞を用いて免疫バランスを整え、炎症によって傷ついた組織の修復環境を整えることが期待される治療法です。 実際に、薬物療法やG-CAP療法を継続しても寛解維持が難しかった難治性潰瘍性大腸炎の患者さまにおいて、再生医療後の経過観察中に内視鏡所見の変化が確認された症例もございます。 >>実際の症例はこちら 「今の治療だけで良いのだろうか」「症状がなかなか安定しない」とお悩みの方は、まずは当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 潰瘍性大腸炎じゃなかった方からよくある質問 「異常なし」と診断されましたが再受診すべきでしょうか? 症状が続く場合や悪化する場合は、再受診が大切です。 初回の検査で異常が認められなくても、症状の長期化、出血や体重減少、日常生活への支障がある場合には、別の疾患が隠れている可能性や検査時に所見が確認できなかった可能性があります。 症状の変化を放置せず、早めに医療機関へ相談しましょう。 以下の記事では、潰瘍性大腸炎が再燃するきっかけについて詳しく解説しています。 潰瘍性大腸炎じゃなかった場合はどの科に受診すれば良いですか? 基本的には消化器内科の受診が適切です。腹痛・下痢・血便などの腸症状は、潰瘍性大腸炎に限らず感染性腸炎、過敏性腸症候群、クローン病、虚血性腸炎など多くの疾患が関与するため、腸疾患に詳しい消化器内科での診察が推奨されます。 症状が持続する場合や原因が不明な場合、詳しい検査や治療が必要な場合には、総合病院やIBD(炎症性腸疾患)専門外来での精査が有効です。 潰瘍性大腸炎じゃなかった場合は市販薬やサプリメントで様子を見ても大丈夫ですか? 症状が軽く見えても、市販薬やサプリメントで様子を見ることは基本的に推奨されません。 下痢や腹痛、血便などの腸症状は、感染症や炎症性疾患、薬剤性など原因が多岐にわたり、市販薬では根本的な対応ができない場合があります。 また、サプリメントの中には作用や影響が十分に検証されていないものもあり、体質や症状によってはかえって不調を強めることがあります。症状が現れた時点で早めに医療機関を受診し、原因を確認した上で適切な対応を行うことが大切です。 以下の記事では、潰瘍性大腸炎の治療薬について詳しく解説しています。 (文献1) 難病情報センター|クローン病(指定難病96) (文献2) 過敏性腸症候群(IBS)|MSD マニュアル家庭版 (文献3) 一般社団法人 日本大腸肛門病学会|感染性腸炎 (文献4) 感染後過敏性腸症候群の概念|日本心身医学会総会ならびに学術講演会 (文献5) 虚血性大腸炎|社会福祉法人 恩賜財団 済生会 (文献6) 日本消化器内視鏡学会雑誌|J-STAGE (文献7) 日本大腸肛門病学会雑誌|J-STAGE (文献8) 潰瘍性大腸炎診断基準(2019年1月改訂)|難病情報センター (文献9) 日本看護科学会誌|J-STAGE
2026.02.15 -
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「下痢や腹部の不調が続いている」 「クローン病と潰瘍性大腸炎の違いがわからない」 下痢や腹部の不調が続き、ネットやSNSで調べてみるとクローン病と潰瘍性大腸炎という疾患名にたどり着いたものの、両者の違いがわからず頭を悩ませている方は少なくありません。 実際にクローン病と潰瘍性大腸炎には共通点もあり、医師の診断なしでは、違いを見抜くことが難しいのが実情です。 クローン病と潰瘍性大腸炎の違いを理解しないまま自己流で改善しようとすると、誤った治療につながり、症状が悪化する危険があります。 本記事では、現役医師がクローン病と潰瘍性大腸炎の違いや覚え方をわかりやすく解説します。 記事の最後は、クローン病と潰瘍性大腸炎の違いに関するよくある質問をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 クローン病もしくは潰瘍性大腸炎症状にお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 クローン病と潰瘍性大腸炎の違い 項目 潰瘍性大腸炎 クローン病 炎症部位 大腸のみ 口から肛門までの消化管全域 炎症の広がり 直腸から連続的に広がる 健康部位を挟み「まだら状」に点在 炎症の深さ 粘膜層に限局 腸壁の深層まで及ぶ 主な症状 血便・粘血便・腹部の張り 下痢・体重減少・狭窄・瘻孔 治療の特徴 炎症抑制が中心 合併症への対応が必要になる場合がある (文献1)(文献2) クローン病と潰瘍性大腸炎は、どちらも炎症性腸疾患に分類されますが、炎症の起こる場所や広がり方、症状の出方が異なります。 クローン病は口から肛門まで消化管のどこにでも炎症が及ぶ可能性があり、腸の深い層まで障害が進むことがあります。 一方、潰瘍性大腸炎は大腸に限定して炎症が起こり、粘膜層を中心に障害がみられる点が特徴です。 こうした構造的な違いは、症状や検査所見、治療方針にも影響します。両疾患とも慢性の経過をたどるため、早期に適切な診断と治療を受けることが重要です。 以下の記事では、潰瘍性大腸炎になりやすい性格について詳しく解説しています。 クローン病の症状 症状区分 内容 慢性的な下痢 炎症の影響で水分吸収低下による長期の下痢、粘液・血液混入 腹部の不快感・張り 炎症に伴う腸の動きの乱れによる張り感 体重減少・栄養不足 小腸の炎症による栄養吸収低下 発熱・倦怠感 炎症反応による微熱やだるさ 狭窄に伴う症状 腸管の狭まりによる食後の張り・吐き気 瘻孔に伴う症状 肛門周囲の炎症・分泌物、皮膚への通路形成 関節・皮膚の症状 関節痛や発疹など腸外症状の出現 (文献3) クローン病は消化管の広い範囲に炎症が起こり、症状が多様になりやすい疾患です。とくに小腸に炎症がある場合は栄養吸収が低下し、体重減少や疲労感が現れやすくなります。 また、炎症が腸壁の深部に及ぶと狭窄や瘻孔が生じ、腹部膨満感や肛門周囲の不快感がみられることがあります。関節や皮膚にも症状が出ることがあり、全身性の影響が特徴的です。 クローン病の検査方法 検査名 内容 血液検査 炎症反応・貧血・栄養状態の確認 便検査 潜血・炎症マーカー(便中カルプロテクチン)の評価 内視鏡検査 粘膜の炎症・潰瘍の観察、生検の実施 画像検査(CT・MRI) 腸全体像、狭窄・瘻孔・膿瘍の評価 小腸造影検査 小腸末端の炎症・狭窄の確認 カプセル内視鏡 小腸広範囲の粘膜観察 クローン病の診断は、症状に加えて血液・便検査、内視鏡、画像検査など複数の情報を組み合わせて総合的に行われます。 小腸に炎症が生じやすいため、内視鏡では確認できない部位を評価する検査が必要となることがあります。 各検査の目的を理解しておくことは、診療の流れを把握し、適切な治療選択をする上で欠かせません。 クローン病の治療法 治療区分 内容 薬物療法 炎症抑制薬・免疫調整薬・生物学的製剤の使用 栄養療法 栄養補給・食事調整による腸の負担軽減 合併症への治療 狭窄・瘻孔・感染・膿瘍への個別対応 手術療法 病変部切除・腸通過改善のための手術 継続的な経過観察 症状と検査結果に基づく治療調整 (文献4) クローン病の治療は、腸の炎症を抑え症状を安定させることを目的に、薬物療法を中心として進められます。 炎症の程度や合併症の有無に応じて栄養療法や合併症への対応、手術が検討される場合もあります。 