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「ふくらはぎや太もも、足先まで広がるジンジンとした痛みやしびれがあり、歩くのもつらい…」 坐骨神経痛に悩む方は、日常動作すら負担に感じる場面が少なくありません。 こうした痛みの緩和が目的の治療法がブロック注射です。 本記事では、「坐骨神経痛とはどのような症状なのか」から「ブロック注射の仕組み・効果・リスク・費用」までをわかりやすくまとめました。 また、ペインクリニックで行える治療や、注射だけに頼らないセルフケア・予防法についても詳しく解説しています。 「一度はブロック注射を試してみたいけれど、痛みや副作用が心配…」「どのくらいの期間・費用がかかるの?」といった不安をお持ちの方はもちろん、すでにブロック注射を受けたけれど思うように改善しなかった方にも役立つ内容です。 坐骨神経痛とは 坐骨神経痛とは、腰からお尻、太もも、ふくらはぎ、足先にかけて伸びている坐骨神経が、なんらかの原因で圧迫・刺激を受けることで起こる症状の総称です。(文献1) 多くの場合、腰やお尻だけでなく、脚の後ろ側全体に痛みやしびれが広がり、日常生活に支障をきたすほど強い症状を感じる方もいます。 坐骨神経痛の症状・原因 坐骨神経痛の主な症状 痛みやしびれが足先まで伝わる 腰やお尻、太ももからふくらはぎ、足にかけてジンジンとした痛みやしびれが広がります。痛みの感じる範囲は個人差がありますが、特定の部位にのみ症状が出る場合や、腰から足にかけて全体的に症状が出る場合もあります。 腰から片脚だけに症状が出る 腰から片脚だけに症状が出るのも特徴の一つ。また、症状のイメージとしては軽い痛みから電気ショックのような激痛が走ることもあります。 動作や姿勢によって痛みが増す 長時間の座位、前かがみの姿勢、重い物を持ち上げる動作などで痛みが強くなるのも特徴。 坐骨神経痛の主な原因 椎間板ヘルニア 椎間板が飛び出し、神経が圧迫されて坐骨神経痛が生じる代表的な原因の一つ。比較的若い世代でも発症しやすい傾向があります。 脊柱管狭窄症 (せきちゅうかんきょうさくしょう) 加齢や骨の変形によって背骨の神経が通るスペース(脊柱管)が狭くなり、神経を圧迫されて発症します。50代以降に多い原因です。(文献2) 下半身の筋肉の衰え お尻を中心とした足腰の筋肉の衰えが坐骨神経に負担をかけ、坐骨神経痛の原因になってしまいます。 坐骨神経痛の症状が辛い方は以下の記事もご覧ください。 ブロック注射による坐骨神経痛治療 ブロック注射(神経ブロック注射)は、坐骨神経痛をはじめとする「神経由来の痛み」に対して大きな効果が期待できる治療法です。 神経やその周辺組織に局所麻酔薬やステロイド薬を注入して、痛みの伝達を遮断し炎症を抑える働きがあります。 注射と聞くと「痛そう」「怖い」などマイナスなイメージを持たれる方もいますが、坐骨神経痛で強い痛みを抱えている方から日常生活を取り戻すための一つの選択肢として注目を集めています。 坐骨神経痛に効く?ブロック注射とは ブロック注射は坐骨神経痛で悩まれている方のみを対象にした治療法ではなく、実はさまざまな種類があります。(文献3) ブロック注射の主な種類 硬膜外ブロック注射 背骨の中の硬膜外腔と呼ばれるスペースに薬液を注入。神経の近くへ薬を届けることで、痛みを和らげるだけでなく腫れや炎症の抑制が期待できます。坐骨神経痛以外にも、腰痛全般の治療に広く用いられる方法です。 神経ブロック注射 特定の神経根(背骨の間から出る神経の根元部分)に対して、直接アプローチする注射です。痛みの原因となっている神経が明確な場合に選択されることが多く、ピンポイントで症状改善が期待できる点が特徴。 星状神経節ブロック注射 「星状神経節(せいじょうしんけいせつ)」は頸部(首)のあたりにある交感神経の集まりです。主に上半身の血流改善や痛覚の緩和を目的として行われ、坐骨神経痛の痛みの軽減が期待できます。 トリガーポイント注射 トリガーポイントとは、筋肉が過度に緊張し硬くなった“しこり”のような部分を指します。このトリガーポイントを局所麻酔薬などで直接注射して緩め、筋肉のこわばりを解消して痛みを和らげます。 ブロック注射のメリットとして、まず即効性が挙げられます。 ブロック注射は痛みの原因となる神経付近へ直接薬液を届けられるため、個人差はあるものの、注射から数時間以内に痛みが軽減されることは大きなメリットでしょう。 また、血流改善や炎症を抑える効果もあり、ブロック注射のメリットはさまざまです。 ブロック注射の効果や持続時間については以下の記事にてまとめておりますので、気になる方はこちらもご覧ください。 また、ブロック注射の注意点は、効果には個人差があること、一度の注射で劇的に改善しない場合もある点です。 そもそも原因疾患を根本的に治す治療法ではないため、リハビリや再発防止の取り組みも行なっていきましょう。ブロック注射を検討している方は、医師との十分な相談のうえでどの種類の注射が適切か、どの程度の効果が見込めるかを確認すると良いでしょう。 ブロック注射の費用・リスク ブロック注射は多くの場合、健康保険の適用範囲内で受けられます。 ただし、注入する薬剤の種類や検査内容によって費用が変動する場合もあるため、医療機関での事前確認が重要です。 費用目安 (3割負担の場合) レントゲンやMRIを行うと、検査費用が追加されます。診察するクリニックによって料金は異なりますが、一般的には5,000円前後になることが多くなります。 副作用 ブロック注射の副作用として、めまい、内出血、感染症が起きる可能性があります。(文献4)(文献5) 基本的には大きな副作用が少なく、安全性が高い(文献6)とされていますが、注射の苦手な方や特定の持病がある方は遠慮なく医師に相談してください。 ペインクリニックでできるブロック注射治療 ペインクリニックとは、「痛みの専門外来」とも呼ばれる診療科で、神経ブロック注射や再生医療、リハビリテーションなど、さまざまな方法を組み合わせながら慢性痛や神経痛の症状を緩和・改善を目的としています。 整形外科や内科などとは異なり、痛みそのものを総合的に診断・治療する点が大きな特徴です。 坐骨神経痛の改善においても、ペインクリニックはブロック注射だけでなく痛みを引き起こしている背景要因(姿勢の不良や生活習慣など)を含めて判断し、多角的なアプローチでサポート。 とくに、痛みが強くリハビリが難しい状態の方や、別の医療機関で十分な効果を実感できなかった方からは、 「ペインクリニックで神経ブロックを受けて症状が落ち着いた」「再生医療と併用して長期的な改善が見込めた」といった声も少なくありません。 ブロック注射と再生医療併用のメリット ブロック注射は神経の痛みを和らげるのが主目的ですが、当クリニックが推進する再生医療(PRP治療、幹細胞治療など)は、損傷した組織の修復・再生を促し、痛みの原因そのものへアプローチする可能性を秘めており、両方を併用して「今ある痛みを抑える」と同時に「将来的な再発リスクを低減する」といった二重の効果が期待できると考えられています。(文献7) リハビリや運動療法への移行がスムーズ 痛みが続いている状態では、リハビリや適切な運動を行うのが難しく、症状がこじれてしまうケースもあります。 ブロック注射で一定の痛みが緩和された状態で再生医療を受けると、患部への負担が軽減され、リハビリを前向きに行いやすくなるメリットがあります。 坐骨神経痛の複合的な原因にも対応可能 坐骨神経痛は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの明確な疾患だけでなく、骨盤や筋肉の歪み・炎症などさまざまな要因が絡み合うことも珍しくありません。 再生医療を取り入れることで、神経だけでなく周辺組織の修復をサポートし、より幅広い症状緩和が見込めます。 ブロック注射の流れと通院の目安 実際にブロック注射を受ける場合、ペインクリニックや整形外科など、医療機関によって多少の違いはあるものの、一般的には以下のような流れで進められます。 初診、カウンセリング まずは問診や必要な検査(レントゲン、MRIなど)で坐骨神経痛の原因を特定します。注射が適切かどうか、どの種類のブロック注射を施術するかを医師と相談しながら決定します。 ブロック注射の実施 透視装置(X線)や超音波ガイドなどを使いながら、目的とする神経の近くに針を進め、局所麻酔薬やステロイド薬を注入します。施術時間は部位や病状にもよりますが、短い場合は10〜15分程度で終わるでしょう。 施術後の安静と経過観察 注射後は、ベッドで数十分ほど安静にしてから症状を確認します。血圧の変動やめまいなどの副作用が起きないか、痛みがどの程度軽減したかを確かめるため、看護師や医師が状態を見守ります。 通院の目安 ブロック注射は1度で効果を実感する方もいますが、必要に応じて数回にわたり実施します。週1回ペースで2〜3回行うケースもあれば、症状や効果の持続性によって間隔を調整する場合もあり、個人差があります。施術後に痛みが大幅に改善した方は、再発予防のためにリハビリや生活習慣の見直しを続けることが重要です。 ブロック注射を受けた方の感想 ブロック注射に対する感想は個人差がありますが、以下のような声がよく聞かれます。なお、あくまで一例であり、すべての方に同様の結果が得られるわけではありません。 ブロック注射自体は比較的安全性の高い治療法とされていますが、施術後すぐに無理をすると痛みが再燃してしまいます。 医師やスタッフの指示を守り、回復ペースに合わせて日常生活をコントロールしていくことが、より良い経過を得るためのポイントです。 ブロック注射だけじゃない!坐骨神経痛セルフケアと予防法 坐骨神経痛の治療法の一つとして、ブロック注射をご紹介致しました。 しかし、坐骨神経痛の辛い痛みを味わうともう再発したくないと考える方もいらっしゃると思います。 そこで、坐骨神経痛の予防法と、ご自身でできるセルフケアについてご紹介します。 坐骨神経痛対策!家庭でできるセルフケア 坐骨神経痛の痛みを和らげるためには、お尻や太もも、腰まわりの筋肉を柔らかく保つことが大切です。 痛みが強くないときに無理のない範囲でストレッチを行いましょう。 坐骨神経痛のストレッチについては、こちらの記事で詳しく解説しておりますので、気になる方は是非チェックしてみてください。 生活習慣の見直しと坐骨神経痛の再発予防 1. 適度な運動習慣を取り入れる 痛みが落ち着いているときにハイキングや水中ウォーキングなどの有酸素運動を取り入れると、下半身の血行が良くなり筋力を維持しやすくなります。(文献8) 筋肉が硬くなるのを防ぎ、坐骨神経周辺の負担を減らすことが期待できますので、最初は短い時間から始め、無理のない範囲で運動量を増やしていくと続けやすいでしょう。 2. 入浴習慣の強化 シャワーで済ませず、湯船にゆっくり浸かる習慣を持つと、筋肉の疲労回復や血行促進に役立ちます。 38〜40℃のぬるめのお湯に10〜15分浸かるだけでも、腰やお尻の筋肉がリラックスし、睡眠の質向上にもつながります。 3. 栄養バランスと体重管理 体重の増加は、腰や下半身への負担を増やす要因になるため、バランスの取れた食事や適正体重の維持が重要です。 タンパク質やビタミン、ミネラルなどを意識的に摂取しましょう。食生活の改善は痛みの予防だけでなく、全身の健康維持にも有効です。 ブロック注射で改善しない坐骨神経痛は当院へご相談ください ブロック注射は、坐骨神経痛の強い痛みを一時的に和らげる手段として有効ですが、原因が複合的であったり、症状が重度化していたりする場合には、注射のみの治療では十分な改善が得られないこともあります。 そうした際には、再生医療をはじめとする多角的なアプローチを行う医療機関への相談を検討してみてはいかがでしょうか。 リペアセルクリニックでは、痛みの根本改善を目指すための幹細胞治療やPRP治療など、再生医療を活用した治療も行っています。 ブロック注射で痛みをコントロールしながら、損傷した組織の修復や炎症の鎮静をサポートして長期的な機能回復と再発予防につなげることが期待できます。 「何度もブロック注射を受けたけれど、良くなったり悪くなったりを繰り返している」「痛みが軽減しても、しばらくすると再発してしまう」 そんなお悩みを抱えている方は、ぜひ一度当院へご相談ください。 専門医が丁寧に診断し、お一人おひとりの症状やライフスタイルに合わせた治療プランをご提案します。 坐骨神経痛のつらい痛みから解放されるためにも、どうぞお気軽にご予約・お問い合わせください。 参考文献 (文献1) 日本ペインクリニック学会「治療指針6版第4章」一般社団法人日本ペインクリニック学会HP,https://www.jspc.gr.jp/Contents/public/pdf/shishin/6-19.pdf#:~:text=%E7%AD%8B%E3%83%BB%E7%AD%8B%E8%86%9C%E6%80%A7%E7%96%BC%E7%97%9B%EF%BC%8C%E9%96%89%E5%A1%9E%E6%80%A7%E5%8B%95%E8%84%88%E7%A1%AC%E5%8C%96%E7%97%87%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%81%AE%E8%A1%80%E8%A1%8C%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%8C%E6%8C%99%E3%81%92%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B1%E2%80%923,%E3%81%AE%E5%9C%A7%E8%BF%AB%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%EF%BC%89%EF%BC%8C%E5%89%8D%E8%B6%B3%E6%A0%B9%E7%AE%A1%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4%EF%BC%88%E4%B8%8A%E4%B8%8B%E4%BC%B8%E7%AD%8B%E6%94%AF%E5%B8%AF%E9%83%A8%E3%81%A7%E3%81%AE%E6%B7%B1%E8%85%93%E9%AA%A8%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E3%81%AE%E5%9C%A7%E8%BF%AB%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%EF%BC%89%EF%BC%8C%E3%83%A2%E3%83%BC%20%E3%83%88%E3%83%B3%