歩くと足の外側・側面が痛い!考えられる疾患ジョーンズ骨折とは?【医師解説】
公開日: 2023.02.03更新日: 2024.11.06
「立ち仕事で、足の外側が痛い」「激しいスポーツをしていないのに、足の小指側の側面が痛い」と悩まされていませんか。
その痛み、ジョーンズ骨折という症状かもしれません。
ジョーンズ骨折は、足の骨折の一つで、スポーツをしている方によくみられる症状ですが、立ち仕事をしている人やヒールを履くことの多い若い人にもよくみられます。足は日常的に使うため、今の痛みは早めに解消したいと考える方は多いでしょう。
そこで本記事では、ジョーンズ骨折の症状や原因、すぐにでも取り入れられる4つの予防法を医師が解説します。
骨が完全に折れていると自然治癒が難しくなるので、少しでも痛みがある方は、この記事を最後までご覧ください。
目次
歩くと足の外側・側面が痛いときに考えられるジョーンズ骨折とは?
ジョーンズ骨折とは、第5中足骨近位部で発症する疲労骨折です。
発症する原因はさまざまあると言われており、欧米人に比べて日本人に起こりやすいとされています。ジョーンズ骨折について、症状の特徴や原因をできるだけ簡単に説明してまいります。
なお、ジョーンズ骨折は「歩くと足の外側・側面が痛い」と感じますが、足底部の痛みがある場合は、足底腱膜炎(そくていけんまくえん)の可能性も考えられるので、以下の記事も併せてご覧ください。
ジョーンズ骨折の特徴
ジョーンズ骨折の特徴は、一般的によく見る骨折とは違って症状が出にくいことです。
一般的な骨折は、急に外力が骨にかかることで生じます。その場合、患部がすごく腫れて強い痛みを生じるため、その見た目と症状から診断することは比較的容易なことが多いです。
一方でジョーンズ骨折は、慢性的な負荷により骨が折れるため腫れはあっても軽度なことが多く、見た目ではあまり変化がありません。また、痛みはあっても強くないか、痛みを訴えない方もいらっしゃいます。
そのため、完全に骨が折れてしまうまで、骨折していることに気づかない場合も珍しくありません。
ジョーンズ骨折の原因
ジョーンズ骨折の原因は、慢性的に骨に負荷がかかることです。たとえば、ランニングやジャンプ動作は、足の骨に体重以上の負荷をかけます。
たまに行う程度なら問題ありませんが、日常的に繰り返すことで、足の骨に継続的な負荷がかかり続け、その影響で、軽く踏ん張ったり、少し捻ったりしてしまうだけでも、骨折します。
そのため、陸上競技やサッカー・バスケットボール・ラグビーなどのスポーツをおこなっている選手によく発症するのです。
しかし、ジョーンズ骨折は日常的にスポーツをしない方でも発症します。スポーツをしていない方がジョーンズ骨折を発症してしまう原因は、以下のとおりです。
- ・中足骨(足の甲)に負荷がかかりやすい姿勢をよくとる
- ヒールをよく履く、しゃがみ込んだ姿勢での作業
- ・立ちっぱなしの仕事をしている
- ・足を酷使することが多い生活をしている
これらの条件に当てはまっている場合は、足の骨に負荷がかかるため、スポーツをしていなくても骨折を起こしてしまいます。
立ち仕事をしていて、ある日を境に段々と歩行時の足の痛みが生じてきている場合は発症している可能性があります。
自分だと原因がわからなくて不安な方も多いでしょう。場合によっては自然治癒が見込めない可能性もあるので、心配な方は早めにご相談されることをおすすめします。
当院でも相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
歩くと足の外側・側面に痛みがでるジョーンズ骨折の予防法
ジョーンズ骨折を予防する方法は、以下の4つです。
- ・シューズの調整をする
- ・インソールを活用する
- ・足のストレッチ・マッサージをする
- ・体重のかけ方・足の使い方の訓練をする
私生活や仕事、スポーツなどの際に取り入れやすい方法ですので、参考に読み進めてみてください。
シューズの調整をする
足に合わないシューズを履いていると、きちんと体重が分散できず、ある一定の部位への負荷が増大します。
また、ランニングやサッカー、トレーニング、競技によって足の使い方は異なり、体重のかかり方もそれぞれで変化します。
そのため、ランニングをするならランニングシューズのように競技に沿ったシューズを使用しましょう。
インソールを活用する
人によってはもともとの足の形による影響で、どうしても足に負担がかかりやすくなっている場合があります。
足のアーチが低い扁平足であったり、逆に通常よりアーチが大きかったりする場合は、インソールが効果的です。
普段使用している靴にインソールを入れることで体重が分散されやすくなり、かかる負荷が減少します。自分のアーチにあったインソールがない場合は、テーピングが有効です。
足のストレッチ・マッサージをする
定期的にストレッチを行うことで、筋肉・腱の柔軟性が増します。
柔軟性が高まると関節や骨にかかる負担の軽減が期待でき、ジョーンズ骨折だけでなく、その他の怪我の予防にも効果があります。
また、ストレッチやマッサージを行うことで血流が改善し、疲労が軽減されるため仕事や競技のパフォーマンスも向上するでしょう。
体重のかけ方・足の使い方の訓練をする
立ち方や走り方の癖で、小指側に体重がかかりやすい人はジョーンズ骨折を発症しやすいです。
予防するためには、癖を治すための訓練をする必要があります。日常生活から体重のかけ方や足の使い方を意識し、足にかかる負荷を軽減させましょう。
ジョーンズ骨折は自然に治る?
ジョーンズ骨折の患部である第5中足骨は、血流があまり多くないため、一度骨が折れてしまうと治るまでに時間がかかります。
また、骨折が綺麗に治らず、骨癒合していないところがまるで関節のように動いてしまう「偽関節」という状態になる可能性があるのです。
そのため、ジョーンズ骨折で完全に骨が折れている場合は自然治癒は見込めず手術での治療が推奨されます。
しかし、完全には折れていない不全骨折の状態で、かつ症状が日常生活に支障がないくらいの軽症の場合は、患部への負荷軽減や筋力強化、ストレッチを行うことで自然治癒ができる可能性があります。
手術で治療を行う場合、術後数週は足に体重をかけずに生活する必要があり、その後もリハビリの期間を設けなければなりません。そのため、早期にジョーンズ骨折を予防し、発症したとしても早期に発見することが重要です。
まとめ|歩くと足の外側・側面が痛いと感じたら医師に相談を!
本記事では、歩くと足の外側・側面が痛いときに考えられるジョーンズ骨折の症状や原因、予防法について詳しく解説しました。
スポーツ選手などに多く見られる骨折ですが、そうでない人でも発症する可能性があります。一度完全骨折に至ってしまうと、手術や術後のリハビリが必要です。
ジョーンズ骨折における予防法を取り入れながら、早期発見を心がけましょう。
なお、当クリニックではジョーンズ骨折をはじめとするさまざまな病気にお悩みの方を対象に、無料相談を実施しています。お気軽にご相談ください。
この記事がご参考になれば幸いです。