潰瘍性大腸炎の症状 症状区分 内容 血液が混じった下痢 粘膜障害による血便・粘液混入・排便時の緊急感 腹部の不快感・張り 炎症に伴う重さ・張り、排便での一時的軽減 排便回数の増加 水分吸収低下による頻回排便 残便感・排便後の違和感 直腸炎症による排便コントロールの乱れ 発熱・倦怠感 強い炎症時の微熱・全身のだるさ 食欲低下・体重減少 不調や頻回排便による食欲減退・体重低下 (文献5) 潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に炎症が起こるため、血便や下痢、腹部の張りといった大腸に関連した症状が中心となります。 炎症が強まると排便回数が増え、残便感や排便時の不快感が目立つことがあります。また、全身倦怠感や食欲低下、体重減少が現れることも特徴です。 症状は改善と悪化を繰り返すため、変化に気づいた場合は早めに受診し、再燃の可能性を医療機関と相談することが重要です。 以下の記事では、潰瘍性大腸炎の症状について詳しく解説しています。 【関連記事】 【医師監修】潰瘍性大腸炎と診断された芸能人一覧|実例からわかる特徴や予後を解説 【医師監修】潰瘍性大腸炎のおならが臭い・多い理由と対策を詳しく解説 潰瘍性大腸炎の検査方法 検査名 内容 血液検査 炎症反応・貧血・栄養状態の確認 便検査 便中カルプロテクチンによる炎症評価・感染症鑑別 大腸内視鏡検査 粘膜の炎症・潰瘍の観察、生検による確定診断 画像検査(CT・MRI) 腸管外合併症や炎症範囲の補足評価 X線造影検査 大腸の形状・通過状態の確認 潰瘍性大腸炎の診断は、大腸の粘膜に炎症があるかを確認するために、血液検査・便検査・大腸内視鏡検査・画像検査などを組み合わせて総合的に評価します。 とくに大腸内視鏡は炎症の範囲や重症度を直接確認でき、治療方針の決定に欠かせない検査です。 症状が続く場合や悪化が疑われる場合は、早めに医療機関で適切な検査を受けることが大切です。 潰瘍性大腸炎の治療法 治療区分 内容 薬物療法 炎症抑制薬・免疫調整薬・生物学的製剤の使用 栄養療法 食事調整・栄養補給による腸の負担軽減 合併症への治療 貧血・脱水・栄養不足への個別対応 手術療法 炎症部位の切除による症状改善 継続的な経過観察 症状変化に応じた治療調整・定期受診 潰瘍性大腸炎の治療は、大腸の炎症を抑え症状を安定させることが主な目的です。そのため、医師の指導に基づいて薬物療法を中心に行われます。 症状や炎症範囲に応じて栄養療法や合併症への対応が加わり、治療薬で改善が難しい場合には手術が検討されます。 再燃を繰り返しやすいため、定期的な受診と治療方針の調整が必要です。治療を継続することで症状の抑制と生活の質の改善が期待できます。 以下の記事では、潰瘍性大腸炎の治療法について詳しく解説しています。 【関連記事】 【医師監修】潰瘍性大腸炎の治療とは?目標・流れ・治療薬について解説 【医師監修】潰瘍性大腸炎の治療薬一覧|副作用や服用時の注意点を解説 クローン病と潰瘍性大腸炎の共通点 共通点 詳細 原因不明の慢性炎症で再燃と寛解を繰り返す はっきりとした原因が特定されない慢性的な炎症の持続、症状の悪化と改善の周期的反復 腸管外症状が起こる場合がある 関節痛・皮膚症状・眼の炎症など腸以外の臓器への影響 長期的な治療と生活管理が求められる 薬物療法の継続、食生活の調整、定期受診による病状管理 両疾患とも慢性の炎症を背景とし、活動期と寛解期を繰り返します。症状は腸に限らず、関節痛、皮膚症状、眼の炎症などの腸管外症状が現れることがあります。 そのため、長期的な治療が必要であり、薬物治療と生活管理を並行して行うことが大切です。 原因不明の慢性炎症で再燃と寛解を繰り返す クローン病と潰瘍性大腸炎はいずれも原因不明の慢性腸管炎症を特徴とし、症状が落ち着く時期と悪化する時期を繰り返します。 炎症が完全に消失するわけではないため、下痢や腹部不快感、血便、倦怠感などの症状が生活に影響することがあります。 再燃を防ぐには、症状が落ち着いている時期も含め継続的な治療と定期受診が不可欠であり、長期的な病状管理が両疾患に共通して求められます。 腸管外症状が起こる場合がある クローン病と潰瘍性大腸炎では、腸の炎症に加えて関節、皮膚、眼などに症状が現れる腸管外症状がみられることがあります。 これらは腸の炎症が全身の免疫反応に影響することで起こり、発疹や関節痛、眼の炎症など症状の種類や程度には個人差があります。 腸管外症状は日常生活に支障をきたすこともあるため、早期対応により悪化を防ぐことが重要です。 長期的な治療と生活管理が求められる クローン病と潰瘍性大腸炎はいずれも寛解と再燃を繰り返す慢性疾患であり、長期的な治療と生活管理が必要です。 症状が安定している時期も治療を継続することが再燃予防につながります。また、食事や生活リズム、ストレス管理などの生活習慣も症状に影響するため注意が必要です。 症状の変化に早く気づき適切に対応すること、定期受診や検査を通じた治療方針の調整が重要です。 【覚え方】クローン病と潰瘍性大腸炎を区別するポイント 区別するポイント 詳細 病変の場所と広がり方で覚える クローン病は口から肛門まで炎症が点在、潰瘍性大腸炎は大腸に限局し連続的に広がる病変 症状の違いで区別する クローン病は下痢・体重減少・栄養障害、潰瘍性大腸炎は血便・粘液便・腹部不快感が中心の症状 特徴的な合併症で見分ける クローン病は狭窄・瘻孔、潰瘍性大腸炎は大腸に限局した炎症に伴う出血や貧血の発生 クローン病と潰瘍性大腸炎を区別する際は、炎症が起こる場所と広がり方、症状の特徴、合併症の違いを知ることが大切です。 クローン病は消化管全体に炎症が点在し、栄養障害や狭窄・瘻孔を伴いやすい一方、潰瘍性大腸炎は大腸に限局し血便が目立つことが特徴です。 これらのポイントを押さえることで、両疾患の理解が深まり、日常の症状変化にも気づきやすくなります。 以下の記事では、潰瘍性大腸炎じゃなかった場合に考えられる疾患について詳しく解説しています。 病変の場所と広がり方で覚える クローン病と潰瘍性大腸炎は、炎症の起こる場所と広がり方で区別できます。 クローン病は口から肛門まで消化管全体に炎症が生じる可能性があり、とくに小腸(回腸)に病変がみられることが多く、炎症が飛び地状に点在する(スキップ病変)ことが特徴です。 一方、潰瘍性大腸炎は大腸(結腸・直腸)に限定して炎症が起こり、直腸から連続的に広がります。 覚え方としては「クローン病=広範囲・点在」「潰瘍性大腸炎=大腸のみ・連続」と整理すると理解しやすくなります。 症状の違いで区別する 症状 クローン病 潰瘍性大腸炎 栄養障害・体重減少 起こりやすい 比較的少ない 血便 出ることもある 典型的な症状 下痢 慢性的に続くことが多い 排便回数の増加を伴う 腹部症状 張りや不快感が断続的 残便感や持続的な不快感 クローン病と潰瘍性大腸炎は症状の現れ方に特徴があります。クローン病では小腸に炎症が生じることが多いため、栄養吸収不良による体重減少や倦怠感が目立ちます。 一方、潰瘍性大腸炎では大腸粘膜の炎症により血便や粘液便が典型的な症状です。両疾患とも下痢や腹部不快感を伴いますが「栄養障害・体重減少が目立つ」場合はクローン病の疑いがあります。 一方「血便が頻繁に出る」場合は潰瘍性大腸炎の可能性が高いと考えられるでしょう。