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4%EF%BC%88%E7%AC%AC%203%EF%BD%9E4%20%E8%B6%BE%E9%96%93%E9%83%A8%E3%81%AE%E6%B7%B1%E6%A8%AA%E4%B8%AD%E8%B6%B3%E9%9D%B1%E5%B8%AF%E9%83%A8%E3%81%A7%E3%81%AE%E5%9B%BA%E6%9C%89%E5%BA%95%E5%81%B4%E6%8C%87%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E3%81%AE%E5%9C%A7%E8%BF%AB%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%EF%BC%89%E3%81%AA%E3%81%A9%20%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%8C%EF%BC%8C%E3%81%93%E3%82%8C%E3%82%89%E3%82%92%E5%9D%90%E9%AA%A8%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%97%9B%E3%81%A8%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%8B%E5%90%A6%E3%81%8B%E3%81%AF%E8%AD%B0%E8%AB%96%E3%81%AE%E4%BD%99%E5%9C%B0%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%EF%BC%8E%E8%84%8A%E9%AB%84%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E3%81%9D%E3%81%AE,(最終アクセス2025年2月20日) (文献2) Fairag, M., Kurdi, R., Alkathiry, A., Alghamdi, N., Alshehri, R., Alturkistany, F. O., Almutairi, A., Mansory, M., Alhamed, M., Alzahrani, A., & Alhazmi, A. (2022). Risk Factors, Prevention, and Primary and Secondary Management of Sciatica: An Updated Overview. Cureus, 14(11), e31405.https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9743914/#:~:text=systematic%20review%20involving%20eight%20articles,factors%20would%20be%20effective%20against(Accessed: 2025-02-20) (文献3) 日本ペインクリニック学会「治療指針4版第1章ペインクリニックにおける神経ブロック」一般社団法人日本ペインクリニック学会HP,https://www.jspc.gr.jp/Contents/public/pdf/shi-guide01_07.pdf,(最終アクセス2025年2月20日) (文献4) 伊藤博志,高山瑩,岩間徹,木下朋雄「腰痛と下肢痛に対する神経ブロック療法とトリガーポイント注射の効果」『日本腰痛会誌』7巻(1号),発行年(2001年) https://www.jstage.jst.go.jp/article/yotsu/7/1/7_1_110/_pdf/-char/ja(最終アクセス:2025年2月20日) (文献5) Machado, E. S., Soares, F. P., de Abreu, E. V., de Souza, T. A. C., Meves, R., Grohs, H., Ambach, M. A., Navani, A., de Castro, R. B., Pozza, D. H., & Caldas, J. M. P. (2023). Systematic Review of Platelet-Rich Plasma for Low Back Pain. 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2025.02.28 -
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腰からお尻、足にかけて電気が走るような痛みやしびれ… それ、坐骨神経痛かもしれません。人体で最も太く長い坐骨神経が圧迫されると、痛みやしびれといった不快な症状が現れます。 実は、この坐骨神経痛、坐骨神経痛を放置してしまうと、徐々に歩行に支障をきたすことがあります。 主な原因は椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などですが、長時間のデスクワークや運動不足も関係していると言われています。 この記事では、医師が効果的なストレッチ方法を解説します。 >>坐骨神経痛をやわらげるストレッチをすぐに見たい方はここをタップ<< 【予備知識】坐骨神経痛の症状と原因 坐骨神経痛は、腰部から臀部、下肢へと続く坐骨神経に圧力がかかったり、刺激されたりすることで、痛みやしびれなどの症状が現れる状態です。 この神経は、人体で最も太く長い神経であり、まるで電線のように腰から足の先まで電気信号を送っています。 しかし、何らかの原因でこの「電線」が圧迫されると、電気がうまく流れなくなり、痛みやしびれなどの不快な症状を引き起こすのです。 症状の特徴:痛みやしびれ、放置するとどうなる? 坐骨神経痛の症状は、人によって様々です。 電気が走るような鋭い痛み、ジンジンするようなしびれ、足の感覚が鈍くなる、といった症状が現れることがあります。 痛みやしびれは、お尻から太もも、ふくらはぎ、すね、そして足の甲や足の裏まで、坐骨神経が通っている場所ならどこにでも現れる可能性があります。 これらの症状は、長時間同じ姿勢を続けていたり、くしゃみや咳などお腹に力が入る動作をした際に悪化することがあります。 症状が重い場合は、歩いたり立ったりすることさえ難しくなることもあります。 坐骨神経痛を放置すると、痛みが慢性化し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。 また、しびれがずっと残ったり、足に力が入らなくなって歩行が困難になるケースもあります。 特に、腰部脊柱管狭窄症の場合、放置すると排尿障害などの深刻な合併症を引き起こす可能性も懸念されます。 筋力が落ちたり、尿が出にくくなったり、便秘がちになると命に関わるため、我々医師は手術を勧めることになります。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「腰の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 原因:椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、梨状筋症候群など 坐骨神経痛の原因は様々ですが、代表的なものとして椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などが挙げられます。 椎間板ヘルニアは、背骨のクッションの役割をしている椎間板の一部が飛び出し、坐骨神経を圧迫することで起こります。 20代に最も多く発症し、次に30~40代に多く見られます。 脊柱管狭窄症は、背骨に存在する神経の通り道である脊柱管が狭くなり、神経を圧迫することで起こります。50歳以上の中高年に多く発症します。 ▼脊柱管狭窄症について、併せてお読みください。 梨状筋症候群は、お尻にある梨状筋という筋肉が坐骨神経を圧迫することで起こります。 その他にも、腰椎すべり症や腫瘍、感染症などが原因となる場合もあります。 ▼梨状筋症候群について、併せてお読みください。 ストレッチが必要!坐骨神経痛になりやすい人の特徴 坐骨神経痛になりやすい人の特徴としては、長時間のデスクワーク、猫背姿勢、運動不足などが挙げられます。 一定の姿勢で長時間座り続けるオフィスワークは、腰に大きな負担をかけ、坐骨神経痛を引き起こしやすくなります。 猫背姿勢も腰への負担を増大させるため、坐骨神経痛のリスクを高めます。運動不足は筋肉を弱らせ、腰を支える力を低下させるため、坐骨神経痛になりやすくなります。 また、冷えや肥満も坐骨神経痛を悪化させる要因となります。 体が冷えると血液の流れが悪化し、筋肉が固くなることで、坐骨神経痛の具合が悪化しやすく、坐骨神経痛の症状を悪化させやすく、注意が必要です。 坐骨神経痛をやわらげるストレッチ3選|効果的な方法と注意点も つらい痛みを何とかしたい、でも手術や薬には頼りたくない、そんな風に考えている方もいるかもしれません。 ご安心ください。ストレッチは、坐骨神経痛からくる症状を改善する効果的な対処法の一つといえます。 適切なストレッチを行うことで、硬くなった筋肉をほぐし、神経への圧迫を軽減することができます。 ここでご紹介するストレッチは、自宅で簡単に行えるものばかりです。ぜひ、試してみてください。 ハムストリングスのストレッチ ハムストリングスは、太ももの裏側にある筋肉です。 この筋肉が硬くなると、骨盤が後ろに傾き、坐骨神経を引っ張ってしまうことがあります。結果として、痛みやしびれといった坐骨神経痛の症状を引き起こすのです。 ハムストリングスの柔軟性を高めることは、体幹の安定性にも繋がります。体幹が安定すると、腰への負担が軽減され、坐骨神経痛の予防にも効果的です。 ハムストリングスのストレッチ①|椅子に座って行う方法 椅子に浅く腰掛け、片方の足を前に伸ばします。 つま先を天井に向け、かかとを床につけたまま、上半身を前に倒していきます。 太ももの裏側に伸びを感じるところで、30秒間キープします。息を止めないように、ゆっくりと呼吸を続けましょう。 反対側の足も同様に行います。 ハムストリングスのストレッチ②|床に仰向けになって行う方法 仰向けになり、片方の足を天井に向けて伸ばします。 伸ばした足の膝を軽く曲げ、タオルやベルトなどを足の裏にかけます。 タオルやベルトを両手で持ち、息を吐きながら、足をゆっくりと自分の方に引き寄せます。 太ももの裏側に伸びを感じるところで、30秒間キープします。この時も、深い呼吸を心がけましょう。 反対側の足も同様に行います。 梨状筋のストレッチ 梨状筋はお尻の奥にある筋肉です。この筋肉が硬くなると、坐骨神経を圧迫し、痛みやしびれを引き起こすことがあります。 梨状筋症候群は、この梨状筋が原因で起こる坐骨神経痛です。 梨状筋のストレッチ①|床に座って行う方法 床に座り、両足を伸ばします。 ストレッチしたい側の足を反対側の太ももの上にのせます。 上半身を前に倒し、お尻の奥に伸びを感じるところで30秒間キープします。 反対側の足も同様に行います。 梨状筋のストレッチ②|椅子に座って行う方法 椅子に座り、ストレッチしたい側の足を反対側の太ももの上にのせます。 上半身をゆっくりと前に倒し、30秒間キープします。 反対側の足も同様に行います。 お尻のストレッチ お尻の筋肉は、人体で最も大きな筋肉の一つである大殿筋をはじめ、中殿筋、小殿筋など複数の筋肉で構成されています。 これらの筋肉は、歩いたり、走ったり、階段を上ったりする際に重要な役割を果たしています。 お尻の筋肉が硬くなると、骨盤の歪みや姿勢が悪くなり、坐骨神経痛を引き起こすことがあります。 お尻のストレッチ|寝て行う方法① 仰向けになり、両膝を立てます。 片方の足を反対側の太ももの上にのせます。 反対側の手で太ももを持ち、胸に引き寄せます。 お尻に伸びを感じるところで、30秒間キープします。 反対側の足も同様に行います。 お尻のストレッチ|寝て行う方法② 仰向けになり、両膝を立てます。 片方の足首を反対側の膝の上に乗せます。 両手で反対側の太ももを抱え、胸の方に引き寄せます。 お尻に伸びを感じるところで、30秒間キープします。 反対側の足も同様に行います。 ストレッチは、痛みを感じない範囲で行うことが大切です。もし、ストレッチ中に痛みやしびれが増強する場合は、すぐに中止してください。 また、ストレッチの効果を高めるためには、毎日継続して行うことが重要です。1回5~10分程度、1日数回行うのが効果的です。 お風呂上がりなど、体が温まっている時に行うと、より効果的です。 ストレッチは坐骨神経痛の症状緩和に役立ちますが、根本的な解決にならない場合もあります。 症状が改善しない場合や悪化する場合は、医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしてください。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「腰の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 参考文献 Kim B, Yim J. "Core Stability and Hip Exercises Improve Physical Function and Activity in Patients with Non-Specific Low Back Pain: A Randomized Controlled Trial." The Tohoku journal of experimental medicine 251, no. 3 (2020): 193-206. Deyo RA, Mirza SK. "CLINICAL PRACTICE. Herniated Lumbar Intervertebral Disk." The New England journal of medicine 374, no. 18 (2016): 1763-72. Owen PJ, Miller CT, Mundell NL, Verswijveren SJJM, Tagliaferri SD, Brisby H, Bowe SJ, Belavy DL. "Which specific modes of exercise training are most effective for treating low back pain? Network meta-analysis." British journal of sports medicine 54, no. 21 (2020): 1279-1287.
