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股関節の痛みは、歩く・立ち上がる・階段を上るといった日常動作に支障をきたし、生活の質を大きく低下させる症状です。 股関節が痛くなる原因は、筋肉の疲労から関節の変形、神経の圧迫までさまざまです。原因によって適切な対処法が異なるため、自己判断だけでは改善が難しいケースもあります。 本記事では、股関節が痛いときに確認すべきポイント、考えられる原因と受診の目安、自宅でできる応急処置とストレッチについて詳しく解説します。痛みを放置すると症状が悪化する可能性があります。まずは原因を整理し、適切な対処につなげていきましょう。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 股関節の痛みでお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 股関節が痛いときに確認すべき3つのポイント 股関節の痛みを医師に相談する際、痛みの特徴を整理しておくと診察がスムーズに進みます。以下3つのポイントを確認しておきましょう。 痛みの場所を特定する(鼠径部・外側・後ろ側) 痛みが出るタイミングを確認する(動作時・安静時・夜間) 痛みの種類を見極める(鋭い痛み・鈍痛・しびれ) それぞれ詳しく解説します。 1.痛みの場所を特定する(鼠径部・外側・後ろ側) 股関節の痛みは、痛む場所によって考えられる原因が異なります。 痛みの場所 考えられる主な原因 鼠径部(足の付け根の前側) ・変形性股関節症 ・股関節唇損傷 ・腸腰筋の炎症 股関節の外側 ・中殿筋・小殿筋の炎症 ・大転子滑液包炎 お尻・後ろ側 ・坐骨神経痛 ・梨状筋症候群 ・腰椎疾患からの関連痛 「股関節が痛い」と感じていても、実際には腰や臀部の筋肉、神経が原因となっているケースもあります。痛みの場所を具体的に言語化しておくと、診察時に医師へ伝えやすくなります。 2.痛みが出るタイミングを確認する(動作時・安静時・夜間) 痛みが出るタイミングも、原因を推測する重要な手がかりです。 痛みのタイミング 考えられる状態 動き始めに痛い ・関節のこわばり ・変形性股関節症の初期 動作中・歩行中に痛い ・筋肉の疲労 ・関節への負担 安静時も痛い ・炎症が強い状態 ・疾患の進行 夜間に痛みで目が覚める ・関節の変形が進行している可能性 ・大腿骨頭壊死症 とくに、安静にしていても痛みが続く場合や、夜間に痛みで目が覚める場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 3.痛みの種類を見極める(鋭い痛み・鈍痛・しびれ) 痛みの「質」も、医師が原因を考える上で重要な情報となります。 痛みの種類 特徴と考えられる原因 ズキッとした鋭い痛み ・急性の炎症 ・関節唇損傷 ・骨の異常 重だるい鈍痛 ・筋肉の疲労 ・慢性的な炎症 しびれを伴う痛み 神経の圧迫(坐骨神経痛、腰椎疾患) これらの情報はあくまで原因を考える際の参考です。自己判断で病名を決めつけず、気になる症状がある場合は医療機関を受診しましょう。 股関節が痛いときの主な原因と病院を受診すべき症状 股関節の痛みを引き起こす原因は多岐にわたります。ここでは、代表的な5つの原因と、それぞれの受診すべき症状について解説します。 筋肉の疲労や炎症による痛み 腰椎疾患からの関連痛 変形性股関節症による痛み 関節リウマチによる痛み 大腿骨頭壊死症による痛み 以下の記事では、股関節に関連する病気を一覧で解説しているので、ぜひ参考にしてください。 筋肉の疲労や炎症による痛み 股関節周辺の筋肉(腸腰筋、中殿筋、大腿四頭筋など)に過度な負担がかかると、疲労や炎症によって痛みが生じます。 以下の表を参考にし、医療機関への受診を検討してください。 項目 内容 主な原因 ・運動のやりすぎ ・長時間の同じ姿勢 ・準備運動不足 症状の特徴 ・動かすと痛い ・押すと痛い箇所がある ・安静で改善 受診すべき症状 ・2週間以上痛みが続く ・徐々に悪化 ・日常生活に支障 なお、筋肉疲労による痛みは、安静やストレッチで改善することが多いです。ただし、痛みが長引く場合は他の疾患が隠れている可能性があるため、医療機関を受診しましょう。 腰椎疾患からの関連痛 股関節が痛いと感じていても、実際には腰椎の疾患が原因となっているケースがあります。これを「関連痛」と呼びます。 腰椎疾患からの関連痛に関しては、以下の表を参考に判断してください。 項目 内容 主な原因 ・腰椎椎間板ヘルニア ・脊柱管狭窄症 ・坐骨神経痛 症状の特徴 ・腰・太もも・ふくらはぎにも痛みやしびれ ・股関節を動かしても痛みが変わらない 受診すべき症状 ・しびれが強い ・足に力が入りにくい ・排尿・排便に異常 なお、腰椎疾患が原因の場合、股関節だけを治療しても改善しません。腰部の症状を伴う場合は、整形外科でMRI検査などを受け、適切な診断をしてもらいましょう。 変形性股関節症による痛み 変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)は、股関節の軟骨がすり減り、骨同士が接触することで痛みや動きの制限が生じる疾患です。中高年の女性に多くみられます。(文献1) 変形性股関節症による痛みの特徴や受診すべき症状は、以下の表を参考にしてください。 項目 内容 主な原因 ・加齢 ・臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん) ・過去の股関節疾患や外傷 症状の特徴 ・動作開始時の痛み ・長時間歩くと痛む ・朝のこわばり ・靴下が履きにくい 受診すべき症状 ・可動域の制限が進行 ・歩行距離が短くなる ・夜間痛 変形性股関節症は進行性の疾患です。早期に発見し適切な治療を受けることで、症状の進行を遅らせることが期待できます。 変形性股関節症について詳しく知りたい方は、以下の症例記事をご覧ください。 関節リウマチによる痛み 関節リウマチは、免疫系の異常により自分自身の関節を攻撃してしまう自己免疫疾患で、進行すると関節の破壊につながる可能性があります。そのため、早期発見・早期治療が重要です。 関節リウマチの主な原因や症状は、以下のとおりです。 項目 内容 主な原因 免疫系の異常(自己免疫疾患) 症状の特徴 ・朝のこわばりが30分~1時間以上 ・複数の関節が同時に痛む ・関節の腫れや熱感 受診すべき症状 ・朝のこわばりが続く ・複数の関節に症状 ・微熱や全身倦怠感 複数の関節に症状がある場合は、早めにリウマチ科や整形外科を受診しましょう。 以下の記事では関節リウマチの症例を紹介しています。ぜひ参考にしてください。 大腿骨頭壊死症による痛み 大腿骨頭壊死症は、大腿骨頭への血流が途絶え、骨組織が壊死する疾患です。早期であれば保存療法や骨切り術などの治療の選択肢がありますが、進行すると人工関節置換術が必要になることもあるため、早めの受診が重要です。 大腿骨頭壊死症の主な原因や症状の特徴は以下のとおりです。 項目 内容 主な原因 ・ステロイド薬の長期使用 ・過度の飲酒 ・外傷 ・特発性(原因不明) 症状の特徴 ・初期は無症状 ・進行すると急激な鼠径部の痛み ・荷重時の痛み 受診すべき症状 ・突然の強い痛み ・歩行困難 ・安静時も痛みが続く 股関節に「突然の強い痛み」がある場合は、早めに整形外科を受診しましょう。 以下の記事では、大腿骨頭壊死症の治療法について詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。 急に股関節が痛くなったときの応急処置4ステップ 急な股関節痛に見舞われたとき、適切な初期対応が症状の悪化を防ぎます。具体的には、以下の4ステップで対処しましょう。 ステップ1:患部を安静にして負担を減らす ステップ2:痛みの程度に応じて冷却か温熱を選ぶ ステップ3:市販の鎮痛剤を活用する ステップ4:痛みが引かない場合は早めに受診 それぞれのステップを具体的に解説します。 ステップ1:患部を安静にして負担を減らす 股関節の痛みがひどい急性期は、基本的に痛みがある動作を避け、股関節への荷重を最小限にしましょう。 具体的には、以下の内容を参考にしてください。 項目 内容 具体的な方法 ・横になって休む ・杖や歩行補助具を使用 ・階段の利用を控える 安静期間の目安 ・急性期は48〜72時間を目安に負担を避ける ・それ以降は徐々に活動を再開 注意点 長期間の完全安静は筋力低下を招くため、痛みの範囲内で軽い動きは維持する 痛みを我慢して無理に動くと、患部の炎症が悪化する可能性があります。まずは安静を優先しましょう。 ステップ2:痛みの程度に応じて冷却か温熱を選ぶ 痛みの状態によって、冷やすべきか温めるべきかが異なります。 冷却か温熱の判断基準は、以下を参考にしてください。 対処法 状態 方法 冷却 ・急性期(発症後48時間以内) ・腫れや熱感 ・鋭い痛み 氷嚢や保冷剤をタオルで包み、15〜20分間当てる(1日数回) 温熱 ・慢性的な痛み ・筋肉のこわばり ・鈍い痛み 温湿布や入浴、ホットパックで温める なお、冷却時は凍傷に注意し、長時間の使用は避けてください。 ステップ3:市販の鎮痛剤を活用する 痛みが強い場合は、市販の鎮痛剤(内服薬や湿布)の活用で、一時的に痛みを和らげられます。 項目 内容 使用できる薬 ・消炎鎮痛剤(内服薬) ・湿布 ・塗り薬 使用時の注意 ・用法・用量を守る ・食後に服用 ・長期間の使用は避ける 重要な点 鎮痛剤は痛みを抑えるものであり、原因を治療するものではない なお、痛みが一時的に和らいでも、根本的な原因が解決したわけではありません。 ステップ4:痛みが引かない場合は早めに受診 応急処置をしても痛みが改善しない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。受診の目安は以下を参考にしてください。 項目 内容 受診の目安 ・2〜3日経っても改善しない ・徐々に悪化している 緊急受診が必要な症状 ・歩けないほどの激痛 ・発熱や腫れ ・しびれや脱力感 ・外傷後の痛み 受診する診療科 ・基本は整形外科 ・月経関連や下腹部痛を伴う場合は婦人科も検討 受診時に伝えること ・痛みの場所 ・タイミングやきっかけ ・既往歴 ・服用中の薬 鎮痛剤を自己判断で長期間使い続けず、改善しない場合は早めに専門医へ相談することが大切です。 股関節痛を和らげる3つのストレッチ 股関節周辺の筋肉をほぐすストレッチは、痛みの緩和や予防に効果が期待できます。ここでは、自宅で簡単にできる3つのストレッチを紹介します。 椅子に座りながら行う股関節ストレッチ 寝ながら行う股関節ストレッチ うつ伏せで行う股関節ストレッチ なお、痛みが強い場合(急性期、炎症が強い時期)は、ストレッチを行わないでください。無理にストレッチをすると、症状が悪化する可能性があります。 痛みが落ち着いてから、無理のない範囲で行いましょう。 椅子に座りながら行う股関節ストレッチ 椅子に座ったままできる「股関節の可動域を広げるストレッチ」です。オフィスや自宅で、仕事の合間に取り入れてみましょう。 具体的な手順は、以下を参考にしてください。 用意するもの:テニスボール1個(少し空気の抜けた柔らかい状態のものがおすすめ) 椅子に座り、片方のお尻の下にテニスボールを置く お尻の出っ張り(坐骨)のやや外側にボールが当たるように位置を調整する 可能であれば、前後左右に体をゆっくり揺らしてお尻の筋肉をほぐす 10秒程度続ける 反対側も同様に行う 朝・昼・晩と1日3回行うと効果的です。強く押しすぎると筋肉を傷める可能性があるため、「痛気持ち良い程度」の圧で行いましょう。 痛みが強い場合は、無理をせずに中止してください。 寝ながら行う股関節ストレッチ 寝た状態で行う、股関節の外側を伸ばすストレッチです。腰への負担が少なく、初心者の方にもおすすめです。 具体的なストレッチの手順は、以下を参考にしてください。 床やマットの上に仰向けになり、手のひらは自然に床につけてリラックスする 両膝を曲げて立て、足の裏をしっかり床につける(足は肩幅よりやや広めが安定する) 息を吐きながら、両膝をそろえたまま左右にゆっくり倒す 倒した方向の股関節外側がじわっと伸びるのを感じる 胸や肩が床から浮かないように意識する 左右交互に5〜10回ずつ繰り返す 膝を倒すときは、上半身をねじりすぎないことが大切です。胸や背中が床から離れないように意識しながら行いましょう。 痛みがある場合は無理をせず、心地よく伸びる範囲で行ってください。 うつ伏せで行う股関節ストレッチ 「あぐらがかきにくい」「股関節の動きが片方だけぎこちない」と感じる方におすすめのストレッチです。股関節の「内旋(内側にねじる動き)」を改善します。 ストレッチの手順は、以下を参考にしてください。 四つん這いになり、手と膝は肩幅・腰幅くらいに開いて安定させる 片脚をまっすぐ後ろに伸ばす 伸ばした脚を、内側にひねるようにゆっくり動かす 元の位置に戻し、反対の脚も同様に行う 左右3回ずつを目安に繰り返す 上記ストレッチで股関節の「ねじれ」を調整すると、日常の動作がスムーズになりやすいです。また、お尻の深部にある筋肉(梨状筋など)が刺激され、腰痛予防にも効果が期待できます。 以下の記事では股関節のストレッチ方法を詳細に解説しています。ぜひ参考にしてください。 股関節の改善しない痛みに再生医療という選択肢 股関節の痛みは、ストレッチや保存療法を続けても十分な効果が得られない場合があります。 そのようなケースでは、手術以外の選択肢として「再生医療」が検討されることがあります。 再生医療とは、人間が本来持っている自己修復力を活かす治療法です。患者様ご自身の細胞や血液成分を用いるため、拒否反応のリスクが少ないのが特徴です。 保存療法では思うように改善せず、かといって手術には抵抗がある方は、再生医療を選択肢の一つとして検討してみてください。 股関節の再生医療について詳しく知りたい方は、以下のページも参考にしてください。 まとめ|股関節が痛いときは原因の整理と早めの対処が大切 本記事では、股関節が痛いときの原因と対処法について解説しました。 股関節の痛みは、筋肉の使いすぎによるものから、関節や神経の異常が関係しているケースまで、原因はさまざまです。痛みの場所や出るタイミング、症状の特徴を整理することで、原因の見極めにつながります。 なお、急な痛みの場合は安静や冷却などの保存療法が基本ですが、数日経っても改善しない場合は早めに医療機関を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報の提供や簡易オンライン診断を行っております。 股関節の痛みでお悩みの方は、ぜひご登録ください。 股関節が痛いに関するよくある質問 股関節が右(左)だけ痛い場合はどうすればいい? 股関節が片側だけ痛む場合は、生活習慣の影響が多いものの、病気が隠れていることもあるため注意が必要です。 股関節の痛みが右または左のどちらか一方だけに現れることは珍しくありません。 原因としては、足を組む、片足に体重をかけて立つといった生活習慣のクセや、筋力の左右差、片側に負担がかかるスポーツや作業などが挙げられます。 一方で、変形性股関節症や大腿骨頭壊死症は、初期段階では片側から症状が出ることもあります。 まずは日常生活で左右均等に体重をかけることを意識し、生活習慣を見直しましょう。それでも痛みが2週間以上続く場合や悪化する場合は、整形外科を受診し、レントゲンやMRI検査で原因の確認が大切です。 股関節が痛いときにストレッチはしてもいい? 股関節が痛いときにストレッチをして良いかどうかは、痛みの状態によって異なります。 痛みの状態 ストレッチの可否 急性期(発症後48時間、炎症が強い時期) ストレッチは避け、安静と冷却を優先 慢性期(鈍痛、筋肉のこわばり) 痛みの範囲内で軽いストレッチは有効 なお、ストレッチ実施時には、以下の点に注意してください。 痛みが増す場合はすぐに中止する 反動をつけない 無理に伸ばさない ストレッチをして良いかどうかの判断に迷う場合は、医師や理学療法士に相談してから行いましょう。 子どもが股関節が痛いと言うときはどう対応する? 子どもの股関節痛は、一時的な炎症など安静で自然に改善するケースが多いです。 軽い痛みで元気がある場合は、1〜2日様子を見ても問題ありません。ただし、以下のような症状がある場合は、早めに小児科または整形外科を受診しましょう。 発熱を伴う 歩けない、歩きたがらない 片足を引きずる 痛みが数日経っても改善しない 子どもは症状をうまく言葉で伝えられないことが多いため、「いつもと様子が違う」と感じたら、一度医師に相談しておくと安心です。 参考文献 (文献1) 「変形性股関節症」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる
2026.01.31 -
- 股関節、その他疾患
- 股関節
