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頭痛は熱中症の症状?見分け方と知っておきたい対処法を医師が解説

熱中症の症状 頭痛
公開日: 2025.06.29

「頭がズキズキするけれど、体調不良から起こる頭痛か熱中症のサインかわからない」

「少し休んでも痛みが改善されない」

熱中症が引き起こす頭痛は、疲れや寝不足などと混同されやすいため、受診のタイミングに迷う方もいるでしょう。単なる疲れと見逃されがちですが、放置すると重症化する危険があります。

本記事では、熱中症と頭痛の関係や見分け方を詳しく解説します。すぐに実践できる対処法や、日頃から心掛けたい予防策も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

【重症度別】頭痛症状はどこに当てはまる?熱中症との関係性

熱中症による頭痛は、中等度の症状に該当し、ほかにも吐き気や嘔吐・倦怠感(けんたいかん)などが挙げられます。

熱中症とは日射病や熱射病の総称で、気温が高い環境で運動や仕事などを行った際に体温調節がうまくできなくなり起こる病気です。とくに、成長途中の子どもや、身体機能が低下しやすい高齢者は注意が必要です。

熱中症は、軽度から重度まで複数の症状がみられます。重症度別に症状を解説するので、参考にしてください。

また、熱中症の影響を受けやすいのは、どのような人か知りたい方はこちらの記事もチェックしてください。

軽度

軽度の熱中症は、発汗により体内の水分や塩分などの電解質が失われ始める段階で、主な症状は以下のとおりです。

  • めまい・立ちくらみ
  • こむら返り
  • 筋肉痛
  • 大量の発汗

体内の水分が失われると血液量が減少し脳へ送られる血液の流れが不安定になるため、急に立ち上がった際にめまいや立ちくらみ(熱失神)を起こす場合があります。

熱中症では、汗とともに失われるのは水分だけでなく、筋肉の正常な収縮に不可欠なナトリウムなどの塩分も含まれます。塩分が欠乏すると、ふくらはぎや足の指、腹部などに痛みを伴うけいれんを指すこむら返り(熱けいれん)が起こるケースも珍しくありません。

軽度の熱中症で「頭痛」が主症状となるのは稀です。ただし、ズキズキと脈打つような激しい痛みではなく、脱水による血流の変化からくる「頭が重い感じ(頭重感)」を訴える場合もあります。

中等度

中等度の熱中症は「熱疲労」ともいわれ、頭痛に加えて以下の全身症状が現れます。

  • 頭痛
  • 気分の不快
  • 吐き気・嘔吐
  • 倦怠感
  • 虚脱感

熱中症による頭痛は、体温の上昇に対処しようと脳の血管が過度に拡張するのが主な原因です。拡張した血管に心臓が血液を送り込むたびにズキズキと脈打つような拍動性の痛みを感じます

また、体が熱を逃せるよう消化器系への血流を抑えるため胃腸の働きが低下し、強い吐き気や嘔吐を引き起こすケースも珍しくありません。体はエネルギーを使い果たし、立っていられないほどの倦怠感や虚脱感に襲われます。

集中力や判断力も著しく低下するため、自分自身で的確に対処するのが困難になり始めるのも中等度の特徴です。

中等度の熱中症は、意識がはっきりしていても臓器障害を起こしている場合があります。重症化すると命の危険につながるため、自己判断で様子を見ないよう注意してください。

重度

重度の熱中症は「熱射病」と呼ばれ、体温が上がりすぎたために以下の症状が現れます。

  • 高体温
  • けいれん
  • 意識障害
  • 手足の運動障害

重度では体温調節を司る中枢機能が失われ、体温が40度を超えると発汗しなくなり体表に激しい熱感が残るのが特徴です。

重度の熱中症では高体温により、熱に弱い神経細胞が直接的なダメージを受けます。その結果、全身のけいれんや昏睡状態を引き起こす場合があります。

重度では頭痛を訴えていた中等度の段階とは異なり、痛みを感じたり、伝えたりする行動自体ができないほど、中枢神経系が深刻な影響を受けているといえます。

熱中症で起こる頭痛の特徴

熱中症が引き起こす頭痛には、日常的な片頭痛や風邪などの頭痛とは性質が異なり、以下の特徴があります。

  • 拍動性の痛みを感じる
  • 倦怠感・吐き気・嘔吐などを伴う

なかでも特徴的なのは、心臓の拍動に合わせてズキズキと脈打つ拍動性の痛みです。頭全体が締め付けられるように感じたり、ガンガンと響くような重い痛みを伴ったりする場合も少なくありません。

