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脂肪肝とは、その原因と症状、治療法について

脂肪肝とは、その原因と症状、治療法について

肝臓に中性脂肪が貯留した状態を「脂肪肝」と言い、この疾患はメタボリック症候群に合併しやすいことが指摘されており、放置すると肝炎などを引き起こして重症化することが知られています。

一般的に、脂肪肝という病気には飲酒をしすぎる場合に発症するアルコール性、あるいはアルコールを多量に摂取していないけれども引き起こされる非アルコール性脂肪性肝疾患(略称:NAFLD)に分類されます。

このNAFLDは、さらに細かく分けると病状があまり進行しない種類の非アルコール性脂肪肝(略称:NAFL)と、その逆に肝炎へ進展しやすいことが問題視されている非アルコール性脂肪性肝炎(略称:NASH)に分類されます。

脂肪肝
  • ・アルコール性
  • 飲酒が原因
  • ・非アルコール性脂肪性肝疾患
  • 略称:NAFLD
  • 飲酒を原因としない
  • ・非アルコール性脂肪肝/略称:NAFL
  •  症状が進行しずらい
  • ・非アルコール性脂肪性肝炎/略称:NASH
  •  肝炎に進行しやすい

脂肪肝は基本的には無症状のままで経過することが多く、健康診断などで初めて指摘される方も少なくありませんが、本疾患を放置しすると約1~2割の頻度で「肝炎、肝硬変、肝細胞がん」へと病状が悪化するケースも散見されるため注意が必要です。

この病気は生活習慣と関連して発症することが多いことが判明しており、肝硬変などに進行していない状態であれば普段の生活習慣を見直して改善することで肝臓の機能が回復することも十分に期待できます。

今回は、脂肪肝とはいったいどのような病気なのか、その原因、症状、検査、治療などに関する情報を中心に詳しく解説していきます。

 

脂肪肝

脂肪肝の原因

脂肪肝を引き起こす主要な原因としては過食と多量の飲酒習慣です。

それ以外にも、糖尿病、基礎疾患に対するステロイド剤の長期服用、栄養障害による代謝異常なども本疾患を発症させる原因になることが判明しています。

導入でも触れましたが、特にアルコールではなく過度の食事摂取などが原因で脂肪肝から肝炎や肝硬変に進展するタイプを「NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)」と呼称しており、近年では年々罹患率が増加していることから特に注目を浴びています。

アルコール性の脂肪肝に関しては当然のことながら過剰な飲酒習慣が継続されることによって発症すると伝えられている一方で、非アルコール性の脂肪肝ではその背景に肥満やメタボリックシンドロームなどが潜在して引き起こされることが通常です。

その他にも、やせ過ぎ、遺伝的な代謝疾患、妊娠を契機として、等を始めとして様々な原因や経過によって脂肪肝が引き起こされることも報告されています。

  • 脂肪肝の原因の一例
  • ・過食
  • ・過度の飲酒
  • ・糖尿病
  • ・ステロイド剤の長期服用
  • ・栄養障害(代謝異常)
  • ・肥満、メタボリックシンドローム
  • ・痩せすぎ、遺伝的代謝疾患、妊娠
  • ・その他、さまざまな要因

脂肪肝の症状

脂肪肝の初期にはほとんど自覚症状はなく、顕著な症状が現れにくい状態でもあります。脂肪肝が悪化して、やがて肝炎を起こして肝硬変に進行して初めて食欲不振や倦怠感、右上腹部痛などの有意な症状が出現するようになる傾向があります。

これらの病気が進行すると、手足の浮腫所見や体が黄色く染まる黄疸、あるいは腹水貯留などの症状が出現しますし、仮に肝臓への血流が停滞して門脈圧が増えすぎる食道静脈瘤を形成して命に係わる場合も考えられます。

このように、脂肪肝は進行すると重篤で致命的な症状が現れる可能性がある疾患ですので、無症状でも指摘された際には放置することなく医療機関を受診するように心がけましょう。

近年の肥満人口の増加に伴って、過剰な栄養摂取による脂肪蓄積を原因とする非アルコール性脂肪性肝疾患 (non‐alcoholic fatty liver disease:略称NAFLD) が世界的にみて患者数が増えていると言われています。

NAFLDの中でも単純な脂肪肝の場合には一般的に予後良好とされています。

ところが、肝臓レベルでの炎症や線維化を主徴とする過度のアルコール摂取歴が関与しない脂肪性肝炎 (non‐alcoholic steato‐hepatitis: 略称NASH)については肝硬変や肝細胞癌に進展する重症なタイプであると考えられています1)。

脂肪肝の検査

仮に健康診断などで脂肪肝を指摘されて医療機関を受診して実施された血液検査で肝数値などの異常所見が認められた場合には、肝臓の状態をより詳細に精査するために腹部超音波検査やCT検査、MRI検査などを始めとした画像をもって評価が実行されるでしょう。

それ以外にも、肝細胞を採取する肝生検という処置が行われて、それによって得られた細胞の特性を顕微鏡で詳しく調査することによって病気の進展度や悪性所見の有無などが確実にアセスメントすることができます。

基本的には、摂取したエネルギーが消費するエネルギーを上回ると余分なエネルギーが自然に発生して中性脂肪につくり替えられて肝臓にも貯蔵されることが知られていることから、肝細胞の30%以上で中性脂肪が沈着していると原則脂肪肝と診断されます。

脂肪肝の治療

脂肪肝はその原因や発症機序によって治療方針が異なりますし、生活で注意すべき視点も柔軟に変化させる必要があります。アルコールが原因で脂肪肝に罹患した場合には、日々の生活においてアルコール摂取量を減らすことが肝要です。

また、非アルコール性脂肪性肝疾患のように肥満やメタボリックシンドロームなどが背景として存在している際は、運動して減量する、食事量を調整するなどの対策が必要となります。

脂肪肝の治療では、一度生活習慣を是正出来たとしても元通りの生活リズムに戻ってしまうと脂肪肝が再発してしまうこともあり、日常的に運動療法や食事治療などを楽しむ心意気を持ちながら、決して無理しない範囲で継続することがキーポイントとなります。

脂肪肝を指摘された際には、放置せずに早めに医療機関を受診して確実な治療に結び付けることが重要な視点となります。

まとめ・脂肪肝とは、その原因と症状、治療法について

今回は脂肪肝とはいったいどのような病気なのか、また本疾患の原因、症状、検査、治療などについて詳しく解説してきました。

脂肪肝とは、一言で言うと肝臓内に中性脂肪を始めとした脂質成分などが異常蓄積する状態を指しており、通常では日々の生活習慣において栄養バランスの偏った食生活や慢性的な運動不足などが原因で引き起こされます。

健康診断や人間ドックで肝機能の数値の異常が発見されることが多く、初期の段階ではほとんど自覚症状が無いのが特徴的ですが、病状が進行すると倦怠感、腹部膨満感、食欲不振などの有意症状が出現する場合もあります。

この病気に対する基本的な治療策としては、主に生活習慣の改善、食事療法や運動療法になりますので、定期的に主治医やかかりつけ医と相談しながら肝機能の数値を検査して自分の状態を適切に把握していくことが重要な観点です。

今回の記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。

 

肝臓の再生医療についてはこちらもご覧ください 肝臓(肝炎・肝硬変)の再生医療・幹細胞治療

No.S060

監修:医師 加藤 秀一

 

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