「最近、股関節が硬くなってきた気がする」「腰や膝に痛みを感じることが増えた」とお悩みではありませんか。 股関節は上半身と下半身をつなぐ重要な関節であり、硬くなると腰痛や膝痛、姿勢の悪化など、さまざまな不調を引き起こす原因となります。 しかし、股関節の柔軟性は、自宅で1日数分のストレッチを続けることで改善が期待できます。 本記事では、寝ながら・座りながらできる股関節ストレッチの正しいやり方と注意点、痛みがある場合の対処法について詳しく解説します。無理なく続けられる方法を知り、股関節の柔軟性を高めていきましょう。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 股関節の痛みでお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 股関節が硬くなる原因とストレッチの効果 股関節が硬くなる主な原因は、以下の3つです。 デスクワークによる長時間の座位姿勢 加齢に伴う筋肉の柔軟性低下 運動不足による筋力の衰え とくにデスクワークが中心の方は、股関節を曲げた状態が長時間続くため、股関節周辺の筋肉が縮んだまま硬くなりやすい傾向があります。 なお、股関節が硬くなると、以下のような不調が現れやすいです。 腰痛や膝痛 姿勢の悪化(猫背、反り腰) 歩幅が狭くなる つまずきやすくなる 下半身の冷えやむくみ これらの不調を予防・改善するためには、股関節のストレッチが有効です。ストレッチで期待できる効果を以下の表にまとめました。 効果 内容 可動域の改善 股関節周辺の筋肉がほぐれ、動かせる範囲が広がる 血行促進とむくみ解消 筋肉の緊張がゆるみ、血液やリンパの流れが良くなる 姿勢改善 骨盤の位置が整い、正しい姿勢を保ちやすくなる 基礎代謝アップ 大きな筋肉を動かすことで、エネルギー消費が増える なお、股関節の柔軟性を保つことは大切ですが、股関節に負担がかかりにくい椅子を選ぶことも重要です。以下の記事では、股関節に負担をかけない椅子の選び方を解説しています。ぜひ参考にしてください。 股関節ストレッチの正しいやり方5選 ここでは、自宅で簡単にできる股関節のストレッチを5つ紹介します。寝ながら・座りながらできる方法を中心に、無理なく続けられるものを厳選しました。 寝ながら股関節の外側ストレッチ 寝ながら膝を抱えるストレッチ うつ伏せで股関節内旋ストレッチ 座りながら股関節ストレッチ 座りながらテニスボールを使うストレッチ それぞれの手順を詳しく解説します。 1.寝ながら股関節の外側ストレッチ 寝た状態で行う、股関節の外側を伸ばすストレッチです。腰への負担が少なく、初心者の方にもおすすめです。 ストレッチの手順は、以下を参考にしてください。 床やマットの上に仰向けになり、手のひらは自然に床につけてリラックスする 両膝を曲げて立て、足の裏をしっかり床につける (足は肩幅よりやや広めが安定する) 息を吐きながら、両膝をそろえたまま左右にゆっくり倒す 倒した方向の股関節外側がじわっと伸びるのを感じる 胸や肩が床から浮かないように意識する 左右交互に5〜10回ずつ繰り返す 膝を倒すときは、上半身をねじりすぎないことが大切です。胸や背中が床から離れないように意識しながら行いましょう。 なお、痛みがある場合は無理をせず、心地よく伸びる範囲で行ってください。 2.寝ながら膝を抱えるストレッチ 膝を胸に引き寄せることで、股関節の前側(腸腰筋:ちょうようきん)とお尻(臀部:でんぶ)の筋肉をほぐすストレッチです。腰痛予防にも効果が期待できます。 ストレッチの手順は、以下のとおりです。 床またはヨガマットの上に仰向けになり、リラックスした状態で始める 片足の膝を曲げ、両手で膝の下や太ももを抱え込む (反対の足はまっすぐ伸ばす) 息を吐きながら、無理のない範囲で膝を胸に近づける お尻が床から浮かないように意識しながら、10秒間キープする ゆっくり元に戻し、反対側も同様に行う 左右1セットを2〜3回繰り返す 膝を引き寄せるときは、深呼吸をしながらリラックスして行いましょう。腰が反りすぎないよう、お腹に軽く力を入れ、床に腰をつけた状態を保つことが大切です。 3.うつ伏せで股関節内旋ストレッチ 股関節内旋ストレッチは、「あぐらがかきにくい」「股関節の動きが片方だけぎこちない」と感じる方におすすめのストレッチです。股関節の「内旋(内側にねじる動き)」を改善します。 ストレッチの手順は、以下のとおりです。 四つん這いになり、手と膝は肩幅・腰幅くらいに開いて安定させる 片脚をまっすぐ後ろに伸ばす 伸ばした脚を、内側にひねるようにゆっくり動かす 元の位置に戻し、反対の脚も同様に行う 左右3回ずつを目安に繰り返す 股関節の「ねじれ」を調整すると、日常の動作がスムーズになります。また、お尻の深部にある筋肉(梨状筋など)が刺激され、腰痛予防にも効果が期待できます。 なお、動作はゆっくりと行い、痛みを感じたら中止してください。 4.座りながら股関節ストレッチ 椅子に座ったままできるストレッチです。座り仕事の合間にも取り入れやすい方法のため、ぜひ習慣化してみてください。 ストレッチの手順は、以下のとおりです。 安定した椅子に浅めに座り、背筋を伸ばす (足の裏は床につけておく) 片脚の足首を反対の脚の太ももに乗せ、あぐらをかくような姿勢をとる できるだけ膝が横に開くように意識する 背中が丸まらないように注意しながら、息を吐きつつ胸を前に倒していく お尻の外側が伸びている感覚を大切にしながら、10秒間キープする ゆっくり元に戻し、反対側も同様に行う 左右それぞれ2セットずつ行う 胸を前に倒すときは、背中を丸めるのではなく、股関節から体を折り曲げるイメージで行いましょう。無理に深く倒す必要はなく、お尻の外側が心地良く伸びる位置でキープすることが大切です。 5.座りながらテニスボールを使うストレッチ テニスボールを使って、お尻の筋肉をほぐすストレッチです。筋肉の深部までアプローチでき、股関節周辺のこわばりを効果的にゆるめられます。 ストレッチの手順は、以下のとおりです。 椅子に座り、片側のお尻の下にテニスボールを置く 体重をかけながら、ボールを転がすようにお尻の筋肉をほぐす 痛気持ち良い程度の圧で、30秒〜1分ほど続ける 反対側も同様に行う テニスボールがない場合は、柔らかい野球ボールや専用のマッサージボールでも代用できます。強く押しすぎると筋肉を傷める可能性があるため、心地良い圧で優しく行いましょう。 なお、痛みが強い場合は中止してください。 股関節ストレッチを行う際の注意点 股関節のストレッチは、正しい方法で行えば効果的なセルフケアです。しかし、やり方を間違えると、かえって体を痛めてしまう可能性があります。 以下の注意点を守りながらストレッチを行いましょう。 痛みは我慢せずストレッチを中止する 左右バランスよく行う それぞれ詳しく解説します。 痛みは我慢せずストレッチを中止する 「痛いほど効いている」という考え方は誤りです。我慢するほどの痛みは、筋肉や関節を傷める原因になります。 正しい負荷の目安や、痛みが出た場合の対処は以下を参考にしてください。 項目 内容 正しい負荷の目安 「心地良い伸び感」や「痛気持ち良い」と感じる程度 中止すべきタイミング ・「痛気持ち良い」を超える痛み ・鋭い痛み ・関節の引っかかり感 痛みが出た場合の対処 ・すぐに中止→安静→必要に応じて冷却 ・翌日以降も痛みが続く場合は医療機関を受診 鋭い痛みや関節の引っかかり感がある場合は、関節や軟骨に問題がある可能性があります。自己判断で続けず、整形外科を受診しましょう。 左右バランスよく行う 股関節のストレッチは、必ず左右両方行うことが大切です。片側だけストレッチをすると、体の歪みを招く原因になります。 左右で硬さに差がある場合は、硬い側を先にストレッチし、硬い側のストレッチ時間を少し長めにすると効果的です。ただし、無理に柔らかい側と同じ可動域を目指す必要はありません。 なお、左右差は一朝一夕には改善しません。焦らず毎日少しずつ続けることで、徐々にバランスが整っていきます。 股関節に痛みがある場合に考えられる疾患と症例 股関節のストレッチは柔軟性の向上に有効ですが、すでに痛みがある場合は、ストレッチだけでは対応しきれないケースがあります。 股関節に痛みがある場合に考えられる代表的な疾患として、「変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)」があります。 変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減り、骨同士がぶつかることで痛みや動きの制限が生じる疾患です。日本では、とくに中高年の女性に多くみられます。(文献1) 主な原因や症状の特徴は、以下の表を参考にしてください。 項目 内容 主な原因 ・加齢 ・臼蓋(きゅうがい)形成不全 ※股関節の受け皿となる骨の発育不全 ・過去の股関節疾患や外傷 主な症状 ・歩き始めや立ち上がりの痛み ・長時間歩くと痛む ・可動域が狭くなる 受診すべきサイン ・痛みが続く ・可動域の制限が進行 ・左右の脚の長さに差が出る 変形性股関節症は進行性の疾患であり、放置すると症状が悪化する可能性があります。痛みが続く場合は、早めに整形外科を受診しましょう。 股関節に痛みを引き起こす疾患は、変形性股関節症以外にもさまざまなものがあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。 股関節ストレッチで改善しない痛みに再生医療という選択肢 股関節の痛みは、ストレッチや保存的なケアを続けても症状の改善が見込めない場合があります。そのようなケースでは、手術療法のほか、手術を避けたい方の選択肢として「再生医療」が検討されることがあります。 再生医療とは、人間が本来持っている自己修復力を活かす治療法です。患者様ご自身の細胞や血液成分を用いるため、拒否反応のリスクが少ないのが特徴です。手術以外の選択肢をお探しの方は、再生医療という新しい治療法をご検討ください。 股関節の再生医療について詳しくは、以下のページも参考にしてください。 まとめ|股関節ストレッチで柔軟性を高め健康な体を維持しよう 本記事では、股関節のストレッチの正しいやり方と注意点について解説しました。 股関節のストレッチは、日々の継続で徐々に効果を実感できるセルフケアです。1日数分でも構わないので、無理のない範囲で毎日続けましょう。 ただし、痛みを我慢してストレッチを続けるのは逆効果です。痛みが続く場合は変形性股関節症などの疾患が隠れている可能性もあるため、自己判断せず医療機関への受診を検討してください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報の提供や簡易オンライン診断を行っております。 股関節の痛みでお悩みの方は、ぜひご登録ください。 股関節ストレッチに関するよくある質問 股関節ストレッチは高齢者でも効果がある? 高齢者の方にこそ、股関節のストレッチはおすすめです。 加齢により筋肉の柔軟性は低下しますが、適切なストレッチの継続で、股関節の可動域の維持・改善が期待できます。股関節の柔軟性が高まると、歩行が安定し、転倒予防にもつながります。 ただし、高齢者がストレッチを行う際は、以下の点に注意してください。 無理な姿勢は避け、椅子に座って行うなどの安定した方法を選ぶ 反動をつけず、ゆっくりとした動作で行う 痛みを感じたらすぐに中止する 持病(高血圧、心臓病、骨粗しょう症など)がある場合は、事前に医師に相談する なお、少しでも不安なことがあれば、医療機関への受診をおすすめします。 効果が出るまでどのくらいの期間が必要? 股関節のストレッチは、効果が出るまでの期間に個人差があります。ただ、一般的には2週間〜1カ月程度が目安といわれています。 早い方では、1週間程度で「股関節が動かしやすくなった」「足が軽くなった」などの変化を感じることもあります。 ただし、長年硬くなった筋肉を柔らかくするには時間がかかるものです。「すぐに効果が出ない」と諦めず、焦らず長期的な視点で取り組みましょう。 ストレッチ中に股関節が痛くなった場合はどうすればいい? ストレッチ中に股関節が痛くなった場合は、すぐにストレッチを中止してください。 「痛気持ち良い」を超える痛みは、筋肉や関節を傷めている可能性を示す危険信号です。痛みが引くまで安静にし、以下の対応を取りましょう。 患部を無理に動かさない 痛みが強い場合は冷やす 翌日以降も痛みが続く場合は、整形外科を受診する とくに、関節の中で「ゴリゴリ」「ポキポキ」といった音がする場合や、鋭い痛みがある場合は、関節や軟骨に問題がある可能性があります。自己判断でストレッチを続けず、医療機関を受診しましょう。 参考文献 (文献1) 「変形性股関節症」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる
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股関節の奥にズキズキとした痛みがあり、整形外科で「股関節唇損傷」と診断されることがあります。 聞き慣れない病名で、治るのかもよくわからず不安に思っている方もいるのではないでしょうか。 股関節唇損傷は、スポーツだけでなく日常動作でも起こる可能性があります。 この記事では、股関節唇損傷の症状や原因、治療法、日常で避けたい動作などを解説します。 手術だけでなく、リハビリや再生医療といった選択肢も紹介するため、治療方法を見直したい人のお役に立てれば幸いです。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療に関するご相談を公式LINEで受け付けています。自分に合った治療法が知りたい方は、まずはお気軽に登録してご利用ください。 股関節唇損傷とは「股関節を安定させる軟骨が傷ついている状態」 股関節唇損傷は、関節を支えるクッションの役割をもつ「関節唇(かんせつしん)」という軟骨が傷ついた状態です。 関節唇とは? 関節唇は、関節の骨と骨のすき間をふちどるようにして囲んでいる、やわらかい軟骨です。 関節を包み込むようにして、骨の動きをなめらかにしたり、衝撃を吸収したり、股関節を安定させたりする働きをしています。(文献1) 関節唇が損傷するとどうなる? 関節唇が傷つくと、股関節の安定性が下がり、動かす際に痛みや違和感が出やすくなります。 たとえば、足の付け根の痛みや引っかかるような感覚などが特徴です。(文献1) 進行すると、軟骨がすり減ることで変形性股関節症へ進むおそれがあります。 変形性股関節症について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。 股関節唇損傷の症状 股関節唇損傷の程度や動かし方によって、痛みや違和感の出方はさまざまです。 股関節の前側や足のつけ根(鼠径部)に痛みが出ることが多く、ときにはお尻も痛むことがあります。 また、関節の安定性が失われることで、痛み以外に動かしにくさや引っかかり感といった違和感が出るのが特徴です。(文献1) 代表的な症状は以下の通りです。 足の付け根の痛み お尻の痛み 股関節のポキポキ音やパキッという音 動かしたときの引っかかり感、カクッとした動き 股関節が外れそうなぐらつき、不安定な感覚 関節が動かなくなる「ロッキング現象」 うまく股関節がはまっていないような違和感 痛みが長く続く場合は、早めの受診と適切な対応が必要となります。 股関節唇損傷の主な原因 股関節の関節唇が損傷する背景には、以下のように骨の形や動きのクセ、年齢による変化などが関係しています。 FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント) 繰り返しの動作やスポーツによる負担 加齢による変性や関節の不安定さ 各原因の特徴を、順番に見ていきましょう。 FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント) 股関節唇損傷の原因のひとつとされるのが、股関節の痛みや動かしづらさにつながるFAI(エフエーアイ:大腿骨寛骨臼インピンジメント)です。(文献1) FAIとは、股関節の骨の形により、大腿骨の先端と受け皿となる骨盤側のくぼみ(寛骨臼)がぶつかりやすくなってしまう状態です。(文献2) 関節の動きのなかで骨が繰り返し接触することで、関節唇や軟骨にストレスがかかり、少しずつ軟骨がすり減ってしまいます。 また、FAIでは、股関節の痛みに加えて、股関節を曲げられる角度が少なくなることも特徴です。 繰り返しの動作やスポーツによる負担 関節唇損傷は、小さな負荷の積み重ねも原因のひとつです。股関節を曲げたりねじったりするスポーツや仕事をしている人は、日常的に大きな負担がかかりやすい状態です。(文献1) とくに以下のような競技では、関節唇に負荷が集中しやすいといわれています。 バレエ サッカー ラグビー ゴルフ など 違和感や痛みを感じながら無理を続けると、損傷が進行するおそれがあるため、早めのケアが大切です。 加齢による変性や関節の不安定さ 関節唇は、加齢とともに変性(劣化)していき、傷つきやすくなります。 筋力が落ちて股関節をうまく支えられなくなると、関節の動きが不安定になり、そのぶん関節唇への負担も大きくなるのです。 また、交通事故や股関節の脱臼などのケガも股関節唇損傷につながります。(文献1) 年齢を重ねても股関節を守るためには、日ごろから無理のない動きと適度な筋力を保つことが大切です。 股関節唇損傷の診断方法 股関節唇損傷の診断は、症状の聞き取りや画像検査が中心です。 まずは問診で、痛みが出る動作や期間、生活の中で支障を感じる場面などを確認し、股関節を動かして痛みの場所や動きにくさを確かめる診察が行われます。 画像検査では、レントゲンで骨の形や位置を確認したあと、MRIや造影MRI(MRA)を使って関節唇や軟骨の損傷を詳しく調べます。 さらに、関節に麻酔を注射して痛みが一時的に軽くなるかを確認する股関節内ブロックテストも、診断を確定する手がかりのひとつです。(文献1) 股関節唇の治療方法 股関節唇損傷においては、痛みの程度や関節の状態に応じて、保存療法・手術・再生医療などから治療法が選ばれます。 股関節唇損傷の治療については、以下の記事でも詳しく解説しているため併せてご覧ください。 保存療法|安静・薬・リハビリ 保存療法とは、手術をせずに痛みを軽減し、関節の機能を回復させていく方法です。(文献1) あぐらやしゃがみ込みなど股関節唇への負荷がかかる動作の回避と安静 痛みや炎症を抑える薬の使用 筋力強化や動かしづらさを改善するリハビリテーション 症状を見ながら、これらを組み合わせて治療していきます。 また、以下の記事では、肩の関節唇損傷時の治療について詳しく書かれています。 併せてご覧ください。 手術療法|股関節鏡視下手術 保存療法で効果が出ない場合や損傷が広範囲な場合は、手術が検討されます。 状況に応じて、損傷部位の修復や痛み・違和感を引き起こす原因となる部分の切除などが行われます。(文献1) また、股関節唇損傷の手術では、関節鏡(内視鏡)を使った手術も選択肢のひとつです。 関節鏡視下手術は、傷口が小さく、入院期間も短くてすむのが特徴です。 再生医療|幹細胞治療 再生医療による治療は、股関節唇損傷の新しい治療法です。 再生医療とは、患者自身の脂肪や骨髄から採取した幹細胞(他の細胞に変化する能力がある細胞)を関節に注入する方法です。 また、手法によっては手術・入院が不要なケースもあるため、手術に不安がある人や入院は避けたい人にとって、選択肢の一つとなるでしょう。 当院リペアセルクリニックでは、手術以外の治療法として、股関節唇損傷に対して再生医療をご提案しています。股関節の痛みにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。 当院の股関節治療の再生医療については、以下の記事もご覧ください。 股関節唇損傷でやってはいけないこと 股関節に負担をかけるような動きは、回復を妨げる原因になります。 股関節に強い負荷がかかる動作 以下のような負荷は、関節唇に大きなストレスを与えます。 深くしゃがむ 高くジャンプする 股関節を勢いよくひねる 重いものを持った状態でスクワットをする 痛みや違和感がある動作を無理に続けると、損傷が悪化したり、回復が遅れたりする原因になります。関節に負担がかかる運動は控え、回復までは安静を意識しましょう。 長時間の同じ姿勢 あぐらや正座、脚を組む姿勢など、股関節に負荷がかかる姿勢を長時間続けると、関節の一部に力が集中しやすくなります。 とくにデスクワークや長時間の運転、立ち仕事などでは注意が必要です。同じ姿勢が続かないようにする工夫や仕事環境を調整しましょう。 無理なストレッチ 「よかれと思ってやったストレッチ」がかえって逆効果になることもあります。 痛みを我慢して関節を強く伸ばしたり、可動域を無理に広げたりすると、関節唇にさらなるダメージが加わるおそれがあります。 ストレッチは痛みのない範囲で行い、できれば理学療法士や専門家の指導を受けながら進めるのが安心です。 こちらの記事では、股関節唇損傷の改善に役立つストレッチを詳しく紹介しているため、ぜひご覧ください。 股関節唇損傷はひとりで悩まず専門医へ相談しよう 股関節唇損傷は、放っておくと悪化したり、関節の変形につながったりするおそれがあるため、状態に応じた適切な対応が欠かせません。 とくに、痛みが続いているのに我慢して動かし続けていると、関節の中の軟骨や周囲の組織にもダメージが広がる可能性があります。 違和感や動かしづらさが長引くときは、なるべく早めに整形外科や股関節の専門医を受診しましょう。 治療には、安静・リハビリといった保存療法のほか、関節鏡手術や再生医療といった選択肢もあります。 からだにかかる負担や生活スタイルも考慮しながら、自分に合った治療法を見つけるために、まずは専門の医師に相談することが大切です。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 股関節唇損傷について気になる症状がある方は、ぜひ一度ご登録ください。 股関節唇損傷に関するよくある質問 股関節唇損傷が自然治癒することはありますか? 関節唇は一度損傷すると、自然に元の状態に戻ることは難しいとされています。 ただし、損傷の範囲が小さい場合や、痛みの原因が主に炎症や筋肉の緊張であるケースでは、保存療法によって症状の改善がみられることもあります。 その後痛みが改善しても元の生活に戻ると再発することがあるため、医師に指示された生活上の指示を守るようにしましょう。(文献1) 股関節唇損傷の安静期間はどのくらいですか? 安静にすべき期間は、損傷の程度や治療内容によって異なりますが、保存療法では2カ月半~3カ月程度がひとつの目安とされています。(文献1) 最初は炎症を抑えるために安静を保ち、痛みが落ち着いてきたら、リハビリで筋力や柔軟性を徐々に回復させていきましょう。 参考文献 (文献1) A comprehensive review of hip labral tears|Curr Rev Musculoskelet Med (文献2) 大腿骨寛骨臼インピンジメント (FAI)に対する鏡視下手術の up to date|第 40 回日本整形外科スポーツ医学会学術集会