これらの特徴を理解することで、適切な医療機関への相談につながります。 特徴的な合併症で見分ける 合併症 クローン病 潰瘍性大腸炎 狭窄(腸管が狭くなる) 起こりやすい 比較的少ない 瘻孔(腸と他組織がつながる) 特徴的な所見 まれ 肛門部病変 裂肛・膿瘍などが目立つ 比較的少ない 重度の出血 起こることもある 典型的な合併症 中毒性巨大結腸症 まれ 特徴的な重篤合併症 大腸がんリスク あり 長期罹患で高まる クローン病と潰瘍性大腸炎では特徴的な合併症が異なります。クローン病は腸の深い層まで炎症が及ぶため、腸管狭窄(ちょうかんきょうさく)や瘻孔(ろうこう)、肛門周囲病変といった構造的な変化が生じやすいことが特徴です。 一方、潰瘍性大腸炎は大腸粘膜の炎症により重度の出血や中毒性巨大結腸症が起こることがあります。また、長期罹患により大腸がんリスクが高まるため、定期的な内視鏡検査が重要です。 これらの合併症の違いを理解することで、適切な経過観察と早期対応につながります。 クローン病と潰瘍性大腸炎の注意点 注意点 詳細 症状の変化に気をつける 下痢や腹痛の増悪、血便の出現、体重減少や発熱などの体調変化への注意。症状悪化や再燃の早期発見 生活習慣を整える 規則正しい食事、十分な睡眠、過度なストレス回避の意識。腸への負担軽減と体調安定のための生活リズムの維持 感染症対策と定期受診を行う 免疫機能低下を考慮した手洗い・うがいの徹底。定期的な通院と検査による病状把握と治療継続が大切 クローン病や潰瘍性大腸炎では、日常的な注意が病状の安定に重要です。 下痢や腹痛、血便などの症状変化は再燃のサインとなるため、早めに気づくことが大切です。 また、食事や睡眠、ストレス管理といった生活習慣の調整は、腸への負担軽減につながります。 さらに治療薬の影響による感染症リスクを意識し、基本的な感染対策と定期受診を継続することが、長期的な健康維持に欠かせません。 症状の変化に気をつける クローン病と潰瘍性大腸炎は寛解と再燃を繰り返すため、日々の症状変化に気づくことが大切です。 排便回数の増加や血便、腹部不快感の悪化は再燃のサインとなる場合があります。そのため、自己判断で市販薬を使用すると炎症を悪化させることがあります。 症状の変化は治療調整が必要な状況を示すことも多く、早めの受診が必要です。 また、体調が安定している時期も含め、定期的な経過観察を続けることで再燃予防につながります。 以下の記事では、潰瘍性大腸炎における再燃のきっかけを詳しく解説しています。 生活習慣を整える クローン病や潰瘍性大腸炎では、食事内容が症状に影響するため、適切に管理する必要があります。 炎症や下痢により栄養不足が生じやすく、必要に応じて医師に相談しながら補給を行います。 さらに、ストレスは症状悪化の引き金となることがあり、規則正しい生活リズムや無理のない運動が症状安定において不可欠です。 以下の記事では、潰瘍性大腸炎の食事について詳しく解説しています。 感染症対策と定期受診を行う 項目 注意点 理由・対応 感染症リスク 治療により免疫低下の可能性 手洗い・うがい、ワクチン接種の相談が重要 感染症状の出現 発熱・下痢などは早期受診 再燃との鑑別と適切な治療調整のため 定期受診 症状安定期も継続が必要 炎症の確認、治療効果・副作用の評価 治療薬の継続 自己判断での中断は禁物 再燃リスク増加の防止 (文献6) クローン病・潰瘍性大腸炎の治療では、生物学的製剤や免疫調整薬により感染症リスクが高まる場合があります。日常的な手洗いやうがいなどの基本的な感染対策が欠かせません。 発熱や下痢などの症状は再燃と区別が難しいため、自己判断せず早期に医療機関へ相談しましょう。症状が安定していても腸の炎症が持続していることがあるため、定期受診により治療効果や副作用を確認し適切に調整することが必要です。 治療薬の自己判断による中断は再燃リスクを高めます。そのため、医師と相談しながら継続することが長期的な病状管理に欠かせません。 クローン病と潰瘍性大腸炎が併発する可能性 比較項目 クローン病 潰瘍性大腸炎 併発の考え方 炎症部位 口から肛門までの消化管全体 大腸(結腸・直腸)に限局 発症部位の違い 炎症の特徴 腸壁深部まで及ぶ炎症、点在する病変 粘膜層に限局した連続性炎症 病変構造の相違 診断上の注意点 所見が非典型となる場合 経過により所見が変化する場合 診断困難例の存在 臨床的整理 単独疾患としての診断 単独疾患としての診断 併発ではなく診断分類の問題 特殊な位置づけ 他疾患との鑑別が必要 長期経過で再評価が必要 分類不能型IBD(炎症性腸疾患)としての扱い (文献7) クローン病と潰瘍性大腸炎は、どちらも炎症性腸疾患ですが、同時併発は極めてまれです。両疾患は発症部位や病変の深さが異なるため、臨床的に同時発症することはほとんどありません。(文献7) ただし初期段階で症状や内視鏡所見からどちらとも断定できない場合は、分類不能型IBD(炎症性腸疾患)と診断されることがあります。 また、治療経過中に当初の診断から別の疾患の特徴が現れ、診断名が変更されることはあります。 しかし、これは併発ではなく診断の見直しです。適切な診断と治療のため、定期的な経過観察が重要です。 クローン病と潰瘍性大腸炎の違いを理解し適切な治療を受けよう クローン病と潰瘍性大腸炎はいずれも炎症性腸疾患ですが、病変の部位や広がり方に違いがあります。潰瘍性大腸炎は大腸に連続した炎症が起こり、血便や頻回の下痢が特徴です。 一方、クローン病は消化管全体に飛び飛びの炎症が生じ、腹痛や体重減少が目立ちます。 いずれも完治は難しいものの、薬物療法と生活管理により症状の安定は期待できます。 また、クローン病や潰瘍性大腸炎に対して既存の治療で改善が難しい場合、再生医療も新たな選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまご自身の脂肪から採取・培養した幹細胞を活用し、炎症で傷ついた腸管粘膜の修復環境を整える効果が期待できます。 ご自身の細胞を使用するため、アレルギーや拒絶反応のリスクが低く、手術や長期入院も必要とせず、身体への負担を抑えながら治療を受けていただくことが可能です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 処方された薬を続けても下痢や血便が改善しない ステロイドや免疫調整薬、G-CAP療法でも十分な効果が得られない 薬の副作用がつらい・これ以上薬を増やしたくない 手術は避けたいが症状を何とかしたい 慢性的な腹痛や便意切迫感で日常生活・仕事に支障が出ている 実際に、薬物療法やG-CAP療法を継続しても寛解の維持が難しかった難治性潰瘍性大腸炎の患者さまの中には、再生医療を受けられた後に症状の変化がみられたケースがあります。 治療後には、「『もう一生この病気と付き合っていくしかない』と諦めていましたが、本当に良くなるんだと希望が持てました」といったお声もいただいております。 実際の治療経過や患者さまの声については、こちらの症例紹介もご覧ください。 症状や治療内容について不安や疑問がある方は、お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。 クローン病と潰瘍性大腸炎の違いに関するよくある質問 クローン病と潰瘍性大腸炎は症状としてどっちが重いですか? クローン病と潰瘍性大腸炎の症状の重さに明確な優劣はありません。 