2025.02.15 -
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お尻や足に、電気が走るような痛みやしびれを感じたことはありませんか?もしかしたら、それは「梨状筋症候群」のサインかもしれません。 現代社会のデスクワーク中心の生活は、知らず知らずのうちに梨状筋への負担を増大させて、痛みやしびれを引き起こす疾患です。 放置すると慢性化し、日常生活に深刻な影響を及ぼす可能性もあります。 この記事では、セルフチェックの方法、そして具体的な治療法まで、医師が分かりやすく解説します。 つらい痛みやしびれから解放されるための第一歩を、この記事で踏み出してみませんか? 梨状筋症候群の症状と原因5選 お尻や足に痛みやしびれがある場合、梨状筋症候群の可能性があります。 梨状筋症候群は、お尻の奥深くにある梨状筋という筋肉が、坐骨神経を圧迫することで起こる症状です。 痛みやしびれの症状 梨状筋症候群の痛みやしびれは、お尻から太もも、ふくらはぎ、そして時には足先まで広がり、まるで電気が走るようなピリピリとした感覚や、ジーンと響くような感覚、焼けるような痛みなど、症状は人それぞれです。 これらの症状は、長時間座っていたり、股関節を動かしたりすることで悪化し、同じ姿勢を続けていると、さらに症状が強まる場合があります。 このような症状が現れた場合、日常生活にも支障をきたす可能性があります。 症状の種類 感じ方 範囲 具体的な日常生活への影響例 ピリピリする 電気が走るような感覚 お尻から足先まで 靴下の素材がチクチクと感じたり、足先が常に痺れて違和感がある ジーンとする 重いものが乗っているような感覚 お尻からふくらはぎまで ふくらはぎが重だるく、長時間の歩行が困難になる 焼けるような痛み 熱いものが当たっているような感覚 お尻から太ももまで 座っているとお尻から太ももにかけて熱く感じ、落ち着いて座っていられない このような症状は、当初は軽い違和感程度から始まり、徐々に増悪するケースが多いです。 初期の段階では、「少し疲れているだけだろう」と安易に考えてしまいがちですが、放置すると慢性化し、日常生活に大きな支障をきたす可能性がありますので、早めの対応が重要です。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「腰の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 臀部から太もも、ふくらはぎにかけての痛み 梨状筋症候群では、お尻の奥にある梨状筋が坐骨神経を圧迫することで、臀部から太もも、そしてふくらはぎにかけて痛みを感じることがあります。 梨状筋は、股関節を外側に回す働きをする筋肉です。この筋肉が硬くなったり、腫れたりすることで、近くを通る坐骨神経を圧迫し、症状が出ます。坐骨神経は、人体で最も太い神経であり、腰から足先まで繋がっています。 梨状筋症候群は、比較的まれな疾患であるものの、坐骨神経痛の原因の一つとして無視できない存在です。診断が難しい場合が多く、他の疾患との鑑別が重要になります。 例えば、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症なども坐骨神経痛を引き起こす可能性があるため、これらの疾患との鑑別が必要となります。 かかりつけ医から、『坐骨神経痛の原因は、腰のヘルニアが原因と言われた』とよく外来に来られる患者様がいました。 よく調べてみると、この梨状筋症候群だったということは多々ありました。整形外科医でも、中々判断するのは難しい疾患となります。 ▼椎間板ヘルニアについて、こちらでも分かりやすく解説しています。 長時間座っていると悪化する痛み 梨状筋症候群の痛みは、長時間座っていることで悪化することがあります。 デスクワークや車の運転などで長時間同じ姿勢を続けていると、梨状筋が圧迫され、坐骨神経への刺激が強まります。 特に、足を組んだり、片方に体重をかけたりする姿勢は、梨状筋への負担が大きくなるため、注意が必要です。 こまめに立ち上がったり、ストレッチをしたりすることで、筋の緊張を和らげ、症状をやわらげることができます。 現代社会では、デスクワークやスマートフォンの使用など、長時間座っている機会が増えています。そのため、梨状筋症候群のリスクも高まっていると考えられます。 長時間座っている際には、1時間に1回程度は立ち上がって歩いたり、身体を動かしたりしましょう。 股関節の動きに伴う痛み 梨状筋症候群では、股関節を動かすと痛みが増強することがあります。この梨状筋は、股関節を内側や外側に回したり、曲げ伸ばししたりする際に活躍する筋肉です。 この時に、梨状筋が伸縮し、坐骨神経を刺激します。特に、股関節を外側に回す動きは、梨状筋を強く収縮させるため、痛みを感じやすいです。 階段の上り下りや、足を組む動作など、日常生活での動作でも痛みが出現する可能性があります。 梨状筋症候群のセルフチェックと診断 お尻や足に痛みやしびれがあると、日常生活にも支障が出てつらいですよね。もしかしたら、それは「梨状筋症候群」かもしれません。 梨状筋症候群は、お尻の奥深くにある筋肉「梨状筋」が、近くを通る坐骨神経を圧迫することで起こる病気です。 今回は、梨状筋症候群のセルフチェック方法や医療機関における診断方法について詳しく解説します。 梨状筋症候群のセルフチェック方法 ご自身で梨状筋症候群の可能性をチェックする方法をいくつかご紹介します。これらのセルフチェックは、あくまで梨状筋症候群の疑いがあるかを調べるためのものです。 セルフチェックで陽性反応が出ても、必ずしも梨状筋症候群であるとは限りません。確定診断のためには、医療機関を受診し医師の診察を受けることが重要です。 FAIRテスト(股関節屈曲、外転、内旋テスト)とPace徴候は、梨状筋症候群のセルフチェックとして広く知られています。 FAIRテスト:FAIRテストでは、仰向けに寝て片方の足をもう片方の足の上に組み、上の足の膝を外側に倒していきます。 この時、お尻や太もも、ふくらはぎにかけて痛みやしびれが出たら、梨状筋症候群の可能性があります。 このテストは、梨状筋が緊張・短縮することで坐骨神経が刺激され、神経のインパルスが妨げられることで症状が出現するというメカニズムに基づいています。 Pace徴候:Pace徴候では、痛みのある側の足を組んで座り、そのまま上半身を前に倒します。 お尻や太ももに痛みやしびれが増強する場合、梨状筋症候群の可能性があります。 これらのセルフチェックは、梨状筋の緊張や炎症によって坐骨神経が圧迫されることで生じる痛みやしびれを誘発することで、梨状筋症候群の可能性を探るものです。 しかし、これらの症状は他の疾患でも起こり得るため、鑑別診断が重要です。 例えば、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症も同様の症状を引き起こす可能性があります。 鑑別診断:坐骨神経痛との違い 梨状筋症候群は、坐骨神経痛の一つの原因です。 坐骨神経痛とは、腰からお尻、太ももの裏、ふくらはぎ、足にかけて伸びている坐骨神経が何らかの原因で刺激され、痛みやしびれなどの症状が現れる状態を指します。 梨状筋症候群以外にも、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腫瘍など、様々な病気が坐骨神経痛を引き起こす可能性があります。 ▼坐骨神経痛を和らげるストレッチについて、併せてお読みください。 梨状筋症候群の治療法と治る期間 ここでは、梨状筋症候群の具体的な治療法と、どれくらいの期間で治るのかについて、詳しく解説します。 どの治療法が自分に合っているのか、不安に思っている方も、ぜひ参考にしてみてください。 梨状筋症候群の治療期間 梨状筋症候群の治療期間は、症状の重さや治療法、そして個人差によって大きく異なります。 多くの場合、保存療法と呼ばれる手術をしない治療で、2ヶ月ぐらい経てば、かなり軽快するという報告があります。 具体的には、初期段階で症状が軽い場合は数週間から数ヶ月で、ほとんどが軽快します。 しかし、症状が重い場合や慢性化している場合は、数ヶ月から半年以上かかる場合もあります。 さらに、日常生活での姿勢や体の使い方が悪ければ、さらに治癒期間は長くなります。 梨状筋症候群は、他の疾患、例えば腰椎椎間板ヘルニアなどと症状が似ている場合があり、誤診される可能性も否定できません。 そのため、医療機関を受診し、医師の診察を受けることが重要です。 保存療法:ストレッチや薬物療法 梨状筋症候群の治療は、多くの場合、保存療法から始めます。 梨状筋症候群は、梨状筋の緊張や炎症が原因で起こることが多いため、保存療法では、主に梨状筋の緊張を和らげ、炎症を抑えることを目的とします。 具体的には、ストレッチ、薬物療法、温熱療法、注射などがあります。 ストレッチ:ストレッチは、梨状筋を伸ばすことで、神経への圧迫を軽減し、症状の改善を図ります。 理学療法士による坐骨神経モビライゼーションや梨状筋リリースといった専門的な手技も有効です。 股関節の屈曲角度が90度以上と90度未満のストレッチ方法があり、症状や身体の状態に合わせて適切な方法を選択することが重要です。 薬物療法:薬物療法では、痛みや炎症を抑える薬を服用します。痛み止めや消炎鎮痛剤など、症状に合わせて医師が適切な薬を処方します。 温熱療法:温熱療法は、温めることで血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。ホットパックや温湿布などを使用します。 注射療法:注射療法では、梨状筋や坐骨神経周囲に局所麻酔薬やステロイド薬を注射します。 痛みを軽減し、炎症を抑える効果が期待できます。近年では、ボツリヌス毒素注射も効果的であると報告されています。 ボツリヌス毒素は、筋肉の過剰な収縮を抑制する効果があり、梨状筋の緊張を和らげ、坐骨神経への圧迫を軽減します。 手術療法の適応 梨状筋症候群の手術療法は、保存療法を数ヶ月間継続しても症状が改善しない場合や、他の疾患が疑われる場合に検討されます。 しかし、梨状筋症候群で手術が必要となるケースは非常に稀です。 家庭でできるストレッチと注意点 梨状筋症候群の代表的なストレッチとして、仰向けに寝て、片方の足首を反対側の膝の上に乗せ、両手で太ももを抱えてゆっくりと胸に引き寄せる方法があります。この姿勢を30秒ほど維持し、反対側も同様に行います。 ストレッチは無理のない範囲で行いましょう。ストレッチは、朝起きた時やお風呂上がりなどが効果的です。 また、ストレッチだけでなく、日常生活での姿勢や体の使い方にも気を配ることが重要です。 長時間の同じ姿勢を避け、適度な運動を心がけることで、梨状筋症候群の予防や再発防止にも繋がります。 椅子に座っている時に足を組む癖がある方は、梨状筋への負担が大きくなるため、意識的に足を組まないようにしましょう。 また、立ち仕事が多い方は、適度に休憩を取り、股関節周りのストレッチを行うことをおすすめします。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「腰の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 参考文献 Kirschner JS, Foye PM, Cole JL. "Piriformis syndrome, diagnosis and treatment." Muscle & nerve 40, no. 1 (2009): 10-8. Probst D, Stout A, Hunt D. "Piriformis Syndrome: A Narrative Review of the Anatomy, Diagnosis, and Treatment." PM & R : the journal of injury, function, and rehabilitation 11 Suppl 1, no. (2019): S54-S63. Kim B, Yim J. "Core Stability and Hip Exercises Improve Physical Function and Activity in Patients with Non-Specific Low Back Pain: A Randomized Controlled Trial." The Tohoku journal of experimental medicine 251, no. 3 (2020): 193-206. Ahmad Siraj S, Dadgal R. "Physiotherapy for Piriformis Syndrome Using Sciatic Nerve Mobilization and Piriformis Release." Cureus 14, no. 12 (2022): e32952.