2025.12.13 -
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「立ち上がりや運動時に腰の横や太ももの付け根付近に違和感がある」 「腰の横や太ももの付け根付近の痛みを改善したい」 腰の横や太ももの付け根にある骨の出っ張りは、上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)と呼ばれます。痛みや違和感があるものの、原因がわからず受診をためらっていませんか。 本記事では上前腸骨棘の痛みについて現役医師が詳しく解説します。 上前腸骨棘の位置と役割 上前腸骨棘に痛みが出る原因 上前腸骨棘の痛みに対する治療法 上前腸骨棘の痛みを再発させないための予防法 記事の最後には、上前腸骨棘に関するよくある質問をまとめておりますので、ぜひ最後までご覧ください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 腰や太もも付近の症状が気になる方や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 上前腸骨棘の位置と役割 項目 内容 位置 骨盤の前側・左右にある出っ張り 触れ方 腰に手を当てたとき、人差し指があたる部分 付着する筋肉 縫工筋、大腿筋膜張筋 関係する靱帯 鼠径靱帯(そけいじんたい) 主な役割 股関節や膝関節の動きの補助、下肢の安定、歩行や姿勢の維持 上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)は、骨盤の前側に左右対称にある骨の出っ張りです。腰に手を当てたときに人差し指が自然に触れる場所で、自身でも容易に確認できます。この部位には縫工筋(ほうこうきん)や大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)といった筋肉や、鼠径靱帯(そけいじんたい)が付いており、股関節や膝の動き、身体の安定に関係しています。 また、医療では骨盤の位置を確認したり、痛みの場所を見極めたりする目印にもなります。スポーツや日常動作での使いすぎや負担により、ここに痛みが出ることもあるため、違和感を覚えた場合は、早急に医療機関を受診しましょう。 上前腸骨棘に痛みが出る原因 痛みが出る原因 詳細 過度の負荷・スポーツ外傷による急性・慢性障害 ダッシュ・ジャンプ・切り返し等による筋肉の強い収縮や繰り返し動作による筋付着部炎・裂離骨折・疲労骨折 骨盤・股関節の構造不良・神経圧迫による関連痛 骨盤や股関節のアライメント不良、筋力バランスの崩れ、神経や周囲組織の圧迫による関連部位の不快感・広範な症状 まれな原因:骨疾患・腫瘍などの警戒すべき病変 骨腫瘍・感染症・炎症・悪性疾患などによる器質的な異常や進行性病変 上前腸骨棘に痛みが出る原因は、大きく3つに分かれます。ひとつはスポーツや日常動作での負荷が蓄積し、筋肉の付着部に炎症や裂離が起こるケースです。とくに走る・ジャンプする動きによる発症が多く見られます。 骨盤や股関節の歪み、神経の圧迫が関与する場合、周囲の筋肉にも影響を及ぼし、広範囲にわたって痛みや違和感が生じることがあります。 そしてまれに、骨の腫瘍や感染症などが潜んでいることもあります。症状が長引く場合は放置せず、速やかに医療機関へ相談することが重要です。 過度の負荷・スポーツ外傷による急性・慢性障害 原因 具体的な障害・症状 成長期・筋付着部のオーバーユース アポフィサイト(筋付着部炎症)、慢性的な違和感 急激な筋収縮・繰返し動作 裂離骨折・疲労骨折、歩行困難、違和感 直接打撲・転倒などによる外傷 ヒップポインター(打撲)、鋭い痛み、腫れ、皮下出血 上前腸骨棘は太ももの筋肉に付着するため、過度な運動や反復動作、急激な筋収縮、直接の打撃で大きな負担がかかりやすい部位です。 成長期は骨が柔らかいため筋肉の引っ張りで炎症や裂離骨折が起こりやすく、サッカーや陸上など激しいスポーツでは繰り返しの負荷による慢性障害も目立ちます。また、外傷で起きるヒップポインターでは歩行や運動に障害が生じることがあります。違和感が出たら早めのケアが重要です。 以下の記事では、スポーツ外傷による急性・慢性障害について詳しく解説します。 【関連記事】 足の甲の痛みは疲労骨折かも?ランニングの注意点や治し方を解説 肉離れの応急処置を医師が解説|治療・予防方法もあわせて紹介 骨盤・股関節の構造不良・神経圧迫による関連痛 原因 具体的な痛みの理由・症状 骨盤や股関節の構造不良 特定部位への負担集中、筋肉や腱の過剰な引っ張りや使いすぎ、炎症や違和感の発生 神経圧迫による関連痛 神経の圧迫や刺激により、障害部位とは離れた場所への関連痛、信号伝達の混乱 骨盤や股関節の構造や可動性に異常があると、歩行や立位、走行時に上前腸骨棘へ過剰な負担がかかりやすくなります。股関節の可動域制限や骨盤の傾斜は、筋や腱の過緊張や使いすぎを引き起こし、炎症や違和感の原因です。 また、骨盤周囲の神経が圧迫・刺激されることで、実際の障害部位とは異なる上前腸骨棘周辺に関連痛として痛みが生じることがあります。これは神経の信号伝達異常により起こる違和感であり、正しく治すためには身体のバランスや神経の働きを確認することが大切です。 まれな原因:骨疾患・腫瘍などの警戒すべき病変 原因 主な特徴 注意が必要な場合 スポーツ・外傷 急激な動きや外傷による裂離・疲労骨折、筋肉の炎症が多い。10代の成長期に頻発し、ジャンプやダッシュ時に発生しやすい 安静や通常治療で改善しやすい 警戒すべき骨疾患・腫瘍 まれに骨腫瘍(良性・悪性)、骨の感染症、骨粗しょう症による骨の異常が原因となる 骨自体がもろくなったり、腫瘍が神経や組織を圧迫し、痛みや腫れを引き起こすことがある。痛みが長く続く・夜間や安静時も強い、全身症状(発熱・体重減少)、しこりや腫れに触れる場合は要検査 上前腸骨棘の痛みは、スポーツやケガによる筋肉の炎症や骨の損傷が多くの原因ですが、まれに腫瘍や感染症などの骨の病気が隠れている場合があります。 こうした病変は骨を弱くしたり、神経を圧迫したりして痛みを引き起こすことがあります。通常のスポーツ障害とは異なり、安静にしても痛みが治らない、腫れやしこりがある、発熱や体重減少といった全身症状がみられる場合は要注意です。 原因がはっきりしない慢性的な痛みが続く場合は、早めに医療機関を受診し、レントゲンやMRIなどの画像検査を受けることが大切です。 以下の記事では、骨疾患・腫瘍などの症状について詳しく解説しています。 【関連記事】 脊髄腫瘍になると歩けない?歩行ができない原因やメカニズムを医師が解説 脊柱管狭窄症の重症度分類を解説|診断方法と治療方法もあわせて紹介 上前腸骨棘の痛みに対する治療法 治療法 詳細 保存療法 安静保持、患部冷却、固定、松葉杖や装具使用、ストレス軽減、自然治癒の経過観察 運動療法・リハビリテーション 可動域訓練、筋力強化、ストレッチ、体幹・股関節周囲の筋柔軟性向上、段階的な運動再開 薬物療法 消炎鎮痛薬、湿布、炎症や不快感の緩和、必要に応じた内服や外用薬の処方 手術療法(重症例の場合) 骨片固定、スクリュー挿入、損傷部修復、術後の骨癒合・異所性骨化切除 再生医療 幹細胞治療、自己血注入、難治例での組織修復や機能回復の選択肢 上前腸骨棘の痛みに対する治療法は、症状の程度や原因に応じて複数の選択肢があります。多くの場合、安静や冷却、装具の使用などを含む保存療法で十分な改善が見込まれます。 症状の軽減後は、柔軟性や筋力の回復を目的としたリハビリを行い、再発防止に努めます。必要に応じて、薬物療法による症状のコントロールも行います。重症の場合には、手術や再生医療が検討されることもあり、患者様の状態に合わせた適切な治療が重要です。 保存療法 治療法 詳細 安静の確保 運動や活動を控え、患部への負荷を回避、組織回復の促進 アイシング(冷却) 炎症や腫れの軽減、1日数回・10〜15分の冷却による局所の炎症反応の抑制 痛み止めの薬の使用 消炎鎮痛薬の処方、炎症の進行抑制と不快感のコントロール 歩行や運動の再開時期の管理 骨癒合の確認後に段階的再開、スポーツ復帰は医師の判断と許可 リハビリやストレッチ 筋肉柔軟性・筋力の回復、関節可動域の確保、再発予防のための機能改善 上前腸骨棘の痛みが比較的軽度で、日常生活に大きな支障がない場合は、安静を中心とした保存療法が基本となります。無理な動作や痛みの出る姿勢を避け、患部への負担を減らすことが回復への第一歩です。 アイシングによる炎症の抑制や、必要に応じたサポーターの使用も効果的です。多くの場合、こうした保存的な対応だけで痛みの改善が期待できますので、焦らず治療を続けることが大切です。 運動療法・リハビリテーション 治療法 詳細 ストレッチ 股関節や太ももの筋肉の柔軟性向上、筋緊張の緩和 筋力トレーニング 体幹・大殿筋・太もも周囲の筋力強化による骨盤安定 可動域訓練 股関節・膝関節の動きの回復、柔軟性の改善 歩行訓練・動作指導 正しい歩き方・立ち上がり方による患部への負担軽減 姿勢・骨盤アライメント調整 骨盤の傾きや動作のクセを修正し、再発を予防 上前腸骨棘の痛みに対する運動療法・リハビリテーションは、痛みの軽減だけでなく、再発予防や早期の社会・スポーツ復帰に重要です。股関節や太もものストレッチ、体幹や下肢の筋力トレーニングにより、柔軟性と安定性を高めます。 また、歩行や動作の指導、骨盤や姿勢のバランス調整を通じて、日常生活での負担を軽減します。医師や理学療法士の指導のもと、段階的に無理なく行うことが大切です。 薬物療法 治療法 詳細 NSAIDs(内服薬) ロキソニン、イブプロフェンなどによる痛みと炎症の軽減、日常動作の改善 NSAIDs(外用薬) 湿布や塗り薬による局所的な鎮痛・消炎、内服に抵抗がある方にも適応 ステロイド注射 保存療法で改善が乏しい場合の強力な抗炎症処置、1~数回で症状軽減 局所麻酔+ステロイド注射 痛みの診断と治療を兼ねた神経ブロック、神経や炎症の関与を評価 その他の注射療法 局所麻酔のみの注射やラジオ波治療など、専門的な疼痛管理法 痛みが強く日常生活に支障がある場合、消炎鎮痛薬の使用は炎症や不快感の軽減に効果的です。内服薬(ロキソニンやイブプロフェンなど)は体内から炎症を抑え、湿布や塗り薬は直接患部に貼付し局所的な改善が期待できます。 また、他の保存的治療で十分な効果が得られない場合、医師の判断でステロイドや局所麻酔を用いた注射が行われることもあります。 薬物療法によってリハビリテーションや日常動作が行いやすくなりますが、薬剤のみでは根本的な回復にはつながりません。根本的な改善には運動療法や姿勢の見直しなどとの併用が不可欠です。 手術療法(重症例の場合) 治療法 内容 骨片の整復・固定 ずれた骨片を元の位置に戻し、スクリューやプレートで固定 手術方法の工夫 筋肉を極力傷つけないアプローチの選択 術後のリハビリ 早期からの歩行訓練・運動再開、段階的な負荷の調整 合併症への注意 骨癒合の経過観察、神経症状の確認、異所性骨化への対応 手術療法の適応 骨片の大きなずれ、神経圧迫、早期復帰の希望がある症例 上前腸骨棘の痛みは多くの場合保存療法で改善しますが、骨片のずれや神経圧迫、構造異常がある場合には手術が検討されます。 手術では骨片を整復・固定し、低侵襲な術式と早期リハビリで機能回復を図ります。骨癒合の進行状況や神経症状、異所性骨化の有無は、術後の経過として定期的に確認が必要です。手術の適応は診察と画像検査に基づいて慎重に判断されます。 再生医療 有効な理由・注意点 詳細 筋・腱付着部の治癒促進 PRP(多血小板血漿)の成長因子が炎症・損傷部位の治癒促進、腫れや違和感の軽減、幹細胞療法は、腱や靱帯、骨の再生や機能回復を促進 保存療法で十分な改善が得られない慢性の違和感に有効 保存療法や薬物療法で改善しない長期の炎症や腱障害に対し、再生医療が組織修復力を高める補助療法として有効 拒絶反応などのリスクが比較的低い 当院では、患者様自身の血液や細胞を利用するため、免疫的な負担や拒絶反応がほとんどない 適応とタイミングの注意 軽症や急性期では保存療法の優先、再生医療は補助的選択肢。骨片や構造異常には整形外科的治療の適応 再生医療は、筋や腱の付着部の修復を促進する目的でも行われる治療法です。PRP(多血小板血漿)や幹細胞を用いることで、炎症の軽減および組織再生が期待されます。 とくに、保存療法で十分な改善が得られない慢性痛に対して、有効な補助的治療として位置づけられています。自己血液や骨髄由来の細胞を使用するため、比較的身体への負担が少ないのが特徴です。 なお、軽症や急性期にはまず保存療法を優先し、再生医療はその後の選択肢として検討されます。骨折や構造的異常が明らかな場合は、整形外科的治療が優先されます。 以下の記事では、再生医療について詳しく解説しています。 上前腸骨棘の痛みを再発させないための予防法 予防法 詳細 注意点 日常での姿勢ケアと生活習慣の改善 骨盤の傾きや体のゆがみを整えるための正しい姿勢の意識 長時間の座位や片寄った体重のかけ方の習慣化に注意 運動量・運動強度の適切な管理 無理のない運動スケジュールと休息の確保 疲労の蓄積や急な運動再開によるオーバーユースの回避 ストレッチ ・ 筋力強化で付着部の柔軟性と安定性を維持 股関節や体幹の柔軟性確保と骨盤周囲筋の強化 違和感が残る状態でのトレーニング実施の回避 上前腸骨棘の痛みは、日常生活や運動習慣の工夫によって、再発を効果的に予防できます。 姿勢の乱れ、過度な運動負荷、筋力・柔軟性の低下は、再発リスクを高める主要な要因です。再発を防ぐには、正しい姿勢の保持と、適切な運動管理、筋肉の柔軟性と安定性の維持が不可欠です。 日常での姿勢ケアと生活習慣の改善 予防ポイント 詳細・工夫 正しい座り姿勢 骨盤に体重を乗せて背すじを伸ばし、中立姿勢を維持。サポートのある椅子や机の高さ調整を活用 姿勢チェック・動く習慣 30分ごとに立ち上がる。ストレッチや軽体操で筋緊張の分散、同じ姿勢の連続回避 前もものストレッチ 大腿直筋・大腿筋膜張筋など股関節前面の筋肉を中心に、日常的にストレッチを取り入れる 腹筋・お尻の筋強化 腹横筋や大殿筋を意識して動かすことで、骨盤の中立と筋バランスの保持 生活習慣の工夫 日常的な体勢・姿勢への意識、動きやすい環境づくり、骨盤・股関節周囲の筋グループのバランス維持 上前腸骨棘の痛みを再発させないためには、日常生活の中で骨盤のアライメント(骨の位置関係)を整えることがポイントです。 長時間同じ姿勢が続くと、骨盤が前後に傾き、筋肉のバランスが崩れやすくなります。その結果、上前腸骨棘周囲の筋や靱帯に余計な負担がかかり、再発のリスクが高まります。 予防のポイントは、正しい姿勢の維持とこまめな動きです。椅子に座る際は、骨盤にしっかり体重を乗せて背筋を伸ばし、安定した姿勢を意識しましょう。また、30分に一度は立ち上がって軽いストレッチや体操を取り入れることで、筋肉のこわばりを防ぎます。 さらに、前ももの筋肉(大腿直筋)の柔軟性を保つストレッチや、腹筋・お尻の筋肉(腹横筋・大殿筋)を意識的に使うことで、骨盤のバランスが整い、患部への負担を軽減できます。こうした習慣の積み重ねが、再発を防ぐ上で非常に効果的です。 運動量・運動強度の適切な管理 上前腸骨棘の痛みを再発させないためには、運動量と運動強度の適切な管理が非常に重要です。骨折や炎症が治りかけている時期は、骨や筋肉が完全に回復していないため、過度な運動は再発や悪化のリスクを高めます。とくに急激な負荷増加や無理なトレーニングは、筋や腱の付着部に再びストレスを集中させる原因です。 運動再開時は医師の診察や画像検査で回復の程度を確認した上で、軽いストレッチやジョギングから始め、段階的に強度を上げていくことが重要です。フォームや道具の見直し、十分な休息の確保も含めて、無理のない範囲で継続することが、再発予防につながります。 ストレッチ ・ 筋力強化で付着部の柔軟性と安定性を維持 上前腸骨棘の痛みを再発させないためには、ストレッチと筋力強化を組み合わせたアプローチが有効です。股関節周囲の筋肉の柔軟性を高めることで、付着部への過度な牽引ストレスを軽減し、炎症の再発を防ぎます。 また、体幹や骨盤周囲の筋肉を強化することで関節の安定性が向上し、運動時の負担を均等に分散できます。柔軟性と安定性を両立することで、日常動作やスポーツ時の再発リスクを効果的に軽減できます。 上前腸骨棘の痛みは放置せずに医療機関を受診しよう 違和感や不快感が数日〜数週間続く場合や、動作のたびに繰り返し出現するときは、早めに整形外科などの専門機関で相談しましょう。 放置すると慢性化やほかの部位に負担がかかる可能性もあります。画像検査を用いた評価により、筋肉・骨・神経のどの部位が関与しているかを確認でき、適切な対処が可能となります。 上前腸骨棘の痛みにお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、上前腸骨棘の痛みに対するアプローチのひとつとして再生医療をご提案しています。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 上前腸骨棘に関するよくある質問 上前腸骨棘の痛みが出やすい年齢やスポーツはありますか? 上前腸骨棘の痛みは、10〜18歳の成長期の子どもや中高生に多く、とくに14歳前後がピークです。 短距離走やサッカーなど、急な筋収縮を伴う競技で起こりやすく、成長途中の柔らかい骨が筋肉に引っ張られることで裂離骨折が生じることがあります。 上前腸骨棘の痛みはどのように診断しますか? 上前腸骨棘の痛みの診察では、まず問診により痛みの発生状況や部位、運動歴、年齢を確認し、成長期のスポーツによる裂離骨折の可能性を評価します。 患部の圧痛や腫れを触診で確認し、必要に応じてレントゲンや超音波、MRI、CTで骨・筋肉・関節・神経の状態を評価し、正確な診断と治療方針の決定につなげます。 以下の記事では、上前腸骨棘の痛みに関連する仙腸関節炎について詳しく解説しています。
2025.07.31 -
