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【医師監修】オスグッドのテーピング方法|簡単な巻き方と効果的な貼り方を解説

「成長期の子どもが膝の痛みを訴えている」
「膝の痛みを軽減するテーピング方法を知りたい」
オスグッドに対してテーピングを検討する方は多くいます。正しい巻き方・貼り方を実践すれば痛みの軽減効果が期待できる一方、誤った方法では逆効果になる恐れがあります。
なお、テーピングはオスグッドの根本的な治療法ではありません。症状が強い場合は、悪化する前に医療機関を受診しましょう。
本記事では、現役医師がオスグッドのテーピング方法について詳しく解説します。
- オスグッドのテーピングを始める前のポイント
- オスグッドに対するテーピングの簡単な巻き方・貼り方
- オスグッドのテーピングで期待できる効果
- オスグッドのテーピングにおける注意点
記事の最後には、オスグッドのテーピングに関するよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
オスグッドのテーピングに必要な道具と準備事項
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| テーピング用テープ | 伸縮性のあるキネシオロジーテープ、または固定力の高いホワイトテープの使用。初心者には肌に馴染みやすく動きに追従するキネシオロジーテープの使用を推奨 |
| ハサミ | テープ専用ハサミの準備。刃先が丸いタイプの使用。角を丸く切ることで剥がれにくくなるように工夫する |
| アンダーラップ(必要に応じて) | 皮膚が弱い場合やかぶれやすい体質への使用。テープ下に敷いて皮膚トラブルの予防 |
| 皮膚の準備 | 汗や皮脂を拭き取った清潔な状態の保持。入浴後やシャワー後の実施による粘着性の向上 |
| 姿勢の準備 | 膝を軽く曲げた約90度屈曲位での座位保持。膝蓋腱を出しやすくする姿勢 |
| 貼付部位の確認 | 膝蓋骨下から脛骨粗面までのラインの触診。テープを貼る位置の確認 |
テーピングはオスグッドの不快感を和らげ、膝の動きを支える補助的な手段です。しかし、誤った貼り方をすると逆効果になります。まず膝の状態を確認し、腫れや熱感がある場合は控えましょう。
テーピングは一時的なサポートであり、痛みを根本的に治すものではありません。成長期の子どもは骨や軟部組織が未成熟なため、無理な固定は可動域を制限する恐れがあります。貼る前に皮膚を清潔にし、汗や油分を拭き取ることが大切です。
テーピングが適しているケースと適さないケース
| ケース | 状況 | 詳細 |
|---|---|---|
| 適しているケース | 運動前・試合中の一時的なサポート | 練習や競技中の膝への負担軽減 |
| 軽度〜中等度の症状 | 動作時の違和感はあるが日常生活に支障が少ない状態 | |
| 運動を休めない場合の補助 | 部活動や大会で練習量を減らせない状況での一時的対応 | |
| 医師の指導下での使用 | 医師や理学療法士から正しい巻き方を学んだ場合の補助療法 | |
| 適していないケース | 強い腫れや熱感 | 炎症が強い状態でのテーピングによる悪化リスク |
| 安静時の強い痛み | テーピングでは改善せず、医療機関での診断・治療が優先 | |
| 皮膚トラブル | 湿疹・かぶれ・傷がある場合のテープによる悪化リスク | |
| 長期間の貼りっぱなし | あくまで一時的な補助であり、治療の代替手段ではない | |
| 日常生活への支障 | 歩行困難など生活に支障が出る場合は受診が優先 |
テーピングを行う際は、キネシオテープや伸縮性のあるスポーツテープ、ハサミ、固定用テープの3点を用意します。テープは皮膚に直接貼るため、通気性がよく肌に優しい素材を選ぶことが重要です。
貼付前には、膝周囲の皮膚を清潔に保ち、毛が多い場合は軽く整えると密着性が高まります。とくに運動前など汗をかきやすい状況では、汗拭きシートなどで皮脂を除去してから貼ることで剥がれにくくなります。
