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突然の肘の痛みはテニス肘?発症する原因や痛みを誘発する動作を解説
「物をつかんだら突然肘に圧迫するような痛みが走った」
「テニス肘であるかどうかを判断する方法はある?」
テニス肘は「ものをつかむ」などの何気ない動作で発症することがあります。発症するまでに特定の動作を繰り返し、肘に微細な損傷が蓄積されたことが原因です。
本記事では、テニス肘を突然引き起こす原因をはじめとして以下を解説します。
- 突然の痛みを誘発する動作
- テニス肘であるかを判断するポイント
- 応急処置の方法
- 予防のためのストレッチ
- テニス肘と間違えやすい病気
テニス肘は適切な治療をしないと痛みが長引き、日常生活に支障をきたす場合もあります。本記事をテニス肘であるかどうかの判断材料にしてください。
なお、テニス肘の治療法には、再生医療という選択肢があります。当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。
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目次
テニス肘は突然発症する?主な症状と特徴
テニス肘は特別無理な動作をしたわけでもないのに、突然発症することがあります。例えば「物をつかもうとしたら突然肘の外側に激痛が走った」というようなケースです。
テニス肘を発症すると、肘関節の外側に圧迫するような痛みや前腕に痛みが現れます。軽症である場合は、安静にしていると痛みはありません。一方、重症になると安静にしていても、痛みが現れることがあります。
テニス肘は安静や痛み止めにより自然治癒することもあります。しかし、痛みが強い場合や症状が治まらない場合は、重症の恐れがあるため医療機関を受診してください。
テニス肘を突然発症する原因とは?
テニス肘の原因は、仕事や家事、スポーツなどにおける特定の動作の繰り返しです。
以下のような一見すると大きな負担が無さそうな動作も、繰り返し行うことでリスクが高まります。
- ネジやボルトを締める
- ハサミを使う
- キーボードを打つ
- マウスを操作する
- 塗装をする
- ドアノブをひねる
これらの動作を繰り返すことで、目に見えないほどの微細な損傷が腱に起きて、肘が過敏な状態になってしまいます。この状態に特定動作による負担が加わることがきっかけで、テニス肘を発症します。
テニス肘による突然の痛みを誘発する動作
以下のような動作は、突然の肘の痛みを誘発する恐れがあります。
- テニスのプレー中にバックハンドで打ち返す
- 肘を伸ばして物を持ち上げる
- 重い物を持ち上げる
- タオルを絞る
これらの動作は発症後の痛みを誘発するだけではありません。肘の腱に損傷を与える恐れがあるためテニス肘を発症する原因にもなります。
突然の肘の痛みがテニス肘であるかを判断するポイント
以下はテニス肘であるかどうかを判断する方法です。
| テニス肘の判断方法 | 確認手順 |
|---|---|
| 肘の外側の痛みの確認 | 1.患部側(痛みのある肘)の肘を軽く曲げる 2.肘の外側の骨の出っ張り部分を押し痛みの有無を確認する |
| Thomsen(トムセン)テスト |
1.患部側の腕を前に出し、手の甲を上にして肘と手首を伸ばした状態にする |
(文献1)
これらの方法を行った際に痛みを感じる場合は、テニス肘の可能性があります。
上記のテストは急激な動きや力を加えると、症状を悪化させる恐れがあります。ゆっくりとした動きまたは軽い力を加えるようにしてください。
突然発症したテニス肘の応急処置の方法
テニス肘を疑う突然の肘の痛みが現れたら、以下のような応急処置を行ってください。
| 応急処置の方法 | 詳細 |
|---|---|
| 1.安静に過ごす | ・安静にして痛みが発生する動作は避ける ・スポーツはもちろんパソコン作業や重い物の運搬など、肘に負担がかかることは避ける ・ひねる動作にはとくに注意する |
