LINEポップアップ
  • HOME
  • トピックス
  • 骨粗鬆症には運動がいいって本当?おすすめの方法と注意点を医師が解説
  • その他、整形外科疾患

骨粗鬆症には運動がいいって本当?おすすめの方法と注意点を医師が解説

骨粗鬆症 運動
公開日: 2025.05.30

骨粗鬆症を放置すると骨がもろくなり、骨折のリスクが高まります。とくに高齢者では、骨折をきっかけに寝たきりになることもあり、見過ごせない問題です。

診断された方の中には「どのような運動をすれば良いのかわからない」「運動しても骨折しないか不安」と感じている方もいるでしょう。

しかし、適度な運動によって骨に刺激を与えることで、骨密度の低下を防ぐ効果があるとされています。骨粗鬆症の発症や進行の予防にもつながるため、運動は食事や薬物療法と同じくらい大切です。

本記事では、骨粗鬆症におすすめの運動方法や頻度、注意点についてわかりやすく解説します。ぜひ本記事を参考に、今日から無理のない範囲で運動を取り入れてみてください。

骨粗鬆症の運動は予防・改善につながる

人の体では、古い骨は壊され、新しい骨をつくる「骨代謝」が繰り返されています。(文献1運動によって骨に軽い刺激(微細なストレス)を与えると、骨をつくる細胞が活性化され、新しい骨の形成が促進されます。文献2

その結果、定期的な運動は骨の健康にも良い効果をもたらすのです。

あわせて骨粗鬆症の原因を知ることで、運動の必要性をより深く理解し、継続的な予防につなげやすくなります。原因について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

\無料相談受付中/

通話料無料/受付時間 09:00~18:00

骨粗鬆症におすすめの運動法|今すぐできる具体例を紹介

骨粗鬆症におすすめの運動は以下の4つです。

  • かかと落とし
  • ウォーキング
  • 下半身の筋トレ
  • バランス運動

本章で紹介している運動は、骨に適度な刺激を与えて骨密度の低下やバランス感覚の維持につながります。結果として、転倒や骨折のリスクを減らす効果も期待できるでしょう。

本章を参考に、自分に合った運動を今日から少しずつ取り入れてみてください。

かかと落とし

かかと落としは、床にかかとを落とす軽い衝撃が骨に適度な刺激を与え、太ももの骨を強化する効果的な運動として注目されています。文献3)特別な道具を使わず、自宅でテレビを見ながらでもできるため、手軽に取り入れやすいでしょう。

かかと落としのやり方は以下の通りです。

  1. 壁や椅子の近くに立ち、足を肩幅に開く
  2. ゆっくりつま先立ちになる
  3. ストンとかかとを床に落とす

転びそうであれば、手すりや壁に掴まりながら行うのも良いでしょう。1日あたり10〜20回を3セットの実践が理想的であるものの、無理は禁物です。最初は少ない回数から始め、体が慣れたら徐々に増やすようにしましょう。

ウォーキング

ウォーキングは骨に適度な負荷をかけながら、全身の健康維持にもつながる運動です。通勤や買い物のついでに実践できるため、日常生活に取り入れやすい運動のひとつです。

歩行時に地面を踏みしめる際の衝撃が骨に刺激を与え、骨密度の維持・向上を促すとされています。文献4)歩くことで下半身の筋力が鍛えられるため、転倒による骨折防止にもおすすめです。

1日30分を週3〜5回ほど、通勤や買い物のついでに歩く習慣をつけると続けやすくなります。普段歩く際には、以下を意識してみてください。

  • 背筋を伸ばす
  • 大股で歩く
  • 腕を大きく振る
  • いつもより早歩きする

最初は短時間から始め、徐々に時間を延ばすと無理なく継続できます。ぜひ日常生活の一部に取り入れてみてください。

下半身の筋トレ

下半身を鍛える筋力トレーニングは、骨に適度な刺激を与え、骨粗鬆症の予防に効果があるとされています。筋力アップによって転倒リスクも下がるため、骨折の防止にもつながります。

なかでも太ももやお尻の筋肉は骨盤や大腿骨を支える重要な部位で、筋力強化により骨にかかる負担を分散できます。とくに高齢者では筋肉量の低下が骨折の一因となるため、下半身の筋トレはおすすめです。

効果的なトレーニングとして、スクワット(膝の屈伸運動)やつま先立ちを繰り返すカーフレイズ(ふくらはぎの筋力トレーニング)などが挙げられます。転倒が不安な場合は、必ず椅子や壁を支えにしながら行いましょう。運動に慣れてきたら、無理のない範囲で回数を少しずつ増やしてみてください。