クローン病では深い炎症による栄養障害や狭窄・瘻孔などの合併症が問題となり、潰瘍性大腸炎では血便や頻回の下痢により生活への影響が大きくなります。 いずれの疾患も病状に応じた適切な治療調整が重要です。 潰瘍性大腸炎からクローン病になるケースはありますか? 現在の医学的知見では、潰瘍性大腸炎が進行してクローン病になる、あるいは両疾患が同時に発症するという明確な病理学的証拠はありません。 これらは異なるタイプの炎症性腸疾患であり、当初から別々の疾患として存在します。 ただし診断が困難な症例では、経過観察により最初の診断から別の疾患へと再分類されることがあります。これは疾患が変化したのではなく、診断の精度が高まった結果として理解されます。 クローン病と潰瘍性大腸炎は完治できますか? クローン病と潰瘍性大腸炎はいずれも慢性的に腸に炎症が起こる疾患で、現時点で完治は難しいとされています。 治療の目的は炎症を抑えて症状を安定させ、再燃を防ぎながら日常生活を維持することです。 適切な治療により、長期間良好な状態を保つことが期待できます。 参考文献 (文献1) クローン病(指定難病96)|難病情報センター (文献2) 潰瘍性大腸炎(指定難病97)|難病情報センター (文献3) クローン病|消化器系疾患 (文献4) 病気を知るクローン病|慶應義塾大学病院 KOMPAS (文献5) 潰瘍性大腸炎―診療と研究の最前線―|日本消化器病学会雑誌 第113巻 (文献6) 潰瘍性大腸炎、クローン病患者さんの感染症予防のポイント|田辺三菱製薬 (文献7) Two for one: coexisting ulcerative colitis and Crohn's disease|PubMed®
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「潰瘍性大腸炎の影響でおならの回数が増えた気がする」 「潰瘍性大腸炎のせいでおならがすごい臭いと感じる」 潰瘍性大腸炎では、治療中であってもおならの回数や臭いに悩まされる人は少なくありません。 とくに接客業や営業職、オフィスワークでは周囲の目が気になり、日常生活に支障をきたすこともあります。 腸の炎症や便通の乱れ、食事内容など複数の要因が重なるため、自己流の工夫だけでは十分な改善を実感しにくいケースも多いです。 本記事では、現役医師が潰瘍性大腸炎のおならが臭い理由をわかりやすく解説します。記事の最後には、よくある質問をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 潰瘍性大腸炎の症状にお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 潰瘍性大腸炎のおならが臭い理由 おならが臭い理由 詳細 腸の炎症と腸内細菌の変化 腸の炎症により腸内バランスが崩れ、悪臭ガスを作りやすい細菌が増える状態 症状の変動による臭いの変化 下痢や粘液便など便通の乱れに伴い、未消化物が大腸に長く留まり発酵が進む状態 食事と生活習慣の影響 脂質・糖質・発酵性食物繊維の摂取量やストレスによってガス産生が偏る状態 潰瘍性大腸炎では、腸の炎症により腸内細菌のバランスが乱れ、悪臭ガスを産生されやすくなります。また、下痢や粘液便など便通の変動が続くと、未消化物が大腸に長くとどまり発酵が進むため、臭いが強くなることがあります。 さらに、脂質・糖質・発酵性食物繊維の摂取量やストレスなどの生活習慣もガス産生に影響し、臭いの悪化につながります。 腸の炎症と腸内細菌の変化 免疫異常により大腸粘膜に炎症が生じ、バリア機能が低下して腸内環境が乱れます。 その結果、悪玉菌や硫化水素を産生する細菌が増え、含硫アミノ酸の分解により腐卵臭のガスが発生します。 さらに炎症や腸管の狭窄でガスが滞留し、揮発性硫黄化合物が蓄積することが、おならの臭いを一層強くする原因です。 症状の変動による臭いの変化 活動期に炎症が強まると腸内環境が乱れ、硫化水素産生菌が増加するためガスの臭いが強くなることがあります。 また、食事内容やストレスなどの生活要因によっても腸内細菌のバランスが変化し、臭いが一時的に強まる場合があります。 急激な臭いの変化に腹痛や血便が伴う場合は病状悪化のサインであり、早期受診が必要です。 食事と生活習慣の影響 食事内容や生活習慣が腸内環境に大きく影響し、おならの臭いにも直結します。赤身肉や卵などに含まれる含硫アミノ酸は硫化水素産生菌により分解され、腐卵臭の原因となるため過剰摂取は注意が必要です。 また、豆類や炭酸飲料などガスを発生しやすい食品を控えることで臭いの軽減が期待できます。 さらに、ストレス管理や規則的な生活、適度な運動、プロバイオティクスの摂取は腸内環境が整うことで、過剰な発酵が抑えられガスが減りやすくなります。 潰瘍性大腸炎でおならが多くなる理由 おならが多くなる理由 詳細 腸の炎症と腸内環境の変化 炎症により腸内細菌バランスが乱れ、ガス産生菌が増加し、ガス量が増える状態 腸の動きの乱れによるガスの蓄積 腸の蠕動異常でガスの移動が妨げられ、大腸内にガスが滞留しやすくなる状態 食事や薬によるガス産生への影響 食事内容や治療薬の影響で発酵が進み、ガスが増えやすくなる状態 炎症により腸内細菌バランスが乱れてガスが産生されやすくなり、おならの回数が増えることがあります。腸の動きが低下するとガスが大腸内に滞留しやすくなり、膨満感や放屁回数の増加につながります。 さらに、食事内容や治療薬の影響で腸内発酵が進みガス産生が一時的に増加することもあり、これらが重なることでおならの回数や量が多くなる原因です。 腸の炎症と腸内環境の変化 大腸粘膜の炎症により消化・吸収機能やバリア機能が低下し、残渣が適切に処理されにくくなるためガス産生が増加します。また、炎症に伴う腸内細菌叢の乱れにより悪臭ガスを産生する菌が優位になることも、臭いの強いガスが発生しやすくなる原因です。 消化不良による過剰な発酵や腸の運動異常でガス排出が滞ることが重なると、おならの量や臭いがより増強されることがあります。 腸の動きの乱れによるガスの蓄積 炎症により腸の蠕動運動が乱れ、食物残渣やガスが腸内に停滞しやすくなります。その結果、ガスが蓄積しておならの回数増加や腹部膨満感につながります。 ガス排出が滞ると一定量が溜まった後にまとめて排出されやすく「突然多量に出る」と感じることも珍しくありません。 さらに、下痢や便秘などの便通異常が加わるとガス停滞が助長され、症状が強まることがあります。 食事や薬によるガス産生への影響 消化吸収機能が不安定になることで、発酵しやすい炭水化物や硫黄を含む食品が大腸へ届きやすくなり、腸内細菌による分解が進むことでガスが過剰に産生されることがあります。 豆類や玉ねぎ、キャベツ、炭酸飲料なども腸ガス増加の一因です。また、治療薬の影響で腸内細菌叢や腸管の働きが変化し、ガスの生成量や排出パターンが変わる場合もあります。 これらは個人差が大きく、食品や薬の組み合わせで症状が変わることがあります。原因を把握するため、食事や服薬の記録が役立ちます。 以下の記事では、潰瘍性大腸炎の食事について詳しく解説しています。 潰瘍性大腸炎でおならが多い・臭いのは悪化のサイン? 