| 2.受傷部位を冷やす |
1.氷水を入れたビニール袋やタオルで巻いた保冷剤を用意する |
(文献2)
痛みが強い場合や痛みが長引く場合は医療機関を受診してください。
テニス肘を突然発症させないためのストレッチ
以下のようなストレッチは、肘の柔軟性を高めてテニス肘の予防につながります。
| 予防のためのストレッチ | 手順 |
|---|---|
| 腕の外側のストレッチ | 1.手の甲を上にした状態で腕を前に出して肘を伸ばす 2.もう片方の手で伸ばした腕の指先を持ち、手前(上方向)に引っ張る 3.そのまま腕を少しずつ下ろす |
| 腕の内側のストレッチ |
1.手の平を上にした状態で腕を前に出して肘を伸ばす |
それぞれ左右交互に行ってください。強度は伸ばして心地良い程度で十分です。仕事や家事を行うなかで、1〜2時間に1回のペースでストレッチを行うと良いでしょう。(文献3)
テニス肘と間違えやすい他の病気
以下のような病気は、肘に痛みが現れるためテニス肘と間違えやすいです。
| テニス肘と間違えやすい病気 | 特徴 |
|---|---|
| ゴルフ肘(内側上顆炎) | 肘の内側から前腕にかけて痛みが現れる |
| 橈骨神経管症候群 | 肘の外側に電撃痛(電気が走るような痛み)が現れる |
| 変形性肘関節症 | 肘の痛みや肘の曲げ伸ばしの制限が現れる |
それぞれの詳細を解説します。
ゴルフ肘(内側上顆炎)
ゴルフ肘はテニス肘とは違い、発症すると肘の内側から前腕にかけて痛みが現れます。ゴルフに必ずしも関係するわけではありません。腕を内側にひねったり、手首を曲げたりを繰り返すことで、腱に負担がかかり発症します。
テニス肘と同様に以下のような動作は、痛みの誘発または発症の原因になります。
- 肘を伸ばして物を持ち上げる
- タオルを絞る
肘の内側にある神経に損傷が及ぶと、薬指や小指にしびれが現れることもあります。
橈骨神経管症候群
橈骨神経管症候群(とうこつしんけいかんしょうこうぐん)とは、外傷や良性の脂肪腫、骨の腫瘍などにより肘の神経が圧迫されることで発症する病気です。発症すると、肘の外側に電撃痛(電気が走るような痛み)が現れます。
症状の特徴は以下の通りです。
- 前腕の上部、手の甲、肘の外側に痛みが現れる
- 刺すような、突くような痛みが現れる
- 手首や指をまっすぐに伸ばすと痛みが現れる
橈骨神経管症候群は、装具による保存療法やときには手術により神経への圧迫を除去する適切な治療が必要です。疑われる症状が現れている場合は、医療機関を受診してください。
変形性肘関節症
変形性肘関節症とは、肘の関節が変形してしまう病気です。老化や肘の使い過ぎなどが発症の原因です。
具体的な原因としては、以下が挙げられます。
- 野球の投球動作
- テニスラケットを振る動作
- 重い物を運搬する作業
肘の痛みや肘の曲げ伸ばしの制限などの症状が現れます。装具を用いた保存療法やリハビリテーションによる治療が必要です。日常生活に支障をきたす場合は手術を検討します。疑われる症状が現れている場合は、医療機関を受診してください。
まとめ|テニス肘を疑う突然の肘の痛みが現れたらまずは応急処置を
テニス肘は、とくに無理をしたわけでもないのに突然発症することがあります。スポーツだけでなく、何気ない日常生活の動作の繰り返しで、腱に損傷が蓄積されることが原因です。
テニス肘の主な症状は、肘の外側に現れる圧迫されるような痛みです。テニス肘を疑う症状が現れたら、タオルで巻いた保冷剤等で1回15分冷やす作業を1日2回行い安静に過ごしてください。
「安静にしていても痛みが現れる」「痛みが強い」「症状が治まらない」ときは医療機関を受診しましょう。治療法として再生医療という選択肢もあります。再生医療が気になっている方は、当院「リペアセルクリニック」にお気軽にご相談ください。
(文献1)
テニス肘、ゴルフ肘|慶應義塾大学病院
(文献2)
肘関節の痛み(テニス肘を中心に)|山口県テニス協会
(文献3)
今回は肘の痛みに注目!!|日本大学










