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腎臓癌と診断され「これからどうなるのか」と不安を抱えている方もいらっしゃるでしょう。 腎臓癌にはさまざまなタイプがあり、進行スピードや症状のあらわれ方には個人差があります。 ただし、治る確率は、どのくらい進行しているのか判断する「ステージ」によって異なるのです。 本記事では、腎臓癌の進行スピードやステージごとの治る確率、進行度による症状の変化を解説します。 今後をしっかり見据えて治療に臨みたい方は、ぜひ参考にしてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 腎臓がんに対する再生医療について知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 腎臓癌の進行スピードには個人差がある【早いとは限らない】 腎臓癌と聞いて「すぐに悪化してしまうのでは?」と不安になる方もいるかもしれませんが、腎臓癌の多くを占める腎細胞癌(じんさいぼうがん)は、進行スピードが必ずしも早いとは限りません。 腎臓癌はどこの細胞が癌化したかによって、「腎細胞癌」と「腎盂癌(じんうがん)」の2種類に分けられます。(文献1) 癌化した細胞 特徴 腎細胞癌 腎実質の細胞 一般的に「腎臓癌」と呼ばれるのはこのタイプ 腎臓癌の多くを占める 腎盂癌(じんうがん) 尿管につながる「腎盂」にある細胞 尿管癌とまとめて治療されるケースが多い 腎細胞癌は、さらに14タイプに分かれ、なかでも「淡明細胞癌(たんめいさいぼうがん)」が約70%~85%を占めるとされています。 タイプによって進行スピードに差があるという報告もありますが、実際の進行スピードは癌のステージや本人の体調によってさまざまです。 一方、腎盂癌を含む尿路上皮にできる癌は、尿路全体にできたり再発をくり返したりしやすく、腎細胞癌とは治療方針も異なります。 自分の癌のタイプがわからない方は、今後の治療の見通しを正しく理解するためにも、次回の診察時に医師へ確認してみましょう。 なお、本記事では腎臓癌の多くを占める「腎細胞癌」を中心に解説します。 【進行度別】腎臓癌の症状 腎臓癌は、進行の度合いによって症状のあらわれ方が変わります。 進行度合い あらわれやすい症状 初期 ・多くが無症状 進行時 ・血尿 ・食欲不振 ・おなかのしこり 転移時・末期 ・痛み ・呼吸困難 詳しく解説します。 初期症状|多くが無症状 腎臓癌の初期段階では、ほとんどの場合で自覚症状がありません。(文献1) そのため、健康診断での画像検査や、ほかの病気の検査中に偶然発見されることが多い傾向です。 進行時の症状|血尿・食欲不振・おなかのしこり 腎臓癌が進行すると、腎臓や周りの組織が癌で圧迫されたり、癌が周囲の組織に侵入すること(浸潤:しんじゅん)で、さまざまな症状があらわれます。 代表的な症状は以下のとおりです。(文献1) 食欲不振 吐き気や便秘 おなかの痛み・しこり 背中や腰の痛み 血尿 足のむくみ 症状の出方には個人差があり「なんとなく体調が悪い」程度の変化しか感じない方もいます。 転移したとき・末期の症状|痛み・呼吸困難 腎臓癌がさらに進行してほかの臓器に転移すると、その転移先に応じた症状があらわれます。 腎臓癌はとくに「肺」への転移が多く、ほかにも骨、肝臓、副腎、脳などにも広がる恐れがあります。(文献1) 転移部位ごとの症状は、以下のとおりです。(文献2) 転移部位 あらわれやすい症状 肺 ・咳 ・血痰 ・呼吸困難 骨 ・骨の痛み ・骨折しやすさ 肝臓 ・おなかの張り ・だるさ ・黄疸 副腎 ・腹痛 ・血圧・血糖値の上昇 ・筋力低下 脳 ・頭痛 ・めまい ・けいれん このように、末期になると痛みや息苦しさ、だるさなど、自覚する症状が強くなる傾向です。 腎臓癌の治る確率を左右する「ステージ分類」と「5年生存率」 腎臓癌は進行の段階(ステージ)が1〜4に分類され、ステージが進むほど、治る確率(生存率)は低くなる傾向にあります。 よく使われるのが「5年生存率」という指標で、これは「癌と診断されてから5年後に生きている人の割合」のことです。 本記事では「ネット・サバイバル」と呼ばれる、純粋に癌そのものが原因で亡くなったかどうかに焦点をあてたデータをもとにしています。(文献3) 以下に、2014年〜2015年におけるステージごとの特徴と、5年生存率をまとめました。(文献3)(文献4)(文献5) 腎癌のステージ 特徴 5年生存率(ネット・サバイバル) ステージ1 癌が腎臓のなかにとどまり、大きさは7cm以下 94.9% ステージ2 癌はまだ腎臓のなかだが、7cmより大きい 87.9% ステージ3 癌が腎臓の外に広がっている(ただし腎臓を包む脂肪の膜は超えていない) 血管のなかに入り込んでいる 76.5% ステージ4 癌がほかの臓器に転移しているか、周りの臓器に直接広がっている 18.7% このように、早期に見つかれば見つかるほど、治療によって長く生きられる可能性が高くなります。 【進行ステージ別】腎臓癌の治療法 腎臓癌の治療法は、以下のように癌のステージによって異なります。 ステージ1・2|手術が基本 ステージ3|手術+リンパ節郭清/凍結療法 ステージ4|分子標的薬治療+手術+薬物療法、放射線治療 迷いや不安があるときは、医師としっかり話し合いながら納得のいく方針を立てて、治療を受けましょう。 ステージ1・2|手術が基本 進行が浅いステージ1・2では、手術による癌の切除が基本的な治療法です。 標準的には、腎臓をまるごと取り除く「腎摘出術」がおこなわれます。 癌が小さい場合や、腎機能を温存したい場合には、癌の影響が及んでいる部分だけ切除する「腎部分切除術」が適応される傾向です。 なお、癌の状態が落ち着いていて、積極的な治療が今すぐは必要ないと判断された場合、定期的な画像検査(CT・MRI・超音波など)で癌の変化を慎重に観察していく「監視療法」が選択されるケースもあります。(文献1) ステージ3|手術+リンパ節郭清/凍結療法 腎臓周囲の組織や血管に広がっているステージ3では、腎臓の摘出に加えてリンパ節郭清(りんぱせつかくせい)をおこないます。 リンパ節郭清とは、癌が広がる可能性のあるリンパ節を切除する治療です。 また、手術が難しい高齢者や持病のある方向けの選択肢として「凍結療法(がん組織を凍らせて壊す治療)」がおこなわれるケースもあります。(文献1) 細い針を癌に刺して冷却し、癌細胞を凍らせて壊す治療法で、身体への負担が比較的少ないのが特徴です。 ステージ4|分子標的薬治療+手術+薬物療法、放射線治療 腎臓以外への転移があるステージ4では、薬による治療(薬物療法)が中心です。 代表的な薬として「分子標的薬」や「免疫チェックポイント阻害薬」などがあり、癌の増殖を抑えたり、身体の免疫力を高めて癌と闘いやすくしたりする効果が期待されます。 分子標的薬:癌細胞の成長や血管をつくる仕組みなどをピンポイントで狙って抑える 免疫チェックポイント阻害薬:免疫の働きを邪魔しているブレーキを外して、本来の力で癌細胞を攻撃しやすくする また、腫瘍の大きさや出血・痛みなどの症状によって、病状の進行を遅らせる目的で手術や放射線治療、免疫療法が選択されることもあります。(文献5) 当院リペアセルクリニックでは「第4の癌治療」として注目される免疫療法を提供しています。 手術や薬物療法などの標準的な治療だけでは不安、自分に免疫療法が合うのか知っておきたいなどの方は、お気軽にオンラインカウンセリングやメール相談をご利用ください。 全ステージ|緩和ケア 「緩和ケア」と聞くと最期のときを過ごすためのケアだと思われがちですが、実際には癌と診断された段階から利用できる医療サポートです。(文献1) 身体的な痛みを和らげるのはもちろん、治療への不安、仕事やご家族のこと、将来への悩みなど、こころの面でも寄り添ってくれます。 医療チームや専門のスタッフと連携しながら、できる限り不安の少ない治療を続けるために重要なケアといえます。 腎臓癌の悪化・再発を防ぐ対策3選 腎臓癌は、治療後に再発する可能性がゼロではなく、治療中にも病状が進行してしまう場合もあります。 だからこそ、日々の生活習慣や身体の変化に注意を向け、再発や悪化の予防につなげていきましょう。 定期的に通院し検査を受ける 腎臓癌は、再発しても初期には自覚症状が出にくいことが多く、症状が出たときには進行しているケースも珍しくありません。 そのため、定期的なCT検査や超音波(エコー)検査、血液検査などでの早期発見が重要です。 国立がんセンターによると、腎臓癌は、治療後10年以上経過してからも再発を起こす可能性があるとされています。(文献1) 医師の指示にしたがって、決められたスケジュールで通院し、再発や転移を早い段階で見つけられる体制を整えておきましょう。 免疫力を高める生活を送る 癌の再発予防には、免疫力の維持・向上が重要と考えられています。 癌細胞は、私たちの身体のなかで日々発生していると考えられ、通常は免疫の働きによって癌細胞のような異常な細胞が排除されます。 しかし、免疫力が低下するとこの仕組みがうまくいかず、癌を発症するリスクが高まるとした意見があります。 そのため、以下のような免疫力を高める行動が、癌の再発予防につながると期待されているのです。 栄養バランスを意識した食事 1日7〜8時間程度の質の良い睡眠 ウォーキングやヨガなどの継続しやすい軽い運動 趣味の時間をもつ、ストレスをためない工夫 無理のない範囲で、医師と相談しながら取り組むのがポイントです。 なお、当院リペアセルクリニックでは、第4の治療法として注目されている免疫療法をおこなっています。 以下のページで詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 「自分の状態で受けられるのかな」「まずは話を聞いてみたい」と感じた方は、メール相談またはオンラインカウンセリングのご利用をおすすめします。 高血圧や糖尿病などの生活習慣病を防ぐ 高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、腎臓に負担をかけたり、癌の再発や予後に影響を及ぼしたりする可能性が指摘されています。(文献6)(文献7) 再治療が必要になった場合に、手術や薬物療法の選択肢に制限がでる可能性もあるため、以下のような日頃からの予防と管理が大切です。 塩分・脂肪を控えめにした食生活 よく噛む、食べる順番を意識するなど血糖値が急上昇しにくい食べ方 適度な運動で体重をコントロール 定期的な健康診断と血圧・血糖のチェック 無理のない範囲で、できることからで構いません。 体調や気分に合わせて、少しずつ生活習慣を見直しましょう。 腎臓癌の進行スピードは早いとは限らない!正しい知識をもって治療に臨もう 腎臓癌の進行スピードは個人差があり、一概に「早い」とは言い切れません。 ステージや身体の状態に合わせて適切な治療を受けることで、再発や悪化のリスクを抑えられます。 だからこそ大切なのは、正しい知識を持ち、信頼できる医療機関で自分に合った治療を選ぶことです。 リペアセルクリニックでは、癌治療に関するご相談や、免疫療法を含めた治療のご提案もおこなっています。 「まずは話を聞いてみたい」「今の治療に不安がある」などの方は、メール相談やオンラインカウンセリングでお気軽にご相談ください。 不安な気持ちを一人で抱え込まず、一緒に向き合っていきましょう。 腎臓癌の進行スピードにまつわるよくある質問 腎臓癌を女性が発症した場合、原因はストレスが多いですか? ストレスが腎臓癌の直接の原因とした科学的な根拠はありません。 ただし、ストレスが長く続くと生活習慣の乱れや免疫力の低下を引き起こし、肥満や高血圧などの腎臓癌のリスク因子を高める要因になる恐れがあります。 腎臓癌のリスクを高める主な要因は、以下のとおりです。(文献6)(文献8) 喫煙 肥満 慢性的な腎疾患 高血圧 そのため、ストレスケアや生活習慣の見直しは、腎臓癌の予防・再発リスクの軽減にもつながる大切なポイントといえるでしょう。 腎臓癌ステージ1の治療中です。再発率はどのくらいですか? ステージ1の腎臓癌のうち腫瘍の大きさが5〜6cmの場合、再発のリスクは約20〜30%とする報告があります。(文献9) なお、以下の要因は再発リスクに影響する可能性があるとされています。(文献10) 腫瘍の大きさ 症状の種類や程度 生活習慣病(とくに糖尿病) 治療が終わっても再発の可能性はあるため、定期的な検査が必要です。 CTやエコーなどの画像検査をとおして、すぐに対処できるような体制を整えておきましょう。 腎臓癌ステージ4で手術ができないと言われてしまいました。余命はどのくらいですか? 手術できない場合の余命は数カ月〜数年と個人差があるため、どのくらいとは断言できません。 ただし、最近は分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など、効果のある治療薬が増えており、進行していても長期的に病状をコントロールできるケースもあります。 医師と相談しながら、体力や生活の質を保ちつつ、納得のいく治療を続けることが大切です。 参考文献 (文献1) 腎臓がん(腎細胞がん)|国立がん研究センターがん情報サービス (文献2) 腎臓がんの種類と症状|東京女子医科大学病院 泌尿器科 (文献3) 院内がん登録生存率集計結果閲覧システム|国立がん研究センターがん対策研究所がん登録センター (文献4) 腎臓がん(腎細胞がん)治療|国立がん研究センターがん情報サービス (文献5) 腎癌 - 患者さんへ|岐阜大学大学院医学系研究科 泌尿器科 (文献6) Geographic variation of mutagenic exposures in kidney cancer genomes | Nature (文献7) Association of Dyslipidemia with Renal Cell Carcinoma:A1∶2Matched Case-Control Study|PMC (文献8) 腎臓がん(腎細胞がん)予防・検診|国立がん研究センターがん情報サービス (文献9) 各種がんの解説:腎細胞がん|日本赤十字社伊勢赤十字病院 (文献10) Validation of risk factors for recurrence of renal cell carcinoma: Results from a large single-institution series|PLOS One
2025.07.31 -
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「食べ物が原因でギランバレー症候群になるって本当?」 「どの食べ物がギランバレー症候群の原因になるのか知りたい」 身近な食べ物がギランバレー症候群の原因になっているかもと不安に感じる方もいるでしょう。 ギランバレー症候群は感染症をきっかけに発症する場合が多く、特定の食品に含まれる細菌が引き金となるケースもあります。なかでも、カンピロバクター感染症を引き起こす恐れがある加熱不十分な鶏肉や生の鶏肉、レバーなどには注意が必要です。 本記事では、医師の視点から原因となりうる食べ物について解説します。また、予防方法や治療法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 ギランバレー症候群の後遺症にお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 ギランバレー症候群は食べ物のカンピロバクターが原因となりやすい ギランバレー症候群は、食べ物に含まれるカンピロバクター感染などをきっかけに発症することがある疾患です。 加熱不十分な鶏肉などから菌が体内に入ると、免疫が細菌を排除しようと働く過程で自己抗体をつくることがあります。 この自己抗体が末梢神経の構造と細菌の特徴を誤って同一と認識し、神経を攻撃することが症状発症の根底にあります。ごく少量の菌でも感染の可能性があり、しびれや筋力低下が急激に進む場合も少なくありません。 とくに短期間で症状が広がるときは重症化のリスクが高いため、異変を感じた場合は速やかな医療機関の受診が重要です。 ギランバレー症候群の原因となる食べ物 ギランバレー症候群は、特定の食べ物に含まれる細菌が発症のきっかけになるケースがあります。とくに以下の食品などに注意が必要です。 生鶏肉料理(鳥刺し・鳥たたき・鶏肉ユッケなど) 加熱不足の肉料理 鶏レバー・牛レバー・ホルモン 未消毒の井戸水・湧き水 生鶏肉料理(鳥刺し・鳥たたき・鶏肉ユッケなど) 生の鶏肉を使った料理は、カンピロバクター菌が潜んでいる可能性が非常に高いといわれており、代表的な料理は以下のとおりです。 鳥刺し 鳥たたき 鶏肉ユッケ 日本には鳥刺しやたたきといった生食文化が根付いていますが、生鶏肉にはカンピロバクター菌が潜んでいる場合があります。 カンピロバクター菌は少量でも食中毒を引き起こす力をもっており、感染後に人体の免疫が神経に障害を加えると、ギランバレー症候群へ発展する可能性が指摘されています。 細菌に汚染された食品は味やにおいで見分けるのは難しく、新鮮に見える食材でも、十分加熱されていなければ細菌は死滅しません。 生の鶏肉を使った料理は、カンピロバクター感染症を起こすリスクがあるため、口にしないように注意しましょう。 加熱不足の肉料理 加熱不足の肉料理は、ギランバレー症候群のリスクを高めます。鶏肉だけでなく牛肉や豚肉でも十分に中心まで火が通っていない場合、細菌感染の危険性があります。 調理の際は、目で色を確認するだけでなく、中心温度が75℃以上になっているかを必ず確認しましょう。 火が十分に通っていない肉を食べると、感染症を介して免疫が神経を攻撃するリスクが高まり、発症につながる可能性があります。 鶏レバー・牛レバー・ホルモン 鶏レバーや牛レバー、ホルモンは、加熱不足で食べるとギランバレー症候群の発症リスクを高めます。 とくに鶏レバーはカンピロバクターが検出されやすく、中心部まで火を通さないと感染の危険性があります。 牛レバーも生食は法律で禁止されており、ホルモンも内部までの加熱が重要です。安全に食べるためには、中心温度までしっかり加熱する調理が欠かせません。 未消毒の井戸水・湧き水 ギランバレー症候群の発症には、未消毒の井戸水や湧き水も潜在的な感染リスクとして注意が必要です。 これらの水源には目に見えない細菌が存在し、感染すると自己免疫反応を引き起こす可能性があります。 カンピロバクターなどが含まれている場合、少量の摂取でも発症につながるケースが報告されており、加熱や消毒をしていない状態での使用はとくに危険です。 ギランバレー症候群を予防するための調理・食事のポイント ギランバレー症候群の発症リスクを減らすためには、以下のような食品の加熱や手洗いなど日常的な衛生管理が重要です。 鶏肉は中心を75℃以上で1分以上しっかり加熱する 生肉と調理済み食品の器具を分けて使う 生肉を触ったら石けんと水で手をよく洗う 井戸水や湧き水は煮沸してから使う 鶏肉は中心を75℃以上で1分以上しっかり加熱する 鶏肉は中心部までしっかり加熱することが、ギランバレー症候群など感染症の予防において最も基本的なポイントです。 75℃以上で1分以上の加熱で、カンピロバクター菌やサルモネラ菌などの病原菌を確実に死滅させられます。 見た目だけでは十分に火が通っているか判断できず、少量でも発症リスクが高まるため、調理時には温度計で中心温度を確認することが重要です。 加熱不足の鶏肉は、少量でも感染リスクを高めるため、とくに免疫力が低い方は慎重な調理が必要です。 生肉と調理済み食品の器具を分けて使う ギランバレー症候群を防ぐためには、生肉と調理済み食品で使用する器具を必ず分けることが重要です。 まな板や包丁を共通で使うと、加熱済みの食品にも生肉由来の細菌が付着し、思わぬ感染の原因となる場合があります。 