- 腰椎椎間板ヘルニア
- 脊椎
【効かない?】ブロック注射の効果とは?持続期間や副作用のリスクを医師が解説

「ブロック注射って効果ある?」「効果はどのくらい持続する?」
ブロック注射には神経の痛みの緩和、炎症の抑制、血流改善といった効果があります。
しかし、具体的な持続効果や副作用について気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ブロック注射の3つの効果と持続時間について医師が徹底解説いたします。
辛い痛みの改善に向けて、ブロック注射を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
また、当院「リペアセルクリニック」では、腰椎椎間板ヘルニアなどの症状を和らげるブロック注射を行っております。
辛い症状でお悩みの方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。
目次
ブロック注射の3つの効果
ブロック注射は、痛みを緩和する治療法です。
単に痛みを和らげるだけでなく、痛みの原因に働きかける効果があります。
具体的な効果は以下の3つです。
- 神経の痛みを直接和らげる
- 炎症を抑えて痛みを和らげる
- 血流改善で自然治癒力を高める
ここでは、ブロック注射の主な3つの効果について、詳しく解説していきます。
それぞれがどのように作用し、痛みを和らげるのか参考にしてください。
神経の痛みを直接和らげる
ブロック注射の効果のひとつは、神経の痛みを直接和らげることです。
注射により、痛みの信号を脳に伝える神経を遮断し、一時的に痛みを感じにくくします。
そのため、腰痛や神経痛がひどい方は効果が強く実感できることが多いでしょう。
ただし、効果の強さや感じ方には個人差がありますので、施術前に医師と十分に相談するのがおすすめです。
炎症を抑えて痛みを和らげる
ブロック注射は、炎症を抑えて痛みを軽減する効果も期待できます。
炎症によって周辺組織が刺激を受けて、痛みを感じている場合にとくに有効です。
また、腰や肩の慢性的な痛みだけでなく、一時的な炎症に対しても適応されることがあります。
ブロック注射によって炎症が抑えられることで、日常生活の負担も軽減されるでしょう。
血流改善で自然治癒力を高める
ブロック注射には血流を改善し、自然治癒力を高める効果が期待できます。
血流が悪い状態が続くと、組織が酸素不足になり痛みが長引く原因になります。
しかし、注射によって血流が良くなれば、組織の回復が促されて痛みも軽減されやすくなるでしょう。
このようなメカニズムから、ブロック注射はとくに冷えやすい部位の痛みに対して効果を実感しやすいといえます。
ブロック注射の効果はいつまで続く?
ブロック注射は、効果の持続時間に個人差があります。
注射の種類や症状によっても異なり、効果がすぐに現れることもあれば、数日後に感じる場合もあるでしょう。
本章では、即効性や効果の長さ、複数回の施術による違いについて詳しく解説します。
治療を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
即効性はあるが個人差がある
ブロック注射は即効性が期待できる治療法です。
注射後すぐに痛みが軽減されるケースが多く、おもに急性の痛みに有効とされています。
しかし、効果が現れるスピードや強さには個人差があります。
体質や症状によっては効果を感じにくい場合もあるため、即効性には個人差がある点を認識しておきましょう。
持続期間の目安は数時間から数週間
ブロック注射の効果が続く時間は個人差があるため、数時間の方もいれば数週間にわたり継続するケースもあります。
一般的に数時間から数週間です。
たとえば、一時的な痛みの軽減が目的の場合、効果は数日程度で薄れることがあります。
一方、炎症の抑制や神経の回復を促すことで、数週間効果が続くケースも少なくありません。
あくまで目安ですが、症状や体質によって効果の持続期間は変わる点を理解しておきましょう。
慢性痛は複数回の施術で効果が長続きする
