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- 糖尿病
- 脳卒中
- 足部、その他疾患
- 頭部
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- 手部、その他疾患
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「最近なぜか、寝起きに手足がしびれている」 「病気が原因ではないかと不安」 このようなお悩みを抱えている方も多いことでしょう。 寝起きに手足がしびれる原因は、寝ているときの姿勢から脳血管疾患までさまざまです。 この記事では寝起きに手足がしびれる原因を中心に解説します。 日常生活の中で行える対処法も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。 寝起きに手足がしびれる原因 寝起きに手足がしびれる原因としてあげられるのは、主に以下の5つです。 寝ているときの姿勢 神経系疾患 糖尿病による神経障害 脳血管疾患 その他の疾患 寝ているときの姿勢 寝起きに手足がしびれる原因の1つが、寝ているときの姿勢です。 腕に頭をのせて寝た 腕を頭より上にして寝た 狭い場所で寝たために寝返りを打てなかった このような体勢が長時間続くと、手足の神経が圧迫されてしまい、しびれを引き起こします。 枕が合わないこともしびれの一因です。枕が高すぎると、あごを強く引いた体勢になります。その結果生じるのが、肩や肩甲骨周辺の筋緊張です。筋肉の緊張が血行不良を引き起こし、しびれにつながります。 神経系疾患 変形性頚椎症や脊柱管狭窄症、手根管症候群、椎間板ヘルニアなどの疾患により、神経が圧迫されて、手足のしびれが生じるケースもあります。 神経系疾患と手足のしびれの関係については、以下の記事でも解説していますのであわせてご覧ください。 糖尿病による神経障害 糖尿病の三大合併症の1つが神経障害です。手足のしびれは、感覚神経の障害に分類されます。 高血糖が続くと神経に栄養を与える血管に傷がつきます。その結果血流が悪くなり、神経の働きが障害されるのです。 糖尿病による神経障害では、手足のしびれのほか、感覚の低下や筋力の低下などの症状も現れます。(文献1) 糖尿病の合併症については以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。 脳血管疾患 脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳血管疾患でも、手足のしびれが起こります。 手足のしびれ以外に、手足の麻痺や激しい頭痛、視野の異常などの症状が現れたら、速やかに脳神経外科を受診しましょう。 チェックポイントは「ACT-FAST」です。(文献2) Face:顔の片方がゆがむ Arm:片方の腕に力が入らない Speech:いつもどおり話せない Time:時間を空けずに ACT:救急車を呼ぼう 脳血管疾患は命に関わるものなので、迅速な行動が大切です。 その他の疾患 過換気症候群や更年期障害などでも、手足のしびれが起こる場合があります。 過換気症候群とは、強い不安や緊張などが原因で、何度も激しく息を吸ったり吐いたりする状態です。 息を吸ったり吐いたりを繰り返した結果、血液中の二酸化炭素濃度が低くなり、血液がアルカリ性に傾きます。血液がアルカリ性に傾くと、血管が収縮されてしまい、手足のしびれが生じるのです。 更年期障害の場合、女性ホルモンの低下が手足のしびれに関係しているとされています。 寝起きに手足がしびれるときの対処法(セルフケア) 寝起きに手足がしびれるときに自分でおこなえる主な対処法(セルフケア)は、以下の3つです。 寝る姿勢や枕を調整する 身体を温める 身体を適度に動かす 寝る姿勢や枕を調整する 寝る姿勢や枕の調整に関してのポイントを、表に示しました。 ポイント 調整方法 寝る姿勢 横向きで寝るときは、しびれやすい方を上にする あおむけで寝るときは、膝の下にクッションを入れるか腕の位置を少し高くする 枕選び 横幅50㎝以上、奥行き35㎝以上 中央が低く両サイドが高めの立体的な形 自然に立った姿勢をそのままキープできる高さが望ましい 1日の約3分の1は、睡眠時間です。筋肉の緊張や神経の圧迫がない自然な姿勢が、手足のしびれ予防のポイントといえるでしょう。 身体を温める しびれる部分を温めたり、揉んだりすると血流が改善されて、しびれがやわらぐこともあります。具体的な方法は、ゆっくりお風呂につかる、やさしくマッサージするなどです。 ただし、神経障害の方は皮膚の感覚が鈍くなることがあるため、やけどに注意する必要があります。寒いときも、長時間ストーブの前に座らないように心がけましょう。カイロで温めるときは肌に直接当てず、決められた時間を守ってご使用ください。 身体を適度に動かす ウォーキングやストレッチなどの適度な運動を行うことで、血流改善によるしびれの緩和が期待できます。 手を握ったり開いたりする、手首や足首をゆっくり曲げ伸ばしするなどもストレッチの一種です。 ただし、症状が強いときには無理に動かさず、安静にしましょう。 下記の記事では、手根管症候群による手のしびれを自分で治すためのストレッチが紹介されています。あわせてご覧ください。 まとめ|セルフケアを行っても寝起きに手足がしびれるときは医療機関を受診しよう 寝起きに手足がしびれる原因は、寝るときの姿勢から脳血管疾患までさまざまです。 自分でできるセルフケアもありますが、ケアを続けても手足のしびれが改善されない場合は、放置せず医療機関を受診しましょう。 とくに、手足が動かない、ろれつが回らないなどの症状を伴う場合は、脳血管疾患の可能性があります。命に関わることもあるので、ためらわず救急車を呼びましょう。 糖尿病を治療している中で、徐々に手足のしびれが出てきた方は、神経障害の可能性があります。早めに主治医へ相談しましょう。 手足がしびれ解消のためには、セルフケアや治療が大切です。 当院「リペアセルクリニック」では、しびれの原因となる脳卒中や糖尿病などの疾患に対して再生医療を提供しています。 手足のしびれでお悩みの方は、当院へお気軽にご相談ください。 寝起きに手足がしびれることに関するよくある質問 ここでは、寝起きに手足がしびれることに関するよくある質問を2つ紹介します。 手足がしびれるときは何科に行くと良いでしょうか? 手足がしびれるときの受診先としてあげられるのは、整形外科や神経内科、脳神経外科などです。整形外科の中でも脊椎(背骨)疾患の治療を行っているところが望ましいでしょう。 整形外科や神経内科などの受診歴がない場合は、主治医に相談しましょう。主治医に紹介状を書いてもらうことで、受診がスムーズに進みます。 しびれが急に出てきて、手足の麻痺があるときは早急に脳神経外科を受診しましょう。脳血管疾患の可能性が高く、一刻を争います。 更年期になると朝起きたら手がしびれるのはなぜですか? 原因として考えられるものが、女性ホルモンの1つ、エストロゲンの減少です。エストロゲンの減少は、自律神経の乱れにも関係しています。自律神経の乱れが、血流の悪化、ひいては手のしびれにつながっています。 エストロゲン減少の影響としてもう1つあげられるのが、皮膚の乾燥です。乾燥した皮膚は敏感であるため、しびれを感じやすくなるといわれてます。 参考文献 (文献1) 出口尚寿,西尾善彦.「糖尿病性末梢神経障害」『日本内科学会雑誌』108(8), pp.1538-1544, 2019 https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/108/8/108_1538/_pdf (最終アクセス:2025年3月20日) (文献2) 厚生労働省「みんなで知ろう! からだのこと」厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/202410_006.html (最終アクセス:2025年3月20日)
2025.03.31 -
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「手や足のしびれが続いて困っている」 「何か病気があるのだろうか?」 このようにお悩みの方も多くいらっしゃることでしょう。 手足のしびれを引き起こす病気はさまざまです。なかには原因がわからないものもあります。 本記事では、手足のしびれを引き起こす病気を中心に解説します。 しびれが続くときの受診先や、病気の予防法なども解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。 手足のしびれの原因となる病気 手足のしびれを引き起こす病気は、以下の5つです。 脳神経系の病気 脊髄(脊椎)神経系の病気 末梢神経系の病気 内科系の病気 その他の病気 それぞれの病気について解説します。 脳神経系の病気 手足のしびれを引き起こす脳神経系の病気としては、主に以下のようなものがあげられます。 脳梗塞 脳出血 一過性脳虚血発作 脳腫瘍 ここで紹介する症状がある場合は、すぐに救急車を呼んで脳神経外科を受診しましょう。 脳梗塞 脳の血管が詰まって血液が流れなくなり、酸素および栄養不足のため、脳細胞が死んでしまう病気です。 手足のしびれのほかに、手足が麻痺して動かない、ろれつが回らないといった症状が見られます。意識障害を起こすこともあります。 脳梗塞は命に関わる病気でもあるため、これらの症状が現れたら早急に医療機関を受診しましょう。 脳梗塞の症状に関しては、以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。 脳出血 脳の血管が切れて出血した結果、脳細胞が障害を受ける病気です。 手足のしびれや麻痺、ろれつが回らないなど、脳梗塞と同じような症状のほか、激しい頭痛や吐き気といった症状も見られます。 脳出血も命に関わる病気であるため、早急な受診が必要です。 脳出血の症状に関しては、以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。 一過性脳虚血発作 一時的に脳の血流が悪くなり、酸素や栄養が不足する病気です。 手足のしびれや麻痺、感覚の低下といった症状が出ますが、通常は24時間以内に消失します。(文献1) 一過性脳虚血発作は、脳梗塞や脳出血の前触れともいわれています。症状が現れてすぐに消えた場合でも、放置せずに医療機関を受診しましょう。 脳腫瘍 その名のとおり脳に発生する腫瘍で、脳そのものにできる「原発性脳腫瘍」と、他の臓器から転移した「転移性脳腫瘍」にわかれます。 症状は、手足のしびれや麻痺、頭痛、吐き気などです。視野が狭くなったり、視力が低下したりといった眼科症状が見られる場合もあります。 脊髄(脊椎)神経系の病気 手足のしびれを引き起こす脊髄(脊椎)神経系の病気は、主に以下のとおりです。 変形性頚椎症 頚椎椎間板ヘルニア 脊柱管狭窄症 後縦靱帯骨化症 変形性頚椎症 頚椎(首部分の背骨)内の椎間板の高さが減ったり、椎骨(背骨の一部)に骨のとげができたりするといった変化が生じる病気です。 首や肩が痛むほか、手の神経が圧迫されることにより、手のしびれも出てきます。 頚椎椎間板ヘルニア 頚椎をつないでいる椎間板が変形して飛び出し、脊髄や神経根が圧迫される病気です。 手や腕、首、肩にしびれや痛みが生じたり、足のもつれや歩行障害などが出たりします。首を動かすと痛みが強くなります。 以下の記事で、頚椎椎間板ヘルニアの初期症状を解説していますので、あわせてご覧ください。 脊柱管狭窄症 腰椎(腰部分の背骨)の変形により神経の通り道である脊柱管が狭くなり、神経が圧迫される病気です。50代から80代の方に多いとされています。 手足のしびれ以外には、間欠性跛行や膀胱直腸障害などの症状が見られます。 間欠性跛行や膀胱直腸障害といった症状については、以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。 後縦靱帯骨化症 頚椎の後ろにある、背骨を安定させる靱帯(後縦靱帯)が骨のように硬く変化して脊髄を圧迫するもので、厚生労働省が定める指定難病の1つです。(文献2) 症状としては、肩こりや手のしびれ、こわばり、痛みなどがあります。病気が進行すると、箸が使いにくい、字が書きにくいといった症状も出てきます。 末梢神経系の病気 手足のしびれを引き起こす末梢神経系の病気としてあげられるのは、手根管症候群や足根幹症候群などです。 手根管症候群 手根管と呼ばれる手首のトンネル部分で神経が圧迫されて、手指のしびれや痛みが発生する病気です。 中高年の女性に多く、進行すると親指の筋肉が痩せてしまい、ものを掴みにくくなります。 足根管症候群 足根管と呼ばれる内くるぶしのトンネル部分で、神経が圧迫されたり傷ついたりするために、足裏や足首にしびれや痛みが生じる病気です。 足の痛みはピリピリとした感じのもので、立ったり歩いたりしたときや、特定の靴を履いたときに生じます。足の冷えや感覚異常を伴う場合もあります。 内科系の病気 内科系の病気によっても、手足のしびれが生じます。代表的なものが、糖尿病性神経障害や閉塞性動脈硬化症です。 糖尿病性神経障害 糖尿病の合併症の1つが、神経障害です。 神経障害は、高血糖が続いたことで血流が悪くなり、手先や足先まで酸素や栄養を含んだ血液が届きにくくなるために起こります。 神経が障害された結果、手足のしびれが生じます。 閉塞性動脈硬化症 動脈硬化により血管が狭くなる、もしくは詰まるために血流が悪くなる病気です。手足の血管が狭くなったり詰まったりすると、しびれや冷たい感覚が生じます。 足の血管に閉塞性動脈硬化症が起こり、進行すると、間欠性跛行と呼ばれる歩行状態になります。 間欠性跛行とは、歩いているうちに足に痛みやしびれが生じて、休憩すると治まるものです。 その他の原因 ビタミン欠乏や更年期障害、うつ病、精神的ストレスなどが原因で手足のしびれが生じる場合もあります。 手足がしびれる病気の前兆をチェックする方法 手足のしびれはさまざまな病気の前兆として現れることがあります。 しびれの特徴からどのような疾患の可能性があるのかをチェックしましょう。 疾患名 しびれの特徴 脳血管疾患 (脳梗塞や脳出血) 片方の手足だけがしびれる 手足が麻痺する、ろれつが回らない、意識障害がある 変形性頚椎症 全体的に手がしびれる 首の後ろを動かすと手のしびれが悪化する 頚椎椎間板ヘルニア 手足のしびれに痛みを伴うことがある 手根管症候群 手の親指や人差し指、中指がしびれる 手首を酷使したあとにしびれが生じる 手足のしびれと病気の前兆について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。 手足がしびれるときに受診する病院 手足のしびれが起きる原因はさまざまです。しびれのために病院を受診する際は、しびれ以外の症状や、現在かかっている病気などから受診する科を決めましょう。 ここでは、3つの科について解説します。 脳神経外科 手足のしびれ以外に、片側の手足が動かない、ろれつが回らない、言葉が出てこないなどの症状がある場合は、脳梗塞や脳出血の可能性があります。 この場合の受診先は脳神経外科です。脳梗塞や脳出血の場合は、一刻も早い治療が必要なため、救急車を呼んで早急に受診しましょう。 整形外科 手足のしびれ以外に、腰や手足の痛み、間欠性跛行などの症状がある場合は、整形外科を受診しましょう。 受診時には、医師が状況を把握しやすいように、症状がある部位や出現時期などを伝えると良いでしょう。 内科 糖尿病や高血圧、高脂血症といった内科疾患があり、しびれ以外に症状がない場合は、内科(かかりつけ医)を受診しましょう。 とくに糖尿病治療中で手足のしびれが生じている場合は、神経障害を起こしている可能性が高いため、早めの受診が必要です。 手足がしびれる病気の予防法 手足がしびれる病気の種類はさまざまです。ここでは、3種類の病気について予防法を解説します。 脳神経系の病気 末梢神経系の病気 内科系の病気 脳神経系の病気の予防法 脳梗塞や脳出血、いわゆる脳卒中の予防で大切なことは、高血圧の予防・改善です。高血圧の予防・改善には、日常的な減塩を心がけることが効果的です。 また、糖尿病や高脂血症といった生活習慣病のほか、喫煙、過度な飲酒なども脳血管を痛めます。生活習慣病予防のためにも、バランスの良い食事や適度な運動を心がけましょう。 脳卒中は再発予防も大切です。 当院「リペアセルクリニック」では、脳卒中の後遺症治療・再発予防として再生医療(幹細胞治療)を行っております。 再生医療について詳しくは、以下のページをご覧ください。 末梢神経系の病気の予防法 ここでは手根管症候群の予防について解説します。 手根管症候群の予防や悪化防止のために大切なのは、手を酷使しないことです。とくに、手首を曲げる動作は、神経の通り道である手根管を狭くしてしまいます。 パソコン作業が多い方や、工具(ドライバー)を仕事でひんぱんに使う方は、手首を休める時間を意識して取りましょう。 糖尿病や甲状腺機能低下症の方は、手根管症候群を発症しやすいといわれています。定期的に検査を受けて、病状を確認しましょう。その上で、手首のしびれが見られた場合は、放置せずに整形外科を受診してください。 内科系の病気の予防法 内科系の病気の中でも、糖尿病は生活習慣の改善で予防できます。 糖尿病予防の主なポイントは次の通りです。 栄養バランスの良い食事や腹八分目を心がける ウォーキングやサイクリングといった適度な運動を続ける 適正体重を保つ 毎年健康診断を受ける 喫煙者は禁煙を検討する アルコールは適量を守る 糖尿病患者の方は、病気を放置せずに治療を継続しましょう。 再生医療は、糖尿病治療における新たな選択肢です。 糖尿病治療としての再生医療については、以下のページで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。 まとめ|手足のしびれの病気が疑われる際は早めに病院へ 手足のしびれを引き起こす病気は数多くありますが、原因がわからないものも少なくありません。 脳血管疾患のように命に関わる病気が原因のこともあるため、手足のしびれが続くときは放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、しびれの原因となる脳卒中やヘルニア、糖尿病などに対して再生医療を行っています。手足のしびれでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。 手足のしびれの病気に関するよくある質問 皮膚の表面がピリピリする原因は? 主な原因は、痛みを伝える神経が損傷されるために起こる神経障害性疼痛や、帯状疱疹などです。 神経障害性疼痛の場合は、痛み止めやブロック注射などの治療があります。帯状疱疹の治療は抗ウイルス薬の内服、もしくは点滴がメインの治療法です。 手足のしびれの治し方は? 原因になっている病気がある場合は、その病気を治療します。同時に、しびれをおさえる治療も行います。 しびれの主な治療法としては、消炎鎮痛剤やビタミン剤の内服があげられますが、病気によっては手術が必要です。 しびれが続くときは、医療機関で適切な治療を受けましょう。 参考文献 (文献1) 国立研究開発法人 国立循環器病研究センター「一過性脳虚血発作は、早期に完成型脳梗塞を発症する可能性が高い」国立研究開発法人 国立循環器病研究センターホームページ, 2024年9月27日 https://www.ncvc.go.jp/hospital/section/scd/cvmedicine/tia-torikumi/ (最終アクセス:2025年3月20日) (文献2)難病情報センター「後縦靱帯骨化症(OPLL)(指定難病69)」難病情報センターホームページ https://www.nanbyou.or.jp/entry/98 (最終アクセス:2025年3月20日)