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「変形性股関節症のため、人工股関節の手術を受けることになった」 「手術後、仕事に復帰できるのだろうか?」 「人工関節にすると仕事にも影響する?」 人工股関節置換術を受ける方の中でも現役世代の方は、手術に加えて術後の仕事復帰に関する不安を多く持たれていることでしょう。 人工股関節置換術後の仕事復帰は、術後の回復状況や職種により異なるため、個人差が大きくなります。しかし、一般的な目安や注意点を知ることで、仕事復帰への不安が軽減できる可能性もあります。 本記事では、仕事復帰の目安や職種別の注意点を中心に解説します。 術後の仕事復帰に不安を感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 人工股関節置換術に頼らない治療法をご検討の方は、ぜひ一度公式LINEで再生医療についてご確認ください。 人工股関節置換術後における仕事復帰の目安 人工股関節置換術後に仕事へ復帰するまでの期間は、仕事内容や回復状況によって大きく異なります。デスクワークであれば術後数週間で復帰できる場合もありますが、看護師や介護士、建設業など身体を使う仕事の場合は、数カ月かかることもあります。 仕事復帰を考えるために重要なことは、主治医との相談です。現在の身体状況やリハビリテーションの進捗状況を踏まえ、仕事復帰の時期や方法を話し合いましょう。 職場の上司や同僚との連携も大切です。仕事復帰に向けて、勤務時間や業務内容などの調整が必要となる場合もあります。必要に応じて、産業医への相談も選択肢に入れましょう。 焦らずに、自分のペースで復帰を目指しましょう。復帰後も定期的に主治医の診察を受け、経過を追う必要があります。 なお、人工関節については以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。 【人工股関節置換術】仕事復帰を考える現役世代に増えている理由 人工股関節置換術とは、股関節のすり減った軟骨や変形した骨を取り除き、インプラントに置き換える手術のことです。 変形性股関節症や大腿骨骨頭壊死、関節リウマチなどで強い関節痛がある、薬物療法や理学療法でも改善の見込みが少ないといった状況の方が手術適応となります。 人工股関節の耐用年数は約15〜20年と言われています。耐用年数を過ぎた人工関節は交換可能ですが、再手術が必要です。そのため以前は、比較的高齢の患者さんが手術適応でした。しかし近年は、生活の質(QOL)を高めるために、比較的若い世代の方も手術を受けるようになっています。(文献1) 手術後の仕事復帰を考える層に多い不安要素 仕事復帰に対する不安の理由はさまざまです。 術後は股関節痛が和らぐものの、筋力や関節可動域の回復には時間が必要です。「元のように動けるだろう」との期待と現状のギャップが、不安を強める場合もあります。家族や職場の方から、「そろそろ動けるようになるのでは?」と言われ、プレッシャーになるケースもあります。(文献2) 杖や補助具を使う、重いものを持てない、長時間の立ち仕事は難しいといった制限を抱えながらの仕事復帰に不安を抱える方も少なくありません。 人工関節に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。 【時期別】人工股関節置換術後における仕事復帰までのスケジュール 人工股関節置換術は、激しい関節痛や動きの制限を改善し、より快適な生活を送るための重要な一歩です。手術を受ける決断は大きなものですが、その先には、リハビリテーションを通じて少しずつ身体の機能を取り戻し、再び活動的な日々を送る未来が待っています。 この手術は、まるで身体に新しい部品を組み込むような大がかりなものです。また、術後の経過には個人差があります。焦らず、一歩ずつ、着実に進んでいきましょう。 この章では、手術後のリハビリテーションを中心に解説していきます。 術後早期(術後1日目~) この時期は、手術による身体への負担が大きいため、安静が最優先されます。ただし、安静にしすぎると血栓症や肺炎などの合併症リスクが高まるため、ベッド上でもできる運動が推奨されます。具体的には、足首の運動や深呼吸、寝返りなどです。これらの運動は、血液循環の促進や呼吸機能の維持に役立ちます。 術後1~2週間 積極的なリハビリテーションが開始される時期です。ベッド上での運動に加えて、座位や立位、歩行練習などが行われます。この段階では、関節可動域の拡大と筋力強化を図ることが目標です。理学療法士の指導のもと、杖や歩行器などの補助具を使用しながら、徐々に歩行距離を伸ばしていきます。 術後2~4週間 歩行が安定してくると、日常生活動作の練習が中心となります。具体的には歩行器および杖を使った歩行練習や階段昇降、トイレへの移動、着替えなどです。日常生活に必要な動作の練習を繰り返しながら、自宅での生活にスムーズに戻れるよう準備していきます。 術後1~3カ月 この時期は、さらに積極的なリハビリテーションプログラムが組まれます。自転車エルゴメーターや水中歩行など、関節への負担が少ない運動を取り入れながら、関節可動域の維持・拡大、筋力強化を図ります。加えて、退院後の生活を見据え、趣味や軽い運動などもリハビリテーションに組み込まれる時期です。 リハビリテーションの内容は、一人ひとりの状態に合わせて調整されます。年齢や手術前の活動レベル、合併症の有無など、さまざまな要因が考慮されます。理学療法士や作業療法士などの専門家と相談しながら、無理なく進めていきましょう。手術後のリハビリについてはEnhanced Recovery After Surgery(ERAS)プログラムが注目されています。ERASは、術前から術後の包括的な管理を行うことで、より早期の回復と社会復帰を目指すプログラムです。(文献3) 【職種別】人工股関節置換術後に仕事復帰する際の注意点 人工股関節置換術を受けた患者の復職時期は、退院後2〜3か月が最も多かったとの研究データがあります。(文献4)しかし実際の復職時期は、患者の職種や人工関節の状態、手術後の回復状況などによりさまざまです。 この章では、デスクワークの場合と体を動かす仕事の場合に分けて解説します。 人工股関節手術後から仕事復帰までの目安については、以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。 デスクワークの場合 デスクワーク中心で座っている時間が長い方の場合、股関節を含めた足腰への負担は比較的少ないため、手術後数週間で復帰できる可能性があります。しかし、通勤時に階段を何度も昇り降りしたり長い距離を歩いたりする状況では、股関節に負担がかかるため、復帰時期が遅る傾向にあります。 通勤に不安があるときは、仕事復帰前に何度か通勤を試してみましょう。 体を動かす仕事の場合 看護師や介護士、建築業、土木業、農業、漁業といった、体を動かす仕事の方は、手術後3〜6か月程度が仕事復帰時期の1つの目安です。ただし、人工関節の状態や筋力および体力の回復には個人差があるため、主治医とよく相談してから決めましょう。 仕事上の動作に関して医師やリハビリ専門職の指導を受けておくと、股関節の再脱臼や転倒を防ぐためのポイントを把握できます。 デスクワークの方同様、必要に応じて復帰前に通勤を試してみましょう。 手術後に介護職へ戻ることを希望されている方は、以下の記事もあわせてご覧ください。 関連記事:人工股関節でも介護の仕事を続けたい方が注意すべきことは 人工股関節手術後の仕事復帰に向けた準備 人工股関節手術を受けた後、仕事に復帰するためにはいくつかの準備が必要です。この章では、復職時期決定および復職後の働き方に関するポイントを解説します。 復帰時期決定には医師や職場との話し合いが必要 仕事復帰のタイミングは、一概には決められません。術後の回復状況や基礎疾患の有無、仕事内容によって異なるためです。主治医やリハビリ専門職と相談した上で、無理のない復帰スケジュールを立てましょう。 仕事復帰に関しては、職場との話し合いも必要です。フルタイムではなく時短勤務から始める、当面の間重いものを持つ作業を控えるなど、業務内容を調整してもらえるか相談しましょう。医師の診断書や回復状況、リハビリの状況などを記載した書類があると、話し合いがスムーズに進みやすくなります。 身体的負担を減らす働き方の工夫 人工股関節手術後の通勤は、意外に大きな負担となる可能性があります。公共交通機関を利用して通勤している方の場合、複数回の階段昇降や長距離の移動なども想定されます。 身体的負担が大きい場合、通勤手段の見直しも一つの方法です。具体的には、自家用車での通勤や家族による送迎などです。 職場内では、休憩スペースやトイレの位置、業務上の動線などを確認し、身体的負担を減らせるよう工夫しましょう。また、杖や歩行補助具を使う場合は、上司や同僚に状況を共有し、無理なく働ける環境を一緒に整えていきましょう。 人工股関節置換術後の仕事復帰は段階的に進めよう 人工股関節置換術後の仕事復帰は、一定期間のリハビリを経てからになります。ただし、リハビリ後の回復状況や人工関節の状態、もともとの仕事内容などにより、復帰時期は異なると知っておきましょう。 仕事復帰時期を決める際は、医師や職場との十分な話し合いが必要です。身体的負担を減らすために働き方や通勤方法の工夫が必要になる場合もあります。仕事復帰の時期は個人差が大きいため、焦らず段階的に進めていきましょう。 当院リペアセルクリニックでは、手術を伴わない「再生医療」という治療法を提供しています。仕事への影響から「人工股関節置換術を受けるか悩んでいる」という方は、お気軽にご相談ください。 以下は人工股関節置換術を行わずに再生医療を受けた方の症例です。ぜひご覧ください。 人工股関節置換術後の仕事復帰に関するよくある質問 人工股関節手術後車の運転はいつからできますか? 足がアクセルからブレーキまで動けば運転は可能ですが、身体状況によって異なるため、一概に「いつから可能」とは言えません。運転を希望される場合は、必ず主治医やリハビリ専門職へ事前に相談しましょう。 股関節脱臼予防のため、自動車の運転席にはお尻から座るようにしてください。 股関節手術後、立ち仕事はいつからできますか? 一般的に、股関節手術後に立ち仕事を再開できるのは術後6~8週間程度と言われています。しかし、回復には個人差があるため、必ず主治医に相談しましょう。 立ち仕事を含めた長時間の同じ姿勢は股関節に負担をかけます。職場の方と相談した上で、こまめに休憩をとるよう心がけましょう。 参考文献 (文献1) 人工股関節置換手術 Total Hip Arthroplasty|東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター (文献2) 人工股関節置換術を受けた患者の社会的役割の継続を模索するプロセス―退院時から術後6か月の脱臼のリスクが低減していくまでの時期に焦点をあてて―|日本運動器看護学会誌 (文献3) Patient Information|ERAS®Society (文献4) 整形外科術後患者の疾患別における復職実態調査|日本職業・災害医学会会誌
2025.02.11 -
- 股関節、その他疾患
- 股関節
股関節が左だけ(片側だけ)痛いと、日常生活に支障が出るだけでなく、原因がわからず不安になる方も多いでしょう。 とくに女性は骨格やホルモンの影響により、股関節に負担がかかりやすく、左右どちらかに痛みが集中するケースが少なくありません。痛みの背景には、生活習慣や姿勢のクセだけでなく、疾患が隠れている可能性もあります。 この記事では、女性に多い片側の股関節痛の原因や考えられる病気、治療法やセルフケアについて解説します。片側だけの股関節の痛みに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。 なお、股関節の痛みの原因が疾患の場合は、再生医療が治療の選択肢となる場合があります。当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しています。 「手術を伴わない治療法が知りたい」とお考えの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 女性に股関節の痛みが多い主な原因 女性は骨格やホルモンなどの影響により、股関節にかかる負担が男性より大きくなりやすい傾向があります。以下では、とくに女性に影響しやすい原因を4つの観点から解説します。 骨格構造による影響(臼蓋形成不全) 女性ホルモンによる影響 生活習慣の影響 疾患の影響 骨格構造による影響(臼蓋形成不全) 股関節痛は、日本人女性に多い臼蓋形成不全が関係している場合があります。 臼蓋形成不全とは、股関節の受け皿である骨盤のくぼみが浅く、大腿骨の先端のボール状の部分が安定しにくい状態を指します。この骨格の構造上の特徴により、動作中に違和感や痛みを感じやすくなるのが特徴です。 とくに女性は出産に対応するため骨盤が広く、臼蓋形成不全が起きやすいとされます。初期の症状は軽度ですが、進行すると歩行や日常動作に影響を及ぼすことがあります。 女性ホルモンによる影響 女性ホルモンの変化は、股関節痛の大きな原因の一つです。 妊娠中はリラキシンというホルモンの分泌により、骨盤の靭帯が緩み、股関節が不安定になりやすくなります。その結果、出産後もしばらく片側の股関節に痛みが残ることがあります。 また、更年期では女性ホルモンの分泌が減少し、骨密度が下がることで股関節にかかる負荷が増加します。骨がもろくなることで、炎症や変形性股関節症のリスクも高まります。 生活習慣の影響 生活習慣は股関節痛を引き起こす重要な原因の一つです。長時間の立ち仕事やデスクワークは、特定の筋肉や関節に負荷をかけ、左右のバランスを崩しやすくします。 とくに片側に重心をかける立ち方や、足を組む座り方は股関節の片側だけに負担が集中しやすくなります。さらに運動不足も股関節の痛みが生じる要因です。運動不足により股関節を支える筋力が低下すると、関節が不安定になり痛みが生じやすくなります。 こうした習慣が積み重なることで、股関節痛が現れる場合があります。 疾患の影響 股関節痛は特定の疾患が原因となる場合があります。 代表的なものに、関節軟骨がすり減る変形性股関節症があります。とくに臼蓋形成不全を背景に持つ女性は、加齢とともに発症リスクが高まります。(文献1) また、関節内の炎症が生じる関節リウマチや、骨への血流が滞る大腿骨頭壊死も股関節痛を引き起こす要因です。 疾患によって痛みの特徴や進行スピードが異なるため、症状の正しい理解が大切です。 股関節の左右片側に痛みが起きる原因・疾患について 股関節の痛みが考えられる原因・疾患については、以下のようなものがあります。 リウマチの影響 大腿骨頭壊死 滑膜炎・滑液包炎 脊椎や骨盤からの関連痛 筋肉の問題が引き起こす痛み ここでは代表的な原因を、詳しく具体的な例を交えて解説します。 リウマチの影響とその症状 リウマチは、体の免疫システムが誤って自分の関節を攻撃してしまう病気です。主に関節の変形、腫れや痛みを伴います。 両方の股関節が同時に痛むことが多いですが、片側だけが痛む場合もあります。 朝起きた時に、股関節がこわばって動かしにくいといわれる方が多いです。痛みは、日中活動するうちに徐々に楽になりますが、夜にかけて炎症が増すことが多く見られます。 リウマチでは、関節の進行性変化が特徴で、重症化すると、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。 リペアセルクリニックは股関節の疾患に対応している再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 大腿骨頭壊死の特徴的な症状 大腿骨頭壊死は、太ももの骨の先端部分である大腿骨頭への血流が滞り、壊死することで発症します。 初めの頃は、何も症状が出ないことがよくありますが、重症化すると、歩くのがつらくなります。特に、足の付け根である鼠径部に痛みが出やすいです。 原因として、長期のステロイドの内服、頻繁な飲酒、外傷などが原因で発症することがあります。病状は徐々に進行していくので、注意が必要です。 MRI検査で壊死範囲や進行度を診断し、治療法を選択します。末期になると、人工関節置換術などの手術が必要になることもあります。 滑膜炎・滑液包炎の診断基準 滑膜炎は、関節を包む滑膜に炎症が起こる病気です。滑液包炎は、関節のクッションの役割を果たす滑液包に炎症が起こる病気です。 これらは股関節に痛みや腫れ、熱感を引き起こします。 小児期には、一過性滑膜炎、化膿性股関節炎、ペルテス病などの股関節の病気がよく見られます。 これらの病気は似たような症状を示すことが多いです。特に小さいお子さんの場合、うまく症状を伝えられないため、診断が難しくなることがあります。 安静、消炎鎮痛剤、冷却などで治療します。重症の場合は、関節内にステロイド薬を注射することもあります。 とくに、細菌感染が原因となる化膿性股関節炎は、早期の診断が大切です。 脊椎や骨盤からの関連痛の可能性 股関節の痛みは、必ずしも股関節自体に問題があるとは限りません。 たとえ、他の場所に病変があっても、その痛みが股関節に広がり、あたかも股関節が痛むように感じることがあります。これが関連痛です。 そして、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった腰の病気が原因で、股関節だけでなく、腰から足にかけても痛みやしびれを感じることがあります。 筋肉の問題が引き起こす痛み 股関節周囲の筋肉のトラブルも、股関節痛の原因となります。 中殿筋、小殿筋、腸腰筋、大腿四頭筋といった足を動かすための筋肉に問題があると、股関節の痛みが出ます。動かす時に痛みが出て、該当する筋肉を外から押すと、痛みを感じます。 左だけ痛いときに考えられる生活習慣とクセ 日常生活での姿勢や動作のクセは、股関節に片側だけ負担をかける原因になりやすいです。以下では、とくに影響しやすい生活習慣やクセの例を解説します。 足を組む・片足重心など左右差のある姿勢 荷物の持ち方・座り方の偏り 歩き方・体幹バランスのアンバランス 足を組む・片足重心など左右差のある姿勢 足を組む習慣や片足に体重をかける立ち方は、股関節の左右バランスを崩す大きな原因の一つです。 左右どちらか一方に負担が集中すると、筋肉や靭帯、関節にかかるストレスが偏り、股関節の動きにも歪みが生じます。その結果、負担が大きい側の股関節だけに炎症や痛みが現れやすくなります。 とくにデスクワークで足を組む時間が長い場合や、立ち仕事で無意識に片足重心になる場合は注意が必要です。 荷物の持ち方・座り方の偏り 荷物の持ち方や座り方の偏りも、片側の股関節に慢性的な負担をかける原因です。 いつも同じ肩にバッグをかけたり、椅子に座るときに片方の臀部に体重をかけたりすると、骨盤や股関節の左右バランスが崩れやすくなります。 その結果、負担が集中した側の股関節に炎症や違和感が現れやすくなります。無意識に続けている日常の習慣が、長期的な痛みにつながることも少なくありません。 歩き方・体幹バランスのアンバランス 股関節の片側だけに痛みが出る背景には、歩行のクセや体幹バランスのアンバランスが関わることがあります。骨盤の傾きや左右差のある歩き方は、股関節にかかる負荷を偏らせる要因です。 さらに体の軸を支える筋肉が十分にはたらいていないと、重心を安定させるのが難しくなり、股関節への負担が増すことがあります。 このような習慣や筋力の偏りが積み重なることでも、慢性的な痛みにつながる場合があります。 股関節痛の鑑別診断方法 股関節の強い痛みは、まさに日常生活の大きな壁となって立ちはだかります。原因を見つけるには、鑑別診断が欠かせません。 股関節痛を引き起こす原因はさまざまで、その一つ一つを見極めることが、痛みからの解放への第一歩です。 症状に基づく鑑別ポイント 股関節痛を鑑別するには、痛みの種類や症状の特徴を細かく分析することが重要です。 単に「痛い」というだけでなく、安静時なのか、鈍いのか、キリキリ痛むなどといった情報を医師に伝えることで、原因を特定するための手がかりとなります。 変形性股関節症の初期症状は動作時に現れて、反対に、安静時痛があれば、変形が進行している可能性も考えられます。また股関節の動きが悪くなるという情報も大切です。 その他、発熱、腫れ、皮膚の発赤などの症状も、感染症や炎症性疾患の可能性を示唆するサインかもしれません。 左右の股関節痛の違い 左右どちらか一方の股関節だけが痛む場合、その原因を探る上で左右差は重要な手がかりとなります。 例えば、右側が痛い場合、右側に体重をかけることが多かったり、いつも同じ脚側の足を組む、といった習慣が原因かもしれません。 反対に、左側だけが痛む場合、内臓疾患が隠れている可能性も視野に入れる必要があります。 例えば、大腸憩室炎(大腸の壁にできた袋状のくぼみの炎症)や尿管結石などは、左側の股関節痛を引き起こすことが知られています。股関節痛の原因が股関節自体にあるとは限らないことを覚えておきましょう。 