2025.02.09 -
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- 脊柱管狭窄症
「腰や足に違和感を覚えるようになった…。脊柱管狭窄症かも」 「脊柱管狭窄症の予防方法を知りたい。」 そんな悩みをおもちの方もいるのではないでしょうか? 脊柱管狭窄症は、加齢とともに発症リスクが高まる病気です。腰や足の痛み、痺れなどが現れ、日常生活に支障をきたすこともあります。 本記事では、脊柱管狭窄症の予防に効果的な方法を解説します。効果のある体操やストレッチ、日常生活で気をつけるべき動作などを紹介しているので、脊柱管狭窄症の発症リスクを軽減させたい方は参考にしてみてください。 【基礎知識】脊柱管狭窄症とは 脊柱管狭窄症は、中高年に多い腰部疾患の1つです。 脊柱管とは、脊髄や神経根が通る背骨の中の管状の空間です。この管の中を通る神経は、運動の指令や感覚を伝える重要な役割を担っています。 この脊柱管が狭くなることで、神経を圧迫し、間欠性跛行や下肢の痺れ、痛みなどの症状がみられます。60〜70歳代以降の中高年に発症するケースが多く、姿勢の変化や背骨の変形を伴う変性疾患の1つです。 腰椎ヘルニアや腰椎圧迫骨折などの急性期の疾患と違い、徐々に症状が現れる慢性的な疾患として知られています。 脊柱管狭窄症の原因 脊柱管狭窄症が起こる原因はいくつかありますが、代表的なものは以下の3つです。 加齢 日頃の姿勢や動作習慣による影響 先天的な疾患によるもの 年齢を重ねると骨や椎間板の変性が起こりやすくなり、脊髄神経が通る脊柱管が狭くなってしまいます。それにより、神経を圧迫し、脊柱管狭窄症を引き起こすのです。 また、長時間のデスクワークや運動不足により、腰回りの筋肉が弱まり、姿勢が悪くなると神経が圧迫されやすくなります。 生まれつき脊柱管が狭い場合もあります。通常、成長とともに広がりますが、先天的な異常があると狭いままになり、若いうちから症状が出ることがあるのです。 症状 脊柱管狭窄症の主な症状は、臀部から下肢にかけての痺れや痛み、力の入りにくさ、間欠性跛行などです。 とくに特徴的な症状が間欠性跛行です。歩いていると脚の痛みが増強し、続けて歩くのが困難になります。少し休憩をしたり、体を前かがみにしたりすると症状が軽減し、歩けるようになります。 これらの症状に加え、排尿・排便障害や両側に症状が出てしまう場合は、重症化している可能性が高いです。 また、神経圧迫の程度が強いと、足首を上に反らせなかったり、数十メートル歩くだけで症状が強くなったりする場合があるため、医療機関への相談を推奨します。 脊柱管狭窄症にならないための予防方法5選 脊柱管狭窄症にならないための予防には、どのような方法があるのでしょうか。 ここでは5つの予防方法を紹介します。 日頃の姿勢や行動を見直す 体操やストレッチをおこなう 栄養バランスのとれた食事を心がける 肥満の方は体重を減らす 早めに病院を受診する 順番に見ていきましょう。 日頃の姿勢や行動を見直す 脊柱管狭窄症の予防には、日常生活での姿勢や動作に気を配ることが重要です。 長年の不適切な姿勢や動作による背骨への負担が、発症リスクを高める要因となります。 では、具体的にどのような点に気をつければよいのでしょうか。 以下に姿勢改善のポイントをまとめました。 背骨を全体的に動かす 背骨は、上を向く、下を向く、振り返るなど、さまざまな動きに関わっています。これらの動きをスムーズに行うためには、背骨全体に意識を集中するのが大切です。 たとえば、上を向く際は、首だけでなく背中全体を伸ばすように意識しましょう。 良い姿勢を保つ 長時間同じ姿勢でいると、背骨に負担がかかります。 デスクワークや運転など、長時間同じ姿勢でいる場合は、こまめに休憩を挟み、ストレッチをして身体を動かすようにしましょう。 こまめな姿勢の見直しと調整が、脊柱管狭窄症の予防への第一歩となります。 体操やストレッチをおこなう 脊柱管狭窄症の予防には、体操やストレッチも効果的です。 とくに、柔軟性を高めたい部位は股関節と肩甲骨です。股関節と肩甲骨は、背骨の動きをサポートする上で欠かせないので、筋肉をほぐせば、姿勢の改善にもつながります。 また、お尻の筋肉を鍛えるのも脊柱管狭窄症の予防に効果があります。 栄養バランスのとれた食事を心がける 脊柱管狭窄症を防ぐには、脊椎の健康を支える栄養素を意識した食事が求められます。 特定の栄養素を適切に摂取すると、骨や筋肉の状態が安定し、負担のかかりにくい体づくりにつながります。 以下は、骨を強くする代表的な栄養素です。 栄養素 働き 食材 カルシウム 骨の主成分となり、強化を助ける 牛乳 チーズ 小魚 小松菜 など ビタミンD カルシウムの吸収を助ける イワシ 秋刀魚 鮭 しいたけ など ビタミンK カルシウムを骨に定着させる 納豆 小松菜 ほうれん草 わかめ など たんぱく質 筋肉や血液の材料になり、骨の修復を助ける 赤身の肉 魚 豆腐 納豆 など マグネシウム 骨の健康を維持し、強化をサポートする アーモンド ごま わかめ 大豆製品 など 関節の健康を考えるなら、オメガ3脂肪酸が豊富な魚やナッツ類を積極的に取り入れましょう。これらには炎症を抑える作用があり、関節の負担を軽減します。 加えて、果物や野菜に多く含まれる抗酸化物質は、体内の酸化ストレスを和らげ、脊椎の健康を支えます。 肥満の方は体重を減らす 肥満の方は体重を減らす取り組みが脊柱管狭窄症の予防につながります。 体重が増えると腰椎や椎間板に過度な負担がかかり、炎症や変性を引き起こす原因です。また、お腹に脂肪がつくと姿勢が前傾し、腰を無理に反らせる姿勢が続いて症状を悪化させる可能性があります。 肥満体系の方は、専門家の指導のもと、適切な体重まで減量を検討してみてください。高カロリーの食事は避け、栄養バランスの取れた食事を心がけると、健康的な体重に近づいていくでしょう。 早めに病院を受診する 脊柱管狭窄症の可能性を感じたら早めに医療機関の受診を検討するのが望ましいです。進行すると痛みやしびれが生じて、日常生活にも支障をきたすおそれがあるからです。 症状の程度によっては手術が必要になる場合もあります。早期なら通院やリハビリで改善が期待できます。 症状の悪化を防ぐためにも、早期発見・早期治療を心がけましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、脊髄や筋肉、腱の損傷に対する治療法として「再生医療」を提供しています。 無料のメール相談・オンラインカウンセリングも受け付けています。再生医療をご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。 脊柱管狭窄症の予防方法を実施するときの注意点 紹介した予防方法を無理に続けると、症状の悪化やほかの疾患を引き起こすおそれがあります。予防方法を実践する際は、以下の点に注意してください。 過度な運動を避ける 急激なダイエットをしない 痛みを感じたらすぐに中止する 自己判断せず専門医に相談する 体調に合わせて無理なく続ける 適切な方法で取り組めば、脊柱管狭窄症を予防できる可能性が高まります。焦らず、自分の身体に合った方法を選び、継続しましょう。 まとめ|脊柱管狭窄症の予防法を試して腰を守ろう 脊柱管狭窄症は適切な予防と生活習慣の改善で、発症や症状の進行を防ぐことができます。 日常生活で実践できる予防法として、以下の5つがあります。 日頃の姿勢や行動を見直 体操やストレッチをおこなう 栄養バランスのとれた食事を心がける 肥満の方は体重を減らす 早めに病院を受診する 本記事で紹介した予防方法を参考に、無理なく生活に取り入れてみましょう。 まずは取り組みやすいものから始めて、脊柱管狭窄症を発症しない身体作りや症状の緩和に努めてみてください。
2023.02.24 -
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脊柱管狭窄症の痛みやしびれにストレッチは有効? 足腰の痛みやしびれを「自力でなんとかしたい」という方も多いのではないでしょうか。 本記事では、脊柱管狭窄症の痛みやしびれに対して自宅で簡単にできるおすすめストレッチを紹介します。 おすすめのストレッチ方法はありますが、脊柱管狭窄症はストレッチだけで治るような病気ではありません。 むしろ間違ったストレッチ方法では症状を悪化させ、長時間の歩行が困難になるリスクが高くなります。 今までは手術によって痛みやしびれを取る治療が一般的とされてきましたが、近年で手術不要で神経損傷を改善できる可能性がある再生医療が注目されています。 当院(リペアセルクリニック)の公式LINEをご登録いただいた方限定で「再生医療の基礎がわかるガイドブック」を無料で配布しています。 長時間の歩行が困難になり日常生活に影響を及ぼす前に、再生医療がどのような治療か知っておきましょう。 脊柱管狭窄症を自力で治す!ストレッチと筋トレの方法を紹介 脊柱管狭窄症のストレッチの重要な目的は、次の2点です。 狭くなっている神経の通り道を広げて、神経の圧迫を取り除く 腰や足の付け根の、関節の動きを妨げる筋肉の凝りをほぐす これらを踏まえた具体的なストレッチの方法を、ポイントを交えながら3つ紹介します。 両膝かかえストレッチ 初めに紹介するのは、神経の通り道を広げたり、背中の筋肉をほぐしたりするストレッチです。寝た状態でできるので、横になったときや就寝前などに気軽にできます。 仰向けになり両膝をかかえます 太ももをお腹に近づけるようにします 15 秒キープします 5 回ほど繰り返します POINT: 太ももを近づけるタイミングで息をフーッと吐き出しましょう。 正座ストレッチ 次も、両膝かかえストレッチと同じく背中の筋肉への効果が期待できるストレッチです。両膝かかえストレッチに比べると、少し難易度が高くなります。 四つ這いの状態で背中を丸めます 手の位置は変えずに徐々に膝を曲げていきます 背中を丸めるように意識して、正座のような姿勢になります また四つ這いの姿勢にゆっくり戻ります 5 回ほど繰り返します POINT: 先ほどのストレッチと同じように、正座をするときは息を止めないようにして、リラックスをしましょう。 片膝立ちストレッチ 最後は腰から太ももの全面の付け根にかけて付着する筋肉である腸腰筋(ちょうようきん)のストレッチです。腸腰筋が硬くなると腰が反る姿勢になりやすいため、柔軟性を保つことが大切です。 壁などを支えにして片膝立ちになります 膝をつけている方の足を後ろに少し引きます 前方の足の膝を曲げて、膝をついている方の太ももの前をストレッチします POINT: 腰を反ったり、上半身が前かがみになったりしないように注意しながら行いましょう。また、姿勢が不安定で倒れそうな場合は、壁や家具など支えになるものに捕まりながら行いましょう。 脊柱管狭窄症におすすめの筋トレ 脊柱管狭窄症の筋トレのポイントは、脊椎にかかる負担を減らすために、腹筋や背筋といった体幹(インナーマッスル)の筋肉を鍛えることが大切です。ここでは、2つの方法をポイントとともに紹介します。 ドローイング 椎骨を支える筋肉として、コルセットのような役割をする「腹横筋(ふくおうきん)」という筋肉があります。お腹が割れたように見える筋肉は腹直筋(ふくちょくきん)ですが、脊柱管狭窄症の場合は腹筋の中でも「腹横筋」を鍛え、椎骨にかかる負荷をサポートしましょう。 