2025.03.30 -
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「すねが痛くシンスプリントかもしれない」「シンスプリントの代表的な症状を知りたい」 上記のように、すねに痛みを抱えており、シンスプリントを疑っている方もいるでしょう。 シンスプリントとは、すねの内側に痛みが生じるスポーツ障害の一種です。ジャンプをしたり、走ったりなど脚に負荷がかかるスポーツをしている方に多く見られます。 本記事では、シンスプリントの症状チェックリストを紹介します。シンスプリントの原因や、診断方法も解説しているので、すねの痛みに悩んでいる方は、ぜひご覧ください。 シンスプリントの症状チェックリスト シンスプリントは、すねの内側で主に下部1/3くらいに痛みが生じます。シンスプリントの主な症状は、以下の通りです。 ジャンプやダッシュする際に痛みが生じる 運動後、安静にしていても痛い すねの下の方の内側を押すと痛い シンスプリントの初期段階では、痛みだけでなく不快感が生じるケースもあります。痛みや不快感は持続せず、運動中は気にならないのが特徴です。 次第に運動中や安静時も痛みが生じ、最終的には、歩行困難になるケースもあります。 上記で紹介したチェックリストに当てはまる方は、一過性の痛みだと判断せず、速やかに医療機関を受診するのがおすすめです。 \まずは当院にお問い合わせください/ シンスプリントの症状による4つの分類 シンスプリントは、以下を参考に自身の進行状態をチェックしましょう。ただし、個人差があるため医療機関での正確な診断が重要です。 ステージ1 シンスプリントのステージ1は、運動後のみ痛みが生じる初期段階です。 運動中や安静時に痛みはないため、日常生活への問題はありません。たとえ痛みが生じたとしても軽度であり、軽い運動によって治まります。 ステージ2 ステージ2は、運動前後に痛みが生じ始めます。 ウォーミングアップ時に痛みが生じたとしても、体が温まってくれば痛みは治まるのが特徴です。運動後も痛みが生じますが、運動中は問題ありません。 ステージ3 運動前後だけでなく、運動中に痛みが生じ始めるのがステージ3です。 運動中も痛みが生じるため、競技によってはプレーに支障を与える可能性もあります。 ステージ3になると、痛みが顕著になり悪化するため、早い段階で医療機関を受診しなくてはなりません。 ステージ4 ステージ4は、シンスプリントによる痛みが常に生じる状態です。 運動中だけでなく日常生活でも痛みが続くため、日常生活にも支障が出ます。ステージ4になると、疲労骨折の疑いも考えられます。 症状から間違えやすい|シンスプリントと疲労骨折の見分け方 シンスプリントと疲労骨折の症状は似ており、間違えてしまいがちな疾患です。 シンスプリントが悪化していると考えていたら、疲労骨折で長期間スポーツができなくなるケースもあるため、注意が必要です。 シンスプリントと疲労骨折の見分け方を以下にまとめました。 シンスプリント 疲労骨折 痛みが生じる部位 ・10cm程度で広い ・5cm以下で狭い 痛みの特徴 ・鈍痛 ・鋭い痛み 痛みが生じるタイミング ・初期段階で安静時に生じるケースは少ない ・安静時にも痛みが生じる 腫れ ・広範囲に軽微な腫れや熱感が生じる ・局所的に腫れる シンスプリントは、痛みが生じる部位が10cm程度と広いのが特徴です。 疲労骨折は、5cm以下とピンポイントで鋭い痛みが生じます。腫れが見られたり、安静時にも痛みが生じたりする場合は、疲労骨折の可能性も考えられます。 ただし、症状に当てはまるからといって、必ずしも疲労骨折だとは言い切れません。 シンスプリントや疲労骨折は、人によって症状が異なるためです。症状に当てはまる方は、一度医療機関を受診して診断してもらいましょう。 \まずは当院にお問い合わせください/ シンスプリントの原因 シンスプリントの原因は、脚の筋肉に過度な負荷がかかっていたり、シューズや練習環境に問題があったりなどさまざまです。 シンスプリントを改善・再発防止するには、原因を取り除かなくてはなりません。 ここからは、シンスプリントの原因を3つ紹介します。 筋肉に過度な負荷がかかっている ジャンプやランニングで脚の筋肉に過度な負荷がかかっていたり、無理なトレーニングを続けていたりすると、シンスプリントを起こしやすくなります。 すねに付着している「ヒラメ筋」や「後脛骨筋」などに過度な負荷がかかると、筋肉が炎症を起こすためです。筋肉疲労による炎症を防ぐには、過度な負荷がかからないよう、トレーニング量を調整しましょう。 トレーニングをしていない時期があったり、怪我から復帰したりする際は、過度な負荷を与えると筋肉が炎症を起こしやすい傾向にあります。 休息期間があった際は、低負荷からはじめ、徐々に通常トレーニングに戻すよう意識しましょう。 扁平足やO脚など脚の形に問題がある 扁平足やO脚など脚の形に問題があるケースも、シンスプリントの原因になります。 扁平足とは、足の裏のアーチ(土踏まず)がない足の形を指します。 土踏まずは、着地による衝撃を和らげるのが主な役割です。土踏まずがないと、地面からの衝撃がダイレクトに伝わり、シンスプリントになりやすくなります。 さらに、O脚やX脚など脚の形に問題がある方も注意が必要です。膝が内側や外側に湾曲していると、歩いたり走ったりする際に、すねの負担が大きくなるためです。 扁平足やO脚など脚の形に問題がある方は、医療機関や整骨院などで脚の形を矯正して、シンスプリントを予防しましょう。 シューズや練習環境が悪い シンスプリントの原因は、シューズや練習環境が悪いケースもあります。 靴底が薄かったり、かかとが削れていたりするシューズでスポーツをすると、脚に負担がかかりやすくなります。 靴底が薄いと、踏み込んだ際の体重によって、足裏のアーチが崩れやすくなるため、注意しましょう。足裏のアーチが崩れると、シンスプリントの原因になりやすい扁平足を引き起こしやすくなります。 また、シューズのかかとが削れていると、削れている方向にすねが倒れやすくなります。片方のすねが倒れると、筋肉が異常に緊張してしまい、シンスプリントを引き起こす原因になりかねません。 シンスプリントを防ぐためにも、シューズや練習環境も意識しましょう。 シンスプリントの症状を悪化させないための方法 シンスプリントの症状を悪化させないためには、安静に過ごすことが大切です。 「すぐに治るだろう」と考え、トレーニングを続けると「オーバーユース(使いすぎ)」につながり、悪化させる恐れがあります。 ここからは、シンスプリントの症状を悪化させないための方法を2つ紹介します。 安静にする シンスプリントによる痛みがある場合は、練習は控え安静に過ごしましょう。 痛みを我慢してトレーニングを続けていると、悪化するリスクがあります。安静期間は個人差があるものの、3〜5週間が目安です。 安静時にも痛みが生じる場合は、湿布や鎮痛消炎剤などを使うのもおすすめです。 ただし、湿布や鎮痛消炎剤は、一時的に痛みが治まるものの、根本的な改善にはつながらない可能性があります。「治った」と自己判断せず、一度医療機関を受診しましょう。 アイシングをする 運動後にシンスプリントの痛みが生じている場合は、アイシングが効果的です。 すね周辺の炎症を起こしている部位を冷やすと、痛みが緩和されます。一時的な効果ですが、練習後に痛みが治まらない場合はコールドスプレーや保冷剤を用いて、痛みがある部分を冷やしましょう。 シンスプリントの診断方法 シンスプリントの診断方法は、レントゲン検査や疼痛誘発検査などいくつかの方法があげられます。 場合によっては、複数の検査を組み合わせてシンスプリントを診断するケースもあります。 ここからは、シンスプリントの代表的な診断方法を4つ見ていきましょう。 レントゲン検査 シンスプリントの診断方法に、レントゲン検査があげられます。シンスプリントは、骨膜に炎症を起こす障害のため、レントゲンには写りません。 レントゲン検査をする場合は、シンスプリントが悪化し、骨に支障をきたしているケースに行われます。骨に影響をきたしていると、該当部分が白くレントゲン写真に写ります。 ただし、疲労骨折の初期段階ではレントゲン写真に写らないため、MRI検査が行われる可能性がある点に留意しておきましょう。 疼痛誘発検査 疼痛誘発検査とは、シンスプリントによる炎症が起きている部分を押して症状を確認する検査方法です。 シンスプリントの痛みは「脛骨(けいこつ)」と呼ばれるすねの骨の内側、特に下部1/3付近に生じるのが特徴です。 疲労骨折は、痛みの生じる部位が局所的なため、疼痛誘発検査で判断しやすい傾向にあります。 痛みが局所的な場合は、MRI検査やレントゲンを用いて、疲労骨折の可能性をチェックするのが一般的です。 超音波検査 超音波検査とは、痛みが生じる部分に超音波をあて、脛骨周囲の骨膜が腫れているかを確認する検査方法です。骨膜の腫れ具合や症状を確認し、シンスプリントかを判断します。 超音波検査は、動的な症状の確認が可能なため、検査時の組織状態や、治療後の変化を観察するのに有効です。 MRI検査 シンスプリントの診断では、MRI検査を用いるケースもあります。 MRI検査とは、強い磁石と電磁波を使って体の断面図を写し出す検査方法です。とくにシンスプリントでは、疲労骨折と見分ける際にMRI検査が行われます。 疲労骨折と区別する際には「T2脂肪抑制」と呼ばれる特殊な撮影方法が採用されます。 \まずは当院にお問い合わせください/ シンスプリントの治療法 シンスプリントを改善するには、適切な治療を受ける必要があります。 リハビリテーションや薬物療法による治療が一般的です。よほど慢性化していない限り、手術療法が選択されるケースは少ない傾向にあります。 ここからは、シンスプリントの治療法を4つ紹介します。 リハビリテーション シンスプリントの代表的な治療法が、リハビリテーションです。 シンスプリントの原因となるふくらはぎの硬さや筋力不足などを探り、筋力トレーニングやストレッチなど1人ひとりに合った方法でアプローチします。下腿(かたい)の後脛骨筋、長趾屈筋、ヒラメ筋などの筋肉のストレッチや、足関節の可動域訓練が行われることが多いです。 脚の形や筋力不足だけでなく、全身の筋力バランスや機能の偏りがシンスプリントの原因となるケースもあるため、リハビリテーションで全身のコンディションをチェックします。 必要に応じて、テーピングで患部の負担を軽減したり、電気療法や超音波治療などの物理療法を取り入れたりするケースも少なくありません。 薬物治療 シンスプリントの炎症によって、痛みが生じている場合は、薬物療法が行われます。 医療機関では、痛み緩和を期待できる「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」が処方されるケースが多い傾向にあります。 ただし、非ステロイド性抗炎症薬は、副作用が生じるリスクもあるため、医師指導のもと用法用量を守って使用するのが大切です。 痛み止めは、症状を一時的に緩和する効果は期待できますが、根本的な改善にはつながりません。 薬物療法によって治ったと勘違いし、激しい運動をしてしまうと、シンスプリントが悪化したり再発したりするリスクもあるため、注意が必要です。 装具療法 装具療法は、1人ひとりの足に合ったインソールを作成し、運動時の衝撃や痛みを軽減させる治療法です。足の形に合ったインソールをシューズに入れると、土踏まずの機能を補正できます。 痛みが強い場合は、足裏に加わる衝撃を軽減するため、クッション性の高いインソールを入れて衝撃を吸収します。 またシンスプリント専用のサポーターはありませんが、必要に応じて足関節にサポーターを巻いてサポートするケースもあり、装具療法もさまざまです。 再生医療 シンスプリントは、再生医療で痛みの改善を期待できる可能性もあります。再生医療は、幹細胞治療やPRP治療などが代表的です。 従来の薬物療法や装具療法で効果を期待できなかった方は、再生医療で改善を目指せるケースもあります。 リペアセルクリニックでは、再生医療を提供しています。従来の治療法で改善が見られなかった方は、再生医療を検討するのもおすすめです。 またリペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングも受け付けています。 \まずは当院にお問い合わせください/ シンスプリントの治療後スポーツ復帰にはどのくらい時間がかかる? シンスプリントの治療後、スポーツ復帰は、初期であれば2週間程度休んでから復帰しましょう。重症だと2〜3カ月程度休んでから復帰するのがおすすめです。 ただし、一定期間安静にしたからといって、すぐに激しい運動をするのは控えましょう。運動していない状態から負荷がかかると、シンスプリントが再発するリスクが高まるためです。 スポーツ復帰後は、ウォーキングやジョギングなど軽い運動からはじめ、徐々にジャンプやランニングをはじめましょう。段階的に負荷をあげてから復帰すると、再発リスクを軽減できます。 また状態によっては目安の期間よりも復帰時期が、早くなったり遅くなったりする可能性があります。 医師指導のもと、復帰時期や運動量を調整しましょう。 まとめ|シンスプリントの症状に当てはまる方は医療機関を受診しよう シンスプリントの初期段階では、運動後に痛みや違和感が生じます。 悪化すると、運動中や日常生活でも痛みが生じるため、シンスプリントの症状に当てはまる方は、速やかに医療機関を受診しましょう。 また、シンスプリントの診断方法は、レントゲン検査や疼痛誘発検査などがあげられます。シンスプリントと間違えやすい疲労骨折の可能性を判断するため、MRI検査が用いられるケースもあります。 シンスプリントの悪化を防ぐためにも、早い段階で医療機関を受診し、治療を開始しましょう。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングも受け付けています。お気軽にお問い合わせください。
2025.03.01 -
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「シンスプリントが治らない」「シンスプリントが治らない原因が知りたい」 上記のように、シンスプリントが治らないと悩んでいる方もいるでしょう。 シンスプリントは、ふくらはぎの筋力が弱かったり、脚に負荷がかかりすぎていたりすると思うように治らない可能性があります。 治らないまま放置していると、症状が慢性化するケースもあるため、治らない原因を突き止めて改善するのが大切です。 本記事では、シンスプリントが治らない原因を紹介します。治らない場合の対処法や治療法も解説しているので「シンスプリントが治らない」と悩んでいる方は、ぜひご覧ください。 シンスプリントが治らない原因とは? シンスプリントが治らない原因は、脚に負荷がかかりすぎていたり、脚の筋肉が弱かったりする点があげられます。十分な休息を取れていないと、症状が治らないケースも少なくありません。 ここからは、シンスプリントが治らない原因を5つ紹介します。 脚に負荷がかかりすぎている シンスプリントが治らない原因として、脚に負荷がかかりすぎている点があげられます。 シンスプリントは、すねにある脛骨(けいこつ)と呼ばれる骨膜(こつまく)が炎症を起こし、発症する障害です。 そのため、脚に過度な負荷がかかる動作を続けていると、骨膜の炎症が治りづらくなります。 とくに、ランニングやマラソンなど走る動作の多いスポーツをする方は、脚に大きな負担がかかるため、注意が必要です。 休息を取っていたり、運動しない時期が続いていたりすると、低負荷でも脚にとっては大きな負荷となる可能性もあります。運動していない時期が続いていた場合は、徐々に運動量を増やすよう意識しましょう。 ふくらはぎの筋肉が硬くなっている ふくらはぎの筋肉が硬くなっている方も、シンスプリントが治らない可能性があります。ふくらはぎが硬いと、骨に付着している骨膜が引っ張られやすく、炎症を起こしやすくなります。 さらに、ふくらはぎの筋肉が硬いと、足首関節の柔軟性が失われやすい点も治らない原因です。 足首の関節が硬いと、体の重心を前方に上手く移動できず、着地のときにしゃがむ動作がしにくくなります。その結果、脛骨や筋肉に大きな負荷がかかり、シンスプリントが治りにくくなります。 脚の筋肉が弱い 脚の筋肉不足もシンスプリントが治らない原因の1つです。脚の筋肉が弱いと、運動動作による衝撃によって、すねに負担がかかりやすくなります。 怪我によって筋力が落ちている状態から負荷の強い動作をすると、シンスプリントが治らない・再発しやすいため注意しましょう。 十分な休息を取れていない シンスプリントが治らない原因は、十分な休息を取れていない点もあげられます。 スポーツ後に、ストレッチやマッサージで筋肉を休めていないと、筋肉が硬くなりやすくなります。 ジャンプをしたり、ランニングをしたりなど脚に過度な負荷がかかった後は、ストレッチやマッサージで疲労を軽減させましょう。ストレッチやマッサージは、ふくらはぎの柔軟性を高める効果も期待できます。 治療方法が間違っている シンスプリントの治療を受けても治らない場合は、治療方法が間違っている可能性もあります。 シンスプリントの治療方法は、リハビリテーションや薬物療法などいくつかの方法があります。 症状や体質によって合った治療方法は異なるため、他の治療を試すと症状が改善するケースも少なくありません。 \まずは当院にお問い合わせください/ 治らないままシンスプリントを放置しているとどうなる? シンスプリントが治らないまま放置していると、慢性化したり、骨折につながったりするリスクがあります。「痛みはあるけれど運動はできる」「時間が経てば治るのでは」と考えている方は、注意が必要です。 シンスプリントが治らないまま放置するリスクを2つ紹介します。 症状が慢性化してしまう シンスプリントが治らないまま放置していると、症状が慢性化する可能性があります。 シンスプリントが慢性化すると、すね周辺に普段は見られない血管が作られます。