とくにカンピロバクター菌はごくわずかな量でも感染リスクを高めるため、注意が必要です。生肉専用の器具を用意するだけでなく、使用後には石けんや洗剤で十分に洗浄し、必要に応じて熱湯や消毒液で消毒する習慣を徹底すると安心です。 こうした工夫を日常的に取り入れることで、家庭内での食中毒リスクやギランバレー症候群の発症リスクを大幅に抑えられます。 生肉を触ったら石けんと水で手をよく洗う 生肉を扱った後は、必ず石けんと流水で手を十分に洗うことが、ギランバレー症候群の原因となる感染症予防の基本です。 生肉にはカンピロバクター菌が付着している場合があり、わずかな量でも体内に入ると発症リスクが高まります。そのため、手のひらだけでなく爪の間や手首まで丁寧に洗うことが重要です。 また、洗浄後は清潔なタオルやペーパータオルで水分を拭き取り、調理器具や食材に菌を移さないよう注意しましょう。さらに、家族や同居人に感染を広げないためにも、手洗いの習慣を徹底すると安心です。 井戸水や湧き水は煮沸してから使う 井戸水や湧き水は、カンピロバクター菌やその他の病原菌が含まれている場合があり、未処理のまま使用するとギランバレー症候群の原因になる可能性があります。 とくに、調理や飲用にそのまま使うと、わずかな菌でも感染リスクを高めるため注意が必要です。そのため、利用する前には必ず十分に煮沸して安全性を確保することが重要です。 煮沸により菌は死滅し、料理や飲料に安心して使用できます。井戸水や湧き水を日常的に使う場合は、煮沸を習慣化することが安全性を維持するポイントです。 ギランバレー症候群の原因となる食べ物を理解し健全な食生活を送ろう ギランバレー症候群は、鶏肉やレバーなどに付着するカンピロバクター菌による感染が発症の引き金となることがあります。 予防には、中心までしっかり加熱するなどの食中毒対策が重要です。発症後は早期治療が進行防止の鍵ですが、回復後に残る筋力低下やしびれは生活の質に影響を与える場合があります。 当院「リペアセルクリニック」では、こうしたギランバレー症候群発症後の症状に対して再生医療の可能性を踏まえ、個別サポートを提供しています。 当院の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 ギランバレー症候群の後遺症について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 ギランバレー症候群の原因となる食べ物に関するよくある質問 ギランバレー症候群の原因となる食品について、よくある疑問や注意点をまとめて解説します。 カンピロバクターは冷凍すれば安全ですか? 外食でもカンピロバクターに注意は必要ですか? ギランバレー症候群は卵が原因になることはありますか? ギランバレー症候群の原因となる食べ物にパンは該当しますか? 食べ物が原因でカンピロバクターへ感染した場合の初期症状は? カンピロバクターは冷凍すれば安全ですか? カンピロバクターは冷凍しても死滅せず、安全対策としては十分ではありません。冷凍はあくまで菌の増殖を抑えるだけであり、解凍後も生き残った菌が体内に入ると感染につながる恐れがあります。 そのため、鶏肉や内臓を扱う際は冷凍状態に頼らず、中心部までしっかり加熱することが重要です。とくに家庭調理では加熱温度が不十分になりやすいため、火通りの確認を徹底すると安心です。 外食でもカンピロバクターに注意は必要ですか? 外食でもカンピロバクターへの注意は欠かせません。生食や半生状態で提供される鶏肉やレバーは、加熱が不十分だと菌が残りやすく、感染の原因となる場合があります。 とくに居酒屋や焼き鳥店などではレア調理を提供する店舗もあるため、注文時にしっかり火が通っているかを確認する姿勢が重要です。 また、提供までの衛生管理状況は店によって差があるため、安全性を意識してメニューを選ぶと安心です。 ギランバレー症候群は卵が原因になることはありますか? 卵がギランバレー症候群の原因となる可能性は極めて低いと考えられています。卵の殻に菌が付着していたとしても、殻の表面は乾燥しており、乾燥に弱いカンピロバクター菌は死滅しているからです。 ただし、卵で問題となりやすい食中毒菌に「サルモネラ菌」があり、食中毒を引き起こす可能性があります。 サルモネラ食中毒を防ぐ観点からは、ひび割れた卵の使用を避け、生で食べる際は賞味期限内の新鮮な卵を選び、調理後は早めに食べるといった基本的な注意は引き続き重要です。 ギランバレー症候群の原因となる食べ物にパンは該当しますか? パン自体は、ギランバレー症候群の原因になりません。パンの原料である小麦粉や酵母に原因菌が潜んでいる症例はなく、万が一細菌が付着しても高温で焼き上げる製造過程で死滅するため、パン自体は非常に安全な食べ物といえます。 ただし、パンを使った料理のなかでも、サンドイッチや惣菜パンなどの「具材」には注意してください。パンがギランバレー症候群を引き起こす具体例は以下のとおりです。 具材として使用されたチキンが加熱不十分だった 生肉を扱った手や調理器具でパンに触れてしまった 実際、加熱不足の鶏肉や、調理中の2次汚染によりカンピロバクターに感染するリスクはあります。問題の本質はパンではなく、あくまで原因菌に汚染された食材との接触です。パンは安全ですが、何を挟むか、どのように調理するかが重要だと理解しましょう。 食べ物が原因でカンピロバクターへ感染した場合の初期症状は? 食べ物が原因でのカンピロバクター感染の初期症状は、以下の通りです。 発熱 吐き気 嘔吐 腹痛 下痢 発症は通常、まず発熱や吐き気、嘔吐などの症状から始まり、数時間後に腹痛や下痢が現れます。軽症の場合は自然に落ち着くこともありますが、水分補給を怠ると脱水のリスクが高まるため注意が必要です。
2025.07.31 -
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「喫煙と高血圧は関係しているのか」「喫煙者が血圧を下げる方法を知りたい」 上記のように、喫煙と高血圧は関係しているのか気になっている方もいるでしょう。喫煙は高血圧をはじめ、脳卒中や高血圧網膜症などに大きく関わっています。 本記事では、喫煙と高血圧の関係について詳しく解説します。喫煙者が血圧を下げる方法や、禁煙によって得られる効果も紹介しているので、高血圧に悩んでいる喫煙者はぜひご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 高血圧に関わる脳卒中の予防などについて興味がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 喫煙によって引き起こされやすい高血圧とは? 高血圧とは、血圧が平均値よりも高すぎる状態が続く病気です。喫煙や肥満など原因が判明しているにも関わらず、高血圧を放置していると、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気を引き起こすリスクが高まります。 ここでは、喫煙によって引き起こされやすい高血圧症の種類について紹介します。 本態性高血圧症 本態性高血圧症は、高血圧全体の約9割を占めるといわれる、原因を特定できないタイプの高血圧です。遺伝的要因をはじめとし、以下のような要因が複雑に絡み合い、高血圧症を発症すると考えられています。 喫煙 過度の飲酒 塩分の摂りすぎ 肥満 運動不足 ストレス 喫煙習慣がある方は、タバコに含まれるニコチンや有害物質が血管にダメージを与え、自律神経に作用するため、血圧が上昇しやすい状態になります。本態性高血圧症は明確な原因がなく、喫煙をはじめとした生活習慣の改善が予防につながります。 二次性高血圧症 二次性高血圧症は、特定の病気や薬剤が原因で引き起こされる高血圧です。高血圧の1〜2割が二次性高血圧症に当てはまると考えられています。主に腎臓病や内分泌系の病気、睡眠時無呼吸症候群などが代表的な原因としてあげられます。一部の薬の副作用によって血圧が上昇するケースもあるでしょう。 二次性高血圧症に関しては、喫煙は直接的な原因よりも、基礎疾患が悪化するリスクを高めたり、血管への負担を増やしたりする要因となり得ます。喫煙は腎臓病のリスクを上げるため、結果的に二次性高血圧症の発症や悪化につながる可能性も否定できません。 高血圧症の原因となっている病気を治療したり、服用している薬を見直したりすると、血圧が改善する可能性があります。 喫煙をはじめとした本態性高血圧症の原因 高血圧のほとんどを占める本態性高血圧症は、特定の病気が原因となる二次性高血圧症とは異なり、複数の要因が複雑に絡み合って発症します。とくに、日常生活における習慣が大きく影響しており、生活習慣病とも呼ばれているため、不摂生な生活をしている人は注意が必要です。 ここでは、喫煙をはじめとした本態性高血圧症の原因を詳しく見ていきましょう。 喫煙や飲酒 喫煙は、血圧を上げる生活習慣の1つです。タバコに含まれるニコチンは、血管を一時的に収縮させ、心拍数を増加させることで血圧を急上昇させます。一酸化炭素は血管の内壁を傷つけ、動脈硬化を促進します。長期的な喫煙は、血管の柔軟性を奪い、高血圧を慢性化させる原因になるため、注意が必要です。 また、適度な飲酒は血圧に良い影響を与える説もありますが、過度な飲酒は血圧を上昇させることが明らかになっています。 アルコールを分解する際に生成される物質が血管を収縮させたり、利尿作用によって脱水を起こしたりすると、血圧上昇につながると考えられています。 食生活や運動不足 食生活や運動不足も血圧に影響を与えます。とくに塩分の過剰摂取は、体内の水分量を増やし、血管にかかる圧力を高めるため、血圧上昇の大きな原因となります。 加工食品や外食が多い方は、塩分過多になりやすいため注意が必要です。カリウムや食物繊維が豊富な野菜や果物を摂り、バランスの取れた食事を意識しましょう。 また、運動不足も血圧上昇のリスクを高めます。体を動かさないと、血液の循環が悪くなり、心肺機能も低下します。定期的な運動は、血管を柔軟に保ち、血流の改善を期待できるため血圧管理には欠かせません。適度な有酸素運動を習慣にすると、血圧の安定につながります。 肥満 肥満も高血圧を引き起こす原因です。なかでも内臓脂肪の蓄積は、血圧を上げるホルモンの分泌を促したり、インスリンの働きを悪くして血糖値を上昇させたりするなど、さまざまな形で血圧に悪影響を及ぼします。 体重が増えるほど、全身に血液を送る心臓の負担が大きくなり、必然的に血圧も高くなりがちです。肥満を解消するために、バランスの取れた食事と適度な運動を組み合わせることで、体重を減らしながら血圧を下げる効果が期待できます。 ストレス 現代社会において避けられないストレスも、高血圧の一因となり得るでしょう。強いストレスを感じると、体は交感神経を優位にし、アドレナリンなどのホルモンを分泌します。アドレナリンなどのホルモンは、一時的に血管を収縮させ、心拍数を上げる作用があるため、血圧が上昇します。 慢性的なストレスは、血管に負担をかけ続け、高血圧を招く可能性があるため注意が必要です。十分な睡眠を取ったり趣味の時間を持ったりなど、リラックスできる方法を見つけ、ストレスを適切に管理するのが血圧を安定させる上で大切です。 遺伝的要素 本態性高血圧症は、遺伝的な要素も関わっているといわれています。両親や祖父母に高血圧の方がいる場合、自身も高血圧になるリスクが高い傾向にあります。 しかし、遺伝的要素があるからといって、必ずしも高血圧になるわけではありません。遺伝的リスクを持っている方は、喫煙や食生活、肥満、ストレスなど生活習慣因子に注意を払い、健康的な生活を心がけることが大切です。定期的な健康診断で血圧をチェックし、早期発見・早期対応に努めましょう。 喫煙者がタバコをやめることで起こる血圧の変化 高血圧に悩んでいる喫煙者は、まず禁煙を検討しましょう。高血圧はさまざまな要因が絡み合うことで発症するため、思い当たる原因から取り除くことが大切です。 喫煙者がタバコをやめることで起こる血圧の変化を見ていきましょう。 短期的な変化 禁煙がもたらす血圧の変化として、禁煙後20分でニコチンの刺激作用が減少すると心拍数と血圧が低下します。12時間後には血中の一酸化炭素レベルが通常値に戻り、24時間後には心臓発作のリスクがわずかではありますが、低下します。 ただし、一時的に禁煙直後の数日間は、血圧が上がる可能性があります。禁煙によるストレスや禁断症状による一時的な症状のため、通常は数日から数週間で安定するため過度に心配する必要はありません。 長期的な変化 禁煙を続けることで、血圧は安定し、健康リスクを大幅に減らせます。禁煙後、約2週間で血管内皮細胞の機能が改善し始め、血管拡張能が向上します。交感神経や副交感神経のバランスも変化し、心拍変動性が増加するのも特徴です。 【注意】高血圧の方が喫煙すると心血管疾患のリスクも高まる 高血圧の方が喫煙を続けることは、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患の発症リスクを高めるため注意が必要です。喫煙は、血圧を上げる直接的な要因であるだけでなく血管そのものに深刻なダメージを与えます。 タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血圧を一時的に上昇させてしまうのです。一酸化炭素は血液中の酸素運搬能力を低下させ、心臓に余計な負担をかけます。慢性的な高血圧と結びつくことで血管の壁が傷つきやすくなり、動脈硬化の進行を加速させてしまうのです。 動脈硬化が進行すると血管は硬く狭くなり、血液の流れが悪くなります。その結果、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす可能性が高まってしまうでしょう。 喫煙者におすすめな血圧を下げるための対策 高血圧と診断された喫煙者は、禁煙をはじめとした対策を取りましょう。高血圧を放置すると重篤な病気を引き起こすリスクがあるため注意が必要です。禁煙のほか食生活や運動不足の改善など実践できることは多くあります。 ここでは、喫煙者におすすめな血圧を下げるための対策を見ていきましょう。 禁煙する 喫煙者が血圧を下げるために重要かつ効果的な対策は禁煙です。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血圧を一時的に上昇させるうえ、一酸化炭素は血管にダメージを与え動脈硬化を促進します。 禁煙により心拍数と血圧が低下し始め、数カ月後には血管の機能が改善し、長期的には非喫煙者と同レベルまで血圧が安定する可能性があります。 禁煙は決して簡単なことではありませんが、禁煙外来の利用やニコチン代替療法など、さまざまなサポートがあります。1人で禁煙するのが難しい方は、専門家のサポートを受け、禁煙をはじめましょう。 飲酒や減塩など食生活に気を配る 血圧を下げるには、食生活の見直しも必要です。飲酒をする方は、まず飲酒量を控えることから始めましょう。過度なアルコール摂取は血圧を上昇させる原因となります。 もし飲酒をしたい場合は、適量を守るか休肝日を設けるなどして、アルコールの摂取量を減らしましょう。 また食事を作る際は、減塩を意識するのも大切です。加工食品や外食が多い方は塩分過多になりやすいため、塩分量を減らすよう意識しましょう。出汁を効かせたり、香辛料やハーブを使ったりして、薄味でも美味しく食べられる工夫をするのがおすすめです。 適度な運動をする 血圧を下げるには、適度な運動を習慣にするのも大切です。ウォーキングやジョギング、サイクリングなどの有酸素運動を無理のない範囲で30分程度、週に数回行いましょう。 運動はストレス解消にもつながり、体重管理にも役立つため、さまざまな方面から血圧の安定に貢献します。急に激しい運動を始めるのではなく、少し体を動かす習慣を取り入れることから始めてみましょう。一駅分歩いたり階段を使ったりなどの小さな運動でも、血圧に良い影響をもたらします。 ストレスを溜めないようリフレッシュする 高血圧に悩んでいる方は、ストレスを適切に管理し、溜め込まないようにリフレッシュしましょう。趣味に没頭したり、友人や家族と会話を楽しんだりなど自分に合ったリフレッシュ方法を見つけるのがおすすめです。 また質の良い十分な睡眠をとることも、ストレス軽減と血圧の安定には欠かせません。ストレスを溜め込まず、心穏やかに過ごせる時間を作ることで、血圧のコントロールにも良い影響を与えられます。 【喫煙者向け】高血圧に関する疾患でお悩みの方は再生医療をご検討ください 高血圧に関する疾患で悩んでいる喫煙者は、従来の治療方法だけでなく再生医療といった選択肢もあります。再生医療とは、自身の細胞や血液を利用した治療方法です。 自己細胞を使用するため、アレルギーや拒絶反応を起こしづらい傾向にあります。 リペアセルクリニックでは、疾患・免疫・美容などすべての分野で再生医療を提供しています。脳卒中や糖尿病、高血圧網膜症など高血圧が原因で引き起こされる疾患に悩んでいる方は、ぜひリペアセルクリニックの再生医療をご検討ください。 喫煙は血圧を上昇させる!禁煙を心がけよう 高血圧は喫煙をはじめ、食生活や肥満、ストレスなどさまざまな原因が絡み合うことで発症します。なかでも喫煙は、血圧を上昇させるだけでなく、脳卒中や糖尿病、高血圧網膜症などのリスクも高めるため注意が必要です。高血圧に悩んでいる喫煙者は、禁煙を検討しましょう。 また禁煙以外にも、減塩を意識した食事や適度な運動も高血圧の改善に期待できます。生活習慣を改善し、高血圧の改善を意識しましょう。
2025.07.31 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
