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ぎっくり腰の症状を、ただの腰痛と侮るなかれ!自己診断厳禁

腰痛の中でも、ぎっくり腰の痛みは、特別です。

ある日突然、急激に痛みが起き、痛みの程度も激しいからです。ぎっくり腰の痛みは、数秒で起きるので、他の腰痛のように数か月~数年で徐々に痛みがひどくなる「腰椎症」。そして、数日で痛みがひどくなるスポーツによる腰痛などと区別できます。

当然のぎっくり腰

 

1秒くらいで急激な痛みが襲うので、ドイツ語では、ぎっくり腰のことを魔女の一撃(Hexenschuss ヘクセンシュース)と言うくらいです。

ぎっくり腰の原因

ぎっくり腰は、一説に50人に1人は経験するとまで言われているほど日常的に起こりえる病なので注意が必要です。原因としては、変な体勢で重いものを持ち上げたなど、通常でない力が、筋膜や椎間板に加わって、組織の炎症が瞬間的、急激に起こるものです。

しかし、重いものを持ち上げるなど無理な姿勢からの大きい負荷だけでなく、姿勢によっては簡単な事でも、ぎっくり腰は起きることがあるのでやっかいです。

たとえば、単に身をかがめただけ(あいさつでのお辞儀など)、後ろを振り向いただけ、ただ咳をしただけ、掃除機をかける時に少し体を折り曲げただけ、子どもを抱っこしただけ、正座などの座った体勢から立ち上がろうとしただけ、などの普通の生活上の動作でも、ぎっくり腰は起きることがあるので困ります。

 

ぎっくり腰を侮るなかれ

痛み方についても一定ではなく、典型的な急激に発症する際の激痛型のぎっくり腰だけではなく、最初は、痛みが軽度だったのに、数時間から数日かけて、身動きがとれなくなるくらい徐々に痛くなる場合や、重い物を持つ等の、きっかけが全くない状況なのに段々と身動きがとれないほどの激痛になるという非典型的な、ぎっくり腰もあります。

多くの場合、ぎっくり腰は2週間程度で自然経過で治ることが多いのですが、実のところ、ぎっくり腰だと思い込んでいたら、実は全く違う病気で、病院での治療が必要な重い病気だった・・・ということがるのことを覚えておいてください。自己診断は避け、医師による正確な診断が必要です。

仮に自己診断の通り、ぎっくり腰だったとしても、適切な治療をせず、自分勝手な自己流の方法で治そうとしたために、かえって痛みが慢性化してしまうこともあります。やはり、医師による適切な治療が必要ですね。

もっと怖いは、ぎっくり腰だと思い込んでいたところ、調べてみると内科の病気だったということがあります。多発性骨髄腫という血液の悪性腫瘍で、腰椎が圧迫骨折を起こしていたための腰痛だった人がいます。

または、泌尿器科の病気が、腰痛を引き起こしている可能性もあります。中には前立腺癌の腰椎転移で腰痛を起こしていた人もいます。やはり、自己診断や症状を過信せず「何かおかしい?!」と思ったら、迷わず専門家を受診することが大事です。

 

ぎっくり腰、と日常生活

日常生活について、ぎっくり腰は、安静にし過ぎていてもかえって治りが遅くなることがあります。「この姿勢なら楽だ」という無理のない楽な姿勢を意識した日常生活を送ることが大切です。楽な姿勢なら、組織の炎症を悪化させることもなく、組織の修復を助けてくれるからです。面倒だからと、つい変な姿勢で何かを行ってしまうなどのことが無いようにしましょう。

かがむ、腰を折る、腰を曲げるなどの姿勢は要注意。膝を折ることを意識してください。

 

ぎっくり腰のお薬

「痛み止めの薬を飲まないと耐えられない」という場合は、鎮痛剤や湿布に頼ってもいいですが痛み止めの薬を飲み過ぎると、胃炎や胃潰瘍などの胃腸障害を起こすので、過量服用や空腹時は避け、多くの水と共に飲むことが大事です。

特に、「胃潰瘍を過去に起こしたことがある」という人の場合は、鎮痛剤を飲む場合にはガスターなどの制酸剤を一緒に飲む必要があるかもしれません。また、鎮痛消炎剤としてモーラステープなどの貼り薬でも、副作用として、光線過敏症や皮膚のかぶれなどが起きることがあるので、「単なる貼り薬だから大丈夫」と侮ってはいけません。

 

仕事でぎっくり腰

ぎっくり腰が会社の仕事で起きた場合ですが、労災が認められないことが多いようです。厚生労働省のリーフレットには、次のように書いてあります。

ぎっくり腰が仕事中に起きて、2週間程度、休まなくてはならない場合でも、労災にならないとは、厳しいですね。労災がダメでも傷病手当金をもらうことは可能なので、ぎっくり腰が起きた日に病院を受診しておけば、発症日の証明になります。

このような意味でも、ぎっくり腰が起きた日に、病院を受診しておくのは、いいかもしれませんね。

 

ぎっくり腰を早く治す食生活

いろいろな栄養素を挙げて、特定の食べ物を勧められることがありますが、絶対確実なものはありません。それよりも、「絶対確実に悪い!」というものがあります。

アルコールです。アルコールでビタミンBやミネラル、微量元素などが欠乏し、組織修復を妨げるばかりか、炎症を悪化させて、治りが遅くなります。また、日頃からアルコールを多飲している人は、ぎっくり腰になりやすく、予防の上でも良くありません。「酒は百薬の長」などというのは、真っ赤な嘘です。

 

以上、ぎっくり腰について話をしましたが、実のところぎっくり腰の正確な発症機序や病因は、解明されていないことも多く、多くの人がぎっくり腰になって激痛で動けない期間が生じ、苦しむことになるので、今後の研究が待たれるところです。

くれぐれも自己判断は避けましょう。

 

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監修:医師 加藤 秀一

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