新たな血管と神経が一緒になると、シンスプリントによる痛みは治りにくくなるため、注意が必要です。 慢性化したシンスプリントは、痛みの原因となっている血管と神経にアプローチしないと、根本的な改善は期待できません。 骨折につながる シンスプリントを放置していると、疲労骨折につながる恐れもあります。 疲労骨折とは、骨に小さな負荷が加わり続ける影響で発生する骨折です。慢性的なスポーツ障害であり、ランニングやジャンプをするスポーツ選手に多く見られます。 疲労骨折は、痛みがあっても運動を続けられるケースが多い傾向にあります。その結果、気付いたらシンスプリントが疲労骨折になっている可能性もあるため、注意が必要です。 \まずは当院にお問い合わせください/ 治らないシンスプリントは疲労骨折かもしれません! 「なかなかシンスプリントが治らない」と悩んでいる方は、疲労骨折の可能性も考えられます。疲労骨折は、痛みがあっても運動を続けられるケースが多いため、自分自身で判断するのは難しいのが特徴です。 ここからは、治らないシンスプリントと疲労骨折の違いを紹介します。 ダメージを受ける部位 シンスプリントは、すねの内側にある筋肉や骨膜がダメージを受け、炎症を起こす障害です。筋肉や骨膜がダメージを受けるものの、骨にダメージは加わりません。 一方で疲労骨折は、骨に小さなダメージが加わり続ける影響で、徐々にヒビが入る骨折です。名前の通り、骨にヒビが入る点がシンスプリントとの大きな違いです。 シンスプリントと疲労骨折は、すね周辺に痛みが生じる点は共通していますが、ダメージを受ける部分が異なる点を理解しておきましょう。 痛みや腫れ シンスプリントと疲労骨折は、痛みや腫れの度合い、生じる範囲などが異なります。それぞれの違いを見てみましょう。 痛み 腫れ 症状が出る範囲 シンスプリント ・鈍痛 ・徐々に痛みが強くなる ・腫れは軽度で広範囲に出ることがある ・10cmと範囲が広い 疲労骨折 ・鋭い痛み ・急に痛みが現れる ・骨折部位に腫れが出る ・5cm以下と範囲が狭い シンスプリントと疲労骨折を比較すると、症状は疲労骨折の方が強く出る傾向にあります。とくに、運動時にピンポイントで痛みが生じる場合は、疲労骨折が疑われます。 ただし、自分自身で症状を判断するのは難しく、症状に当てはまるからといって必ずしも疲労骨折だとは言い切れません。痛みや腫れなどの症状に当てはまる方は、悪化する前に医療機関を受診しましょう。 \まずは当院にお問い合わせください/ シンスプリントが治らない場合の対処法 シンスプリントが治らない場合は、シューズやインソールを変えたり、トレーニング計画を見直したりするのがおすすめです。 長引く症状を放置すると、疲労骨折のリスクもあるため、自分に合った対処法を見つけましょう。 ここからは、シンスプリントが治らない場合の対処法を4つ紹介します。 シューズやインソールを変える シンスプリントが治らない場合は、運動時に使用しているシューズやインソールを変えてみましょう。 靴底がすり減ったシューズや、クッション性の低いインソールを使用していると、足に衝撃が加わりやすくなります。 歪みや痛みの原因にもなるため、以下のようなシューズやインソールで脚への負担を軽減しましょう。 靴底が厚いシューズ 横幅が広いシューズ 靴底がカーブしているシューズ 土踏まずをサポートしてくれるインソール クッション性が高いシューズは、足の土踏まずにかかる負担を軽減してくれます。すねが内側に倒れるリスクも低減できるため、運動時の安定性が向上します。 メーカーによってサイズや履き心地の良さは異なるため、店舗で試し履きをして自分の足にあっているかを確認しましょう。 運動時のフォームを改善する 運動時のフォームを改善するのも、シンスプリントが治らない際の対処法としておすすめです。 不適切な運動フォームは、ふくらはぎをはじめ、体に負荷がかかりやすくなります。スポーツによって正しいフォームは異なるため、一度見直してみましょう。 多くのスポーツで共通する動作として、ランニングがあげられます。正しいランニングフォームのポイントは以下の通りです。 頭を真っ直ぐに保つ 体幹を意識して背筋を伸ばす 肩の力を抜く 腕は体の横で曲げて前後に振る 一度にすべてを完璧に行うのは難しいため、少しずつ正しいフォームを身に着けましょう。 適切な筋力トレーニングやストレッチを行う 適切な筋力トレーニングやストレッチを行うことも大切です。シンスプリントは、ふくらはぎの筋肉や足首関節が硬いと治りにくくなります。 とくに、ヒラメ筋や後脛骨筋などのふくらはぎのストレッチは、シンスプリントの痛みを軽減する効果が期待できます。 アキレス腱ストレッチのように、足を前後に開き、ふくらはぎの筋肉を伸ばしましょう。ゆっくりと30秒程度かけて伸ばすのがポイントです。 後ろに伸ばした脚の膝を伸ばしてしまうと、ストレッチ効果を期待できないため、必ず曲げた状態で行いましょう。 また反動をつけてストレッチすると、筋肉を痛める恐れがあるため、ゆっくりと行うのが大切です。 トレーニングの計画を見直す シンスプリントが治らない方は、トレーニングの計画も見直しましょう。急激に運動量を増やしたり、負荷の強いトレーニングを続けて行ったりすると、シンスプリントを悪化させる原因になります。 現在行っているスポーツに加え、スイミングやサイクリングなどのクロストレーニングを取り入れると、シンスプリントの原因となる筋肉への負荷を軽減できます。 クロストレーニングは普段使わない筋肉を刺激し、左右の筋力バランスを整える効果があります。 またトレーニングをしない休息日を設けることも大切です。筋肉や骨を休められるよう、トレーニング計画を見直しましょう。 治らないシンスプリントの治療方法 シンスプリントが治らない場合は、自己対処だけでなく専門的な治療を受けることが重要です。放置すると症状が慢性化や疲労骨折につながる恐れがあるため、医療機関を受診しましょう。 ここからは、治らないシンスプリントの治療法を4つ紹介します。 リハビリテーション シンスプリントの代表的な治療に、リハビリテーションがあげられます。脚全体の機能を高め、シンスプリントの痛み軽減や、再発防止するのが主な目的です。 単に痛みを改善するだけでなく、スポーツ復帰を目指せるよう、リハビリテーションを行います。 具体的には、足裏のアーチ構造や柔軟性、足指の機能不全などをチェックし、1人ひとりに合ったアプローチを行います。 脚だけでなく全身の筋肉バランスを確認しながらリハビリテーションを行うのが一般的です。 薬物療法 シンスプリントの炎症によって痛みが生じている場合は「非ステロイド性消炎鎮痛剤」と呼ばれるロキソニンなどの湿布を貼り、炎症を抑えます。症状によっては、飲み薬が処方されるケースもあります。 ただし、痛み止めや湿布などの薬物療法は、一時的に痛みが軽減されても、根本的な改善にはつながりません。 根本的な原因が改善されていないにもかかわらず「痛みが改善され治った」と考えていると、再発するリスクもあるため注意が必要です。 手術療法 慢性化している場合は、手術療法が必要になる可能性があります。炎症を起こしている骨や筋肉や、骨の異常な成長を取り除く手術が代表的です。 ただし、基本的にシンスプリントは、リハビリテーションや薬物療法で改善を期待できます。 シンスプリントが慢性化しないよう、治らないと放置せず、早い段階で医療機関を受診することが大切です。 再生医療 シンスプリントは再生医療で改善を期待できます。再生医療は、幹細胞治療やPRP療法などが代表的です。 従来の治療法でシンスプリントが治らない場合は、幹細胞治療やPRP治療などの再生医療も選択肢の一つです。リペアセルクリニックでは、これらの再生医療を提供していますので、お悩みの方はぜひご相談ください。 メール相談やオンラインカウンセリングも受け付けています。 まとめ|シンスプリントが治らない場合はトレーニングや治療方法を見直そう シンスプリントが治らない原因は、脚に負荷がかかりすぎていたり、ふくらはぎの筋肉が硬かったりする可能性があげられます。 治らないシンスプリントを放置していると、疲労骨折を起こすリスクもあるため、放置するのは控えましょう。 シンスプリントが治らない場合は、シューズやインソールを変えたり、トレーニング計画を見直したりすることが大切です。 さらに、シンスプリントの根本的な原因を改善するためにも、症状に合った治療を受けましょう。 リペアセルクリニックでは、再生医療を提供しています。メール相談やオンラインカウンセリングも受け付けていますのでお気軽にお問い合わせください。 \まずは当院にお問い合わせください/
2025.03.01 -
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シンスプリントと診断されたが、練習を休みたくない 大事な試合が近いから走りながらでも、なんとかしたい シンスプリントを抱えながらも、練習は継続したいと悩む方は多いです。練習をできる限り続けたい気持ち、よくわかります。 ですが、シンスプリントは走りながら治せるほど単純な症状ではありません。 無理して練習を続けると、症状の悪化を招く可能性があります。しかし、無理のないメニューや環境をしっかり整えば、練習を継続できます。 そこで本記事では、以下について解説します。 休息と対策方法 負担を軽減するマッサージ方法 負担を軽減するストレッチ方法 予防する足裏やふくらはぎのトレーニング方法 最後に、シンスプリントについてのよくある質問にお答えします。気になる疑問を解決できますので、ぜひ最後までご覧ください。 【結論】シンスプリントは走りながら治せない|休息と対策が必要 シンスプリントは走りながら治すことはできません。また、シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)は医師や専門機関により、走りながらの治療は推奨されていません。(文献1) 脚に違和感を抱えたまま走ることで、症状が悪化する可能性があります。また無理をすると、症状の回復が遅れる原因にもなります。 そのため、シンスプリントと診断された際は、走りながら治そうとしてはいけません。シンスプリントを治すには休息と対策が必要です。 テーピングを貼る 手順 内容 1.準備 足をタオルや水で洗い、乾燥させる 2.テープを適切な長さにカットする 5cm幅のキネシオロジーテープを適切な長さにカット 3.貼り始め 足の外側からスネの内側に向かって貼る 4.引っ張りながら貼る 土踏まずを持ち上げるように、膝下まで伸ばす 5.重ね貼り 1本目のテープに1/2~2/3重ねて2本目を貼る 6.クロス貼り 外くるぶしの上からスネの内側へ斜め上に貼る 7.固定 足首を1周するようにテープを巻き、しっかり固定する シンスプリントの改善にはテーピングがおすすめです。テーピングを適切に貼ることで、症状の緩和や再発防止につながります。 テーピングには5cm幅のキネシオテープと7.5cm幅のバンテージを使用します。自分で貼るのは難しいため、表を参考に周りの人や、詳しい人に貼ってもらうと良いでしょう。 以下の記事では、シンスプリントのテーピングの方法を詳しく解説しています。 運動後にアイシング 手順 内容 1.準備 ビニール袋に氷を入れ、空気を抜いて患部にフィットさせる 2.冷却時間 1回のアイシングは15~20分を目安にする 3.頻度 1時間ごとに間隔を空けて繰り返す 4.注意点 凍傷防止のためタオルを挟む、長時間のアイシングは避ける シンスプリントの緩和にはアイシングが有効です。(文献2)アイシングを行うことで炎症を抑え、症状を和らげるのに役立ちます。 1回のアイシングは15~20分を目安に行い、1時間ごとに間隔を空けてを繰り返します。アイシングを行う際は凍傷を防ぐために、長時間の冷却は避け、適度な時間で行うのが大切です。 アイシングは、運動後や違和感を感じたときに効果的な手法ですが、症状が改善しない場合は医師に相談するようにしましょう。 負荷のかからない練習量と環境にする シンスプリントの症状を悪化させないためには、練習量と環境を改善する必要があります。シンスプリントが悪化する要因としては以下が挙げられます。 不整地や硬い地面での運動・練習 足の疲労によって衝撃吸収が弱まった状態での練習 過度な走り込み 負担を減らすには、無理な運動や硬い地面での練習は避け、クッション性のある場所を選ぶことが大切です。またシンスプリントの症状が出た場合は、練習量を減らすなどし、負担軽減を優先しましょう。 シューズを変える ポイント 解説 クッション性だけに頼らない クッションは分厚ければ良いものではない。シューズの形状や高さが衝撃吸収能力に影響を与えることがある。 走り方に合わせたシューズを選ぶ 走り方に応じて、つま先と踵の高さが異なるシューズを選ぶと衝撃吸収能力が向上する。 足部の安定性を保つ 分厚いクッションが足部の不安定さを引き起こす可能性がある。安定性を保てるシューズを選ぶこと。 普段のトレーニングに合わせる 分厚いクッションは不要。普段のトレーニングに合わせて、クッション性や形状を選ぶこと。 自分に合ったシューズの選び方 足のアーチや走り方に合わせたシューズを選び、フィッティングを受けることが大切。 クッション性の低い靴の使用や、かかとのすり減った靴での練習は脛骨に負荷をかけます。しかし、クッション性と怪我の予防に関する明確なエビデンスはありません。そのため、クッション性だけに重点を置かないことが大切です。(文献3)(文献4) シューズを選ぶ際は、足のアーチや走り方、負担のかかりやすい部分を考慮し、選択するようにしましょう。 自分だけで選ぶのが難しい場合は、専門店でシューズフィッティング(足に合った靴の選定、履き心地の確認)を受けることで、自分に合うシューズを見つけやすくなります。 マッサージ・ストレッチ マッサージ・ストレッチは筋肉や筋膜の柔軟性を高めます。とくに入浴後は血行が良くなり、筋肉が柔らかくなるため、このタイミングで行うと効果的です。(文献5)(文献6) マッサージ・ストレッチは筋肉の柔軟性強化だけでなく、血行の改善や負荷のかかる部分(とくに下肢の筋肉)の緊張をほぐせます。 無理のない範囲で行う必要はあるものの、適度な運動は怪我の予防や回復の促進が研究でも明らかになっています。(文献5)(文献6) シンスプリントの負担を軽減するマッサージの仕方 シンスプリントの負担を軽減するために、マッサージが効果的です。筋肉をリラックスさせ、血流を促進し、症状を和らげます。ただし、無理なく優しく行うことが大切です。 以下でポイントを詳しく解説します。アイスマッサージ ステップ 詳細 注意点 準備するもの 小さな袋に氷を入れる、またはアイスパックを使用する。 直接氷を肌に当てないようにする。氷が肌に直接触れると凍傷の原因になります。 アイシング部位 スネの内側や足首周りを対象にアイスを当てる。 アイシングを行う部位を清潔に保つこと。傷や炎症がひどい場合は無理に行わないようにしましょう。 アイスを当てる方法 5〜10分間、円を描くようにアイスを当てながらマッサージする。 長時間行いすぎないように注意する。冷却しすぎると血行が逆に悪くなり、症状が悪化につながります。 休憩後の再実施 冷却後、少し休憩してから再度実施するとより効果的。 休憩時間を設けることで、肌や筋肉に過度な負担をかけずに効果的にアイスマッサージを行えます。 主な効果 炎症や腫れを軽減し、血流の促進に繋がります。 冷却後に違和感があれば、すぐに中止する。必要に応じて医師に相談しましょう。 氷を入れた小さな袋を患部に直接当てて、マッサージします。円を描くように10分〜15分程度行いましょう。アイスマッサージには炎症や腫れを軽減し、血流を促進する効果があります。 氷はスネの内側や足首周りに当てますが、直接肌に触れたり、同じ場所を長時間冷やしたりしないよう注意しましょう。冷却後に違和感があれば、中止して医師に相談しましょう。 足裏のマッサージ ステップ 詳細 注意点 準備するもの とくに準備は必要なく、手やマッサージオイルなどの使用もできます。 マッサージを行う際には爪を切り、硬い部分で引っかからないようにしましょう。 マッサージ部位 足の前部からかかとに向かって、親指や指の腹でマッサージする。 強すぎない圧力でマッサージを行いましょう。過度な圧力を加えるとマッサージを行なった箇所に負担がかかります。 マッサージの方法 円を描くように優しく押しながらマッサージし、30秒〜1分間行う。 アーチ部分をとくに重点的にマッサージしますが、無理に押さないようにする。少しでも違和感を感じた場合は中止します。 両足をマッサージ 反対側も同様にマッサージする。 両足を同じ方法でマッサージするのが大切です。片方だけを行うことは偏った負担をかける原因になります。 主な効果 足裏の筋肉をほぐし、アーチ部分の負担を軽減、シンスプリントの症状を改善します。 マッサージ後は無理のない範囲で、足を軽くストレッチすると、筋肉がさらにリラックスしやすくなります。 足裏を親指や指の腹で優しく押し、足の前部からかかとに向かって円を描く形でマッサージします。マッサージを行う際は、無理のない範囲で行い、強く押しすぎないことが大切です。 足裏をマッサージを行うことで、筋肉をほぐれ、アーチ部分の負担を軽減できます。 スネの内側のマッサージ ステップ 詳細 注意点 準備するもの 手だけで行えますが、マッサージオイルなどを使用しても良いです。 圧力を加える前に手やオイルでスネ部分を軽く温めておくと、よりリラックスできます。 マッサージ部位 スネの内側、脛骨の周辺を指の腹でマッサージします。 強い力を加えすぎないように注意する。違和感を感じたら、すぐに中止しましょう。 マッサージの方法 上から下に向けて円を描くように軽く押しながら、マッサージします。 1~2分間マッサージする。スネの筋肉がリラックスした感覚を覚えましょう。 反対側のマッサージ 反対側のスネも同様にマッサージします。 両側をバランスよくマッサージする。片方だけに偏らないようにしましょう。 主な効果 スネの内側の筋肉をほぐし、筋肉の緊張を和らげ、症状を軽減します。 強く押しすぎないように、リラックスした状態で行うと効果的です。 スネの内側のマッサージを反対側と合わせ、1〜2分間マッサージし、筋肉の緊張を和らげ、症状を軽減できます。(文献6) シンスプリントの負担を軽減するストレッチの仕方 シンスプリントの負担を軽減するには、ストレッチが有効です。ストレッチを行うことで、マッサージ同様、筋肉の緊張を和らげ、症状の改善につながります。 以下ではシンスプリントの負担を軽減するストレッチの方法を解説します。 後脛骨筋(こうけいこつきん)ストレッチ ステップ 手順 ポイント 1.準備 座った状態で、片足をもう一方の太ももに乗せる。 リラックスして姿勢を安定させる。 2.足首を曲げる 乗せた足のつま先を手で持ち、足首を内側にゆっくりと曲げる。 無理に力を入れず、心地良い伸びを感じる程度に調整する。 3.キープ 足首の内側を曲げた状態を15~30秒間保持する。 深呼吸しながら、筋肉の伸びを意識する。 4.