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パーキンソン病の人はチョコレートを食べてもいいの?注意点を解説

パーキンソン病 チョコレート
公開日: 2025.12.13

パーキンソン病の人はチョコレートを食べても良いのだろうか」と迷っている方もいるのではないでしょうか。

結論として食べても問題ありませんが、症状の進行を抑えることが証明されているわけではありません。

また、食べる場合には注意すべき点もあるので、ポイントを押さえておきましょう。

本記事では、パーキンソン病とチョコレートの関連性に着目し、摂取量の考え方や注意点、取り入れたい食品、生活習慣などを解説します。

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パーキンソン病の人にチョコレートは効果があるのか

現在のところ、チョコレートがパーキンソン病の予防や症状の改善に効果があるという科学的な根拠はありません。

ただし、関連する研究は進められています。

順天堂大学の研究グループは、パーキンソン病の方の血液中でカフェインとその分解産物9種類の濃度が低くなっていることを発見しました。(文献1)

この発見により、血液検査でパーキンソン病を高い精度で診断できる可能性があり、将来的には病気の早期発見や新しい治療法の開発に役立つと期待されています。

チョコレートは食べても問題ありませんが、糖分や脂質も含まれているため食べ過ぎや種類には注意し、医師の指導のもと適切な範囲で取り入れましょう。

パーキンソン病については、以下の記事でも詳しく解説しています。

薬を服用している場合は医師に相談

パーキンソン病の治療で薬を服用している場合、チョコレートとの相互作用に注意が必要です。

チョコレートに含まれる成分の一部は、薬の作用に影響する可能性があるといわれています。はっきりした証拠は少ないものの、人によっては血圧が上がるなどの副作用が起こる可能性が否定できません。

また、チョコレートの種類や量によっては、薬の効き方に差が出る場合もあります。

糖尿病などで他の薬を服用している方も含め、日常的にチョコレートを楽しみたいときは、事前に主治医に相談して量やタイミングを確認することが大切です。

食べる量に注意

パーキンソン病の方がチョコレートを食べる際には、摂取量に注意が必要です。

チョコレートには糖分や脂質が多く含まれており、過剰に摂取すると肥満や高血糖、動脈硬化などのリスクが高まる可能性があります。とくに、高齢者は代謝機能が低下しているため、少量でも影響を受けやすいのです。

摂取量に関して医学的に明確な基準はないものの、一般的に1日あたり10〜20g程度の少量を目安にし、過剰摂取を避けると良いでしょう。

医師や栄養士と相談の上で、バランスの取れた食生活を心がけることが大切です。

チョコレートを選ぶならダークタイプを

カカオ含有量が多いダークチョコレートは、一般的に糖分が少ない傾向があるため、栄養管理の面で優れています。

糖分やミルク成分が少ないため、血糖値の急上昇を防ぎやすいのもメリットです。ただし、ダークチョコレート自体に、パーキンソン病の進行を抑える臨床的効果が確立しているわけではありません。

あくまで健康管理を目的に成分表示を確認し、糖質・脂質の摂取量に注目して選ぶと良いでしょう。

パーキンソン病の人が食べてはいけないもの

パーキンソン病の方が食べてはいけないものはありません。

ただし、健康維持の観点から摂りすぎに注意したい、避けたほうが良い食材があるので、確認しておきましょう。

動物性脂肪を含む食材

動物性脂肪には飽和脂肪酸が多く含まれており、炎症を引き起こしやすいとされています。

過剰に摂取すると、神経細胞の酸化ストレスが高まり、ドーパミン神経の働きに悪影響を及ぼす可能性があるのです。たとえば、牛肉の脂身やベーコン、ソーセージ、ラードを多く使った料理などが該当します。

植物性の油脂を活用するなど、脂質の種類にも配慮した食事を心がけましょう。

農薬が残留している食材

農薬が残留した野菜や果物は、神経毒性を持つ物質が含まれている可能性があります。

農薬がパーキンソン病の発症リスクを高めるとの確証はありませんが、長期的に摂取すると神経細胞に悪影響を与える恐れがあるため避けましょう。

とくに、皮付きで食べる果物や輸入野菜には注意が必要です。

食べる際はしっかり洗い、できれば無農薬または有機栽培のものを選びましょう。

低脂肪乳製品

一部の研究では、低脂肪乳製品の摂取とパーキンソン病の発症リスクに関連があるとされています。(文献2)

