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TFCC損傷とは?尺骨茎状突起が出てる人の症状や治療法などを医師が解説

公開日: 2022.03.17
更新日: 2024.11.06

TFCCとは「三角線維軟骨複合体(Triangular Fibrocartilage Complex)」の略です。

手首の小指側にある関節の病気で、転倒時に手をついたり、ひねったりして引き起こされる障害です。

そもそも「三角線維軟骨複合体」とは、手首の小指側にあるぐりぐりした関節部に存在している軟部組織を指しています。

中には転倒した影響により手首をひねって痛いと感じている人もいるでしょう。

今回はTFCC損傷とはどのような病気なのか、その原因、症状、治療方法などに関する情報を中心に詳しく解説していきます。

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そもそもTFCC損傷とは?

TFCC損傷

TFCC損傷とは、橈骨と尺骨の遠位端同士および尺側手根靭帯とを接合している靭帯が損傷している症状を指します。

橈骨と尺骨、それぞれの違いは以下の通りです。

橈骨(とうこつ)

ひじから手首まで2本ある前腕骨のうち、前腕の親指側の骨を指す

尺骨(しゃっこつ)

ひじから手首まで2本ある前腕骨のうち、小指側にあり、橈骨と平行している骨を指す

解剖学的に前腕部の橈骨と尺骨間には複数の靭帯があり、これらの骨を支持しています。

前腕の手首側の遠位部に位置するTFCCが損傷してダメージを受けると、手関節全体において機能障害を引き起こす点が懸念されています。

中には転倒して手首をひねると痛いと感じる人もいるでしょう。

以下の記事ではTFCC損傷が起きる場所や痛みの症例を解説しているので、あわせてご覧ください。

 

尺骨茎状突起が出てる人によくある発症の原因

TFCC損傷の1つである「尺骨茎状突起」が出てる人によくある発症の原因は、主に交通事故や自転車走行中の転倒です。

手関節部に対する強い衝撃や手首における過剰な負荷の繰り返し動作によって引き起こされるケースも、よくある発症の原因です。

交通事故で発症する以外にも、以下のような日常生活でも起こる可能性があります。

スポーツ

テニス、バドミントン、ゴルフ、野球など(道具を用いて強振)

職業

重い荷物の持ち運び、料理(重いフライパン)

加齢

手関節の変性

その他

解剖学的な異常

他にも、外傷を認めず尺骨が橈骨に対して長くなる解剖学的な異常(尺骨突き上げ症候群)によっても引き起こされるケースもあります。

TFCC損傷の症状は主に以下のような症例が挙げられます。

・手関節尺側(小指側)の動作時痛

・前腕をひねる動作(回内外)の可動域制限手関節部のなかでも「尺骨茎状突起」と呼ばれる部位に局所的に疼痛を認めるケースがあり、TFCC損傷における症状の特徴の1つです。

患部の靭帯が損傷し、関節面の不安定性に伴って軟骨同士の適合性が悪化します。

「disc」と呼ばれる円盤状の軟骨組織が断裂した結果、痛みを伴うのです。

・タオルを絞る

・運転時に車のカギを回す

・ドアノブを回す など

手首を捻るような動作をした際に手関節部のとくに尺骨側(小指側)において疼痛症状が顕著になって出現します。

物を持つ際に手関節部に強い痛みを感じて力が入らないケースもあるので、掌を上側に向けると少し軽減すると知られています。

転倒した影響により手首をひねると痛い人や手首に痺れを感じている人は、以下の記事で治療法を詳しくまとめました。

仕事復帰までの期間も含め、気になる人はぜひご覧ください。

 

 

なお、尺骨茎状突起が出てる人は他にも多くの骨折症状があります。

レントゲン撮影が一般的な検査方法なので、違和感がある人は医療機関でも受診をおすすめします。

TFCC損傷の診断方法と治療方法

尺骨茎状突起が出てる人を含め、転倒して手首をひねると痛いと感じる人に向けて、TFCC損傷の診断方法と治療方法を解説します。

転倒して手首をひねった人や日常生活を送る上で違和感がある人は、ぜひ参考にしてください。

TFCC損傷の診断方法

尺骨茎状突起が出てる人を含めTFCC損傷が起きている場合、レントゲン撮影による検査が大半です。

・肘頭骨折

・尺骨骨幹部骨折 など

上記のような骨折が発症していて尺骨茎状突起が出てる人であれば、診断自体は容易です。

しかし、尺骨茎状突起が出てる人の症状は、該当部位が小さい可能性もあるので、レントゲン撮影のみでは見逃されてしまう恐れがあります。

TFCC損傷の診断方法はレントゲン撮影が大半ですが、MRI検査もおすすめの選択肢です。

当院ではメール相談だけでなく、オンラインカウンセリングも実施しているので「どの検査にすべきか話し合いたい」人はぜひ、気軽にご連絡ください。

治療方法①初期段階の場合

TFCC損傷を患った場合の初期的な治療としては、以下の方法が用いられます。

・運動を中止する

・サポーターやギブスによって患部を固定し局所の安静を図る

・消炎鎮痛剤などの服薬治療をする など

装具を用いた治療方法に関しては軟骨の変性を悪化させないため、あるいは橈骨尺骨間の可動性を正常に復帰させるためにもおすすめです。

治療方法②疼痛症状がひどい場合

疼痛症状がひどいケースでは、局所麻酔剤を含有して炎症を抑制する効果を狙ってステロイド注射を実施します。

数カ月単位で症状が改善するのを期待する治療方法です。

数カ月間に渡って治療策が奏効しない際には、手術加療が検討されます。

最近では、TFCC損傷している部位が深い場所にあって組織自体も小さいために切開手術よりも術野がよく確保できるようになっています。

関節鏡や内視鏡を用いて病変部位の縫合処置や部分切除術なども頻繁に実施されるようになってきているのです。

まとめ・TFCC損傷の症状が出たらすぐに診断を!

今回はTFCC損傷とはどのような病気なのか、その原因、症状、治療方法などを詳しく解説しました。

TFCC損傷とは、遠位橈尺関節を安定化させている支持組織である三角線維軟骨複合体が転倒して発症するケースが大半です。

手をついたり、ひねったりするなどの外傷やスポーツや作業で繰り返される過度の負担などでストレスがかかり、手関節部に疼痛症状が出現する疾患です。

尺側手関節痛の原因疾患は多岐に渡ります。

万が一普段の日常生活で手首の小指側が痛みを覚え、安静にしてもなかなか症状が改善しない人は最寄りの手外科専門医の診察を受けましょう。

 

▼ TFCC損傷等のスポーツ外傷(筋・腱・靭帯損傷)に対する再生医療

当院の再生医療は、スポーツ選手のパフォーマンス(QOL)を維持する治療を推進しています

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