頭痛だけが単独で現れるのは珍しく、倦怠感・吐き気・嘔吐など、全身状態の悪化を示す症状が伴う点も大きな特徴です。

上記の特徴が見られた際は、熱中症を疑い速やかな対応が求められます。

熱中症による頭痛の見分け方

熱中症による頭痛か否かを見分けるには、以下の状況と身体の変化を確認することが重要です。

状況

全身症状

・高温多湿の場所に長時間いた
・激しい運動や屋外作業をしていた

・水分が十分に足りていなかった

・体温上昇や発汗の異常、脱水症状がみられる

・めまいや吐き気、倦怠感が伴う

・涼しい場所での安静や水分補給で症状が改善する

炎天下や蒸し暑い屋内で活動したあとに頭痛が出現した場合、まずは熱中症を疑います。

熱中症による頭痛は、ズキズキとした拍動性の痛みとして現れる場合が多く、体温が上昇して異常な発汗がみられる、全身に脱水の兆候が同時にみられます。また、めまいや吐き気・強い疲労感を伴うケースも多いため、全身症状の条件がそろえば熱中症が引き起こされる可能性が高まるでしょう。

涼しい場所で休み、水分とともに塩分などの電解質を補給して症状が和らぐようであれば、熱中症が原因であると考えられます。

ただし、重度では安静や補水でも改善しないケースがあるため、症状が徐々に悪化していく場合や症状が改善しない場合は、迷わず医療機関を受診してください。

熱中症の症状で頭痛が起きた際の対処法3選

熱中症による頭痛が発症した場合、迅速かつ的確な対応が症状の悪化を防ぐ鍵となります。ここでは、頭痛が起きた際の具体的な対処法を紹介します。

自己判断で放置してしまうと重症化する危険もあるため、理解を深めておきましょう。

涼しい場所へ移動する

まずは、体温を上げる環境から離れるのが最優先です。屋外にいる場合は、直射日光を避けられる日陰や、可能であれば冷房が効いた室内や車内へ速やかに避難してください。

室内で発症した場合でも、窓を閉め切った暑い部屋から、風通しの良い涼しい部屋へ移動します。

自力で移動できる場合でも、めまいや立ちくらみ、一時的な失神によるふらつき・転倒を起こす可能性があるため、注意してゆっくり移動しましょう。自力で移動できない場合、周囲に人がいるなら協力を仰ぎ、迅速に安全な場所へ避難するのが大切です。

体を冷やす

涼しい場所へ移動したら、次は積極的に体を冷やす処置を行います。

ベルトやネクタイ、体に密着する衣服を緩めて、風通しを良くしてください。濡らしたタオルやハンカチを体に当てて、うちわや扇子などであおぎ、体温を下げます。

冷やす際は保冷剤や氷のう・冷えたペットボトルなどにハンカチを巻き、以下の部位に当てましょう。

  • 首筋
  • わきの下
  • 足の付け根

上記のような太い血管が皮膚の近くを通っている場所を冷やすと、効率的に全身の血液を冷やせて効果的です。

水分・塩分を補給する

脱水と電解質の不足が熱中症を引き起こすため、水分とともに塩分などの電解質の補給が欠かせません。

スポーツドリンクや経口補水液が望ましいですが、無ければ水でも良いのでゆっくり飲みます。一度に大量の水分を摂ると胃腸に負担がかかるため、こまめに少しずつ摂取すると良いでしょう。

ただし、吐き気や嘔吐を伴う場合は、無理に飲まないでください。また、意識がはっきりしない人に無理矢理飲ませると、誤って気道に水分が流れ込む可能性があるため、注意が必要です。

