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ぎっくり腰は、ただの腰痛ではない!自己判断厳禁

公開日: 2021.11.17
更新日: 2024.10.11

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ぎっくり腰を、ただの腰痛と侮るなかれ!自己診断厳禁

腰痛の中でも、ぎっくり腰の痛みは特別です。

ある日突然、何の前触れもなくグキッ!という感じで急激な痛みに襲われます。その痛みは激しく、突然起こった精神的な驚きはかなりのものです。

まさに秒速、たった1秒くらいで急激な痛みが襲うので、ドイツ語では、ぎっくり腰のことを魔女の一撃(Hexenschuss ヘクセンシュース)と言うくらいです。

ぎっくり腰の痛みは、数秒で起きるので、他の腰痛のように数か月~数年で徐々に痛みがひどくなる「腰椎症」。そして、数日で痛みがひどくなるスポーツによる腰痛などと区別できます。

女性のぎっくり腰

ぎっくり腰の原因

ぎっくり腰は、一説に50人に1人は経験するとまで言われているほど日常的に起こりえる病なので注意が必要です。原因としては、変な体勢で重いものを持ち上げるなど、通常でない力が、筋膜や椎間板に加わって、組織の炎症が瞬間的、急激に起こるものです。

しかし、重いものを持ち上げるなど無理な姿勢からの大きい負荷だけで起こるのではなく、姿勢によっては簡単な事であっても、ぎっくり腰が起きることがあります。

たとえば、単に身をかがめただけ(あいさつでのお辞儀など)、後ろを振り向いただけ、ただ咳をしただけ、掃除機をかける時に少し体を折り曲げただけ、子どもを抱っこしただけ、正座などの座った体勢から立ち上がろうとしただけ、これら普通の生活でありえる動作でも「ぎっくり」が起きることがあるので困ります。

ぎっくり腰を侮るなかれ

痛み方についても一定ではなく、典型的な急激に発症する際の激痛型のぎっくり腰だけではなく、最初は、痛みが軽度だったのに、数時間から数日かけて、身動きがとれなくなるくらい徐々に痛くなる場合もあります。

また、重い物を持ったからといった、きっかけが全くない状況なのに段々と身動きがとれないほどの激痛になるという非典型的な、ぎっくり腰もあります。

多くの場合、ぎっくり腰は2週間程度で自然経過で治ることが多いのですが、実のところ、ぎっくり腰だと思い込んでいたら、実は全く違う病気で、病院での治療が必要な重い病気だった・・・

ということが実際にあることを覚えておかねばりません。

そのため自己診断は避け、医師による正確な診断が必要です。最も怖いのは、ぎっくり腰だと思い込んでいたところ、調べてみると内科の病気で多発性骨髄腫という血液の悪性腫瘍で、腰椎が圧迫骨折を起こしていたための腰痛だった人もいます。

または、泌尿器科の病気が、腰痛を引き起こしている可能性もあります。中には前立腺癌の腰椎転移で腰痛を起こしていた人もいます。

仮に自己診断の通り、ぎっくり腰だったとしても、適切な治療をせず、自分勝手な自己流の方法で治そうとしたために、かえって痛みが慢性化してしまうこともあります。

やはり、自己診断や症状を過信せず「何かおかしい?!」と思ったら、迷わず病院等、医療機関の専門家に相談することが大事ということです。

ぎっくり腰と日常生活

日常生活について、「ぎっくり腰は、安静にし過ぎても、かえって治りが遅くなる」ことがあります。安静は必要なのすが、長すぎる安静は回復するのを遅らせる可能性があります。。

安静にしている長さは個人の状態によって変わりますが、痛みが引いた時点で適度に動いたほうが安静を続けるより回復が早いと言われています。

 痛みを避けるためには「この姿勢なら楽だ」という無理のない楽な姿勢を意識した日常生活を送ることが大切です。楽な姿勢なら、組織の炎症を悪化させることもなく、組織の修復を助けてくれるからです。

面倒だからと、つい変な姿勢で何かを行ってしまうなどのことが無いようにしましょう。かがむ、腰を折る、腰を曲げるなどの姿勢は要注意。膝を折ることを意識してください。

ぎっくり腰のお薬

ぎっくり腰は最初、冷やすと効果的と言われています。そのため湿布を貼って患部を冷やす方法もありますが、冷やしすぎるのも皮膚を刺激することで症状が悪化してしまう恐れがあります。