なお、巻き方を誤ると十分なサポート効果が得られないため、初めて行う場合は指導者の補助のもと実施すると良いでしょう。貼付後に違和感を感じた場合はすぐに外し、皮膚の赤みやかゆみが続く場合は使用を中止してください。
【オスグッドのテーピング】簡単な巻き方・貼り方
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1.基点を貼る | 膝蓋骨(お皿)のすぐ下にテープを横向きで仮止め。圧迫を感じやすい部分の保護 |
| 2. U字形に貼る(左右外側方向) | 基点から左右に分け、内側と外側を回り込むように膝上へ貼付。お皿を「U字」で囲む形 |
| 3.下方向からの支えを貼る | 脛骨粗面から上方向へ貼付。下から上へ持ち上げるように支える貼り方 |
| 4.隙間を補強する | 内側・外側に短いテープを追加し、ズレや弱い部分を補強。ただし重ねすぎに注意 |
| 5.なじませる | テープの表面を手のひらで軽くこすり、体温で粘着を安定させる。剥がれるのを防止 |
オスグッドに対するテーピングは、膝蓋腱への負担を和らげ、運動時のサポートを目的として行います。使用するテープはキネシオロジーテープや伸縮性テープが適しており、あらかじめ25〜50mm幅で膝を覆える長さに切っておきましょう。
角を丸くカットすると剥がれにくくなります。貼付時は膝を軽く曲げ、皮膚を清潔にした状態で行うことが重要です。強く引っ張りすぎず、仮止め後に動きを確認します。長時間の貼付は避け、練習や試合後には速やかに外すことが大切です。
かゆみや発疹が出た場合は直ちに使用を中止してください。テーピングは膝へのストレスを軽減する補助的手段であり、根本的な治療ではありません。痛みや腫れが強い場合は整形外科を受診しましょう。
オスグッドのテーピングで期待できる効果
| 期待できる効果 | 詳細 |
|---|---|
| 膝蓋腱への負担を軽減する | 膝蓋腱への引っ張りを分散し、局所の負担を軽くする効果 |
| 運動時の動きをサポートする | 膝関節の安定性を高め、動作時のブレを抑える効果 |
| 大腿四頭筋の牽引を調整する | 大腿四頭筋から膝蓋骨への引っ張りを適切に整える作用 |
| セルフケアとして活用できる | 日常生活や運動時に簡単に実践できる補助的ケア方法 |
テーピングは、膝蓋腱や大腿四頭筋の動きをサポートし、成長期に多いオスグッド病による不快感を和らげます。膝の下部にかかる牽引力を分散させ、過度な引っ張りを抑えることで、練習時の動作をスムーズにします。
また、筋肉の緊張を和らげる作用があり、姿勢やフォームの乱れを防ぐ効果が期待できますが、テーピングは一時的なサポートにすぎません。使用中は無理をせず、運動量の調整やストレッチ、リハビリなどと組み合わせることが重要です。
以下の記事では、オスグッドを早く治す方法について詳しく解説しています。
膝蓋腱への負担を軽減する
オスグッドは、大腿四頭筋の強い牽引が膝蓋腱を介して脛骨粗面に過度なストレスを与えることで発症します。そのため、膝蓋腱への負担を軽減することは、原因部位への直接的なアプローチとなり、痛みや炎症を抑える上で有効です。
テーピングを適切に行うことで、ジャンプやダッシュ時に膝蓋腱へ集中する力を分散させ、局所への刺激を軽減できます。また、腱付着部への繰り返し負荷を抑えることで炎症の悪化を防ぎ、運動時の違和感を和らげる効果が期待されます。
運動時の動きをサポートする
テーピングによって膝関節の安定性を高めることは、オスグッドに伴う痛みや不安定感の軽減に有効です。ジャンプや方向転換などで膝に大きな負荷がかかる際も、テーピングは関節周囲の筋肉や腱の動きを補助し、ぐらつきを抑える効果があります。
テーピングは、膝蓋腱や大腿四頭筋に集中するストレスを分散させ、適度なサポートでフォームの乱れや他部位への負荷を防ぎ、動作時の負担を軽減してスムーズな動きを保てます。
大腿四頭筋の牽引を調整する