仰向けになり両膝を立てます 腹式呼吸の要領で、息を大きく吸ったり吐いたりします 息を吐くときに合わせて、お腹を限界までへこませます これを 10 回程度繰り返します POINT: 息を吐くときは口をすぼめるようにして、ゆっくり長く吐くようにしましょう。 ダイアゴナル 腹筋と背筋の中でも、「インナーマッスル」という姿勢を保つ筋肉を鍛える運動です。 四つ這いの姿勢で、背中が曲がったり反ったりしないようにします 右手と左足をまっすぐ上げて 15 秒キープします 次に左手と右足をまっすぐ上げて 15 秒キープします 10 回程度繰り返します POINT: 手足を上げたときに、体が傾かないように意識しましょう。また、お腹をへこませるように力を入れると効率よく筋肉を刺激でき、反り腰の防止にもなります。 脊柱管狭窄症におすすめのストレッチ|期待できる効果とは? 痛みとしびれの改善 運動療法の中の1つであるストレッチには、痛みやしびれの改善に効果があることが報告されています。 しかし、脊柱管狭窄症による痛みやしびれはストレッチだけで治るようなものではありません。 適切な治療を受けずに放置していると症状が悪化し、歩行や排尿・排便などの日常生活の動作にも大きな影響が出る可能性が高まります。 今までは手術によって痛みやしびれを取る治療が一般的とされてきましたが、近年では神経損傷を改善する可能性がある再生医療が注目されています。 痛みによってできなかったことが再びできるようになる可能性がある再生医療について「どのような治療を行うか」ぜひ知っておきましょう。 筋肉の柔軟性向上 ストレッチを行うと筋肉の柔軟性も向上します。 筋肉は急に引き伸ばされると、それ以上筋肉が伸びて損傷しないよう、自然に縮もうとする反応が起こりますが、ストレッチを続けることで自然に縮もうとする反応が穏やかになるのです。 また、ストレッチを行うと筋温や体温を高める効果があり、これらが筋肉の柔軟性の向上に関連していることがわかっています。 腹筋・背筋の筋トレ効果の促進 ストレッチは腹筋・背筋などの筋トレ効果の促進が期待できます。 筋トレ後に固まった筋肉をゆっくり伸ばすことで筋肉の血流量をアップし、乳酸などの老廃物が排出しやすくなるのです。 また、ストレッチにより筋肉の柔軟性が高まることで、筋肉痛の軽減や怪我の予防にもつながるでしょう。 脊柱管狭窄症の方がやってはいけないストレッチやトレーニング ストレッチや筋トレなどの運動療法は、正しい方法で行わないと症状が悪化する恐れがあります。そこで 、2つの意識したいことと注意点を紹介します。 背中をそらせるストレッチ 運動療法は正しい姿勢で行わないと、怪我の原因となったり、狙った効果が得られなかったりする恐れがあります。脊柱管狭窄症のストレッチでは、「腰を反らない」という点がとても重要です。腰や背中を反らせることで、脊柱管が狭くなり神経を圧迫する可能性があるからです。お腹に力を入れることを意識すれば腰が反りにくくなります。 痛みが出てしまうウォーキング 「痛みを我慢した方がよく効く気がする」と思われる方がいるかもしれません。しかし、痛みがあるのに無理して運動をすると、脊柱管狭窄症の症状を悪化させたり、別の部位まで怪我したりする危険性があります。 脊柱管狭窄症は歩き続けると痛みがはしり、前かがみになると痛みが和らぐという特徴があります。ただし、前屈みの姿勢は腰痛の悪化につながる可能性があるため、痛みや痺れが出るような長距離のウォーキングなどはオススメできません。 ストレッチや筋トレ、ウォーキングなどの運動を行う際は無理のない範囲で行いましょう。 まとめ|脊柱管狭窄症に効果的なストレッチを実践しよう 脊柱管狭窄症の症状を和らげるためには、適切なストレッチや筋トレを正しい姿勢で行うことが大切です。 今回の運動療法は家でもできる簡単な方法ですので、症状が和らぐのを確認しながら、無理のない範囲で継続するようにしましょう。 また、脊柱管狭窄症は運動療法の他にも、薬物療法や生活の工夫などを組み合わせて治療をするのが基本です。 今までは手術によって痛みやしびれを取る治療が一般的とされてきましたが、近年では神経損傷を改善する可能性がある再生医療が注目されています。 痛みによってできなかったことが再びできるようになる可能性がある再生医療について「どのような治療を行うか」ぜひ知っておきましょう。
2023.01.09 -
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- 脊柱管狭窄症
- 腰部脊柱管狭窄症
「脊柱管狭窄症とヘルニアは何が違うの?」「自分でも見分けられる方法はある?」と考えている方も多いのではないでしょうか。 腰痛や足のしびれを出す疾患を調べると脊柱管狭窄症とヘルニアの2つがヒットしやすく、疾患名を目にしたことがある人も多いかもしれません。 結論からいえば、脊柱管狭窄症とヘルニアの違いは、発症しやすい年齢や症状が出る動作が挙げられます。対処法もそれぞれ異なるため、正しく見分ける必要があるでしょう。 この記事では脊柱管狭窄症とヘルニアの違いを詳しく解説しつつ、それぞれの治療法を解説します。腰の痛みに悩まされている人は、ぜひ最後までチェックしてみてください。 脊柱管狭窄症とヘルニアの違い 脊柱管狭窄症とヘルニアは腰痛や足のしびれを引き起こす疾患で、どちらも腰の神経が圧迫されることで生じます。これらの疾患には以下のようなポイントで違いがあります。 発症しやすい年齢の違い 病態による痛みの出方の違い 歩くほど痛みが増すかどうかの違い 腰の痛みや足のしびれに悩んでいる方は、自分の症状と照らし合わせてみましょう。 ちなみに、脊柱管狭窄症とヘルニアの詳しい病態は以下の記事で解説しています。以下の記事も目をとおしておくと本記事の内容も理解しやすいので、こちらもぜひチェックしてみてください。 発症しやすい年齢 脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアは、発症しやすい年齢に違いがあります。脊柱管狭窄症は高齢者に多く、椎間板ヘルニアは若い世代に多いのが特徴です。 発症しやすい年齢に差がある理由は、それぞれの疾患の発症原因が異なるためです。 脊柱管狭窄症は、腰椎(腰の骨)を後ろから支える黄色靭帯が加齢により厚くなり、脊柱管(神経が通る部分)を狭めることで神経を圧迫して起こります。 一方、椎間板ヘルニアは、椎間板(腰椎にあるクッション)の中心部にある髄核が後方へ押し出され、神経を圧迫する疾患です。 髄核は、重いものを持つなどして腰に強い負荷がかかった際に押し出されやすいため、若年層が発症しやすいとされています。 痛みが出やすい姿勢 脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアでは、痛みが出やすい姿勢にも違いがあります。 脊柱管狭窄症は後ろに反ると痛みが出やすく、椎間板ヘルニアは前に屈むと痛みが出るのが特徴です。 痛みが出やすい姿勢が異なる理由は、神経が圧迫される仕組みの違いがあるからです。 脊柱管狭窄症では、腰椎の後ろを上下に走る神経が、後ろに反る姿勢によって脊柱管が狭くなり圧迫されやすくなります。そのため、後ろに反った姿勢で痛みやしびれが生じやすくなります。 一方、椎間板ヘルニアでは、髄核が後方へ突出して神経を圧迫するため、前かがみの姿勢で圧迫が強まり、痛みやしびれを引き起こします。 歩行時における腰から足の痛みや排尿・排便障害の有無 脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアは、歩行時の痛みや排尿・排便障害があるかどうかも違いがあります。これらの症状は、脊柱管狭窄症でよくみられるものです。 とくに歩行中に腰から足にかけて痛みが生じる「間欠性跛行」は、脊柱管狭窄症の代表的な症状です。 また、排尿や排便に支障が出る場合もあり、これは腰部の神経の一部である馬尾神経(ばびしんけい)が圧迫されることによって起こります。 脊柱管狭窄症では加齢が原因で馬尾神経が圧迫されることが多い一方、椎間板ヘルニアで馬尾神経が圧迫されるケースは少ないとされています。 当院リペアセルクリニックでは、脊柱管狭窄症やヘルニアの治療として、神経や筋肉に対する効果的な再生医療を提供しています。 気になる方はお気軽に当院のメール相談もしくはオンラインカウンセリングをご利用ください。 【症状チェック】脊柱管狭窄症とヘルニアの見分け方 脊柱管狭窄症とヘルニアの見分け方として、以下の項目で症状をチェックしてみてください。 腰痛の出方 歩いて痛みがあるかどうか 排尿・排便障害の有無 これらの症状は、脊柱管狭窄症とヘルニアを見分けるときの重要な手がかりとなります。 ただし、両疾患は似た症状を持つことが多く、自己判断が難しい場合もあります。その際は無理をせず、整形外科を受診して医師の診断を受けましょう。 腰痛の出方 まず、体を後ろに反る動きや、前屈みの動きを試してみてください。 後ろに反ると痛む場合:脊柱管狭窄症が疑われます。 前屈みで痛む場合:ヘルニアの可能性があります。 後ろに反って痛みが出るのは、脊柱管が狭くなり神経が強く圧迫されるためです。そのため脊柱管狭窄症の可能性があるといえるでしょう。 一方、前屈みでは脊柱管は広がりますが、椎間板内の髄核が後方に押し出されます。よってヘルニアの場合は前屈みで痛みが出るケースが多くあります。 歩いて痛みが強くなるかどうか 歩行中に腰や足の痛みが強くなる場合、脊柱管狭窄症が疑われます。 とくに歩行後に痛みが強くなり、休むと症状が和らぐ「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」は、脊柱管狭窄症の代表的な症状です。この特徴を確認するために、歩行後に少し休んで痛みが和らぐか試してみましょう。 もし間欠性跛行について詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。 排尿・排便障害の有無 排尿・排便障害があるかどうかも重要なチェックポイントです。 排尿・排便障害とは、自分で排尿や排便をコントロールできず、尿や便が出たことに気付けない状態を指します。 これは、馬尾神経が圧迫または損傷された場合に見られる症状で、脊柱管狭窄症に多い特徴です。一方、椎間板ヘルニアではこの症状が現れることは少ないとされています。 自分で判断できない場合には整形外科の受診がおすすめ これらのチェックポイントを試しても判断が難しい場合は、無理をせず整形外科を受診しましょう。MRI検査を行えば、脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアを明確に区別できます。 診察時には、どのような姿勢で痛みやしびれが出るのかを医師に伝えると、診断がスムーズになります。とくに痛みが出やすい姿勢は診断において重要な情報ですので、忘れずに伝えてください。 脊柱管狭窄症・ヘルニアにおける2つの治療法 脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアには、主に次の2つの治療法があります。 リハビリや注射などの「保存療法」 外科的に神経の圧迫を取り除く「手術療法」 疾患の特性や症状に応じて、適切な治療を選ぶことが重要です。この解説を参考にして、自分に合った治療法を検討してください。 注射やリハビリなどの「保存療法」 脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアのいずれにも、保存療法が有効です。 