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腰痛に温泉は効果ある?悪化させないための注意点を解説

腰痛温泉
公開日: 2025.12.31

腰痛を和らげる有効な手段のひとつが「温泉療法」です。

温泉には、体を芯から温めて血行を促進し、筋肉の緊張をほぐす効果があり、腰痛のセルフケアとして取り入れる人も多くいます。

ただし、利用方法を間違えると、かえって症状を悪化させる恐れもあるため注意が必要です。

本記事では、温泉の効果的な活用法から入浴時の注意点、入浴後のケア方法まで詳しく解説します。

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腰痛改善に温泉は効果あり!3つの効果を解説

慢性的な腰の痛みに悩んでいる方にとって、温泉療法は痛みを和らげるための選択肢のひとつです。

実際に、慢性腰痛の方を対象とした研究では、温泉に入ることで得られる痛みの軽減効果が、長期間にわたって続くことが示されています。(文献1

温泉が腰痛に働きかける主な効果は、以下の3つです。

  • 血行が促進される「温熱効果」
  • 浮力で腰への負担を減らせる「浮力効果」
  • 痛みが和らぐ「リラックス効果」

では、3つの効果をより詳しく見ていきましょう。

温熱効果

温泉の「温熱効果」は、慢性腰痛に伴う鈍い痛みを和らげる方法として有効です。

お湯に浸かって体が温まると、血管が広がって血行が促され、筋肉のこわばりが和らぎやすくなります。

温熱によって期待できる主な効果は以下の通りです。

  • 痛みを和らげる作用がある
  • 筋肉や関節のこわばりが軽くなる
  • 動きはじめのつらさを減らせる

腰が重だるい、動かすとこわばるといった慢性腰痛の症状改善に温熱効果は役立ちます。

浮力効果

首まで湯船に浸かると、浮力の作用で体重が空気中の約9分の1程度になるといわれています。

たとえば、体重70kgの人であれば、水中では実際の重さが7〜8kg程度に感じられるわけです。(文献2

体が軽く感じることで、腰を支える関節や筋肉への負担が減り、関節の痛みや筋肉のこわばりが和らぎやすくなります。

ストレス軽減効果

温泉は心身の緊張をほぐし、腰痛のつらさを軽減する効果が期待できます。

温熱・浮力・静水圧の作用により筋肉のこわばりがゆるみ、リラックスしやすくなるのです。

さらに、湯けむりや水の音、自然の風景も、心理的な安心感を高める要素になります。

日本温泉協会によると、温熱によって痛みを伝える神経が鈍くなり、痛みとストレスの軽減が腰痛の緩和につながるとしています。(文献3

温泉はすべての腰痛に効果があるわけではない

温泉は腰痛対策として取り上げられることが多いものの、すべての腰痛に対して効果があるとは限りません。

ここでは、「慢性腰痛」と「急性腰痛」に分けて、温泉で温めるべきかを解説します。

温泉は慢性腰痛に効果あり

3か月以上腰の痛みが続いている慢性腰痛のある人には、温泉を活用した「温めるケア」が痛みの緩和に効果を発揮する場合があります。

ぬるめの湯にゆっくり浸かることで、血流が良くなってこわばった筋肉がゆるみ、腰の重だるさや鈍い痛みが軽減されると考えられているのです。

ただし、効果の感じ方や持続期間には、個人差があります。

また、痛みが落ち着いている状態である必要があり、お湯の温度や入浴時間などにも注意しましょう。

慢性腰痛の治療については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

急性腰痛はアイシングが基本

急性腰痛の場合は、温めるよりも冷やすケアが基本です。

突然強い痛みが出る状態は腰に炎症が起きており、温泉で温めて血流が増えると、かえって腫れや痛みが悪化する恐れがあります。

腰痛の発症直後はお湯で温めずに、氷のうや保冷剤で患部を冷やす「アイシング」を行いましょう。

ただし、身体の冷やしすぎは良くありません。冷やすのは痛めた直後に限定し、慢性腰痛へ移行したら温泉で温める方法に切り替えましょう。

腰痛に効果的な温泉の入り方

腰痛のセルフケアとして温泉を取り入れる場合、温度や時間、入浴の姿勢、入るタイミングを意識することが大切です。

ここでは、腰痛に悩む人が温泉を利用するときに押さえておきたいポイントを解説します。

37~40℃のぬるめのお湯がベスト

腰痛を和らげる目的で温泉に入る場合は、37〜40℃ほどの少しぬるいと感じる温度が理想とされています。

体をゆっくりと温めることで筋肉のこわばりがほぐれやすくなるため、腰の重だるさを軽減する効果が期待できるのです。

一方で、熱すぎるお湯には注意が必要です。高温の湯だと体の表面だけが急速に温まり、入浴後に体温が急激に下がりやすくなります。

急な冷えにより筋肉が再び緊張し、腰の痛みをぶり返す恐れがあるため注意しましょう。

15~20分程度浸かる

温泉に入る時間も、腰痛ケアでは大切なポイントです。

温泉の温度にもよりますが、はじめは3~10分程度とし、慣れてきたら15~20分程度に伸ばしましょう。(文献4

短すぎると温まりが不十分で血行促進や筋肉の緩和効果が得にくくなりますし、長く浸かりすぎると体力を消耗して逆効果になります。

体調やのぼせやすさに応じて調整し、途中で一度湯船から上がって休憩を挟むなど、無理のない範囲で入浴を楽しみましょう。

体に負担をかけない姿勢で入る

腰痛がある人にとって、温泉に入るときの姿勢も重要です。

湯船には足からゆっくり浸かり、少しずつ体をお湯に慣らす入り方が推奨されています。

いきなり肩まで浸かると、心臓や筋肉への負担が大きくなるため、とくに腰痛のある人は要注意です。

また、入浴中は腰に無理な負担がかからない姿勢を意識してください。

浴槽の縁にもたれて背中を支えたり、浅い場所で膝を軽く曲げて腰を安定させたりすると、筋肉が緩みやすくなります。手すりや段差も活用して、体を支えやすい姿勢で入りましょう。