オスグッドは大腿四頭筋の牽引による脛骨粗面への負担で発症しますが、テーピングで牽引力を調整することで過度なストレスを軽減できます。大腿四頭筋からの力を分散させることで、膝蓋腱や脛骨への局所的なストレスを和らげ、動作時に繰り返される刺激を抑制します。
さらに、成長期の柔らかい骨端部への影響を抑える効果もあり、炎症の悪化や症状の進行を防ぐ上で有効です。牽引の調整は、痛みの軽減と運動継続を両立するための重要なサポート手段です。
セルフケアとして活用できる
オスグッド病の改善には、テーピングと併せて自宅でのセルフケアが必要です。大腿四頭筋のストレッチを行い筋肉の柔軟性を高めることで、膝蓋腱への牽引力を軽減できます。
運動後や痛みが強い場合は、15〜20分程度のアイシングで炎症を抑え、安静を保つことが大切です。大腿四頭筋や膝周囲のマッサージ・筋膜リリースは、血流促進や柔軟性向上に有効です。さらに、クッション性のある靴を選び、硬い路面を避けるなど、膝への衝撃を減らす工夫も推奨されます。
テーピングは医療機関での治療を補助するものであり、正しく行えば日常生活のサポートとして有用です。ただし、痛みが強い場合や長引く場合は自己判断を避け、医師の診察を受けることが重要です。
以下の記事では、オスグッドにおけるストレッチの方法を詳しく解説しています。
オスグッドのテーピングにおける注意点
| 注意点 | 詳細 |
|---|---|
| 強く引っ張りすぎない | 過度なテンションによる血流障害や皮膚トラブルを防ぐ |
| 長時間貼りっぱなしにしない | 皮膚トラブルを防ぐため定期的に貼り替える |
| 皮膚の状態を確認する | かゆみや赤みなどの確認を怠らない |
| 貼り方を間違えないようにする | 正しい貼り方で適切なサポート効果を得る |
| テーピングだけに頼らない | 他の治療やケアと併用して根本改善を図る |
テーピングは正しく行えば有用ですが、方法を誤ると逆効果になることがあります。強く巻きすぎると血行不良や皮膚トラブルを招き、長時間貼り続けると、かぶれの原因になります。
練習や試合後は必ずテープを剥がし、皮膚を清潔に保つことが大切です。また、貼る位置や方向を誤ると十分なサポート効果が得られません。使用の目的を理解し、医師の指導のもとで正しく実施することが重要です。テーピングはあくまで補助的手段であり、痛みの改善には休養とリハビリが欠かせません。
強く引っ張りすぎない
テーピングは、強く引っ張りすぎてはいけません。過度なテンションは血流を妨げ、回復を遅らせる上に、皮膚トラブルを招くおそれがあります。
また、テープを強く貼ると膝の可動域が制限され、パフォーマンスが低下するおそれがあります。テーピングは関節の動きを補助して負担を軽減するための手段であり、強く貼ることを目的とするものではありません。
軽く伸ばして貼るだけでも十分な効果が得られるため、強く貼るほど効果があるという考えは誤りです。適切な張力と正確な貼付位置を意識することが、テーピングを効果的に活用する上で重要です。
長時間貼りっぱなしにしない
テーピングは長時間貼りっぱなしにしないことが大切です。汗や皮脂の蓄積により皮膚が刺激を受け、かゆみ、かぶれ、発赤などのトラブルを起こしやすくなります。とくに成長期の子どもは皮膚が敏感なため注意が必要です。
また、通気性の悪化により湿気や蒸れが生じ、皮膚炎の原因となることもあります。さらに、時間の経過とともにテープがずれたり剥がれたりし、サポート効果が低下します。テーピングは練習や試合など膝に負担がかかる場面で短時間の使用が望ましいです。
皮膚の状態を確認する
テーピングを行う際は、皮膚の状態を確認することが重要です。テープは直接皮膚に貼るため、子どもや敏感肌の方ではかぶれや発赤が起こりやすく、貼付前に皮膚を確認することで悪化を防止できます。
擦り傷や湿疹がある部位に貼ると治癒が遅れたり症状が悪化したりするため、事前のチェックが欠かせません。皮膚トラブルが悪化すると、テーピング自体が継続できず膝のケアに支障をきたすこともあります。