熱中症による頭痛症状が現れた際の受診目安

熱中症によって頭痛症状が引き起こされた際の受診目安は、以下のとおりです。

  • 応急処置をしても改善がみられない
  • 自力で水分を摂れない
  • 嘔吐を繰り返している
  • 意識障害がある

頭痛が軽度であり水分補給や休息によって速やかに軽快するなら、自宅で経過をみても問題ありません。

ただし、涼しい場所へ移動し十分に水分・塩分を補給しても改善がみられない場合や、症状が悪化する際は医療機関の受診が必要です。とくに、水分を自力で摂取できない、嘔吐を繰り返してしまう場合は、点滴での水分・電解質の補給が必要になる可能性があります。

呼びかけへの反応がおかしい、ろれつが回らない、けいれんを起こすなどの意識障害の兆候が見られる際は、救急車の要請を検討してください。

熱中症によって頭痛が生じた際、自己判断で様子を見るだけでは危険な場合もあるため、注意しましょう。

受診するかお悩みの際は、ぜひご相談ください。

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熱中症による頭痛の予防法

熱中症による頭痛の予防法は、以下のとおりです。

  • 高温多湿の環境では無理せずこまめに休憩する
  • 服装に注意する
  • こまめに水分・塩分を補給する

高温多湿の環境では無理な運動や長時間の外出を避け、適切に休憩を取り入れるのが基本です。睡眠不足や風邪など、体調が優れない場合は気温が高くなる日中の外出は控えましょう。

また、日差しを直接浴びないよう帽子や日傘を活用し、通気性の良い淡い色の服装を心がけると体温の上昇を抑えられます。

熱中症予防には、こまめな水分・塩分補給も欠かせません。喉の渇きを感じる前から水分や電解質を補うと、脱水を未然に防げます。とくに、大量の発汗が予想される場合には、スポーツドリンクや経口補水液の利用が効果的です。

ほかにも、十分な睡眠と食事を取って体調を整え、暑さに耐えられる体づくりも大切です。自分の体調や周囲の気温変化に注意を払い、早めの予防行動を意識できると、頭痛を含む熱中症の発症を大きく減らせます。

熱中症による長引く頭痛は当院へご相談ください

熱中症が引き起こす頭痛は中等度の症状であり、ズキズキとした拍動性の痛みや倦怠感・吐き気などを伴うのが特徴です。

熱中症による頭痛が疑われる場合は、涼しい場へ移動し体を冷やして適切な水分・塩分の補給が対処法の基本です。

ただし、対処法を行っても症状が改善しない場合は、重症化している可能性があります。また、症状が続く際は後遺症も考えられるため、自己判断で経過をみるのではなく、当院にご相談ください。

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熱中症は稀に後遺症を残すケースがあります。後遺症については、こちらの記事で詳しく紹介しているので、参考にしてください。

熱中症と頭痛に関するよくある質問

熱中症で夜になってから頭痛を起こすことはある?

熱中症による頭痛は、日中の高温環境で受けたダメージが蓄積され、時間をおいて症状として現れるケースがあるのも事実です。

とくに、日中の屋外活動後、体温が高い状態で水分補給が不十分だった場合、夕方から夜にかけて頭痛や倦怠感が出るケースは珍しくありません。

軽度の熱中症でも、体が脱水状態に傾くと遅れて頭痛を起こす場合があるため、夜間でも症状が強ければ油断せず、水分・塩分の補給や体を冷やし、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

熱中症で頭痛薬を飲んでしまった場合の対処法は?

既に頭痛薬を飲んでしまった場合は、体調変化に注意しつつ熱中症への基本的な対処を行ってください。

熱中症による頭痛に対して、自己判断で頭痛薬を飲むのは推奨されません。薬で頭痛を抑えても、原因である脱水や高体温は改善されず、かえって症状の悪化に気づきにくくなる危険があるためです。

また、一部の解熱鎮痛薬は、脱水状態の腎臓に負担をかける可能性もあります。熱中症に対する対処法を実施したあとも症状が改善しない場合は、医療機関を受診し、どの薬を飲んだか必ず医師へ伝えましょう。

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