さらに、長時間同じ姿勢を保つのは避け、体を預けられる安定した場所を選ぶことも大切です。

就寝する1~2時間前までに入浴する

入浴は、就寝の1〜2時間前までに済ませるのが理想です。(文献5

いったん上がった深部体温が1〜2時間の間に自然と下がり、眠気が訪れやすくなります。

一方、寝る直前の入浴では体温が高いまま布団に入ることになり、寝つきが悪くなるほか、浅い眠りが続く可能性があるため注意が必要です。

風呂上がりに汗をかいて、体の火照りが引くのには2時間ほどかかる点に留意しておきましょう。

腰痛のある人にとって、睡眠中の回復はとても重要です。入浴のタイミングを考慮し、腰痛の緩和だけでなく質の良い睡眠にもつなげていきましょう。

温泉で腰痛を悪化させないための注意点

温泉は腰痛を和らげる効果が期待できる一方で、入り方を誤ると痛みが強くなる場合もあります。

とくに、湯冷めや水分不足、強い刺激などは、腰への負担や体調悪化につながるため注意が必要です。

ここでは、腰痛を悪化させないために押さえておきたい、温泉利用時のポイントをご紹介します。

湯冷めに注意する

腰痛緩和のために温泉へ入った後は、湯冷めを防ぐことが重要です。

温泉から出た後に急激に体温が下がると、腰痛が悪化する恐れがあります。

表面の水滴をきちんと拭き取り、衣類やタオルで体を温かく保ち、せっかく温めた腰を冷やさないように注意しましょう。

温泉地までの移動で腰に負担をかけない

腰痛がある人は、温泉の入り方に加えて移動中の負担にも気を付けましょう。

長時間同じ姿勢で乗り物に座っていると筋肉がこり固まり、腰痛が悪化する場合があるのです。

とくに、夜行バスのように姿勢を変えにくい移動手段は避けてください。できるだけ近場で通いやすい温泉を選ぶと、腰への負担を減らす工夫になります。

しっかり水分補給する

温泉やサウナを利用すると汗を多くかいて、体内の水分バランスが崩れやすくなります。

体内の水分量の低下は筋肉のこわばりや疲労感を招き、腰痛を悪化させる一因になります。

温泉やサウナに入る前後はしっかりと水分補給することが大切です。

また、ミネラルを補給するためにも、栄養バランスに配慮した食事を心がけましょう。

ジェット噴射を患部に当てない

腰に痛みを感じるときに、温泉のジェット噴射を腰へ当てた経験がある方もいるのではないでしょうか。

しかし、ジェット噴射の刺激がかえって症状を悪化させる恐れがあるため注意が必要です。

痛みが出ている部位は、刺激に過敏な状態にあります。

強い水圧を当てると筋肉や関節の表面がダメージを受け、強いマッサージ後の揉み返しのような反応が起こる可能性があるのです。

腰に痛みがあるときは、体への刺激をできるだけ避けるようにしましょう。

温泉に入った後にお酒を飲まない

入浴後のお酒を楽しみにしている方も多いと思いますが、腰痛が悪化しそうなときには控えることが推奨されています。

アルコールには脱水作用があり、体内の水分バランスを崩すことで腰痛やぎっくり腰を悪化させる恐れがあるのです。

とくに、腰の状態が不安定なときは、入浴時に限らず飲酒を控えましょう。

腰痛予防を目的に温泉を利用するわけですから、アルコールではなく水分補給と休息を優先してください。

腰痛持ちに効果的な温泉に入った後のセルフケア