慢性的な痛みには、ブロック注射を繰り返し行うことによって効果の持続が期待できます。
1回の注射だけでは効果が一時的なケースも多いため、定期的に施術を行うのが一般的です。
繰り返し行うことで痛みが軽減され、日常生活の質が向上するケースもあります。
慢性痛に悩んでいる方は、主治医と治療計画をしっかりと立ててブロック注射治療も取り入れていきましょう。(文献1)
ブロック注射の種類と効果の違い
ブロック注射と一言で言っても実はさまざまな種類があり、以下の表のとおり期待できる効果や特徴が異なります。(文献2)
ブロック注射の種類 | 詳細 |
---|---|
神経ブロック注射 | 痛みの原因となる神経を直接ブロックする注射 |
硬膜外ブロック注射 | 脊髄周辺に薬剤を注入し、広範囲の痛みを抑える |
星状神経節ブロック注射 | 自律神経を整え、血流改善や痛みの軽減を促す注射 |
トリガーポイント注射 | 筋肉のコリや緊張を緩和し、痛みを和らげる注射 |
代表的な4つのブロック注射の種類と、それぞれの効果の違いについて詳しく解説していきます。
また、腰部脊柱管狭窄の治療としてブロック注射を用いることもあります。腰部脊柱管狭窄症でお悩みの方は、以下の記事をチェックしてみてください。
神経ブロック注射
神経ブロック注射は、痛みの原因となっている神経の近くに直接麻酔薬を注射する方法です。
神経の興奮を抑え、痛みの信号が脳に伝わるのをブロックするため、痛みを素早く和らげる効果が期待できます。
たとえば、坐骨神経痛や帯状疱疹後神経痛など、特定の神経が原因の痛みに有効です。
また、痛みの原因を特定するための検査としても活用されています。
硬膜外ブロック注射
硬膜外ブロック注射は、脊髄を包む「硬膜外腔」という部分に薬剤を注入し痛みを抑える方法です。
主に腰痛や坐骨神経痛など、広範囲の痛みや慢性痛に効果的です。
また、硬膜外腔に薬が広がることで、神経の圧迫や炎症を和らげます。
硬膜外ブロック注射は比較的広い範囲に効果を発揮するため、日常生活の負担軽減が期待できるでしょう。
星状神経節ブロック注射
星状神経節ブロック注射は、首にある星状神経節に薬剤を注入し自律神経を整える方法です。
血流を改善し、痛みの軽減や冷え性の改善にも効果が期待されます。
とくに、顔や腕、肩周辺の痛みや自律神経の不調に用いられるケースが多いです。
星状神経節ブロック注射は、冷えやすい部位の痛みに悩む方には、効果を実感しやすいでしょう。
トリガーポイント注射
トリガーポイント注射は、筋肉のコリやしこり(トリガーポイント)に薬剤を注入する治療法です。
筋肉の緊張を緩和し、血流を改善することで痛みを和らげます。
肩こりや腰痛、筋肉疲労に伴う痛みに効果があるため、比較的軽度の痛みにも適応されます。
トリガーポイント注射は、痛みの原因が筋肉にある方には、非常に有効な選択肢といえるでしょう。
ブロック注射の副作用とリスク5選
ブロック注射は、痛みを和らげる効果が期待できる一方で、副作用やリスクも伴います。
安心して治療を受けるためにも、主に以下の5つのリスクを理解しておきましょう。
- 注射部位の痛みや腫れ
- 感染症のリスク
- 神経損傷のリスク
- アレルギー反応
- しびれや麻
本章では、ブロック注射で起こりうる副作用とリスクについて詳しく解説していきます。
注射部位の痛みや腫れ
ブロック注射後には、注射した部位に痛みや腫れが生じる可能性があります。
これは注射針による刺激や、注入した薬剤に対する反応と考えられますが、通常は数日から1週間程度で自然に治まることが多いでしょう。
しかし、痛みが強かったり、腫れが引かない場合は医療機関を受診するようにしてください。
また、注射部位は清潔に保ち、触りすぎないように注意しましょう。
感染症のリスク
ブロック注射は、皮膚に針を刺すため、細菌が侵入することで感染症のリスクも伴います。
感染症を防ぐためのポイントは、注射部位を消毒したり、清潔な状態を保つことです。
もし、注射後に発熱や強い痛み、赤みなどの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診するようにしてください。