悪化のサイン 詳細 症状悪化に伴う腸の炎症が影響している場合がある 炎症の再燃により腸内環境が乱れ、ガス産生や臭いが強まる状態 他の症状が同時に見られる場合は注意が必要 血便・腹痛・下痢などが併発し、活動期への移行を示す可能性が高まる状態 薬の調整や治療経過に関連する場合がある 薬の変更や効果変動で腸内細菌や腸の動きが影響を受け、ガスの量が増加する状態 おならが急に多くなったり臭いが強まったりする場合、腸の炎症が再燃している可能性があります。とくに血便・腹痛・下痢など他の症状が同時に見られると、活動期へ移行しているサインです。 また、治療薬の調整や効果の変動によって腸内環境や腸の動きが変化し、ガスが増える場合もあります。こうした変化が続く際は早急に医療機関を受診しましょう。 症状悪化に伴う腸の炎症が影響している場合がある 炎症の再燃により大腸粘膜の機能が低下すると、未分解の物質が残りやすくなりガス産生が増加します。 また、炎症は腸内細菌叢に影響し、善玉菌が減少する一方で、ガスや硫黄化合物を産生する菌が増加することで臭いが悪化します。 その上、腸の蠕動運動が乱れるとガスが滞留しやすくなり「おならが多い・臭い」という症状が強く現れるため、注意が必要です。 他の症状が同時に見られる場合は注意が必要 おならの増加や臭いの変化に加えて血便・粘血便、頻回の下痢、腹痛がみられる場合は、腸粘膜の炎症が進行している可能性があります。 さらに37.5℃以上の発熱、急激な体重減少、貧血などの全身症状は重症化の重要なサインであり、免疫反応の亢進に伴って現れるため、これらが確認された場合は速やかな受診が必要です。 また症状が持続する場合や新たに全身倦怠感・めまいが出現した場合は合併症の可能性もあるため、医師による評価が求められます。 以下の記事では、潰瘍性大腸炎じゃなかった場合に考えられる疾患について詳しく解説しています。 薬の調整や治療経過に関連する場合がある 治療薬そのものが副作用としてガスや膨満を引き起こすことがあり、実際に「ガスが増える」と報告された薬剤も存在します。(文献1) また、薬の効果が弱まって腸の炎症が十分に抑えられていない場合は、粘膜修復が進まず腸内環境が不安定となり、ガスや臭いの悪化が続くことがあります。 潰瘍性大腸炎のガス症状が炎症の活動性と関連するとの報告もあり、治療効果の変動や薬の調整によってガスの量・臭いが変わることがあるため、症状の変化には注意が必要です。(文献2) 以下の記事では、潰瘍性大腸炎の治療薬について詳しく解説しています。 潰瘍性大腸炎に対するおならへの対策 おならへの対策 詳細 食事と腸内環境の調整 発酵しやすい食品の調整やプロバイオティクス活用による腸内バランス改善の取り組み 生活習慣とストレスへの配慮 規則的な生活やストレス軽減により腸の働きを整え、ガス産生を抑える工夫 症状に応じて医療機関を受診する 臭いの急激な変化や血便・腹痛などの併発時に早期受診で悪化を防止 潰瘍性大腸炎におけるおなら対策で大切なのは、まず発酵しやすい食品を控えつつ腸内環境を整えることです。 規則正しい生活やストレス軽減は腸の動きを安定させ、ガスの増加を抑える助けになります。 また、臭いの急な悪化や血便・腹痛などが同時にみられる場合は、炎症悪化の可能性があるため早急に医療機関を受診しましょう。 食事と腸内環境の調整 食事内容は腸内細菌叢や腸粘膜の状態に直接影響を与えます。水溶性食物繊維を含む海藻やオクラ、根菜などは腸内で発酵し短鎖脂肪酸を産生する善玉菌を増やし、腸内環境を整えます。 一方、高脂肪食や過剰なタンパク質摂取は腸内細菌叢の乱れや炎症を誘発する原因です。 適切な栄養バランスにより腸内環境が改善されると、酪酸などの短鎖脂肪酸の産生が促進され、腸粘膜のエネルギー源となり炎症を抑える働きがあります。 これにより腸粘膜の健康が維持され、過剰なガス発生やおならの頻発・悪臭の抑制につながります。 生活習慣とストレスへの配慮 ストレスや生活習慣の乱れは、自律神経の働きを通じて腸の動きや腸内細菌のバランスに影響します。また、ガスが過剰に発生したり、排出されにくくなる原因になります。 一方、適度な運動や規則正しい生活は腸の動きを整え、腸内環境を安定させる上で重要です。 ストレスを上手に管理し、生活リズムを整えることで不調とストレスが重なって悪化する流れを断つことが期待できます。 症状に応じて医療機関を受診する 項目 ポイント 補足 おなら以外の症状にも注意 複数症状は危険サイン 下痢、血便、腹痛、発熱、体重減少などがある場合、腸の炎症悪化が疑われる 医師への情報提供が治療に直結 症状の正確な共有が重要 便回数・便の状態・粘血の有無・体調の変化などを伝えることで、治療方針の見直しがしやすくなる ガスの異常は別の疾患の可能性あり 自己判断は禁物 ガス過多や悪臭が、腸内環境の乱れ以外の疾患のサイン 早期受診が悪化を防ぐ 早期発見の重要性 潰瘍性大腸炎は再燃しやすいため、早期受診と治療継続が不可欠 (文献3) おならの増加だけでなく、下痢・血便・腹痛・発熱・体重減少などがみられる場合は、腸の炎症悪化が疑われるため、早急に医療機関を受診しましょう。 潰瘍性大腸炎と診断されている方は、便回数や便性状、体調変化を正確に伝えることが治療方針の見直しに役立ちます。 ガスの異常が他疾患の兆候となることもあります。そのため、自己判断は禁物です。 早期受診と適切な治療継続が、悪化や合併症の予防において大切です。 以下の記事では、潰瘍性大腸炎の治療法について詳しく解説しています。 潰瘍性大腸炎のおならに対して適切な対策を講じよう 潰瘍性大腸炎の影響で「おならの回数が増えた」「おならが異様に臭い」と感じることが増えたのであれば、悪化や合併症の可能性があるため注意が必要です。 潰瘍性大腸炎は再燃しやすい疾患であり、放置しておくと重症化し最悪の場合、改善が困難になる可能性があります。 潰瘍性大腸炎についてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、潰瘍性大腸炎に対して再生医療を用いた治療をご提案しています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した腸粘膜の修復を促し、潰瘍性大腸炎の改善を目指す治療法です。 実際に再生医療によって、4年間にわたって薬物療法やG-CAP療法を継続しても寛解維持が難しかった難治性潰瘍性大腸炎が改善した症例があります。 >>再生医療によって難治性潰瘍性大腸炎が改善した症例(50代男性)はこちら 再生医療は薬物療法と比べて全身的な副作用が比較的少なく、手術を伴わないため感染症や後遺症のリスクが低いのが利点です。 「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。 潰瘍性大腸炎のおならに関するよくある質問 潰瘍性大腸炎でおならを我慢するのは身体に悪影響でしょうか? おならを無理に我慢するのは望ましくありません。ガスが腸内に蓄積すると腹部膨満感や痛みが強まり、炎症で敏感になっている腸の動きをさらに乱す可能性があります。 症状悪化を防ぐためにも、可能な範囲で我慢せず適切に排出することが大切です。 おならの臭い対策として薬の服用を中断しても問題ないでしょうか? 潰瘍性大腸炎の治療薬は腸の炎症を抑えるために不可欠であり、おならの臭いを理由に自己判断で中断することは避けるべきです。 服薬を中止すると炎症が再燃し、症状の悪化や重症化につながる可能性があります。 