とくに神経の活動を抑える「神経ブロック注射」は、痛みやしびれを和らげることが期待できます。 また、腰椎を安定させる体幹トレーニングを中心としたリハビリも効果的です。体幹が安定することで神経の圧迫が軽減され、症状の改善が期待できます。 ただし、脊柱管狭窄症とヘルニアではリハビリの内容が異なるため、医師や理学療法士の指導を受けることが必要です。 治療の詳細やリハビリの方法については、以下の記事も参考にしてください。 重症の場合は「手術療法」 痛みやしびれが強く、筋力低下などが見られる場合には、手術療法を検討することもあります。 外科的手術で神経の圧迫を取り除くことで、症状の軽減が期待されます。 ただし、手術によって改善するのは神経の圧迫そのものであり、一度損傷した神経を再生させることはできません。そのため、手術は神経が損傷する前に検討する必要があるでしょう。 手術以外の治療法として、再生医療という選択肢もあります。当院「リペアセルクリニック」でも、神経や筋肉の損傷に対する再生医療を提供しています。気になる方は、メール相談もしくはオンラインカウンセリングからお気軽にご相談ください。 まとめ|脊柱管狭窄症とヘルニアの違いは「発症しやすい年齢や痛み」!痛みが続くなら受診しよう 脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアは似た症状を引き起こしますが、発症しやすい年齢や痛みの出方に違いがあります。それぞれの疾患の特徴を知ることで、大まかな見分けは可能ですが、正確な診断には整形外科での検査が不可欠です。 神経の圧迫が長期間続くと、神経が損傷して元に戻らなくなる可能性があります。早期の受診し、適切な治療を受けることが大切です。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、損傷した神経の根本的な治療を目的とした再生医療を実施しています。脊柱管狭窄症やヘルニアの治療法の選択肢として検討したい方は、メール相談もしくはオンラインカウンセリングからお気軽にご相談ください。 この記事が少しでもお役に立てれば光栄です。 脊柱管狭窄症とヘルニアの違いについてよくある質問 脊柱管狭窄症とヘルニアの違いはなんですか? 発症しやすい年齢や痛みの出方が異なります。 脊柱管狭窄症は高齢者に多く、後ろに反ると痛みやしびれが生じやすいのが特徴です。一方、椎間板ヘルニアは若年層に多く、前屈みで痛みやしびれが出ることが多いです。 脊柱管狭窄症とヘルニアを見分ける方法はありますか? 痛みの出方や特徴的な症状で見分けられます。 後ろに反ると痛ければ脊柱管狭窄症、前屈みで痛ければヘルニアの可能性が高いです。また、間欠性跛行や排尿・排便障害は脊柱管狭窄症の特徴的な症状です。ただし、正確に見分けるためには整形外科での診察をおすすめします。 脊柱管狭窄症 ヘルニアはどっちが痛いですか? 痛みの強さは疾患の重症度によります。どちらも神経の圧迫で発症する疾患のため、痛みの程度は個人差があります。正確な判断には整形外科での画像検査が必要です。
2022.12.16 -
- 脊椎
- 脊柱管狭窄症
- 腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症のご家族がいる方は「手術費用や入院期間を知っておきたい」という方も多いのではないでしょうか。 本記事では、腰部脊柱管狭窄症の手術費用や入院期間を詳しく解説します。 主な手術方法や費用の目安は、以下の通りです。 手術方法 費用の目安 概要 除圧術 約25〜45万円 椎間板・黄色靱帯を切り取る、骨を削ることによって神経の圧迫を取り除く手術 除圧固定術 約60〜85万円 除圧術によって神経の圧迫を取り除いた後、骨と骨の間を金属のスクリューやロッドで固定する手術 \リペアセルクリニック坂本理事長のコメント/ 手術では、椎間板や黄色靱帯を切り取る、骨を削ることによって、脊髄神経の通り道を広げます。 しかし、神経にアプローチする治療はいまだに幹細胞のみとなります。 当院の公式LINEでは、腰部脊柱管狭窄症を手術しないで治療できる再生医療の幹細胞治療について情報を公開しています。 今までは手術によって痛みやしびれを取る治療が一般的とされてきましたが、近年では手術せずに損傷した神経の改善が期待できます。 ご家族が手術に前向きではない場合や長期間のリハビリで苦労させたくない方は、再生医療がどのような治療かご参考ください。 腰部脊柱管狭窄症の原因と症状 腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)はさまざまな原因で、背中にある神経の通り道が狭くなり、神経を圧迫するときに症状が出ます。 まずは腰部脊柱管狭窄症の理解を深めるためにも、原因や症状を紹介します。 腰部脊柱管狭窄症の原因 腰部脊柱管狭窄症の症状 腰部脊柱管狭窄症の原因 腰部脊柱管狭窄症は多くの場合、加齢によって脊柱が変形して、神経を圧迫するのが原因で起こるものです。 脊柱は小さな積み木のような骨が積み重なってできており、後方の脊柱管と呼ばれる空間に脳から伸びた神経(脊髄:せきずい)が通っています。 また、脊髄から枝わかれした神経は脊柱の左右の隙間を通って、手足につながり感覚や運動を司っています。 脊柱の変形のため、これらの通り道が狭くなってしまうと、神経にダメージを与えてしまい、腰部脊柱管狭窄症の症状につながるのです。 加齢による変形の他には、骨の代謝障害や生まれつきの変形によるものなどがあります。 腰部脊柱管狭窄症の症状 腰部脊柱管狭窄症は、お尻から脚全体にかけての痺れや痛み、脱力といった神経の症状が特徴です。 また、ある程度の距離を歩くと痛みや痺れなどが悪化して歩けなくなります。 しかし、数分間休憩して前屈みの姿勢を取ると、再び歩けるようになる間欠性跛行(かんけつせいはこう)の症状がみられます。 症状が悪化すると、排泄の障害や性機能が不全になるなどの膀胱直腸障害(ぼうこうちょくちょうしょうがい)が出る場合もあるでしょう。 上記の症状に思い当たる節があるときは、早めに医療機関で相談するのをおすすめいたします。 当院(リペアセルクリニック)では、足腰の痛みや違和感がある方、気になる症状がある方を対象に無料相談を実施しています。 ぜひ、お気軽にご相談ください。 腰部脊柱管狭窄症の手術費用・入院期間 腰部脊柱管狭窄症は、状態に合わせて手術の方法が異なるため、手術費用や入院期間は手術内容に応じて変わります。 以下では、手術ごとの費用や入院期間の目安を紹介します。 手術費用の目安 入院期間の目安 手術費用の目安【除圧術で25〜40万円ほど】 費用は除圧術の場合、25〜40万円程度かかります。 一方、除圧固定術は、60〜85万円程度で、除圧術に比べて費用がかかる傾向にあります。 術式や入院期間、リハビリの量などによって費用に差が出ますので、手術を検討する病院でしっかり確認しましょう。 入院期間の目安【平均1〜2週間ほど】 内視鏡を使用した手術の場合、入院期間は1〜2週間程度です。 病院や状態によっては、1週間以内で退院が可能な場合もあります。 入院期間は除圧術のほうが固定術に比べて短くなります。また、手術カ所が多いほど入院期間が長くなる場合が多いです。 また、腰部脊柱管狭窄症にヘルニアなどが合併している場合も、入院期間が長くなります。 腰部脊柱管狭窄症の治療方法 腰部脊柱管狭窄症の治療方法は、まずは手術をしない保存療法を行うのが一般的です。 以下で、保存療法と手術療法の詳細を見ていきましょう。 腰部脊柱管狭窄症の保存療法 腰部脊柱管狭窄症の手術療法 腰部脊柱管狭窄症の保存療法 腰部脊柱管狭窄症の保存療法は、次のようなものがあります。 薬物療法 神経ブロック注射 運動療法 生活指導 薬物療法では、痛み止めや神経の働きを改善する薬を服用します。 神経ブロック注射は、傷害された神経に麻酔薬を注射して、一時的に神経の働きを麻痺させる形で、痛みの軽減や神経症状の改善を図るのが目的です。 また、腰部の負担を軽くするために、運動や生活を工夫しながら、症状の改善や悪化の予防を図ります。 上記を試しても回復しなかったり、症状が悪化したりする場合は手術の適応となります。 腰部脊柱管狭窄症の手術療法 腰部脊柱管狭窄症の手術は大きく分けて「除圧術」と「除圧固定術」の2種類があります。 除圧術 神経を圧迫している背骨の一部を取り除いて、圧迫されている部分の除圧をする手術 除圧固定術 除圧術をしたあとに、その部分を別のカ所の骨を移植して固定する手術 背骨の狭窄だけでなく、ずれがあったり変形が強かったりする場合は、除圧術をすると背骨の関節が不安定になります。 そのため、除圧に加えて固定する必要があり、除圧固定術が適応されるのです。 最近では小型のカメラを使用して、わずかな傷で手術を行う内視鏡での手術が多くなっています。 手術は全身麻酔で行われ、手術カ所や状態によりますが、1〜3時間以内で終了する場合が多いです。 傷口が小さくて回復も早いため、従来の切開して行う手術に比べて入院期間が短くなっています。 腰部脊柱管狭窄症の手術からリハビリまでの流れ 腰部脊柱管狭窄症で内視鏡手術をした場合、早期からベッドを離れて体を動かせます。 以下では、手術からリハビリまでの流れを解説します。 手術の翌日からリハビリ開始 手術当日は安静にしますが、翌日からリハビリが始まります。 ベッドから起きたり、座ったりといった動きを確認したあと、経過が良好であれば、コルセットを装着して歩くのも可能です。 コルセットは術後の背骨が安定するまで約3カ月間装着する必要があり、手術の翌日から正しい装着方法を習得するのが重要です。 2日目以降は状態に応じて積極的なリハビリを実施 2日目以降は歩行練習を含めて、活動的な生活を送るためのリハビリがしっかり行われます。 歩行が安定してくると、階段の昇降や屋外での歩行も開始して、退院が可能な状態まで回復を目指します。 ただ、中腰の作業や重い荷物を持つなどの動作は、腰に負担がかかるため、しばらく行ってはいけません。 退院までに、日常生活における注意点もしっかりと理解を深めておくのが重要です。 退院後も必要に応じて外来でのリハビリを受ける場合があります。 まとめ|腰部脊柱管狭窄症の手術費用を把握して手術とリハビリに備えよう 腰部脊柱管狭窄症は症状が悪化して、手術を勧められても、手術の費用や入院期間、リハビリまでの流れを知らないと不安になるのも仕方ありません。 本記事で紹介した内容を参考に、少しでも不安を減らしていただけると幸いです。 腰部脊柱管狭窄症により神経症状が悪化すると、日常生活を送るのに支障をきたします。手術が必要になる前に、早めに整形外科を受診して症状の悪化を防ぎましょう。 当院(リペアセルクリニック)では、患者さまの幹細胞を使った再生医療による治療を行っています。 腰部脊柱管狭窄症の再生医療における事例は、以下の動画も合わせて参考にしてください。 https://www.youtube.com/watch?v=3yN5q8_ATpc&t=2s 腰部脊柱管狭窄症の手術費用に関わるQ&A 腰部脊柱管狭窄症の手術費用について、よくある質問と答えをまとめています。 Q.腰部脊柱管狭窄症の手術費用は保険適用になりますか? A.はい、基本的には保険適用になります。 ただし、手術方法によっては保険適用外の場合もあるので注意が必要です。 事前に医療機関で、手術費用が保険適用なのか詳細を確認しておきましょう。 また、当院(リペアセルクリニック)の再生医療による治療は自由診療となります。 手術や入院不要で根本的な治療を目指せるため、腰部脊柱管狭窄症の治療法としてぜひご検討してみましょう。 Q.腰部脊柱管狭窄症の手術費用は高額療養費制度の対象ですか? A.はい、基本的には高額療養費制度の対象です。 高額療養費制度では、医療機関などを利用した際に、1カ月の合計支払い金額において、上限を超えた部分のお金が戻ってきます。 上限金額は、年収や所得に応じて変わるのが特徴です。 ただし、治療方法によっては、高額療養費制度の対象外になる場合もあります。 腰部脊柱管狭窄症の手術をする前に、医療機関で高額療養費制度が使えるのかを必ずご確認ください。
