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【なぜ治らない?】糖尿病が完治しない理由やなってしまったらどうするべきか医師が解説
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「糖尿病は治らない?」「糖尿病になったら一生付き合っていかなばならないの?」と、疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。
結論からいえば、糖尿病は「完治しない病気」です。原因によって「1型」「2型」に分かれますが、いずれも発症すると一生付き合っていく必要があります。
ただ、程度や治療内容によっては「健康な人と変わらない状態を保つことは可能です。
この記事では、糖尿病が治らないといわれる理由や治療法、予防法をご紹介します。
本記事を参考に、糖尿病に関する正しい知識や認識を身につけましょう。
糖尿病かな?と思う症状がある方は、糖尿病の初期症状についてまとめたこちらの記事もご覧ください。
目次
糖糖尿病が完治しないといわれる理由
糖尿病は発症の原因によって「1型糖尿病」と「2型糖尿病」に大別されます。それぞれの発症原因と、なぜ治らないのかを解説します。
前提として、日本では糖尿病患者のほとんどが生活習慣病の一つである「2型糖尿病」患者です。そのため、「2型糖尿病」から治らない理由をご紹介します。。(文献2)
【2型糖尿病】血糖値が上がりやすい体質や年齢は変えられないため
2型糖尿病は、体質などの「遺伝的要素」と食習慣などの「生活習慣」が組み合わさり発症します。治療や生活習慣改善によって血糖値は元に戻せても、体質や加齢といったリスクになる部分は変えられないため、完治が難しいといわれています。(文献1)
通常、食事を摂ると、すい臓からインスリンが分泌され、血糖値を下げます。
2型糖尿病は、過食や運動不足によってインスリンの分泌量が低下したりインスリンが効きにくくなり、高血糖状態が続くことで発症します。
初期の段階で乱れた生活習慣を改善できれば、血糖値を健康な人と同じ状態に戻すことは十分可能です。しかし、糖尿病が進行してしまうと健康な状態に戻すことは困難になります。そのため、初期段階で治療に取り組むことが大切です。
【1型糖尿病】現代医学では破壊された膵臓の細胞を再生できないため
1型糖尿病は、なんらかの原因で「すい臓」にあるβ細胞が破壊されて発症する病気です。
インスリンはβ細胞から分泌されるため、1型糖尿病はほとんどインスリンを分泌できなくなります。β細胞が破壊される原因は正確にはわかっていませんが、原因の1つに免疫異常(自己免疫)があると考えられています。
1型糖尿病は現代医学では「治らない」といわれている病気です。発症すると一生付き合っていかなければなりません。
最近では「再生医療」や「膵島移植(ランゲルハンス島)」などの研究も行われています。将来的には「1型糖尿病は治る病気」となる可能性もゼロではありません。
ちなみに、当院「リペアセルクリニック」でも、糖尿病への効果が期待できる再生治療を行っています。「メール相談」や「オンラインカウンセリング」も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
糖尿病になってしまったらどうする?重症化を防ぐポイント
2型糖尿病は、遺伝的要素と生活習慣が組み合わさり発症します。
そのため、食事療法と運動療法で生活習慣の改善に努めることが糖尿病の予防法といえるでしょう。すでに糖尿病を発症している場合でも、生活習慣の改善が病気の進行を食い止めることにもつながります。
糖尿病の予防や治療の基本は「食事療法」と「運動療法」ですが、必要に応じて薬物療法を行う場合もあります。(文献3)
薬物療法
糖尿病の薬物療法では、飲み薬や注射薬にて治療を行います。それぞれどのような効き目のものがあるかは表のとおりです。
飲み薬の種類 |
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注射薬の種類 |
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どの薬物治療を行うかは、その方の糖尿病の状態や体格によって異なります。
1型糖尿病か、2型糖尿病かといった部分や、インスリンの出にくさや薬の効きやすさなどで判断をします。
食事療法
糖尿病の食事療法では以下のポイントを押さえて行うことが大切です。
- 摂取カロリーを抑える
- 栄養バランスの良い食事を取る
- 一日3食をしっかり食べる
適切な摂取カロリーがわかっても、どのような食品を、どれだけ食べれば良いのかわからない場合は、「糖尿病食事療法のための食品交換表」を利用するのも良いでしょう。
糖尿病治療の考え方や食事療法の基本的な考え方がわかりやすく解説されています。
また昨今、ネット上にはカロリー計算できるアプリを紹介しているサイトもありますので、使いやすいものを選んでみてください。
運動療法
運動療法のポイントは以下の3つです。
- 軽い有酸素運動から始める
- 継続して運動を続けることが重要
- 週3日は運動の時間を確保
運動は糖の消費を促します。また、筋肉の量を増やし糖の取り込みを促進することでインスリンの効果を高め、血糖コントロールを助けます。
ただし、運動を積極的に行うと食欲が増すため、かえって糖尿病を招いたり、症状が悪化することもありえるので注意が必要です。
糖尿病の予防や治療は「食事療法」と合わせて「運動療法」をセットで行うことが大切です。運動療法を行う際は以下の点に注意して行いましょう。
NEAT(非運動性熱産生)
NEATとは、「運動以外の日常生活活動で消費されるエネルギー」を意味し、掃除や洗濯、通勤や階段の昇り降りなどで消費するエネルギーのことを指します。
すでに糖尿病の症状がある方や持病がある方など、運動に制限がある人もいます。運動療法を取り入れる際は医師に相談してから行うようにしましょう。また、日頃、まとまった時間が取れずに運動ができないという人もいるでしょう。
このような場合、NEAT(非運動性熱産生)を高めることを心がけると良いでしょう。
まとめ|糖尿病は完治の難しい病気。適切な管理により悪化を防ぐことが最も重要
ここでは、糖尿病が治らないといわれる理由について解説しました。
糖尿病は治らない病気ですが、適切な治療により血糖値をコントロールすることで、健康な状態を保つことが可能です。
普段の生活から糖尿病の予防(食事・運動)を心がけ、健康な生活を送りましょう。
当院「リペアセルクリニック」では、糖尿病の治療や再生医療についての「メール相談」や「オンラインカウンセリング」も可能です。お気軽にご相談ください。
\まずは当院にお問い合わせください/
また、糖尿病の運動療法について、より効果的な方法を知りたい方は以下の記事もご覧ください。
参考文献 (文献1) 厚生労働省|糖尿病 (文献2) 糖尿病情報センター|糖尿病とは (文献3) 糖尿病情報センター|糖尿病の治療ってどんなものがあるの? |
監修者
![渡久地 政尚](https://fuelcells.org/img/topics/sv02.jpg)
渡久地 政尚 医師 (医療法人美喜有会)
Masanao Toguchi
日本再生医療学会 所属
日本内科学会 所属
再生医療の可能性を追求しながら、体への負担が少なく効果的な治療を提供し、患者様が早期に活動的な生活に戻れるよう、丁寧な診療を心がけてまいります。
- 関連論文:大腸SM癌の外科治療の検討、リンパ節郭清範囲について