また、痛みについて「耐えられない」という場合は、鎮痛剤の服用に頼ってもいいですが痛み止めの薬を飲み過ぎると、胃炎や胃潰瘍などの胃腸障害を起こすので、過量服用や空腹時は避け、多くの水と共に飲むことが大事です

特に、「胃潰瘍を過去に起こしたことがある」という人の場合は、鎮痛剤を飲む場合にはガスターなどの制酸剤を一緒に飲む必要があるかもしれません。

また、鎮痛消炎剤としてモーラステープなどの貼り薬でも、副作用として、光線過敏症や皮膚のかぶれなどが起きることがあるので、「単なる貼り薬だから大丈夫」と侮ってはいけません。

なお、発症した当日など腰に炎症が起こった状態になっているため、その当日の入浴は控えた方が無難です。当初、温めるのは厳禁です。よく聞かれるのがマッサージの良否ですが、これも控えたほうが良いと思われます。

仕事でぎっくり腰

ぎっくり腰が会社の仕事で起きた場合ですが、労災が認められないことが多いようです。厚生労働省のリーフレットには、次のように書いてあります。

「災害性の原因による腰痛」の労災認定要件①腰の負傷またはその負傷の原因となった急激な力の作用が、仕事中の突発的な出来事によって生じたと明らかに認められること②腰に作用した力が腰痛を発症させ、または腰痛の既往症・基礎疾患を著しく悪化させたと医学的に認められること(厚生労働省「腰痛の労災認定」)

 

「災害性の原因によらない腰痛」の労災認定要件突発的な出来事が原因ではなく、重量物を取り扱う仕事など腰に過度の負担のかかる仕事に従事する労働者に発症した腰痛で、作業の状態や作業時間からみて、仕事が原因で発症したと認められるもの(厚生労働省「腰痛の労災認定」)

 
労災で認められるには、「ぎっくり腰」が、業務に起因すること、それが業務遂行中であることが必要です。 つまり、仕事中のぎっくり腰でも、業務とは関連性の乏しい理由で発症した場合は、労災認められる可能性は低くなります。

ぎっくり腰が仕事中に起きて、2週間程度、休まなくてはならない場合でも、上記を明確に証明しなけらば労災にならないとは、厳しいですね。

労災がダメでも傷病手当金をもらうことは可能なので、ぎっくり腰が起きた日に病院を受診しておけば、発症日の証明になります。そのため、ぎっくり腰が起きた日に、病院を受診しておくのは、いいかもしれませんね。

ただ、避けるべきは痛みを我慢して仕事を続けることです。

ぎっくり腰を早く治すための食生活

いろいろな栄養素を挙げて、特定の食べ物を勧められることがありますが、絶対確実なものはありません。それよりも、「絶対確実に悪い!」というものがあります。

アルコールです。アルコールでビタミンBやミネラル、微量元素などが欠乏し、組織修復を妨げるばかりか、炎症を悪化させて、治りが遅くなります。

また、日頃からアルコールを多飲している人は、ぎっくり腰になりやすく、予防の上でも良くありません。「酒は百薬の長」などというのは、真っ赤な嘘です。

また、ぎっくり腰の予防などについて、詳しくはこちらをご覧ください ぎっくり腰の原因と予防|やって良いこと、悪いこと!

まとめ・ぎっくり腰は、ただの腰痛ではない!自己判断厳禁

以上、「ぎっくり腰の症状を、ただの腰痛と侮るなかれ」と題して話をしましたが、実のところぎっくり腰の正確な発症メカニズムや原因については詳しく解明されていないことが多い状況です。

ぎっくり腰を発症し、激痛で動けない期間が生じて多くの人が苦しむことになるため、今後の研究が待たれるところです。

くれぐれも、ギックリ腰を自己判断で侮って重症化しないよう、繰り返し発症させないよう、発症したら病院などの医療機関を受診し、指導を受けるようにしましょう。

▼以下もぎっくり腰の情報を公開しています。
ぎっくり腰の前兆はあるのか?まずは原因を知って予防する!

また、腰痛になった場合は下記の記事も参考になるので、ぜひ読んでみてください。

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