低脂肪ヨーグルトなどを日常的に摂取する人において、発症リスクがやや高まるという報告があり、摂取量には注意が必要です。

現段階で因果関係は明確ではないものの、乳製品の選択は慎重に行いましょう。

砂糖の多い甘いもの

砂糖を多く含む食品は、血糖値の急上昇や腸内環境の悪化を引き起こし、慢性的な炎症を誘発する要因になります。

砂糖がパーキンソン病の進行を早めるとの明確なエビデンスはありませんが、神経系に悪影響を及ぼし、症状の悪化につながる可能性はゼロではありません。

ケーキやチョコレート、清涼飲料水などを多く摂取する習慣がある場合は、量を控えめにする、食べる回数を減らすなど食生活を見直しましょう。

パーキンソン病の方におすすめのチョコレート以外の食べ物

パーキンソン病の進行を抑えられる食事療法は確立確率されていませんが、健康な状態を維持して症状の軽減を目指すなら食生活の見直しが欠かせません。

ここでは、チョコレート以外で積極的に摂取したい食べ物について、種類ごとに紹介します。

卵・肉・魚・大豆などの高たんぱく食品についても紹介しますが、たんぱく質はパーキンソン病の症状改善に使われる薬、レボドパ(L-DOPA)の吸収を妨げる場合があります。

摂取量や食べ方は、体調や薬の効果を考慮し、医師に相談しながら調整してください。

卵は高品質なたんぱく質のほか、神経伝達物質の合成に必要なビタミンB群などさまざまな栄養素を含んでいる優秀な食材です。

とくにビタミンB12や葉酸は、脳神経の機能維持やホモシステイン(アミノ酸の一種)の代謝に関与し、神経変性の予防効果が期待できます。

また、調理が簡単で消化も良いため、高齢者や嚥下機能が低下している方も安心です。

肉・魚

筋肉の維持や神経伝達に必要なたんぱく質を効率よく摂取するには、肉や魚が有効です。

魚にはオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)が多く含まれており、抗炎症作用や脳機能の改善が期待されます。