反対側も実施 ゆっくり元の位置に戻し、反対側の足も同様に行う。 左右交互に2~3回繰り返す。 脛骨の内側から足首にかけて付着する後脛骨筋のストレッチを行い、柔らかくします。コツは反動をつけずにゆっくりと伸ばすことを意識します。 無理な力は後脛骨筋に負担をかけ、シンスプリントを悪化させる恐れがあるため注意しましょう。無理がない範囲で行うことが大切です。 腓腹筋(ひふくきん)ストレッチ ステップ 方法 ポイント 1. 姿勢をとる 壁の前に立ち、片足を一歩後ろに引く。 後ろ足のかかとを床につけたままにする。 2. 体を前に倒す 壁に手をつき、前足の膝を軽く曲げながら体を前方に倒す。 背筋を伸ばし、無理に体を曲げすぎないようにする。 3. ストレッチを保持 ふくらはぎが伸びるのを感じながら15~30秒キープ。 反動をつけず、ゆっくりと伸ばす。 4. 反対側も行う 片側が終わったら反対の足も同様にストレッチする。 毎日継続して行うことで効果が期待できる。 腓腹筋を伸ばし、ふくらはぎの柔軟性を高めることで、シンスプリントの改善に役立ちます。反動をつけず、かかとを床につけたまま無理のない範囲で行いましょう。 ヒラメ筋ストレッチ ステップ 方法 ポイント 1.姿勢をとる 壁の前に立ち、片足を一歩後ろに引く。 後ろ足のかかとを床につけたままにする。 2.ひざを曲げる 後ろ足のひざを軽く曲げ、ふくらはぎの下部(ヒラメ筋)を伸ばす。 背筋を伸ばし、ゆっくりと動作を行う。 3.ストレッチを保持 ふくらはぎの下部に伸びを感じながら15~30秒キープ。 反動をつけず、無理のない範囲で行う。 4.反対側も行う 片側が終わったら反対の足も同様にストレッチする。 呼吸を意識して、リラックスしながら行う。 ヒラメ筋ストレッチはシンスプリントの症状緩和に効果的です。ふくらはぎの柔軟性を高めることで、脛骨への負担が軽減されます。 無理はせず、ゆっくりとした動作でヒラメ筋ストレッチを行うことが大切です。適切に行うことで、症状の悪化を防ぎ、パフォーマンス向上に繋がります。 シンスプリントを予防|足裏やふくらはぎのトレーニング方法 シンスプリントの予防には、足裏やふくらはぎのトレーニングも大切です。正しいトレーニングを行い、筋力を鍛えることで、足部の衝撃吸収能力や安定性が向上し、発症を防止できます。 以下では、足裏やふくらはぎのトレーニング方法について解説します。 タオルギャザー 足裏の筋力を鍛えるトレーニングで、床にタオルを広げ、足でタオルを引き寄せる動作を繰り返します。このとき、かかとの位置は変えずに行うようにしましょう。 足底のアーチを意識しながら、タオルを引き寄せることで、足裏の筋力を強化できます。 両脚ヒールレイズ ふくらはぎの後面に位置する、ヒラメ筋と腓腹筋を鍛えるトレーニングです。直立した状態で、両足を使ってかかとを上げ下げします。 このとき、できるだけかかとを高く上げ、膝をしっかり伸ばした状態で行います。また身体がふらつかないように注意しましょう。 チューブを使った筋力トレーニング トレーニングチューブを使って、足やふくらはぎの筋肉を鍛えるトレーニングです。コツは低負荷から始め、徐々に負荷を上げていくようにします。 いきなり負荷をかけると筋肉が炎症を起こし、症状が悪化する恐れがあります。ゆっくりと無理のない範囲で行いましょう。 チューブを使った筋力トレーニングについては、以下の記事で詳しく解説しております。 走ると辛いシンスプリントは当院にご相談ください シンスプリントは走りながら治すのは難しいですが、適切な対策とトレーニングで改善できます。 改善が進まない場合は、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。再生医療で組織の修復をサポートします。 走ると辛いシンスプリントでお悩みの方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にお問い合わせください。 走りながらシンスプリントを治したい方からよくあるQ &A シンスプリントの主な原因は シンスプリントの原因は、筋肉や被膜の異常によって引き起こされます。筋肉に負荷がかかると硬くなり、柔軟性が低下します。その結果、筋肉が脛骨を引っ張り、負荷が増加して炎症が起き、違和感が生じるのです。 以下の記事では、シンスプリントの原因と予防策を詳しく解説しています。 シンスプリントは走りながら治すのではなく病院行くべきですか? シンスプリントは走りながら治すのではなく、病院に行くべきです。シンスプリントは筋肉や神経が炎症を起こしている状態であり、負荷をかけると症状が悪化する可能性があります。 症状を悪化させないためにも、病院で診察を受けることをおすすめします。 シンスプリントに湿布は効果的ですか? シンスプリントに湿布は一時的な痛みを和らげる効果がありますが、根本的な治療にはならないことが多いです。湿布は主に炎症を抑え、血流を改善するために使用されます。 冷湿布は炎症や腫れを抑える効果があり、急性の炎症があるときに適しています。一方、温湿布は、患部を温めて血行を促進し、筋肉の緊張を和らげます。 慢性的な痛みに効果的ですが、炎症がひどい場合には逆効果になることもあるので、注意が必要です。 参考文献 (文献1) Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA「シンスプリント」MSDマニュアル プロフェッショナル版,2021年10月 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/22-%E5%A4%96%E5%82%B7%E3%81%A8%E4%B8%AD%E6%AF%92/%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84%E6%90%8D%E5%82%B7/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%88?utm_source=chatgpt.com(最終アクセス:2025年2月24日) (文献2) 一般臨床整形外科学会日本臨床整形外科学会「アイシング」一般臨床整形外科学会日本臨床整形外科学会ホームページ https://jcoa.gr.jp/%E5%81%A5%E5%BA%B7%E7%9B%B8%E8%AB%87/%E6%A5%BD%E3%81%97%E3%81%8F%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84%E3%82%92%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AB/%E5%BD%B9%E7%AB%8B%E3%81%A4%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E3%81%AE%E7%9F%A5%E8%AD%98/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0/?utm_source=chatgpt.com(最終アクセス:2025年2月24日) (文献3) Laurent Malisoux, et al. (2020)Shoe Cushioning Influences the Running Injury Risk According to Body Mass: A Randomized Controlled Trial Involving 848 Recreational Runners - PubMed https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31877062/(Accessed: 2025-02-24) (文献4) Naoko Aminaka,et al.(2018),NO IMMEDIATE EFFECTS OF HIGHLY CUSHIONED SHOES ON BASIC RUNNING BIOMECHANICS,1-10 https://hrcak.srce.hr/file/283953(Accessed:2025-02-24) (文献5) Miloš Dakić, et al.(2023),The Effects of Massage Therapy on Sport and Exercise Performance: A Systematic Review - PMC https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10302181/(Accessed:2025-02-24) (文献6) Robert D Herbert, et al.(2011),Stretching to prevent or reduce muscle soreness after exercise - PubMed https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21735398/(Accessed:2025-02-24)
2025.02.28 -
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シンスプリント(すねの内側に走る痛み)に悩まされている方は多いのではないでしょうか。 とくにランナーやジャンプ動作の多いスポーツ選手は、この痛みで思うように練習ができず、「いつになったら治るのか」と不安を抱えてしまいます。 シンスプリントは放置すると慢性化し、練習や試合への影響も長引く恐れがあるため、早期のケアと原因の把握が重要です。 本記事では、シンスプリントの原因やメカニズムを丁寧に解説しつつ、よく混同される疲労骨折との違いにも触れます。 痛みの出方や回復のスピードは人それぞれですが、症状と向き合い適切に休養を取ることで、回復を早めることが期待できます。 「どのくらい休む必要があるのか」「休んでいる間にできることは?」といった不安を解消し、スポーツに早く復帰するためのヒントを見つけていただければ幸いです。 シンスプリントの原因・メカニズム シンスプリントとは、別名で脛骨過労性骨膜炎とも呼ばれ、すねの内側(脛骨内側)に慢性的な痛みや違和感が生じる障害の総称です。 使いすぎ症候群(オーバーユース)のひとつで、走ったり飛んだりする激しい運動のスポーツに多く見られます。 バスケットボールやサッカー、ランニングを伴うスポーツを頻繁にしている選手に多く、日本では春先にクラブ活動が活発になる新学期の4月ごろから発症が増加します。 発生要因はさまざまですが、過剰なトレーニングや足に負担のかかるランニングフォームのような内的要因から、硬いグラウンドや路面でのトレーニング、クッションが薄いシューズの使用で足に負担がかかることで起きる外的要因などが考えられます。 すねには前脛骨筋や後脛骨筋をはじめとする複数の筋肉が付着しており、これらが強い衝撃や過度な運動量にさらされることで、脛骨(けいこつ)の周りにある骨膜が炎症を起こし、痛みが発生します。 とくに練習量を急激に増やしたり、柔軟不足のままハードなトレーニングを続けたりすると、負荷が一気にかかりシンスプリントが起こりやすくなります。 症状としては、初期段階では走り始めやジャンプ前後に鈍い痛みを感じ、休めばある程度治まります。 しかし、進行すると何もしていないときでも痛むようになり、さらに放置すると慢性化して長期離脱を余儀なくされるケースも珍しくありません。 早い段階で休養に入り、運動量の調整が大切です。 \まずは当院にお問い合わせください/ 疲労骨折との違い シンスプリントと同じように「すねの痛み」を伴う症状として、疲労骨折がよく挙げられます。 どちらもランナーやスポーツ選手に多い障害ですが、症状は根本的には大きく異なる状態です。 シンスプリント:すねの骨膜が炎症を起こしている 疲労骨折:骨自体にひび(亀裂)が入った状態 シンスプリントはあくまで炎症や微細な負荷が蓄積した結果であり、骨折とは段階が違います。 痛みの出方や治り方も異なるため、痛みが強く「骨がじんじんする」「力をかけるとさらに痛い」と感じた場合は、単なるシンスプリントではなく疲労骨折を疑う必要があります。 ただ、混合して認識されてしまう点としては、痛みの発生カ所が似ている点です。 疲労骨折もシンスプリントもふくらはぎの内側に痛みを感じるため、区別が難しいとされています。 いずれにせよ、疲労骨折が進行してしまった場合、医療機関でレントゲンやMRIで骨折かどうか判断してもらえるので、自己判断で放置せず専門家に相談が重要です。 シンスプリントと疲労骨折を混同したまま練習を続けると、回復までに長期間かかるリスクが一気に高まりますので、早めの対処を心がけましょう。 シンスプリント完治まで休む期間 シンスプリントは症状の度合いによって休む期間や復帰に向けたアクションも変わります。 身体と相談しながら休む期間を設定しましょう。 軽症~中度の目安 シンスプリントが比較的軽度の段階であれば、目安として2週間程度の安静を保つことで痛みがかなり和らぐケースが多いとされています。 ただし、痛みが引いたからといってすぐに元の運動量に戻してしまうと、再び負荷がかかって再発するリスクが高まります。 軽度から中度の場合でも、無理をせず段階的に運動を再開しましょう。 運動を完全に休む期間は、人によっては「1週間程度で痛みがおさまる」こともありますが、痛みがなくなった直後が最も危険ともいえます。 焦って運動強度を以前の水準まで一気に戻すと、痛みがぶり返して長引く原因になるからです。 そのため、「痛みが消えたあともしばらくは負荷を抑え、様子をみながら徐々に復帰する」ことが大切になります。 重症例や慢性化したときの休む期間 痛みが強い場合や、何度も繰り返して慢性化してしまったケースでは、完治までに2〜3カ月以上の休養が必要になることがあります。 さらに、痛みがずっと続く難治性のシンスプリントでは、半年以上にわたって治療とリハビリを続ける必要が生じることも珍しくありません。 とくに慢性化すると炎症が長期間にわたって続き、骨膜や周囲組織へのダメージが深刻になりがちです。 こうした場合は、痛みの度合いや経過を慎重に観察しながら、医療機関での検査やリハビリ指導を受ける必要があります。 短期間で無理に運動を再開すると、さらに症状が悪化し復帰までの期間が長期化してしまう可能性があるため注意しましょう。 シンスプリントで休んでいる期間にするべきこと シンスプリントによる痛みが強いときは、患部への負荷への負担を減らし、炎症を抑えましょう。(文献1) 痛みがあるまま運動を続けると症状が悪化し、結果的に長期離脱につながるリスクがあります。以下のポイントを意識して早期復帰を目指しましょう。 発症直後の治療法 シンスプリントを発症して痛みが強い急性期には、まず患部の安静が欠かせません。 以下のような保存療法を組み合わせると、痛みの軽減と回復を早めることが期待できます。 安静 痛みが出る運動を控え、患部への負担を極力減らす アイシング 炎症や痛みが強いときは、1回15〜20分程度を目安に1日数回冷やす 痛み止めの内服・外用 必要に応じて使用し、炎症や痛みを抑える 物理療法 病院やクリニックで電気療法・超音波治療によって、血流促進や組織の回復を助ける 装具療法(インソール) その方の足に合ったオリジナルのインソールを作成します。足底のアーチを足の形と合わせて作成し、痛みを軽減する 急性期の炎症が落ち着くと痛みも和らぎますが、ここで安易に「もう大丈夫だろう」と判断すると再発リスクが高まります。 痛みがある程度引いた状態でも、医師やトレーナーの指導を受けながら慎重に運動量を調整しましょう。 シンスプリントの一般的な治療法 痛みが落ち着いた後や、慢性期においては、以下のようなアプローチで症状の改善や再発防止を目指します。 ストレッチ・マッサージ ふくらはぎや足首まわりの筋肉が硬くなると、すねへの負荷が増しやすくなります。適切なストレッチやマッサージで、筋肉を柔軟に保つことが大切です。 テーピングやサポーター 足首やすねの筋肉をサポートし、骨膜への負担を軽減できます。正しい貼り方や装着方法を学び、運動時に活用すると効果的です。 湿布の活用 痛みが強い場合や炎症を抑えたいときには、鎮痛成分や消炎成分を含む湿布を活用する方法もあります。運動後に患部へ貼ることで、熱感や腫れをある程度コントロールし、回復を促進するサポートになる可能性があります。ただし、肌がかぶれやすい方は注意が必要なため、医師や薬剤師に相談しながら使用しましょう。 \まずは当院にお問い合わせください/ シンスプリントにおける再生医療の効果 近年では、自己の細胞や血液成分を活用した再生医療も注目を集めています。 なかでも「PRP療法(多血小板血漿療法)」は、損傷組織の修復や炎症の緩和を促進するとされ、シンスプリントの改善にも一定の可能性が期待されています。 PRP療法では、自分の血液を採取し、血小板を濃縮して患部に注入し、回復をサポートする成長因子を集中して届けます。 通常の保存療法と併用すると、より早期の回復や慢性化の予防につなげられる可能性があり、当クリニックでは、再生医療のプロフェッショナルとして、数多くの患者さまのお悩みを解決して参りました。 PRP療法にご興味がある方は是非以下のリンクにPRP療法についての詳細を記載しておりますので、気になる方は是非ご覧ください。 また、当クリニックでは無料相談も行なっておりますので、不明点などございましたらお気軽にご連絡ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ シンスプリント完治後の再発予防ポイント シンスプリントが完治した後は、再発を防ぐ工夫が必要になります。 痛みが完全に消えても以前と同じトレーニングをいきなり再開すると再発リスクが高まるため、以下の点を意識しましょう。 運動再開のタイミング シンスプリントの痛みが落ち着いたあと、いつ・どの程度から運動を再開すべきかは悩みどころです。 治ったからといって、いきなり元の練習量に戻してしまうと、再発するリスクが高くなります。 以下のポイントを意識しながら少しずつ負荷を上げていくことが望ましいでしょう。 トレーニング計画の見直し 急に過度な練習量や負荷をかけないようにします。シーズン初めや運動開始直後の時期には、走行距離やジャンプの回数を徐々に増やし、身体が慣れる時間を設けます 痛みが出始めたら早めに休養を取り、悪化する前の対処が重要です。 シューズと練習環境の改善 クッション性の高いシューズを使用し、靴底がすり減ってきたら早めに買い替えます。できるだけ柔らかい地面を選んで練習し、アスファルトなど硬い路面での長距離走は避けるようにしましょう。 柔軟性の向上 日頃から下腿のストレッチを習慣づけ、ヒラメ筋や後脛骨筋などふくらはぎ周囲の筋肉の柔軟性を高めておきます。運動前のウォーミングアップも入念に行い、筋肉や腱・骨膜への血流を良くしてからスポーツに臨みましょう。 