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腰椎椎間板ヘルニアの原因と痛みを和らげる方法

日本人は多くの人が1度は腰痛に悩まされた経験があります。

多くの腰痛は時間が経てば症状が改善しますが、もし腰椎椎間板ヘルニアの場合は、痛みが強く生活に影響を与える可能性があります。

腰椎椎間板ヘルニアの緩和

ヘルニアとは身体の組織の一部が、本来あるべき、正しい位置からはみ出した状態をいいます。なぜ、本来とは関係ない場所にはみ出るのでしょうか?

そこで今回は、「腰椎椎間板ヘルニアを生じる原因・症状と痛みを和らげる方法」について詳しく解説ます。

 

腰椎椎間板ヘルニアとは

背骨は頸椎(首の骨)が7個・胸椎(胸の骨)が12個・腰椎(腰の骨)が5個に分かれて、それぞれ1つずつ骨が積み上げたように構成されています。

そして、1つずつの骨と骨のあいだには椎間板が存在します。椎間板は、多くの水分を含んだゼリー状の髄核、その周りを取り囲む線維輪により二重構造となっており、腰にかかる負担を和らげるクッションのような役割があります。

腰椎椎間板ヘルニアとは、腰椎の椎間板に負担がかかり、椎間板の中にある髄核という組織が外に飛び出して神経にぶつかった状態です。

腰椎椎間板ヘルニアの症状

腰椎椎間板ヘルニアの主な症状は、お尻・足の痛みはもちろん、しびれ、力を入れにくい、動かしにくいなどの症状があります。痛み・しびれは下半身のどの場所にも出ますが、その中でもお尻から太ももの裏側の痛みは坐骨神経痛と呼ばれ、代表的な症状です。

また、神経が強く押されている場合は、おしっこ・お通じなどが出にくい、漏れてしまう場合もあります。

腰椎椎間板ヘルニアは2つのタイプに分かれる

椎間板ヘルニアは下記の2つのタイプに分かれ、圧迫される神経によって症状が変わります。

神経根型

神経根型は、背骨に対して縦に走っている神経ではなく、そこから左右へ枝分かれして伸びている神経根という場所を圧迫しています。症状として、腰・片足の痛みなどがありますが、危険度は高くありません。

 

馬尾型

馬尾型は、背骨に対して縦に走っている神経を圧迫します。

症状として、お尻・足全体への痛みがあるだけでなく、そのまま放置すると尿漏れなどの排尿障害が生じる、場合によっては歩けなくなり、寝たきりになる可能性があるなど馬尾型は神経根型よりも危険性が高くなります。

▼もし、下記の症状が当てはまる場合は注意が必要です。

・痛みはないが、しびれがある

・両足にしびれ・痛みが生じる

・両足の裏側がしびれる

・お尻の周辺がしびれる

・歩いてる最中に尿が出そうになる

 

腰椎椎間板ヘルニアを生じる原因

腰椎椎間板ヘルニアは下記のようにさまざまの原因で生じます。

年齢

体にある組織の多くは、年齢とともに劣化します。椎間板もその中の1つです。

椎間板は、体重を支えるため、身体の中で最も負担のかかる組織ですが、血管がないため栄養の届きにくい仕組みとなっており、なんと10歳代後半から劣化が始まり、少しずつ徐々に、みずみずしさが失われてクッション機能を果せなくなっていきます。

 

姿勢の悪さ

普段の姿勢が反り腰・猫背の人は、一般的な姿勢より、体重が腰にかかりやすくなります。そのため、長期間そのような姿勢でいると椎間板への負荷が大きくなり、ヘルニアの原因になる場合があります。

また、意外かもしれませんが、腰への負担は立っているよりも座っているときの方が大きくなります。そのため、車の長時間の運転、デスクワークなど、長時間座るような生活をしている人は注意が必要です。定期的に立つ、歩く、屈伸を行うなどで姿勢を変化させることが必要です。

 

喫煙

ご存知でしょうか!喫煙と椎間板ヘルニアには関係があります。

上記で解説したように椎間板には血管がありません。そのため、周囲の毛細血管から必要な栄養分をもらっています。しかし、喫煙者はタバコの影響のため、毛細血管の血流が悪くなり、椎間板の回復が遅く劣化しやすい状態になりかねません。

 

痛みを和らげる方法

腰椎椎間板ヘルニアは、どれだけ腰に負担をかけないで過ごせるかが大切です。痛みを和らげる方法としては下記のようなものがあります。

姿勢に気を付ける

座った姿勢は腰に負担がかかるため、長時間座らないようにし、休憩時間には気分転換にストレッチをする、また周囲を歩いて気分転換をおこないましょう。

また、座るときの姿勢も腰のあたりにクッションを入れる、背もたれの角度を調整できる椅子を選ぶなど自分にとって負担が少ない姿勢を見つけることが重要です。

筋肉トレーニングや、ストレッチをおこなう

筋肉を強化すると、お腹まわりの筋肉がコルセットのような役割をするため腰にかかる負担を軽減できます。また、硬くなっている筋肉をストレットで柔らかくすることにより、ヘルニアの症状を軽減できます。

筋肉トレーニングは身体の深部に存在するインナーマッスルを中心におこないます。インナーマッスルは、腰を安定させて腰椎をゆがまさない役割があるため、腰の負担が減り症状の改善が期待できます。

また、ストレッチは腰だけでなく、股関節や足などの下半身と体幹を中心にストレッチすることにより、筋肉に柔軟性が出るため腰への負担が軽減されます。

 

まとめ

腰椎椎間板ヘルニアの80〜85%は症状が良くなるといわれています。しかし、場合によっては強い痛み・しびれに長い間、悩まされている人もいます。

今回解説した内容をおこなえば多くの人は症状が改善されますが、1週間程度経過したのに関わらず症状が全く改善されない場合は、そのまま放置せず、躊躇することなく専門医を受診しましょう。

 

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監修:医師 加藤 秀一

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