目や口が開けづらい、または字が書きづらいといった症状が見られ、ジストニアを疑う方もいるでしょう。ジストニア症状の判別は、医師の診断が必要です。 また、ジストニアといっても局所性や全身性、心因性などさまざまな種類があります。症状回復には、原因を踏まえた上で、適切な治療を行うことが大切です。 本記事では、ジストニア症状を種類別に解説します。主な治療法も紹介するので、眼瞼けいれんや書痙などに悩む方はぜひ参考にしてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 ジストニアについて気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 ジストニア症状とは ジストニア症状とは、自分の意志とは関係なく筋肉がこわばってしまい、姿勢や運動に異常をきたす不随運動疾患です。発症の原因は解明されていませんが、主に脳からの指令に障害が起こっている可能性が考えられています。 ジストニアが発症する部位は、手や足、首などさまざまです。また、種類によって引き起こされる症状や現れるタイミングは異なります。 ジストニア症状の診断は症状や身体診察の結果に基づいて判断されるため、疑いがある場合は早めに専門機関を受診しましょう。 イップス・てんかんとの違い ジストニア症状と類似するイップスやてんかんには、以下の違いがあります。 イップス ゴルフや野球などのスポーツにおいて、無意識に筋肉がこわばって思うようなプレーが急にできなくなる運動疾患 てんかん 大脳の電気的な興奮が発生する場所によって繰り返し引き起こされる慢性疾患 イップスを発症する主な要因は、プレッシャーなどによる心因的ストレスです。医学的な病名ではないため、局所性ジストニアの一種と考えられる場合もあります。 対して、てんかんは脳疾患に分類されています。似た症状が見られるものの、運動疾患に分類されるジストニアとは定義や発症のメカニズムなどが異なるため、正確な診断が必要です。 ジストニアの主な初期症状 ジストニアは発症する筋肉の部位によって、異なる症状を引き起こすものの、くねらせた動きやねじれが特徴です。 主な初期症状は、以下の通りです。 目や口が開けづらい 字が書きづらい 首や肩が勝手に傾く 話す際に舌が出る 歩行中に足や身体が曲がる 発症パターンのなかには、字を書くときなど特定の動作をするときだけに現れるケースもあります。ジストニア症状は局所的に発症するほか、病状の進行によって全身に出る場合もあります。 ただし、筋肉のこわばりやつっぱりなどの症状では、ジストニアとは判断するのが難しい点に注意が必要です。不随意運動や姿勢異常が見られた場合は、専門機関を受診しましょう。 【種類別】ジストニアの症状と原因 ジストニアは、種類によって症状や発症の原因が異なります。主な種類は、以下の6つです。 局所性ジストニア 分節性ジストニア 全身性ジストニア 心因性ジストニア 薬剤性ジストニア 遺伝性ジストニア それぞれの症状や原因を解説するので、参考にしてください。 局所性ジストニア 局所性ジストニアでは、手や足など身体における1つの部位に症状が見られます。成人で発症したジストニアの多くは、局所性ジストニアといわれています。(文献1) 局所性ジストニアの主な症状は、以下の通りです。 眼瞼けいれん れん縮性斜頸 けいれん性発声障害 書痙 局所性ジストニア症状は、同じ動作を長期間繰り返し行う場合に発症する可能性があります。そのため、音楽家や漫画家、美容師など特定の職業の方が発症するケースも見られます。 分節性ジストニア 分節性ジストニアでは、頸部と体幹や頭頚部2か所など、隣接する2つ以上の部位に症状が見られます。主な症状は、以下のように局所性ジストニアと同じです。 眼瞼けいれん れん縮性斜頸 けいれん性発声障害 書痙 分節性ジストニアの場合、眼瞼けいれんのほか、隣接する下顎や頸部などに症状が見られる場合があります。 全身性ジストニア 全身性ジストニアは、体幹とその他2部位以上に症状が見られます。好発年齢は小児から青年期といわれており、成人で発症した場合の原因は明らかになっていません。全身性ジストニアの原因は、遺伝やほかの疾患による続発、薬剤の使用などです。 全身性ジストニアでは、主に次の症状が見られます。 身体がねじれたような姿勢になる 上を向くように首を反らせるなど身体が反り返った姿勢になる 足関節が内側に曲がる 眼瞼けいれんを引き起こす ジストニア症状が長期間続くと、骨や関節が変形する可能性もあります。また症状が悪化した場合、呼吸障害や嚥下性肺炎などを発症するケースも珍しくありません。 心因性ジストニア 心因性ジストニアは、ストレスが原因で脳神経細胞に異常をきたして、不随意運動を引き起こします。原因は明確になっていませんが、精神的ストレスのかかる環境にいる人に発症しやすい傾向にあります。 主な症状は、以下の通りです。 眼瞼けいれん れん縮性斜頸 身体の歪み けいれん性発声障害 書痙 ジストニア症状は、ストレスや疲労によって悪化する可能性があります。悪化を防ぐためにも、原因を理解した上で適切な治療を受けることが大切です。 薬剤性ジストニア 薬剤性ジストニアは、次の3つに分類され、発症原因もそれぞれ異なります。 種類 特徴 急性ジストニア 薬物服用開始によって急性発症する 若年層では体幹が中心・高齢層では頭頚部疾患が多い傾向にある 遅発性ジストニア 長期間の薬物使用や減量・中止によって発症する 若年層では下肢発症・発症年齢が上がるほど上肢に症状が現れる傾向にある 薬物性離脱症候群 薬物の急激な減量・中止によって発症する 主に小児に多い傾向にある 症状は、次のようにほかのジストニアと同様です。 眼瞼けいれん れん縮性斜頸 身体のねじれ・反り返り けいれん性発声障害 書痙 中枢神経に作用する薬物を服用している、もしくは服用歴がある場合は薬物性ジストニアの可能性が考えられます。 遺伝性ジストニア 遺伝性ジストニアは、遺伝によって引き起こされます。ただし、遺伝子ジストニアは遺伝子を持っていても発症しない可能性があります。 遺伝性ジストニアの主な原因は、以下のように局所性から全身性までさまざまです。 眼瞼けいれん れん縮性斜頸 身体のねじれ・反り返り けいれん性発声障害 書痙 小児発症が多い傾向にあるため、家族でジストニアの発症歴がある場合は診断を検討するのがおすすめです。 ジストニアの症状は治る?主な治療法 ジストニアは不随運動疾患ですが、脳の病気でもあるため、完治は難しいといわれています。しかし、適切な治療により、症状の回復が期待できます。 ジストニア症状の主な治療法は、以下の3つです。 薬物治療 ボツリヌス治療 手術治療 治療内容について、以下で解説するので参考にしてください。 薬物治療 一般的に、全身性ジストニア症状では薬物治療が行われます。薬物治療では、局所注射もしくは経口で投与するケースが一般的です。 全身性ジストニア症状の場合、主に抗コリン薬が使用されます。抗コリン薬では、神経から送られる特定の信号を遮断し、けいれんを減らす作用が期待できます。 抗コリン作用を持つ薬は、以下の通りです。 トリヘキシフェニジル カルバマゼピン バクロフェン ベンツトロピン 薬物治療で効果が見られない場合、脳深部刺激療法を行うケースもあります。 ボツリヌス治療 局所性ジストニアでは、ボツリヌス治療を行うのが一般的です。ボツリヌス治療とは、筋肉の緊張を和らげるボツリヌス製剤を局所注射する治療法です。筋肉内への投与により、筋肉の緊張を和らげ、神経の働きを抑えます。 ボツリヌス治療によって、日常生活動作を行いやすくするほか、関節の変形防止や筋肉のつっぱりによる痛み緩和などの効果が期待できます。 眼瞼けいれんやけいれん性発声障害、書痙などではボツリヌス治療が用いられるケースがほとんどです。ボツリヌス治療は、効果が徐々に弱くなるため、3〜4カ月毎に治療する必要があります。 手術治療 薬物療法やボツリヌス治療で症状回復が見られない場合は、手術治療を行います。ジストニア症状の代表的な手術と特徴は、以下の3つです。 術式 特徴 脳深部刺激術 脳の深部に電気刺激を行い、脳神経回路を調整して症状を改善する 高周波凝固手術 治療部位に電極を挿入し電気刺激を行い、症状を改善する バクロフェン髄腔内投与療法 バクロフェンが入ったポンプを腹部に埋め込み、カテーテルを通じて薬を投与して症状を改善する 手術を行う場合、いずれも1〜2週間ほどの入院や通院が必要になります。症状回復が見られない場合は、手術を検討するのも手段の1つです。 ジストニアの症状における再生医療の可能性 再生医療とは、患者自身の脂肪組織から幹細胞を分離・培養し、静脈内投与により組織修復や機能回復を目指す治療法です。幹細胞を採取する際は、おへその横からごくわずかな脂肪を取るため、身体の負担を最小限に抑えられます。 また、入院が不要な点も再生医療の特徴です。ジストニアの治療で効果が現れずお悩みの場合は、再生医療を検討するのも手段の1つです。当院では、メール相談やオンラインカウンセリングも受け付けておりますので、治療法について知りたい方はお気軽にお問い合わせください。 ジストニアの症状判別は医師の診断が必要 ジストニアの症状は、原因や発症する部位によって異なります。症状や身体診察の結果に基づいて判断されるため、思い当たる症状が見られた場合は専門機関への受診を検討しましょう。 ジストニア症状は、原因や種類によって治療法が異なります。適切な治療を行うためにも、原因の把握が大切です。 万が一症状の回復が見込めない場合は、改善策として再生医療を検討するのもおすすめです。ジストニアの症状を理解し、早期対策を図りましょう。 ジストニアと症状に関するよくある質問 ジストニアはどんな人がなりやすいですか? ジストニアは、同じ動作を繰り返している人がなりやすい疾患です。具体的には、ピアノなどの楽器を演奏している、ハサミの操作を繰り返すなどの職業の人が発症する場合もあります。そのため、音楽家や美容師、スポーツ選手などはジストニアになる可能性が考えられます。 ジストニアは死亡の要因になりますか? ジストニアは、症状が進行すると稀に呼吸不全などを引き起こす可能性があります。実際に、全身性ジストニアを発症し、嚥下性肺炎で死亡した事例もあります。(文献2) そのため、ジストニア症状が見られた際は放置せず、専門機関を受診しましょう。 心因性ジストニアは何科を受診すればよいですか? 心因性ジストニアの場合、心療内科を受診しましょう。不安定な精神状態の場合、治療効果が得られにくい可能性もあるためです。(文献3)心身ストレスが原因の場合、心理療法により症状が緩和するケースも考えられるため、心療内科の受診を検討してみてください。 参考文献 (文献1) ジストニア診療ガイドライン2018|南江堂 (文献2) J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター|進行性の全身性ジストニアを呈し嚥下性肺炎で死亡した80歳女性剖検例 (文献3) 目崎 高広|ジストニアの病態と治療
2025.07.31 -
- 内科疾患
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思うように力が出ない 休んでも疲れが取れない トレーニング量を増やしたものの、思ったような結果につながらず不安に感じる方もいるでしょう。 オーバートレーニング症候群とは、過剰なトレーニングによって心身に不調が生じ、パフォーマンスが低下してしまう状態を指します。 症状は軽度の疲労感から精神的な不調まで多岐にわたり、対処が遅れると回復に長期間を要するため注意が必要です。 今回は、オーバートレーニング症候群の重症度別の症状や原因、治し方について詳しく解説します。症状のチェックリストも紹介するので、オーバートレーニング症候群が疑われる方は、ぜひ参考にしてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 オーバートレーニング症候群について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 オーバートレーニング症候群の症状【重症度別】 オーバートレーニング症候群とは、過剰なトレーニングによる疲労が十分に回復しないまま蓄積し、慢性的なパフォーマンス低下や体調不良を引き起こす状態です。 単なる「疲れ」や一時的な「スランプ」とは異なり、自律神経のバランスまで乱れてしまうのが特徴です。 オーバートレーニング症候群の症状は、進行度に応じて異なります。ここでは、症状を3段階に分けて詳しく解説します。 軽症|パフォーマンスの低下 軽症の場合、オーバートレーニング症候群によって運動時のパフォーマンスは下がりますが、明らかな体調不良は感じません。運動後の回復に時間がかかり、翌日まで疲れが残るケースもみられます。 症状の具体例は以下のとおりです。 以前は問題がなかったランニング距離で息が上がる 記録が伸びない 運動時の集中力が続かない この時期は「練習不足かもしれない」と誤解しがちですが、実際には疲労の蓄積が原因である可能性が高いです。全力で取り組もうとしても身体がついてこず、以前よりすぐに息が上がる場面も増えてしまいます。 軽症の段階で十分な休養を取れば比較的早く回復できるため、無理に続けず身体の変化に気づくことが大切です。「最近、調子が戻らない」と感じた時点で、トレーニング量を見直しましょう。 中等症|疲労症状 中等症に進行すると、体が慢性的に疲れた状態となり、運動中だけでなく日常生活にも明らかな支障が出始めます。 症状の具体例は以下を参考にしてください。 十分な睡眠をとっても疲れが抜けない 朝起きた瞬間から身体が鉛のように重く感じる 軽いジョギングでも息切れする 立ちくらみや動悸が起こる回数が増える 中等症では、運動だけでなく生活全体の質が低下しやすくなります。自律神経のバランスが乱れ、回復力そのものが低下しているため、トレーニングを続けると悪化しやすい点が特徴です。 「体調がいつもと違う」と感じる程度ではなく、「治りにくい疲れ」に変化している場合は早急な休養が必要です。中等症はそのまま放置すると重症化する可能性が高いため、症状が現れている方は、迷わず休養を確保しましょう。 重症|精神・心理症状 オーバートレーニング症候群が重症化すると、身体だけでなく心にも負担が積み重なり、精神的な不調が強く現れます。 具体的な症状は、以下のとおりです。 気分の落ち込み 不眠 食欲不振 集中力の低下 運動へのモチベーション低下 日常生活にも影響が及ぶため、仕事や学業などに対する意欲や集中力が低下し、人間関係に支障をきたすケースも珍しくありません。 オーバートレーニング症候群が重症化した場合、無理に運動を続けると回復に長い時間がかかるため注意が必要です。重症の症状を放置せず、医師や専門家による適切なアプローチによって回復に努めるのが大切です。 オーバートレーニング症候群の原因 オーバートレーニング症候群の原因は、単に「運動量が多い」だけではありません。 原因は単一ではなく、トレーニング内容の急激な変化や生活習慣、精神状態などが複雑に絡み合い発症します。ここでは、発症の引き金となる主な4つの原因を解説するので、参考にしてください。 トレーニングによる負荷の増加 オーバートレーニング症候群の主な原因は、身体の適応能力を超えたトレーニングによる負荷の増加です。 「大会が近いから」と練習量を急激に増やしたり、十分な準備期間を経ずに高強度のメニューを取り入れたりすることが引き金となります。 トレーニングの強度や量、頻度が同時に高まる状況はとくに危険です。身体は徐々に負荷へ適応するため、急激な変化には対応しきれません。 結果として、筋肉や関節、神経系へのダメージが修復不能なレベルまで疲労が蓄積し、パフォーマンス低下を招いてしまいます。 休養・睡眠不足 運動と同じくらい重要である「回復」がおろそかになるのも、オーバートレーニング症候群の原因です。 休養日を設けずに連日トレーニングを行ったり、睡眠時間が不足したりすると、身体は修復の機会を失います。とくに、睡眠中は傷ついた組織を修復する成長ホルモンが分泌される貴重な時間です。 睡眠不足は肉体的な疲労回復を遅らせるだけでなく、自律神経の乱れにも直結します。 「休養もトレーニングの一部」である意識が欠如し、焦りから休息を犠牲にする行為は、オーバートレーニング症候群を招きます。 栄養不足 消費エネルギーに対して摂取エネルギーが不足している状態は、発症リスクを高める原因の1つです。運動で大量のエネルギーを消費しているにもかかわらず、食事量が足りていなければ、身体の回復は追いつきません。 とくに、筋肉の修復に必要なタンパク質や、エネルギー源である糖質が不足すると不調を感じやすくなります。タンパク質や糖質が不足すると、身体は自らの筋肉を分解してエネルギーを産生します。 また、極端なダイエットや偏った食事制限も、回復に必要なビタミンやミネラルの欠乏を招き、疲労を蓄積させます。 精神的ストレス オーバートレーニング症候群の原因として見落とされがちなのが、精神的なストレスです。脳が感じるストレスは、自律神経系や内分泌系を通じて身体機能に悪影響を及ぼします。 「絶対に記録を出さなければならない」というプレッシャーや、職場・人間関係でのトラブルなどが重なると、身体的な負荷がそれほど高くなくても発症するケースがあります。 真面目で責任感が強い性格の方ほど、精神的な不調を我慢して運動で発散しようとしますが、かえって心身の許容量を超え、症状を悪化させる場合も珍しくありません。 オーバートレーニング症候群の治し方 オーバートレーニング症候群を治すには、体と心の回復を優先する必要があります。具体的には、無理な運動を控えて十分な休養を確保するのが大切です。 ここでは、オーバートレーニング症候群の回復に欠かせない3つの方法について具体的に解説するので、参考にしてください。 当院では、公式LINEにて簡易カウンセリングを実施しておりますので、お気軽にご相談ください。 休養の確保 休養は、オーバートレーニング症候群の改善において最も重要な要素です。身体は運動後に回復しながら強くなるため、休みを十分に取らなければ疲労が蓄積し、症状が長引きます。 軽い不調を感じた段階で強度を下げるか、一時的にトレーニングを休む判断が必要です。実際に、数カ月間競技活動から離れて休養を確保するだけで、回復が得られる場合もあります。(文献1) ただし、症状によっては、まったく身体を動かさないと逆効果になるケースも考えられるため「どの程度の休養が必要か」「軽度のトレーニングであれば続けても問題がないか」など、医師やトレーナーと相談しながら治療しましょう。 また、睡眠の質を高める工夫も欠かせません。就寝前のスマートフォン操作を控えたり、ぬるめのお湯に浸かったりして、副交感神経を優位にする環境を整えてください。身体が修復モードに入る夜間に、深く質の高い眠りを確保するのが重要です。 ストレス管理 オーバートレーニング症候群を治すには、身体的な疲労だけでなく、精神的なストレスを取り除くのも重要です。背景に心理的要因や環境適応などの問題があると、休養だけでは回復しにくいといわれています。(文献1) 真面目な性格の方ほど「早く治さなきゃ」「仲間に置いていかれる」と自分を追い込みがちですが、焦りが新たなストレスとなり、回復を妨げてしまいます。まずはトレーニングの記録や数値へのこだわりを一旦捨て、心身を解放するのが大切です。 精神的ストレスはオーバートレーニング症候群の原因の1つであり、症状を悪化させる要因にもなります。気分の落ち込みが続いたり、やる気がでない状態が長引いたりする場合は、精神科医やスポーツ心理士に相談してみてください。カウンセリングのほか、必要に応じて薬物療法を受けるのもおすすめです。 早期回復のためにも、心の状態を軽視せず、症状に合わせた専門的なサポートを受けましょう。 バランスの良い食事 オーバートレーニング症候群を治すためには、バランスの良い食事が欠かせません。食事を通して必要な栄養素を補うと、疲労の回復や免疫力向上の助けになります。具体的には、以下の栄養素を意識的に摂取しましょう。 栄養素 効果 ビタミンB群 エネルギー代謝を助ける 疲労回復をサポートする ビタミンC 疲労を引き起こす活性酸素を抑える 摂取量により、抗酸化作用が見られる 豚肉や大豆製品などに多く含まれるビタミンB群は、エネルギー代謝を助けて疲労回復を強力に促す働きがあります。また、レモンやグレープフルーツなどに含まれるビタミンCには、疲労の原因を除去し、疲労回復に役立つといわれています。 食欲が落ちている場合は、うどんや雑炊など消化の良いものを少量ずつ回数に分けて食べるなど、胃腸への負担を減らす工夫も大切です。無理なダイエットや偏食は避け、1日3食しっかり食べ、身体の回復機能を内側からサポートしましょう。 オーバートレーニング症候群のチェックリスト オーバートレーニング症候群を早期に発見するには、日々の体調や気分の変化に注意するのが大切です。オーバートレーニング症候群が疑われる場合は、以下の項目に該当するかセルフチェックしてみましょう。 最近トレーニングの強度を上げた 練習しているのに成績が上がらない 軽いジョギングでも疲れるようになった トレーニング後の筋肉痛が長く続くようになった 睡眠の質が低下し、熟睡できた感じがしない 起床直後の心拍数が普段より増加している トレーニングのやる気が出ない 食欲が低下した 気分が落ち込みやすくなった 毎日運動しないと不安を感じる 運動していないときでも疲労感がある 頭痛や立ちくらみが頻繁に起こる 貧血や感染症などが原因ではないにもかかわらず、複数の症状が該当する場合は、オーバートレーニング症候群が疑われます。 また、身体の不調を感じたときは、心拍数や血圧をチェックしてみるのもおすすめです。 疲労症状が強まると起床時の心拍数が増加するため、起床直後の心拍数をチェックすることで疲労状態を把握しやすくなります。起床直後の心拍数が1分あたり10回以上増えている場合は、オーバートレーニング症候群を疑いましょう。 上記の症状が2週間以上続く場合は、単なる疲れではない可能性があります。自己判断で放置せず、専門医へ相談してください。 オーバートレーニング症候群かもと感じたら早めに受診しよう オーバートレーニング症候群は運動熱心な方ほど陥りやすく、トレーニング量と回復のバランスが崩れると発症します。