筋力強化とフォーム改善 下肢の筋力、とくに着地の衝撃を支える太ももやふくらはぎの筋力を強化すると、ランニングやジャンプ時の負担を軽減できます。加えてランニングフォームを見直し、着地の際は膝とつま先の方向を揃える、ドスンドスンと音を立てずソフトに着地するといった動作を心がけます。必要に応じて専門家からフォーム指導を受けるのも良いでしょう。 足のアーチサポート 偏平足で土踏まずのクッション機能が低下している人は、衝撃がダイレクトに脛骨へ伝わりやすいため注意が必要です。アーチを支えるインソールを用いることでアーチを強化し、衝撃を和らげましょう。 体重管理 急激な体重増加は下肢への負担を増やします。筋力が追いつかない状態で体重だけ増えるとシンスプリントが再発しやすくなるため、増えた体重を支えられるよう下半身の筋力トレーニングも並行して行ってください また、再発防止のためにはポイントだけでなく以下のステップを意識しましょう。焦らず徐々に身体を慣らしていくことが一番近道です。 歩くことから始める 痛みや違和感がないか確認しながらウォーキングを取り入れてください。 軽いジョギング 短い距離や時間であれば問題ないかをチェックしましょう。 インターバルを十分に取りつつ運動量を増加する 痛みが再発しない範囲で徐々に負荷を高めていき、本格的に復帰を果たしましょう。 もしウォーキング段階で痛みがぶり返すようであれば、再度休養や治療を挟む必要があります。焦らずに段階を踏み、身体の声を聞きながら復帰の速度をコントロールしましょう。 以上の対策を講じ、症状に注意しながら段階的に運動を再開できると、シンスプリントの再発リスクを下げ、スポーツを続けられます。 無理のない計画的なトレーニングとコンディション管理が再発予防の鍵となります。 シンスプリントは十分な休息期間を設けて改善に努めよう シンスプリントは、無理してトレーニングを続ければ続けるほど、症状が長引きやすい障害です。 痛みが出始めた段階で対策を講じ、運動量を調整して、回復期間の短縮が期待できます。 休む期間をつくりたくない気持ちはアスリートであれば誰もが抱えるものですが、やむを得ず長期離脱するよりも、短期の休養や適切なケアを優先したほうが結果的にスポーツへの復帰が早まるケースも少なくありません。 自分だけでは回復の見通しが立たない場合や、慢性的な痛みで悩んでいる方は、医療機関の受診を検討してみてください。 痛みの原因を特定し、あなたの状態に合わせた治療プランを立ててもらうことで、再発リスクを抑えながら早期回復を目指せます。 休息をしっかりと取りつつ、シンスプリントの根本的な改善に取り組みましょう。 参考文献 (文献1) 日本スポーツ整形外科学会,「スポーツ損傷シリーズ 15.シンスプリント」 https://jsoa.or.jp/content/images/2023/05/s15.pdf (最終アクセス:2025年02月24日)
2025.02.28 -
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シンスプリントと診断されたけど、テーピングの方法がわからない 自分でもできる、テーピング方法を知りたい シンスプリントのテーピング方法でお困りではありませんか。 シンスプリントは、適切な処置をせずに放置しておくと症状が悪化する可能性があります。負担を減らすためには、正しい方法でテーピングを行う必要があります。 そこで、本記事では以下について解説します。 シンスプリントについて テーピングがシンスプリントに効果的な理由 シンスプリントはテーピングした方が良いのか シンスプリントのテーピングの巻き方・貼り方 シンスプリントにおける間違ったテーピングの巻き方・貼り方 シンスプリントの治癒と予防策 テーピングについて、正しい知識と手順を身につけ、快適なコンディションを目指しましょう。 シンスプリントとは シンスプリントは、脛骨(けいこつ)の内側下部に炎症を起こすスポーツ障害で、過労性脛骨骨膜炎(かろうせいけいこつこつまくえん)とも呼ばれています。 症状の特徴は、運動時や運動後に脛骨(けいこつ)の内側の中央付近にズキズキとした違和感があることです。 主にランニングやジャンプをよく行うスポーツ選手に見られる症状で、バスケットボール、サッカー選手、陸上選手などが発症しやすいといわれています。 また、発症しやすい年齢としては12〜16歳がピークで、女性の方が男性の約1.5倍多いのも特徴です。 シンスプリントの原因は過度の運動や固いグラウンドなどの練習で発症します。症状のステージは1〜4あり、ステージ3になると運動に支障が出るため、練習の中止が必要です。 以下の記事ではシンスプリントの原因を詳しく解説しています。 テーピングがシンスプリントに効果的な理由 テーピングは、筋肉のサポートや関節の安定性を高める役割があります。効果として、負担の軽減・筋・骨膜のサポート・血流促進などが期待できるでしょう。(文献1) 以下では、テーピングがシンスプリントに効果的な理由を解説します。 筋肉・骨膜の負担を軽減できる テーピングは脛骨(けいこつ)周囲の筋肉を適度に圧迫し、過剰な振動や引っ張りを抑制するため、炎症の進行を防ぐ効果が期待できます。 筋肉の動きをサポートするだけでなく、過度な負担やストレスから守るのも、テーピングの役割です。 また、日本サッカー協会(JFA)が発行した、サッカー医学マニュアルでは、シンスプリントに関する記述があり、テーピングが筋肉や骨膜への負担を軽減し、症状の緩和に寄与する可能性が示唆されています。(文献2) 運動を継続しながらも回復をサポート テーピングは、運動中の患部をサポートし、症状を和らげる効果が期待できます。ただしテーピングはあくまで対症療法であり、根本的な原因の解決にはなりません。(文献2) テーピング中の無理な運動はNGです。違和感が長引くようであれば、自己判断はせずに医師に相談しましょう。 シンスプリントはテーピングした方が良いのか 効果 解説 筋肉・骨膜の負担軽減 筋肉の動きを補助し、脛骨(けいこつ)周囲の負担を軽くする。 運動時の衝撃吸収 筋肉の振動を抑え、地面からの衝撃を和らげる。 足首の安定性向上 首の過度な動きを防ぎ、脛骨(けいこつ)へのストレスを軽減する。 (文献3)(文献4)(文献5) テーピングはシンスプリントの症状に対して、負担を軽減する手段として有効です。テーピングの主な目的は、ふくらはぎの筋肉や骨膜への負担を減らし、衝撃を分散させることです。 適切にテーピングを行うことで、脛骨(けいこつ)周囲の筋肉をサポートし、過度な引っ張りを抑える効果が期待されます。 とくにスポーツ時の地面から衝撃が脚に伝わるのを和らげる効果や筋肉の振動を押さえられ、内側に過剰な負担がかかるオーバープロネーション(過回内)を防ぐ役割も果たします。 ただし、テーピングは補助的な手段のため、根本的な改善には適切な運動やストレッチ、休息が不可欠です。テーピングはあくまで、対症療法であることを念頭に置きましょう。 シンスプリントのテーピングの巻き方・貼り方 テーピングの用途 概要 注意点 日常生活のテーピング 伸縮性テープを使用し、足の甲からすねの内側を通り、膝下まで貼る。 適度な張力をかけ、皮膚にシワができないように注意する。 スポーツ競技時のテーピング 足首を90度に保ち、足の甲の中央からすねの内側を通り、膝下までテープを貼る。踵骨(かかとの骨)をサポートする方向に張力を調整。(文献2) かかとの骨を適切にサポートするように張力を調整。(文献2) シンスプリントのテーピングには、主に日常生活用とスポーツ競技用の2種類があります。日常生活でのテーピングは、患部のサポートと症状の軽減を目的とします。 一方でスポーツ競技時のテーピングは、運動中の負担を軽減するのが目的です。以下では、目的別のテーピング方法を解説します。 日常的生活のテーピング 順番 テーピング方法 注意点 1本目 足の外側から始め、脛骨(けいこつ)の内側に沿って膝下まで貼る。 テープの張力が強すぎないように注意する。皮膚にシワができないように貼る。 2本目 1本目に半分から2/3程度重ねて、同様に貼る。 重ねる際は、均等に張力をかけすぎないよう注意し、重ねすぎないようにする。 3本目 外くるぶしの上から脛骨(けいこつ)の内側へ、少し斜め上に向かって貼る。 斜めに貼る方向を間違えると、サポートが不十分になる。 4本目 1本目とクロスするように貼り、テンションをかけながら固定する。 クロスする位置を適切に調整し、違和感の中心部をサポートするようにする。 5本目以降 症状のある部位を中心に、テープをクロスさせながら貼る。 貼りすぎると圧迫が強すぎる可能性がある。 仕上げ 必要に応じて、バンデージテープを上から巻いて固定する。 バンデージテープがきつすぎると血行が悪くなるため、圧力に注意。 日常生活でのテーピングは、シンスプリントによる症状の軽減と患部のサポートを目的としています。症状を和らげ、患部をサポートするために、足の甲から脛骨(けいこつ)内側を通り、膝下までテーピングします。 テープは適度な張力で、皮膚にシワができないように貼りつつ、過度な圧力を避けることが大切です。血行を保つため、適切な圧力で貼りましょう。 スポーツ競技時のテーピング 順番 テーピング方法 注意点 1本目 足首を90度に保ち、足の甲の中央から、すねの内側を通り、膝下までテープを貼る。 テープの張力が強すぎないように、動きやすさを考慮して貼ること。 2本目 1本目に半分から2/3程度重ねて、同様に貼る。 重ねすぎないように注意し、過度な圧迫を避けること。 3本目 足首を90度に保ち、足の甲の中央からすねの内側を通り、膝下までテープを貼る。 斜めの貼り方で足のアーチを支えるため、適切な方向に貼ることが重要。 4本目 足首の外くるぶしの上から、少し斜め上に向かって脛の内側を通り、膝下まで貼る。 クロスする位置を考慮し、脛骨(けいこつ)への過度な負担を避けるように調整。 5本目以降 足首の安定性をサポートするため、テープをクロスさせながら必要な部位を覆う。 過剰に貼ると足首の動きが制限され、競技中のパフォーマンスに影響が出るため、適度な圧力で貼ること。 仕上げ 必要に応じて、バンデージテープを上から巻いてテープを固定する。 バンデージテープがきつすぎると血行を妨げることがあるため、圧力に注意。 スポーツ競技時のテーピングは、動きやすさを保ちつつ負担の軽減が目的です。日常生活のテーピングとは異なり、運動中の衝撃吸収や足首の安定性を意識して貼るようにしましょう。 シンスプリントにおける間違ったテーピングの巻き方・貼り方 テーピングは正しく行うことで、負担の軽減や患部のサポートができます。間違ったやり方は、効果を得られないだけでなく、逆効果になる可能性もあります。 以下では、間違ったテーピングの巻き方・貼り方と正しい貼り方について解説します。 きつすぎる 問題点 正しい貼り方 テーピングを強く巻きすぎると血流が悪くなり、しびれやむくみの原因となる。 貼る際は適度なテンションをかけ、圧迫しすぎないようにする。 筋肉や関節の動きを妨げ、パフォーマンス低下につながる。 貼った後に指一本が入る程度の余裕を持たせる。 長時間の使用で皮膚に負担がかかり、かゆみやかぶれを引き起こすことがある。 こまめに状態を確認し、違和感があればすぐに貼り直す。 脛骨(けいこつ)やふくらはぎの筋肉に適切なサポートを与えられず、テーピングの効果が半減する。 シンスプリントに適したライン(すねの内側の筋肉)に沿って貼る。 違和感の部位に直接貼るのではなく、筋肉の動きをサポートする位置に貼ることが重要。 テーピングを貼る前に、違和感がある場所を確認し、サポートすべき筋肉を意識する。 テーピングを強く巻きすぎると、血流が悪くなり、違和感やしびれを引き起こす可能性があります。テーピングを巻くときは、適度な圧力を意識するようにしましょう。 緩すぎる 問題点 正しい貼り方 テーピングが緩すぎると、適切なサポートが得られず、症状を軽減する効果が低減する。 適度なテンションをかけて密着させる。 テーピングが緩いと筋肉のブレを抑えられない。 テーピングする際に、筋肉が適切にサポートされるよう意識する。 運動中にズレやすくなり、適切な圧力が維持できない。 テーピング後、指一本が入る程度の圧迫感があるか確認する。 テープが動くことで摩擦が生じ、皮膚トラブルの原因になる。 運動前にテープがズレていないかチェックし、必要に応じて貼り直す。 テーピングが緩すぎると効果が得られず、運動中にズレやすくなります。また、テープが動くことで摩擦が生じ、皮膚トラブルを引き起こす可能性もあります。適度なテンションで密着させてテーピングしましょう。 貼る位置を間違えている 問題点 正しい貼り方 脛骨(けいこつ)やふくらはぎの筋肉に適切なサポートを与えられないため、テーピングの効果が半減する。 シンスプリントに適したライン(すねの内側の筋肉)に沿って貼る。 違和感のある部位に直接貼るだけでは、十分なサポートにならず、根本的な負担軽減につながらない。 テーピングをする前に、違和感のある場所を確認し、サポートすべき筋肉の位置を意識する。 筋肉の動きを考慮せずに貼ると、適切なサポートが得られず、運動時の負担が軽減されない。 貼る位置を確認し、適切な方向にサポートするよう調整する。 間違ったカ所に貼ることで、テープのズレや剥がれが起こりやすくなる。 皮膚に密着させ、動きに対応できるよう貼り方を工夫する。 テーピングは貼る位置が重要であり、間違えると効果が得られません。 シンスプリントに適したライン(すねの内側の筋肉)を確認し、肌に密着させて動きに合わせてフィットさせましょう。 伸縮テープの伸ばしすぎ 問題点 正しい貼り方 伸縮性のあるキネシオテープを強く引っ張りすぎると逆効果。筋肉への負担が増加。 伸縮テープは最大限に引っ張らない。 過度なテンションで貼ると、皮膚に過剰なストレスがかかり、かゆみや炎症の原因になることも 貼った後に皮膚が突っ張りすぎていないか確認する。 強く引っ張ることで血流が悪くなり、むくみや違和感を引き起こす可能性がある。 適度なテンションで貼り、血流を妨げないようにする。 身体の動きに合わせてテープが剥がれやすくなり、効果が持続しにくい。 テープの端は引っ張らずに貼り、密着させる。 伸縮テープを伸ばしすぎるとかえって筋肉への負担が増すリスクがあります。伸縮テープは最大限に引っ張らず、適度なテンションで貼りましょう。 汗や皮脂を拭かずにそのまま貼る 問題点 正しい貼り方 汗や皮脂がついたままテーピングを貼ると、すぐに剥がれてしまう。 テーピングをする前に肌を清潔にし、乾燥させる。 とくに運動中は発汗しやすいため、テープが剥がれやすくなる。 汗をかきやすい人は、スプレー式の粘着剤(プレタップスプレー)を使うと持続時間が長くなる。 剥がれたテープが摩擦を引き起こし、皮膚トラブルの原因になる。 貼る前にタオルやウェットティッシュで汗や皮脂を拭き取る。 テーピングがズレやすく、効果を十分に発揮できない。 テープを貼る際にしっかり押さえ、肌に密着させる。 汗や皮脂がついたままテーピングをすると、すぐに剥がれてしまいます。テーピングを行う前に必ず、肌を水で洗い、タオルで拭いた後に数分乾燥させましょう。 長時間つけっぱなしにする 問題点 正しい貼り方 何日も貼りっぱなしにすると、皮膚かぶれや、汗による蒸れでかゆみが発生する。 1日ごとに貼り替える(運動後は特に剥がす) テーピングの粘着力が弱まり、適切なサポートができなくなる。 使用する際は、しっかりと密着するように貼り、時間が経ったら新しいものに交換する。 皮膚に負担がかかり、炎症やかぶれが悪化する可能性がある。 肌に異常が出た場合はすぐに外し、保湿を行う。 何日もテープを貼りっぱなしにすると、皮膚かぶれや汗による蒸れでかゆみを引き起こす可能性があります。また、テーピングの粘着力も弱まり効果を得られません。 テーピングは1日ごとに張り替え、運動後には剥がして新しいものに取り替えるようにしましょう。 シンスプリントの治療と予防|テーピング以外の対策 シンスプリントの治療には、テーピングに加えて適切な治癒と予防が重要です。以下ではシンスプリントの治癒と予防策について解説します。 安静 シンスプリントを発症し、脚に違和感を感じた場合は、激しい運動を控え安静にしましょう。違和感を抱えたまま運動を続けると、炎症の悪化や、疲労骨折を引き起こす恐れがあります。 無理せず、アイシングや軽いストレッチを行い、改善しない場合は医師に相談しましょう。 アイシング 手順 詳細 1. アイシング用具を準備 氷を袋に入れ、タオルで包むか、冷却パッドを使用する。 2. アイシングの時間 15~20分間、冷却を行う。 3. 休憩時間 1時間以上の間隔をあけ、再度アイシングを行う。 4. 直接肌に氷を当てない 氷が直接肌に触れると凍傷のリスクがあるため、タオルで包む。 5. アイシングの回数 日に数回(最大で4回)繰り返す。運動後や症状を感じたときに行う。 (文献6) シンスプリントに対して、アイシングは炎症などを抑えられる有効な手段です。冷却によって血管が収縮し、炎症を引き起こす物質の流れを抑制します。 アイシングを行う際は、凍傷を避けるためにも氷を肌に直接当てたり、長時間同じカ所を触れさせたりしないようにしましょう。 ストレッチ 無理のないストレッチを行うことで、筋肉の緊張やストレスを軽減できます。シンスプリント時に効果的なストレッチ方法として、後脛骨筋のストレッチやヒラメ筋のストレッチがあります。 どれも一定のスペースがあれば、自宅で行えるストレッチ方法です。ストレッチを行う際は、無理に負荷をかけるのではなく、ゆっくり筋肉を慣らしていく感覚で行うことが大切です。 以下の記事では、シンスプリントに効果的なストレッチの方法を詳しく解説しています。 適切なシューズの選択 項目 ポイント サイズ かかとがフィットし、つま先に約1cmの余裕を確保する。 クッション性 着地時の衝撃を吸収し、関節や筋肉への負担を軽減する。しかし、クッション性と怪我の予防に関する明確なエビデンスはないため、過信は禁物。(文献7)(文献8) アーチサポート 足のアーチ(扁平足・ハイアーチ)に適した設計を選ぶ。 通気性 汗や湿気を逃がし、快適性を維持するメッシュ素材が望ましい。 アウトソールのグリップ スポーツの種類に適した滑りにくいソールを選ぶ。 耐久性 長期間使用できる素材と構造の靴を選ぶ。 シンスプリントを引き起こさないためには、適切なシューズを選ぶことも大切です。クッション性の低いシューズの使用や、かかとのすり減った靴は脛骨(けいこつ)に負荷がかかります。 シューズの寿命は、約400〜800キロメートルとされており、使い古したシューズは買い換えるようにしましょう。 シューズ選びに不安がある方は、専門店でフィッティング(足に合った靴の選定や履き心地の確認など)を受けると良いでしょう。 テーピングで改善しないシンスプリントは当院にご相談ください シンスプリントの症状に対してテーピングは適切に行えば、効果を得られます。しかし、間違えた巻き方・貼り方をすると効果が得られません。