バランス運動

バランス力を鍛える運動は体幹を安定させ、日常生活でのふらつきを減らすのに役立ちます。

骨粗鬆症の方は骨がもろくなっているため、転倒による骨折リスクが高くなります。そのため、バランス感覚を養い、転倒を防ぐことが大切です。

おすすめのバランス運動には、以下のような方法があります。いずれも自宅で手軽にでき、歯磨き中や家事などの隙間時間を使って始められます。

バランス運動の例

具体的な方法

片足立ち

壁や椅子に軽く手を添え、片足を上げて数秒間キープする

体重移動

足を肩幅に開き、ゆっくりと左右に体重を移動させる

上体ひねり運動

椅子に浅く腰掛け、両手を広げてゆっくりと上体を左右にひねる

こうした運動を毎日続けると自然に平衡感覚が養われ、転倒への不安も軽減されるでしょう。無理のない範囲で、ぜひこまめに取り組んでみてください。

\無料オンライン診断実施中!/

無料の再生医療ガイドブックはこちらから!>>

骨粗鬆症における運動の推奨頻度

骨粗鬆症の予防や改善には、週に2〜3回の運動を習慣にすることが大切です。

定期的な運動は骨に適度な刺激を与え、骨密度や骨質の向上を促します。骨にストレスを与えすぎると疲労やけがの原因になりますが、頻度が少なすぎると効果が出にくくなります。そのため、バランスの取れたペースが重要です。

実際に、週に2〜3回以上の頻度でバランス運動や筋トレを行うと、転倒リスクの低減に効果的であるとされています。(文献5)骨粗鬆症と診断された方は、まずは週に2〜3回のペースで、自分に合った運動から始めてみてください。

骨粗鬆症の運動における注意点

骨粗鬆症の方が運動をする際の注意点は、以下の4つです。

  • 急激な動作や転倒リスクの高い運動は避ける
  • 運動のしすぎと誤ったフォームは避ける
  • 痛みや違和感が出たらすぐに中止する
  • 症状に不安がある場合は事前に医師へ相談する

骨粗鬆症の方にとって、転倒や骨折のリスクを避けながら安全に運動を心がけることが大切です。事前に本章の内容を確認し、けがを防ぎながら安全に運動を取り入れましょう。

急激な動作や転倒リスクの高い運動は避ける

骨粗鬆症では骨がもろくなっており、軽い衝撃でも骨折につながることがあります。さらに、バランス能力が低下していると、転倒による重篤な骨折のリスクも高まります。

骨粗鬆症の方が避けるべき運動や動作の例は以下の通りです。安全性が確保できない運動は、無理に行わないようにしましょう。

  • 急な方向転換を伴う運動(激しいテニスやゴルフなど)
  • 前かがみや体を強くひねる運動
  • 過度に重いダンベルの持ち上げ運動

不安がある場合は、必ず医師や専門家に相談して自分に合った安全な運動を選ぶようにしてください。

運動しすぎと誤ったフォームは避ける

骨粗鬆症の予防に運動は効果的ですが、やりすぎたり誤ったフォームで行ったりすると、かえって体に悪影響を及ぼす恐れもあるため注意が必要です。とくに高齢者は筋力が低下しており、骨や関節にかかる負担が大きくなると、疲労骨折や関節の炎症も起こりやすくなります。

たとえば、長時間の歩行で膝を痛めたり、背中を丸めた姿勢でのウォーキングで腰を痛めたりする場合があります。また、無理な回数のスクワットも膝に負担をかけるため注意が必要です。

運動は理想的な回数や強度よりも、正しいフォームと自分の体調に合わせることが大切です。不安がある場合は、担当の医師や理学療法士などと相談しながら取り組みましょう。

痛みや違和感が出たときは中止する

運動中に痛みや違和感を覚えた場合は、すぐに中止しましょう。

骨粗鬆症の方は骨折のリスクが高く、痛みは骨や関節の損傷、あるいは骨折・捻挫の前兆の可能性もあります。無理に続けるのは避けましょう。

軽い筋肉痛であれば問題ありませんが、鋭い痛みや長引く痛みには注意が必要です。運動中に膝や腰などに強い痛みを感じた場合は、無理せず休憩し、必要に応じて整形外科を受診してください。

手術しなくても治療できる時代です。

膝の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。

症状に不安がある場合は医師に相談する

骨の状態や体力には個人差があり、自分に合わない運動はかえって体を痛めるおそれがあります。医師は骨密度や持病の有無を踏まえて、より安全な運動方法を提案してくれます。不安がある場合は、あらかじめ相談しておくと安心です。

とくに以下に該当する方は、思わぬけがや症状悪化の予防のために事前の相談をおすすめします。

  • 過去に骨折歴がある
  • 歩行時にふらつきがある
  • 他の持病を抱えている

少しでも不安がある方は自己判断せず、医師や理学療法士などの指導を受けながら安全に運動を続けましょう。

骨粗鬆症予防のためにも今日から運動を始めてみよう!