放置すると重症化する可能性があるので注意が必要です。 「疲れ方がいつもと違う」「運動していなくても疲労感が続いている」と感じたら、休養したりトレーニングを軽くしたりして対応しましょう。 オーバートレーニング症候群は、軽症であれば比較的早く回復できますが、重症化すると復帰に時間がかかります。早期発見するには、セルフチェックリストを活用しながら、身体と心のサインを見逃さないのが大切です。 自己判断で放置せず、症状に応じて早めに医療機関を受診しましょう。 オーバートレーニング症候群に関するよくある質問 オーバートレーニング症候群の診断方法は? オーバートレーニング症候群は、一般的には以下の指標を総合的に判断して診断されます。 安静時心拍数の増加 安静時血圧の上昇 運動後血圧の回復の遅れ 競技成績の低下 オーバートレーニング症候群には明確な検査法が確立されていません。医師による問診や身体所見、血液検査などを用いて総合的に診断されます。 オーバートレーニング症候群は一般人でも発症する? オーバートレーニング症候群は、プロのアスリートだけでなく、健康維持を目的に運動している一般の方や学生でも発症します。 オーバートレーニング症候群を発症するのは、スポーツ選手や部活動をしている学生だけではありません。 とくに、急に運動強度を上げた方や、仕事や家庭のストレスが多い中でトレーニングを続けている方は、発症しやすくなるため注意が必要です。 運動は健康の維持に欠かせない習慣ですが、過剰なトレーニングは逆効果になる可能性があるため注意しましょう。 オーバートレーニング症候群はどのくらいで治る? オーバートレーニング症候群は、軽症・中等症であれば1〜3カ月程度での回復が期待できます。しかし、重症化すると半年〜1年かかるケースもあり、長期にわたる休養と治療が必要です。 治癒にかかる期間は、症状の重症度や発症からの期間、休養への取り組み方によって大きく異なります。 重症化を防ぐためにも、自己判断で無理を重ねず、医師や専門家のアドバイスを受けましょう。 オーバートレーニング症候群は何科を受診すれば良い? オーバートレーニング症候群が疑われる場合は、スポーツ内科の受診がおすすめです。 ただし、地域によってはスポーツ内科の専門外来がないケースも考えられます。スポーツ内科が近くにない場合、症状に応じて整形外科や一般内科、婦人科などを受診しましょう。 目安として、2週間程度運動を控えても症状が改善されない場合は、早めに医療機関を受診してください。 オーバートレーニング症候群とうつ(鬱)の関係性は? オーバートレーニング症候群は、身体的な疲労だけでなく精神面にも強い影響を及ぼす点が特徴で、うつ症状と似た状態が現れることがあります。 慢性的な疲労が続くと自律神経のバランスが崩れ、気分が落ち込みやすく、意欲低下や集中力の低下が目立つようになります。症状が進むと、運動への興味が失われたり、日常生活に支障が出るケースもあるため注意が必要です。 ただし、うつ病と完全に同じ病態ではないため、適切な診断とケアを受けるのが重要です。 参考文献 文献1 Vol. 31 No. 3, 2023.「オーバートレーニング症候群:理解と対応」|日本臨床スポーツ医学会誌 https://www.rinspo.jp/journal/2020/files/31-3/376-378.pdf
2025.07.31 -
- 内科疾患
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インフルエンザが治ったはずなのに咳や倦怠感が続いているという方は、ウイルスが体内からいなくなっても後遺症が出ている可能性があります。 この記事では、インフルエンザにおける後遺症の原因や症状、合併症について詳しく解説します。 また、セルフケアの方法や治療法についても紹介しているので、ぜひインフルエンザ後遺症を治すための参考にしてください。 長期間続く倦怠感など、インフルエンザの後遺症でお悩みの方は再生医療による治療も選択肢の一つです。 \インフルエンザの後遺症に有効な再生医療とは/ 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させることで、インフルエンザの長引く後遺症の改善が期待できます。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 インフルエンザの後遺症で身体がだるい 長引く後遺症に悩まされている インフルエンザが治った後も後遺症に悩まされている方は、新たな治療選択肢として再生医療が有効です。 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼インフルエンザの後遺症治療に注目の再生医療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる インフルエンザに後遺症はある?どんな症状が出るのか インフルエンザ後遺症とは、インフルエンザの急性期症状が治まった後も、4週間以上にわたって倦怠感、咳、関節痛といった症状が続く状態の総称です。 ウイルスが体から排除された後に症状が現れたり、長引いたりする点が特徴です。中には慢性疲労症候群の診断基準に該当する方も報告されています。(文献1) インフルエンザの合併症との違い インフルエンザ後遺症と合併症は、以下の点が異なります。 タイミング 症状 治療法 合併症 発熱がある急性期 肺炎症状 インフルエンザ脳症 抗ウイルス薬 集中治療 後遺症 解熱した回復期 倦怠感 呼吸器症状 対症療法 生活指導 合併症の代表例であるインフルエンザ脳症は、国内で年間100例以上報告されており、後遺症が出る割合も決して低くありません。致死率が約15%、後遺症率が約25%との報告もあります。(文献2) また、合併症が重度だった症例ほど後遺症を長引かせるリスクが高いとする研究報告もあります。(文献3) コロナウイルス後遺症との違い インフルエンザ後遺症とコロナウイルス後遺症は、リスクの程度や症状の傾向に違いがあります。 名古屋工業大学の平田晃正教授らの研究グループによると、インフルエンザ感染後に咳や頭痛で医療機関を受診するリスクは、感染していない人と比べて1.8倍程度との結果です。 一方、新型コロナウイルス感染後に咳で受診するリスクは、感染していない人と比べて8.20倍とインフルエンザよりも高い結果が見られました。(文献4) 症状としては、コロナウイルス後遺症では多臓器にわたる全身性の症状が目立つ傾向にあります。一方で、インフルエンザ後遺症は主に呼吸器や疲労が中心です。 コロナウイルス後遺症については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。 【関連記事】 コロナ後遺症はいつまで続く?倦怠感や症状について現役医師が解説 コロナの後遺症を劇的に改善させる方法を再生医療医が解説 また、コロナウイルス後遺症に対する治療法として、再生医療があります。 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼インフルエンザの後遺症治療に注目の再生医療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる インフルエンザ後遺症の主な原因 インフルエンザ後遺症を引き起こす原因は1つではなく、主に以下の要因が複雑に絡み合っていると考えられています。 免疫機能の過剰な反応の残存 ウイルスによる気道粘膜の損傷 二次的な細菌感染の併発 高熱などによる自律神経の乱れ 隔離生活に伴う精神的なストレス インフルエンザウイルスに対抗するために活性化した免疫がウイルス排除後も活動を続け、炎症を引き起こす物質を放出し続けることで倦怠感や疲労感につながります。 また、ウイルスで傷ついた気道の粘膜は再生に時間を要するため、咳が出やすい状態が長引く可能性があります。 近年の再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させることで、インフルエンザの後遺症による炎症抑制や症状改善が期待できます。 長引くインフルエンザの症状にお悩みの方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。 ▼インフルエンザの後遺症治療に注目の再生医療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる インフルエンザの主な後遺症一覧 インフルエンザ後遺症では、主に以下のようなさまざまな症状が現れます。 系統 主な症状 呼吸器系 乾いた咳、息切れ、声枯れ 全身症状 倦怠感、微熱、関節痛、寝汗 神経・感覚 頭痛、めまい、集中力の低下、嗅覚・味覚の低下 耳鼻科系 副鼻腔炎に伴う鼻水・顔面痛、耳の閉塞感 精神面 不眠、気分の落ち込み(発熱による睡眠リズムの乱れが誘因) これらの症状は、いずれか1つだけが現れるよりも、複数の症状が重なって現れることが少なくありません。 例えば、長引く咳に加えて強い倦怠感が続いたり、頭痛と集中力の低下が同時に見られたりするケースです。 症状が改善しない、あるいは悪化するような場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。 長期間続く倦怠感など、インフルエンザの後遺症でお悩みの方は先端医療の一つである再生医療による治療をご検討ください。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ インフルエンザの後遺症を早く治したい 長引く後遺症に悩まされている 現在受けている治療で期待した効果が得られていない 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させることで、インフルエンザの後遺症改善が期待できます。 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼インフルエンザの後遺症治療に注目の再生医療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる インフルエンザ後遺症の治療法 インフルエンザ後遺症の症状は、多くの場合、時間の経過とともに自然と落ち着いていきます。しかし、症状が長引いたり、悪化したりするケースは少なくありません。 インフルエンザ後遺症に対する治療は以下のような方法が挙げられます。 対症療法 薬物療法 生活習慣の見直し 1つずつ解説していきます。 対症療法 インフルエンザ後遺症の治療は、現れているつらい症状を和らげる対症療法が基本です。 倦怠感や微熱が続く場合は、無理をせず十分な休息を取り、水分と栄養をしっかりと補給するのが最優先です。必要に応じて、解熱鎮痛薬が処方されることもあります。 関節痛や筋肉痛が続く場合は、消炎鎮痛剤の使用や、症状に応じた適切な治療が検討されます。 鼻水や顔の痛みなど、副鼻腔炎や中耳炎が疑われる際は、耳鼻咽喉科で鼻の洗浄やネブライザー治療といった処置を追加します。 薬物療法 症状を和らげるための薬物療法も選択肢の1つです。急性期を過ぎてもウイルスの増殖が続いていると医師が判断した場合には、抗インフルエンザ薬の投与期間を延長する場合があります。 長引く鼻水や咳に対しては、症状を抑えるために抗ヒスタミン薬や鎮咳薬などが処方されます。咳が止まらず咳喘息のような状態に移行したケースでは、気管支を広げる吸入β2刺激薬や炎症を抑える吸入ステロイド薬を数週間にわたって使用する場合も少なくありません。 これらの治療で十分な改善が見られない場合には、別系統の薬を追加で検討されるケースもあります。 また、コロナウイルス後遺症の症例に対してですが、漢方薬が慢性疲労・食欲不振を緩和したとの報告もあります。(文献5) 生活習慣の見直し インフルエンザ後遺症から回復するには、薬による治療だけでなく、日々の生活習慣の見直しも必要です。まずは、十分な休養を取り、体に負担をかけないようにしましょう。 タンパク質やビタミンなどを含むバランスの良い食事を心がけ、睡眠は7時間以上確保すると、自律神経の働きを整える効果が期待されます。 体力が少し戻ってきたら、軽いストレッチや腹式呼吸といった呼吸リハビリを取り入れるのも、呼吸筋の疲労感を和らげるのに役立ちます。アルコールや喫煙は炎症を長引かせるリスクがあるため、症状が落ち着くまでは控えましょう。 インフルエンザ後遺症に関するよくある質問 インフルエンザ後遺症に関するよくある質問と回答を紹介します。 インフルエンザ後遺症の症状はいつまで続きますか? インフルエンザ後遺症は大人と子どもどちらも発症しますか? インフルエンザが治った後も後遺症に悩まされている方は、ぜひ参考にしてください インフルエンザ後遺症の症状はいつまで続きますか? インフルエンザ自体の発熱やのどの痛みといった症状は、通常1週間程度で落ち着きます。しかし、その後に出てくる後遺症がいつまで続くかについては、以下の要素によって異なるため一概にはいえません。 症状の種類 本人の回復力 治療方法 とくに倦怠感や睡眠障害といった症状は、免疫力の低下や日々のストレスなどが影響して長引く傾向があります。 咳に関しては、もし8週間以上続くようであれば「慢性咳嗽」と診断されます。(文献6)症状が長引く場合は、一度医療機関を受診してみましょう。 インフルエンザ後遺症は大人と子どもどちらも発症しますか? インフルエンザ後遺症は、年齢に関わらず大人も子どもも発症する可能性があります。とくに、まだ免疫機能が十分に発達していない子どもは、大人に比べてウイルス感染の影響を受けやすく、後遺症につながりやすいと考えられています。 また、高齢の方は、肺炎や心筋炎といった重い合併症を発症しやすく、その治療が終わった後も息切れなどの呼吸器症状が長く残ってしまうケースが少なくありません。 予防接種は、インフルエンザの重症化を防ぐだけでなく、後遺症の発生リスクを減らす効果が期待されます。 まとめ|インフルエンザ後遺症の理解を深めて適切な治療を進めよう インフルエンザが治った後にも、倦怠感、咳、関節痛といった症状が後遺症として現れている可能性があります。 免疫の過剰反応や自律神経の乱れなど、さまざまな要因が絡み合って生じます。 呼吸器症状から精神的な不調まで多岐にわたるため、つらい症状が長引いている場合は、かかりつけ医や専門の医療機関に相談しましょう。 また、インフルエンザの後遺症を早く治したい方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させることで、炎症抑制や症状の改善が期待できます。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ インフルエンザの後遺症を早く治したい 長引く後遺症に悩まされている 現在受けている治療で期待した効果が得られていない インフルエンザが治った後も後遺症に悩まされている方は、新たな治療選択肢としてご検討ください。 「具体的な治療法を知りたい」「後遺症を早く治したい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。 ▼インフルエンザの後遺症を治したい方はご連絡ください! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 参考文献 (文献1) インフルエンザ感染後に発症した慢性疲労症候群に漢方治療が有効であった1例|日本東洋医学雑誌 (文献2) インフルエンザの臨床経過中に発生する脳炎・脳症の疫学及び病態に関する研究(総括研究報告書)|厚生労働科学研究成果データベース (文献3) The post‐infection outcomes of influenza and acute respiratory infection in patients above 50 years of age in Japan: an observational study|National Library of Medicine (文献4) 新型コロナ インフルより“後遺症”リスク高い 名古屋工業大|NHK (文献5) Course of General Fatigue in Patients with Post-COVID-19 Conditions Who Were Prescribed Hochuekkito: A Single-Center Exploratory Pilot Study|Multidisciplinary Digital Publishing Institute (文献6) 咳嗽に関するガイドライン(第2版)|日本呼吸器学会
2025.07.31 -
- 糖尿病
- 内科疾患
糖尿病は症状が進行していくと、失明といった重大な合併症を発症する場合があります。しかも痛みなく進行するため、前兆に気づくことが視力を守るためには必要です。 本記事では、糖尿病で失明を招く具体的な前兆サイン、進行の仕組み、予防法や治療法まで専門的にわかりやすく解説します。糖尿病の失明が気になる方は、ぜひ参考にしてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 糖尿病について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 糖尿病による失明の前兆症状 糖尿病は血糖値が高い状態が続くことで全身の血管を傷つけ、目の奥にある網膜の血管も傷つけられます。これにより「糖尿病網膜症」を発症し、進行すると失明につながることもあります。初期は自覚症状が少なく気づきにくいですが、以下のようなサインが現れたら注意が必要です。 かすみ目・視界のぼやけ 網膜の血流が悪化し、ピントが合いにくくなる 暗い所で見えにくい 網膜の細胞がうまく働かず、薄暗い場所で視界が悪くなる 飛蚊症や黒い点が増えた 硝子体出血や網膜剥離の兆候で、視界に糸くずや黒い点が浮かぶように見える 視野が欠ける・ゆがむ 網膜や黄斑部のむくみ、出血などで、見える範囲が狭くなったり歪んで見えることがある 急激な視力低下 網膜剥離や大きな出血など、失明に直結する深刻な状態 糖尿病網膜症の症状を放置すると、進行して回復が難しくなる場合があります。少しでも「おかしいな」と感じたら早めに眼科を受診し、専門的な検査を受けましょう。 【失明の前兆】糖尿病網膜症の進行と症状 糖尿病網膜症は血糖値が高い状態が続くことで網膜の血管が障害され、段階的に進行します。初期から末期にかけて症状も変化し、最終的には失明のリスクが高まります。 初期|単純糖尿病網膜症 糖尿病網膜症の初期段階は「単純糖尿病網膜症」と呼ばれ、自覚症状がほとんどないのが特徴です。自分では見え方に変化を感じにくいため、気づかないまま進行してしまいます。 初期の症状は以下のとおりです。 点状出血 硬性白斑 網膜浮腫 網膜内の細い血管が高血糖の影響で傷つき、血液や脂質が漏れ出すことで起こります。網膜浮腫によるむくみが進むと視力への影響が出ることもあります。初期段階では血糖値を適切に管理し、食事療法や運動療法、薬物療法を徹底すれば進行を防ぐことが可能です。 眼科での定期的な検査により、わずかな変化を早期に発見し、適切な治療を行うことが大切です。 中期|増殖前糖尿病網膜症 増殖前糖尿病網膜症は糖尿病網膜症の中期段階で、血管障害が進み、より深刻な変化が現れます。多くの場合、この段階でも自覚症状はほとんどなく、異変を感じることはまれです。 中期の症状は以下のとおりです。 軟性白斑 網膜内細小血管異常 軟性白斑は網膜の酸素不足を示すサインで、網膜内細小血管異常は血流が阻害されていることを意味します。進行を抑える治療としては、レーザー光凝固で異常血管を封じ込めたり、抗VEGF薬注射やステロイド注射でむくみを軽減したりします。 