2022.12.12 -
- ひざ関節
- 脊柱管狭窄症
- 膝部、その他疾患
「膝から下が痛くて重い」「膝下がジンジン・ズキズキする」 上記のような膝下の痛みやだるさの原因を知って「早く治したい」という方も多いのではないでしょうか。 本記事では「膝から下が痛い・重い・だるい」ときに考えられる4つの疾患と原因を医師が解説します。 多くの症例実績がある「リペアセルクリニック」だからこそお伝えできる、膝から下が痛いときに取るべき行動もお伝えします。 また、当院の公式LINEでは、手術以外の選択肢として注目を集める「再生医療」に関する症例を公開中です。 再生医療に関する無料のガイドブックも配信していますので、膝の痛みの根本的な治療が期待できる医療技術に興味がある方は是非ご参考ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ ▼LINEでしか見られない情報をこちらから! 膝から下が痛いときに考えられる4つの疾患と原因 膝から下が痛いときに考えられる疾患と原因は、以下の4つが挙げられます。 閉塞性動脈硬化症 深部静脈血栓症 脊柱管狭窄症 下肢静脈瘤 普段聞きなれない言葉が並んでおり、不安になる方もいるかもしれません。これらの各疾患について、症状や原因を記しながら、できるだけ簡単に説明してまいります。 なお、膝の内側・外側のように痛む場所から考えられる疾患もあるので、ある程度「痛みの場所が特定」できている方は、以下の記事もご覧ください。 ①閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう) 閉塞性動脈硬化症とは、以下のように足の血管の動脈硬化が進んでしまい、血液が流れづらくなったり、つまったりする病気です。 足の血流が悪くなるので、歩くときに足の痛みや痺れ、冷たさを感じることがあります。進行すると、安静にしていても同様の症状が出てきますので、注意が必要です。 「動脈硬化」は全身に起こりやすいものなので、足だけでなく手にも同様の症状が出てくる可能性もあります。安静時の足の痛みや足の潰瘍、壊死はだいぶ進行している状態です。下表に閉塞性動脈硬化症の症状や原因をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。 閉塞性動脈硬化症の症状 足の痺れや冷感(しびれ・冷える) 歩行の時の足の痛み 間欠性跛行(しばらく歩行していると、足の痛みが強くなり歩行困難となる症状) 安静時の足の痛み 足の潰瘍・壊死 閉塞性動脈硬化症の原因 肥満 高血圧 喫煙 糖尿病 このように、動脈硬化の主な原因として生活習慣の乱れによるものが大きいことがわかります。 治療には早めの対処が必要となりますので「足の痺れ」「痛み」「冷たい感覚」などの症状を感じたら医療機関を受診し、早めにご相談されることをお勧めします。 ▼膝の疾患に関する症例を限定公開! >>【公式LINE限定】再生医療に関する情報を見てみる ②深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう) 深部静脈血栓症とは、以下のように足の奥深くに通る静脈血管のなかに、血の塊(血栓)ができてしまう病気です。 この血栓が心臓や肺に流され詰まってしまうと、心筋梗塞や肺塞栓症などの命に関わる重大な疾患を引き起こす危険性があります。 特に足の整形外科の手術後や長時間のフライトなどで多くみられ、別名「エコノミークラス症候群」と呼ばれることもあります。下表に深部静脈血栓症の症状や原因をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。 深部静脈血栓症の症状 片足が大きく腫れ上がる 赤黒く変色する ジンジンとした痛みが伴う 肺塞栓症へ移行した場合、呼吸が荒くなり、胸が痛くなる 深部静脈血栓症の原因 手術や怪我による静脈血管の損傷 長期の臥床(寝たきり)など、足を動かしていない期間が長い 喫煙 脱水 その他血流の低下が起こりうる場合 手術やケガによって「血液が固まりやすい・静脈内血液の流れが悪い・静脈が傷ついている」という3つの状態が満たされる場合に深部静脈血栓症が起こりやすくなります。 このように、不動に伴う血液循環が滞りやすい期間が長くなってしまった場合によく起こります。 放置しておくと、重篤な肺塞栓症へと進行してしまう可能性もあるため、おかしいと思ったらただちに専門の医療機関へ行きましょう。 ③脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう) 脊柱管狭窄症とは、脊髄や抹消神経が通るトンネル(脊柱管)が何らかの影響を受けて狭くなってしまい、発症する疾患です。 中高年で腰痛を伴う代表的なもので、長時間歩くことができなくなる間欠性跛行(かんけつせいはこう)がみられます。 脊柱管狭窄症で悩む中高年の患者さんは数多くいます。それゆえ、見過ごされやすいのも事実です。脊柱管狭窄症を見過ごさないためにも、下表を参考に当てはまる症状がないかチェックしてみてください。 脊柱管狭窄症の症状 お尻から足にかけて痛みや痺れがある 長く歩いたり、立ったままになるのが辛い 足に力が入りにくい 体を反らす動きがしづらい 体を前屈みにすることで症状が楽になる 尿漏れなどの排尿・排便障害がある 脊柱管狭窄症の原因 加齢による背骨の変形や、ヘルニア 先天的なもの 猫背などの偏った姿勢 反り腰 仕事などで腰に負担のかかる動作の繰り返し ひどいものでは「足に力が入らない」「オムツが必要となる排尿障害」が起こるなど、日常生活に大きく影響してくる場合もあります。 気になる症状が出たら、できるだけ早く専門医に受診しましょう。 ④下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう) 下肢静脈瘤とは、足の血管(静脈)に異常が起こる病気です。血管がコブ(瘤)のように膨れ上がり、以下のように体表からはボコボコしたように見えます。 静脈の中には、血液の逆流を防ぐための弁がついており、ふくらはぎの筋肉などの力で下から上に血液を戻してくれます。 しかし、その弁が壊れて正常に働かない場合は、血液が滞ってしまい、下の方に溜まってしまうのです。その血液が溜まった状態を下肢静脈瘤と言います。 下肢静脈瘤の症状や原因は、さまざまあります。見た目的にも分かりやすいため、自分で気づきやすい病気です。下表に下肢静脈瘤の症状や原因をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。 下肢静脈瘤の症状 ふくらはぎのだるさ、重さ 湿疹や皮膚の変症、皮膚炎 足がむくむ 足がつる(こむら返り) 血管が目立つ(ボコボコなる) 下肢静脈瘤の原因 加齢による筋肉や血管機能の低下 立ち仕事 妊娠や出産 遺伝的な要素 激しいスポーツ このように下肢静脈瘤は加齢による血管のしなやかさがなくなったり、立ちっぱなしの仕事を続けたりなど、誰にでも起こりうる病気です。上記の症状に当てはまる場合は、医療機関に相談しましょう。 膝から下が痛いときは何科を受診すべきか【疾患別に解説】 「膝から下が痛い」と感じた時に、考えられる疾患について4例説明しましたが、似ている症状も数多くあります。 そのため、疾患の見分け方は専門医でなければ難しいことが多々あります。 早めの対処が必要な疾患もありますので気になる症状がみられましたら、下記を参考に専門医へご相談ください。 症状 受診科目 下肢静脈瘤 血管外科※ 心臓血管外科 皮膚科 形成外科 循環器内科 閉塞性動脈硬化症 血管外科※ 循環器内科 深部静脈血栓症 血管外科※ 循環器内科 整形外科 脊柱管狭窄症 整形外科 自分の症状がどれに該当するのかわからない方は、当院(リペアセルクリニック)へお電話ください! 当院ではどんな些細なことでも無料でご相談いただけます。 >>今すぐ電話してみる また、当院の公式LINEでは、再生医療に関するガイドブックや無料診断が受けられます。 「電話をかけるのはちょっと...」という方は、まず無料診断からご利用ください! ▼膝の疾患に関する症例を限定公開! >>【公式LINE限定】再生医療に関する情報を見てみる まとめ|膝から下が痛いと重大な疾患も考えられるので早めに受診を! 今回は、膝の病気で「膝から下が痛い・重い・だるい」という症状で、考えられる疾患についてお話しました。 本記事で挙げた疾患の中には命に関わる重大な疾患も含まれている為、気になる症状がありましたらできるだけ早めに専門医へ相談してください。 難しい言葉が並び、読むのも嫌になるかもしれませんが、これらの疾患は誰にでも起こりうるものです。例えば「深部静脈血栓症」から「肺塞栓症」へ移行してしまうと、一刻も争う状態になります。 「あの時、もっと早く相談しておけば良かった……」そんな声が1人でも少なくなるよう、本記事を読んでいただけると幸いです。 当院「リペアセルクリニック」では、膝の痛みなどに関する再生医療や幹細胞治療をおこなっています。万が一、重い症状だとしても再生医療を実施すれば、身体に負担のかかる手術をしなくてもよくなる可能性があります。 膝の痛みで少しでも気になる症状がありましたら、当院へご相談ください。 ▼膝の疾患に関する症例を限定公開! >>【公式LINE限定】再生医療に関する情報を見てみる 膝から下が痛いのよくある質問 Q.膝がズキズキ痛む原因はなんですか? A.膝がズキズキ痛む原因として、以下が考えられます。 肉離れ、打撲などのスポーツ外傷や膝の使いすぎによって膝がズキズキ痛む場合があります。 しかし、痛みが続いている場合は「半月板や軟骨の損傷」や「筋肉や腱の断裂」が原因となっているケースもあり早期に治療が必要なことも。 少しでも膝の痛みにお困りの方は、放置せずに当院(リペアセルクリニック)にお気軽にご相談ください。 また、当院の公式LINEでは、半月板や軟骨の損傷など膝の痛みを手術しないで治療できる再生医療について情報を配信しています。 「手術しないで膝を治療したい」「膝の痛みを早く治したい」という方は、ぜひご参考ください。 ▼膝の疾患を手術しないで治すなら再生医療 >>【公式LINE限定】再生医療に関する情報はこちら Q.膝が痛くて夜寝れない原因と対処法はありますか? A.膝が痛くて寝れない場合の原因は様々ありますが、「変形性膝関節症」の可能性が考えられます。主な原因としては、加齢や膝への負担により軟骨が摩耗するためです。 進行すると痛みで膝を伸ばせず寝ていても痛みを感じるケースも珍しくありません。少しでも痛みを軽減する対処法としては、以下が挙げられます。 腓腹筋のストレッチ ハムストリングのストレッチ 寝るときの姿勢は仰向け これらの具体的な方法については、以下の記事をご覧ください。 なお、膝が痛くて夜に寝れない場合、他の疾患の可能性も考えられるので、早めに医療機関に相談しましょう。