臭いの原因を薬剤と断定することは適切ではなく、治療継続が基本です。気になる症状がある場合は必ず医師に相談しましょう。 潰瘍性大腸炎は治療で完治しますか? 現時点では、潰瘍性大腸炎を完治させる方法は確立されていません。(文献4) 原因が明確でないため根本的な治療法はなく、現状では炎症を抑えて症状のない状態(寛解)を維持することが治療の目的となります。 内服薬や免疫調整薬、生物学的製剤などを用いて腸の炎症を長期的にコントロールすることが主な治療法です。 潰瘍性大腸炎を患っている家族のおならが急に臭くなった場合どうするべきでしょうか? 潰瘍性大腸炎の方でおならの臭いが急に強くなっても、必ずしも病状悪化とは限りません。 腸内環境の変化や食事内容など、さまざまな要因で起こり得ます。 ただし、下痢・血便・腹痛・発熱・体重減少などの症状を伴う場合は炎症悪化の可能性があるため、速やかに受診してください。 食事や生活習慣、薬の変更なども影響するため、それらを見直すことも大切です。 (文献1) Side Effects of Ulcerative Colitis Medications|WebMD (文献2) Does ulcerative colitis cause gas?|MedicalNewsToday (文献3) 病気を知る潰瘍性大腸炎|慶應義塾大学病院|KOMPAS (文献4) 潰瘍性大腸炎(指定難病97)|難病情報センター
2026.02.15 -
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「潰瘍性大腸炎の治療薬について知りたい」 「潰瘍性大腸炎の治療薬の副作用が心配」 潰瘍性大腸炎と診断され、治療薬の説明を受けたものの「治療薬の種類が多く、違いがわからない」という方は多くいます。 治療薬は医師の診断に基づいて処方されますが、服用の仕方を誤ると、症状が悪化するおそれがあります。治療薬を正しく服用するために本記事では、現役医師が潰瘍性大腸炎の治療薬について詳しく解説します。 また、副作用や服用時の注意点も合わせて紹介し、記事の最後にはよくある質問をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 潰瘍性大腸炎の症状にお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 潰瘍性大腸炎の治療薬一覧 治療薬の種類 詳細 5-ASA製剤 大腸の粘膜に直接作用し、炎症を抑える基本治療薬。寛解維持にも用いられ、内服・坐薬・注腸と症状に合わせた投与が可能 ステロイド 強力に炎症を抑える薬剤。急な悪化時に短期間使用され、症状改善後は徐々に減量して中止する薬剤 免疫調節剤・免疫抑制剤 免疫の過剰反応を抑え、再燃予防やステロイド依存を防ぐ長期管理薬。効果が出るまで時間を要する薬剤 JAK阻害剤 炎症に関わる細胞内シグナルを抑える内服薬。中等症〜重症の患者に用いられる新しいタイプの治療薬 生物学的製剤 炎症を引き起こす特定のタンパク質を標的として抑える注射薬。効果が高く、重症例や他の薬で不十分な場合に使用される薬剤 潰瘍性大腸炎の治療では、炎症の程度や症状の安定度に応じて薬剤を使い分けます。まずは炎症を抑える基本薬を使用し、必要に応じて強い作用を持つ薬や免疫を調整する薬を追加します。 生物学的製剤やJAK阻害剤は、他の治療で十分な効果が得られない場合に選択されますが、どの治療薬にも副作用が存在するため、自己判断せずに必ず医師の指導に基づいて服用しましょう。 5-ASA製剤 5-ASA製剤は、メサラジンなどの形で潰瘍性大腸炎の軽症から中等症の治療に広く用いられている治療薬です。 症状を落ち着かせる(寛解導入)ことと、その状態を保つ(寛解維持)の両方に効果があります。5-ASA製剤の特徴は、腸の粘膜に直接作用して炎症を抑えることです。 全身の免疫機能を抑える働きはないため、比較的体への負担が少なく、長期間使用できます。炎症を鎮めることで潰瘍の治癒を助け、再発の予防にも役立ちます。 日本ではペンタサ・アサコール・リアルダなどのメサラジン製剤が潰瘍性大腸炎の治療で広く使われているのが現状です。一方、歴史的に用いられてきたサラゾスルファピリジン(サラゾピリン)は、現在では使用頻度が減りましたが、それでも特定の症例において処方されることがあります。 副作用が比較的少ないことから、潰瘍性大腸炎治療の基本となる治療薬として位置づけられています。 5-ASA製剤の副作用 5-ASA製剤は、副作用としてまれに腎機能の異常や腎炎が報告されています。(文献1) また、頻度は低いものの、間質性肺炎や重度の皮膚反応といった重篤な合併症も知られています。(文献2) 服用開始後1〜2週間で症状が悪化する場合は、5-ASA不耐性の可能性があるため、早めに医師へ相談することが大切です。 症状が落ち着いても自己判断で服薬を中断すると再燃率が高まることが報告されており、寛解状態を保つためには継続的な服薬が欠かせません。(文献3) ステロイド ステロイド薬は強力な抗炎症作用を持ち、潰瘍性大腸炎の活動期で症状が強いときに、速やかに炎症を抑えて症状を緩和する目的で使用されます。 内服薬のほか、注腸剤や坐薬として用いられ、血便や下痢、激しい炎症などの急性症状の改善に効果を発揮します。 一方で、ステロイドは寛解維持を目的とした長期管理の薬としては推奨されません。長期使用により感染症リスクの増加、骨密度の低下、糖尿病、高血圧などの副作用が生じる可能性があるためです。 長期の漫然投与は避けるべきとされており、使用期間は短期間に限定することが原則です。(文献4) ステロイドの副作用 ステロイド薬には効果的な抗炎症作用がある一方で、注意すべき副作用がいくつか存在します。 体重増加やムーンフェイス(顔が丸くなる)、食欲増進といった外見的変化のほか、高血圧、高血糖、脂質異常などの代謝異常が生じることがあります。 長期使用では骨粗鬆症による骨折リスクが高まるため注意が必要です。また免疫抑制作用により感染症への抵抗力が低下し、細菌・ウイルス・真菌感染のリスクが上昇します。(文献5) 眼への影響として白内障や緑内障、皮膚では薄くなる・傷の修復が遅延するなどの変化も報告されています。 複数回・長期間の使用では大腿骨頭壊死などの不可逆的な合併症のリスクも指摘されており、慎重な管理が欠かせません。 免疫調節剤・免疫抑制剤 免疫調節剤・免疫抑制剤は、アザチオプリン(AZA)や6-メルカプトプリン(6-MP)などのチオプリン製剤が代表的な薬剤です。 ステロイド治療後の寛解維持や再発を繰り返す場合のステロイド離脱目的で使用されます。病勢が強い場合には、他剤への切り替えや併用療法が検討されます。 作用発現までに時間を要し、一般的に投与開始後3〜6カ月で効果が現れる点が特徴です。(文献6) 免疫調節剤・免疫抑制剤の副作用 副作用・注意点 内容 骨髄抑制 白血球・赤血球・血小板の減少による感染や貧血、出血リスクの増加 肝機能障害 肝臓への負担による肝数値の悪化 消化器症状 吐き気・下痢・腹痛の出現による薬剤不耐性の可能性 免疫調節・抑制剤は炎症を抑える一方で、骨髄抑制や肝機能障害などの副作用が起こることがあります。とくに骨髄抑制は頻度も一定程度みられるため、定期的な血液検査が欠かせません。 