進行を防ぐためには、血糖管理を継続し、眼科での定期検診を受けることが不可欠です。 末期|増殖糖尿病網膜症 糖尿病網膜症がさらに進行し末期になると「増殖糖尿病網膜症」と呼ばれ、失明の危険性が非常に高くなります。高血糖により網膜が酸素不足になると、新生血管が異常に増殖し、さまざまな深刻な合併症を引き起こします。 末期の症状は以下のとおりです。 硝子体出血 新生血管の増殖 急激な視力低下 牽引性網膜剥離 新生血管は非常にもろく破綻しやすいため、硝子体出血により視界が急に真っ暗になることもあります。瘢痕組織が網膜を引っ張り牽引性網膜剥離を起こすと、急速な視力喪失が生じます。 治療にはレーザー治療(汎網膜光凝固術)や硝子体手術などが必要です。進行を防ぐには、早期の診断と治療、血糖管理、そして眼科での定期的なフォローが不可欠です。視力を守るため、少しでも異変を感じたらすぐに受診しましょう。 【前兆症状を防ぐ】糖尿病で失明しないための予防法 糖尿病による失明を防ぐためには、毎日の管理と定期的な検査が欠かせません。以下のポイントを意識して予防に取り組みましょう。 血糖コントロール:血糖値を適切に管理し、網膜へのダメージを防ぐ 血圧・脂質管理:高血圧や脂質異常症を改善し、血管障害を予防する 有酸素運動:ウォーキングなどを習慣にし、血糖値や血圧を安定させる 食事の管理:バランスの良い食事でカロリー・糖質をコントロールする 定期的な眼底検査:自覚症状がなくても早期発見のために検査を欠かさない 日々意識して実践すると、糖尿病網膜症の進行を抑え、失明のリスクを大きく減らせます。医師や管理栄養士と相談しながら、自分に合った計画を立て、無理なく続けることが大切です。 失明の前兆段階で適用される糖尿病網膜症の治療法 糖尿病網膜症は進行度に応じてさまざまな治療法があります。失明リスクが高まる前兆段階で適切な治療を受ければ、糖尿病網膜症の進行を抑えることが期待できます。以下は主な治療法です。 血糖コントロール レーザー光凝固術 硝子体手術 抗VEGF療法 再生医療 血糖コントロール 糖尿病網膜症の進行を防ぐためのもっとも基本的な治療は、血糖コントロールです。血糖値が高い状態が続くと、網膜の血管が傷つき、病変が進行しやすくなります。糖尿病治療ではインスリン療法や内服薬を活用し、血糖値を適正範囲に維持することを目指します。食事療法や運動療法を組み合わせ、血糖変動の抑制が非常に大切です。 生活習慣の見直しも欠かせません。バランスの良い食事、適度な運動、規則正しい生活を続ければ全身の血管障害を予防できます。医師や栄養士と相談しながら無理なく継続しましょう。 定期的な血液検査や通院を通じて経過をしっかり管理すれば、合併症の早期発見や治療につながります。ご自身の健康状態を理解し、専門医と二人三脚で取り組むことが大切です。 レーザー光凝固術 レーザー光凝固術は、糖尿病網膜症の進行を抑えるための標準的な治療法です。網膜が酸素不足になると、異常な新生血管が増殖しやすくなり、出血や網膜剥離を引き起こす危険性が高まります。レーザー光凝固術では網膜の虚血部分にレーザーを照射し、組織を凝固させることで酸素需要を抑え、新生血管の発生を予防します。 レーザー光凝固術により、視力低下の進行を抑えられます。ただし、レーザー治療は進行を完全に止めるものではなく、血糖コントロールや定期検診と組み合わせて総合的に管理する必要があります。 早期発見と適切なタイミングでの治療が、視力を守るための大切なポイントです。治療の際は専門医が丁寧に説明を行い、患者様の不安を取り除きながら進めます。 硝子体手術 硝子体手術は、進行した糖尿病網膜症による重篤な合併症に対する治療法です。網膜剥離や硝子体出血が発生した場合、レーザー光凝固術だけでは十分な効果が得られなかった場合に実施されます。 手術では、目の中にある濁った硝子体を除去し、出血や瘢痕を取り除いた上で、網膜を正しい位置に再付着させる処置を行います。急激な視力低下を改善し、さらなる失明を防ぐことを目指します。術後のケアや経過観察も重要になるため、定期的な受診は必要です。 手術の適応やタイミングは患者様一人ひとりの眼の状態に合わせて慎重に判断します。不安な点や疑問があれば担当医に相談してみましょう。 抗VEGF療法 抗VEGF療法は、糖尿病網膜症によって生じる黄斑浮腫を抑制するための治療法です。VEGF(血管内皮増殖因子)は新生血管の増殖を促進し、血管の透過性を高めて黄斑部にむくみを生じさせます。抗VEGF薬を眼内に注射するとVEGFの働きを抑えられるため、むくみが軽減でき視力の維持につながります。 治療は一度で終わるものではなく、症状に応じて繰り返しの注射が必要な場合も多いです。黄斑浮腫は視力低下の大きな原因となるため、早期治療が非常に重要です。眼科専門医が患者様の眼の状態を詳しく評価し、適切な治療計画を立てながら進めます。 再生医療 糖尿病網膜症に対する新たな治療アプローチの一環として、再生医療があります。患者様ご自身の脂肪組織から採取した細胞を培養し、身体に戻す治療法です。当院では再生医療に関する情報や現状をご説明し、患者様に合った治療をご案内しています。 ご関心のある方は、まずはお気軽にご相談ください。ご不明点や不安な点についても丁寧にお話をさせていただきます。 糖尿病による失明を防ぐためにも前兆を見逃さず早期に医療機関を受診しよう 糖尿病網膜症は初期には自覚症状がほとんどなく進行し、気づいたときには重度になっていることも珍しくありません。失明を防ぐには、血糖値のコントロールをしっかり行った上で、内科での定期受診の継続が必要です。目の状態を把握するために眼科の定期受診も欠かせません。視界のかすみやぼやけ、見え方の違和感など、わずかな前兆を見逃さないようにしましょう。 「気になる症状があるけれど受診して良いのかな」と迷わずに、早めに専門医を受診すれば、進行を抑える治療につなげることが可能です。当院でも、糖尿病と目の健康に関する再生医療についてのご相談を受け付けておりますので、どうぞお気軽にご連絡ください。 糖尿病による失明の前兆についてよくある質問 糖尿病網膜症は痛みがなくても進行しますか? 糖尿病網膜症は網膜の血管が傷つき変化していく病気ですが、網膜には痛覚がないため、進行していても痛みを感じることはありません。そのため患者様自身が異変に気づかず、病気がかなり進行してから初めて自覚症状が出るケースも多いのが特徴です。 ただし、飛蚊症(視界に黒い点や糸くずが見える)、視野の一部が欠ける、ゆがんで見えるなど、痛みの代わりに現れる前兆症状が出る場合もあります。症状を見逃さず、少しでも見え方に異変を感じたら早めに眼科を受診しましょう。定期的な検査での早期発見が失明を防ぐポイントです。 糖尿病は血糖値が下がればよくなりますか? 糖尿病網膜症は、血糖値が高い状態が続くことで網膜の血管にダメージを与え、進行していく病気です。血糖値を下げることで傷んだ血管を元に戻すことはできませんが、進行を抑えることは可能です。 血糖コントロールをしっかり行えば、新たな血管障害を防ぎ、既存の病変の悪化を抑えられます。内科での治療を継続し、食事療法や運動療法を取り入れることが重要です。網膜症の進行度に応じた眼科での治療や定期検査を併用し、視力を守るための総合的な管理をしましょう。
2025.07.31 -
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- 内科疾患
糖尿病性腎症と診断されると、「何を食べたら良いの?」「献立をどう考えれば良いの?」と戸惑う方も多いでしょう。 腎症は腎機能の低下が進むと、やがて透析が必要になるリスクがあります。しかし、早い段階から食事を管理することで進行を抑え、腎臓を守ることが可能です。 本記事では、糖尿病性腎症のリスクを理解した上で「なぜ食事療法が必要なのか」、そして「具体的に何をどう食べれば良いのか」まで、わかりやすく解説します。 日々の献立作りのコツや外食・コンビニを利用する際の工夫も紹介します。今日から実践できる食事管理のポイントをぜひ参考にしてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 糖尿病性腎症について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 糖尿病性腎症の食事の具体的な献立例 糖尿病性腎症では、たんぱく質や塩分を控えつつ栄養バランスを整えることが大切です。 ここから、朝食、昼食、夕食それぞれの具体的な献立例とレシピをご紹介します。 朝食の献立例 メニュー 材料 ごはん ・低たんぱくごはん1/25 180g(1パック) みそ汁(麩・ねぎ) ・みそ 10g ・だし汁 130cc ・麩 2g ・ねぎ 25g かんぴょうの炒め煮 ・かんぴょう 5g ・にんじん 20g ・ごま油 3g ・砂糖 3g ・しょうゆ 4g ・だし汁 30cc くだもの(オレンジ) ・オレンジ 50g(1/3個) 味付のり・紅茶 ・紅茶 1パック+粉飴40g ・味付のり 2g(1袋) (文献1) このメニューの栄養は、586kcal、たんぱく質18.8g、塩分2.0gでした。(文献1) 昼食の献立例 メニュー 材料 ごはん ・低たんぱくごはん1/10 180g(1パック) チキンカツ ・鶏もも皮なし 70g ・こしょう 少々 ・小麦粉 3g ・生パン粉 10g ・油 9g ・キャベツ 20g ・レモン 10g ・パセリ 2g ・ソース 5cc 海草サラダ ・サラダ用海草 25g ・きゅうり 20g ・ミニトマト 1個 ・ドレッシング 10g さやえんどうの和風ソテー ・さやえんどう 20g ・エリンギ 30g ・生しいたけ 10g ・油 3g ・塩 0.3g ・こしょう 少々 ・しょうゆ 2g (文献1) チキンカツの作り方は以下のとおりです。 鶏肉を観音開きにし、こしょうを振って下味をつける。 小麦粉を水で溶いた衣をくぐらせ、次にパン粉をまぶす。 油でカラリと揚げたら、皿に千切りキャベツを添えて盛り付ける。 仕上げにレモンとパセリを飾る。 このメニューの栄養は、586kcal、たんぱく質18.8g、塩分2.0gでした。(文献1) 夕食の献立例 メニュー 材料 ごはん ・低たんぱくごはん1/10 180g(1パック) さわらの照焼 ・さわら 40g ・しょうゆ 2g ・みりん 3g ・料理酒 1g ・油 1g ・しその葉 1g(1枚) ・甘酢生姜漬 10g かぼちゃの含め煮 ・かぼちゃ 60g ・生しいたけ 20g(1枚) ・砂糖 3g ・みりん 3g ・しょうゆ 3g ・だし汁 20cc マヨネーズ和え(もやし・にんじん) ・もやし 50g ・にんじん 10g ・マヨネーズ 15g ・しょうゆ 3g ・からし 少々 マクトン入り胡麻豆腐 ・マクトンゼロパウダー 20g ・黒すりごま 1.5g ・水 50cc ・粉寒天 0.4g(1/10袋) ・生姜 2g ・しょうゆ 3cc (文献1) マクトン入り胡麻豆腐の作り方は以下のとおりです。 鍋に水と粉寒天を入れて混ぜながら加熱し、寒天をしっかり溶かす。 寒天が完全に溶けたら、さらに2~3分ほど煮詰めて火を止める。 火を止めたら、マクトンパウダーと黒すりごまを加え、よく混ぜながら粗熱を取る。 粗熱が取れたタイミングで型に流し入れ、冷蔵庫で冷やし固める(熱いままだと層が分かれてしまうので注意する)。 型から取り出して器に盛り付け、おろし生姜を添え、しょうゆをかけていただく。 マクトンゼロパウダーは、消化吸収が良く速やかにエネルギーになる粉末油脂です。たんぱく質0gで高エネルギー(100gあたり789kcal)。どんな料理にも手軽に使え、効率的なエネルギー補給に便利です。 このメニューの栄養は、736kcal、たんぱく質12.8g、塩分2.1gでした。(文献1) 糖尿病性腎症は食事管理が重要!献立が必要な理由 糖尿病性腎症の食事療法の最大の目的は、腎不全への進行防止です。 腎臓は血液中の老廃物を排出する重要な役割を担いますが、糖尿病によって徐々にダメージを受け、機能が低下していきます。とくにたんぱく質を多く摂ると腎臓への負担が増えるため、摂取量を適切に制限し、塩分やエネルギー、カリウム、リンなども管理していかなければなりません。 食事管理を怠ると腎症が進行し、最終的には透析治療が必要になる可能性もあります。食事療法は患者様の腎症の進行度や年齢、体格、合併症の有無などによって内容が変わるため、自己判断で行うのは危険です。 医師や管理栄養士と相談しながら個別に献立を立てると、無理なく続けられ、腎機能をできるだけ長く保てます。 糖尿病性腎症の食事療法・献立のポイント 糖尿病性腎症の食事管理は、腎機能を守り進行を遅らせるための大切な治療のひとつです。 以下に、献立を考える上で知っておきたい栄養管理のポイントを解説します。 1日のエネルギー量の目安 糖尿病性腎症の食事療法では、過剰な栄養不足や肥満を防ぐために適正なエネルギー摂取が大切です。 目安は「標準体重1kgあたり約35kcal」ですが、年齢や活動量によって28〜40kcal程度と幅があります。(文献1) エネルギーが不足すると体内のたんぱく質が分解されて腎臓に負担をかける恐れがあるため、十分に確保することが重要です。 糖尿病の血糖管理を両立させるためにも、炭水化物や脂質の質と量を調整しながら、主食・主菜・副菜をバランスよく組み合わせる工夫が必要です。 たんぱく質を制限する 腎臓の負担を減らすため、たんぱく質は「標準体重1kgあたり0.6~0.8g」に制限されるのが一般的です。(文献1) 制限量は、尿たんぱくの排泄量や血清クレアチニン値など腎症の進行度、栄養状態によって変わります。過剰なたんぱく質摂取は腎臓を酷使し、腎機能悪化を早めるリスクがあるため、食材の種類や量を慎重に選ぶ必要があります。 ただし過度な制限は栄養不良を招く恐れがあるため、低たんぱくごはんなどの特殊食品を利用したり調理法を工夫したり、美味しく無理なく続けられることが大切です。 医師や管理栄養士と連携して、自分に合った目標量を決めましょう。 塩分を制限する 高血圧や浮腫を予防・改善するために塩分制限は欠かせません。目標は1日6~7g未満ですが、高血圧やむくみが強い場合は5g以下に制限されることもあります。(文献1) 塩分の摂りすぎは血圧を上げ、腎臓の血管を痛め、病気の進行を加速させる原因になります。 以下は塩分制限のポイントです。 減塩調味料の活用 だしや香辛料、酢などを使って風味を工夫する 外食や加工食品は塩分が多いため、成分表示を確認して選ぶ 毎日の食事を楽しみながら、無理なく続けることが大切です。 水分・カリウム・リンの摂り方 腎症が進行すると、水分やカリウム、リンの制限が必要になる場合があります。 水分はむくみや尿量を考慮して調整し、心不全の予防や血圧管理にもつながります。 カリウムは高くなりすぎると不整脈などの危険があるため、野菜や果物の種類や調理法(ゆでこぼしなど)で含有量を減らす工夫が必要です。 リンは骨からカルシウムを奪い骨粗しょう症を招くリスクがあるため、乳製品や加工食品などリンが多い食品の量を調整します。 必ず医師や管理栄養士と相談し、体調に合った食事を心がけましょう。 糖尿病性腎症に適した食材選びと調理の工夫 糖尿病性腎症の食事療法では、たんぱく質や塩分を抑えつつ満足感を得られる工夫が欠かせません。 治療用の低たんぱくごはんや調味料などを上手に取り入れると、制限内でエネルギーをしっかり確保できます。少ないたんぱく質を多く見せるために、薄切りやみじん切りにしてかさを増やしたり、味付けや盛り付けを工夫したりすることも大切です。 3食のうち1食はおかずがなくても食べられるメニューを用意し、たんぱく質量を調整する方法も有効です。 家族と同じ献立でも主菜を減らし副菜を増やすなど、うまく調整して無理なく続けることで腎機能を長く守りましょう。 外食・コンビニ・宅配弁当の選び方 糖尿病性腎症の食事療法では、自炊が理想ですが、忙しい日常では外食やコンビニ、宅配弁当を利用する機会も少なくありません。 ここからは、腎臓への負担を抑えつつ上手に選ぶコツを紹介します。 外食時の注意点 外食では塩分やたんぱく質が多くなりがちなので、自分で調節する意識が大切です。醤油やタレ、ドレッシングは別添えでもらい、使う量を減らすなどの工夫をしましょう。 カリウムやリンが多い食材を避けるため、サラダのドレッシング、乳製品、加工食品などにも注意が必要です。 主菜は肉より魚を選ぶと脂質やリンを抑えられ、腎臓への負担軽減につながります。麺類や丼ものは汁を残す、単品ではなく定食を選び副菜を増やすなど、組み合わせ方の意識も大切です。 栄養成分表示があるお店では、たんぱく質や塩分量を確認しながらメニューを決める習慣をつけ、外食を楽しみながら食事療法を続けましょう。 コンビニ利用のコツ コンビニ食でも栄養バランスの意識が大切です。おにぎりだけ、菓子パンだけなど主食に偏らず、主菜・副菜を組み合わせて選びましょう。 サラダや煮物、焼き魚、ゆで卵などをプラスしてたんぱく質量を調整し、塩分やリンを抑えます。サンドイッチやおにぎり、ハンバーガーなどは中身の具材をチェックし、ハムやチーズなどリンや塩分が多いものは控えめにします。 以下の項目は注意するポイントです。 減塩表示の商品を選ぶ 飲み物は無糖のお茶や水を選ぶ 成分表示を確認してエネルギーやたんぱく質量を把握する 管理栄養士と相談しながら自分に合った選び方を身につけましょう。 宅配弁当や冷凍食の利用 自炊が難しい日や忙しいときには、腎臓病食や糖尿病食に対応した宅配弁当や冷凍食品を上手に活用するのもおすすめです。 塩分、たんぱく質、糖質などがあらかじめ管理されており、栄養バランスを整えやすいのが魅力です。自分で計算する負担を減らしつつ、適切な制限を守れるため、食事療法を無理なく続けられます。 最近はメニューの種類も豊富で、飽きずに続けられる工夫がされています。定期配送や単品購入などサービス形態も多様なので、生活スタイルや体調に合わせて選びましょう。 糖尿病性腎症には再生医療の選択肢 糖尿病性腎症に対しては、自分の脂肪から採取・培養した幹細胞を体内に投与する「再生医療」も新たな治療選択肢の一つです。患者様自身の細胞を使用するため、拒絶反応のリスクが低いのが特徴です。 しかし、糖尿病性腎症の進行を抑えるには、何よりも血糖管理が欠かせません。食事療法や薬物療法と組み合わせることで、より総合的な治療が可能になります。 将来の腎不全や透析を避けるために、再生医療についても検討してみましょう。詳しい内容は、以下をご覧ください。 糖尿病性腎症の食事の献立はできることから始めよう 糖尿病性腎症の食事療法は、腎臓を守り進行を遅らせるために自分で取り組める治療法です。 しかし「完璧にやらなければ」と思いすぎるとストレスになり、続けるのが難しくなります。減塩や主菜の量を調整するなど、できることから少しずつ始めましょう。 治療用食品を活用したり、家族と同じメニューを工夫するなど、日常生活に取り入れやすい方法の選択も大切です。頑張りすぎず、続けやすい工夫を取り入れながら、医師や管理栄養士と相談し、自分に合ったペースで無理なく進めることが腎機能を長く守るポイントです。 食事管理とともに再生医療による治療をご検討の際は、ぜひ当クリニックにご相談ください。あなたに合ったサポートをご提案します。 糖尿病性腎症の食事の献立におけるよくある質問 果物は食べて良いですか? 果物はビタミンや食物繊維が豊富ですが、糖分を多く含むたみ血糖値が上がりやすいため、食べすぎには注意が必要です。腎症が進行すると、果物に多く含まれるカリウムを制限する必要が出てくる場合もあります。 缶詰の果物を利用する場合はシロップをしっかり切るなどの工夫も大切です。自分に適した量や種類は、医師や管理栄養士と相談しながら確認してください。 たんぱく質を減らすと栄養不足になりませんか? たんぱく質の制限は腎臓への負担を減らす大切な治療法です。しかし過度な制限で栄養不足にならないよう、代わりに十分なエネルギーを確保して筋肉量を維持することが重要です。 低たんぱくごはんや治療用食品を活用し、主食・副菜の組み合わせを工夫するとバランスを整えられます。管理栄養士の指導を受けながら取り組みましょう。 人工甘味料は大丈夫ですか? 一般に認可されている人工甘味料は安全性が確認されており、血糖値を上げにくいため糖尿病患者様でも上手に活用できます。飲み物やデザートに取り入れれば、甘みを楽しみながら血糖管理をしやすくなります。 ただし、商品によって甘味料の種類や量が異なるため、気になる場合は医師や管理栄養士に相談しましょう。 参考文献 文献1 栄養部|茨城県厚生連 JAとりで総合医療センター
