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膝の病気|膝から下が痛い、重い、だるい!症状から考えられる病気と治療法

膝の病気『膝から下が痛い!重い…だるい!』こんな症状から考えられる病気とその治療法

誰しも身体に言葉には言い表せないような痛みや、違和感を覚えると、とても不安な気持ちになりますよね。

今回は、そんな痛みの中でも「膝から下が痛い」や「膝から重い」「膝から下がだるい」といった症状から、考えられる病気や原因、治療法について述べてまいりましょう。

 

ひざ下の痛みで悩む女性

「膝から下が痛い!」という症状に不安を感じる

痛みが出る原因が以下のようにハッキリしている場合は、なんとなく「あれかな?」ということが思い当たると、落ち着いて対処できるのではないでしょうか?

  • 「タンスに足の小指をぶつけた」
  • 「頑張って運動をやりすぎた」
  • 「足を挫いてしまった」

しかし、ある日突然、

  • 「何もしていないのに足が痛い!」
  • 「膝から下が重だるい」
  • 「ふくらはぎがジンジンする」

などといった症状など、前触れもなく、これまで感じたことのないような痛みや違和感が襲ってくると、怖くなりますよね。大丈夫かなと?!

思い当たることが無いにも関わらず、自分が経験したことのない感覚が襲ってくると、人間誰しも不安に駆られます。

そこで今回は、急にくる「膝から下が痛い・重い・だるい」を医学的に紐解いていきましょう。これを読めばあなたの不安も少しは軽くなり、落ち着いて行動できることでしょう。

「膝から下が痛い」原因として考えられる疾患

以下に「膝から下が痛い」と感じた時に、考えられる疾患を挙げます。

  • ①下肢静脈瘤
  • ②閉塞性動脈硬化症
  • ③深部静脈血栓症
  • ④脊柱管狭窄症

なかなか難しい字が並んでいますよね。仰々しく、かえって不安になる方もいらっしゃるかもしれません。そこで、これらの疾患について、できるだけ簡単に説明してまいります。

①下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)

下肢静脈瘤とは、足の血管(静脈)に異常が起こる病気です。

血管がコブ(瘤)のように膨れ上がり、体表からはボコボコしたように見えます。

静脈の中には、血液の逆流を防ぐための弁がついており、ふくらはぎの筋肉などの力で下から上に血液を戻してくれます。

しかし、その弁が壊れて正常に働かない場合は、血液が滞ってしまい、下の方に溜まってしまうのです。その血液が溜まった状態を下肢静脈瘤と言います。

下肢静脈瘤の写真

出典:日本血管外科学会 https://www.jsvs.org/common/kasi/index.html

下肢静脈瘤の症状

  • ・ふくらはぎのだるさ、重さ
  • ・湿疹や皮膚の変症、皮膚炎
  • ・足がむくむ
  • ・足がつる(こむら返り)
  • ・血管が目立つ(ボコボコなる)

下肢静脈瘤の原因

  • ・加齢による筋肉や血管機能の低下
  • ・立ち仕事
  • ・妊娠や出産
  • ・遺伝的な要素
  • ・激しいスポーツ

以上のように下肢静脈瘤の症状や原因はさまざまあります。見た目的にも分かりやすいため、自分で気づきやすい病気です。

また、加齢による血管のしなやかさがなくなったり、立ちっぱなしの仕事を続けたりなど、誰にでも起こりうる病気です。まずは医療機関に相談しましょう。

②閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)

閉塞性動脈硬化症とは、足の血管の動脈硬化が進んでしまい、血液が流れづらくなったり、つまったりする病気です。

足の血流が悪くなるので、歩くときに足の痛みや痺れ、冷たさを感じることがあります。進行すると、安静にしていても同様の症状が出てきますので、注意が必要です。

閉塞性動脈硬化症の図

動脈硬化が進んだ血管(上)と正常な血管(下)

  • 閉塞性動脈硬化症の症状

  • ・足の痺れや冷感(しびれ・冷える)
  • ・歩行の時の足の痛み
  • ・間欠性跛行(しばらく歩行していると、足の痛みが強くなり歩行困難となる症状)
  • ・安静時の足の痛み
  • ・足の潰瘍・壊死
  • 閉塞性動脈硬化症の原因

  • ・肥満
  • ・高血圧
  • ・喫煙
  • ・糖尿病

以上のように、主な原因は生活習慣の乱れによるものが大きいようです。「動脈硬化」は全身に起こりやすいものなので、足だけでなく手にも同様の症状が出てくる可能性もあります。

安静時の足の痛みや足の潰瘍、壊死はだいぶ進行している状態です。治療には早めの対処が必要となりますので、足の痺れや痛み、冷たい感覚などが出てきたら早めに相談しましょう。