投与初期には吐き気や下痢、腹痛などの消化器症状が現れ、薬剤が体質に合わないサインとなる場合もあります。副作用を早期発見するためには、症状に気付いた段階で医師へ相談することが重要です。 JAK阻害剤 薬剤名 特徴 トファシチニブ(ゼルヤンツ) 1日のうち複数回の内服による治療、寛解導入から維持まで使用される薬剤 フィルゴチニブ(ジセレカ) 1日1回の内服が可能で、JAK1に選択的に作用する薬剤 ウパダシチニブ(リンヴォック) 1日1回の内服で、JAK1とJAK2を幅広く抑える薬剤 JAK阻害剤は、炎症を引き起こすシグナルを遮断し腸の炎症を和らげる内服薬です。既存の治療で効果が十分でない中等症〜重症の患者に使用されます。 作用の立ち上がりが比較的早く、症状の変化を実感しやすいことも特徴です。種類により作用の幅や投与回数が異なるため、医師の指導のもと症状や生活スタイルに合わせた薬剤が使用されます。 JAK阻害剤の副作用 JAK阻害剤は、肝機能障害や白血球減少、貧血のほか、脂質異常の出現など多様な副作用がみられることがあります。 まれに消化管穿孔など重い合併症を生じる可能性もあるため、投与前後の血液検査による慎重な管理が欠かせません。 幅広い炎症性サイトカインを抑える作用を持つことから、生物学的製剤で十分な効果が得られなかった患者に対しても新たな治療選択肢を提供する治療薬です。 生物学的製剤 製剤の種類 内容 抗TNFα抗体製剤 インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブによるTNFαの抑制、速やかな症状改善と寛解維持への有用性 抗α4β7インテグリン抗体製剤 ベドリズマブによる腸管への炎症細胞の接着阻害、腸管特異的な抗炎症作用 IL-12/23阻害薬 ウステキヌマブによるIL-12・IL-23の抑制、免疫反応の調整と炎症軽減 抗IL-23p19抗体製剤 グセルクマブによるIL-23の特異的抑制、再燃予防に寄与する新しい治療選択肢 生物学的製剤は、炎症の原因となる分子を抑える分子標的薬です。中等症から重症の潰瘍性大腸炎で効果を発揮します。 抗TNFα製剤は速やかな改善が期待でき、多くの患者で使用されています。ベドリズマブは腸に特化して作用する点が特徴です。 生物学的製剤の副作用 生物学的製剤は中等症から重症の潰瘍性大腸炎に効果が高い一方で、免疫抑制による感染症リスクへの注意が必要です。 主な副作用として感染症リスクの増加が挙げられ、免疫を抑制する作用により細菌・ウイルス・真菌などへの抵抗力が低下する可能性があります。 また、注射部位の発赤や腫れ、アレルギー反応、点滴時に発生する発熱・悪寒などの輸注反応が生じることもあり、投与中は結核やB型肝炎などの感染症スクリーニングが必要です。 そのため、定期的な血液検査やモニタリングを通じ、リスクを確認しながら治療を進めることが大切です。 潰瘍性大腸炎の治療薬を服用する際の注意点 注意点 詳細 薬の中断や変更は自己判断しない 症状が落ち着いていても自己判断で減量・中断しないことが再燃防止につながるため、必ず医師の指示に従うこと 副作用と感染症への注意 発熱・下痢の悪化・咳などの感染兆候を見逃さず、早期の受診が重症化予防につながるため、体調変化のこまめな観察 検査・相互作用・妊娠への配慮 定期検査の受診、他薬・サプリとの併用確認、妊娠を希望する場合の事前相談など、治療計画全体に配慮した管理 潰瘍性大腸炎の治療薬は、適切に継続することで炎症を抑え、再燃を防ぐ重要な役割を担います。症状が落ち着いていても、自己判断での中断や変更は病状悪化につながるため、必ず医師の指示に従うことが大切です。 また、一部の薬剤は感染症に対する抵抗力を低下させるため、発熱や咳、下痢の悪化などの体調変化があれば早めに受診する必要があります。 さらに血液検査や肝機能・腎機能の定期チェック、他の薬剤との相互作用の確認、妊娠を希望する際の事前相談など、治療全体を見据えた管理が欠かせません。 薬の中断や変更は自己判断しない 潰瘍性大腸炎の治療薬は、症状が落ち着いていても自己判断で中断してはいけません。 潰瘍性大腸炎は再燃と寛解を繰り返す慢性疾患であり、抗炎症薬・維持療法薬(とくに5-ASA製剤)を中断した患者では再発頻度が高いことが知られています。 実際、5-ASA製剤を中止した群では 12〜24カ月で再燃率が52〜91%に達したとの報告があります。(文献7) 症状が軽快しても腸の炎症が完全に治癒しているとは限りません。薬を継続することで寛解維持や大腸がんを含む合併症の予防につながります。 また、潰瘍性大腸炎は病勢によって使用する薬剤が変わるため、治療段階を誤ると悪化を招く可能性があります。 以下の記事では、潰瘍性大腸炎の再燃について詳しく解説しています。 副作用と感染症への注意 免疫抑制薬や生物学的製剤は腸の炎症を抑える一方で、免疫機能を低下させるため感染症への注意が必要です。 とくに複数の免疫抑制薬(ステロイドと生物学的製剤など)を併用する場合や、免疫が低下している患者では、肺炎・敗血症・結核・日和見感染などのリスクが高まることが報告されています。(文献8) 通常の風邪や胃腸炎でも悪化しやすく、真菌感染や結核再活性化など重大な副作用を引き起こす可能性があります。 予防接種の相談、日常的な感染対策、定期検査の継続が重要であり、発熱や咳などの体調変化があれば早めに医療機関へ連絡することが大切です。 検査・相互作用・妊娠への配慮 潰瘍性大腸炎の治療薬には、腎機能・肝機能・血液成分に影響を与えるものがあり、定期検査によるモニタリングは副作用の早期発見に欠かせません。 また、薬剤ごとに他薬やサプリ、ワクチンとの相互作用が生じる可能性があるため、併用時には必ず医師や薬剤師へ相談しましょう。 免疫抑制薬や生物学的製剤を使用する場合は、生ワクチンの可否にも注意が必要です。さらに、妊娠を希望する方や妊娠中の患者では、病勢の安定が母体・胎児双方に影響するため、薬剤使用の自己判断での中断は避け、適切な管理が推奨されます。 以下の記事では、潰瘍性大腸炎における性行為について詳しく解説しています。 潰瘍性大腸炎の治療薬と併用して行われる治療法 治療薬と併用して行われる治療法 詳細 食事・生活習慣の管理 消化に良い食事選択、腸への負担を減らす栄養管理、禁煙・適度な運動・十分な休息による再燃予防 悪化予防とメンタルケア ストレス軽減、睡眠確保、心理的負荷の調整、腸の炎症悪化因子の回避による症状安定 外科的治療 内視鏡的治療や手術を含む重症例への対応、薬物療法で効果不十分な場合の症状改善 再生医療 幹細胞治療などを用いた腸組織の修復支援、将来的な治療選択肢としての活用 潰瘍性大腸炎では、薬物療法に加えて食事・生活管理やメンタルケアを行うことで、炎症の悪化や再燃を予防できます。 薬物療法で十分な効果が得られない場合には、内視鏡的治療や手術を併用することがあります。 また、幹細胞治療などの再生医療は腸組織の修復を目指す新たな選択肢として研究が進んでいますが、実施できる医療機関は限られており、すべての症状に適用できるわけではありません。 治療適応や効果、安全性については医師と十分に相談し、適切な治療法を検討する必要があります。 以下の記事では、潰瘍性大腸炎の治療について詳しく解説しています。 食事・生活習慣の管理 薬物療法に加えて食事・生活習慣を調整することで、腸への負担を減らし再燃予防に役立ちます。