温泉に入った後は、腰の状態を整えるセルフケアも大切です。ここでは、腰痛持ちの方が取り入れやすい方法をご紹介します。

マッサージする

温泉で体が温まったあとは、軽いマッサージで腰まわりの筋肉をほぐすと効果的です。

手のひらや指の腹を使って、腰をやさしく押したり、円を描くようにさすったりしましょう。

強く押しすぎず、心地よく感じる程度の力で行うのがポイントです。マッサージを入浴後の習慣にすれば、リラックス効果をより高められます。

ツボを押す

腰痛対策として、ツボを使ったセルフケアも有効な方法のひとつです。

腰に関係するツボとしては、背中の下部にある「胃兪(いゆ)」や「腎兪(じんゆ)」が知られています。

親指や指の腹で、痛気持ちいいと感じる程度の強さで数秒ずつ押しましょう。

とくに入浴後は筋肉が温まった状態であり、ツボを押すタイミングとして適しています。

無理に強く押さず、体の反応を見ながらやさしく行うのがポイントです。

温かいタオルや湿布を当てる

温泉から上がった後は、腰まわりを温かいタオルや温湿布で保温すると効果的です。

温めたタオルを腰に当てることで血行が良くなり、筋肉の緊張がほぐれやすくなります。

入浴後に体を冷やさないことは、腰痛の悪化を防ぐ上で重要です。

心地よい温かさを保ちながら、無理のない姿勢でしばらく休息をとるようにしましょう。

慢性腰痛でお悩みの方は「再生医療」をご検討ください

慢性腰痛が続いているものの、持病などの事情で手術が難しい方は「再生医療」をご検討ください。

再生医療は、本来の機能を失った組織や細胞に対して、自分自身の幹細胞や血液を用いる治療法です。身体への負担が少なく、治療による日常生活への影響をできるだけ抑えたい方に適しています。

たとえば、「椎間板ヘルニア」や「腰椎すべり症」など、背骨の構造そのものに変化が生じているケースでは「幹細胞治療」が用いられています。

幹細胞治療とは、患者様自身の幹細胞を採取して培養した後、痛みの原因となる部位に注射する再生医療のひとつです。

腰の痛みに関する再生医療についてもっと詳しく知りたい方は、以下のページも参考にしてみてください。

手術しなくても治療できる時代です。

腰の痛みは手術しなくても治療できる時代です。

まとめ|腰痛改善に温泉を活用しよう

慢性腰痛の緩和には、温泉の温熱効果で血行を促進させ、筋肉の緊張を和らげるのが有効です。

ぬるめのお湯にゆっくり浸かれば、腰への負担を抑えながらリラックスできます。

ただし、急性腰痛や強い痛みがある場合は無理をせず、まずは専門医に相談しましょう。

また、手術に頼らず慢性腰痛を改善したい方には、再生医療という選択肢もあります

当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施していますので、ぜひご利用ください。

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参考文献

(文献1)
温泉の治療と健康増進の効果に関する無作為化比較試験のシステマティック・レビュー|日本温泉気候物理医学会雑誌

(文献2)
お風呂の効能を知る!|京都市上下水道局

(文献3)
温泉の温熱効果で健康になろう!!|日本温泉協会

(文献4)
温泉で注意すること(入浴編)|日本温泉協会

(文献5)
生活習慣病などの情報|厚生労働省