2025.07.30 -
- 糖尿病
- 内科疾患
糖尿病性神経障害は、足のしびれや痛み、感覚低下などを引き起こし、進行すると潰瘍や切断といった重大な合併症を招く恐れがあります。 しかし、早期発見と適切な治療によって進行を抑え、生活の質を守ることが可能です。 本記事では、糖尿病性神経障害の原因や症状、治療法までをわかりやすく解説します。気になる症状がある方はぜひ参考にしてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 糖尿病性神経障害について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 糖尿病性神経障害とは?早期治療が必要な疾患 糖尿病性神経障害とは、高血糖状態が長期間続くことで神経が障害を受ける、糖尿病の代表的な合併症の一つです。以下のような障害があります。 感覚障害 しびれ、痛み、感覚鈍麻 運動障害 筋力低下、歩行障害 自律神経障害 立ちくらみ、発汗異常、胃腸運動の乱れ 糖尿病性神経障害には3つの障害があり、左右対称性に足先から進行するのが特徴です。 原因としては、高血糖によりソルビトールといった物質が神経内に蓄積し、神経のむくみや血流障害を引き起こすことが挙げられます。 進行性の疾患であり、放置すると重度の感覚障害や潰瘍、壊疽(えそ:組織の死滅)のリスクが高まるため、早期の診断と治療が重要です。 糖尿病性神経障害の早期治療が必要な理由 糖尿病性神経障害は進行性で、放置すると深刻な合併症を引き起こす危険があります。 早期に診断し治療を始めることで、合併症を予防し、生活の質を守ることが大切です。 合併症のリスクがある 糖尿病性神経障害が進行すると、感覚が鈍くなり小さな傷にも気づきにくく、足潰瘍や感染、壊疽を引き起こすことがあります。 進行後は治りにくく、最終的に切断を余儀なくされる深刻なケースも少なくありません。 自律神経障害による起立性低血圧は、ふらつきやめまいを生じ、転倒による骨折や頭部外傷など高齢者ではとくに危険です。心拍数や血圧を調節する自律神経が障害されると、不整脈や血圧変動が起こり、心臓突然死のリスクも増加します。 合併症のリスクを防ぐためには、神経障害を早期に発見し、適切な治療と管理を行うことが重要です。 患者様自身も日常的な足の観察やセルフケアを心がけることが大切です。 症状の進行を抑えられる 糖尿病性神経障害の進行を抑える最大のポイントは、血糖値の適切な管理です。 高血糖状態が長期間続くと神経へのダメージが進行し、症状が悪化してしまいます。しかし、食事療法、運動療法、薬物療法などで血糖をコントロールし続けることで、神経障害の進行を遅らせたり軽減したりできる可能性があります。 痛みやしびれなどの症状に対する治療薬の使用、生活習慣の改善、足のケア指導などを組み合わせると、患者様のQOL(生活の質)を守れます。 早期に医療機関を受診し、医師や看護師、栄養士などの専門チームと連携した治療が必要です。 糖尿病性神経障害の治療法 糖尿病性神経障害の治療は、血糖管理を基本に痛みの軽減や機能維持を目指す多角的なアプローチが必要です。治療法には、以下の5つがあります。 薬物療法 脊髄(脳)刺激療法 フットケア リハビリテーション 再生医療 患者様一人ひとりに合わせた治療計画を立てることが大切です。 薬物療法 糖尿病性神経障害に伴う痛みの軽減や生活の質の改善を目的に、薬物療法が広く行われます。痛みの程度や体の状態に合わせて薬剤を使い分け、症状を緩和します。 以下のような薬剤が用いられる場合が多いです。 薬の種類 薬剤の例 オピオイド トラマドール、オキシコドンなど Ca²⁺チャネルα2δリガンド リリカ(プレガバリン)、タリージェ(ミロガバリン)など 抗けいれん薬 ガバペンチンなど 抗うつ薬 デュロキセチン、アミトリプチリンなど 痛みの軽減が目標ですが、対症療法として神経ブロックやリハビリテーションの組み合わせも有効です。患者様の症状や副作用のリスクを考慮しながら、医師が最適な治療法を提案します。 脊髄(脳)刺激療法 脊髄(脳)刺激療法は、電気刺激によって痛みの神経伝達を調整する先進的な治療法です。手術で脊髄近くに電極を留置し、刺激装置で電流を流すことで痛みを抑えます。慢性的な神経障害性疼痛が薬や神経ブロックで十分改善しない場合に検討される選択肢です。 脊髄(脳)刺激療法は、神経障害性疼痛の重症例に対し有効性が認められており、生活の質を大きく向上させる可能性があります。試験刺激を行い効果を確認した上で、本格的に装置を植え込むか判断します。 費用や適応条件も含め、医師と慎重に相談しながら治療計画を立てましょう。 フットケア 糖尿病性神経障害では、感覚低下により足の小さな傷や感染に気づきにくくなります。毎日欠かさず足を観察し、赤みや水疱、水虫、爪の変形がないか確認します。靴はサイズが合った通気性の良いものを選び、インソールで足の負担を軽減するのが効果的です。 皮膚を清潔に保つ、乾燥を防ぐ保湿をするなど、セルフケアを続けると重症化を防げます。もし異常を見つけた場合は、早めに受診し適切な処置を受けてください。定期的に専門的なフットケアを受けることも有効です。 神経障害が進むと治りにくい潰瘍や感染につながるため、早期対応と予防の徹底が何より重要です。 リハビリテーション リハビリテーションは、糖尿病性神経障害による筋力低下や転倒リスクを軽減し、日常生活を安全に送るために欠かせません。 有酸素運動や筋力トレーニングを行うと、血流や代謝を改善し、神経機能が維持されます。また、バランス訓練やストレッチは柔軟性を保ち、ふらつきを防ぐ効果があります。 普段から「こまめに動く」ことを意識し、座りっぱなしを避ける意識を持ちましょう。理学療法士による個別指導で、自分に合った安全で無理のない運動プログラムを組めます。 運動療法を続ければ、体力や活動量を維持しながら、痛みやしびれの軽減にもつながります。定期的に評価を受け、運動メニューを見直しながら継続しましょう。 再生医療 再生医療は、患者様自身の脂肪から取り出した幹細胞を培養・増殖させて体に戻す治療法です。 幹細胞には、分化能という他の細胞に変化する能力があります。この能力を生かして、糖尿病に対する治療では点滴で幹細胞を投与し、血管やインシュリンを分泌する膵臓(すいぞう)に幹細胞を届けます。 ただし、幹細胞治療を行っても血糖管理が不十分では十分な効果は得られません。治療の中心はあくまで血糖コントロールであり、その上で再生医療を選択肢の一つとして検討します。 糖尿病に対する再生医療について詳細は以下もご覧ください。 糖尿病性神経障害の受診のタイミング 糖尿病性神経障害は進行性で、早期発見と治療が重要です。症状が軽いうちから受診することで、重症化や合併症を防げます。 以下のような症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。 足先や手先のしびれ、チクチクする痛み 感覚が鈍くなる、熱さや痛みを感じにくい 夜間や安静時に痛みが増す 足の皮膚の変化(赤黒い色、乾燥、ひび割れ、潰瘍) 立ちくらみ、めまい(起立性低血圧) 胃もたれ、下痢や便秘、排尿障害など自律神経の症状 傷や潰瘍が治りにくい、感染を繰り返す このような症状は神経障害の進行を示すサインです。痛みがなくても神経はダメージを受けていることがあります。 小さな変化を見逃さず、早めに専門医に相談し、適切な治療を始めてください。 糖尿病性神経障害だと思ったら早期に受診しよう しびれや痛みは神経障害の初期サインであり、早期発見が病状の進行を抑えるポイントです。 糖尿病の方は自覚症状がなくても神経にダメージが進行している場合があるため注意が必要です。 「こんな症状で受診して良いのかな」と迷わずに、気になる変化があれば早めに医療機関へ相談しましょう。 専門医による診断と適切な治療を受けると、進行を抑え、将来的な足潰瘍や感染、壊疽、切断など深刻な合併症を予防できます。 日常生活での足のセルフチェックや血糖管理も大切で、患者様自身の意識と取り組みが予防につながります。 糖尿病性神経障害は放置せず、医師と一緒に取り組むことが重要です。なかなか良くならずにお悩みの方も、お気軽にお問い合わせください。 糖尿病性神経障害の治療に関してよくある質問 しびれだけで痛みがない場合も治療すべきですか? しびれだけでも進行を抑えるために早期に医療機関を受診し、血糖コントロールや生活習慣の見直し、医師の指導を受けることが大切です。 しびれは神経障害の初期サインで、痛みがなくても進行している可能性があります。 感覚が鈍くなることで小さな傷ややけど、靴擦れなどに気づかず、感染や潰瘍、最悪の場合は壊疽や切断につながるリスクも高まり危険です。痛みがないからといって放置してしまうと、症状は徐々に進行し、取り返しがつかない状態になることもあります。 自覚症状が軽いうちからの治療が、将来的な重症化や合併症を防ぐポイントです。 神経は再生しますか? 糖尿病性神経障害によって傷ついた神経を完全に元通りに再生させることは、現在の医療では非常に難しいです。ただし、血糖コントロールを適切に行うことで新たな神経ダメージを防ぎ、進行を抑えられます。 しびれや痛みなどの症状を緩和する薬物療法、生活指導、リハビリなどを組み合わせた包括的な治療によって、日常生活への支障を減らし、生活の質を保てます。 早期発見と治療継続が、神経障害の進行を防ぎ、患者様が安心して暮らすためには必要です。 何科を受診すれば良いですか? 糖尿病性神経障害が疑われる場合、「こんなことで受診して良いのかな」と遠慮せずに、まずはかかりつけ医に相談が大切です。 専門的な診療を受けたい場合は、内科、糖尿病内科、内分泌代謝科などが基本で、血糖コントロールや神経障害の程度、合併症リスクを総合的に評価してくれます。 早期に専門医を受診すれば、適切な治療計画を立て、進行を抑えられます。当院でも糖尿病性神経障害に関するご相談を受け付けていますので、しびれや痛みなど少しでも気になる症状があれば、お気軽にお問い合わせください。 糖尿病の神経障害は治らない? 糖尿病性神経障害は進行性の病気で、完全に治すことは難しいとされていますが、初期の段階であれば血糖値を厳格にコントロールすると症状の改善や進行抑制が可能です。 血糖管理を中心に、しびれや痛みを和らげる薬物療法、生活習慣の見直し、リハビリテーションなどを組み合わせた包括的な治療を続けると、合併症リスクを減らし、日常生活の質を維持できます。 放置せずに早期に治療を開始し、医師と一緒に継続的に管理していきましょう。
2025.07.30 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
「健康診断で脂質異常症を指摘されたけれど、とくに症状もないし……」 「最近、手足がしびれることがある。もしかして何かの病気と関係があるのかな?」 このように、健康診断の結果や気になっている手足のしびれに関して、不安に思われている方もいらっしゃることでしょう。 実は、脂質異常症そのものが直接「しびれ」を引き起こすことは、あまりありません。 しかし、だからといって安心はできません。 脂質異常症を放置していると、動脈硬化や糖尿病といった深刻な病気につながり、それが原因でしびれが現れることがあるのです。 本記事では、脂質異常症がどのようにして手足のしびれに関わるのか、そのメカニズムを専門医が詳しく解説します。 あわせて、ご自身でできる生活習慣の改善方法についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。 脂質異常症が関連する「しびれ」のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 脂質異常症でしびれる?基礎知識から症状まで専門医が解説 脂質異常症と診断されても、多くの場合、自覚症状がないため軽く考えてしまうかもしれません。 しかし、この病気は静かに進行し、重大な合併症を引き起こす可能性があります。 まずは脂質異常症とはどのような病気なのか、そしてなぜ「しびれ」と結びつけて考えられがちなのか、基本的な知識から確認していきましょう。 脂質異常症の定義と種類 脂質異常症とは、血液の中に含まれる脂質、具体的には「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が基準値より多い状態や、「善玉」と呼ばれるHDLコレステロールが基準値より少ない状態を指します。 血液中の脂質は、細胞膜やホルモンの材料になるなど、体にとって不可欠なものですが、そのバランスが崩れることが問題なのです。 主な種類は以下の3つのタイプに分けられます。(文献1) 脂質異常症のタイプ 説明 高LDLコレステロール血症 「悪玉」コレステロールが多い状態。増えすぎると血管の壁にたまり、動脈硬化の原因になります。 低HDLコレステロール血症 「善玉」コレステロールが少ない状態。善玉コレステロールは余分なコレステロールを回収する働きがあるため、少ないと動脈硬化が進みやすくなります。 高トリグリセライド血症 中性脂肪が多い状態。これも動脈硬化の要因となるほか、急性膵炎のリスクを高めることがあります。 これらの診断基準となる具体的な数値は、健康診断の結果などで確認できます。 ご自身の数値を把握し、どのタイプに当てはまるかを知ることが大切です。 なぜ「しびれ」が直接的な症状ではないのか? 「脂質異常症が原因で手足がしびれる」と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、結論からいうと、脂質異常症そのものが神経に直接作用して「しびれ」を引き起こすことは、ほとんどありません。 では、なぜ「しびれ」と脂質異常症が結びつけて考えられるのでしょうか。 その背景には、脂質異常症が引き起こす動脈硬化が大きく関係しています。 動脈硬化によって血管が硬く、狭くなると、手足の末端まで十分な血液が届きにくくなります。 この血流の悪化が、結果として神経に栄養や酸素を十分に供給できなくなり、しびれが感じられることがあるのです。 つまり、「脂質異常症→動脈硬化→血流障害→しびれ」という流れで症状が現れることはありますが、「脂質異常症 → しびれ」という直接的な関係ではないことを理解することが重要です。 そのため、「しびれ」を感じる場合、その裏には単なる血行不良だけでなく、脂質異常症がもたらす血管の深刻な変化が隠れている可能性を考える必要があります。 脂質異常症の一般的な自覚症状 脂質異常症が「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」と呼ばれる最大の理由は、病気がかなり進行するまで、ほとんど自覚できる症状が現れない点にあります。 痛みやかゆみ、倦怠感のようなわかりやすいサインがないため、健康診断で数値を指摘されても、つい放置してしまいがちです。 しかし、症状がないからといって、体の中で問題が起きていないわけではありません。 水面下で動脈硬化が静かに進行し、ある日突然、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気を引き起こすリスクをはらんでいます。 まれに、脂質異常症が重症化した場合や、遺伝的な要因が強い家族性高コレステロール血症などでは、特徴的な身体的サインが現れることがあります。 黄色腫(おうしょくしゅ): コレステロールが皮膚の下にたまってできる、黄色いできものや膨らみです。目のまぶたや、肘、膝、お尻などに見られることがあります。 アキレス腱黄色腫(けんおうしょくしゅ): アキレス腱が太く、硬くなります。これもコレステロールが沈着することによって起こります。 これらの症状は、脂質異常症がかなり進行しているサインかもしれません。 しかし、このような症状が現れる前に、定期的な健康診断で血液の数値をチェックし、異常があれば早期に対策を始めることがなによりも重要です。 脂質異常症がしびれの症状を引き起こすメカニズム 脂質異常症自体がしびれの原因になることは稀ですが、放置すると引き起こされるさまざまな合併症が、間接的に「しびれ」の症状をもたらすことがあります。 ここでは、その代表的なメカニズムを3つの観点から詳しく解説します。 動脈硬化による血流障害としびれの関係 糖尿病性神経障害としびれの関係 その他の合併症としびれの関係 ご自身の「しびれ」が、どのような体の変化によって起きているのかを理解する手がかりにしてください。 動脈硬化による血流障害としびれの関係 脂質異常症の最も深刻な影響の一つが、動脈硬化を促進してしまうことです。 動脈硬化とは、血管が弾力性を失い、硬く、もろくなってしまう状態を指します。 血液中に増えすぎた悪玉コレステロール(LDL)は、血管の内壁に入り込んで酸化され、プラークと呼ばれるお粥のような塊を形成します。 このプラークが血管の内側を狭くし、血液の流れを妨げるのです。 とくに、手や足の先にあるような細い血管(末梢血管)では、この影響が顕著に現れます。 動脈硬化によって血流が悪くなると、末梢の神経細胞に必要な酸素や栄養が十分に行き渡らなくなります。 その結果、神経が正常に機能できなくなり、「ジンジンする」「ピリピリする」といった「しびれ」や、足先が冷たく感じるといった症状が現れます。 さらに動脈硬化が進行すると、閉塞性動脈硬化症(ASO)という病気に至ることもあります。 この病気では、歩くと足が痛くなり、休むと楽になる特徴的な症状(間歇性跛行)が現れ、重症化すると足の組織が壊死してしまう危険性もあります。 糖尿病性神経障害としびれの関係 脂質異常症と糖尿病は、生活習慣の乱れという共通の土台を持つため、非常に密接な関係にあり、併発しやすいことが知られています。(文献2) 脂質異常症を放置していると、インスリンの働きが悪くなるインスリン抵抗性という状態を引き起こし、糖尿病の発症リスクを高める可能性があります。 そして、糖尿病の三大合併症の一つとして知られるのが糖尿病性神経障害です。 これは、糖尿病による高血糖の状態が長く続くことで、全身の神経、とくに手足の末梢神経がダメージを受ける病気です。 高血糖は、以下の2つのメカニズムで神経障害を引き起こし、しびれの原因となります。 神経細胞への直接的なダメージ:血液中の過剰な糖が、神経細胞内で代謝される過程でソルビトールという物質に変わり、これが神経細胞内に蓄積して神経の働きを妨げます。 神経への血流障害:高血糖は、神経に栄養を送る細い血管の動脈硬化も促進します。これにより血流が悪化し、神経細胞が酸欠・栄養不足に陥り、機能が低下します。 この糖尿病性神経障害によるしびれは、多くの場合、足の裏や指先から始まり、徐々に体の中心に向かって広がっていく特徴があります。 その他の合併症としびれの関係 動脈硬化や糖尿病のほかにも、脂質異常症が関与すると、しびれを引き起こす可能性のある病気が存在します。 例えば、甲状腺機能低下症もその一つです。 甲状腺ホルモンは全身の代謝をコントロールする重要なホルモンですが、このホルモンの分泌が低下すると、脂質代謝にも異常が生じ、脂質異常症を悪化させることがあります。 同時に、甲状腺機能低下症では、体のむくみ(粘液水腫)が神経を圧迫したり、神経そのものの働きが鈍くなることで、しびれや感覚の低下といった症状が現れることがあります。 また、肝臓は脂質代謝の中心的な役割を担う臓器です。 