赤身の肉よりも、鶏肉や青魚(サバ、イワシ、サンマなど)を選ぶことで、脂質のバランスも良くなるでしょう。

ただし、動物性脂肪の摂りすぎは避け、焼く・蒸すといった調理法の工夫も大切です。

乳製品・大豆製品

カルシウムやたんぱく質の補給源として、乳製品や大豆製品は有用です。

チーズやヨーグルト、豆腐、納豆などは日常的に取り入れやすく、筋肉量の低下を防ぐことにもつながります。

とくに、納豆や味噌には発酵食品としての腸内環境改善効果もあり、便秘予防や免疫機能の調整にも効果が期待できます。

食物繊維を含む食べ物

パーキンソン病の方に多く見られる便秘の改善には、食物繊維の摂取が欠かせません。

野菜、果物、海藻、きのこ、玄米などは食物繊維が豊富で、腸の動きを活発にします。

また、腸内環境を整えることで、腸と脳の関係を通じて神経機能の維持にも関与する効果が期待できます。

毎食に少量ずつバランス良く取り入れ、水分とともにしっかり噛んで食べるのがポイントです。

パーキンソン病の方が注意したい生活習慣のポイント

パーキンソン病は加齢や遺伝だけでなく、日々の生活習慣とも関係していると考えられています。

神経細胞の変性やドーパミンの減少に関与するリスクを下げるためには、生活習慣の見直しが欠かせません。

ここでは、パーキンソン病のリスクを下げるために心がけたい生活習慣について解説します。

食事メニューに気を配る

栄養バランスの取れた食事は、神経機能を保つために重要です。

パーキンソン病と関係があるとされる食習慣に明確なエビデンスはありませんが、高脂肪食や糖質過多、農薬残留の多い食材などは避けたほうが良いと指摘されています。

一方、ビタミンB群や抗酸化作用のある食品、オメガ3脂肪酸、良質なタンパク質を含む食材は神経細胞の健康維持に役立つとされています。

青魚、卵、大豆製品、緑黄色野菜、果物、発酵食品などを積極的に取り入れると良いでしょう。

適度に運動する

運動不足は筋力低下や便秘、血流の悪化を招き、パーキンソン病の進行や発症リスクに関与すると考えられています。

適度な運動は体力の維持だけでなく、脳内の神経伝達物質のバランスを整えるのにも有効です。

なかでも、ウォーキングやストレッチ、軽い筋トレ、ヨガなど無理なく続けられる運動が適しています。

毎日15~30分程度、習慣として体を動かす時間を設けましょう。

ストレスを溜め込まない

慢性的なストレスは自律神経の乱れや睡眠障害を引き起こし、脳に過度な負荷を与えるケースがあります。

パーキンソン病との直接的な因果関係は明確ではありませんが、ストレスが引き金となって症状を悪化させる可能性は否定できません。

趣味の時間を大切にする、家族や友人と会話を楽しむ、深呼吸や瞑想を取り入れるなど、ストレス解消の方法をいくつか用意しておくのがおすすめです。

たっぷり眠る

質の高い睡眠は、脳の疲労回復と神経細胞の再生に関わっているとされています。

睡眠不足が続くと、認知機能の低下や運動機能の不調につながる場合があり、パーキンソン病のリスクを高める要因になりかねません。

寝る前のスマートフォン使用を控える、規則正しい睡眠時間を確保する、就寝前にリラックスする習慣を作るなどを実践し、良質な睡眠環境に整えておきましょう。

アルコールの摂り過ぎに注意

アルコールは中枢神経に作用し、過剰な摂取は神経細胞の機能を損なう恐れがあります。

少量のアルコールであればリラックス効果もありますが、多量の飲酒が習慣化すると、脳の構造や機能に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

また、アルコールは睡眠の質を低下させたり、服薬中の薬と相互作用を起こすリスクもあります。

日常的に飲酒する場合は量と頻度を見直すと同時に、休肝日を設けることも大切です。

パーキンソン病の症状緩和に「再生医療」という選択肢

パーキンソン病は薬物療法が中心ですが、近年は「再生医療」という治療方法もあります。

再生医療とは、体から採取した幹細胞を培養して投与する治療法で、身体へ戻す幹細胞は患者自身の細胞であるため、拒絶反応やアレルギー反応が起こりにくいのが特徴です。

実際に、京都大学医学部附属病院と京都大学iPS細胞研究所との研究では、パーキンソン病患者に対してiPS細胞由来のドーパミン神経前駆細胞を脳内の被殻に移植し、安全性と臨床的有益性を示唆しました。(文献3)

パーキンソン病の症状でお悩みで再生医療をご検討の方は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。

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まとめ|パーキンソン病の方はチョコレートを食べても良いが食べすぎに注意

パーキンソン病の方でも、適量のチョコレートなら心配なく食べられます。

チョコレートによるパーキンソン病に対する効果についてはエビデンスがありませんが、研究は進められています。

過度な期待はせず、嗜好品のひとつとして食べるのは問題ありません。

ただし、チョコレートには糖分や脂質も多く含まれます。過剰な摂取は肥満や生活習慣病のリスクを高めるため注意が必要です。

食べ過ぎに気を付けながら、医師の指導のもと食生活を整えていきましょう。

なお、当院「リペアセルクリニック」では、パーキンソン病など神経の病気でも研究が進められている「再生医療」を行っております。

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パーキンソン病の食べ物に関するよくある質問

コーヒーはパーキンソン病の進行に影響しますか?

パーキンソン病とカフェイン摂取について研究は進んでいるものの、発症・進行の抑制に明確なエビデンスがあるとはいえないのが現状です。

とくに、就寝前の摂取は睡眠の質を下げるため控え、服薬中は主治医に相談してください。

パーキンソン病リスクとチーズの関係は?

パーキンソン病とチーズの関係について、リスクを高めると結論付けた報告はありません。

ただし、低脂肪乳製品の摂取量が多いとパーキンソン病のリスクがわずかに増加するとの報告があります。(文献4)

どのような食材でも量と頻度を管理し、全体の食事バランスを整えることが大切です。

パーキンソン病の方はバナナを食べても良いですか?

適量であれば問題ありません。

バナナは食物繊維やカリウムが豊富で、便通や栄養補給にも役立ちます。

ただし、糖質が多いため食べすぎは控え、間食として少量に留めるようにしましょう。

また、パーキンソン病の治療薬を服用している場合、バナナに含まれているビタミンB6が薬の効果を弱めてしまう恐れがあります。

薬を服用している方は、医師に確認しておきましょう。

パーキンソン病とバナナの関係については、以下の記事でも詳しく解説しています。

チョコレートを食べてパーキンソン病が治った人はいますか?

チョコレートを食べてパーキンソン病が治癒したというエビデンスは、現時点でありません。

あくまで食事は治療を補助する位置づけであり、治療は医師の診療計画に基づく点に留意しておきましょう。

参考文献

(文献1)
医療・健康|順天堂大学

(文献2)
Intake of dairy foods and risk of Parkinson disease|PubMed

(文献3)
「iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞を用いたパーキンソン病治療に関する医師主導治験」において安全性と有効性が示唆|京都大学医学部附属病院

(文献4)
Does Consuming Low-Fat Dairy Increase the Risk of Parkinson’s Disease?|American Academy of Neurology