レントゲンやMRIで病気を精査して鑑別します。 痛みの部位ごとの症状 股関節痛といっても、痛い場所によって原因疾患が異なる場合があります。 足の付け根から太ももの前面にかけて痛みがある時は、変形性股関節症や大腿骨頭臼蓋インピンジメント症候群といった病気が疑われます。 変形性股関節症は、軟骨がすり減ることで発症し、後者の大腿骨頭臼蓋インピンジメント症候群は、骨頭に余分な骨が存在して、結果として股関節の動きが制限されることで発症します。 股関節の外側が痛む場合、大転子痛症候群や腸脛靭帯炎など筋肉の炎症の可能性が高くなります。 大転子痛症候群は大腿骨の大転子と呼ばれる部分に付着する筋肉や腱が炎症を起こす病気で、腸脛靭帯炎は太ももの外側を走る腸脛靭帯と呼ばれる組織が炎症を起こす病気です。 股関節の後側が痛む場合は、坐骨神経痛やハムストリングの損傷などが考えられます。ハムストリングは太ももの裏側にある筋肉群のことで、スポーツなどで損傷することがあります。どの部分が痛むのかを把握することが大切です。 股関節が左右どちらかだけ痛いときの治療法 股関節の片側だけに痛みがある場合は、症状の程度や原因に応じて以下の治療法が選択肢となります。 保存療法(薬物・理学療法) 手術療法 再生医療(PRP・幹細胞) 保存療法(薬物・理学療法) 保存療法は、股関節痛の症状を軽減するための基本的な治療法です。 保存療法には以下の種類があります。 痛み止めの内服(鎮痛薬・消炎鎮痛薬) 物理療法(温熱・低周波など) ストレッチや筋力強化 痛みや炎症をコントロールすることで日常生活の負担を軽減し、ストレッチや筋トレで関節周囲の柔軟性や筋力を保つことが可能です。 ただし、変形や損傷そのものを治す効果は限定的なため、根本的な改善には別の治療が必要になる場合があります。 手術療法 手術療法は、保存療法で十分な改善が得られない場合や症状が進行したケースで検討されます。主な手術療法の選択肢は以下の2つです。 人工関節置換術 骨切り術 人工関節置換術は損傷した関節を人工物に置き換え、痛みの軽減と可動域の回復を目指します。骨切り術は骨の角度を調整して関節への負荷を分散させる方法です。 症状や年齢、生活スタイルに応じて適切な手術を選択します。いずれも根本的な改善を目的とした手段のため、長期的な関節機能の維持につながる可能性があります。 再生医療(PRP・幹細胞) 再生医療は自分の細胞を用いて痛みの原因にアプローチすることを目的とした治療法で、PRP療法や脂肪由来の幹細胞治療が代表的な選択肢です。治療は注射や点滴で行うため、手術や入院を必要としません。 そのため、変形性股関節症などの疾患で手術に不安を感じている方は、再生医療による治療をご検討ください。 変形性股関節症に対する再生医療については、以下の症例記事が参考になります。 再生医療専門のリペアセルクリニックでは、専門スタッフがメール相談やオンラインカウンセリングで丁寧に症状を確認し、一人ひとりに合わせた治療法を提案しています。 股関節の痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。 股関節が左右どちらかだけ痛い女性はストレッチ等のセルフケアも大切 股関節片側の痛みには、自宅で行えるストレッチや筋力トレーニングが役立ちます。とくに股関節周囲の柔軟性を高めることで左右差の負担を減らせます。(文献2) ハムストリングスストレッチ:仰向けで片膝を胸に引き寄せ、もも裏を伸ばす 臀筋ストレッチ:座って片足を反対側にクロスし体をひねる 股関節外旋筋ストレッチ:床で足を開き前屈して外旋筋を伸ばす 大腿四頭筋ストレッチ:立った状態で片足を後ろに引き、太もも前を伸ばす 筋力トレーニング(スクワット):膝がつま先より前に出ないよう腰を落とし、臀筋と大腿四頭筋を鍛える 継続することで左右バランスが整い、日常生活での片側への負担を軽減しやすくなります。 放置してはいけない股関節痛のサイン 股関節の痛みが日常生活に影響する場合や安静時にも違和感が続く場合は、放置してはいけません。以下では、見逃すと症状が悪化しやすい股関節痛の兆候を解説します。 夜間痛・安静時痛が続く場合 歩行困難・可動域制限が進む場合 放散痛やしびれ・神経症状を伴う場合 これらの症状に該当する場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 夜間痛・安静時痛が続く場合 夜間や安静時に股関節の痛みが続く場合は、関節の炎症や疾患の進行が考えられます。 寝ている間に痛みで目が覚める、安静にしても違和感や鈍い痛みが消えない場合は、早めに整形外科などの専門医を受診しましょう。 痛みを放置すると症状が悪化し、日常生活や歩行のしやすさにも影響が出る可能性があります。また、長引く痛みは関節の可動域低下や筋力低下を招くこともあり、注意が必要です。 歩行困難・可動域制限が進む場合 股関節の動きが制限され、痛みで歩くのが困難になる場合は、変形性股関節症や骨頭壊死が疑われます。 これは関節軟骨や骨の変形によって、正常な可動域が保てず、歩行時に片側の股関節に負荷が集中するためです。 歩行時に痛みや動かしにくさが増す場合は、早めに整形外科で診察を受けることが大切です。進行した症状は、日常生活の動作や生活の質にも影響を及ぼす恐れがあります。 放散痛やしびれ・神経症状を伴う場合 股関節の痛みが太ももや足先まで広がる、いわゆる放散痛がある場合は、単なる関節のトラブルではなく神経が関与している可能性が高まります。 とくに腰椎疾患や坐骨神経痛など、神経系の影響が疑われるケースです。痛みやしびれが進行すると歩行や立ち上がり、日常生活のさまざまな動作にも支障をきたすことがあります。 そのため、早めに整形外科で精密な検査を受け、原因を特定することが重要です。 まとめ|股関節が左右どちらかだけ痛む女性は症状に応じた治療を受けましょう 股関節が左右どちらかだけ痛む場合、原因は骨格構造や女性ホルモン、生活習慣の偏りなどさまざまです。悪化を防ぐためにも、痛みを放置せずに適切な診断を受けることが重要です。 自宅でのストレッチや筋力トレーニングも症状の軽減に役立ちますが、疾患が原因の場合は専門的な治療が必要となります。 股関節の痛みが疾患に起因する場合の治療法は、主に保存療法・手術・再生医療の3つです。 リペアセルクリニックでは手術を行わない再生医療として、幹細胞治療やPRP療法を提供しており、一人ひとりにあわせた治療方針を提案しています。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。股関節痛について気になる症状がある方は、ぜひ公式LINEで紹介している症例の確認や簡易オンライン診断をお試しください。 参考文献 (文献1) 変形性股関節症の最新治療|独立行政法人国立病院機構 東京医療センター (文献2) 股関節に症状のある方に|労働者健康安全機構
2025.02.07 -
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妊娠出産で骨盤がゆるむと、陰毛の生え際あたりにある恥骨に負荷がかかりやすいです。場合によっては、左右の恥骨をつなげている軟骨と靱帯が伸びて「恥骨結合離開」を起こします。 痛みをなんとかしたくても、育児中だとなかなか病院にも行けず、妊娠中や授乳中だと薬を飲んで良いか悩むこともあるでしょう。 この記事では恥骨結合離開の原因や症状、検査方法、治療方法について解説します。自宅でケアするポイントや、自然に治る可能性があるのかもお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。 恥骨結合離開は妊娠・出産時に発症しやすい 恥骨結合離開は、恥骨結合部分が過度に広がる状態です。 そもそも恥骨結合は骨盤の一部分で、左右の恥骨が軟骨と靱帯でかたくつながっています。おへそからまっすぐ下がっていくと、陰毛の生え際のあたりにかたい骨が触れますが、恥骨結合があるのはこのあたりです。 妊娠・出産の際に、ホルモンの影響で靱帯がゆるんだり、恥骨結合に圧力がかかったりすると、恥骨結合が引き伸ばされて隙間が広がることがあります。この状態が恥骨結合離開で、痛みが起きたりうまく歩けなかったりといったさまざまな症状が現れます。 恥骨結合離開の関連症状| 恥骨結合炎について 恥骨結合離開と似ている症状に「恥骨結合炎」があります。恥骨結合炎とは、恥骨結合に負担がかかって炎症が起きている状態です。恥骨結合炎が悪化して恥骨結合離開に至るケースもあります。 恥骨結合離開は妊娠・出産に関連して起きることが多い一方、恥骨結合炎は、スポーツによって強い力が加わり発症することも少なくありません。手術の合併症として起こることもあります。 両者の違いをまとめると以下のとおりです。(文献1、文献2) 恥骨結合離開 恥骨結合炎 主な原因 ・妊娠に伴うホルモンバランスの変化 ・出産時の恥骨への圧迫 ・恥骨への運動ストレス ・恥骨結合にねじれる力がかかる ・恥骨に付着している筋肉により強く引っ張られる 恥骨結合の距離 10mm以上 変化がない、または10mmより短い 恥骨結合離開になる方の割合は多くありません。妊娠中や産後に恥骨が痛む場合は、恥骨結合炎の可能性もあります。 恥骨結合離開の原因 ここでは恥骨結合離開の原因について確認しましょう。原因を知ることで、どんな対策ができるかも見えてきます。 妊娠・出産によるホルモン分泌で骨盤が緩むため 妊娠中に増えた体重が恥骨結合へ余計な負荷をかけるため 妊娠中の運動不足により筋力が低下するため 出産時に恥骨周辺が圧迫されるため 一つずつ解説します。 妊娠・出産によるホルモン分泌で骨盤が緩むため 妊娠中はホルモンの一種であるエストロゲンとリラキシンが、妊娠の維持や出産の準備のために分泌され骨盤がゆるみます。骨盤がゆるむと恥骨結合に負荷がかかりやすくなり、痛めてしまうことは多いです。 骨盤が不安定ななかで、子どもを抱っこしたり無理な姿勢で育児したり、痛みを我慢して家事をしていると、恥骨結合や恥骨にくっついている筋肉に疲労がたまります。悪化すれば恥骨結合炎を発症したり、恥骨結合離開に進展したりする可能性もあります。 妊娠中に増えた体重が恥骨結合へ余計な負荷をかけるため 恥骨結合があるのは、上半身の重みがかかりやすい位置です。妊娠中に体重が増えると、それだけ恥骨結合の負担も増えます。 また、赤ちゃんの重みでも恥骨結合に負荷がかかります。骨盤および骨盤の周りの筋肉で子宮を支えているため、赤ちゃんが大きくなるほど痛みが出やすいです。 左右に傾いた姿勢や、前かがみの姿勢では恥骨への負荷が大きくなります。片足に体重を乗せる、足を組むなどの姿勢は避け、背筋を伸ばすと痛みが緩和されるでしょう。 妊娠中の運動不足により筋力が低下するため 身体が重くなる妊娠中は、歩くのも面倒になりがちです。しかし運動不足による筋力低下も、恥骨結合離開のリスクとなります。 とくに骨盤の下側を覆う骨盤底筋群や、脇腹から骨盤につながる腹横筋は、妊娠中にも骨盤を支えている大切な筋肉です。これらの筋力が弱まりすぎると、体重や赤ちゃんの重みが骨盤に集中し、恥骨結合にも過剰な負担がかかってしまいます。 対策として、お腹が大きい状態でできる運動には限りがありますが、無理のない範囲で筋力を維持しましょう。 出産時に恥骨周辺が圧迫されるため 出産時に骨盤が広がり、赤ちゃんの頭や体が出てくる際、恥骨周囲が直接圧迫されて恥骨結合離開となるケースがあります。 恥骨結合離開のリスクが高いとされるのは、初産の場合や双子の場合です。(文献1)また、小柄な方や骨盤がせまい方は、恥骨結合に無理な力がかかりやすく発症しやすいといわれます。赤ちゃんが標準より大きい場合も、出産時に骨盤が広がり過ぎて、恥骨結合が引き伸ばされてしまうことがあります。 妊娠時に筋力が弱まった骨盤まわりに、出産で大きな力がかかり恥骨結合離開となるケースが多いです。妊娠時から筋力維持のための運動や姿勢を意識し、対策しておきましょう。 恥骨結合離開の主な症状 ここでは恥骨結合離開の主な症状について説明します。 恥骨まわりや股関節が痛む 思ったように歩けない 痛くて横向きの寝方・寝返りができない 脚の内側に力が入らない 順番に確認していきましょう。 恥骨まわりや股関節が痛む 恥骨結合離開では、恥骨まわりに強い痛みを感じます。(文献1)じっとしていても痛む場合が多く、押すと痛みが増すのが特徴です。 また股関節や内ももには、恥骨から筋肉がつながっており、炎症が広がって痛みを感じることがあります。歩いたり前かがみになったりする動作、立ち上がり動作、太ももを閉じるような動作でとくに痛みが増すため、動作に注意しましょう。 思ったように歩けない 恥骨にはお腹や太ももの筋肉がくっついています。恥骨結合離開になると、痛みがひびいて筋肉を動かせなくなったり、骨盤が安定しなかったりして、いつものように歩けなくなります。 妊娠中に骨盤痛があると早く歩けないほか、片足を地面から離すのがつらく、短い歩幅でちょこちょこした歩き方になりやすいです。(文献3) 痛くて横向きの寝方・寝返りができない 横向きに寝ると骨盤の片側が圧迫され、恥骨結合にも負担がかかって痛みが強くなることがあります。どうしても横向きで寝るときは、足の間にクッションなどをはさんで骨盤がねじれないようにすると、痛みがやわらぎやすいです。 また、恥骨結合部分が痛くて寝返りができない方もいます。そもそも寝返りを打つときは、骨盤にくっついている腹筋や足の筋肉に力を入れて、体全体を連動させて動かします。そのとき、骨盤にも力が加わるため、恥骨結合が痛むのです。 脚の内側に力が入らない 脚を内側に閉じる筋肉は恥骨に付着しています。動かそうとすると恥骨が引っ張られて強い痛みが起き、うまく力が入りません。 そもそも恥骨結合がゆるんでいると、骨盤も不安定になっています。これにより筋肉の力がうまく伝わらないことも、脚に力が入らない一因です。 恥骨結合離開の検査方法 妊娠中や出産後に恥骨結合離開を疑うときの、診察と検査についてまとめました。主要な検査はレントゲン撮影です。妊娠・授乳中に行って良いのかも解説します。 触診 痛みの正確な位置や痛みの程度を確認するため、医師が患部を触って診察します。どのような動作で痛みが増すか、体重をかけたときはどうかなども確認します。 痛い部分を触られるのはつらいですが、正しい診断のために必要な診察です。少しの間がんばりましょう。 レントゲン・MRI検査 恥骨のあたりに痛みがある場合、骨の状態や炎症の具合をみる検査を行います。 レントゲン MRI レントゲンはかたい骨がうつりやすいため、恥骨がどれくらい離れているかが見やすく、恥骨結合離開の診断によく使われます。 MRIはやわらかい組織をうつすのが得意で、骨以外の靱帯や筋肉などの炎症も分かりやすいのが特徴の一つ。時間のかかる検査のため、より精密に検査したい場合に行われます。 妊娠中・授乳中にレントゲン・MRI検査はできる? レントゲン検査は放射線を照射するため、妊娠中や授乳中に検査しても良いのか不安ではないでしょうか。 レントゲン撮影は放射線被ばく量が少ないため、妊娠中も授乳中も可能です。(文献4) 少量の放射線は空気中や大地、食物に含まれており、わたしたちは日頃から少量の被ばくをうけています。自然の被ばく量とレントゲンの被ばく量を比較してみましょう。(文献5) 空気中から 大地から 宇宙から 食物から レントゲン(胸) 被ばく量 0.48mSv/年 0.33mSv/年 0.3mSv/年 0.99mSv/年 0.06mSv/回 レントゲンの被ばく量の少なさがわかります。 帝王切開などの手術の事前検査でレントゲンを撮影したり、身長の低い方・胎児が大きい場合に産道を赤ちゃんが通れるか骨盤計測するためにレントゲンを撮ったりする場合もあります。また、放射線は母乳に影響しないため授乳中も検査ができます。 安心してレントゲン検査を受けてください。 また、MRI検査は磁気を利用した検査で、通常のMRI検査は胎児に影響しません。 ただし、造影剤を用いるMRI検査は胎児に影響がでる報告があり妊娠中は行えません。妊婦さんにMRIが必要なときは、造影剤を使わず検査可能なのでご安心してください。 恥骨結合離開の治療法 妊娠中や育児中でもできる治療やケアを紹介します。妊娠中や授乳中は飲める薬が限られるので、自分でできるケア方法を知っておくと便利です。 痛み止め・炎症止めの薬の服用 患部の冷却 安静 骨盤ベルトの装着 ストレッチや散歩 病院での治療や自宅でできるケア方法をまとめたので、ぜひ参考にしてください。 痛み止め・炎症止めの薬の服用 恥骨結合離開の一般的な治療は、投薬や冷却、注射などです。妊娠中や授乳中は痛み止めが飲めないわけではありません。 しかし、種類が限られるため、なるべく受診して医師に処方してもらいましょう。妊娠中や授乳中に飲める痛み止め成分はアセトアミノフェンです。 アセトアミノフェンが主成分の市販薬もありますが、市販薬はほかの成分も含まれているため必ず薬局の薬剤師やかかりつけの医師に相談しましょう。 患部の冷却 痛みが強い・炎症が強い場合は冷やすのも効果的です。保冷剤などをタオルで巻き、冷やしてみてください。 市販の冷湿布は妊娠中・授乳中に使えない成分が含まれているものがあります。湿布の成分は皮膚を通してからだに吸収されるため、おうちにある湿布を安易に貼らないようにしましょう。 湿布を使いたい場合は薬剤師に相談するか、病院を受診して処方してもらいます。 安静 なるべく動かずに安静にすることも恥骨結合離開で大事な治療の一つです。 育児中は安静を保つことが難しい状況ですが、痛みが強い場合は無理をしないようにしましょう。 子どもが寝ているときになるべく一緒に休息をとったり、ネットスーパーを利用して外出を減らしたりするなど、できるだけ家で過ごす工夫をすることが大切です。 骨盤ベルトの装着 骨盤ベルトを日頃から使い、骨盤を安定させると痛みの軽減につながります。 妊娠中は出産に向けてすこしずつ骨盤がひらき、胎児が大きくなることで恥骨への負担が増えます。出産後も骨盤はすぐ元にもどらないため、ベルトで骨盤を安定させましょう。 骨盤ベルトは産婦人科のある病院や助産院で購入できる場合があるので、恥骨の痛みを感じたらはやめに助産師や医師に相談してください。 市販の骨盤ベルトを選ぶ場合は、「妊娠中から産後まで使える」と書いてあるなど、妊産婦向けの商品を選んでくださいね。 ストレッチや散歩 痛みが強い急性期は、痛み止めの内服や冷却をして安静にするのが基本ですが、痛みが慢性化している場合は軽い運動が効果的です。再発予防にもなるため、医師の診察で軽い運動の許可が出たら少しずつ行いましょう。 マタニティヨガや産後ヨガなど痛みの出ない範囲で行うと良いでしょう。ベビーカーを使い、お子さんとお散歩するのもおすすめです。 恥骨の痛みに効果的なストレッチは、以下の記事でも紹介しているので参考にしてください。 恥骨結合離開はいつ治る?治療しなくても治る可能性があるかも紹介 恥骨結合離開は、骨盤ベルトや安静によって6週間ほどで安定し始め10ヶ月時点で自覚症状が無く経過良好という報告があります。(文献1)また、恥骨結合離開を含む骨盤の痛みは、通常は産後3カ月以内に自然に回復するといわれています。(文献3) 一方で、恥骨結合の開きが大きかったり、恥骨結合以外の部分も傷ついていたりする場合は、なかなか改善が見られません。産後1〜2年が過ぎても10人に1人は骨盤痛が続いているとの報告もあり、個人差が大きいです。(文献3) 恥骨結合離開は、早めに治療すれば早めの改善が期待できます。症状が強ければ、我慢せず産婦人科で相談してください。必要に応じて整形外科を紹介してもらえるでしょう。 恥骨結合離開で現れる可能性のある後遺症 恥骨結合離開になった後、残る可能性のある症状について説明します。 まずは痛みです。恥骨周辺に慢性的な痛みが残る場合があるほか、歩くときや立ち上がるときに痛みを感じる方や、くしゃみや咳で痛みが響く方もいるでしょう。 