貼付前は汗や皮脂を拭き取り、清潔な状態にすることで粘着力が安定し、効果も高まります。発赤やかゆみを感じた場合はすぐに使用を中止し、必要に応じて医師への相談が大切です。
貼り方を間違えないようにする
| ポイント | 詳細 |
|---|---|
| 膝を約90度に曲げた状態で貼ること | 膝を約90度に曲げ安定した体勢で行う。痛みあれば無理せず角度調整 |
| テープの引き加減は強すぎずに適度 | 最大伸縮率の約80%程度で貼り、血行障害防止 |
| テープの端は1~2cmは引っ張らずに貼る | 始まりと終わりは引っ張らず優しく貼り皮膚のかぶれ防止 |
| お皿の下の骨っ張り部分を包み込むように貼る | Y字にカットしたテープで膝蓋骨内外側を通し骨の出っ張りを押さえるようにする |
テーピングは貼る位置や方向、張りの強さによって効果が大きく変化します。誤った貼り方は十分な効果を得られないだけでなく、膝への負担や可動域の制限を招くおそれがあるため、貼付前に正しい手順を確認し、動画や図解を参考に練習することが大切です。
貼付後は膝の屈伸を行って違和感がないかを確認し、動かしにくい場合は貼り直しが必要です。自己流のまま続けると誤った方法が習慣化するため、定期的に正しい貼り方を見直すようにしましょう。
テーピングだけに頼らない
テーピングは膝への負担を軽減する有効な手段ですが、根本治療にはなりません。オスグッド病は成長期にみられる骨や筋肉のアンバランスが原因であり、テーピングだけで改善することは困難です。
症状が強い場合は、運動量の調整や休養が必要です。また、大腿四頭筋の柔軟性を高めるストレッチや、体幹・下肢の筋力バランスを整えるリハビリを併用することで、長期的な回復につながります。痛みが続く場合や悪化する場合は、医療機関での評価を受けることが重要です。
テーピングはあくまで補助的な手段であり、休養・リハビリ・医師の診察と組み合わせることで、より効果的な改善が期待できます。
適切なテーピングでオスグッドの悪化を防ごう
オスグッドは成長期の一時的な症状であることが多いですが、対応を誤ると長期化するおそれがあります。テーピングを正しく活用すれば、日常動作や練習時の膝への負担を軽減し、悪化を防止できます。大切なのは、テープを貼ることよりも、適切な使い方を理解することです。
テーピングだけで改善が難しいオスグッドについてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、オスグッドに対して再生医療を用いた治療をご提案しています。再生医療は、オスグッド病における膝蓋腱付着部から脛骨粗面にかけて生じる炎症や微小損傷、治癒遅延に対して行う治療です。
PRP(多血小板血漿)などの生体由来製剤を用い、成長因子の作用によって腱付着部の炎症を抑制し、組織の修復を促進することを目的としています。すべての症例に適応できるわけではありませんが、症状や状態に応じて治療の選択肢として検討できます。
ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。
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オスグッドのテーピングに関するよくある質問
オスグッドはテーピングをすれば練習や試合に出ても大丈夫ですか?
テーピングは膝蓋腱への負担を一時的に軽減し、運動中のサポートとして有効ですが、根本的な治療ではありません。
症状が軽い場合は補助として練習や試合を続けられますが、痛みが強い場合は運動量を減らし、医療機関で適切な診断を受けることが大切です。
オスグッドに対してテーピング以外に有効な対策や治療法はありますか?
テーピングはあくまで補助的な手段であり、根本的な改善には総合的なケアが欠かせません。まず、練習や試合の負荷を調整し、膝への繰り返し刺激を減らすことが基本です。
あわせて、大腿四頭筋など太ももの前面を中心にストレッチを行い、柔軟性を高めます。運動後にはアイシングで炎症の悪化を防ぐことが有効です。
症状が続く場合は整形外科を受診し、適切な治療を受けましょう。
