神経損傷のリスク
ブロック注射は、注射針が神経に直接触れてしまう可能性があるため、まれに神経損傷を引き起こすリスクもゼロではありません。
神経損傷が起こると、しびれや麻痺、痛みなどが生じることも考えられます。
通常は一時的なものですが、まれに神経損傷の症状が残ってしまう場合もあります。
そのため、ブロック注射を受ける際は、神経の構造を熟知した医師を選ぶのがおすすめです。
アレルギー反応
ブロック注射では「発疹・かゆみ・呼吸困難」など、アレルギー反応を起こす場合があります。
そのため、過去に薬でアレルギーを起こした経験がある方は、事前に医師に伝えておきましょう。
また、注射後に体調が悪くなった場合は、すぐに医療機関を受診してください。
適切な処置をすることで症状の悪化を防げます。
しびれや麻痺
ブロック注射後、一時的にしびれや麻痺を感じる場合があります。
これは、注射した麻酔薬が神経に作用することで起こる症状です。
麻酔薬の効果が切れるにつれて症状は自然に改善しますが、症状が長く続く場合や日常生活に支障が出る場合は、医師に相談しましょう。
また、注射後に車の運転など、危険を伴う行為は避けるようにしてください。(文献3)
まとめ|ブロック注射の効果は個人差あり!治療時は主治医に相談しよう
ブロック注射は、痛みを和らげるための有効な治療法の一つですが、効果の現れ方や持続時間には個人差があります。
また、副作用やリスクも伴うため、治療を受ける際には医師と十分に相談することが大切です。
症状や体質に合わせて、適切な治療法を選びましょう。
また、当院「リペアセルクリニック」では、ヘルニアの症状には再生医療による治療も行っております。
お気軽に「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。
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ブロック注射の効果に関するよくある質問
腰椎椎間板ヘルニアの治療にも効果的ですか?
腰椎椎間板ヘルニアの治療にブロック注射は効果的な場合があります。
理由として、ヘルニアによって圧迫された神経の炎症を抑え、痛みを和らげる効果が期待できるためです。
ただし、ブロック注射は根本的な治療ではなく、あくまで痛みをコントロールする治療法です。
そのため、症状によっては手術やリハビリテーションなど、他の治療法と併用する必要があるでしょう。
また、頚椎椎間板ヘルニアの症状や治療法については以下の記事でも詳しく解説しています。
頸椎椎間板ヘルニアでブロック注射を受けるべきか悩んでいる方は参考にしていただければ幸いです。
ブロック注射はめちゃくちゃ痛いって本当ですか?
ブロック注射の痛みについては、個人差が大きいのが現状です。
注射する部位や使用する針の太さによっても感じ方が異なるでしょう。
もし、痛みに不安がある場合は、事前に医師に相談してみてください。
ブロック注射が効かない人はいますか?
ブロック注射は、すべての人に効果があるとは限りません。
痛みの原因や体の状態によっては、効果を感じにくい場合があるためです。
たとえば、神経の損傷がひどい場合や、痛みが慢性化しているケースでは、ブロック注射の効果が限定的になる可能性があります。
そのため、ブロック注射で効果が見られない場合は、他の治療法を検討する必要があるでしょう。
医師と相談しながら、適切な治療法を見つけてください。
ブロック注射による効果や副作用に関して不安な方は、当院「リペアセルクリニック」の「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。
参考文献一覧 文献1 日本ペインクリニック学会_第Ⅰ章 ペインクリニックにおける神経ブロック 文献2 クリニックマガジン_主なブロック注射と適応症などの内規 文献3 一般財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)_疼痛治療剤(局所注射用) |