それどころか症状を悪化させる可能性があります。 テーピングは正しく行うようにし、貼ったカ所にかゆみやかぶれなどの違和感を感じた場合はすぐに剥がすようにしましょう。 また、テーピングで改善しない場合は、当院「リペアクリニック」にご相談ください。再生医療を活用して組織の回復を助け、シンスプリントの改善を目指した診察を行っています。 テーピングで改善せず、辛いシンスプリントでお悩みの方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にお問い合わせください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 参考文献 (文献1) シンスプリントに対する治療コストの比較 ─テーピングと装具との比較から─JPTA 三浦雅史,川口徹 pp.1-1 https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2011/0/2011_Cb1152/_pdf?utm_source=chatgpt.com(最終アクセス:2025年2月24日) (文献2) 財団法人日本サッカー協会「F-MARCサッカー医学マニュアル」2007年 https://www.jfa.jp/medical/pdf/F-MARC_Football_Medicine_Manual.pdf?utm_source=chatgpt.com(最終アクセス:2007年3月30日) (文献3) Urvashi Sharma&AkhouryGourang Kumar Sinha(2010),Comparison of effectiveness of kinesio taping with nonelastic taping and no taping in players with acute shin splints,ResarchGate,11(1)1-10 https://journals.lww.com/iaph/fulltext/2017/11010/comparison_of_effectiveness_of_kinesio_taping_with.6.aspx(Accessed:2025-02-24) (文献4) Mehran Mostafavifar&Jess Wertz,James Borchers(2012),A systematic review of the effectiveness of kinesio taping for musculoskeletal injury - PubMed https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23306413/(Accessed:2025-02-24) (文献5) Jae-Hong Kim, et al. (2018),The effects of Kinesiotape on acute lateral ankle sprain: study protocol for a randomized controlled trial - PMC https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5819177/(Accessed:2025-02-24) (文献6) Chris M Bleakley,et al. (2012 ),Should athletes return to sport after applying ice? A systematic review of the effect of local cooling on functional performance - PubMed https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22121908/(Accessed:2025-02-24) (文献7) Laurent Malisoux, et al. (2020),Shoe Cushioning Influences the Running Injury Risk According to Body Mass: A Randomized Controlled Trial Involving 848 Recreational Runners - PubMed https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31877062/(Accessed:2025-02-24) (文献8) Naoko Aminaka,et al.(2018),NO IMMEDIATE EFFECTS OF HIGHLY CUSHIONED SHOES ON BASIC RUNNING BIOMECHANICS,1-10 https://hrcak.srce.hr/file/283953(Accessed:2025-02-24)
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外反母趾とは、母趾(足の親指)が小趾(足の小ゆび)側に曲がることで、痛みや腫れを引き起こす症状です。女性が外反母趾になりやすいといわれますが、立ち仕事が多い方や自分の足に合っていない靴を履いている男性でも母趾が変形してしまいます。 外反母趾の治療法について以下のような不安はありませんか? 予防のための対策が分からない 悪化を防ぐための対策が分からない 痛みが強い場合に手術が必要か分からない この記事では、外反母趾の治療法をどのように選択してよいか分からないとお悩みの方について解説しています。 外反母趾は適切な治療法を選択することで悪化を予防できます。 また、今すでに外反母趾による痛みが強くお困りの方でも、適切な治療法を選択できるようになりましょう。 外反母趾の非外科的(手術しない)治療法 外反母趾の治療法の1つに、手術せず症状を改善する『非外科的治療法』があり、具体的には以下の3つです。 1. インソール(オルソティックス)の使用 2. 足の運動や体操・ストレッチ 3. 日常生活で気をつけること 非外科的治療法は、外反母趾の程度が軽度から中等度の場合に有効です。外反母趾の悪化を防ぐためにも日頃からの予防がとても大切です。 ここでは、上記3つの非外科的治療法について詳しく解説します。 1. インソール(オルソティックス)の使用 インソール(オルソティックス)の使用は、外反母趾の予防や症状の改善に有効です。なぜなら、外反母趾の原因には、足の骨が弓状に並んで形成されたアーチの崩れが関係しているからです。また、足のアーチが崩れる原因には、加齢や肥満、運動不足や足に合わない靴の使用が挙げられます。足の縦アーチが崩れると『扁平足』、足の横アーチが崩れると『開張足』となり、それぞれ外反母趾を引き起こす要因です。 このため、インソールを使用することで、足のアーチをサポートするため、アーチの崩れを防ぎます。また、足全体に圧力を分散し母趾にかかる負荷を軽減するため、立っている時や歩く時の痛みを和らげる効果もあります。 足のアーチの崩れを予防する目的であれば、市販のインソールを購入するだけでも足のアーチの崩れ防止効果を実感でき、靴屋またはスポーツショップで数千円で購入できます。しかし、すでに外反母趾による痛みがある方の場合は、オーダーメイドのインソールを使用しなければ症状を改善できない可能性があるのです。オーダーメイドのインソールは数万円と高額ですが、足型を測りその方の足に合うようにインソールを作成するため、市販の物よりも足をサポートするため痛みの軽減につながります。 インソールの使用は最も簡単に行える対策ですが、あくまで症状の緩和や予防の一環であり、根本的な治療法ではないことを理解しておきましょう。 2. 足の運動や体操・ストレッチ 外反母趾の予防や痛みや進行を緩和するためには、以下2つの足の運動やストレッチが有効です。 足ゆびを開く運動 足指でタオルを引き寄せる運動 『足指を開く運動』は、自分の力で足指で「パー」の形を作ることです。足指を開くことで「母趾外転筋」を強化できるため、母趾が小指側へ向きにくくなります。 また、『足指でタオルを引き寄せる運動』は、床に敷いたタオルの上に足を置き、足指でタオルをつまんで離してを繰り返し、タオルを手前に引き寄せる運動です。この運動では「長母趾屈筋」と「長趾屈筋」が強化され、足のアーチの崩れを予防できるのです。 外反母趾に対する足指の体操・ストレッチでは『Hohmann(ホーマン)体操』が推奨されています。ホーマン体操では、幅の広いゴムを両足の親指にかけ、かかとを合わせたまま両足のつま先を開き5〜10秒間キープさせ、20回ほど繰り返します。この体操では小指側に曲がった母趾を元の位置に戻す効果があります。ゴムがない場合は、自分の手で母趾を元の位置に戻すように動かすだけでも同様の効果を得られるのです。 これらの運動やストレッチは、日常生活の中で簡単に取り入れることができますが、すぐに効果が出ないため、日頃からの継続が大切です。 3. 日常生活で気をつけること 外反母趾の発症や進行は、以下3つの生活習慣が大きく影響しています。 幅の狭い靴の着用 長時間の立ち仕事 乱れた食生活 幅の狭い靴、特に革靴やハイヒールを頻繁に履くことは、母趾が小指側へ押し付けられてしまうため、外反母趾のリスクを高めます。そのため、幅が広く適切な大きさの靴を選ぶことが大切です。またハイヒールの場合は、かかとの低い靴を使用することが推奨されています。 また、長時間の立ち仕事や歩行は足のアーチの崩れの原因となるため、適度な休息が必要です。仕事により長時間の立ち仕事が避けられない方の場合は、インソールを使用することで足のアーチを支えてくれるため、外反母趾の予防につながります。 上記に加えて、外反母趾の予防や改善を図るためには、食生活についても注意が必要です。外反母趾の原因の1つに”肥満”が挙げられているので、体重の増加は足のアーチの崩れにつながり、外反母趾を発症、悪化させる可能性があります。そのため、バランスの良い食事を行い、体重を増やさないように注意しましょう。 外反母趾の外科的(手術)治療法 外科的(手術)治療法は、外反母趾の症状が重度である場合や、痛みが強く日常生活に支障が出ている際に選択されることが多いです。 ここでは外科的治療法にかかわる以下3つの事柄について紹介します。 1. 手術の種類と適応 2. 手術のメリットとリスク 3. 手術後に行うリハビリテーション それぞれ詳しく解説していきます。 1. 手術の適応と種類 外反母趾は重度になると手術の適応となりますが、具体的な指標は以下の通りです。 母趾の見た目が気になる。 母趾の付け根が痛く日常生活が大変になる 母趾の付け根が飛び出し靴が合わなくない 上記の場合には手術の適応となることが多いですが、手術にはリスクが伴います。外反母趾の手術に伴うリスクについては次項で解説します。そのため、手術を受ける際にはリスクをしっかり把握した状態で臨みましょう。 また、外反母趾の外科的治療法には多くの種類が存在し、大きく分けると以下の3つに分類されます。 遠位骨切り術 骨幹部骨切り術 近位骨切り術 それぞれ母趾の付け根の骨を切りアライメントを矯正する手法ですが、骨を切る場所により上記のように術式が異なります。一般的に、外反母趾が軽度から中等度の場合には『遠位骨切り術』、重度の場合には『骨幹部骨切り術』または『近位骨切り術』が選択されるのです。 2. 手術のメリットとリスク 外反母趾の手術により、痛みの改善や見た目の改善を図ることができます。痛みが改善されることで、日常生活を快適に過ごせるようになり、運動やウォーキングを楽しめるようになります。また、母趾の付け根の出っ張りが解消されるため、好きな靴を履けるようになり、おしゃれを楽しめるようになるかもしれません。 しかし、手術には以下のリスクがあることも理解しましょう。 感染症 骨の癒合には個人差があること 痛みや変形の再発 感染症のリスクは、外反母趾の手術に限った話ではなく、手術する際には必ず伴うリスクです。手術後に骨が癒合するまでには時間がかかり、特に骨粗鬆症の方の場合はさらに時間を要します。 また、手術後に一部の方は外反母趾が再発する可能性があり、術式による再発の可能性は以下の通りです。 遠位骨切り術の再発率:2.5〜19% 近位骨切り術の再発率:10〜15% このように、外反母趾の手術を行う際には、メリットとリスクを理解したうえで医師と十分に話し合い、治療法を選択することが重要です。 3. 手術後に行うリハビリテーション 外反母趾の手術後は、積極的に母趾を動かしたり体重をかけたりできないため、手術後すぐは患部の腫れや痛みを抑えるため、冷却パッドの使用や軽度のストレッチから始めます。 リハビリテーションは理学療法士の指導のもと、横になった状態や座った状態で太ももやふくらはぎの筋力トレーニングを行います。また、松葉杖を使用して自力で移動できるように歩行練習も行うのです。 リハビリテーションでは、運動療法だけでなく正しい靴の選び方もお伝えし、外反母趾の再発の予防にもつとめます。 退院まで手術後から約3週間ですが、その後は定期的に外来で受診しリハビリテーションの継続が必要です。手術後2〜3カ月経過すると、手術部の腫れがなくなり骨の癒合も完了するため、靴を履いて歩くことができますが、長時間歩くことは難しい状況です。この段階のリハビリテーションでは、母趾に負担のかからない正しい歩き方を指導します。 手術後、約4カ月経過すると立ち仕事や長時間の歩行が可能になり、約6ヶ月を経過すると運動ができるようになり、日常生活への支障がなくなります。 外反母趾の治療法を選ぶ際に検討すべきこと 外反母趾の治療法を選ぶ際には、以下の3つを検討しなければいけません。 外反母趾の症状や日常生活への影響度合い 外科的治療にかかる時間や費用 治療法の効果やリスク 外反母趾の症状が軽度で日常生活への影響が少ない場合には、非外科的(手術しない)治療法を選択します。非外科的治療法では効果をすぐに実感できない場合もありますが、運動やストレッチを継続することで、外反母趾の悪化を予防できます。 外反母趾の程度が重度の場合は医師から外科的(手術)治療法を勧められますが、治療にかかる時間や費用、手術の効果やリスクの検討が必要です。これらを判断して、手術を行うのか行わないのか、行う場合はいつ行うのかを医師としっかり相談しましょう。 まとめ・自分に合った外反母趾の治療法を選択できるようにしましょう 外反母趾の治療法を選択する際には、非外科的治療と外科的治療法のそれぞれで行うことを理解しなければいけません。 非外科的治療では、足の運動やストレッチ、インソールを使用使用すると、足のアーチ崩れを予防できます。また、日常生活では幅の広い靴を履き食生活を整えることでも外反母趾の予防につながります。 外科的治療法を行う際は以下の3つ内容を把握しましょう。 手術の種類と適応 手術のメリットとリスク 手術後に行うリハビリテーション このような場合には外科的治療法を選択することを視野に入れなければいけませんが、外反母趾の手術に限らず、手術にはリスクが伴います。そのため、手術を行うにはメリットとリスクを十分に理解したうえで医師と話し合い、最終的な判断を下すことが大切です。 外反母趾の治療法には非外科的治療と外科的治療法の2種類ありますが、それぞれの特性を理解したうえで自分の症状に合った治療法を選択しましょう。 監修:医師 黄金 勲矢 参考文献一覧 吉野匠,初期の外反母趾は運動でよくなると聞いたが・・・,吉野整形外科 同友会グループ,ガイドラインに基づいた外反母趾の正しい知識と治し方,2020年1月号 仁木久照,専門医インタビュー,外反母趾の痛み・変形は早期治療が大切です。放置しないで足の外科医に相談を,人工関節ドットコム整形外科治療専門サイト 湯浅慶朗,湯浅慶朗の「一生自分で歩く足育塾」1,外反母趾の原因は足の筋力低下!治療方法や改善策は?,まいにち好きがみつかるハルメク365 滝正徳,専門医インタビュー,外反母趾の痛みは我慢しないで専門医へ 靴選びなどの工夫で緩和されることもあります,人工関節ドットコム整形外科治療専門サイト
2024.11.20 -