次に運動機能への影響です。恥骨結合の不安定さが残れば、寝返りをしにくい、長い時間歩けないなどの症状が残るかもしれません。子どもを抱っこしたり重いものを持ったりするときに、不安定さを感じる場合もあります。 これらの症状は、次回の妊娠・出産で負荷が増したときに、再発のリスクが高まります。月経前に恥骨結合が緩んで痛みが出る場合や、更年期の体の変化にともなって痛みが出る場合もあるでしょう。 恥骨結合離開を予防するために産後の生活で気を付けること 産後は赤ちゃんの抱っこやお世話・授乳時に無理な姿勢をとりやすく、恥骨結合離開が悪化することもあります。 出産後、育児中の恥骨結合離開との付き合い方についてまとめました。 赤ちゃんの抱っこ 出産後は赤ちゃんを抱っこすることが多いですよね。 抱っこするときは前かがみの姿勢になりやすいですが、前かがみは恥骨に体重がかかるため負荷がかかります。床など低い位置から赤ちゃんを抱っこするときは、なるべく背筋をのばし、片膝を立てて抱き上げましょう。 また、抱き上げたあとも、左右どちらかに体重がかからないよう注意し、片方の腰の骨に赤ちゃんを乗せる抱き方もひかえます。 抱っこして歩くときはなるべく骨盤ベルトを使用してくださいね。 授乳などお世話の姿勢 授乳時も前かがみになりやすいため、なるべく前かがみにならないよう床ではなく椅子に座り、授乳クッションを使いましょう。 オムツ替えやお着換えなどのお世話も前かがみになりやすいですが、オムツ交換台を使用すると腰の負担が減ります。オムツ交換台は転落に十分注意しながら使ってみてください。 恥骨結合離開とうまくつきあって再発を予防しよう! ここまで、妊娠・出産における恥骨結合離開の原因や検査、ケアや注意点を紹介しました。 妊娠や出産で骨盤まわりは変化しますが、痛みがでやすいなかでの妊婦生活や育児は大変ですよね。どうしても姿勢がくずれてしまったり、慌ててしまって腰や恥骨に負荷がかかったりすることはよくあります。しかし、お母さんが健康でいることも大切なことです。 痛みがあるときはなるべく安静にし、しっかりケアしてください。痛みが強ければ、我慢せず病院へ行きましょう。また、痛みがひいても姿勢に気を付け、ヨガなどのストレッチや散歩を習慣にして再発を予防しましょう。 参考文献 (文献1) 高須厚ほか.「創外固定で治療した出産に伴う恥骨結合離開の1例」『中部日本整形外科災害外科学会雑誌』62(2), pp.379-380, 2019年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/chubu/62/2/62_379/_article/-char/ja/ (最終アクセス:2025年3月19日) (文献2) 医学書院医療情報サービス「恥骨炎(恥骨結合炎)」医学書院, 2025年3月3日 https://imis.igaku-shoin.co.jp/contents/reference/sei_04260-08/4260/sei_04260-08_a023z0005/ (最終アクセス:2025年3月19日) (文献3) 坂本飛鳥ほか.「妊娠・産後の骨盤痛が歩行に及ぼす影響:システマティックレビュー」『Japanese Journal of Health Promotion and Physical Therapy』10(1), pp.1-8, 2020年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/hppt/10/1/10_1/_pdf (最終アクセス:2025年3月19日) (文献4) 日本医学放射線学会ほか5機関「「母乳中放射性物質濃度等に関する調査」についてのQ&A」平成23年6月8日 https://www.jsog.or.jp/news/pdf/Q&A_20110608.pdf (最終アクセス:2025年3月19日) (文献5) 環境省「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(平成26年度版)第1章 放射線の基礎知識と健康影響 8身の回りの放射線」環境省ホームページ https://www.env.go.jp/content/900413502.pdf (最終アクセス:2025年3月19日)
2024.11.13 -
- 股関節、その他疾患
- 股関節
「股関節唇損傷はどのくらいで治る?」 「早く治す方法はない?」 股関節唇損傷と診断された方、すでに治療中でも症状が長引いている方の中には、どのくらいで治るのか不安を感じる方もいるのではないでしょうか。 結論、股関節唇損傷の治療期間は、保存療法で約3ヶ月、手術療法で約2〜3週間程度が目安となります。 しかし、術後のリハビリテーション期間や治療リスクから「手術はしたくない」という方も少なくありません。 当院リペアセルクリニックでは、手術せずに股関節唇損傷の改善を目指せる再生医療をご提供しています。 今まで、保存療法で改善が見られない場合には、手術による治療以外に選択肢がありませんでしたが、近年では再生医療による治療で手術せずに早期回復を目指せます。 「股関節唇損傷の痛みを早くなんとかしたい」「早く治したいけど手術はしたくない」という方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。 \再生医療に関する無料相談はこちら/ 0120-706-313 (受付時間:9:00〜18:00) 股関節唇損傷はどのくらいで治るのか?治療期間の目安 股関節唇損傷と診断された際、どのくらいで治るか治療期間の目安を紹介します。 日常生活に復帰するまでの期間 スポーツ復帰までの期間 治療期間の目安を参考にして、症状回復へ向けた療養プランを立てましょう。 日常生活に復帰するまでの期間 個人差はあるものの、股関節唇損傷を発症した場合、日常生活への復帰は保存療法では約3カ月、手術療法では約2〜3週間になります。症状が軽度の場合は、数週間で回復する方もいます。 保存療法では、痛みを引き起こさない動作や日常生活の仕方を覚えるのが大切です。なかには日常生活に復帰してから痛みを再発したという声もあり、適切な動作の獲得が求められます。 一方、手術療法では手術・入院は3日ほどで、リハビリテーションを含めると2〜3週間必要です。手術後に関節の癒着や可動域制限を引き起こさないように、術後早期からリハビリテーションを実施するのが重要です。 スポーツ復帰までの期間 股関節唇損傷を発症した場合、競技復帰までの期間は競技レベルや怪我の重症度、実施した治療方法などで異なりますが、約3〜6ヶ月かかります。 スポーツ復帰は日常生活とは異なり、負荷のかかる動作や瞬発的な動きが必要になります。再発を防止するためにも、より股関節の安定化・柔軟性に着目した運動療法や競技特異的なリハビリテーションが必要です。 股関節唇損傷の主な治療法 股関節唇損傷の治療法には、保存療法と手術療法の選択肢があります。ど ちらを適用するかは、症状の重症度によって異なりますが、一般的には保存療法が選択されるケースがほとんどです。 保存療法にはさまざまな治療プランがあるため、症状を見ながら適切な治療を行います。 股関節唇損傷の主な治療法は、以下の通りです。 安静 薬物療法 リハビリ療法 注射治療 体外衝撃波治療 手術療法 再生医療 各治療法の特徴を以下で解説するので、参考にしてください。 安静 股関節唇損傷になったら、まずは股関節に負担がかからないようベッド上で過ごし症状の悪化を防ぐことが重要です。早期回復へ向けて日常動作を制限するのも、治療の1つとなります。 股関節唇損傷の痛みを誘発する日常動作は、以下の通りです。 しゃがみ込む あぐらをかく 深いソファや床に座る 車の乗り降りやいすから立ち上がる際は、手をそえたり手すりを使用したりして股関節への負担を軽減するのも効果的です。股関節唇損傷はできる限り股関節への負担を与えず安静に過ごすことで、痛みの軽減が期待できます。 薬物療法 薬物療法とは、薬を投与して症状の緩和を目指す治療法です。股関節唇損傷では、日常生活に支障をきたさないよう痛みや炎症を抑える薬物療法が行われます。 消炎鎮痛剤には、主にロキソニンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や湿布が処方されます。なお、薬物療法は症状の緩和を目的に行われる治療法で、リハビリ療法と併用するケースがほとんどです。 痛みが軽減される理由には薬物療法の影響が考えられるため、再発しないよう股関節への負担がかかりやすい動作は避けましょう。 リハビリ療法 股関節唇損傷では股関節の安定性や衝撃吸収能力が低下するため、筋トレや柔軟性を高めるストレッチが効果的です。誤った筋トレやストレッチは股関節への負担が増し、症状を悪化させる可能性があります。 そのため、関節唇損傷では理学療法士の指導を受けながら、適切な筋トレやストレッチを実施することが大切です。股関節唇損傷で実施される主なリハビリ療法は、以下の通りです。 股関節の安定性を高める筋トレ 外旋筋群の筋トレ 中殿筋・小殿筋の筋トレ 股関節の柔軟性を高めるストレッチ 殿部のストレッチ ハムストリングスのストレッチ 股関節周囲の筋力や柔軟性が向上すると、股関節唇損傷の予防にもつながります。関節唇損傷を発症した際はリハビリ療法で体幹機能や骨盤可動性を改善し、股関節の負担を減らしましょう。 注射治療 注射治療とは、股関節内への痛み止め注射により症状の回復を図る治療法です。痛みが強い場合、ヒアルロン酸注射やステロイド注射を実施し、症状の緩和を図ります。 ステロイド注射では直接股関節に注射し、抗炎症作用により痛みの改善を目指します。ただし、股関節唇損傷の症状が進行すると効き目を感じられなくなる場合もあるため注意が必要です。 また、ヒアルロン酸注射は、股関節の変形により摩擦が生じて炎症や痛みを発症した場合に実施します。潤滑性を高められるため症状の回復が見込めますが、定期的な注入が必要です。 体外衝撃波治療 体外衝撃波治療とは特殊な圧力波を患部に照射し、自然治癒力を高める治療法です。痛みや炎症の軽減が期待できるだけでなく、損傷した組織の修復促進効果が期待できます。 体外衝撃波治療は、大きく2種類に分類されます。 種類 治療の特徴 拡散型 広範囲に照射 集束型 患部にのみピンポイントで照射 股関節唇損傷では、ピンポイントで照射できる集束型を行うケースが一般的です。 手術療法 手術療法は、保存療法で痛みの緩和が見込めない場合に検討されます。 股関節唇損傷の主な手術は、以下の通りです。 手術 手術の特徴 股関節鏡視下手術 臀部から大腿の側面に穴を空け、内視鏡で観察しながら手術を行う 関節唇修復術と関節唇再建術の2つの術式が用いられる 大腿骨と下前腸骨棘の骨棘切除 先天的な形態異常により、大腿骨頭の変形や下前腸骨棘の骨棘がみられる場合は手術で骨を切除する 股関節鏡視下手術には2種類あります。 関節唇修復術 関節唇が十分残っている場合に実施 損傷している関節唇を寛骨臼から一旦はがし、正しい形にして固定する手術 関節唇再建術 関節唇が欠損している場合や縫合不能な断裂に実施 関節唇の除去後、大腿から腸脛靭帯を採取し、関節唇の代わりに固定する手術 手術療法は負担が大きいため、最終的な治療法として提案されるケースが一般的です。 再生医療 保存療法で症状の回復が見込めない場合は、再生医療を検討するのも手段の1つです。再生医療における治療法の1つとなる幹細胞治療では、採取した幹細胞を培養して股関節に注入します。 当院「リペアセルクリニック」では、患者様自身から米粒2~3粒程度の脂肪を採取し、幹細胞を培養、投与します。幹細胞は冷凍せず、投与の度に採取するのが特徴です。 また、再生医療は手術・入院が不要です。手術を避けたい場合に適した治療法が再生医療といえます。 当院リペアセルクリニックでは、手術せずに股関節唇損傷の改善を目指せる再生医療をご提供しています。 「股関節唇損傷の痛みを早くなんとかしたい」「早く治したいけど手術はしたくない」という方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。 \再生医療に関する無料相談はこちら/ 0120-706-313 (受付時間:9:00〜18:00) 手術療法と保存療法のメリット・デメリット 股関節唇損傷の手術療法と保存療法のメリットとデメリットは、以下の通りです。 メリット デメリット 手術療法 関節唇の修復・再建が可能 短期間での復帰が可能 約数十万円と高額な費用がかかる 身体への侵襲がある 保存療法 身体への侵襲がない 通院での治療が可能 復帰まで時間がかかる 関節唇自体が修復するわけではないため、再発の可能性がある 保存療法は、普通に生活するには問題ないケースがほとんどです。一方で、スポーツ選手など、今後も激しく股関節を使う方は手術療法での治療を検討するのも手段の1つになります。 股関節唇損傷の予防法 予防するためには股関節の柔軟性向上と安定性強化が必要になります。股関節への負担を減らすためには日常動作を改善したり、股関節周囲筋を鍛えたりして安定性を強化することがポイントです。 また、スポーツではあらゆる方向からさまざまな力が瞬間的に加わります。そのため、競技特異的なトレーニングにより股関節周囲筋を動作の中で活用する訓練を実施しましょう。 活動中に股関節が痛む際は、再発しないよう無理せずプレイを中断することが大切です。また、運動前にはストレッチやウォームアップを行い、終わったあとはクールダウンとストレッチを実施して股関節の負担をできる限り軽減させましょう。 まとめ|股関節唇損傷がどのくらいで治るか把握したうえで治療計画を立てよう 股関節唇損傷を発症した際、どれくらいで治るか不安を感じる方もいますが、日常生活への復帰は保存療法で3ヶ月ほどになります。 手術療法では2~3週間程度必要で、術後早期からリハビリテーションを実施することが大切です。 スポーツ復帰までは3~6ヶ月程度が目安になります。いずれも競技レベルや重症度などにより異なりますが、再発しないためにも医師と相談しながら症状回復へ向けた治療を行いましょう。 関節唇自体は自然治癒することはないため、手術により修復するか保存療法で痛みと炎症を抑える方法を実施します。手術を避けて治療を受けたい場合は、再生医療もご検討ください。 当院リペアセルクリニックでは、手術せずに股関節唇損傷の改善を目指せる再生医療をご提供しています。 今まで、保存療法で改善が見られない場合には、手術による治療以外に選択肢がありませんでしたが、近年では再生医療による治療で手術せずに早期回復を目指せます。 「股関節唇損傷の痛みを早くなんとかしたい」「早く治したいけど手術はしたくない」という方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。 \再生医療に関する無料相談はこちら/ 0120-706-313 (受付時間:9:00〜18:00)
2024.10.11 -
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大転子滑液包炎(だいてんしかつえきほうえん)は、特にランニングやスポーツなどをおこなう方に多く、1,000人中の5〜6人が発症します。 また、男性よりも女性、40~60歳の方が発症しやすいと言われてます。 大転子滑液包炎について以下のようなお悩みがありませんか? 痛みの改善方法が分からない 症状を悪化させる原因を知りたい ストレッチや運動などの予防策を知りたい この記事では大転子滑液包炎を改善・予防するための正しい知識を身につけ、原因や生活習慣、予防策について解説しています。 将来、自分の足が大転子滑液包炎になるのを防ぐためにも、適切な対策を行えるようになりましょう。 大転子滑液包炎とは? 大転子滑液包炎とは、 股関節の外側に存在する大転子という骨の周囲の滑液包が炎症を起こす症状 です。滑液包とは、関節や筋肉がスムーズに動くために存在する滑液という潤滑液を含む袋のことで、滑液包が炎症を起こすと関節や筋肉の動きが制限され、多くの場合、痛みを伴います。 大転子滑液包炎の原因には「大腿筋膜張筋」と「腸脛靭帯」の2つが関係しています。この2つの組織は大転子の上部を通過しているため、ランニングやサイクリングなどの同じ動作が行われ大転子滑液包と摩擦が起きることで炎症すると言われています。 また、大転子滑液包炎のリスクとなる要因は下記4つです。 転倒やスポーツなどによる外傷 大転子に付着する組織(中殿筋・小殿筋など)の損傷に伴う二次的な滑液包炎 滑液包自体の摩擦・微細損傷による炎症 関節リウマチや痛風などの疾患 外傷や内部の炎症性疾患が大転子滑液包炎を引き起こす要因です。 現在、股関節の疾患に対する治療法のひとつとして「PRP療法(再生医療)」 が注目されています。人間の自然治癒力を活用した治療なので、身体への負担を最小限にできます。詳しい治療方法や効果が気になる方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 大転子滑液包炎の症状 発症初期のころの痛みは股関節の外側と局所的ですが、症状が悪化すると大腿の外側まで痛みの範囲が拡大します。また、大転子を圧迫すると痛みが出現するため、横を向いて寝ることが大変になります。 また、痛みの程度により、日常生活やランニングなどの趣味活動に制限される場合もあるのです。 下記の記事では、股関節の疾患についてまとめています。ほかの病気もチェックしたい方は、あわせてご覧ください。 大転子滑液包炎が発症する原因3つ 大転子滑液包炎の原因は大きく分けて以下の3つがあります。 大転子を動かす激しい運動 長時間の立ち仕事 肥満体型 それぞれ以下で詳しく解説します。 大転子を動かす激しい運動 ランニングやサイクリングなどを頻繁に行う方は、大転子滑液包に対する摩擦が増え、炎症を引き起こす可能性があります。 階段の上り下りや、登山といった関節の動きが活発な動作も、大転子滑液包に負担をかけるため、大転子滑液包炎になる要因のひとつです。 長時間の立ち仕事 一般的に長い時間立っている方は、大転子滑液包にストレスがかかりやすいため、大転子滑液包炎を発症しやすくなります。 また、散歩やランニングの際に体が左右どちらかに傾いていたり猫背などの不良姿勢であることも、大転子滑液包にストレスがかかる原因となります。 このため、立ち仕事が増えたことや、ランニングを始めてから大転子周囲に痛みが出現した方は、大転子滑液包にストレスがかかっているかもしれません。 肥満体型 生活習慣では肥満も大転子滑液包炎の発症に影響を与えます。なぜなら、体重が増えると大転子滑液包にかかる負担も増加するためです。 肥満傾向の方は、体重を少し落とすだけでも痛みや症状の進行を抑えられるでしょう。 また、大転子滑液包炎は「PRP療法(再生医療) 」でも治療できます。PRP療法(再生医療)とは、血液に含まれる血小板の力を利用して傷ついた組織を修復する医療技術です。身体に負担の少ない治療法として、今注目されています。 「PRP療法(再生医療)で大転子滑液包炎はどうやって治療するの?」と気になる方は、再生医療専門の『 リペアセルクリニック 』にお気軽にお問い合わせください。実際の治療例をお見せしながら、再生医療の仕組みをわかりやすくお伝えいたします。 大転子滑液包炎の診断方法 大転子滑液包炎の診断は以下を用いて総合的に行われます。 問診 身体所見の確認 MRI 問診では、これまでの病歴や痛みが出現する前に行っていたこと、どのような時に痛いのかを確認します。身体所見の確認では、大転子を圧迫し痛みが出現するのかを確かめます。関節包に水が溜まっているかどうかや関節包の炎症の有無の判断は、MRIを使用しなければ分かりません。 大転子滑液包炎の効果的な治療方法 大転子滑液包炎の治療方法は大きく分けて以下の3つです。 