2022.11.14 -
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- 脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症を発症すると、日常の何気ない動作が痛みやしびれを悪化させる原因になる場合があります。 とくに、腰を反る動作やストレッチ、反り腰の姿勢は、腰への負担が大きく症状を悪化させる要因です。 本記事では、脊柱管狭窄症を発症した方がやってはいけないことを詳しく解説します。NGな動きやリハビリの取り組み方などを紹介しているので、早期回復を目指している方は最後までご覧ください。 脊柱管狭窄症とは? 脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)とは、その名の通り脊柱管がなんらかの原因により狭くなってしまい、脊柱管を通る神経や血管を圧迫している状態を指します。 ※出典「日本整形外科学会」 脊柱は24個の背骨(椎骨)で構成されており、それらが連なることで縦に長いトンネルができます。そのトンネルが脊柱管と呼ばれ、脳から伸びる脊髄神経が通る場所になります。 なお脊髄神経は、脳からの指令を手脚に伝えたり、手で触れたものなどの情報を脳に伝える役割をしており、その脊髄神経を保護する役割を担うのが脊柱管です。 脊柱管狭窄症は、50代以降の中高年に多く発症する傾向があります。 脊柱管狭窄症の症状 脊柱管狭窄症の症状で特徴的なものに間欠性跛行(かんけつせいはこう)があります。しばらく歩いていると下肢の痛みや痺れがひどくなり、歩くのが困難になります。 しかし、しばらく座ったり前屈みになったりして休んでおくと、症状が落ち着き歩けるようになるのが特徴です。間欠性跛行以外にはさまざまな症状があります。 おしりから脚にかけての痛みや痺れがある 脚に力が入らない 長く歩いたり、立ったままになるのが辛い 歩いているときに症状が出ても少し休憩すれば症状が和らぐ 体を反らす動きがしづらい 体を前屈させると症状が楽になる 尿漏れなどの排尿・排便障害がある 脊柱管狭窄症の症状が疑われたら、病院の受診を検討しましょう。 脊柱管狭窄症になる原因 脊柱管狭窄症は、さまざまな要因によって引き起こされます。 加齢に伴う自然な変化や生活習慣、姿勢、遺伝的要因も影響することがあります。 脊柱管狭窄症を引き起こす3つの主な原因について詳しく見ていきましょう。 1.加齢により骨や軟部組織の変性が起こる 人間の体は20歳代半ばをピークに成長し、30歳を超えたあたりから機能が落ちてくると言われています。とくに中高年では、加齢に伴う体の変化が顕著です。 以下は、加齢に伴う身体の変化です。 椎骨の変形 椎間板の変性 靭帯の肥厚 これらの背骨を構成する部位に変化が生じて、脊柱管が狭くなり、中を通る神経が圧迫されて症状が現れます。 2.先天的な疾患によるもの 脊柱管狭窄症には、先天的に発症するケースも存在します。発育段階で脊柱管い状態となっているため、比較的若い年代でも症状が現れることがあります。 このような先天性の脊柱管狭窄症は非常にまれなケースですが、症状がみられる場合は、医療機関で詳しい検査を受けましょう。 3.普段の姿勢や体の使い方によるもの 加齢による骨や靭帯組織の変性と合わせて主な原因となるのが、日々の姿勢や動作習慣です。とくに反り腰の人に多くみられます。 背骨は首から骨盤まで繋がっているため、反り腰の原因は腰だけではありません。胸椎や骨盤、股関節の可動性の低下が影響します。 また、デスクワークなどで猫背になりがちな方や、長時間同じ姿勢をとり続ける方も要注意です。 これらの不自然な姿勢が継続することで、脊柱への負担が増加し、症状の発症や悪化につながる可能性があります。 脊柱管狭窄症の診断 脊柱管狭窄症の診断には主にレントゲンやMRIなどの画像診断が用いられます。 とくに分かりやすいのがMRIで、骨以外の靭帯や椎間板の変性も確認しやすく、診断の手助けとなる検査法の1つです。 また、神経圧迫の程度や他の腰部疾患との鑑別のために、腱反射や感覚検査、筋力測定も行います。 脊柱管狭窄症の治療方法 脊柱管狭窄症の治療法はさまざまあります。大まかにいうと、内服やリハビリ、装具などを用いた保存療法と、外科的な処置を行う手術療法に分けられます。 保存療法 脊柱管狭窄症の治療において、保存療法は初期段階で試みる治療法です。 薬物療法、装具療法、そしてリハビリテーションが主な選択肢となります。これらは手術を避けるために有効とされており、症状の軽減や日常生活の質向上を目指します。 次に、これらの療法の具体的な内容についてご紹介します。 薬物療法 神経障害性疼痛という神経由来の痛みに効果的なお薬が処方される場合があります。また、局所の炎症を抑え、血液循環を良くする目的に神経ブロック注射を行うケースもあります。 いずれも痛みの悪循環を断つ目的で行う治療法です。 装具療法 腰椎の不安定性がある状態や、圧迫により症状が緩和する場合はコルセットを処方される場合があります。コルセットは、腹圧を高めるサポートをし、背骨を安定させ、余分な筋肉の緊張を緩和する効果があります。 ただし、長期間装着すれば腹筋の筋力が低下する可能性もあるため、注意が必要です。 リハビリテーション リハビリテーションは、疼痛の緩和を目的とした物理療法と、関節の動きの改善、筋力の向上、体の使い方を改善させる運動療法からなります。 物理療法でよく採用されるのは、電気刺激を与えて痛みを緩和させる電気刺激療法や温めることで痛みを緩和させる温熱療法です。いずれも運動療法との併用により高い効果が得られます。 運動療法は、理学療法士が中心となって、関節の動きや筋力の改善をサポートします。脊柱管狭窄症では、腰だけでなく、上部体幹(首や胸椎、胸郭など)や骨盤、下肢関節の動きも悪くなっているケースも少なくありません。 ストレッチや筋力トレーニング、姿勢の指導などその人に合わせたリハビリテーションを提供するのが特徴です。 手術療法 保存療法で症状の改善が見込めない場合や、神経の高度の圧迫により症状が強く出ている場合などには、手術療法を選択するケースがあります。 手術療法の1つに、狭くなった脊柱管を広げる方法があります。それは、椎弓と呼ばれる脊椎の一部と、肥厚した靭帯を部分的に切除する方法です。この手術により狭窄が解消でき、症状の改善につながります。 また、別の手術療法に、固定術というのがあります。腰椎分離症やすべり症といった背骨の不安定性を伴う脊柱管狭窄症の場合、神経を圧迫している場所の上下の背骨を固定する方法です。 いずれも重度な脊柱管狭窄症に用いられる手術療法ですが、その後のリハビリや生活習慣の見直しが重要となります。 脊柱管狭窄症になった人がやってはいけないこと ここでは、脊柱管狭窄症になった人がやってはいけないことを解説します。主なNG行為は以下の3つです。 反り腰になる動き 腰を反るストレッチや運動 痛みを我慢したリハビリ 症状を悪化させないためにも、これらの行為は意識的に避けるようにしましょう。 反り腰になる動き 脊柱管狭窄症の方は、できるだけ反り腰になる動きをとらないようにしてください。 腰を反ると脊柱管が狭くなって神経を圧迫し、痛みやしびれといった症状を悪化させるリスクがあるからです。 普段の姿勢で反り腰になっている方は、背筋を伸ばして顎をひく姿勢を意識してください。また、上にある荷物をとるときには、腰が反れないように常に意識しましょう。 腰を反るストレッチや運動 脊柱管狭窄症の方は腰を反るストレッチや運動も避けたほうが良いでしょう。 理由は先ほどと同様で、腰を反ると脊柱管が狭くなって神経を圧迫し、症状が悪化する可能性があります。 例えば、ブリッジや背中をひねる体操は、腰を反る動作が含まれるため、脊柱管狭窄症の方はやってはいけません。 リハビリを兼ねたストレッチや運動がしたいなら、前屈や腰を丸める動作といった脊柱管を広げる動きを取り入れてみてください。 痛みを我慢したリハビリ リハビリに通われる患者さんの中には、「歩くことが大切だから」と、痛みを我慢してでも長距離を歩こうとする方がいらっしゃいます。 しかし、脊柱管狭窄症では間欠性跛行が特徴的な症状として現れます。この状態で無理に歩行を続けることは、かえって症状を悪化させる可能性があるため注意が必要です。 また、痛みをこらえながら歩くことで、体への負担を避けようと不自然な姿勢になってしまうことも懸念されます。 痛みがある場合は無理にリハビリを続けず、症状が落ち着くまで安静にしましょう。 近年、脊髄損傷の治療においては「再生医療(幹細胞治療)」も選択肢として挙げられます。 幹細胞治療は、自己再生能力を持つ幹細胞を利用して、損傷した組織の修復を目指す治療法です。 当院「リペアセルクリニック」ではメール相談やオンラインカウンセリングにも対応しています。再生医療について興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。 脊柱管狭窄症になった人がやったほうが良いこと 次に、脊柱管狭窄症になった人がやったほうが良いことも紹介します。 定期的な受診 腰に負担のかからないストレッチや運動 姿勢改善 意識的に行動して、症状の改善に取り組んでみてください。 定期的な受診 脊柱管狭窄症の代表的な治療法は保存療法と手術です。 どの治療を選んだ場合でも、専門医の診察を定期的に受けましょう。症状の進行を防ぐためには、専門家による継続的な観察や治療が必要だからです。 例えば、保存療法の装具療法では定期的に装具を調整すると腰の守りを強化できます。また、手術後は専門の理学療法士と継続的にリハビリをすれば、回復が期待できます。 受診やリハビリを怠ると、症状が悪化するリスクもあるため、定期的な診察を心がけましょう。 腰に負担のかからないストレッチや運動 症状の改善のためには、腰に負担のかからないストレッチや運動をしたほうが良いです。 先ほどは「腰を反るストレッチや運動はNG」と説明しました。反対に以下のような腰を丸めたり、前屈したりする動きは、良い効果が期待できます。 仰向けで膝を軽く抱えるストレッチ 椅子に座ったまま背中を丸める運動 前屈姿勢での軽いエアロビバイクの運動 専門家に相談のもと、自身の状態に合った運動メニューに取り組んでみましょう。 姿勢改善 反り腰になっている方は、姿勢の改善に取り組んでいきましょう。反り腰の状態だと脊柱管が狭くなり、症状を悪化させるリスクがあるからです。 姿勢改善にはサポーターの着用が効果的です。適切な圧力が加わり、正しい姿勢を保ちやすくなります。 また、座っているときは、骨盤を立てて、上から引っ張られているように背筋を伸ばすのを意識すると自然な姿勢がキープできます。 日頃から正しい姿勢を意識すれば、症状改善につながっていくでしょう。 まとめ|脊柱管狭窄症でやってはいけないことを守って早期回復を目指そう 脊柱管狭窄症は一朝一夕で完治する病気ではありません。 脊柱管狭窄症は完治が難しく、内服や注射、手術、リハビリと多くの治療法が用いられています。 症状を緩和するのは大事なことですが、普段の姿勢の改善や無理な動作をしないなど、身体を根本から変えていく意識も大切です。 腰の痛みや痺れ、歩きづらさで悩んでいる方は、医療機関でしっかりみてもらうと同時に、普段の生活の中で負担になっている動きがないか、偏った姿勢をとっていないか見直してみましょう。
2022.10.06