  • 以下の症状を感じたら、スグに医療機関へ!
  • ・足の痺れや痛み
  • ・冷たい感覚

③深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)

深部静脈血栓症とは、足の奥深くに通る静脈血管のなかに、血の塊(血栓)ができてしまう病気です。

この血栓が心臓や肺に流され詰まってしまうと、心筋梗塞や肺塞栓症などの命に関わる重大な疾患を引き起こす危険性があります。

特に足の整形外科の手術後や長時間のフライトなどで多くみられ、別名「エコノミークラス症候群」と呼ばれることもあります。

深部静脈血栓症の写真と図

出典:日本血管外科学会 https://www.jsvs.org/common/sinbu/index.html

  • 深部静脈血栓症の症状

  • ・片足が大きく腫れ上がる
  • ・赤黒く変色する
  • ・ジンジンとした痛みが伴う
  • ・肺塞栓症へ移行した場合、呼吸が荒くなり、胸が痛くなる
  • 深部静脈血栓症の原因

  • ・手術や怪我による静脈血管の損傷
  • ・長期の臥床(寝たきり)など、足を動かしていない期間が長い
  • ・喫煙
  • ・脱水
  • ・その他血流の低下が起こりうる場合

以上のように、手術やケガによる不動の期間が長くなってしまった場合によく起こります。

放置しておくと、重篤な肺塞栓症へと進行してしまう可能性もあるため、おかしいと思ったらただちに専門の医療機関へ行きましょう。

④脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)

脊柱管狭窄症とは、脊髄や抹消神経が通るトンネル(脊柱管)が何らかの影響を受けて狭くなってしまい、発症する疾患です。

中高年で腰痛を伴う代表的なもので、長時間歩くことができなくなる間欠性跛行がみられます。

脊柱管狭窄症の図

出典:日本整形外科学会 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/spondiyolysis.html

  • 脊柱管狭窄症の症状

  • ・お尻から足にかけて痛みや痺れがある
  • ・長く歩いたり、立ったままになるのが辛い
  • ・足に力が入りにくい
  • ・体を反らす動きがしづらい
  • ・体を前屈みにすることで症状が楽になる
  • ・尿漏れなどの排尿・排便障害がある
  • 脊柱管狭窄症の原因

  • ・加齢による背骨の変形や、周辺の軟部組織の変性
  • ・先天的なもの
  • ・猫背などの偏った姿勢
  • ・反り腰
  • ・仕事などで腰に負担のかかる動作の繰り返し

脊柱管狭窄症で悩む中高年の患者さんは数多くいます。それゆえ、見過ごされやすいのも事実です。

しかし、ひどいものでは足に力が入らない、排尿障害がでるなど、日常生活に大きく影響してくる場合もあります。

気になる症状が出たら、できるだけ早く専門医に受診しましょう。

膝から下が痛い、重い、だるい!と感じた人は何科を受診すべきか

「膝から下が痛い」と感じた時に、考えうる疾患について説明しました。

一見、全く違う病気のようにみえますが、似ている症状も数多くあります。そのため、疾患の見分け方は専門医でなければ難しいことが多々あります。

「じゃあ、何科を受診すればいいの?」と不安になる方もいらっしゃると思います。

そこで、下記に疾患ごとのおすすめ受診科目を挙げています。早めの対処が必要な疾患もありますので、気になる症状がみられましたら、下記を参考に専門医へご相談ください。

  • ①下肢静脈瘤・・・
  • 血管外科、心臓血管外科、皮膚科、形成外科、循環器内科
  • ②閉塞性動脈硬化症・・・
  • 血管外科、循環器内科
  • ③深部静脈血栓症・・・
  • 血管外科、循環器内科、整形外科
  • ④脊柱管狭窄症・・・
  • 整形外科

上記で多く紹介した「血管外科」は、実のところ現時点において日本にあまり多く展開しておりません。

そのため、近くに無い場合は、「循環器内科」や「皮膚科」、「整形外科」などの他の診療科も視野に入れて、何より早めに相談されることをおすすめします。

まとめ・膝の病気|膝から下が痛い、重い、だるい!症状から考えられる病気と治療法

今回は、膝の病気で「膝から下が痛い・重い・だるい」という症状で、考えられる疾患についてお話しました。

本記事で挙げた疾患の中には命に関わる重大な疾患も含まれている為、気になる症状がありましたらできるだけ早めに専門医へ相談してください。

難しい言葉が並び、読むのも嫌になるかもしれませんが、これらの疾患は誰にでも起こりうるものです。深部静脈血栓症から肺塞栓症へ移行してしまうと、一刻も争う状態になります。

「あの時、もっと早く相談しておけば良かった・・・」

そんな声が1人でも少なくなるよう、本記事を読んでいただけると幸いです。

膝の痛みの治療

No.S094

監修:医師 加藤 秀一

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