そのため、脂肪肝や肝硬変など、肝機能に障害が生じると脂質異常症を招きやすくなります。 肝機能の低下が進行すると、体内の毒素が十分に処理されなくなり、神経に悪影響を及ぼしてしびれを感じることもあります。 このように、脂質異常症は単独の問題ではなく、体のさまざまな機能と関連しあっています。 そのためしびれの症状がある場合は、こうした他の病気が隠れていないか多角的に原因を探ることが大切です。 脂質異常症改善のための生活習慣の見直しと実践方法 脂質異常症の治療の基本は生活習慣の改善です。 日々の少しの心がけが、血液中の脂質のバランスを整え、将来の大きな病気を防ぐことにつながります。 ここでは、すぐに始められる実践的な方法を3つの柱に分けてご紹介します。 食生活の改善ポイント 効果的な運動習慣の取り入れ方 禁煙・節酒の重要性 忙しい毎日の中でも無理なく続けられるヒントを見つけて、健康な体を取り戻しましょう。 食生活の改善ポイント 脂質異常症を改善するための第一歩は、毎日の食事を見直すことです。 とくに意識したいのは、摂取する「油の種類」と「食物繊維」です。 まず、「控えるべき油」と「積極的に摂りたい油」を知りましょう。(文献3) 油の種類 解説 控えるべき油 飽和脂肪酸:肉の脂身、バター、ラード、生クリームなどに多く含まれます。悪玉コレステロール(LDL)を増やす原因。 トランス脂肪酸:マーガリン、ショートニングなどを使用するお菓子やパン、揚げ物などに含まれます。悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロール(HDL)を減らす原因。 積極的に摂りたい油 不飽和脂肪酸:青魚(サバ、イワシ、アジなど)に含まれるEPAやDHA、オリーブオイルやナッツ類に含まれるオレイン酸などが代表的です。これらは中性脂肪を減らしたり、悪玉コレステロールを減らしたりする働きが期待できます。 次に、コレステロールの吸収を穏やかにする「食物繊維」を十分に摂ることが大切です。 食物繊維 解説 水溶性食物繊維 海藻、きのこ、こんにゃく、大麦などに豊富です。腸内でコレステロールの吸収を妨げる働きがあります。 不溶性食物繊維 野菜、豆類、きのこ類に多く含まれます。便通を促し、腸内環境を整えます。 まずは、食事の最初に野菜や海藻のサラダ、きのこのスープなどを一品加えることから始めてみてはいかがでしょうか。 効果的な運動習慣の取り入れ方 食事改善と並行した定期的な運動は、脂質異常症の改善に効果的です。中性脂肪を減らし、善玉コレステロール(HDL)を増やす直接的な効果が期待できます。 特に推奨されるのは、ウォーキングや水泳、サイクリングなどの有酸素運動です。 体脂肪をエネルギーとして燃焼し、脂質代謝を改善します。少し汗ばむ強度で1回30分以上が目標です。 まずは階段の利用や一駅分のウォーキングなど、日常で体を動かす機会を増やしましょう。 有酸素運動に筋力トレーニングを組み合わせると、さらに効果が高まります。筋肉量増加により基礎代謝が上がり、エネルギー消費しやすい体質になります。 無理のない範囲で週3回以上が理想です。(文献4) 禁煙・節酒の重要性 食事や運動と同じくらい、あるいはそれ以上に脂質異常症の改善と合併症予防に重要なのが、禁煙と節酒です。(文献5) 禁煙について タバコの有害物質は血管内壁を傷つけ、動脈硬化を促進します。また善玉コレステロール(HDL)を減らし、悪玉コレステロール(LDL)を酸化させて血管壁への蓄積を促します。 脂質異常症患者の喫煙は動脈硬化リスクを著しく高めるため、自力での禁煙が困難な場合は禁煙外来の利用を検討しましょう。 節酒について 過度の飲酒は肝臓での中性脂肪合成を促進し、高トリグリセライド血症の直接の原因となります。 高カロリーなおつまみも脂質異常症を悪化させるため、食べすぎには注意が必要です。 厚生労働省が示す適度な飲酒量は1日あたり純アルコール約20gです。これはビール中瓶1本、日本酒1合、ワイングラス1杯弱に相当します。 飲まない日を設けて、肝臓を休ませるのも大切です。 脂質異常症の症状|しびれへの再生医療のアプローチ 脂質異常症が進行し、動脈硬化によって手足の血流が悪化して「しびれ」などの症状が現れた場合、生活習慣の改善や薬物療法と並行して、新たな治療の選択肢が検討されることがあります。 その一つが「再生医療」という治療法です。 再生医療は、患者様自身の幹細胞や血液を使う治療法で、入院や手術を伴わないのが特徴です。 当院「リペアセルクリニック」では、幹細胞を用いた再生医療を提供しております。 公式LINEでは、再生医療に関する情報発信や簡易オンライン診断を実施しているので、ぜひご登録ください。 脂質異常症の症状でしびれを感じたら医療機関へ 今回は、手足のしびれと脂質異常症の関係について解説しました。 脂質異常症そのものが直接「しびれ」を引き起こすことはまれである一方、放置すると動脈硬化や糖尿病といった合併症につながり、結果として「しびれ」が現れる可能性があります。 このように自覚症状がないまま進行することが多いため、健康診断での数値チェックと、症状が出る前からの生活習慣の改善が非常に重要です。 もし、あなたが健康診断で脂質異常症を指摘されており、かつ手足のしびれにお悩みであれば、それは体からの危険信号かもしれません。 自己判断で放置せず、なるべく早く専門の医療機関を受診して原因を調べてもらいましょう。しびれの症状は、時として重篤な病気のサインである可能性もあります。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報発信や簡易オンライン診断を実施しています。お悩みの症状がある方は、ぜひ一度ご登録ください。 参考文献 (文献1) 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版|日本動脈硬化学会 (文献2) 糖尿病診療ガイドライン2024|日本糖尿病学会 (文献3) 日本人の食事摂取基準2020年版|厚生労働省 (文献4) 健康づくりのための身体活動基準2023|厚生労働省 (文献5) 喫煙・飲酒とHDLコレステロールの関連解析|J-MICC研究
2025.07.30 -
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「健康診断で脂質の数値を指摘されたけれど、脂質異常症と高脂血症って何が違うの?」「放っておくとどうなるのだろう」と、健康診断の結果を見て不安を感じた方も多いのではないでしょうか。 脂質異常症と高脂血症は、よく混同されがちな言葉ですが、近年、医療の現場では「脂質異常症」が正式な病名として使われています。 脂質異常症は、自覚症状がないまま動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中など命に関わる病気を引き起こす可能性があるため注意が必要です。 本記事では、脂質異常症と高脂血症の違いから原因や基準値、予防・治療法、そして再生医療まで解説します。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。脂質異常症に関連する「しびれ」などの症状についてお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 脂質異常症と高脂血症の違い【結論:同じ病態の旧称と新称】 脂質異常症と高脂血症は基本的に同じ病態を指しますが、現在では「脂質異常症」が正式な診断名で、「高脂血症」は古い呼び方です。 かつては、血液中のコレステロールや中性脂肪が基準値より高い状態を総称して「高脂血症」と呼んでいました。 しかし、研究が進むにつれて、脂質の中でも「HDLコレステロール(善玉)」のように、基準値より「低い」状態が体に悪影響を及ぼす脂質があることがわかってきました。(文献1) このような脂質の異常を包括的に捉えるべく、2007年に日本動脈硬化学会が診断名を変更し、脂質の量が基準値から外れた状態をすべて含める形で「脂質異常症」という名称が使われるようになったのです。 【比較表】脂質異常症と高脂血症の診断範囲の違い 現在の正式な診断名である「脂質異常症」は、以前使われていた「高脂血症」よりも、より広い異常を対象としています。 以下の表では、脂質異常症と高脂血症の違いを整理しました。 脂質の種類 脂質異常症 (現在の診断名) 高脂血症(以前の考え方) HDLコレステロール (善玉) 低いことが問題 (基準に含まず) LDLコレステロール (悪玉) 高いことが問題 高いことが問題 トリグリセライド (中性脂肪) 高いことが問題 高いことが問題 このように、悪玉コレステロールや中性脂肪の増加に加え、善玉コレステロールの減少も含む状態を脂質異常症と呼びます。 より広い範囲の異常を的確に捉えるべく、高脂血症から脂質異常症へ診断名が変更されたわけです。 なぜ「高脂血症」から「脂質異常症」に名称変更されたのか 診断名が「高脂血症」から「脂質異常症」へ変更された理由は、病態の理解が進み、名称が実態と合わなくなったのが理由です。 以前は、LDLコレステロールや中性脂肪が基準より高い状態のみを問題とする「高脂血症」という名称が一般的でした。しかしその後の研究により、HDLコレステロールが基準より低い状態も、動脈硬化性疾患の重大なリスク因子であることが判明したのです。 したがって、「高脂血症」という表現では、「脂質が高い状態」のみが問題とされているような誤解を招く恐れがありました。このような背景を受け、2007年に日本動脈硬化学会は診断名を「脂質異常症」へと変更したわけです。 現在では、脂質値が高い場合だけでなく、低い場合も含めた異常として明確に捉えられるようになり、より適切な疾患管理と予防の啓発が可能になっています。 脂質異常症(高脂血症)の種類|基準値の違い・主な原因 脂質異常症は、血液中の脂質値が基準範囲から外れることで診断され、血液検査によって主に以下3つのタイプに分類されます。 高LDLコレステロール血症 低HDLコレステロール血症 高トリグリセライド血症(中性脂肪) ここでは、それぞれの特徴と日本動脈硬化学会が定めている診断基準値を解説します。 ご自身の健康診断の結果と見比べながら、どのタイプに当てはまる可能性があるのかを確認してみましょう。 高LDLコレステロール血症 高LDLコレステロール血症とは、血液中のLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が基準値を超えて多くなった状態を指します。 LDLコレステロールが増加すると、血管の内壁に入り込み「プラーク」と呼ばれる塊を形成し、動脈硬化を進行させるため注意しなければなりません。プラークが破れると、心筋梗塞や脳梗塞といった重大な疾患を引き起こす危険が高まるのです。 診断の基準は、空腹時の血液検査でLDLコレステロール値が140mg/dL以上とされています。(文献2) 主な原因は、肉の脂身やバターなど動物性脂肪の摂りすぎや慢性的な運動不足、さらには遺伝的な体質などが挙げられます。 低HDLコレステロール血症 低HDLコレステロール血症は、血管内の余分なコレステロールを回収し、肝臓に戻す役割をもつHDLコレステロール(善玉)が基準より少ない状態です。 HDLコレステロールが不足すると、血管内にコレステロールが蓄積しやすくなり、動脈硬化の進行を抑えにくくなります。 診断基準は、空腹時の採血でHDLコレステロール値が40mg/dL未満の場合です。(文献2) 喫煙習慣、運動不足、内臓脂肪型肥満といった生活習慣が主な要因とされており、生活習慣の改善が治療の基本になります。 高トリグリセライド血症(中性脂肪) 高トリグリセライド血症は、血液中の中性脂肪「トリグリセライド」が基準を上回る状態を指します。 中性脂肪は体のエネルギー源ですが、過剰に蓄積されると内臓脂肪として蓄えられ、動脈硬化のリスクを大きく高める要因となるため注意が必要です。 診断基準では、空腹時の血液検査においてトリグリセライド値が150mg/dL以上が異常とされます。(文献2) 白米やパンなど糖質の多い食事や過度の飲酒、過食、運動不足などが主な原因であり、バランスの取れた食事と生活習慣の見直しが重要です。 脂質異常症を放置するリスクとは?動脈硬化と関連疾患 脂質異常症を「症状がないから問題ない」と軽視することは、重大な疾患につながる危険な行為です。 脂質異常症は、進行しても自覚症状がほとんど現れないため、「サイレントキラー」とも呼ばれています。血管内にコレステロールが沈着し、プラークと呼ばれる塊を形成して血管を狭くする「動脈硬化」という血管の老化現象を静かに進行させているのです。 プラークが破れると血栓ができ、血流が遮断されて命に関わる疾患を引き起こす恐れがあります。 脂質異常症を放置した結果、動脈硬化を原因として発症する主な疾患には以下のようなものがあります。 影響を受ける場所 主な病名 心臓 狭心症、心筋梗塞 脳 脳梗塞、脳出血 足の血管 閉塞性動脈硬化症(痛み、しびれ) 腎臓の血管 腎機能の低下 これらの疾患は、発症すると命に関わるだけでなく、日常生活にも大きな支障を及ぼします。 健康診断で脂質異常症が指摘された場合は、身体からの重要な警告として真摯に受け止め、早期に生活習慣の改善や対策を始めることが大切です。 脂質異常症(高脂血症)の治療法 脂質異常症の治療において最も重要な目的は、単に検査値を下げるのではなく、動脈硬化の進行を抑制し、将来的な心筋梗塞や脳卒中の予防につなげることです。 治療の基本は、病態の根本にある生活習慣の改善であり、以下の3つのアプローチが柱となります。(文献3) 食事療法 運動療法 薬物療法 まずは食事や運動の改善から開始し、それでも脂質値のコントロールが困難な場合や動脈硬化のリスクが高いと判断される場合には、薬物療法の併用が推奨されます。 では、以下で詳しく見ていきましょう。 食事療法|コレステロールを下げる脂質異常症(高脂血症)に良い食べ物 脂質異常症の管理では、日々の食事内容の見直しが治療の基本です。バランスの取れた食習慣で、血中脂質の改善と動脈硬化の予防につなげていきましょう。 以下では、控えるべき食品と積極的に摂取したい食品の例を挙げましたので、参考にしてみてください。 【控えるべき食品】 肉の脂身やバターなどに多い飽和脂肪酸 マーガリンや加工食品に含まれるトランス脂肪酸 精製された糖質(ご飯、パン、菓子類) アルコール類 飽和脂肪酸とトランス脂肪酸はLDLコレステロール(悪玉)の増加を促進し、過剰な糖質とアルコールは中性脂肪の上昇に関係するため注意が必要です。 【積極的に摂取したい食品】 野菜、海藻、きのこ類に豊富な食物繊維 青魚やオリーブオイルに多く含まれる不飽和脂肪酸 水溶性食物繊維はコレステロールの吸収を抑制し、不飽和脂肪酸は血中脂質のバランスを整える作用があります。無理なく食習慣を改善するためにも、まずは1日1食からの見直しを意識してみましょう。 運動療法|脂質異常症の改善に効果的な運動 運動療法は、食事療法と並んで脂質異常症の改善に欠かせない要素です。有酸素運動には、HDLコレステロール(善玉)の増加とトリグリセライド(中性脂肪)を減少させる効果があります。 以下のように、手軽に始められる運動がおすすめです。 ウォーキング 軽いジョギング 水泳や自転車などの有酸素運動 「ややきつい」と感じる強度で、1回30分以上、週に3日以上を目標にしましょう。 忙しい場合は、10分×3回でも同等の効果が期待できます。たとえば、「一駅分を歩く」「エレベーターではなく階段を使う」など、日常の中に自然な形で運動を取り入れることから始めましょう。(文献5) なお、心臓病や膝関節に既往症がある方は、運動を開始する前に必ず医師の指導を受けてください。 薬物療法|脂質を下げる薬の種類と作用 食事療法や運動療法を継続しても脂質の数値が基準値まで改善しない、あるいは心筋梗塞などの動脈硬化性疾患のリスクが高いと医師が判断した場合には、薬物療法が検討されます。(文献4) ただし、薬物療法は生活習慣の改善を補助する手段であり、心筋梗塞の既往がある方や糖尿病を合併している方を除き、治療の主軸ではありません。自己判断での服薬中止や調整は避け、必ず医師の指示に従いましょう。 脂質異常症の治療で使用される主な薬剤には、以下の種類があります。 薬の種類 作用の概要 スタチン系薬剤 肝臓でのコレステロール合成を抑える、最も基本的な薬です。 フィブラート系薬剤 肝臓での中性脂肪の合成を抑え、分解を促します。 EPA・DHA製剤 青魚の油の成分で、中性脂肪の合成を穏やかに抑えます。 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬(エゼチミブ) 小腸でのコレステロールの吸収を妨げます。 なお、いずれの薬剤にも副作用の可能性があり、筋肉の痛み、脱力感、肝機能の異常などが見られるケースがあります。薬を服用している間に体調の変化を感じた場合には、速やかに主治医に相談しましょう。 脂質異常症の薬については、以下の記事で詳しく解説しておりますので、気になる方は参考にしてみてください。 脂質異常症(高脂血症)の予防法|今日からできる生活習慣の改善 脂質異常症は、将来的な動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中のリスクを高める疾患ですが、発症の多くは日々の生活習慣と密接に関連しています。 とくに、偏った食事や運動不足、喫煙、肥満といった要因は血中脂質の異常を引き起こしやすく、早期からの対策が必要です。 ここでは、今日から始められる4つの具体的な改善策を紹介します。 食事を管理する 脂質異常症の予防には、毎日の食事内容の見直しが欠かせません。 過剰なカロリーや飽和脂肪酸、トランス脂肪酸の摂取は、LDLコレステロールや中性脂肪を増加させ、動脈硬化のリスクを高めます。 また、糖質やアルコールの摂りすぎも中性脂肪の上昇につながるため、控えめにしましょう。 なかでも、以下の5点が重要です。 カロリー摂取量を適正に保つ 飽和脂肪酸(肉の脂身、バターなど)を控える トランス脂肪酸(マーガリン、加工食品など)を避ける 甘いもの・炭水化物の過剰摂取を控える アルコール摂取を減らす さらに、野菜や海藻、青魚などを積極的に取り入れると、コレステロール吸収の抑制や脂質バランスの改善が期待できます。 身体活動・運動に取り組む 運動不足は、HDLコレステロールの低下や中性脂肪の上昇につながり、脂質異常症の進行要因となるため要注意です。 有酸素運動には、脂質代謝を改善し、心血管疾患のリスクを下げる効果が認められています。ウォーキングや軽いジョギング、水泳などの有酸素運動を「ややきつい」と感じる強度を目安に行いましょう さらに、運動の「質」と「量」をより明確に把握するための指標として、「メッツ(METs)」が役立ちます。メッツは、身体活動の強度を数値化した単位で、安静時のエネルギー消費量を「1メッツ」と定義し、それに対して何倍のエネルギーを消費するかを表します。 たとえば、普通の歩行は約3メッツ、軽いジョギングは約6メッツとされており、活動の強度を客観的に評価する際に有用です。 厚生労働省のガイドライン(2023年案)では、生活習慣病予防のために「週23メッツ・時以上」の身体活動を推奨しています。(文献5)これには、3メッツの活動を週に約8時間、または6メッツの活動を週に約4時間などが該当します。 無理なく減量する 過体重や肥満は、LDLコレステロールや中性脂肪の増加、HDLコレステロールの低下に直結するリスク因子です。 しかし、急激な減量や過度な食事制限は健康を損なう恐れがあるため、無理のないペースでの減量が推奨されます。 実際、無糖尿病の肥満者40人を対象にしたランダム化比較試験では、体重のわずか5%の減少で肝臓や脂肪組織、筋肉のインスリン感受性が大きく改善し、心血管疾患のリスク因子が良好な方向に変化したと報告されています。