保存的治療 手術療法 PRP療法(再生医療) それぞれ以下で詳しく解説します。 保存的治療 大転子滑液包炎の保存的治療の重要な目標は、痛みの軽減を図ることです。大転子滑液包炎に限らず、炎症があり痛みが強い場合にはアイシングが有効です。アイシングをすることで炎症を抑え痛みを抑制できます。 また、大転子滑液包の炎症を抑えるためには、ステロイドの注射や消炎鎮痛剤の内服も有効です。しかし、30%の方は痛みが改善しないと言われているため、保存的治療で痛みを改善できない場合には以下の方法の検討も必要となります。 手術療法 大転子滑液包炎が長期化し慢性化すると、大転子滑液包内に異常な血管が生じてしまいます。この場合、ステロイドや消炎鎮痛剤の使用により一時的に痛みは軽減しますが、再度痛みが出現します。 そのため、大転子滑液包炎が長期化している場合は、運動器カテーテル治療を行い、異常な微小血管を減らす治療が有効です。施術時間は20〜30分ほどで終了します。 運動器カテーテル治療後は、大転子滑液包炎による痛みが改善します。しかし、他にも原因がある場合は、痛みが残存する可能性があるため、医師への相談が必要です。 PRP療法(再生医療) 「PRP療法(再生医療)」とは、患者さまの血液に含まれる血小板の治癒力を利用して、傷ついた組織を修復する医療技術です。 注射を打つだけなので、日常生活や仕事への影響はありません。普段どおりの生活を送りながら、早期回復を期待できます。 弊社『リペアセルクリニック』は、再生医療専門のクリニックです。国内での症例数は10,000例以上に及び、多くの患者さんの治療に携わってきました。 大転子滑液包炎は再生医療の治療対象です。弊社では無料相談を受け付けていますので、詳しい治療法や効果を知りたい方はお気軽にお問い合わせください。 大転子滑液包炎の予防法 大転子滑液包炎の予防法を解説します。主な予防法は以下の3つです。 ストレッチ 適度な運動 規則正しい生活習慣 順番に見ていきましょう。 ストレッチ 大転子滑液包炎を予防するためには、股関節周囲の筋肉、 特に「大腿筋膜張筋」の柔軟性を高めること が重要です。大腿筋膜張筋のストレッチは座った状態と寝た状態どちらでも行えます。 まずは座った状態でのストレッチから解説します。椅子に浅く腰掛け、片方の足を反対側の太ももの上に乗せます。上体をゆっくりと前に倒し、太ももの外側に軽い張りを感じるところで20~30秒ほど保持します。反対側も同様に行います。 次に、寝た状態でのストレッチを説明します。両膝を立てて膝を左右どちらかに倒し、20~30秒ほど保持します。膝を右側に倒した時は左足の大腿筋膜張筋、左側に倒した時は右足の大腿筋膜張筋が伸ばされます。 どちらのストレッチも、1日に数回行うことで筋肉の柔軟性を維持できます。ストレッチを行う際は、痛みを感じない範囲で行い、呼吸を止めないように注意しましょう。膝を倒した時に痛みが強い場合は、痛みが出る直前まで倒すことで痛みなくストレッチできます。 無理なストレッチは症状を悪化させる可能性があるため、痛みのない範囲で行うことが大切です。 適度な運動 大転子滑液包炎を予防するためには、股関節周囲の筋力アップが必要です。 ここでは、自宅で簡単に行える以下2つの運動をお伝えします。 スクワット 足を横に開く運動 スクワットの方法は以下のとおりです。 足を肩幅にひらく 膝がつま先より前に出ないように膝を90度ほど曲げる 膝を伸ばし1の状態に戻る 上記を10回繰り返す この時に1つ注意点があり、膝を曲げている時は膝が内側に寄らないようにしましょう。スクワットを行うことで「大腿四頭筋」や「大臀筋」などの筋肉を強化できます。 また、足を横に開く運動は以下のとおりです。 立った状態で椅子や手すりなどに軽くつかまる 体が横に傾かない範囲で片方の足を横に開いて戻す 上記を10回繰り返す この時に1つ注意点があり、足を横に開く時はつま先が外側へ向かないように注意しましょう。足を横に開く運動では「中臀筋」や「小臀筋」の筋肉を強化できます。 規則正しい生活習慣 大転子滑液包炎を生活習慣から予防するためには以下の2つが大切です。 定期的な運動習慣 バランスの良い食事 定期的な運動習慣がなければ足腰の筋力が低下してしまい、大腿筋膜張筋にストレスがかかりやすくなります。また乱れた食生活では肥満につながり、体重が増えることでも大腿筋膜張筋へのストレスが増加します。 これらの日常生活での予防策は、大転子滑液包炎の予防だけでなく、他の整形外科疾患の予防にもつながります。 大転子に関するよくある質問 最後に大転子に関するよくある質問と回答をまとめます。 大転子が痛いと感じたら何科を受診すればいい? 整形外科を受診しましょう。痛みを放置すると症状が慢性化するリスクがあるので、股関節周りに痛みや違和感を感じたら、なるべく早く病院を受診するのがおすすめです。 股関節が突然痛くなり歩けなくなりました。考えられる原因はなんでしょうか? 歩けないほど股関節に痛みが出る原因として考えられるのは、下記の外傷や疾患です。 骨折 大転子滑液包炎 変形性股関節症 変形性股関節症とは、股関節の軟骨がすり減り、骨の変形によって痛みがともなう疾患です。変形性股関節症も「再生医療 」の治療対象です。 まとめ|大転子が痛いと感じたら大転子滑液包炎の可能性あり 大転子滑液包炎は、ランニングやサイクリング、階段の上り下りなど、趣味のスポーツや日常の動作を繰り返す過程で発症します。 症状が悪化すると、歩いたり、横を向いて寝たりする際に強い痛みを感じます。症状の悪化を防ぐためにも、大転子に痛みを感じたら、早めに整形外科を受診しましょう。 現在、大転子滑液包炎の治療法のひとつとして「PRP療法(再生医療)」が注目されています。切らない治療法なので、手術の傷跡や術後の後遺症の心配がありません。 リペアセルクリニック では、無料相談も受け付けていますので「PRP療法(再生医療)で大転子滑液包炎をどうやって治療するの?」と気になる方は、再生医療を専門とする『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 参考文献一覧 ・Effect of corticosteroid injection for trochanter pain syndrome: design of a randomised clinical trial in general practice. Brinks A, van Rijn RM, Bohnen AM, Slee GL, Verhaar JA, Koes BW, Bierma-Zeinstra SM BMC Musculoskelet Disord. 2007 Sep 19; 8():95. ・Lustenberger DP, Ng VY, Best TM, Ellis TJ: Efficacy of treatment of trochanteric bursitis: A systematic review. Clin J Sport Med 2011;21(5):447-453. ・Fox JL: The role of arthroscopic bursectomy in the treatment of trochanteric bursitis. Arthroscopy 2002;18(7):E34. ・渡邉 博史.静的ストレッチングの効果的な持続時間について.第47回日本理学療法学術大会.
2024.07.18 -
- 股関節、その他疾患
- 股関節
「人工股関節置換術を受けたのに痛みが続いてしんどい」 「痛みの原因がわからず不安」 股関節を人工関節に置き換える人工股関節置換術を受けた方で、痛みが続いて本当に回復するのか不安に感じている方も多いでしょう。痛みが続くと日常生活に支障をきたしたり、回復しない焦りで不安になったりしますよね。 そうした術後の痛みに対しては、適切なリハビリテーションと痛みのコントロールが重要です。 そこで今回は、人工股関節置換術後の痛みの原因から自宅でできるリハビリテーションの方法、人工関節を長期的に保つためのケア方法まで紹介していきます。 人工股関節置換術後の痛みが生じる原因 まず人工股関節置換術後に痛みが生じるのは「遺残疼痛(いざんとうつう)」と呼ばれる状態です。 人工股関節置換術後、痛みは多くの場合数週間から3カ月程度で回復します。 しかし、痛みが気になる方や長引いている方は、主に以下の原因から生じている可能性があります。 手術による損傷 リハビリ不足 感染(合併症) 人工関節の耐久性の問題 それぞれ詳しく解説していきます。 【関連記事】 【医師監修】人工関節とは|メリット・デメリットや置換術について詳しく解説 原因1:手術による損傷 人工股関節置換術後に生じる痛みの原因は、手術による損傷が代表的な理由です。 人工股関節置換術は、患部の股関節の骨を削る工程があるため、体への負担がかかる治療法です。骨を削るだけでなく、人工関節の埋め込みに伴い、筋肉や血管などを傷つけてしまいます。 手術をしている最中に神経が引っ張られて損傷し、足の感覚が鈍くなる症例も認められています。 多くの場合、手術による損傷は一時的で回復する傾向にはありますが、長引いている方は早めに担当医師に相談しましょう。 以下の記事では、人工関節における年代別のリスクも取り上げているので、あわせてご覧ください。 原因2:リハビリ不足 人工股関節置換術後に痛みが生じる原因には、リハビリ不足もあげられます。人工股関節置換術後のリハビリは、関節の動きを改善するだけでなく、筋力強化が主な目的です。 リハビリが不足していると、筋肉や靭帯への負荷がかかります。無理に歩くと人工関節周辺にかかった負担が炎症につながってしまうのです。逆に早く痛みを改善しようと、無理なリハビリをおこなってしまうのも注意が必要です。 原因3:感染(合併症) 人工股関節置換術後の痛みは、合併症を引き起こした場合でも現れる可能性があります。 痛みを感じる合併症の代表的なものとして感染があり、痛みが長期的に続いたり、強くなったりする方は注意が必要です。 感染が起こると、痛みのほかに関節の腫れ、発赤、熱感、発熱、倦怠感を伴う場合もあります。 なお、以下の危険因子(特定の病気や状態を引き起こす可能性がある要因)がある方は感染症にかかるリスクが高いため、注意してください 肥満 糖尿病 関節リウマチ 心血管障害など 人工股関節置換術後に痛みだけでなく、感染を疑わせる症状を伴う場合は、早めに整形外科を受診しましょう。 高齢者の方は、危険因子以外に注意しておきたい手術のリスクがあるため、以下の記事もあわせてご覧ください。 原因4:人工関節の耐久性の問題 人工関節の耐久性も術後に痛みを感じる原因の1つです。 人工関節をできるだけ長持ちさせるには、定期的な診察が重要です。しかし、日常生活において過度に負担をかけていると、耐久性に問題が生じてしまいます。 術後は3カ月、6カ月、1年後、その後は年1回のペースでレントゲン検査や医師の診察を受けましょう。 人工関節への負担を抑えるために、杖のような生活支援用具を使用した生活がおすすめです。 さらに、運動をする場合には、ウォーキングや水中エクササイズ、ルームバイクなどの実施をおすすめします。 ジョギングや器械体操、シングルテニスなどを含め、走ったりジャンプしたりと急な動きは避けましょう。 人工股関節置換術後の注意点について以下の記事で詳しく解説しているため、合わせてご覧ください。 人工股関節置換術後の痛みに対処する方法 人工股関節置換術後の痛みが気になる方には、以下の方法で対処しています。 薬物療法 リハビリ 再手術 それぞれ詳しく解説していきます。 薬物療法 人工股関節置換術後の痛みに対処するため、まずおこなわれるのが薬物療法です。 主に、炎症を抑えるためにロキソニンのような痛み止めを処方します。ただし、薬物療法の場合は根本的な解決を目的にしているわけではないため注意してください。 また、薬によっては胃腸障害や眠気などの副作用が伴うケースがあります。長期間使用すると、効果が薄れてしまうため、あくまで一時的な対処と覚えておきましょう。 リハビリ 人工股関節置換術後の痛みには、適切なリハビリも重要です。 効果的なリハビリは、関節の動きを改善する運動や筋力をつける運動、日常動作の練習など複数あります。 具体例をあげると、以下のようなリハビリを実施しています。 種類 内容例 関節可動域訓練 下肢の曲げ伸ばし ストレッチポールなどを使った下肢のストレッチ 筋力増強訓練 踏み台昇降運動 椅子からの立ち上がり運動 歩行練習 平行棒内歩行 杖歩行 ひとり歩き バランス訓練 足踏み運動 日常生活動作の訓練 階段の昇り降り 着替え 入浴 トイレ動作 複数の運動を組み合わせ、患者様の状態に合わせて難易度を上げていくと、関節の機能回復と日常生活への復帰がしやすいでしょう。 再手術 人工股関節置換術後の痛みを感じる場合、以下の原因が考えられます。 インプラントの緩み 感染 関節の不安定性 周囲組織の炎症や損傷 診断により原因を特定し、必要に応じて再手術を検討します。 再手術では、緩んだインプラントの交換や、感染組織の除去、位置の修正などを行うことで、多くの場合症状の改善が期待できます。一方で、回復そのものに時間がかかってしまう点には注意が必要です。 人工股関節置換術前の再生医療も1つの選択肢 人工股関節置換術後の痛みは、薬物療法・リハビリ・再手術で対処しますが、そもそも術後の痛みを発症させないために、人工股関節置換前の再生医療も選択肢の1つとなります。 再生医療は、患者様自身の幹細胞を用いて関節の修復・再生を促す治療法です。手術と比べて体への負担が少なく、軟骨の再生や炎症の軽減により、痛みの改善が期待できます。 手術を受けるには入院期間や回復期間が必要で、手術に伴うリスクも考慮する必要があります。対して再生医療は、そのような手術のリスクを避けながら、痛みの軽減と関節機能の改善を目指す新しい治療選択肢です。 再生医療について、より詳しい情報は以下のページでご紹介しています。ぜひご覧ください。 ※再生医療は人工関節置換術後に実施できません。あくまでも人工関節置換術前の選択肢としてご考慮ください。 まとめ・人工股関節置換術後の痛みが気になったら早めの受診を! 今回は人工股関節置換術後の痛みを感じる原因や対処法について解説しました。 人工股関節置換術後の痛みの原因として、手術による損傷やリハビリ不足などがあげられます。 痛みを早く解決するために無理なリハビリをするのはおすすめできません。症状の改善には、専門医による適切な指導のもとでリハビリを進めることが大切です。 また、人工関節の不安定性や炎症が痛みの原因の場合は、再手術が検討されます。「手術を避けたい」「人工股関節置換術後の痛みを避けたい」とお考えの方は、人工股関節置換術前の再生医療も1つの選択肢になることも覚えておきましょう。 当院「リペアセルクリニック」では幹細胞を用いた再生医療を行っています。 当院では、メール相談やオンラインカウンセリングも受け付けているので、ぜひお気軽にご相談ください。 人工股関節置換術後の痛みの原因が知りたい方からのよくある質問 そもそも人工股関節置換術後の痛みはいつまで続くの? 人工股関節置換術後の痛みは、手術した日とその翌日をピークに、1週間程度続きます。痛みは次第に回復し、手術後に処方された痛み止めを徐々に減らしていきます。 術後のつっぱり感も多くの場合、半年程度で回復しますが、長期的な健康維持が大切です。 なお、仕事の完全復帰や旅行、スポーツなどを考えている方は6カ月〜1年程度と考えてください。 無理をしてしまうと、痛みが続く期間が伸びる可能性があるため、定期的な受診をおすすめします。 以下の記事では人工関節置換術について、知っておきたいポイントを網羅的に解説しています。 人工股関節置換術後にやってはいけないことは? 人工股関節置換術後、やってはいけない姿勢や動きがあります。 たとえば、横座りやあぐら、足組みなどがあげられます。和式トイレの使用や前傾姿勢も、脱臼の可能性があるので、控えてください。 また、人工股関節置換術後は適度な運動が推奨されていますが、野球やテニスのような関節の動きが多いスポーツは避けましょう。 日常生活でも階段の利用は控え、立ちっぱなしの時間が長くならないよう、座ってできる作業をおすすめします。 転倒にも注意が必要なため、術後はとくに杖やストックを使って歩くのがおすすめです。 ※上記はあくまでも人工股関節置換術後の禁忌行為です。術式によってやってはいけないことは異なります。 自宅でできる予防法はある? 自宅で簡単に行える予防法は、以下のようなエクササイズです。 エクササイズ 内容 目的 足関節ポンプ運動 仰向けに寝て足を台の上に乗せ、足首を上下に動かし、血流を促進する 浮腫の軽減 ストレートレッグレイズ 手術した脚を真っすぐに保ったまま持ち上げ、保持する 太もも前面の筋力強化 膝の屈曲・伸展運動 椅子に座り、手術した膝を曲げたり伸ばしたりする 太もも前面の筋力強化 上記のエクササイズを毎日行うと、筋力と関節の動きが改善され、日常の動作がスムーズに行える場合もあります。 しかし、人工関節の種類によっては関節の動きに制限があるため、必ず医師や理学療法士の指示に従い、痛みに注意しながら行ってください。 なお、エクササイズだけでなく、日頃の感染予防も大切です。手術した部位を清潔に保てるよう、定期的な受診や抗菌薬の服用が主な予防法です。 発熱や腫れ、痛みが生じた場合は速やかに担当医に相談してください。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングも受け付けているので、気軽にご連絡ください。
2024.07.17 -
- 股関節、その他疾患
- 股関節