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外反母趾とは、母趾(足の親ゆび)の付け根の関節(MTP関節)が小指側に20°以上曲がっている状態であり、約3割の大人に認められています。MTP関節の曲がりが20°〜30°の場合は軽度、30°〜40°の場合は中等度、40°以上の場合は重度と分類されています。 この30年で外反母趾になる方は最大8倍にも増加し、外反母趾に悩む方が増えている背景の1つには、靴を履く習慣が関係しているのです。 外反母趾について以下のような心配なことはないでしょうか? 日常の生活自体が大変になりそう 立ち仕事が大変になりそう ウォーキングやランニングが楽しめなさそう この記事では、外反母趾を予防するための正しい知識を身につけ、原因や生活習慣、予防策について解説しています。 将来、自分の足が外反母趾になるのを防ぐためにも、適切な対策を行えるようになりましょう。 外反母趾を引き起こす3つの原因 外反母趾には、一般的に以下の3つの原因があります。 ⓵遺伝子的要因 ②不適切な靴の履き方 ③足の構造的な問題 それぞれ、先天的な要因と後天的な要因があります。先天的な要因については変えられませんが、後天的な要因については対策可能です。外反母趾になる原因を減らすためにも理解していきましょう。 ⓵遺伝的要因 人間の足指の長さは遺伝により決まり、外反母趾になる可能性が異なります。 足の構造は3種類あり、それぞれの特徴は以下の通りです。 ギリシャ型:親指よりも人差し指が長い(全体の25%) エジプト型:親指が人差し指よりも長い(全体の70%) スクエア型:足指全体的に同じ長さ(全体の5%) 上記3つの方の中でも「エジプト型」が外反母趾になりやすいと言われています。 なぜなら、体重がかかった際に親指が一番長いため小指側に曲がりやすいからです。日本人の7割はエジプト型であるため、外反母趾になりやすい足の構造をしています。 ただし、ギリシア型やスクエア型の場合でも外反母趾にはなる可能性があるので注意しましょう。 ②不適切な靴の履き方 男女ともに足指を圧迫するつま先の細い不適切な靴の履き方をすると外反母趾の原因となります。 なぜなら、足指が圧迫されると、親指が小指側へ曲げられてしまうからです。 不適切な靴とは、男性の場合は「つま先の細い革靴」、女性の場合は「つま先の細いハイヒール」のことです。 特につま先の細いハイヒールを履いている女性の方は注意が必要です。親指が小指側に曲がるのを抑えるための靭帯があり、足指が真っ直ぐの場合、靭帯は機能を果たします。しかし、ハイヒールを履きかかとが高く、足指が反った状態では靭帯が緩んでしまうため、外反母趾を引き起こしやすくなります。 このため、外反母趾を予防するための靴を選ぶ際には、自分の足に負担がかからない幅の広い靴であることが大切です。詳しくは、下記の『適切な靴の選び方』で紹介しますので、ぜひご参考ください。 ③足の構造的な問題 足の縦アーチがつぶれると「扁平足」、横アーチがつぶれると「開帳足」になると、外反母趾の原因となります。 足の縦アーチとは「土踏まず」のことで、体重の分散や歩く時のバランスに欠かせない足の構造です。外反母趾は、筋力低下や加齢、肥満により引き起こされます。扁平足になると、立っている時の重心が母趾側(土踏まず)にかかるため、母趾が小指側へ押されてしまいます。その結果、母趾内転筋が短縮してしまい、外反母趾となるのです。 足の横アーチには、足裏にある血管や神経を体重の圧迫から防ぎ、体重がかかったときのエネルギーをバネのように機能する役割があります。また、足の横アーチがつぶれると横中足靭帯が緩んでしまうため開帳足が引き起こされます。その結果、母趾内転筋が緩んでしまうため、外反母趾となってしまうのです。 そのため、外反母趾を防ぐためにも、足のアーチが崩れるのを予防しましょう。 生活習慣による外反母趾への影響 外反母趾の原因は3つあると分かりましたが、生活習慣と外反母趾にはどのような関係があるのでしょうか? 外反母趾は座る時間が長かったり、立っている時間がなかったりすると発症しやすいといわれています。 特に以下の2つが外反母趾の発症に大きく関わります。 運動不足による足の筋力低下 職業と生活習慣の影響 生活習慣と外反母趾は大きく関係しているため、予防するためにもしっかり理解していきましょう。 運動不足による足の筋力低下 運動不足により足だけでなく体全体の筋力が低下します。 厚生労働省の発表によると、筋力を維持するためには1日に以下の運動量が必要と言われています。 成人の場合:8,000歩以上 高齢者の場合:6,000歩以上 しかし、成人の1日の平均歩数は6,278歩、60歳以上の場合は50%以上が6,000歩未満と大半の方が運動不足です。日本人が平日1日座っている時間は、男性38%、女性33%であり、世界20カ国における平日の総座位時間を調査した研究でも、日本人の総座位時間は世界的にみてかなり長いと言われています。 また、運動不足になると足の縦アーチを支えている「長母趾屈筋」・「長趾屈筋」・「前脛骨筋」・「後脛骨筋」の4つの筋肉も低下するため、扁平足になりやすく、外反母趾の要因となります。 日本における歩数の経年変化 6000/歩以上歩いている高齢者の割合 職業や足に負担のかかる靴の着用 立ち仕事が多いオフィスワーカーの方やつま先の細い靴を履く習慣がある方は、外反母趾になる可能性が高いので注意が必要です。 なぜなら、立ち仕事が多い場合には体重により足の縦アーチがつぶれやすくなってしまうからです。また、つま先が細い靴を履く習慣がある方は、靴が母趾を圧迫するため外反母趾の要因となります。特にハイヒールの場合の親指への負担は以下のようにかかっています。 かかとの高さが4cmの場合:裸足と比較して1.5倍 かかとの高さが9cmの場合:裸足と比較して3倍 上記のようにハイヒールのかかとが高いほど、母趾には大きな負荷がかかっています。そのため、職業柄ハイヒールを履かなければいけない方はかかとの低い物を選ぶことが大切です。 外反母趾の予防策と改善策 外反母趾を予防するためには以下の3つが有効です。 足に合った適切な靴を選ぶ インソールを使用して足の負担を軽減する 足の筋力強化や体操を行う また、現在すでに外反母趾で痛みがある方でも上記の3つを行うと症状の改善を図れる可能性があります。 足に合った適切な靴を選ぶ 外反母趾を防止するためには適切な靴選びが重要です。靴を選ぶ際には以下3つの項目を満たしているか確認しましょう。 つま先に1cmほどの余裕があること つま先が細くなくゆとりがあること スニーカーのようなかかとが低い靴であること ただし、女性の方で仕事や冠婚葬祭でハイヒールやパンプスを履かなければいけない場合は、ヒールが低くつま先にゆとりがある物を選び、履いている時間を最低限にしましょう。 適切な靴のサイズを知るためには、自分の足の大きさを把握することが重要です。自分の足のサイズを知っているつもりでも測ってみると少し誤差があるかもしれません。適切な大きさの靴を選ぶためにも、自分の足の大きさを一度測ってみましょう。また靴を選ぶ際にはサイズの他に幅も大切です。靴の幅は一般的に『E』で表記され、Eから5Eまでの5段階あり、数字が多くなるほど幅広い靴になります。ただし、Eでも幅が広い場合は『D』というEよりも幅が狭いサイズもあります。さらに大切なことは『靴の購入前には試し履きする』ことです。靴のサイズや幅を確認しても、メーカーによりサイズ感は少し異なり、自分の足に靴がフィットするか分かりません。自分の足に合わない靴を履き続けることで外反母趾の原因となるため、靴の購入前の試着は重要です。 インソールを使用して足の負担を軽減する 日常生活や仕事で長時間立っている方は、足のアーチをサポートするインソール(中敷)に変更してみましょう。 なぜなら、足裏の筋力がしっかりしていても立っている時間が長ければ、体重により足のアーチがつぶれてしまうからです。 靴を購入したときにはインソールが敷かれていますが、平らな形状で足のアーチはサポートされません。外反母趾が軽度の場合、市販されているインソールで十分に対応可能です。足のアーチをサポートするインソールは靴屋さんやスポーツショップで購入できます。インソールの価格は数千円と高く感じますが、一生使う足を保護できると思えば安い金額です。 ただし、外反母趾の変形が強い場合にはインソールを変更しただけでは痛みを予防できないため、専用の靴の作成や手術が適応になる可能性があります。 足の筋力強化や体操の運動療法を行う 外反母趾を予防、改善するためには以下2つの足指の筋力強化が有効です。 足指を開く運動 足指でタオルを引き寄せる運動 足指を開く運動は、自分の力で足指を外側へ広げ「パー」の形を作り「母趾外転筋」という筋肉を強化するトレーニングです。母趾外転筋を鍛えることで、母趾が小指側に曲がるのを抑えるため外反母趾の予防につながります。 足指でタオルを引き寄せる運動は、タオルの上に足を置き、足指でタオルをつまんで離すを繰り返しタオルを自分の方に引き寄せます。この運動により「長母趾屈筋」と「長趾屈筋」の筋肉が強化され、縦アーチがつぶれにくくなり、扁平足や外反母趾の予防につながるのです。 また、筋力強化の運動ではないですが、外反母趾にはHohmann(ホーマン)体操も有効です。Hohmann(ホーマン)体操はのやり方は以下の通りです。 ゴムひもを両方の親指にかける 両方のかかとを合わせた状態で足先を広げる ゴムが張った状態で10秒数える 上記の『3』を20回繰り返す Hohmann(ホーマン)体操では、小指の方に曲がった親指を正しい位置に戻す方向へ動かします。Hohmann(ホーマン)体操を行うことで、軽度か中等度の外反母趾の改善を図れます。 外反母趾の原因を理解して適切に予防していきましょう 外反母趾になる方は、この30年で最大8倍にも増加している疾患であり、以下3つの原因により引き起こされます。 遺伝子的要因 足の構造的な問題 不適切な靴の履き方 遺伝的要因では足指の長さが関係し、日本人の70%は親指が人差し指よりも長い『エジプト型』に該当します。エジプト型では、親指が小指側へ曲がりやすいため外反母趾になりやすい傾向にあります。 また、足の構造的な問題では『扁平足』や『開帳足』が外反母趾の原因です。どちらも筋力低下や加齢、肥満により引き起こされる可能性があるので、日頃からの運動習慣が欠かせません。 特に、不適切な靴の履き方と足の構造的な問題については、しっかり対策を講じることで予防可能です。 靴を選ぶ際にはつま先にゆとりがあり、スニーカーのようにかかとが低い物が望ましいです。 今後も、足の痛みを軽減し外反母趾にならないためにも、外反母趾についてさらに理解していきましょう。 監修:医師 黄金 勲矢 参考文献一覧 厚生労働省政策統括官(統計・情報政策、労使関係担当),令和2年患者調査傷病分類編(傷病別年次推移表),2020 久光製薬株式会社,外反母趾,日本の足外科学会,2022-11 佐賀県理学療法士会,4人に1人!?身近に潜む糖尿病と怖い合併症運動で出来ることは!!,佐賀県理学療法士会広報誌,2022-3-31 健康づくりのための身体活動基準・指針の改訂 に関する検討会,健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023,厚生労働省,令和5年11月27日 井上敏生,日本フットケア学会雑誌,16版,(一社)日本フットケア・足病医学会,2018,p.145-147
2024.11.18 -
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外反母趾は足の親ゆびが小指側に曲がる症状で、親指の付け根が腫れ上がったり、痛みが出現したります。外反母趾の原因には遺伝的な足指の長さが関係していますが、足に適さない靴の着用や運動不足などの生活習慣も関係しています。しかし、外反母趾は適切に対処することで予防可能です。 では、外反母趾の予防について以下のようなお悩みはありませんか? どのような靴を選ぶと良いか分からない どのように運動やストレッチを行うと良いか分からない 日常生活で気をつけることを知りたい この記事では外反母趾を予防するための正しい靴の選び方や簡単に行える運動・体操、日常での足への配慮について解説しています。 外反母趾になると痛みによりウォーキングやランニング、スポーツなどの趣味活動ができなくなる可能性があります。これからも楽しく痛みなく生活するためにも、外反母趾の予防を適切に行えるようになりましょう。 外反母趾を予防するための正しい靴の選び方 外反母趾を予防するためには、自分の足に適した靴を着用しなければいけません。自分の足に適した靴を着用しなければ「扁平足」や「開張足」さらには「外反母趾」になってしまう確率が高まります。 ここでは、外反母趾を予防するために以下2点について解説します。 靴選びのポイント 避けるべき靴の特徴 それぞれ以下で詳しく解説します。 靴選びのポイント 靴選びは外反母趾を予防する上で非常に重要なポイントであり、予防するためには以下の4つを満たした靴を選びましょう。 かかとの芯がしっかりしていること 靴底が固く、適切な位置で屈曲すること 自分の足に適したサイズ・幅の靴を選ぶこと ハイヒールやパンプスのヒールは4cm以下であること 上記が満たされない靴の場合は、歩いている時に足を地面に接地した際にかかとが不安定になり、外反母趾を助長する可能性があります。 また、靴を購入する際は必ず試着を行いましょう。靴の大きさや幅はメーカーにより多少異なるため、同じ靴のサイズであっても少し大きく感じたり、小さく感じたりする場合があります。このため、靴のサイズや幅の表記だけでは判断せず、実際に履いてみて自分の足にフィットしているのか確認することが大切です。 避けるべき靴の特徴 前項では外反母趾を予防するための正しい靴の選び方について解説しました。 ここでは、外反母趾を助長する可能性がある避けるべき靴の特徴を4つ紹介します。 靴のサイズが大きすぎること つま先が窮屈な靴 幅が広すぎる靴 ハイヒールやパンプスのヒールの高さが4cm以上 靴のサイズが大きすぎる場合は靴の中で足が滑ってしまい、「浮き指」や「屈み指」という足ゆびの変形につながる恐れがあります。足指が変形すると足のアーチの変形にもかかわるため、外反母趾のリスクを高めます。 つま先が窮屈な靴の場合は靴が親指を小指側へ圧迫するため、外反母趾を助長する可能性があります。そのため、幅の広い靴の着用が推奨されていますが、幅が広すぎてもいけません。靴の幅が広すぎると、靴のサイズが大きすぎる場合と同様に、靴の中で足が滑ってしまい足のアーチの変形に繋がるため外反母趾を助長する可能性があります。 また、ヒールが高い場合はつま先に体重がかかりやすくなり、外反母趾を助長してしまいます。以下の表ではヒールの高さによるつま先とかかとの体重の割合を紹介します。 かかとにかかる割合 つま先にかかる割合 ヒールの高さ3cm 50% 50% ヒールの高さ8cm 20% 80% 以上のような特徴を持つ靴を避け適切な靴を選ぶことで、外反母趾の予防が可能です。 外反母趾を予防するために簡単にできる運動や体操 外反母趾は、足の構造や日常生活の習慣が影響し、時間をかけて進行する足の変形症状の1つです。そのため、症状が現れてから対策を始めるのではなく、日々の生活の中で予防することが大切です。ここでは外反母趾を予防するために簡単にできる以下の2点について解説します。 外反母趾を予防するためのストレッチ 足アーチの崩れを予防するための運動 『外反母趾を予防するためのストレッチ』は、親指が小指側へ変形するのを抑える効果があります。また、『足のアーチの崩れを予防するための運動』は、外反母趾の主な要因の1つである足の形状の変化を防ぐために重要な方法です。これらの運動を定期的に行うことで、外反母趾の予防を期待できます。 外反母趾を予防するためのストレッチ 外反母趾を予防するためには以下3つのストレッチが有効です。 Hohmann(ホーマン)体操 手で足の親指を広げるストレッチ 母趾内転筋のストレッチ Hohmann(ホーマン)体操はのやり方は以下の通りです。 ゴムひもを両方の親指にかける 両方のかかとを合わせた状態で足先を広げる ゴムが張った状態で10秒数える 上記の『3』を20回繰り返す Hohmann(ホーマン)体操では、小指の方に曲がった親指の付け根の関節を正しい位置に矯正する方向へ動かします。Hohmann(ホーマン)体操を行うことで、軽度か中等度の外反母趾の改善を図れます。 手で足の親指を広げるストレッチは、Hohmann(ホーマン)体操と同様に足の親指の関節を外側へ広げますが、ゴムではなく自分の手を使用して広げます。施行時間や回数はHohmann(ホーマン)体操と同じです。 母趾内転筋のストレッチでは、自分の手で母趾内転筋を直接圧迫してストレッチします。母趾内転筋が固くなると足の親指が小指側へ引っ張られてしまい、外反母趾の要因となってしまいます。手でストレッチが難しい方は、座った状態でゴルフボールやテニスボールを足の下に入れて、全体的にコロコロ転がすだけでもストレッチ効果を得られます。 上記のストレッチはどれも簡単に行えるので、隙間時間で実践してみましょう。 ただし、既に外反母趾により痛みが強い場合には整形外科の病院への受診をおすすめします。 足のアーチの崩れを予防するための運動 足のアーチは筋肉により維持されているため、筋力が低下するとアーチが崩れやすくなります。ここでは、足のアーチを支える筋肉を鍛えるための運動メニューを2つ紹介します。 足指を開く運動 足指でタオルを引き寄せる運動 『足指を開く運動』は、自分の力で足指で「パー」の形を作ることです。足指を開くことで「母趾外転筋」を強化できるため、母趾が小指側へ向きにくくなります。 また、『足指でタオルを引き寄せる運動』は、床に敷いたタオルの上に足を置き、足指でタオルをつまんで離してを繰り返し、タオルを手前に引き寄せる運動です。この運動では「長母趾屈筋」と「長趾屈筋」が強化され、足のアーチの崩れを予防できるのです。 これらの運動は、空いた時間に簡単にでき、特別な器具も必要ないため、誰でも始めやすいです。自宅での運動だけでなく、職場や外出先でも行えるため、日常的に取り入れやすいのも大きなメリットです。 外反母趾を予防するために日常で欠かせない足への配慮 外反母趾を予防するためには、日々の生活の中で足への配慮を意識することも大切です。 ここでは以下の2点について解説します。 職場での足の休息法 足の健康を守るための日常の工夫 長時間の立ち仕事は足に負担をかけ、外反母趾を引き起こす可能性があります。また、継続的に足への配慮を心がけることで、外反母趾の予防に効果的です。どちらも、すぐにでも実践できるので、ぜひ参考にしてみてください。 職場での足の休息法 長時間の立ち仕事では、足のアーチを支える筋肉が疲労してしまい、足のアーチの崩れにつながる可能性があるため、適度に休憩して筋肉を休ませる必要があります。 また、立った状態でかかとを上げてつま先立ちをすることで「下腿三頭筋」や「ヒラメ筋」が刺激され、足への血流が良くなり疲労しにくくなります。 さらに、職場での靴選びも重要です。外反母趾を予防するためには、上記で解説したような靴を履きましょう。大切な項目ですので、以下で再度確認します。 かかとの芯がしっかりしていること 靴底が固いこと 自分の足に適したサイズ・幅の靴を選ぶこと 以上のような職場での足を休めるための工夫、正しい靴を選ぶことで外反母趾の予防につながります。 足の健康を守るための日常の工夫 日常生活の中で外反母趾を予防するためには、足のアーチ(土踏まず)をサポートするインソール(中敷)に変更することが有効です。 なぜなら、インソールは足のアーチをを支えてくれるからです。 足のアーチが崩れる原因はさまざまありますが、インソールを変更することでそれぞれの要因に対処できます。 靴を購入した際にはインソールが敷かれていますが、平らな形状で足のアーチをサポートする機能がないものが一般的です。そのため、靴屋さんやスポーツショップで販売されている足のアーチをサポートする機能があるインソールの購入がおすすめです。インソールだけで数千円しますが、将来、外反母趾を予防できることを考えると高い買い物ではありません。 ただし、既に外反母趾により痛みが出現している場合は、インソールを変更しても痛みを改善することは難しい場合が多くあります。この場合は、医療機関へ受診し医師に相談しましょう。 まとめ・外反母趾の対策をしっかり行い予防しましょう 外反母趾は適切に対策を行うと予防できる疾患であり、以下3つを実践することが大切です。 自分の足に合った靴を選ぶこと 足のストレッチや運動を行うこと 日常から足へ配慮すること この30年で外反母趾になる方は最大8倍にも増加し、外反母趾に悩む方が増えている背景の1つには、靴を履く習慣が関係しているといわれます。外反母趾は女性に多い関節の変形ですが、男性も外反母趾にならないとは限りません。このため、外反母趾を予防するためには適切な靴選びが必須です。 また、外反母趾の原因には筋力低下や疲労も関係しています。外反母趾を予防する運動では『足指を開く運動』と『足指でタオルを引き寄せる運動』を行うことで、足のアーチを支える「長母趾屈筋」と「長趾屈筋」を強化できます。 日常から足へ配慮するには、自分の足に適した靴を履くことやインソールを使用することです。 上記のように、適切な対処を行うことで外反母趾は予防できます。足の健康を長期間保ち、ウォーキングやランニング、スポーツなどの活動を楽しみたい方は、今から少しずつ外反母趾の予防を実践していきましょう。 監修:医師 黄金 勲矢 参考文献一覧 渡辺淳,外反母趾は重症化する前に足の外科医に相談を!治療選択肢は広がっています,人工関節ドットコム.