(文献8) 体重を少し減らすだけでも、脂質代謝に良い影響をもたらす可能性があるため、適切な食事制限と定期的な運動を組み合わせて無理なく体重を管理しましょう。(文献6) 禁煙する 喫煙は、HDLコレステロールを低下させる要因の一つであり、脂質異常症の悪化や動脈硬化の進行に関与します。たとえタバコの本数が少なくても、血管内皮機能に与えるダメージは大きく、予防の観点から禁煙は不可欠です。 各国の合計45本の研究を対象とした大規模なメタ解析では、禁煙によってHDLコレステロールが平均0.06 mmol/L(約2.3 mg/dL)上昇することが確認されました。(文献7) 禁煙は単に肺への負担を減らすだけでなく、脂質代謝の改善にも明確な効果が期待できます。禁煙は、脂質異常症の予防・治療において欠かせない取り組みです。 まとめ|脂質異常症(高脂血症)は早期発見と継続的な対策が重要 脂質異常症は、LDLコレステロール(悪玉)の上昇だけでなく、HDLコレステロール(善玉)の低下や中性脂肪の増加など、血中脂質の広範な異常を指す病態です。 放置すると、血管の老化が静かに進行し、動脈硬化を通じて心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる疾患を引き起こすリスクが高まります。 脂質異常症は「サイレントキラー」とも呼ばれ、自覚症状がほとんど現れないまま進行する点に注意が必要です。症状がなくても年に1回は健康診断を受け、自分の脂質値を把握しましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、さまざまな治療に応用されている再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を行っています。ぜひご登録いただき、ご利用ください。 脂質異常症(高脂血症)に関するよくある質問 略語の「dL」と「hl」とは何ですか? 「dL」はデシリットル(deciliter)の略です。 1dLは100mLに相当し、血液検査ではコレステロールや中性脂肪などの濃度を「mg/dL(ミリグラム・パー・デシリットル)」で表しています。 一方、「hl」は「hyperlipemia(高脂血症)」の略で、血中脂質の異常(現在の脂質異常症)を指す医療現場での略語です。日本の診断名としては、2007年以降「脂質異常症」という名称が公式に用いられています。 脂質異常症と高コレステロール血症の違いは? 脂質異常症は、LDLコレステロールが高い状態だけでなく、HDLコレステロールが低い状態や中性脂肪が高い状態も含めた総称です。 一方、高コレステロール血症はコレステロールやLDLコレステロールが高い状態を指す名称で、脂質異常症のうち「コレステロール値の高値」に焦点を当てています。 2007年の動脈硬化性疾患予防ガイドラインの改訂で「高脂血症」は「脂質異常症」に名称変更され、より幅広い脂質異常を包括する定義となりました。 脂質異常症(高脂血症)と糖尿病の関係は? 脂質異常症と糖尿病は、いずれも動脈硬化のリスク因子です。両者が合併するとその影響は相乗的になり、動脈硬化の進行がさらに加速します。 糖尿病患者はインスリン抵抗性の影響で中性脂肪が増え、HDLコレステロールが低下しやすくなるため、両疾患の管理を連携して行うことが重要です。 参考文献 (文献1) 脂質異常症(高脂血症)|日本医師会 健康の森 (文献2) 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版|日本動脈硬化学会 (文献3) 脂質異常症|厚生労働省 e-ヘルスネット (文献4) 脂質異常症治療のエッセンス|日本医師会編 (文献5) 健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023|厚生労働省 (文献6) Effects of Moderate and Subsequent Progressive Weight Loss on Metabolic Function and Adipose Tissue Biology in Humans with Obesity|PubMed (文献7) The effect of quitting smoking on HDL-cholesterol - a review based on within-subject changes|Biomarker Research (文献8) In obese patients, 5 percent weight loss has significant health benefits|WashU Medicine(Washington University School of Medicine in St. Louis)
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脂質異常症は、自覚症状がないため、知らず知らずのうちに進行してしまう疾患です。 しかし、そのまま放っておくと動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞などといった重篤な病気につながる可能性があります。 その一方で「どの薬を選べば良いのか」「副作用が心配」といった声も多く聞かれるのが現状です。 本記事では、脂質異常症の薬物治療について詳しく解説いたします。 薬の種類や効果、副作用のリスク、服用期間、そして薬に頼らない選択肢まで、専門医の視点からお伝えします。 ぜひ記事を最後まで読んで、脂質異常症薬への理解を深めましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 脂質異常症に関連する「しびれ」などの症状についてお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 脂質異常症とは?その診断基準と薬の必要性 まず脂質異常症がどのような状態を指すのか、その診断基準について解説します。 そして、なぜ早期の診断と適切な治療が重要なのか、放置した場合のリスクについても詳しくお伝えします。 ご自身の健康状態を正しく理解し、適切な治療につなげるための参考にしてください。 脂質異常症の診断基準について 脂質異常症とは、一定の基準値よりもLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が高い、または、HDL(善玉)コレステロールが低い状態です。 脂質異常症の診断では、まず採血による血液検査でLDLコレステロール値とHDLコレステロール値、中性脂肪値の測定から行います。 採血前日は、高脂肪食や高カロリー食を控え、禁酒し、12時間以上の絶食を行った状態の採血が必要です。 これらの値が下記いずれかに該当すると「脂質異常症」と診断されます。(文献1) LDL(悪玉)コレステロール値が140 mg/dL以上の場合 なお、LDLコレステロールが120〜139mg/dLは境界域といわれ、糖尿病や高血圧の合併がある場合は治療が必要となることがあります。 HDL(善玉)コレステロール値が 40 mg/dL未満の場合 中性脂肪が150 mg/dL以上の場合 ただし、単に数値が基準を超えればすぐに投薬するわけではありません。 診断の際には、年齢・性別・既往歴(心筋梗塞や脳卒中の経験)、家族歴(家族性高コレステロール血症の疑い)、喫煙歴、高血圧や糖尿病などの合併症も総合的に評価します。 この基準値に応じて、薬物治療のタイミングや方法が決まるので、ご自身の目標値については、医師にご相談ください。 脂質異常症治療薬の必要性と放置するリスク 脂質異常症は、自覚症状がないため、健康診断などで発見されることが多いです。 治療せずに放置すると、HDLコレステロールの減少やLDLコレステロールの増加により、動脈の壁に脂肪の塊(プラーク)を作ってこびりつき、その結果、動脈硬化になります。 動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や狭心症、脳卒中や脳梗塞などの重篤な病気になるリスクが高まります。 脂質異常症の薬について|主要な薬剤の種類 脂質異常症の治療には、主に以下の薬が使われます。 薬剤の種類 主な効果・特徴 スタチン系製剤 血液中のLDLコレステロール値を低下させる 1日1回の経口投与 PCSK9阻害薬 (エボロクマブ) 血液中のLDLコレステロール値を低下させる スタチン系製剤でLDLコレステロール値が十分に低下しない場合や、家族性高コレステロール血症、スタチン不耐の患者に使われる 皮下注射で、通常2週間に1回または1カ月に1回投与 自宅での自己注射が可能 siRNA薬 (インクリシラン) 血液中のLDLコレステロール値を低下させる スタチン系製剤でLDLコレステロール値が十分に低下しない場合や、家族性高コレステロール血症、スタチン不耐の患者に使われる 皮下注射で、通常6カ月に1回投与 医療機関でのみ投与 ベムペド酸 血液中のLDLコレステロール値を低下させる スタチン系製剤で副作用が出たり、LDLコレステロール値の低下が不十分な場合に使われる 1日1回の経口薬 その他の脂質改善薬 エゼチミブ(小腸でのコレステロール吸収を阻害する薬) フィブラート系製剤 EPA製剤 陰イオン交換樹脂 スタチン系製剤 スタチン系製剤は、肝臓でコレステロールが作られる際に働く「HMG-CoA還元酵素」という酵素の働きを阻害し、体内のコレステロール合成を抑えます。 その結果、血液中のLDL(悪玉)コレステロールが減少し、動脈硬化の進行を抑える効果が期待できます。 スタチン系製剤の特徴は、その種類や服用量によってコレステロールを下げる効果の強さが異なることです。 大きく分けて「スタンダードスタチン」と、スタンダードスタチンより作用が強い「ストロングスタチン」の2種類があります。 どの種類や量を使うかは、患者様の検査結果や病気のリスク、副作用の出方などによって、医師が総合的に判断します。 これらのスタチン系製剤の多くは、1日1回の服用が可能な経口薬です。 主な副作用には、以下の症状が挙げられます。 筋肉痛や筋力低下 消化器症状(胃の不快感、吐き気、便秘) 発疹 肝機能障害 少しでも体の異変を感じたら、自己判断で薬の服用を中止せず、速やかに医師に相談してください。 PCSK9阻害薬 PCSK9阻害薬は、スタチン系製剤の服用が難しい場合、スタチン系製剤と併用で検討される薬剤です。 肝臓で作られるPCSK9タンパク質の働きを阻害することで、血管からLDLを肝臓に取り込む受け皿であるLDL受容体を増加させます。この作用によって、血中のLDL(悪玉)コレステロールを下げられます。(文献2) PCSK9阻害薬は、スタチン系製剤では⼗分に LDLコレステロール値が低下しない方や家族性⾼コレステロール⾎症の方、冠動脈疾患、心筋梗塞、脳梗塞などの心血管疾患を経験し、再発予防が必要な方に有効な治療薬です。 日本で現在使用されているPCSK9阻害薬には、エボロクマブ(レパーサ)やアリロクマブ(プラルエント)などがあります。 投与は皮下注射で投与され、通常は2週間に1回、または月に1回の頻度で投与されます。 自宅での自己注射が可能なため、通院の負担を軽減できます。 副作用には、疼痛、紅斑、発疹などの反応を引き起こす可能性があります。副作用が出たら速やかに医師に相談してください。 siRNA薬(インクリシラン) siRNA薬は、肝臓で産生される特定のタンパク質、PCSK9の生成を抑えることでコレステロールを低下させる薬剤です。 siRNA薬はこのPCSK9の数を減らすことで、血液中のLDLコレステロール値を下げる効果を発揮します。 以下のような患者様にsiRNA薬は有効な治療薬とされています。 スタチン系製剤だけではLDLコレステロール値が十分に低下しない方 家族性高コレステロール血症の方 すでに心臓や脳の動脈硬化疾患をお持ちでコレステロール管理が不十分な方 siRNA薬は、皮下注射で投与され、成人には初回に300mgを投与し、その後3カ月に2回目の投与を行います。 それ以降は6カ月ごとに定期的に投与されます。この薬はPCSK9阻害薬と違い、医療機関でのみ投与可能なため、自己管理による投与忘れの心配はありません。 siRNA薬の副作用には、注射した部位に疼痛、紅斑、発疹などの反応を引き起こす可能性があります。 副作用が出た場合は、速やかに医師に相談してください。 ベムペド酸 ベムペド酸は、スタチン系製剤で副作用が出たり、LDLコレステロール値の低下が不十分な場合に処方されることがある薬剤です。 作用としては、肝臓に存在するATPクエン酸リアーゼという酵素を阻害し、コレステロールの合成を抑制します。 この酵素は肝臓に多く存在する酵素で、肝臓のコレステロール合成が減ることで、血中のLDLコレステロールが下がる効果が期待できます。 1日1回の経口薬で、日本では2024年11月26日に大塚製薬が製造販売承認申請を行っており、承認されれば処方される可能性があります。(文献3) ベムペド酸の副作用には、痛風・胆石症の発症率の上昇、血清クレアチニン・尿酸・肝酵素レベルが上昇する可能性があります。 その他の脂質改善薬(エゼチミブ、フィブラート製剤、EPA製剤、陰イオン交換樹脂) 脂質異常症の治療には、これまでにご紹介したスタチン系製剤やPCSK9阻害薬、siRNA薬以外にも、患者様の状態や脂質のタイプに合わせて、様々な薬剤が用いられます。 ここでは、その他の脂質改善薬について、その作用と特徴を解説します。 エゼチミブ(小腸コレステロールトランスポーター阻害剤) エゼチミブは、小腸におけるコレステロールの吸収を阻害します。 その結果、血液中のLDLコレステロールや総コレステロールの濃度が低下する薬で、1日1回の経口服用薬です。 スタチン系製剤を服用できない人の治療にも使用されますが、スタチン併用でLDLコレステロール値を下げることが報告されています。 エゼチミブの主な副作用には、発疹や消化器症状(便秘、下痢、腹痛、腹部膨満、吐き気、嘔吐)などがあります。 このような症状が現れた場合は、医師に相談してください。 フィブラート系製剤 フィブラート系製剤は、中性脂肪を下げる働きがあり、LDLコレステロールを減少させるとともに、HDL(善玉)コレステロールを増やす効果も期待できる薬で、1日1回の経口服用薬です。 スタチン系製剤と併用すると副作用として、筋肉の細胞が破壊される横紋筋融解症などの症状が起こるリスクが高まります。そのため、治療上併用する場合は医師の指導のもとでの服用が重要です。 EPA製剤(イコサペント酸エチル) EPA製剤は、血液中の中性脂肪を低下させ、血行を改善する効果があります。 EPA製剤には、サプリメントとして市販されているものと、高脂血症治療薬として処方される医療用医薬品の2種類ありますが、高脂血症治療薬として処方されるものは医師の診断と処方箋が必要です。 EPA製剤の主な副作用には、発疹や消化器症状(下痢、腹部の不快感、吐き気、嘔吐)などが報告されています。 陰イオン交換樹脂 陰イオン交換樹脂は、腸内で胆汁酸と結合して体外に排出させることで、血中コレステロール値を低下させる効果を持つ薬剤です。 スタチン系製剤が使用できない症例や併用薬として処方されてます。 陰イオン交換樹脂の主な副作用には、発疹や消化器症状(便秘、下痢、食欲不振、吐き気)があります。 飲み合わせや服用時の注意点 脂質異常症薬と他の薬や食品との飲み合わせや、日常生活で気を付けるべき点について解説します。 スタチン系製剤(アトルバスタチンとリピトール)+グレープフルーツジュース グレープフルーツに含まれる成分が薬の分解を妨げ、血中濃度が高くなり、薬の効果が強くなりすぎてしまう可能性があります。(文献4) グレープフルーツジュースの影響は、数日間におよぶこともあるといわれているため、薬を服用している間はグレープフルーツジュースを飲まないように注意しましょう。 同じ柑橘系の果物でも、みかんやオレンジは一緒に食べても影響を与えないと言われています。 スタチン系製剤+フィブラート系製剤 中性脂肪を下げる目的で併用されることがありますが、筋肉障害のリスクがやや高まります。(文献6) クレアチンキナーゼ(CK:筋肉の損傷を示す検査値)測定を定期的に行い、異常があれば片方を減量・中止することもあります。 EPA製剤+抗凝固薬 EPA製剤には血液をサラサラにする作用があり、抗凝固薬(ワルファリンなど)を服用中の方は出血傾向があるので注意が必要です。出血を伴う医療行為(抜歯、外科手術など)を行う場合には医師に相談しましょう。 胆汁酸吸着樹脂と他の経口薬 胆汁酸吸着樹脂は、他の薬剤の吸収を遅延・阻害する可能性があるため、服用時間を2時間以上空ける必要があります。 服用する薬剤の種類や量によっては、さらに時間を長く空ける場合もあるため、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。 脂質異常症の薬は一生飲み続ける?服用期間と中断の可能性 脂質異常症の薬は、多くの場合、長期的に服用を続けることが推奨されます。 しかし、必ずしも一生飲み続けなければならないわけではありません。 服用期間の目安は、患者様お一人おひとりの病状やリスク、生活習慣の改善状況によって異なります。 また、脂質異常症の原因は、家族性高コレステロール血症など遺伝的な要因を除き、食生活の偏りや運動不足、喫煙、アルコールの過剰摂取、他の疾患(糖尿病や肥満など)だといわれています。 治療の基本は生活習慣の見直しであり、薬を服用している間も食事・運動・減量・禁煙といった取り組みが欠かせません。こうした改善が進めば、薬の減量や将来的な服薬中止につながる可能性もあります。 重要なポイントとして、血液検査の結果、コレステロール値が改善しても自己判断で服用を中止しないでください。 事例をあげると、フランスの研究では、75歳以上の高齢者が予防のために服用していたスタチンを中止した場合と、継続した場合で比べると、中止した時の方が心血管イベントによる入院リスクが増加したことがわかっています。(文献5) 脂質異常症の薬に関するお悩み事はためらわずに医師へご相談ください ここまで脂質異常症と薬の治療について紹介しました。 コレステロールの数値や薬について、疑問や不安が生まれるのは当然のことです。 脂質異常症は、放置すると心筋梗塞や脳卒中といった重大な病気につながる可能性があるため、生活習慣の改善が非常に重要です。 一方で、薬による治療も大切です。LDL(悪玉)コレステロールを下げる薬、中性脂肪を下げる薬など、薬によって効果や特徴は異なりますが、医師は患者様を診断し処方する薬を選定します。 飲み合わせによってはさらに悪化する可能性もあるため、事前に医師にどのような薬を服用しているか伝え、副作用が起きるような場合も医師に早く相談しましょう。 脂質異常症の治療は、一人で抱え込むものではありません。 不安を抱えたまま治療を続けるのは精神的な負担にもなりますので、小さなことでもためらわず、医師に相談しましょう。 参考文献 (文献1) 動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2022年版|一般社団法人日本動脈硬化学会 (文献2) レパーサ皮下注140 mgペン 添付文書|PMDA (文献3) 高コレステロール血症治療薬「ベムペド酸」製造販売承認申請について|大塚製薬 (文献4) 薬物間相互作用―グレープフルーツジュースとスタチン|日本臨床薬理学会誌 (文献5) Statin discontinuation and cardiovascular events in 75-year-olds|European Heart Journal (文献6) Incidence of hospitalized rhabdomyolysis with statin-fibrate therapy|PubMed
2025.07.30