シンスプリントは、主にランナーやアスリートの間でみられる症状で、すねに痛みを引き起こす状態です。 オーバートレーニングや不適切な運動などが原因で、すねの骨に過度のストレスがかかると周りにある骨膜が炎症を起こします。 すねの痛みを抱えている方のなかには、「シンスプリントにストレッチは効果的なのか」「どのような治療法があるか」など、疑問を持っている方もいるでしょう。 今回は、シンスプリントに効くストレッチ方法のほか、治療法や具体的なリハビリテーションの方法を解説します。スポーツへの復帰時期についても詳しく解説するので、健康的な身体を維持するための参考にしてください。 シンスプリントの予防にはストレッチが効果的 シンスプリントの予防には、ストレッチをして筋肉や腱を柔軟に保つことが大切です。 シンスプリントは、運動時にすねの筋肉や腱に負担がかかることによって、痛みを引き起こします。初期症状の場合は主に運動中に痛みが現れ、重症化すると立っているときや安静時にも痛みを感じるようになります。 シンスプリントには、とくにふくらはぎや足裏、足首などのストレッチが効果的です。筋肉の緊張を和らげ、柔軟性を高めることで、筋肉の疲労が溜まりにくくなり、シンスプリントの発生リスクを減らせます。 以下の記事では、シンスプリントを発症する原因や治療法について解説しているので、あわせてご覧ください。 シンスプリントに効くストレッチ方法 シンスプリントに効くストレッチ方法として、以下の5つが挙げられます。 ふくらはぎ(ヒラメ筋・腓腹筋・後脛骨筋)のストレッチ 脛(すね)のストレッチ 足裏をほぐすストレッチ 足首まわりのストレッチ 股関節のストレッチ 以下で、それぞれのストレッチ方法を解説するので、ぜひ参考にしてください。 ふくらはぎ(ヒラメ筋・腓腹筋・後脛骨筋)のストレッチ ふくらはぎ(ヒラメ筋や後脛骨筋など)のストレッチは、シンスプリントの痛みを和らげるのに効果的です。 ヒラメ筋のストレッチ方法は、アキレス腱のストレッチに似ていて、足を前後に開いて後ろ足のヒラメ筋を伸ばします。この時、後ろ足の膝は曲げておこなうことが大切です。 このとき、後ろ足の膝を伸ばしておこなってしまうと、ヒラメ筋のストレッチにならなくなってしまうので注意してください。また、反動をつけると筋肉を痛めてしまう可能性があるため、ゆっくり30秒ほどかけてストレッチすると効果的です。 すねのストレッチ すねのストレッチも、シンスプリントの予防につながります。すねの前側に位置している前脛骨筋(ぜんけいこっきん)は、長時間の歩行などで硬くなりやすい筋肉です。 前脛骨筋のストレッチ方法は、まず椅子に座って片足を椅子の横に出します。出した足を少し後ろに引き、足の甲が床に触れる状態にします。そして、足の甲を床に押しつけるように体重をかけながら、ゆっくりと30秒ほどキープしてください。 片足ずつ、両足の前脛骨筋を伸ばしましょう。前脛骨筋をほぐすとシンスプリントによるすねの痛みを軽減できます。 足裏をほぐすストレッチ シンスプリントの予防には、足裏をほぐすストレッチも効果的です。足裏の筋肉が硬くなると、歩行時やランニング時に足首やすねに負担がかかりやすくなります。 足裏をほぐすためには、テニスボールのような硬めのボールを使用する方法がおすすめです。テニスボールを床に置き、足裏をボールの上に乗せて、体重をかけながら前後に転がします。両足とも1回40秒を目安におこないましょう。 体重を乗せた際、足裏に強い痛みが出る場合は、ストレッチを中止してください。 足首まわりのストレッチ 足首の筋肉や腱をほぐすと、足元の安定性が高まり、シンスプリントの予防につながります。 足首まわりのストレッチ方法は、踏み台や低めの椅子にかかとが出るように片足を置きます。そのまま、かかと側に体重をゆっくりとかけ、足首の後ろ側(アキレス腱周辺)が伸びる感覚を確認してください。1回40秒を目安に、反対の足も同様にストレッチしましょう。 なお、転倒しないように手すりや壁に手をかけておこなってください。 股関節のストレッチ シンスプリントの予防には、ストレッチポールを使った股関節のエクササイズも効果的です。股関節の柔軟性が低下すると、下半身全体に負担がかかりやすくなり、シンスプリントの痛みの原因になります。 股関節まわりの柔軟性を高める方法として、ストレッチポールを使った骨盤スライド運動があります。仰向けに寝転がり、両膝を曲げて足を床につけてください。骨盤を左右に揺らすように動かすと、骨盤の位置を整えて股関節の安定につながります。 腰が床と水平に動くように意識しながら、10〜20回ほど左右にスライドします。股関節の動きが良くなると、シンスプリントの予防につながります。 シンスプリントの治療法 シンスプリントの原因はオーバートレーニングやランニングフォーム、足の形状や筋力低下などであるため、症状に対する適切な治療が不可欠です。 シンスプリントの治療法は、痛みの程度に応じて以下の治療をおこないます。 保存療法 薬物療法による疼痛緩和 リハビリテーション 再生医療 それぞれ詳しく解説します。 保存療法 シンスプリントの治療は、保存療法が一般的です。シンスプリントによって痛みや腫れが現れている場合は、安静にして、疲労した筋肉や骨を休める必要があります。痛みを我慢して運動を続けていると、症状が悪化したり、最悪の場合は疲労骨折したりする可能性がある点に注意してください。 また、安静にすると同時にアイシングをして痛い部分を氷などで冷やすことも重要です。アイシングすると、腫れを抑えられるほか、痛みの軽減も期待できます。 ただし、アイシングする際は、以下に注意しましょう。 氷を袋に入れて患部を冷やす場合は、タオルを間に挟む 1回に冷やす時間は15~20分程度にする アイシングの際、短時間で急激に冷やそうとタオルを挟まず長時間あて続けると、凍傷になる可能性があります。 なお、1回アイシングをした後は、時間を空けてから再度行うことができます。特に怪我や炎症の初期(24〜48時間以内)は、定期的なアイシングが効果的です。 薬物療法 シンスプリントの治療法の一つが、薬物療法です。 薬物療法は主に疼痛緩和を目的におこなわれます。痛みが強く日常生活に支障をきたす場合には、整形外科で医師に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの使用を相談してみましょう。 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に限らず、薬物療法には副作用のリスクもあるため、医師の指導のもと用法用量を守って使用する必要があります。 しかし、薬物療法は痛みを一時的に和らげるためのもので、腫れや炎症といった根本的な問題が解決するわけではありません。 なぜなら、シンスプリントの原因には、過度なトレーニングやランニングフォーム、足の形状や筋力低下などが関与しているからです。このため、薬物療法に併せて原因に対する根本治療も重要です。 リハビリテーション 薬物療法と並行して、痛みの予防や再発防止に向けたリハビリテーションに取り組むことも大切です。シンスプリントに対するリハビリテーションには、主に以下の目的があります。 筋肉や関節の柔軟性の向上 筋力強化 シンスプリントの痛み軽減・再発防止 リハビリテーションは自宅で取り組めるメニューから、歩行姿勢やランニングフォームの改善までさまざまです。 歩行姿勢やランニングフォームを改善する際は、理学療法士をはじめとする専門家の指導のもと、正しい運動方法を習得する必要があります。 また、リハビリテーションは正しい方法でおこなわなければ、痛みが増悪する可能性がある点にも注意してください。 再生医療 保存療法で症状が改善しない場合は、再生医療も治療選択肢として挙げられます。 再生医療では、幹細胞を採取・培養して注射する幹細胞治療や、血液を利用するPRP療法などがあります。 再生医療は手術を必要とせず、スポーツによる怪我に対しても実施されています。 スポーツ外傷に対する再生医療については、以下のページで詳しく解説しています。 シンスプリントのリハビリテーションに取り組むポイント シンスプリントのリハビリテーションに取り組むポイントとして、以下の2つが挙げられます。 筋肉強化を図る テーピングやサポーターを活用する それぞれ詳しく見ていきましょう。 筋肉強化を図る シンスプリントにはストレッチも効果的ですが、リハビリテーションにおいては筋力強化を図ることも大切です。 ここでは、ふくらはぎの筋力トレーニングと足指でタオルを引き寄せる運動について解説します。 ふくらはぎの筋力トレーニング ふくらはぎの筋力トレーニングには、ゴムチューブを用いた低負荷の運動がおすすめです。まず足指の付け根にゴムチューブを巻き、手前に引きます。かかとは床につけた状態で、ゴムチューブを伸ばすようにつま先を下に伸ばします。 最初は低負荷から始め、徐々に負荷量を上げていくのが一般的です。いきなり高負荷でトレーニングすると、筋肉が再び炎症する可能性があるので注意しましょう。 足指でタオルを引き寄せるトレーニング 足指でタオルを引き寄せるトレーニングは、床に敷いたタオルの上に足を置き、足指でつまんだり離したりを繰り返して、手前に引き寄せる運動です。 この運動では、すねの内側深部にある長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)と長趾屈筋(ちょうしくっきん)が強化され、筋肉の滑走性が滑らかになります。 テーピングやインソールを活用する 筋力トレーニングのほかに、テーピングやインソールを使用して痛みの軽減を図ることも可能です。 テーピングは、筋肉や靭帯に適度な圧力を加えて安定化させ、痛みの軽減や再発防止といった効果があります。 とくに、ランニングやスポーツをする際の足への負担を軽減するのに役立つため、スポーツ選手にとってテーピングは欠かせない存在です。 シンスプリントに対するテーピング(伸縮性)の巻き方は、以下の通りです。 1本目:外くるぶしから足裏を通って引っ張り上げながら膝下まで張る 2本目:1本目と同様に、数cmずらして貼る 3本目:痛い部分の上をテーピングで1周巻く(大体すね下1/3付近) 4本目:数cmずらして1本目と同様に1周巻く また、自分の足に合ったインソール(中敷)の使用もシンスプリントの痛みの予防に効果的です。足のアーチが崩れるとバランスをとる際に筋肉に余計な負担がかかるため、アーチをしっかり支えるインソールが重要になります。 足のアーチを支えるインソールは数千円と高額ですが、痛みの予防につながるほか、自分の足を守るための装具であると考えると、決して高い買い物ではありません。 ただし、テーピングやインソールの活用だけでシンスプリントが完治するわけではないので注意しましょう。 シンスプリント発症後にスポーツ活動を再開するタイミング シンスプリントがある場合の日常生活での注意点やスポーツ活動を再開するタイミングについては、以下に示す痛みの段階(Walsh分類)を参考にするとよいでしょう。 分類 内容 Stage 1 運動後にのみ疼痛あり Stage 2 運動中に疼痛あるが、スポーツ活動に支障なし Stage 3 運動中に疼痛あり、スポーツ活動支障あり Stage 4 安静時にも慢性的な持続する疼痛あり Stage1〜3の場合、痛みによる日常生活への影響は少ないケースがほとんどです。しかし、Stage4の場合は痛みの増悪を防ぐためにも、安静にしなければいけません。 また、スポーツ活動を再開するタイミングの目安は以下の通りです。 症状が軽度の場合:約2週間 症状が重度の場合:2〜3カ月 ただし、いきなり激しい運動をすると、再度シンスプリントを発症する可能性もあるため、初めはウォーキングなど低負荷な運動から始めましょう。 疲労骨折後のスポーツ活動再開のタイミングについて知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
2024.07.11 -
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股関節唇損傷は、骨盤と太ももの骨が接続する股関節の部分で、関節のふちを囲むクッションのような役割をする「股関節唇(こかんせつしん)」という組織が裂けたり傷ついたりすることで起こる病気です。 安静に過ごす保存治療により症状緩和が期待できますが、股関節の可動域が狭くなってしまう可能性があります。可動域が狭くなると痛みを感じる原因となるため、ストレッチを取り入れるのが効果的です。 本記事では、股関節唇損傷の症状改善に役立つストレッチを5つ紹介します。 筋力強化トレーニングや回復をサポートする栄養もまとめているので、股関節唇損傷の症状改善へ向けた治療法が知りたい方は参考にしてください。 股関節唇損傷のリハビリにおけるストレッチの効果と重要性 股関節唇損傷の初期治療では、一般的に股関節への負担を軽減するため安静に過ごす保存治療を行います。 しかし、この安静期間が長引くと股関節の可動域が狭くなり、周囲の筋肉の動きも制限されてしまいます。 そこで回復段階では、股関節の可動域を広げるためのストレッチが効果的です。ストレッチは、痛みの軽減にもつながります。 股関節唇損傷に効果的なストレッチ方法 股関節唇損傷に効果的なストレッチ方法は、以下の5つです。 腸腰筋ストレッチ 大腿四頭筋ストレッチ 内転筋ストレッチ 外転筋ストレッチ お尻のストレッチ 柔軟性の維持や可動域を広げるために、ストレッチを取り入れましょう。 ただし、ストレッチを行う際に痛みがある場合は、無理をしないでください。 腸腰筋ストレッチ 腸腰筋(ちょうようきん)とは腰から脚の付け根に位置する筋肉の総称で、インナーマッスルの一種です。腰筋ストレッチのやり方は、以下の通りです。 床に仰向け状態になる 片膝を立てる 立てた膝を抱えながらお腹につけるように引き寄せる 30秒ほどキープする 1~4の動作を5回ほど繰り返す 膝を引き寄せる際は、反対側の脚が浮き上がらないよう注意します。また、背中を丸めると効果を得られにくくなるため、背筋を伸ばした状態で行うことを意識するのもポイントです。 大腿四頭筋ストレッチ 大腿四頭筋(だいたいしとうきん)とは、太ももの前側に位置する筋肉です。 大腿四頭筋が衰えると、股関節だけでなく膝関節も弱くなってしまい変形性膝関節症の原因になるため、可動域を広げて予防するのが重要です。 大腿四頭筋ストレッチのやり方は、以下の通りです。 立った状態で片方の手を壁につける もう片方の手で片足首を持ち、かかとをおしりに近づける 持ち上げた膝を後ろにゆっくり引く 太ももの前面が伸びる部分で30秒ほどキープする 1~4の動作を3回ほど行う バランスを崩さないよう、片手をしっかり壁につけるのがポイントです。体勢が不安定な場合は、横向きになって寝転がった状態で行いましょう。 内転筋ストレッチ 内転筋(ないてんきん)は股関節の付け根から太ももの内側にかけてある筋肉で、内ももと呼ばれる部分です。 股関節唇損傷を発症すると硬くなりやすい筋肉となるため、しっかりストレッチしましょう。 内転筋ストレッチのやり方は、以下の通りです。 いすに座って片脚を広げる 背筋を伸ばしたままお辞儀をするように上半身を軽く倒す 30秒ほどキープして上体をゆっくり起こす 2~3の動作を5回ほど行い、反対側の脚も行う 股関節部分の筋肉が硬いと痛みを伴いやすいため、無理のない範囲で行うのがポイントです。 外転筋ストレッチ 外転筋(がいてんきん)は股関節の付け根から太ももの外側にかけてある筋肉で、外ももと呼ばれています。 ストレッチにより股関節の可動域が向上するため、股関節唇損傷のリハビリに取り入れると効果的です。 外転筋ストレッチのやり方は、以下の通りです。 立った状態で、片足をもう一方の足の前でクロスさせる 伸ばしたい側(後ろ側の足)のお尻が外側に突き出るようにして、上体を反対側に傾ける 20秒ほどキープして上体をゆっくり戻す 1~2の動作を5回ほど行い、反対側の脚も行う 外転筋のストレッチをする際は、バランスを崩さないように注意しましょう。 お尻のストレッチ 股関節周囲筋群の柔軟性を高めるには、お尻のストレッチもおすすめです。お尻の筋肉が硬いのも、股関節の可動域が狭くなる要因になります。 お尻のストレッチのやり方は、以下の通りです。 仰向け状態で寝る 片膝を立て、反対側の脚と交差させる 立てた膝を横にゆっくり倒す 30秒ほどキープしてもとの体勢に戻す 10回ほど繰り返したあとに反対側を行う 片膝を倒して体をひねる際は、肩が床から離れないようにしましょう。肩が浮いた状態だと、ストレッチによる効果を得られにくくなるため注意が必要です。 また、膝を倒すときは無理に倒さず、気持ち良いと感じる程度の姿勢をキープするのがコツです。 股関節唇損傷に効果的な筋力強化トレーニング 股関節唇損傷では股関節の安定性や衝撃吸収能力が低下するため、ストレッチだけでなく筋力強化も大切です。筋力強化トレーニングにより、骨盤から股関節周辺の安定性や筋力が強化されるため、痛みの緩和につながります。 効果的な筋力強化トレーニングは、以下の3つです。 膝立て運動 伏せ運動 アンクルポンプ やり方とポイントを以下で解説するので、参考にしてください。 膝立て運動 膝立て運動はベッドで行える筋力トレーニングとなるため、寝る前など手軽に取り入れられます。 やり方は、以下の通りです。 仰向けの状態で寝る 片脚を立てる 立てた方の脚を伸ばす 2~3の動きを10回ほど繰り返す 一つひとつの動作をゆっくり丁寧に行うことが大切です。脚の曲げ伸ばしがスムーズに行える場合は、立てた脚と反対側の脚を真っすぐ上げて30秒ほどキープするトレーニングに挑戦してみましょう。 伏せ運動 伏せ運動も膝立て運動と同様に、ベッドで行える筋力トレーニングになります。やり方は、以下の通りです。 うつ伏せ状態で寝る 膝を伸ばした状態で片脚をゆっくり上げ、下ろす 上げ下ろしを10回ほど繰り返し、反対側の脚も行う 伏せ運動をする際は、骨盤が浮かないよう注意しながら行いましょう。また、無理のない範囲で脚を上げるのがポイントです。 アンクルポンプ アンクルポンプでは、血液循環や筋力の回復が期待できます。やり方は、以下の通りです。 脚を伸ばした状態で床に座る 片膝を立てる 足首を上下に伸ばす 10回ほど繰り返し、反対の足首も行う 痛みがない範囲内で、ゆっくり動かすことがアンクルポンプのポイントです。アンクルポンプは股関節唇損傷の手術を行った際、早期からはじめられるトレーニングになります。血液の循環が悪くならないよう、取り入れましょう。 股関節唇損傷におけるリハビリ期間の目安 股関節唇損傷におけるリハビリ期間は、3ヶ月ほどが目安になります。手術をした場合、術後に関節の癒着や可動域制限を引き起こさないよう、術後早期からのリハビリテーション実施が大切です。 また、術後1ヶ月~3ヶ月までの期間は、修復した組織へ徐々に負荷をかける筋力トレーニングを行い、筋力の回復を目指します。 体幹の筋力や骨盤、肩甲骨などの柔軟性を高めるのも股関節の負担を減らすのに重要です。そのため、無理のない範囲でストレッチや筋肉トレーニングをリハビリに取り入れましょう。 股関節唇損傷のリハビリ期間中にやってはいけないこと 股関節唇損傷のリハビリ期間中にやってはいけないことは、以下の通りです。 激しい動作や無理な体勢 長時間の座位や立位 股関節への過度の負荷 つま先立ちや深い屈曲 股関節に負担をかける行動は、股関節唇損傷の再発を誘発する要因となるため注意が必要です。また、筋力トレーニングの一環としてスクワットを取り入れるのは股関節への負荷がかかり、逆効果となります。 主治医からの指示によっては、移動する際に補助器具を使用したり、手すりを使ったりなどの工夫が必要です。股関節唇損傷の症状緩和を目指す場合は、股関節に負担がかかる動作は避けましょう。 股関節唇損傷の回復をサポートする栄養 股関節唇損傷の回復をサポートする栄養は、以下の通りです。 栄養素 期待できる効果 食品 タンパク質 筋肉や靭帯の修復を促す 赤身肉 卵 大豆食品 など オメガ3脂肪酸 炎症を抑える働きが期待できる 大豆 青魚や青魚から取れる魚油 くるみ など ビタミンC 組織の修復を助ける オレンジ いちご ブロッコリー など 筋肉や靭帯の修復や炎症を抑えるなどの働きが期待できる食品を積極的に摂取すると、股関節唇損傷の回復に役立つ可能性があります。 筋力トレーニングやストレッチとあわせて、栄養も意識した食生活を心がけましょう。 股関節唇損傷がリハビリで改善しない場合の治療手段「再生医療」 再生医療は、股関節唇損傷がリハビリで改善しない場合の治療手段の一つです。治療法の一つとなる幹細胞治療では、採取した幹細胞を培養して股関節に投与します。 当院「リペアセルクリニック」では、患者様自身から米粒2〜3粒程度の脂肪を採取し、幹細胞を培養、投与します。幹細胞は冷凍せず、投与のたびに採取するのが当院の特徴です。 また、再生医療は入院が不要のため、手術を避けたい方に適した治療法といえます。 当院では、無料のメール相談を受け付けておりますので、股関節唇損傷のリハビリに関する悩みをお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。 まとめ|股関節唇損傷の症状回復へ向けてストレッチを実践しよう 股関節唇損傷は、股関節に負担がかかることで軟骨の一部が剥がれたり傷ついたりすると引き起こされます。安静に過ごすことが治療の一つになりますが、股関節の可動域が狭くなり、周囲の筋肉を動かしにくくなるためストレッチを取り入れるのがおすすめです。 股関節唇損傷を発症した際は、自宅でできるストレッチや軽い運動により回復をサポートできる可能性があります。 また、ストレッチや筋力トレーニングなどのリハビリで回復が見られない場合は、再生医療を検討するのも手段の一つです。整形外科医や理学療法士などに相談しながら、社会生活への早期復帰を目指すリハビリを実施しましょう。
2024.07.03