2024.11.15 -
- 足部、その他疾患
- 下肢(足の障害)
「足の指の付け根に、ピリピリとした痛みやしびれを感じる」 「病院に行くほどではないけれど、自分でできる対処法があれば知りたい」 モートン病による痛みで、思うように日常生活を送れず、上記のように悩む人もいるでしょう。 モートン病は、足指に痛みやしびれを感じる神経の病気で、放置すると日常生活に支障をきたすケースがあるのも事実です。しかし、ツボ押しやストレッチなどの対処法を知っていれば、症状を緩和する効果が期待できます。 この記事では、モートン病に対してツボの効果はあるのか解説します。ツボ押しと一緒に行うと効果的な治療法や、再発予防のための生活習慣についても紹介するので、ぜひチェックしてください。 モートン病はツボで治る? モートン病は、足の指にしびれ・痛み・焼けるような感覚などの神経症状が現れる病気です。中指と薬指の間に多くみられますが、人差し指と中指、薬指と小指の間に症状が出る場合もあります。 ツボ押しはモートン病の症状を緩和する効果が期待できますが、モートン病自体が完全に治るわけではありません。 ツボ押しは、血行を促進し筋肉の緊張を和らげたり、痛みを軽減したりする効果があります。モートン病の症状が軽いケースでは、ツボ押しで症状が改善する可能性があります。しかし、症状が進行していると、ツボ押しだけでは十分な効果が得られないケースがあるのも事実です。 ツボ押しはあくまで補助的な手段として考え、整形外科での治療と並行して行うと、より効果的です。症状が改善しない人や悪化する人は、早めに専門医に相談し、適切な治療を受けましょう。 モートン病に関しては、こちらの記事もご参照ください。 モートン病に効果があるツボと押し方 モートン病の症状を緩和させる効果が期待できるツボは、主に4つあります。ツボとは経穴(けいけつ)ともいわれ、身体を流れるエネルギーである「気」が経路に沿って並んでいる体表面のポイントです。押し方は、以下を参考にしてください。 <押し方> 両手の親指を重ねて、ツボを5〜10秒かけてゆっくり押す 痛気持ち良いぐらいの強さで押す 息は止めず、深く呼吸をしながらツボを押す 1セット3〜5回を目安に行う 以下に、各ツボの特徴を解説します。 「承山」の特徴 承山(しょうざん)は、ふくらはぎの中央で、アキレス腱から少し上にあるツボです。つま先立ちをした際、ふくらはぎにできるへこみを探すと見つけやすいでしょう。 承山は足のしびれや痛み・腰痛や頭痛・目のトラブルに効くといわれており、多くの症状に対応できる万能なツボです。押す際は、親指を重ねてツボに当て、ゆっくりと押してください。 「下承山」の特徴 下承山(しもしょうざん)は、承山から指幅3本分下にあるツボです。承山と同様に、ふくらはぎの筋肉とアキレス腱の境目あたりに位置します。 下承山は、足底における痛みやモートン病の症状、足首の痛みに対して用いられます。親指をツボに当て、ゆっくりと押し上げるようにしましょう。 「築賓」の特徴 築賓(ちくひん)は、内くるぶしの1番高い部分から、指幅7本分上にあるツボです。 腰痛や股関節痛、首コリなどの症状に用いられるだけでなく、下半身全体の血流が良くなるといわれ、手足の冷えに対する効果もあります。指で押す以外にも、かかとでアキレス腱から築賓までこするように押すのもおすすめです。 「漏谷」の特徴 漏谷(ろうこく)は、内くるぶしから指幅8本分ほど上に位置するツボです。 腰痛や肩の痛み、足底の痛みに用いられるケースが多くみられます。他にも、下肢の疲れやむくみの緩和にも効果が期待できます。指の腹で円を描くように、優しくマッサージしましょう。 ツボ押しの注意点 正しくツボ押しをするには、力加減やタイミングを守る必要があります。ツボ押しで注意すべきポイントを解説するので、ぜひチェックしてください。 強く押しすぎない ツボを刺激するときは、強く押しすぎないように注意してください。ツボ押しは、強く押せば効果が高まるわけではありません。強く押しすぎると、筋肉や組織を傷つけ、揉み返しを起こす可能性があります。 「痛気持ち良い」と感じるくらいの適度な力で押すと、症状改善につながります。また、長く押すほど効果が出るわけではないため、5〜10秒ほどの時間で刺激しましょう。 ツボ押しは、症状が出ている側と同じ側を刺激するのが基本です。右足に症状がある場合は、右側のツボにゆっくりと圧をかけると、無理なく効果を引き出せます。 避けるべきタイミングに注意する ツボ押しには、以下の避けるべきタイミングがあります。 怪我をしているとき 感染症にかかっているとき 妊娠中 食後 飲酒後 ツボを押す前から痛むとき 上記の状態では、怪我や体調が悪化する可能性があるため、注意してください。入浴後や就寝前などのリラックスしているときにツボ押しを実践しするのがおすすめです。 ツボを押す前から痛みを感じている場合は、炎症を起こしている可能性があります。無理にツボ押しするのではなく、整形外科を受診し相談しましょう。 モートン病の症状 モートン病の主な症状は、以下のとおりです。 足指の痛み しびれ 焼けるような感覚 とくに、中指と薬指の間に多くみられます。他にも、人差し指と中指の間や薬指と小指の間に発症するケースも少なくありません。 歩行時やつま先立ちをした際に、足指の付け根付近に鋭い痛みを感じます。痛み以外には、足の指がしびれたり、熱く感じたりするケースもあります。 人によっては「足の裏に小石があるような感覚」や「靴下の中でシワが寄っているような感覚」といった違和感を訴える場合があるのも事実です。症状の感じ方には個人差があるため、気になる症状がある人は、整形外科を受診しましょう。 些細な違和感でも、気になる症状がありましたらお気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ モートン病の原因 モートン病の主な原因は、足指の付け根にある神経が圧迫されることです。 具体的な生活習慣は、以下のとおりです。 ハイヒールやつま先が狭い靴を履く機会が多い 長時間の立ち仕事をしている つま先立ちを繰り返す ランニングをやりすぎる モートン病は、ハイヒールを履く機会が多い中年以降の女性に多く発症するといわれています。また、足のアーチ構造が崩れやすい外反母趾(がいはんぼし)や扁平足(へんぺいそく)も足指への負担が大きくなりやすくモートン病のリスクが高まると考えられています。 モートン病でツボ押しにプラスすると効果的な治療 モートン病における症状緩和には、ツボ押しだけではなく、ストレッチと運動・適切な靴の選択・インソール・足底挿板の挿入を補助的に行うのが効果的です。 具体的に解説するので、参考にしてください。 ①ストレッチと運動 モートン病の症状を緩和させるには、ストレッチや運動が効果的です。 足指5本の付け根を結ぶ横アーチは、足裏の血管や神経を守る役割を持つものです。偏平足などでアーチが低下すると、モートン病を発症するリスクが高まります。 偏平足もモートン病も足裏の疲労や痛みが出るため、足裏やふくらはぎのストレッチが症状改善に良いと考えられています。モートン病で重要な横アーチを引き上げるには「タオルギャザーエクササイズ」が効果的です。 <タオルギャザーエクササイズの方法> バスタオルを床に敷き、両足を置く 足指の力でたぐり寄せる すべてたぐり寄せたら戻す タオルギャザーエクササイズは1〜3回を目安に行いましょう。椅子に座った状態でも、立った状態でも可能です。簡単に3回できる人は、タオルの端に1〜2kgの重りや1〜2Lの水が入ったペットボトルを置くと、より運動効果が高まります。 他にも、詳しいマッサージ方法については、こちらも記事をご参照ください。 ②適切な靴の選択 モートン病による痛みを緩和するには、足への負担が少ない靴を履くのが大切です。具体的には、以下のような靴がおすすめです。 中足骨(ちゅうそくこつ)パッドがある靴 クッション性が高い靴 靴底がロッカーソールになっている靴 中足骨パッドとは、靴の中敷きに取り付ける小さなクッションのことです。足裏の横アーチを支える機能を備えており、地面からの衝撃を緩和し神経を圧迫しにくくする効果が期待できます。 歩く際に地面からの衝撃を吸収できるクッション性が高い靴は、神経の圧迫を和らげます。 ロッカーソールとは、つま先部分が上向きに反っている形状をしている靴底を指します。一般的なインソールより歩く際に親指が屈曲しない構造のため、足への負担をかけずに歩けるでしょう。 ③インソール・足底挿板の挿入 モートン病の症状緩和には、靴の中に入れるインソールや足底挿板(そくていそうばん)を活用すると効果的です。インソールには、足裏のアーチを支え、足底にかかる圧力を分散させる効果が期待できます。 整形外科や取り扱いがある専門店でクッション性のあるインソールを購入するか、オーダーメイドで注文すると自分に合ったインソールが作れます。 足底挿板は靴の中敷と似た装具で、義肢装具士に依頼して自分の足に合わせて作成可能です。モートン病は前足部の横アーチ低下に伴って、神経の圧迫がおこるため、アーチをサポートする足底挿板が必要です。整形外科で足底挿板の必要性が認められると、保険で作成できます。 また、代わりとして市販のインソールを購入するのもおすすめです。市販で売られているインソールは手軽に購入できますが、オーダーメイドではない商品が多いため、整形外科医や理学療法士などにどの商品が良いか相談してみましょう。 モートン病の再発を予防するための生活習慣 モートン病は1度改善しても、再発する可能性があります。再発を予防するためにも、日常的な足のケアや定期的な受診などの生活習慣に気を付けましょう。 足のケア モートン病の再発を防ぐには、日常的な足のケアが欠かせません。入浴後など血行が良くなったタイミングで、ふくらはぎや足裏のマッサージを行いましょう。マッサージ方法は以下のとおりです。 <足のマッサージ方法> 足の裏全体を親指で優しく押す 土踏まずや足の付け根を重点的にマッサージする 足の指を広げ、指の付け根を円を描くようにマッサージする 足首を回したりアキレス腱を伸ばしたりするストレッチをする マッサージすると、筋肉の緊張が緩み、神経への圧迫が緩和されます。痛みを感じるようなら、無理せず優しく触れる程度の力で行ってください。 長時間立ち仕事や長時間歩行すると、モートン病の症状は悪化しやすくなります。足が痛かったり疲れていたりするときには、ストレッチやマッサージなどのケアを行いましょう。疲労によりアーチが低下しやすいため、足の疲労を回復させるのが大切です。 定期的な健診を受ける モートン病が良くなってからも、定期的に受診すると再発防止につながります。 保存療法や手術療法で症状が改善しても、モートン病が再発する人は一定数いるため、定期的な受診は大切です。痛みを放置していると悪化してしまうため、定期的に検査を受けましょう。 まとめ|モートン病の症状がツボ押しだけでは緩和しない場合は早めに医療機関へ モートン病は、足の指に痛みやしびれが生じる神経の病気です。 ツボ押しは、モートン病の症状緩和に有効な手段ですが、ツボ押しだけで完治するわけではありません。 とくに、症状が進行している人や、ツボ押しで改善がみられない人は、早めに医療機関を受診しましょう。 モートン病は、保存療法や手術療法など適切な治療により改善する場合が多いですが、再発する人がいるのも事実です。 再発予防のためには、治療後も足のケアを行い、定期的に健診を受けましょう。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、モートン病の治療法として再生医療を提供しています。 再生医療には主に「幹細胞治療」と「PRP療法」があります。 手術と比べて体に傷跡が残らず、リハビリの必要もありません。また、体への負担も少なく治療後の早期社会復帰にも期待ができる治療法です。 \まずは当院にお問い合わせください/
2024.10.23 -
- 足部、その他疾患
- 下肢(足の障害)
モートン病は足指の付け根が立位や歩行などで負荷がかかり痛みが生じる疾患です。 足の痛みは日常生活に大きく影響するため、できるだけ症状を減らしたいと困っている方も多いでしょう。 この記事では、モートン病の原因や初期症状、治療法などを詳しく解説しています。セルフチェックも用意していますので、足の状態を把握したい方はご活用ください。 モートン病とは? モートン病は、足指の間のしびれ、痛み、灼熱感などの神経症状が出現する疾患です。症状が出現するのは主に中指と薬指の間が多いですが、人差し指と中指、薬指と小指の間に発症する場合もあります。 モートン病の原因と初期症状について、詳しく見ていきましょう。 モートン病の原因は主に「つま先立ちのような姿勢」 モートン病の原因は、つま先立ちの姿勢を長時間続けることです。つま先立ちの姿勢は、足指につながる神経を圧迫するため神経障害を発症します。 以下はつま先立ちの姿勢を引き起こす要因です。 ヒールの高い靴の着用 外反母趾や扁平足などの足の形態異常 ダンスやバレエなど足を酷使するスポーツ ジョギングやランニングなど前足に繰り返し力がかかる運動 モートン病は中年以降の40代〜60代の女性に多く発症すると言われています。しかし、年代問わずつま先に負担がかかる姿勢が続くと、発症する可能性があります。 モートン病の初期症状は「つま先のしびれ、痛み」など 以下は、モートン病の初期症状です。 靴を脱ぐと痛みやしびれが軽減する 足指の付け根に違和感や軽い痛みが生じる 足の指で握ったり、足の指を広げたりすると痛む 最初は、足指の感覚に対する違和感や軽い痛みからはじまります。初期段階は症状が一時的で、時間が経つと症状がおさまるケースも少なくありません。 悪化してくると、強い痛みやしびれなどが長時間続いたり、突然激痛が走ったりする症状が見られます。 モートン病のセルフチェック方法 以下はモートン病のセルフチェックポイントです。当てはまるものがないか確認してみてください。 足の指の付け根に痛みやしびれを感じる 足の付け根をつまむ、押す、叩くと痛む 歩行時や長時間の立ち仕事で足裏に痛みが走る 足の指を曲げたり広げたりすると痛みが強まる 靴を履いていると痛みが強まり、脱ぐと和らぐ ヒールや先の細い靴を履くと、痛みやしびれが悪化する モートン病を正確に診断するには整形外科の受診が必要です。当てはまる項目があれば、近くの整形外科での診察を検討してみましょう。 モートン病の治療 モートン病は放置すると症状が悪化し、歩行が困難になる場合もあります。 症状の進行を防ぐための治療法としては、主に以下5つがあります。 保存療法(マッサージ・ツボ押し・運動) 薬物療法 手術療法 再生医療 順番に解説します。 保存療法(マッサージ・ツボ押し・運動) モートン病の治療では、マッサージやツボ押しなどの保存治療が行われます。 ツボ押し(指圧療法)は、足の血流を改善し、痛みをやわらげる方法です。とくに、以下4つのツボが症状の緩和に役立つと考えられています。 承山(しょうざん):ふくらはぎの裏面 下承山(げしょうざん):ふくらはぎの裏側 築賓(ちくひん):ふくらはぎの内側 漏谷(ろうこく):すねの内側 ただし、ツボ押しの効果には個人差があり、医学的に確立された治療法ではありません。 筋力を鍛える運動もモートン病の症状緩和につながります。 横アーチ(足の横方向のカーブ)を支えるために、足の裏の筋肉を強化しましょう。 たとえば、タオルギャザーは簡単にできる運動です。床にタオルを敷き、指を使って手前に引き寄せると、足の裏の筋肉が鍛えられます。 意識的に指を広げたり、指を上げたりする運動もモートン病に効果があります。 【関連記事】 モートン病のマッサージ方法とは?痛みに効果的なセルフケアを解説【医師監修】 モートン病に対するツボの効果とは?代替治療を取り入れて症状を改善しましょう 靴の変更・足底挿板の作成 靴の変更・足底挿板の作成も保存療法の1つです。 足に合った靴やインソール(靴の中敷き)を選ぶと、歩くときの痛みを軽減できます。 靴を選ぶ際は、足に優しいデザインを意識しましょう。以下は、モートン病で負担のかかりにくい靴の特徴です。 靴底が柔らかい かかとが低い つま先が広め 自分に合った靴を選べば、歩くときの負担が軽減します。 足底挿板(そくていそうばん)は、足を正しい位置に保つための特別な中敷きです。専門の技術者に依頼して、足の形や状態に合わせて作ってもらいます。 モートン病は、足のアーチ(土踏まずのようなカーブ)が低下することで神経が圧迫され、痛みやしびれを引き起こします。そのため、アーチを支える足底挿板を使うと、負担が減り、症状が楽になりやすいです。 市販のインソールも使えますが、形や厚みがさまざまなので、専門家に相談して選ぶのがおすすめです。足に合っていないものを使うと、逆に痛みが増すリスクがあります。 薬物療法 モートン病の薬物療法では、消炎鎮痛剤によって痛みや炎症を抑えます。 これは、モートン病を治すというより痛みに対処するための治療方法です。 痛みが軽減しない場合は、ステロイド注射や局所神経ブロック注射を行う場合もあります。 手術療法 手術は、運動療法や薬の治療を試しても症状が良くならない場合に選ばれます。 モートン病で代表的なのは、痛みが出ている部位周囲の組織を取り除く手術です。 神経ごと取り除くため、そこから先の感覚はなくなってしまいます。、違和感が残る場合もありますが、術後1週間から2週間で以前と同じように歩けるようになります。 再生医療 モートン病の治療法には「再生医療」の選択肢もあります。 再生医療には、幹細胞治療とPRP(多血小板血漿)療法などがあります。 幹細胞治療では、自身の幹細胞を培養して患部に注射し、損傷している組織の修復と再生を促す治療法です。 PRP療法では、自分の血液を採取して血小板を濃縮し、修復を助ける成分を含んだ液体を患部に注射します。血小板は体の傷を治す働きを持つため、損傷した組織の修復や痛みの軽減が期待できます。 どちらも注射のみの治療なので、手術のように傷跡が残る心配や術後のリハビリの必要がありません。体への負担が少ないため、再生医療は早い回復が期待できる治療法です。 \まずは当院にお問い合わせください/ モートン病でやってはいけないこと モートン病では、症状を悪化させないためにやってはいけないことがあります。 長時間同じ姿勢を取らない ハイヒールや幅の狭い靴は避ける 以下で具体的な内容を解説します。 長時間同じ姿勢を取らない 長時間立ったり歩いたりすると、足に負荷がかかり続けるため、症状が悪化する原因になります。 仕事上、そうせざるを得ないことも多いかもしれませんが、少しでも姿勢を変えて足を休められると良いです。 また、自宅で家事をしているといつの間にか立っている時間が長くなるでしょう。そのため、休憩時間を少しずつ挟んで足を休めるのが大切です。 ハイヒールや幅の狭い靴は避ける モートン病は前足部への負荷が原因となりやすいため、ハイヒールや幅の狭い靴は避けましょう。 とくにハイヒールは、常に足趾の付け根が圧迫されている状態であり、モートン病や外反母趾など足の疾患につながります。 まとめ|モートン病の理解を深めて適切な治療を進めよう モートン病は、放置すると痛みが強くなり、歩行が困難になる場合もあります。症状が悪化すると手術が必要になるケースもあるため、早めの対処が大切です。 本記事で紹介したセルフチェックを活用し、万が一、モートン病が疑われれば、整形外科の受診を検討しましょう。 「できるだけ身体に負担の少ない治療を進めたい…」という方に、選択肢の1つとして考えてほしいのが「再生医療」という新しい治療法です。 再生医療は、傷ついた組織の修復と再生を促し、治療期間の短縮が期待できます。 モートン病に関するよくある質問 モートン病は再発のリスクがありますか? モートン病は保存療法や手術療法で治療しても再発する可能性があります。そのため、足へ負担がかかりにくい生活習慣やインソールや靴などをフィットしたものに変更するなど、足へのケアが大切です。 また、定期的に病院を受診すれば、再発したとしても早期発見・早期治療ができるため、症状が改善しやすくなるでしょう。 モートン病は何科を受診すればいいですか? モートン病が疑われる場合は、整形外科を受診しましょう。整形外科では、歩行時の痛みやしびれの原因を詳しく調べ、適切な治療方法を提案します。 参考文献 長田瑞穂ほか「モートン病の足部タイプと足底挿板療法について」『骨・関節系理学療法』 https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2005/0/2005_0_C0442/_article/-char/ja/(最終アクセス:2025年2月25日) 梅﨑泰侑ほか「足部形態の違いからとらえた足部内在筋群エクササイズの筋活動に対する即時効果」『理学療法科学』38(6)pp444-450 https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/38/6/38_444/_pdf/-char/ja(最終アクセス:2025年2月25日) 厚生労働省「市販の解熱鎮痛薬の選び方」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00404.html(最終アクセス:2025年2月25日) 三森 経世「関節リウマチ,抗炎症薬とステロイド薬,内科医が診るべき骨・関節疾患:治療の新展開」『日本内科学会雑誌』第97巻 第10号pp17-22 平成20年10月10日 https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/97/10/97_2393/_pdf(最終アクセス:2025年2月25日)
2024.10.21