骨粗鬆症の進行を抑えるには、日常的に運動を取り入れることが大切です。骨に適度な刺激を与えることで、骨密度の維持や転倒リスクの軽減が期待できます。自分にとって無理のない運動を今日から始めてみてください。

ただし、骨粗鬆症の方は関節や筋肉が弱くなっていることも多く、運動によって膝や股関節に痛みが出る場合もあります。手術が必要になることもありますが、できるだけ避けたい方には切らずに治療できる「再生医療」もおすすめです。

当院「リペアセルクリニック」では幹細胞を活用した再生医療に対応しており、膝や股関節などの慢性的な痛みに対する治療も行っています。今ならメールまたはオンラインカウンセリングにて無料相談を受付中です。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

\無料オンライン診断実施中!/

無料の再生医療ガイドブックはこちらから!>>

手術しなくても治療できる時代です。

股関節の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。

骨粗鬆症の運動に関してよくある質問

骨におすすめの食べ物や飲み物は?

骨を強く保つには、以下のようなカルシウム・ビタミンD・ビタミンKが含まれた食材の摂取がおすすめです。

栄養素

働き

主な食材例(文献9

カルシウム

骨量を維持する(文献6

魚介類(えびやかに)、牛乳など

ビタミンD

カルシウムの吸収を補助する(文献7

キノコ類(きくらげ)、魚介類(かつおやいわし)など

ビタミンK

骨代謝のバランスを整える(文献8

緑茶類、藻類(わかめやのり)など

毎日の食事で不足しがちな栄養素を意識して摂取すると、運動とあわせて骨の健康維持が期待できます。ただし、カルシウムやビタミンDは過剰症も報告されているため、摂りすぎには注意しましょう。(文献10

また、こうした栄養管理を通じて、薬に頼らずに骨粗鬆症の予防に取り組めます。詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

かかと落としの効果が出るまでどのくらいかかりますか?

かかと落としの効果が現れるまでには、少なくとも数カ月の継続が必要です。

骨の代謝サイクルは約1〜4年とされており、運動による刺激が骨密度に反映されるまでには時間がかかります。(文献1)骨粗鬆症の予防効果を得るには短期間で結果を求めず、日々の習慣として継続的に行うことが大切です。

骨密度が高い人の特徴はなんですか?

骨密度を高く保っている人には、以下のような特徴があります。

  • 日常的に体を動かす習慣がある
  • カルシウムやビタミンを意識して摂っている
  • 栄養バランスの整った食事を心がけている
  • 日頃から階段を使用している

骨密度は20〜30代にかけてピークを迎え、加齢とともに徐々に減少します。文献5)だからこそ、これらの生活習慣を取り入れ、将来的な骨密度の低下を防ぐことが大切です。

今からでも遅くはありません。運動や食生活を見直し、骨密度の維持・改善に取り組みましょう。

 

参考文献

文献1

川口浩.「骨粗鬆症の基礎と最近の話題」『脊髄外科』29巻(3号), p.259-p.266, 2015年,https://www.jstage.jst.go.jp/article/spinalsurg/29/3/29_259/_pdf

文献2

佐藤哲也、小池達也.「運動と骨」『生活衛生』36巻(5号), p.239-p.245, 1992年,https://www.jstage.jst.go.jp/article/seikatsueisei1957/36/5/36_5_239/_pdf

文献3

藤田 博曉.「骨粗鬆症に対する運動療法」『日本内科学会雑誌』111巻(4号), p765-p771, 2022年.URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/111/4/111_765/_pdf

文献4

厚生労働省「骨粗鬆症予防のための運動 -骨に刺激が加わる運動」健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~, https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-05-001

文献5

日本骨粗鬆症学会 日本骨代謝学会 骨粗鬆症財団「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」2015年,http://www.josteo.com/data/publications/guideline/2015_01.pdf

文献6

久保田 恵.「カルシウム摂取による骨折・骨粗鬆症予防のエビデンス」『日本衛生学雑誌』58巻(3合), p.317-p.327, 2003年,https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjh1946/58/3/58_3_317/_pdf

文献7

竹内靖博.「骨・カルシウム代謝異常症におけるビタミンDの役割」『臨床リウマチ』25巻, p.198-p.202, 2013年https://www.jstage.jst.go.jp/article/cra/25/3/25_198/_pdf 

文献8

鈴木啓章.「ビタミンKの健康栄養機能に関する最近の知見」『オレオサイエンス』14巻(12号), p.555-p.561, 2014年,https://www.jstage.jst.go.jp/article/oleoscience/14/12/14_555/_pdf/-char/ja 

文献9

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年から出典」2023年,https://www.mext.go.jp/content/20201225-mxt_kagsei-mext_01110_011.pdf

文献10

厚生労働省「「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書」2024年,https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316585.pdf

イメージ画像トップ