活動期は低脂肪・低残渣の消化しやすい食事を選び、寛解期はバランスの良い栄養摂取で免疫力を維持することが大切です。 また、十分な睡眠、ストレス管理、適度な運動は自律神経を整え、炎症悪化を防ぐ上で重要です。喫煙や過労を避けることで薬剤の効果が高まり、生活の質の向上にもつながります。 以下の記事では、潰瘍性大腸炎の食事について詳しく解説しています。 西野入 直輝様作成KW:潰瘍性大腸炎の食事 悪化予防とメンタルケア 薬物療法に加えて悪化要因の回避と心理的ケアを行うことで、炎症の再燃を防ぎ長期的な寛解維持に寄与します。 高脂肪食や刺激物、NSAIDs、喫煙、感染症などは腸の炎症を促進するため、日常的に避けることが大切です。 また、睡眠不足や過労は自律神経を乱し再燃の引き金となります。精神的ストレスは免疫反応を過剰にして症状を悪化させるため、リラクゼーションやカウンセリングを活用し心身のバランスを整えることが治療効果の向上に役立ちます。 外科的治療 薬物療法で十分な効果が得られない場合や重篤な合併症を伴う場合に、内視鏡治療や手術が選択されます。内視鏡的治療は限局した病変や浅い異形成を大腸鏡で切除する方法で、腸の構造を保ちながら病変を除去できますが、適応は限定的です。 一方、重症出血や穿孔など生命に関わる状態、または薬剤が無効なケースでは、大腸の全切除や一部切除を行う手術治療が検討されます。 代表的な方法には全大腸切除+回腸肛門吻合術(IPAA)やストーマ造設などがあります。統計的には、潰瘍性大腸炎患者の約20%が経過中になんらかの手術を受けると報告されています。(文献9) 手術後は排便習慣の変化や術後管理が必要です。また、医師と十分に相談した上で治療を選択し、継続的な経過観察を受けることが重要です。 再生医療 近年の治療では、薬物療法が効きにくい難治性の潰瘍性大腸炎に対して、自己細胞を用いた「再生医療」も選択肢の一つです。 再生医療では、「分化能」と呼ばれる特定の細胞に変化する能力を持つ幹細胞を用いて、腸粘膜の修復を促すことを目的とする治療を行います。 実際に当院リペアセルクリニックでは、再生医療によって4年間にわたって悩まされていた難治性潰瘍性大腸炎が改善した症例があります。 >>再生医療によって難治性潰瘍性大腸炎が改善した症例(50代男性)はこちら しかし、従来の薬物療法による粘膜治癒が得られにくい患者さまへの新たな選択肢として期待される一方、すべての症状に適用できるわけではありません。 「再生医療で治療できるか相談したい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。 また、以下の記事では、再生医療について詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。 治療薬で改善しない潰瘍性大腸炎は当院へご相談ください 潰瘍性大腸炎は難病に指定されており、現時点では完治させる治療法は確立していません。そのため、治療は薬物療法による症状のコントロールが中心となります。 薬の効果を十分に引き出し適切に使用するためには、正しい服用方法や起こり得る副作用を理解しておくことが重要です。 潰瘍性大腸炎についてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、潰瘍性大腸炎に対して再生医療を用いた治療を行っています。 潰瘍性大腸炎に対しては、幹細胞を利用して損傷した腸粘膜の修復を促す再生医療の研究が進められており、炎症による粘膜障害を改善できる可能性が示されています。 再生医療は治療薬と異なり、全身的な副作用のリスクが比較的低いのが特徴です。また、手術を伴わないため感染症や後遺症のリスクが低い点も利点です。外科的処置のような大きな痛みを伴う心配もほとんどなく、将来的な治療選択肢として期待されています。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 潰瘍性大腸炎の治療薬に関するよくある質問 潰瘍性大腸炎の薬代は高額ですが助成は受けられますか? 潰瘍性大腸炎は指定難病のため、医療受給者証が交付されれば診察費や薬代の自己負担が軽減されます。(文献10) また、難病助成の対象外でも、医療費が高額になった場合は高額療養費制度により月々の負担が上限額まで抑えられる可能性があります。(文献11) 潰瘍性大腸炎は市販の薬で改善できますか? 潰瘍性大腸炎の炎症を市販薬だけでコントロールすることはできません。改善には医療機関での診断が必要です。 病状や炎症の範囲に応じて5-ASA製剤・免疫調節薬・生物学的製剤などの処方薬を継続的に使用します。潰瘍性大腸炎の治療は医師の指導のもと、適切な薬物療法を続けることが大切です。 潰瘍性大腸炎は治療薬を服用せずに改善できますか? 潰瘍性大腸炎は慢性的に炎症を繰り返す病気であり、現時点で根治を目的とした標準治療はありません。 そのため、治療薬を使用せずに病状が長期的に安定するとは限らず、適切な治療の継続が欠かせません。 参考文献 (文献1) The risks and the benefits of mesalazine as a treatment for ulcerative colitis|PubMed® (文献2) MESALAZINE (Pentasa, Salofalk, Mesasal, Mezavant)|ST VINCENT’S HOSPITAL (文献3) 潰瘍性大腸炎について|慶應義塾大学病院IBD(炎症性腸疾患)センター (文献4) 潰瘍性大腸炎患者のステロイド総投与量と副作用の検討|J-STAGE (文献5) Corticosteroid Adverse Effects|NIH — National Library of Medicine National Center for Biotechnology Information (文献6) Fact Sheett|CROHN’S & COLITIS FOUNDATION (文献7) Review article: withdrawal of 5-aminosalicylates in inflammatory bowel disease|PubMed (文献8) Comparative Risk of Serious Infections with Biologic and/or Immunosuppressive Therapy in Patients with Inflammatory Bowel Diseases: A Systematic Review and Meta-analysis|PMC PubMed Central® (文献9) Surgical Principles in the Treatment of Ulcerative Colitis|PubMed® (文献10) 指定難病患者への医療費助成制度のご案内|難病情報センター (文献11) High-Cost Medical Expense Benefit (Eligibility Certificate for Ceiling-Amount Application) or KOGAKU RYOYOHI SEIDO (GENDOGAKU TE|高額療養費制度(限度額適用認定証)について:2018年3月版
2026.02.15







